JP2009260015A - 基板の製造方法及び基板処理装置 - Google Patents

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潤一 田▲辺▼
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Abstract

【課題】選択性及び基板面内の膜厚均一性を保ちながら十分厚いエピタキシャル膜を成長させることができる基板の製造方法及び基板処理装置を提供する。
【解決手段】
表面に少なくともシリコン露出面とシリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜の露出面とを備える基板を処理室内に搬入する工程と、 前記処理室内の前記基板を所定の温度に加熱する加熱工程と、 前記処理室内に、少なくともシリコンを含む第1の処理ガスとエッチング系の第2の処理ガスとを共に供給する第1のガス供給工程と、 前記処理室内に、前記第2の処理ガスとよりエッチング力の強いエッチング系の第3の処理ガスを供給する第2のガス供給工程と、を少なくとも含み、前記第1のガス供給工程と前記第二のガス供給工程とを所定回数繰り返して実施し、基板表面のシリコン露出面に選択的にエピタキシャル膜を成長させる。
【選択図】図3

Description

本発明は基板の製造方法及びその基板の処理装置に関し、特に、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)の生産に用いられる基板のソース/ドレイン上へ選択的にシリコンエピタキシャル膜を成長する工程を備える基板の製造方法及びその基板の処理装置に関する。
MOSFETの高集積化及び高性能化に伴い、基板特性の向上と微細化の両立が要求されている。この両立を実現するために、MOSFETのソース/ドレインの課題として、リーク電流低減及び低抵抗化などが求められており、これらの問題を解決する方法の一つとしてソース/ドレイン上にシリコンエピタキシャル膜を選択成長させる方法がある。
従来行われてきた選択エピタキシャル膜の成長方法には、成膜ガスとエッチングガスを同時供給する方法と、交互供給する方法の2つの方法がある。
成膜ガスとエッチングガスを同時供給する場合には、選択性と基板面内での膜厚均一性の確保の両立が困難である。選択性を高めると基板の中央部が厚く周辺部が薄くなり均一性が著しく低下する。また、均一性を確保すると、選択性が低下し絶縁膜上にも膜が成長してしまうという問題があった。さらに、プロセスパラメータが非常に多くなるため、プロセス制御が困難であるという問題や、成膜中にエッチングガスを導入することで成膜レートが大幅に減少してしまうという問題があった。
一方、成膜ガスとエッチングガスを交互供給する場合には、成膜のみを行う成膜ステップとエッチングのみを行うエッチングステップを有するが、成膜ステップでは、シリコン上と絶縁膜上での成長開始時間の差を利用して選択成長を進めるために、選択性の確保できる条件が狭いという問題があった。さらに、エッチング力の強いガスによって絶縁膜上に発生した核を取り除く際に、基板上の多結晶シリコン膜やシリコン基板等の膜質の違いによるエッチング依存性よりエッチング量が異なり、必要以上にエッチングしてしまう部分が発生してしまうという問題があった。
このため、従来の同時供給プロセスまたは交互供給プロセスでは、選択性及び基板面内での膜厚均一性を保ちながら十分厚いエピタキシャル膜を成長させることが困難であった。
従って、本発明の主な目的は、選択性及び基板面内での膜厚均一性を保ちながら十分厚いエピタキシャル膜を成長させることができる基板の製造方法及び基板処理装置を提供することにある。
本発明によれば、
表面に少なくともシリコン露出面とシリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜の露出面とを備える基板を処理室内に搬入する工程と、
前記処理室内の前記基板を所定の温度に加熱する加熱工程と、
前記処理室内に、少なくともシリコンを含む第1の処理ガスとエッチング系の第2の処理ガスとを共に供給する第1のガス供給工程と、
前記処理室内に、前記第2の処理ガスよりエッチング力の強いエッチング系の第3の処理ガスを供給する第2のガス供給工程と、
を少なくとも含み、前記第1のガス供給工程と前記第2のガス供給工程とを所定回数繰り返して実施し、前記基板表面のシリコン露出面に選択的にエピタキシャル膜を成長させてなる基板の製造方法が提供される。
また本発明によれば、
基板を収容する処理室と、
前記処理室内に所望の膜を形成するための処理ガスを供給するガス供給手段と、
前記処理室内の雰囲気を排気する排気手段と、
少なくとも前記ガス供給手段と前記排気手段を制御する制御部と、
を含み、少なくともシリコン露出面とシリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜の露出面とを備える基板の表面のシリコン露出面に選択的にエピタキシャル膜を成長させる基板処理装置であって、
前記制御部は、
シリコンを含む第1の処理ガスとエッチング系の第2の処理ガスを供給する第1のガス供給工程と、
エッチング系の処理ガスであって、前記第2の処理ガスとは異なる第3の処理ガスを供給する第2のガス供給工程とを、少なくとも1回以上の所定回数繰り返して行うように前記ガス供給手段を制御し、
前記第3の処理ガスは、前記第2の処理ガスよりエッチング力が強いガスである基板処理装置が提供される。
本発明によれば、選択性及び基板面内での膜厚均一性を保ちながら十分厚いエピタキシャル膜を成長させることができる基板の製造方法及び基板処理装置が提供される。
次に、本発明の好ましい実施例を説明する。
本発明の好ましい実施例では、表面の少なくとも一部にシリコン窒化膜もしくはシリコン酸化膜を有し、かつシリコン表面も露出したシリコン基板を処理室内に挿入し、処理室内にシラン系のガス(SiGeの混晶膜を成長する場合は、ゲルマン系のガスをも供給する)と同時に水素ガスおよびフッ素ガス、塩化水素ガスなどのエッチングガスを同時に導入することでシラン系もしくはゲルマン系ガスが気相中で反応するのを抑制しながらシリコン表面のみに選択的にシリコンエピタキシャル成長を行う第1のステップと、第1のステップで用いたエッチングガスよりエッチング力が強い塩素ガスなどのエッチングガスのみ導入してシリコン窒化膜もしくはシリコン酸化膜上に付着したシリコン原子を除去する第2ステップとを順に所定回数繰返すことにより選択エピタキシャル成長を行う。このようにすることで、選択性及び基板面内の膜厚均一性を保ちながら十分厚いエピタキシャル膜を成長させることが出来る。
ここで、第1のステップである成膜ステップと第2のステップであるエッチングステップでは共にエッチングガスを使用する。第1ステップではエッチング力の弱いガス、例えば塩化水素のようなガスを用いることを特徴としており、基板上のシリコン表面に選択的に膜厚均一性良く成膜することが可能となる。また、塩化水素のようなエッチング力の弱いガスを使用することによって、基板周辺部だけが極端にエッチングされることを防ぎ、面内の膜厚均一性を向上させることができる。また、基板表面のシリコン窒化膜や酸化膜、シリコンの多結晶膜や単結晶膜などの膜質によるエッチング力の差を小さくすることが可能となる。
しかし、エッチング力が弱いためにシリコン窒化膜やシリコン酸化膜等の絶縁膜上にもシリコン膜成膜の初期段階のシリコン核が発生してしまう。第2ステップでは、この絶縁膜上に発生したシリコン核の除去を小流量、短時間で行う目的でエッチング力の強いガス、例えば塩素を用いることによってシリコンの核を取り除くことが可能になる。また、短時間でのエッチングが可能なため、基板へのダメージの低減、スループットを向上させることが可能となる。
次に、図面を参照して、本発明の好ましい実施例について詳細に説明する。
図1に示されているように、シリコン等からなるウエハ(基板)200を収納したウエハキャリアとしてのカセット110が使用されている本発明の処理装置101は、筐体111を備えている。筐体111の正面壁111aの下方にはメンテナンス可能なように設けられた開口部としての正面メンテナンス口103が開設され、この正面メンテナンス口103を開閉する正面メンテナンス扉104が建て付けられている。メンテナンス扉104には、カセット搬入搬出口(基板収容器搬入搬出口)112が筐体111内外を連通するように開設されており、カセット搬入搬出口112はフロントシャッタ(基板収容器搬入搬出口開閉機構)113によって開閉されるようになっている。カセット搬入搬出口112の筐体111内側にはカセットステージ(基板収容器受渡し台)114が設置されている。カセット110はカセットステージ114上に工程内搬送装置(図示せず)によって搬入され、かつまた、カセットステージ114上から搬出されるようになっている。カ
セットステージ114は、工程内搬送装置によって、カセット110内のウエハ200が垂直姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置されるように構成されている。
筐体111内の前後方向の略中央下部には、カセット棚(基板収容器載置棚)105が設置されており、カセット棚105は複数段複数列にて複数個のカセット110を保管し、カセット110内のウエハ200を出し入れする可能となるように配置されている。カセット棚105はスライドステージ(水平移動機構)106上に横行可能に設置されている。また、カセット棚105の上方にはバッファ棚(基板収容器保管棚)107が設置されており、カセット110を保管するように構成されている。
カセットステージ114とカセット棚105との間には、カセット搬送装置(基板収容器搬送装置)118が設置されている。カセット搬送装置118は、カセット110を保持したまま昇降可能なカセットエレベータ(基板収容器昇降機構)118aと搬送機構としてのカセット搬送機構(基板収容器搬送機構)118bとで構成されており、カセットエレベータ118aとカセット搬送機構118bとの連続動作により、カセットステージ114、カセット棚105、バッファ棚107との間で、カセット110を搬送するように構成されている。
カセット棚105の後方には、ウエハ移載機構(基板移載機構)125が設置されており、ウエハ移載機構125は、ウエハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置(基板移載装置)125aおよびウエハ移載装置125aを昇降させるためのウエハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bとで構成されている。図1に模式的に示されているように、ウエハ移載装置エレベータ125bは、耐圧筐体111左側端部に設置されている。これら、ウエハ移載装置エレベータ125bおよびウエハ移載装置125aの連続動作により、ウエハ移載装置125aのツイーザ(基板保持体)125cをウエハ200の載置部として、ボート(基板保持具)217に対してウエハ200を装填(チャージング)および脱装(ディスチャージング)するように構成されている。
図1に示されているように、バッファ棚107の後方には、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを供給するよう供給ファン及び防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134aが設けられておりクリーンエアを筐体111の内部に流通させるように構成されている。また、ウエハ移載装置エレベータ125b側と反対側である右側端部には、クリーンエアを供給するよう供給フアンおよび防塵フィルタで構成された図示しないクリーンユニットが設置されており、クリーンユニットから吹き出されたクリーンエアは、ウエハ移載装置125aを流通した後に、図示しない排気装置に吸い込まれて、筐体111の外部に排気されるようになっている。
ウエハ移載装置(基板移載装置)125aの後側には、大気圧未満の圧力(以下、負圧という。)を維持可能な機密性能を有する筐体(以下、耐圧筐体という。)140が設置されており、この耐圧筐体140によりボート217を収容可能な容積を有するロードロック方式の待機室であるロードロック室141が形成されている。
耐圧筐体140の正面壁140aにはウエハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)142が開設されており、ウエハ搬入搬出口142はゲートバルブ(基板搬入搬出口開閉機構)143によって開閉されるようになっている。耐圧筐体140の一対の側壁にはロードロック室141へ窒素ガス等の不活性ガスを給気するためのガス供給管144と、ロードロック室141を負圧に排気するための図示しない排気管とがそれぞれ接続されている。
ロードロック室141上方には、処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部は炉口ゲートバルブ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。
図1に模式的に示されているように、ロードロック室141にはボート217を昇降させるためのボートエレベータ(基板保持具昇降機構)115が設置されている。ボートエレベータ115に連結された連結具としての図示しないアームには蓋体としてのシールキャップ219が水平に据え付けられており、シールキャップ219はボート217を垂直に支持し、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。
ボート217は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50枚〜150枚程度)のウエハ200をその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持するように構成されている。
次に、本発明の好ましい実施例の処理装置の動作について説明する。
図1に示されているように、カセット110がカセットステージ114に供給されるに先立って、カセット搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放される。その後、カセット110はカセット搬入搬出口112から搬入され、カセットステージ114の上にウエハ200が垂直姿勢であって、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。
次に、カセット110は、カセット搬送装置118によって、カセットステージ114から救い上げられるとともに、カセット110内のウエハ200が水平姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が筐体後方を向けるように、筐体後方に右周り縦方向90°回転させられる。引き続いて、カセット110は、カセット搬送装置118によって、カセット棚105ないしバッファ棚107の指定された棚位置へ自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、カセット搬送装置118によってカセット棚105に移載されるか、もしくは直接カセット棚105に搬送される。
スライドステージ106はカセット棚105を水平移動させ、移載の対象となるカセット110をウエハ移載装置125aに対峙する様に位置決めする。
予め内部が大気圧状態とされていたロードロック室141のウエハ搬入搬出口142がゲートバルブ143の動作により開放されると、ウエハ200はカセット110からウエハ移載装置125aのツイーザ125cによってウエハ出し入れ口を通じてピックアップされ、ウエハ搬入搬出口142を通じてロードロック室141に搬入され、ボート217へ移載されて装填(ウエハチャージング)される。ボート217にウエハ200を受け渡したウエハ移載装置125aはカセット110に戻り、次のウエハ110をボート217に装填する。
予め指定された枚数のウエハ200がボート217に装填されると、ウエハ搬入搬出口142がゲートバルブ143によって閉じられ、ロードロック室141は排気管から真空引きされることにより、減圧される。ロードロック室141が処理炉202内の圧力と同圧に減圧されると、処理炉202の下端部が炉口ゲートバルブ147によって開放される。続いて、シールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されて、シールキャップ219に支持されたボート217が処理炉202内へ搬入(ローディング)されて行く。
ローディング後は、処理炉202にてウエハ200に任意の処理が実施される。処理後は、ボートエレベータ115によりボート217が引き出され更に、ロードロック室140内部を大気圧に復圧させた後にゲートバルブ143が開かれる。その後は、概上述の逆の手順で、ウエハ200およびカセット110は筐体111の外部へ払出される。
次に、本発明の好ましい実施例の基板処理装置の処理炉202について説明する。
図2は本発明の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置の処理炉202及び処理炉周辺の概略構成図であり、縦断面図として示されている。
図2に示されるように、処理炉202は加熱機構としてのヒータ206を有する。ヒータ206は円筒形状であり、ヒータ素線とその周囲に設けられた断熱部材より構成され、図示しない保持体に支持されることにより垂直に据え付けられている。
ヒータ206の内側には、ヒータ206と同心円状に反応管としてのアウターチューブ205が配設されている。アウターチューブ205は、石英(SiO2)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。アウターチューブ205の内側の筒中空部には、処理室201が形成されており、基板としてのウエハ200を後述するボート217によって水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で収容可能に構成されている。
アウターチューブ205の下方には、アウターチューブ205と同心円状にマニホールド209が配設されている。マニホールド209は、例えば、ステンレス等からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。このマニホールド209はアウターチューブ205を支持するように設けられている。尚、マニホールド209とアウターチューブ205との間には、シール部材としてのOリングが設けられている。このマニホールド209が図示しない保持体に支持されることにより、アウターチューブ205は垂直に据え付けられた状態となっている。このアウターチューブ205とマニホールド209により反応容器が形成される。
マニホールド209には、ガス排気管231が設けられると共に、ガス供給管232が貫通するよう設けられている。ガス供給管232は、上流側で4つに分かれており、バルブ521、522、523、524とガス流量制御装置としてのMFC(マスフローコントローラ)511、512、513、514を介して第1のガス供給源501、第2のガス供給源502、第3のガス供給源503、第4のガス供給源504にそれぞれ接続されている。MFC511、512、513、514及びバルブ521、522、523、524には、ガス流量制御部235が電気的に接続されており、供給するガスの流量が所望の流量となるよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。ガス排気管231の下流側には、図示しない圧力検出器としての圧力センサ及び圧力調整器としてのAPCバルブ242を介して真空ポンプ等の真空排気装置246が接続されている。圧力センサ及びAPCバルブ242には、圧力制御部236が電気的に接続されており、圧力制御部236は、圧力センサにより検出された圧力に基づいてAPCバルブ242の開度を調節することにより、処理室201内の圧力が所望の圧力となるよう所望のタイミングにて制御するよう構成されている。
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞するための炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、例えばステンレス等の金属よりなり、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリングが設けられている。シールキャップ219には、回転機構254が設けられている。回転機構254の回転軸255はシールキャップ219を貫通して後述するボート217に接続されており、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。
シールキャップ219は、処理炉202の外側に設けられた昇降機構としての後述する昇降モータ248によって垂直方向に昇降されるように構成されており、これによりボート217を処理室201に対し搬入搬出することが可能となっている。回転機構254及び昇降モータ248には、駆動制御部237が電気的に接続されており、所望の動作をするよう所望のタイミングにて制御するよう構成されている。
基板保持具としてのボート217は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなり、複数枚のウエハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持するように構成されている。尚、ボート217の下部には、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなる円板形状をした断熱部材としての断熱板216が水平姿勢で多段に複数枚配置されており、ヒータ206からの熱がマニホールド209側に伝わりにくくなるよう構成されている。
ヒータ206近傍には、処理室201内の温度を検出する温度検出体としての温度センサ(図示せず)が設けられる。ヒータ206及び温度センサには、電気的に温度制御部238が接続されており、温度センサにより検出された温度情報に基づきヒータ206への通電具合を調節することにより処理室201内の温度が所望の温度分布となるよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。
この処理炉202の構成において、第1の処理ガスは、第1のガス供給源501から供給され、MFC511でその流量が調節された後、バルブ521を介して、ガス供給管232により処理室201内に導入される。
第2の処理ガスは、第2のガス供給源502から供給され、MFC512でその流量が調節された後、バルブ522を介して、ガス供給管232により処理室201内に導入される。
第3の処理ガスは、第3のガス供給源503から供給され、MFC513でその流量が調節された後、バルブ523を介して、ガス供給管232により処理室201内に導入される。
第4の処理ガスは、第4のガス供給源504から供給され、MFC514でその流量が調節された後、バルブ524を介して、ガス供給管232により処理室201内に導入される。
処理室201内のガスは、ガス排気管231に接続された排気装置としての真空ポンプ246により、処理室201から排気される。
次に、本発明で用いる基板処理装置の処理炉周辺の構成について説明する。
予備室としてのロードロック室140の外面に下基板245が設けられる。下基板245には昇降台249と嵌合するガイドシャフト264及び昇降台249と螺合するボール螺子244が設けられる。下基板245に立設したガイドシャフト264及びボール螺子244の上端に上基板247が設けられる。ボール螺子244は上基板247に設けられた昇降モータ248により回転される。ボール螺子244が回転することにより昇降台249が昇降するように構成されている。
昇降台249には中空の昇降シャフト250が垂設され、昇降台249と昇降シャフト250の連結部は気密となっている。昇降シャフト250は昇降台249と共に昇降するようになっている。昇降シャフト250はロードロック室140の天板251を遊貫する。昇降シャフト250が貫通する天板251の貫通穴は昇降シャフト250に対して接触することがない様充分な余裕がある。ロードロック室140と昇降台249との間には昇降シャフト250の周囲を覆うように伸縮性を有する中空伸縮体としてのベローズ265がロードロック室140を気密に保つために設けられる。ベローズ265は昇降台249の昇降量に対応できる充分な伸縮量を有し、ベローズ265の内径は昇降シャフト250の外形に比べ充分に大きくベローズ265の伸縮で接触することがないように構成されている。
昇降シャフト250の下端には昇降基板252が水平に固着される。昇降基板252の下面にはOリング等のシール部材を介して駆動部カバー253が気密に取付けられる。昇降基板252と駆動部カバー253とで駆動部収納ケース256が構成されている。この構成により、駆動部収納ケース256内部はロードロック室140内の雰囲気と隔離される。
また、駆動部収納ケース256の内部にはボート217の回転機構254が設けられ、回転機構254の周辺は、冷却機構257により、冷却される。
電力供給ケーブル258が昇降シャフト250の上端から昇降シャフト250の中空部を通って回転機構254に導かれて接続されている。又、冷却機構257、シールキャップ219には冷却流路259が形成されており、冷却流路259には冷却水を供給する冷却水配管260が接続され、昇降シャフト250の上端から昇降シャフト250の中空部を通っている。
昇降モータ248が駆動され、ボール螺子244が回転することで昇降台249及び昇降シャフト250を介して駆動部収納ケース256を昇降させる。
駆動部収納ケース256が上昇することにより、昇降基板252に気密に設けられるシールキャップ219が処理炉202の開口部である炉口161を閉塞し、ウエハ処理が可能な状態となる。駆動部収納ケース256が下降することにより、シールキャップ219とともにボート217が降下され、ウエハ200を外部に搬出できる状態となる。
ガス流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、温度制御部238は、操作部、入出力部をも構成し、基板処理装置全体を制御する主制御部239に電気的に接続されている。これら、ガス流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、温度制御部238、主制御部239は、コントローラ240として構成されている。
次に、上記構成に係る処理炉202を用いて、基板の製造工程の一工程として、ウエハ200などの基板上に、Epi−Si膜を形成する方法について説明する。尚、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作は、コントローラ240により制御される。
複数枚のウエハ200がボート217に装填されると、図2に示されるように、複数枚のウエハ200を保持したボート217は、昇降モータ248による昇降台249及び昇降シャフト250の昇降動作により処理室201内に搬入(ボートローディング)される。この状態で、シールキャップ219はOリングを介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように真空排気装置246によって真空排気される。この際、処理室201内の圧力は、圧力センサで測定され、この測定された圧力に基づき圧力調節器242がフィードバック制御される。また、処理室201内が所望の温度となるようにヒータ206により加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように温度センサが検出した温度情報に基づきヒータ206への通電具合がフィードバック制御される。続いて、回転機構254により、ボート217が回転されることでウエハ200が回転される。
第1のガス供給源501、第2のガス供給源502、第3のガス供給源503、第4のガス供給源504には、処理ガスとして、それぞれシラン系ガス又はハロゲン含有ガスであって例えばジクロルシランガス(SiH2Cl2)、塩化水素ガス(HCl)、塩素ガス(Cl2)、水素ガス(H2)が封入されており、次いで、これら処理ガス供給源からそれぞれの処理ガスが供給される。所望の流量となるようにMFC511、512、513、514の開度が調節された後、バルブ521、522、523、524が開かれ、それぞれの処理ガスがガス供給管232を流通して、処理室201の上部から処理室201内に導入される。導入されたガスは、処理室201内を通り、ガス排気管231から排気される。処理ガスは、処理室201内を通過する際にウエハ200と接触し、ウエハ200の表面上にEpi−Si膜が選択エピタキシャル成長される。
予め設定された時間が経過すると、図示しない不活性ガス供給源から不活性ガスが供給され、処理室201内が不活性ガスで置換されると共に、処理室201内の圧力が常圧に復帰される。
その後、昇降モータ248によりシールキャップ219が下降して、マニホールド209の下端が開口されると共に、処理済ウエハ200がボート217に保持された状態でマニホールド209の下端からアウターチューブ205の外部に搬出(ボートアンローディング)される。その後、処理済のウエハ200は、ボート217より取出される(ウエハディスチャージ)。
次に、本発明の好ましい実施例における基板処理について図3のプロセスシーケンス図を参照して説明する。
本発明の好ましい実施例では、表面の少なくとも一部にシリコン窒化膜もしくはシリコン酸化膜を有し、かつシリコン表面も露出したシリコンウエハ200を処理室201内に挿入する(ステップ301)。
次に、ウエハ200の温度が650〜800℃の範囲内の所定の温度になるようにする(ステップ302)。
次に、第1ステップである成膜ステップでは、成膜ガスとしてのジクロルシランガスとエッチングガスとしての塩化水素ガスを同時に処理室201内に導入してウエハ200に照射する(ステップ303)。このとき、圧力は100Pa以上、ジクロルシランガス流量は1〜300sccm、塩化水素ガス流量は1〜300sccm、水素ガス流量は1〜20slmとすることが好ましい。成膜ステップでは、これらのガスを同一ノズルから流すことにより、成膜ガスのみ、エッチングガスのみが反応することを避け、選択成長を行うことができるようなガス供給を行う。
次に、第2ステップであるエッチングステップでは、エッチングガスとして、成膜ステップで用いたエッチングガスよりもエッチング力の強い塩素ガスを処理室201内に導入してウェハ200に照射する(ステップ304)。このとき、温度は第1のステップと同じ温度で行うが、圧力は50Pa以下の低圧下で行い、エッチングガスが基板周辺部のみでなく、基板中央部まで到達し反応できるようにすると好ましい。また、塩素ガス流量は1〜100sccmとすることが好ましい。さらに、第2ステップでは水素ガスを流量1slmで流すとより好ましい。
次に、基板表面に残留した塩素を取り除くために、還元ガスとして例えば水素ガス等を供給するパージステップを行う(ステップ305)。
成膜ステップ、エッチングステップ、パージステップを順に行うことにより、シリコン膜の選択エピタキシャル成長を行う。また、成膜ステップ、エッチングステップ、パージステップは順に所定回数繰り返しても良い。
ステップ303のように、ジクロルシランガスと塩化水素ガスを同時に導入することでジクロルシランガスが気相中で反応するのを抑制しながらシリコン表面のみに選択的にシリコンエピタキシャル成長を行う。
また、ステップ304のように、エッチングガスのみを導入することによりシリコン窒化膜もしくはシリコン酸化膜上に付着したシリコン原子を除去する。
さらに、ステップ305のように、還元ガスを導入することにより基板表面に残留した塩素を除去する。
このように、ステップ303、ステップ304及びステップ305とを1回以上の所定回数繰返すことにより、選択性及び基板面内の膜厚均一性を保ちながら十分厚いエピタキシャル膜を成長させることが出来る。
ステップ303とステップ304においては、キャリアガスとしての水素ガスは10〜50000sccm、同じくキャリアガスとしての窒素ガスは0〜30000sccm流すことが好ましい。キャリアガスとしての水素ガスおよび窒素ガスは、成膜ガスやエッチングガスと同時に流す。窒素ガスを流す場合には、窒素ガス供給源、MFCおよびバルブを備えるガス供給ラインをもう一本追加する。
ステップ303とステップ304とを所定回数繰返して、所望のエピタキシャル膜を選択成長させた後は、ガスを止め、処理室201を排気する。
その後、処理室201からウエハ200をアンロードする(ステップ305)。
本発明の好ましい実施例の基板処理装置を説明するための概略斜視図である。 本発明の好ましい実施例の基板処理装置の処理炉を説明するための概略縦断面図である。 本発明の好ましい実施例の基板処理方法を説明するためのフローチャートである。

Claims (2)

  1. 表面に少なくともシリコン露出面とシリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜の露出面とを備える基板を処理室内に搬入する工程と、
    前記処理室内の前記基板を所定の温度に加熱する加熱工程と、
    前記処理室内に、少なくともシリコンを含む第1の処理ガスとエッチング系の第2の処理ガスとを共に供給する第1のガス供給工程と、
    前記処理室内に、前記第2の処理ガスよりエッチング力の強いエッチング系の第3の処理ガスを供給する第2のガス供給工程と、
    を少なくとも含み、前記第1のガス供給工程と前記第2のガス供給工程とを所定回数繰り返して実施し、前記基板表面のシリコン露出面に選択的にエピタキシャル膜を成長させてなる基板の製造方法。
  2. 基板を収容する処理室と、
    前記処理室内に所望の膜を形成するための処理ガスを供給するガス供給手段と、
    前記処理室内の雰囲気を排気する排気手段と、
    少なくとも前記ガス供給手段と前記排気手段を制御する制御部と、
    を含み、少なくともシリコン露出面とシリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜の露出面とを備える基板の表面のシリコン露出面に選択的にエピタキシャル膜を成長させる基板処理装置であって、
    前記制御部は、
    シリコンを含む第1の処理ガスとエッチング系の第2の処理ガスを供給する第1のガス供給工程と、
    エッチング系の処理ガスであって、前記第2の処理ガスとは異なる第3の処理ガスを供給する第2のガス供給工程とを、所定回数繰り返して行うように前記ガス供給手段を制御し、
    前記第3の処理ガスは、前記第2の処理ガスよりエッチング力が強いガスである基板処理装置。
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