JP4454290B2 - 調理方法、白米栄養付加材、米加工食品、および米調理セット - Google Patents

調理方法、白米栄養付加材、米加工食品、および米調理セット Download PDF

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Description

本発明は、白米を中心とした食生活を変えることなく、玄米代替食を摂取でき、玄米と比べてはるかに美味しく、炊き易く(白米と同じ炊飯条件)、食感もよく(玄米のように硬くない)、消化吸収が良い御飯でありながら、玄米と同等の栄養成分および生理活性成分を保有する白米御飯の調理方法等に関する。
近年、我々が主食としている白米は玄米をとう精したものであり、このとう精の際に玄米から除去されるものがいわゆる米糠である。この様に玄米をとう精し白米とすることで、炊き易く、食べ易く、また美味しい御飯を食することができる。
しかしながら、米の優れた栄養成分や生理活性物質(例えば、ミネラル、ビタミン、食物繊維、γオリザノール、IP6(六リン酸イノシトール)等)の90%以上は、玄米をとう精する際に除去される米糠に含有されており、従って、我々は、簡便性や美味しさを追求するがあまり、米が本来有している貴重な栄養分のほとんどを除去してしまっているのが現状である。
日本人は古来、玄米食を主食とし充分な栄養成分、生理活性物質を摂っていたが、江戸時代より一般庶民も美味な白米を主食とする傾向になり、時代の進化と共に徐々に糠成分を取り除き、3分、5分、7分つきとう精米へと美食を追求し、現代においては、遂に白米食100%へと移行している。その結果、大正、昭和の初期に、ビタミンB1を中心とした栄養不足となり、脚気、結核などが全国的に流行し社会問題となったことは、当時の食糧不足も一因とはいえ、注目すべき事実である。
この様な状況にあって、戦後の飽食や食生活の洋風化による動物性蛋白、脂質の過剰摂取により栄養バランスを崩し生活習慣病が急増していることから、食生活、特に日本食が見直されており、その中心である御飯の原点というべき玄米食を見直し、発芽玄米、玄米の全粒粉を使った玄米粉食など、玄米ブームが起こっている。
しかしながら、玄米の炊飯方法は白米のそれとは異なり、従って、家庭で玄米そのものを食する場合には、浸漬を半日から一昼夜する必要があり、圧力鍋で炊くなど火力を強くする必要があるなど、調理に時間と手間がかかってしまう。また、玄米のみを炊いたのでは、食感が悪いため白米に比べて極端に不味く感じる。さらに玄米には不消化性繊維が多く含まれているので消化吸収が悪く、老人や病人には負担がかかってしまう。それでも、健康志向の強い者は玄米に拘る(白米に比べて歯ごたえがあって噛むほどに甘みがでて美味しいと感じる者もいる)ので、玄米を食したい者が家庭にいる場合には、白米と玄米の両方を保存しなければならない手間もある。
このような状況において、玄米そのものを食するのではなく、前記米糠に着目し、これを他の食材と加工した「米糠を含有する健康食品」も生産されているが、所定量の健康食品を定期的に摂取することは面倒であり、やはり、日本食の中心である白米食とのセット食品とする方が定期的に摂取しやすい。また、市販の発芽玄米などの玄米製品も現状は美味しくなく、日常的に食べるには相当の抵抗がある。
本発明は、このような状況において鑑みなされたものであり、玄米そのものを食べる必要がなく、また、米糠を原料としこれを他の食材と加工した「米糠を含有する健康食品」を食べる必要もなく、従来と同様の白米中心の食生活を変えることなく、玄米食と同等の栄養を摂取することができる、白米の調理方法等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための発明は、米糠を低温圧搾処理および物理精製することにより得られる米油と、前記米油を得た後に残る部分脱脂米糠と、を白米と一緒に加水加熱調理することを特徴とする調理方法である。
このように、玄米を白米とする際に生じる米糠から得られる米油と部分脱脂米糠とを、白米と混ぜて加水加熱調理(炊飯も含む。以下同じ)することにより、白米から分離されてた栄養分をもう一度白米に戻す(一緒に食べる)ことができるので、白米を食していながらにして、玄米を食するのと同様の栄養分を搾取することができる。また、本発明の方法によれば、被調理物は、玄米ではなく白米であるので、従来からの白米調理方法で調理することができ、例えば、家庭等で使用されている一般的な炊飯器をそのまま用いることができ便利である。さらに、米油と部分脱脂米糠とが添加されているとはいえ、白米を食していることには変わりなく、従って、その味も玄米より美味しい。
さらに、本発明においては、使用される米油および部分脱脂米糠が共に、米糠を低温圧搾処理することにより得られたものであることに特徴を有している。米糠から米油と部分脱脂米糠を得る方法としては、通常はいわゆる溶剤抽出法が用いられている。溶剤抽出法とは、まず、米糠を乾式エクストルージョンまたはクッキング、あるいは湿式エクストルージョンまたは水蒸気処理に供することによって、米糠に含まれるリパーゼを失活させ、その後、米糠をノルマルヘキサンによって処理することで米油を抽出する方法である。この方法で得られた米油原油は、通常、0.5%程度の微粉末と3〜5%の蝋を含んでおり、原油を脱ガム、脱酸、脱蝋、脱色、ウインター処理し、次いで脱臭している。そして、米油原油を抽出した残留分がいわゆる脱脂米糠である。しかしながら、米糠から米油原油をノルマルヘキサンを使用して抽出する溶剤抽出法を用いると、大豆油や菜種油の場合と比べて溶剤のロスが多く、大気中に比較的に多量の溶剤が放出されるために、環境的に悪影響がある。そして、ノルマルヘキサンを使用して米油原油を抽出すると、抽出後の脱脂米糠は、ノルマルヘキサンを含有するおそれがあることから、人用の食品としては使用できなかった。また、従来においては、米糠から得られる米油原油を苛性ソーダによってアルカリ精製することも行われていたが、アルカリ精製すると栄養成分や生理活性物質の多くが失われていた。本発明の方法は、このような問題が生じる溶剤抽出法を採用せず、精米工場内で新鮮な米糠を酵素失活処理しリパーゼによる品質劣化を防止し、この酵素失活処理された米糠を低温圧搾処理プラントに投入し溶剤を使用せずに搾油するので、部分脱脂米糠に溶剤が残留する危険性は皆無である。また、米油はノンケミカルの(つまり苛性ソーダなどの化学薬品を用いることのない)物理精製法により精製されているので、この米油についても健康なプレミアムオイルと言える。
なお、本発明において脱脂米糠を「部分」脱脂米糠としているのは、低温圧搾処理後の脱脂米糠には若干量の米油が残存しているので、あえて部分脱脂米糠としている。
上記第1の発明にあっては、前記部分脱脂米糠が、乾燥した粉末状であることが好ましい。部分脱脂米糠を乾燥させることにより、取り扱いが容易となり、また部分脱脂米糠の酸化による品質劣化を防止することができる(部分脱脂米糠を日持ちさせることができる)。さらに、微粉末化することにより、部分脱脂米糠に含まれる炭水化物等の糖質をデキストリンに加水分解し易くすることができ、甘みと旨味が出て美味しく食することができる。
上記の発明にあっては、前記米油と、部分脱脂米糠と、白米との配合割合が、重量比で、1:9:90であることが好ましい。米油と、部分脱脂米糠と、白米とをこの割合で配合することにより、御飯の栄養価を玄米のそれに近づけることができる。
また、本願は、上記本願発明の調理方法により得られた米加工食品も提供する。
さらに、上記課題を解決するための他の発明は、米糠を低温圧搾処理および物理精製することにより得られる米油と、前記米油を得た後に残る部分脱脂米糠と、からなることを特徴とする白米栄養付加材である。
この発明によれば、白米栄養付加材は、前述した低温圧搾処理および物理精製により得られた米油と、部分脱脂米糠とからなるので、例えば、この白米栄養付加材を白米を炊く際に炊飯器内に投入するのみで玄米と同様の栄養価を有する白米を炊きあげることができる。
上記発明においては、前記米油と、部分脱脂米糠の配合割合が、重量比で、1:9であることが好ましい。この配合割合とすることにより玄米と同等の栄養価を手軽に搾取することができる。
また、上記課題を解決するための他の発明は、米糠を低温圧搾処理した後に残る部分脱脂米糠の使用方法であって、米糠を低温圧搾処理および物理精製することにより得られる米油を白米に添加し、加水加熱調理することで得られる米加工食品と同時に使用することを特徴とする部分脱脂米糠の使用方法である。
さらにまた、上記課題を解決するための他の発明は、米糠を低温圧搾処理および物理精製することにより得られる米油と白米とを加水加熱調理し、これに米糠を低温圧搾処理した後に残る部分脱脂米糠を添加したことを特徴とする米加工食品である。
また、上記課題を解決するための他の発明は、米糠を低温圧搾処理および物理精製することにより得られる米油と、前記米油を得た後に残る部分脱脂米糠と、白米と、からなる米調理セットである。
以下に、本発明の調理方法等について、さらに具体的に説明する。
本発明の調理方法は、米糠を低温圧搾処理および物理精製することにより得られる米油と、前記米油を得た後に残る部分脱脂米糠と、白米と、を一緒に加水加熱調理することに特徴を有している。
(1)米油、部分脱脂米糠、白米
先ず始めに、本発明の方法に用いる米油、部分脱脂米糠および白米について、それぞれ説明する。
図1は、本発明の方法において使用される米油および部分脱脂米糠を得るためのプロセスの概略を示すフローチャートであり、図2は、図1に示すプロセスのうちの部分脱脂米糠を精製する装置のブロック図である。
なお、本発明においては、図1に示す様々な処理を行う場所については特に限定することはない。つまり、例えば、図1に示すプロセスを精米工場内で行っても良く、一方、精米工場から発生する精米を後の新鮮な米糠を酵素失活処理を施すまでのプロセスを精米工場にて行い、低温圧搾処理以降のプロセスを製油工場で行っても良い。
まず、図2に矢印Aで示すように、原料である米糠をバケット1内に投入し、定量スケール2によって一定量の米糠を秤量し、米糠を一定量ごとロータリーシフター3に送る。原料となる米糠は、代表的には、次のような成分を含有している。
水分:13〜15%
油分:18〜20%
固形分:65〜70%
蝋分:0.9〜1.6%
リン脂質:0.3〜0.5%
酵素:リパーゼなど
ロータリーシフター3によって、不要な異物(例えば石、砕けた米)を矢印Bのように除去する(図1に示す「異物除去処理」)。次いで、米糠を一定量ごと乾燥機5に送り、送風機4から熱風を送風して気流乾燥する。この気流乾燥によって、比較的に短時間で殺菌および乾燥を行う。乾燥後の米糠の好ましい水分量は5〜10%である。
次いで、ライン6を通して米糠を空気輸送し、サイクロン7を通してケトル8へと投入する。ケトル8においては、米糠を加熱焙煎し、これによって酵素(リバーゼ)を失活させて米糠の酸価の上昇を止める(図1に示す「酵素失活処理」)。この点について説明する。一般に、玄米をとう精すると、米糠中のリパーゼが直ちに活性化され、米糠中のトリグリセリドを加水分解し、遊離脂肪酸、ジグリセリド、モノグリセリドを生み出す。遊離脂肪酸の量が増大すると、遊離脂肪酸の酸化によって米糠に石鹸様の匂いが発生し、食用に適さなくなる。このため、本実施形態においては、乾燥後に米糠を焙煎することで、酵素(リパーゼ)を失活させる。
ただし、焙煎時の温度が高くなると、米糠中のタンパク質およびデンプンが変性し、部分脱脂米糠粉末の形状保持性が低下する傾向がある。従って、部分脱脂米糠粉末の形状保持性を良好とするという観点からは、焙煎時の温度を130℃以下とすることが好ましい。また、酵素(リバーゼ)を失活させるという観点からは、焙煎時の温度を100℃以上とすることが好ましい。また、好ましくは、焙煎段階での米糠の水分量を2〜8%とする。
次いで、米糠を専用低温圧搾機9に投入し、低温圧搾処理を行う(図1に示す「低温圧搾処理」)。低温圧搾処理とは、米糠を加圧し100℃以下の温度の米油原油を絞り出すことである。また、部分脱脂米糠粉末の形状保持性を向上させるという観点から、低温圧搾後のケーキの温度を100℃以下とすることが好ましい。
ここで、低温圧搾処理に供する米糠の温度は、前述したように、100℃以上、130℃以下とすることが、酵素(リパーゼ)を失活させる上で好ましい。特に好ましくは、100℃以上、115℃、更に好ましくは105℃以上、110℃以下に加熱された米糠を低温圧搾機に投入し、低温圧搾を行う。
特に好ましくは、低温圧搾機が、100℃以上、115℃、更に好ましくは105℃以上、110℃以下に加熱された米糠を受け入れて圧搾し、蝋分の多くを米油原油中に絞り出すのに好適な圧搾機である。
低温圧搾機9によって得られた米油原油は、ポンプ10を通して静置タンク11に送り、静置する。
次いで、米油原油は、濾過、脱夾、脱ガム、脱蝋、物理精製(脱酸、脱色)、脱臭の各処理を施し(図1参照)、これが本発明の調理方法において用いられる米油となる。
低温圧搾機においては、部分脱脂米糠の蝋分が1%以下となり、油分が12%以下となるような圧力を加える。次に、この部分脱脂米糠を粉末化する。まず、低温圧搾処理直後の部分脱脂米糠は、形状が一定していないので、まず、図2に示すように、部分脱脂米糠を解砕機(デタッチャー)12によって解砕し、粒度を一定にする。この際の粒度は粗くてよく、例えば710〜1410μmである。
次いで、解砕後の部分脱脂米糠を吸引式空気輸送路13によって送り、部分脱脂米糠を送りながら空冷する。この段階においては、部分脱脂米糠をいったんサイロ中に貯蔵する。
次いで、部分脱脂米糠を粉砕機14へと送り、粉砕する(図1に示す「粉砕処理」)。この粉砕段階においては、製品の最終的な用途に応じて、適切な粉砕機を選定する。例えば、ハンマーミル、ピンミル、ローラーミル、石臼、ディスクミルを例示できる。次いで、粉砕後の粉末を、熱風送風機15およびサイクロン16を用い、シフター17を通してタンク18へと送り、分級し(図1に示す「分級処理」)、貯蔵する。タンク18から、一定量の粉末を計量装置19によって計量し、所定の容器に充填し、出荷する。
好適な実施形態においては、低温圧搾処理直後の部分脱脂米糠の蝋分の含有量は、0.8%以下であり、これによって一層高度の微粉砕が可能となる。なお、蝋分とは、室温で固形の脂肪族エステルのことであり、典型的には、炭素数16以上の飽和脂肪酸と炭素数24以上の脂肪族アルコールとのエステルである。
また、好適な実施形態においては、低温圧搾処理直後の部分脱脂米糠の油分の含有量を10%以下とすることができ、これによって部分脱脂米糠粉末を貯蔵したときの酸価の上昇を一層効果的に抑制できる。この観点からは、部分脱脂米糠の油分の含有量を6%以下とすることが更に好ましい。部分脱脂米糠の油分の含有量が少なすぎ、あるいは油分が実質的に存在しない場合には、部分脱脂米糠粉末の食味、うま味が若干落ちる。
一方、部分脱脂米糠粉末の食味を向上させるという観点からは、部分脱脂米糠の油分の含有量を6%以上とすることが好ましく、8%以上とすることが一層好ましい。ただし、この場合には、部分脱脂米糠粉末を貯蔵したときに、酸価が経時的に上昇する傾向がある。
このような部分脱脂米糠粉末の酸価の上昇を抑制するという観点からは、図3に示すように、低温圧搾処理後の部分脱脂米糠を炒り釜20に送り、低温焙煎し、次いで部分脱脂米糠を粉砕することが好ましい(図1に示す「焙煎処理」)。この焙煎段階においては、部分脱脂米糠粉末の形状保持性を良好とするという観点からは、焙煎時の温度を120℃以下とすることが好ましく、焙煎時間を2時間以下とすることが好ましい。また、部分脱脂米糠粉末の酸価の上昇抑制という観点からは、焙煎時の温度を100℃以上とすることが好ましく、焙煎時間を90分以上とすることが好ましい。
粉砕後の部分脱脂米糠粉末の平均粒型は特に制限されない、しかし、本発明の調理方法に好適に使用するためには、部分脱脂米糠粉末の平均粒径は180μm以下であることが好ましく、50μm以下であることが更に好ましい。
上述のような低温圧搾処理および物理精製により得られる米油1gおよび部分脱脂米糠9g当たりの栄養分は以下の表1の通りである。
Figure 0004454290
次に本発明の調理方法に用いられる白米について説明する。
本発明は、使用する白米を特に限定することはなく、従来公知の通常の白米をも用いることができ、如何なる白米であっても、上記の米油および部分脱脂米糠と一緒に調理することにより、玄米と同等の栄養価とすることができる。また、餅米を使用することも可能である。
(2)本発明の調理方法
次に、本発明の加水加熱調理方法について具体的に説明する。
本発明は、米油、部分脱脂米糠、白米を一緒に加水加熱調理したことに特徴を有するものであり、その調理方法については特に限定しない。したがって、通常の白米を炊く要領で、白米を研ぎ、その後に米油と部分脱脂米糠とを釜内に投入してもよく(いわゆる炊飯)、またお粥を作る際に米油と部分脱脂米糠を添加することも可能である。さらには、炊きあがった飯に米油と部分脱脂米糠とを投入し、その後炒める(つまり炒飯)際に本発明の方法を用いてもよい。なお、部分脱脂米糠を白米に投入して炊飯する場合には、当該部分脱脂米糠が水分を吸収するので、水の量を通常より10〜20%増量することが好ましい。
また、米油、部分脱脂米糠、白米の混合割合についても本発明の方法は特に限定することはなく、利用者、つまり白米を食する者が必要となるだけの栄養を搾取できるように、米油と部分脱脂米糠とを投入すればよい。例えば、玄米自体を食したのと同じ栄養を摂取したい場合には、これらの割合を、重量比で1:9:90の割合で混合することが好ましく、また、3分搗き、5分搗き、7分搗き等の玄米食を食したのと同じ栄養を摂取したい場合には、部分脱脂米糠をそれぞれ、30%、50%、70%減量し、米糠を減量した分だけ米油と白米をそれぞれ同比率だけ増量して混合すればよい。なお、部分脱脂米糠には米油が含有されているので、これを減量した場合にはその分だけ米油も減量してしまうことが考えられる。従って、部分脱油糠を減量する場合には、米油を多少増量してもよい。
さらにまた、本発明において使用される米油には、米油固有のγオリザノール他、ステロールなどの生理活性物質が市販の米油に比べて豊富に含まれているので(γオリザノールにあっては市販油の10倍以上含まれている)、既に生活習慣病や成人病に罹っている人は意識的に一定期間米油の使用量を増やしてもよい(但し、γオリザノールは医薬品であるため、摂取量の増量には医学的な配慮が必要であろう)。
上述した本発明の調理方法により得られる米加工食品としては、例えば、ご飯、お粥、炒飯、リゾット、赤飯、おこわ、等、様々な食品を挙げることができる。また、ご飯の中でも特におにぎりとすることが好ましい。本発明の米加工食品は、前述したように、ノンケミカルの物理精製によって精製された米油を含んでおり、この米油がご飯が冷めても美味しくする効果を有し、さらに米油の臭いもご飯が冷めることにより消えるためである。
(3)白米栄養付加材、米調理セット
次に、本発明の白米栄養付加材、および米調理セットについて説明する。
本発明の白米栄養付加材は、前記で説明した、米糠を低温圧搾処理および物理精製することにより得られる米油と、この米油を得た後に残る部分脱脂米糠とからなることを特徴としている。このように白米に添加する米油と部分脱脂米糠とを予め白米栄養付加材としてセットとしておくことにより、家庭等での利用が便利となる。
図3は、本発明の白米栄養付加材の一実施形態を示す斜視図である。
図3に示すように、本発明の白米栄養付加材40は、スティック状包装袋に充填された部分脱脂米糠41と、コーヒー用のミルクの如きプラスチックケースに充填された米油42aとから構成されていてもよい。この場合において、部分脱脂米糠が充填されているスティック状包装に、所定間隔に目盛Mを印刷しておくことが好ましい。このような目盛Mを印刷しておくことにより、例えば、白米を1合炊く場合には1目盛分使用する、などのように、部分脱脂米糠を所定量混合するのに便利だからである。米油については、プラスチックケースの大きさを予め検討しておくことにより、プラスチックケース自体を1単位として配合すると便利である。また、米油にあっては、図3の符号42bに示すように、錠剤状又はカプセル状にしてもよい。
なお、この白米栄養付加材については、本発明は図3に示すような形状に特に限定することはなく、全体として液体状としても、カプセル状としてもよい。また、米油を粉末化することも可能であるので、粉末状の米油と粉末状の部分脱脂米糠とを配合した粉末剤として所定量ずつパッケージしておいてもよい。
このような白米栄養付加材における米油と部分脱脂米糠との配合割合についても、本発明は特に限定することはなく、当該栄養付加材を利用する者が望む栄養分を摂取できるように適宜配合すればよい。例えば、玄米と同様の栄養を摂取する場合には、前記と同様に、米油と部分脱脂米糠とを重量比で1:9の割合で配合すればよい。
図4は、本発明の米調理セットの斜視図である。
図示するように、例えば10kgとう精米が米袋50に充填されている場合において、当該白米に必要な分量だけの前記スティック状包装袋に充填された部分脱脂米糠41と、コーヒー用のミルクの如きプラスチックケースに充填された米油42とが、一緒に米袋50内に梱包されていることにより、消費者が米、米油、部分脱脂米糠をそれぞれ別個に購入する手間を省くことができ、また、白米10kgを食する場合に本来なら摂取すべき栄養成分、生理活性物質が予めセットとなっているため、これを食しているのみで玄米食の健康を維持することもできる。
上記の説明においては、低温圧搾処理および物理精製することにより得られる米油と、部分脱脂米糠とを、白米(餅米も含む)と同時に調理し、米油と部分脱脂米糠とに含有される豊富な栄養分を白米と一緒に食する場合について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、白米を加水加熱調理する際には、低温圧搾処理および物理精製することにより得られる米油のみを添加して調理し、その後、調理された白米と、部分脱脂米糠とを別々に摂取するように使用してもよい。所定量の米油と部分脱脂米糠とが摂取できれば、所望の栄養分を摂取することができるからである。例えば、米油のみを添加して白米を炊き、この飯に部分脱脂米糠の粉末を振りかけてたり、副食、飲料(ミルクなど)に混ぜて食してもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
市販されている白米を450g用意し、これを研いだ後、図1から2に示した低温圧搾処理および物理精製により得られた米油6gと、部分脱脂米糠44gとを添加して、これを家庭用の炊飯器で炊いた。これを実施例1の飯(白米栄養付加材入りの白米)とする。
(評価)
前記実施例1の飯を100gづつ採取し、それぞれに含まれる栄養価を調べた結果を以下の表2に示す。なお、参考例1として玄米100gに含まれる栄養価、および参考例2として白米(通常の御飯)100gに含まれる栄養価を併記する。
Figure 0004454290
上記表2からも明らかなように、本発明の調理方法で調理した実施例1の飯は、参考例玄米とほぼ同一の栄養成分を有することが分かり、比較例1の飯とに比べ、優れた栄養成分を有していることが分かった。なお、前述のように、上記表2における参考例1の玄米の数値は、公式な分析データ(五訂 日本食品標準成分表)を利用したものである。従って、栄養成分によっては、本発明の実施例1の飯の方が比較例1の玄米より栄養価が高くなっているが、これは、前記公式な分析データに使用された玄米から得られる白米と、本発明の実施例1に使用した白米とは別の白米であるため、天然物であるが故の誤差が生じたものと考えられる。しかしながら、本発明の調理方法で調理した飯が玄米同等の栄養成分を有することを立証するには充分である。
また、それぞれの飯を食したところ、比較例1の玄米は、ぼそぼそとした食感があり美味しくなかったが、本発明の実施例1の飯は、白米より多少味はおちるものの、玄米と比べるとはるかに美味しかった。
米糠の低温圧搾処理のプロセスを示すフロー図である。 米糠の低温圧搾処理システムのブロック図である。 本発明の白米栄養付加材の斜視図である。 本発明の米調理セットである。
符号の説明
3、17 ロータリーシフター
4、15 熱風発生装置
5 気流乾燥装置
6、13 空気吸引式輸送路
7、16 サイクロン
8 ケトル
9 低温圧搾機
10 ポンプ
11 米油原油の静置タンク
12 部分脱脂米糠の解砕機
14 粉砕機
20 炒り釜
18 製品タンク
19 計量器
A 米糠
B 異物

Claims (8)

  1. 100℃以上130℃以下の米糠を加圧して100℃以下の米油原油を絞り出す低温圧搾処理を行うことにより得られる米油原油を、苛性ソーダなどの薬品を用いることのない物理精製法によって精製することにより得られる米油と、
    前記米油を得た後に残る、油分が12%以下の部分脱脂米糠と、を
    白米と一緒に加水加熱調理することを特徴とする調理方法。
  2. 前記部分脱脂米糠が、乾燥した粉末状であることを特徴とする請求項1に記載の調理方法。
  3. 前記米油と、部分脱脂米糠と、白米との配合割合が、重量比で、1:9:90であることを特徴とする請求項1または2に記載の調理方法。
  4. 前記請求項1乃至3の何れか一の請求項に記載の調理方法により得られた米加工食品。
  5. 100℃以上130℃以下の米糠を加圧して100℃以下の米油原油を絞り出す低温圧搾処理を行うことにより得られる米油原油を、苛性ソーダなどの薬品を用いることのない物理精製法によって精製することにより得られる米油と、
    前記米油を得た後に残る、油分が12%以下の部分脱脂米糠と、からなることを特徴とする白米栄養付加材。
  6. 前記米油と、部分脱脂米糠の配合割合が、重量比で、1:9であることを特徴とする請求項5に記載の白米栄養付加材。
  7. 100℃以上130℃以下の米糠を加圧して100℃以下の米油原油を絞り出す低温圧搾処理を行うことにより得られる米油原油を、苛性ソーダなどの薬品を用いることのない物理精製法によって精製することにより得られる米油と、白米とを加水加熱調理し、これに前記米油を得た後に残る、油分が12%以下の部分脱脂米糠を添加することを特徴とする米加工食品。
  8. 100℃以上130℃以下の米糠を加圧して100℃以下の米油原油を絞り出す低温圧搾処理を行うことにより得られる米油原油を、苛性ソーダなどの薬品を用いることのない物理精製法によって精製することにより得られる米油と、
    前記米油を得た後に残る、油分が12%以下の部分脱脂米糠と、
    白米と、
    からなる米調理セット。
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