JP2006174756A - 加熱玄米粉の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の長い加熱時間をもつ緩速加熱玄米・玄米粉はデンプンの糊化が少ないため、美味しくなく、またその玄米粉は粒径が粗くてザラツキを感じ、栄養素の損失が多く、しかも保存期間が短く、品質・保存性に問題があった。一方、高温高圧下ののち常圧にして瞬間的に膨化させる玄米・玄米粉では、デンプンが逆に糊化しすぎるため、食品への利用においてパンの膨れ、麺のコシなど品質に問題が生じた。
【解決手段】加熱玄米・玄米粉の製造において、無浸漬または浸漬した玄米を短時間に品温が120℃〜200℃に達するように急速加熱して栄養素の損失が少なく、適度に糊化度が高い膨化または過加熱玄米をつくり、更にこれを平均粒径が40μm以下に粉砕して、食感のよい、しかも酸化を抑制した保存性のよい、食品への利用性が高い玄米粉をつくった。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パン、麺、菓子および玄米ドリンク、玄米ごはん、カレールーなど料理の食品素材として、栄養素の損失を少なくして健康によく、酸化を抑制して保存性がよく、しかも適度に糊化度が増して食感のよい、加熱玄米およびその玄米粉の他、加熱発芽玄米およびその発芽玄米粉ならびに加熱穀物およびその穀物粉の製造方法に関するものである。
現在の食生活においては、食生活の変化や多様性を求める消費者の声や米の消費拡大を求める農業関係者等のニーズから、米は従来の炊飯して食べる粒食利用だけではなく、粉食への利用が求められている。
一方、米の精白別の利用からみると、精白して白米として利用する傾向が依然として多いが、しかし玄米には栄養的にデンプン、タンパク質など主要成分しかもたない白米とは異なり、ビタミン、ミネラル、食物繊維および抗酸化性物質など多種類の微量成分に富むことから、健康に関心がある消費者から玄米を利用するニーズは高い。
これらの消費者ニーズや高い栄養性を求める声から、玄米を加熱した後、粉砕して玄米粉をつくるが製造技術が研究され、これらの技術が公知になっている。
1.玄米を粒のまま加熱し、その後に粉砕する方法(特開昭57−166949号)が行われている。
2.特開昭57−166949号を改良した特開昭60−176553号による製造法では、含水された玄米を攪拌しながら、蒸し・乾燥・焙煎の諸工程を同一の焙煎釜内で行い、その後粉砕する方法がとられている。
3.米を一旦高圧条件のもとで加熱し、急速に減圧させることにより、その体積を爆発的に膨化させる方法で処理した米は、パフドライスとして一般的に公知になっている。また、玄米に熱と圧力を加え爆発的に膨張加工した、具体的にはポン菓子機を利用して膨張加工した玄米を粉砕し玄米粉とする製法が、昭63−22155がとして公知になっている。
特開昭57−166949号 特開昭60−176553号 特開昭63−22155号
前述の公知になっている従来技術では次の課題が生じる。
先ず、釜内に被加熱物を入れて加熱する従来式のバッチ式加熱方式(特開昭60−176553号)では、玄米を30分〜60分の長時間かけて加熱しているので、玄米の内部の水分は蒸発され、デンプンが糊化するのに必要な水分が不足され、玄米は乾燥が進み、デンプンの糊化が充分に行われなくなる。
このため、この加熱玄米を食べると硬くて、口の中でこなれず、しかもデンプンを加熱したときに生じる美味しい味がなくなる。この加熱玄米を粉砕しても、米粒が硬くて充分に微細化出来ず、その分、粉の粒径が粗いため、そのままミルクやお湯に入れて飲料とした場合、粉が沈殿し入れ物の底に溜まり、口に含むとザラツキ感が生じ、更に、甘みや香りも少なく、しかもこの玄米粉は糠に含まれる油脂成分のため酸化しやすく、夏季における場合や、また保存するとき袋内に脱酸素剤を入れる必要があり、仮に脱酸素剤を入れても袋を開封した場合は、1カ月を満たずして食品衛生法に定める過酸化物価の上限値30meq/kgを越え保存期間が短いので、1カ月を越えて保存すると酸化臭が漂うなど従来式の加熱製造では品質や保存性に問題があった。
この解決のためには、玄米を圧力釜に入れ高温高圧下で加熱した後、一挙に常温常圧下に放出し、玄米がもつ水蒸気を一気に蒸発させて、玄米を膨化させる技術がある。この玄米粉の製法(昭63−22155号の公開特許公報)によれば、膨化技術にポン菓子機を使用することを示している。しかし、この膨化技術により作られた玄米は温度と爆発的な圧力が加わるので、デンプン組織が破壊消失し、栄養成分も損壊され、因みに、元の玄米に対する体積膨張率は約4倍に至り、膨化が進みすぎる問題がある。
このため、スープ類のトッピングへの利用、おつまみ等にした場合、食したときに歯ごたえが殆どなく、美味しさを感じることが出来ないばかりでなく、更に、この膨化玄米を粉砕した粉は、デンプンの膨化が進みすぎているので、粉に粘弾性がなくなり、パンや麺の食品へ利用したとき、パンでは膨れがなく、また麺では腰がなくなる。このように、この粉の食品利用は、食品の品質低下が発生する問題が生じる。
このように従来の常圧式の加熱技術では加熱された玄米はデンプンの糊化度が低すぎ、かつ粉にした場合、微細化ができず、ザラツクことになる。逆に、高温高圧式の膨化技術では膨化された玄米はデンプンの組織が破壊され膨化が進みすぎて、粉にした場合、粘弾性がなくなり、パンや麺などの食品へ利用できない課題をもっている。
更には、高温高圧式の膨化技術は高圧を伴うので、作業時の安全性が求められと共に、高価な設備で、運転はバッチ処理となり生産性が劣り、生産コストがかさむなど安全性・保安上・生産性能力、生産コストの面で課題を抱えている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、従来の加熱処理技術ではなくて、新しい膨化処理技術を提案するものであり、以下、その解決手段を説明する。
請求項1の膨化玄米の製造方法は、玄米または浸漬した玄米を常圧下で1分〜5分以内の加熱時間に製品温度が120℃〜150℃に達するように急速加熱することにより簡易な膨化を行わせたことを特長する。
請求項2の過加熱玄米の製造方法は、玄米または浸漬した玄米を常圧下で10分以内の加熱時間に製品温度が180℃〜200℃に達するように急速加熱したことにより、膨化が起こった後も更に過加熱したことを特長する。
請求項3の玄米粉の製造方法は、請求項1に記載の膨化玄米の製造方法で製造した膨化玄米を、40μm以下となるように微粉砕したことを特長する。
請求項4の玄米粉の製造方法は、請求項2に記載する過加熱玄米の製造方法で製造した過加熱玄米を、平均粒径が30μm以下となるように微粉砕したことを特長する。
請求項1の発明によれば、玄米または浸漬した玄米を常圧下で1分〜5分以内の時間に製品温度が120℃〜150℃に達するように急速加熱するので、玄米内部の水分が急速に膨張し、デンプンが膨化した膨化玄米ができる。
そのとき、この膨化玄米は多孔質になっているが、しかし、高温高圧下で加熱した後、これを一挙に常温常圧下に放出してできる完全な膨化玄米とは異なるので、栄養素の損失が少なくでき、デンプンは完全に糊化はされてなく、適度な糊化度に達しており、食したときに香しい香りと味があり、しかも歯ごたえを生じる。
このため、スープ類のトッピングへの利用、おつまみ、おやつ等にした場合、食べたときに歯ごたえを感じることが出来るようになり、品質および食感上の問題が解決される。
更に、安全性・保安・生産能力・経済性の面で課題のある高温高圧式の瞬間膨化装置を適用しなくてよく、生玄米を、または予め浸漬した玄米を急速加熱することによって連続式で行える常圧式の加熱装置の適用が可能となり、簡便に安全に大量に、かつ安価に膨化玄米の製造が可能になる。このとき玄米はどちらかと云えば、膨化温度が浸漬した玄米の方が浸漬しない玄米よりも10℃程度低く加熱することができ、栄養成分の損傷がその分低減させることができ、また、玄米粉にはしっとり感も生じる。
請求項2の発明によれば、玄米または浸漬した玄米を常圧下で10分以内の加熱時間に製品温度が180℃〜200℃に達するように急速加熱するので、膨化が起こった後も更に過加熱した過加熱玄米ができる。
この過加熱玄米は、色は薄茶色または褐色になっており、香ばしい香りが強く生じる。しかも、食したときには良い意味でのほのかな苦味があり、カリカリした歯ごたえが生じる。このため、スープ類やクッキーのトッピングへの利用、おつまみ、おやつ等に利用される。
請求項3の発明によれば、請求項1に記載する膨化玄米を通常の衝撃式粉砕機で粉砕すると、従来の加熱方法では達成できなかった平均粒径が40μm以下の玄米粉に簡単に微粉砕することができる。
これは、膨化玄米が多孔質となっているため、デンプン粒の結合力が弱まり、通常の衝撃式粉砕機で微細化されることができるようになったためである。
このように膨化玄米粉は糊化されており、かつ微細化されているため、これらの玄米粉を口に含むと、何とも云えないモッチリした食感となり、ザラツキ感がなくなり、香ばしい香りや、ほのかな甘い味が生じて、従来炊飯の困難であった玄米ごはんや玄米粥が意図も簡単に可能になる。また、ミルクやお湯に入れてドリンク飲料にした場合、粉が長時間滞留し入れ物の底に沈殿することなく、あたかも液体に溶けたような水溶性状態を維持することができる。
また、瞬間的な膨化ではなく数分かけて緩やかに膨化が行われるので、未完な膨化状態で、糊化の進展が残される適度な膨化度に達成されている。この粉の食品へ利用については、麺では滑らかとなり、粘弾性が生じコシが出るようになる。また、カレーやシチュウでは粘りが出て、よりネットリ仕上がるようになるなど、これらの食品を食したときにより美味しさを感じるようになり品質の向上がはかれる。
更には、従来の緩やかに加熱する玄米粉では酸化しやすく、過酸化物価の値が法定値30meq/kgを越えて保存性が1カ月程度であったものが、保存期間が3〜4カ月に延長され、保存性が大きく向上することができる。
請求項4の発明によれば、請求項2に記載する過加熱玄米を通常の衝撃式粉砕機で粉砕すると、従来の加熱方法では達成できなかった平均粒径が30μm以下に超微細化に粉砕される。
この過加熱玄米は、過加熱のため更に多孔質となり、デンプン粒の結合力が一層弱まるので、粉砕すると、玄米粉は平均粒径が30μm以下の超微細に粉砕される。
これらの粉は超微細化されてザラツキ感がなくなり、口の中で溶けるような食感が生まれる。また、膨化状態から更に過加熱されているため、香ばしい香りが強く、色は薄茶色から褐色になる。
また、ミルクやお湯に入れてドリンク飲料とした場合、香ばしい香りが生じ、微細でザラツキがなく、粉が長時間滞留し入れ物の底に沈殿することなく、あたかも液体に溶けたような水溶性状態を維持することができる。また、更に、麺や団子の粉食品への利用においても茶色の色彩をつけ、香ばしい香りが生じ、ザラツキ感がなく滑らかとなり、柔らかい特長をもち、食したときに美味しさを感じるようになり品質の向上がはかれる。
以下、本発明の実施の形態にかかる膨化玄米粉の製造方法ついて、説明する。
高温高圧下で加熱した後、これを一挙に常温常圧下に放出してできる完全な膨化玄米は、デンプンは殆ど完全に糊化されており、これを粉にして食品に利用すれば、糊化度の進展がないため、麺やパンや菓子などには利用しがたいことは知られている。
また、流動層加熱によって玄米を300℃近い高温熱風にて1分以内に急速加熱して出来た膨化玄米は、栄養成分が果皮の表面に位置していて高温にさらされるため、ビタミン等の栄養素が殆ど損壊・消失されることも知られている。
一方、従来の製法により30〜60分程かけて回転釜にて緩速加熱して製造した加熱玄米では、充分な糊化が行われておらず、これを粉砕しても充分に微細な粉にならないことも知られている。また、緩速加熱の加熱時間を延長して糊化度を増しても、逆に玄米はアミノ・カルボニル反応によって製品に茶色や褐色へと変色し、苦味が生じるなど食品利用の点で満足しない結果になることも知られている。
これらの総合的な知見から、玄米に適度な急速加熱を行うことによって、適度な糊化度を与える未完全な膨化玄米をつくり、これらを粉砕して超微細な膨化玄米粉をつくる新しい製法をとることを創案した。なお、この急速加熱を行わせる加熱装置については、連続して原料を投入する連続式回転釜の方式とし、新しく創作した。
膨化玄米について、本発明である玄米を浸漬なしのケースで製造試験を行った。また、従来の製造方法でも比較例として試験を行った。以下、玄米を例にとって説明する。
図1には、本発明による膨化玄米粉の製造工程を示す。
先ず、本発明は、玄米を洗米した後、浸漬をせずに共に直ちに水切りし、加熱・粉砕するケースであり、図1に(A)を通る無浸漬ルートとして膨化玄米粉の製造工程を示す。
この本発明は、玄米を洗米し水切り後、連続式加熱装置を用いて玄米を同装置のホッパーに投入する。投入された玄米をスクリュウコンベアで多角形断面をした筒状の釜の投入口に投入し、釜を回転させながら加熱器にて外部から釜を急速加熱した。釜は投入口を排出口よりも高く傾斜をつけており、釜を回転させることによって投入された玄米を加熱しながら、排出口から排出した。
そのとき、加熱時間は釜の傾斜角を変えて、玄米が投入されて排出されるまでの時間が1.5分、3分、8分、15分の所定時間となるように4種類のケースとした。排出された玄米の製品温度は100℃〜220℃の20℃間隔の所定温度になるように加熱器の火力を調整した。また、玄米の品温は釜から排出される玄米を温度センサーにより測定をした。
また、比較例として、浸漬した玄米を緩速加熱する従来の製造方法で製造した。
すなわち、玄米を洗米した後、約20分間浸漬し水切りする。その後、回転式加熱装置を用いて玄米を同装置の6角形の断面をした回転釜にて攪拌されながら加熱した。
このとき加熱時間を10分〜70分間かけて、製品温度が100℃〜220℃に至るまで、緩速加熱を行った。そのとき、加熱時間が10分のときには製品温度が100℃、その後、10分経過する毎に製品温度を20℃上昇させて、最後は加熱70分後に製品温度が220℃に到達するように加熱器の火力を調整した。
表1に玄米の加熱内容を示す。
Figure 2006174756
本発明と比較例による2種類の方法にて製造した結果を以下述べる。
(1)膨化玄米粉
図2に、品温を変化させたとき、加熱時間別の膨化玄米率の変化を示している。そのとき縦軸の膨化玄米率は、全玄米粒に対し加熱により内部にて膨張し胴割れを起したり、また玄米の一部が破裂を起している膨化玄米粒の割合(%)を示している。
図2によると、急速加熱における1.5分加熱(図中にLで示す)、3分加熱(M)、8分加熱(N)の短時間加熱は玄米に膨化が生じ、膨化玄米が出来た。これに対し15分加熱(O)と比較例の緩速加熱(P)には膨化が起こらなかった。
8分加熱までの急速加熱(L、M、N)においては、玄米には内部に存在する水分が急速に加熱され、玄米内部で水蒸気に変わり体積膨張が行われるので、玄米には膨化が起こった。そのとき膨化玄米の嵩密度は約2cc/g以上となり、生玄米の嵩密度1.25cc/gに対し1.6倍以上の体積膨張になった。また、玄米が膨化する膨化温度は、1.5分加熱(L)は120℃、3分加熱(M)は140〜150℃、8分加熱(N)は200℃となり、加熱時間が短い程、膨化温度が低くなり、逆に加熱時間が延びる程、膨化温度が高くなり、15分加熱(O)では膨化の発生がなくなった。また、水浸漬した玄米を加熱した膨化温度は図2に記載はしてないが、1.5分加熱では殆ど変化はなかったが、3分加熱(M)では膨化温度が140℃になり、10℃程低下した。
ここで、膨化温度が高くなった場合、栄養素は損壊されることが危惧される。そこで、栄養素のなかでも熱的損壊の起こり易いビタミン、アミノ酸について検討する。
表2に急速加熱における加熱時間別の膨化玄米と、比較例の緩速加熱玄米における栄養素の分析結果を示す。なお、急速加熱の品温は膨化温度を示し、また、栄養素はビタミンとしてビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンEおよびアミノ酸の代表として有効性リジンを示した。
表2によるとビタミンB2およびビタミンEは熱損壊が起こりにくいが、一方、ビタミンB1および有効性リジンは熱損壊が起こり易く、品温が160℃ではビタミンB1が生玄米の1/4以下となり、また品温200℃ではビタミンB1は完全に損壊され、また有効性リジンは約4割に低減されていた。
一方、急速加熱の加熱時間を3分加熱から短縮すると、ビタミンB1は加熱時間が1.5分では減少の傾向を示している。ここで、更に加熱時間を極端に短縮すると、前述に記述したように流動層加熱によって300℃近い高温熱風にて1分未満に急速加熱する膨化玄米や高温高圧下で加熱した後、常温常圧下に瞬間的に放出してできる膨化玄米になる。いずれにしてもこれらの膨化玄米は、栄養成分が果皮の表面に位置していて高温や圧力変化にさらされるため、ビタミン等の栄養素が殆ど損壊・消失されることも知られている。これから加熱時間は1分以上であることが望まれる。
その結果、これらの栄養素が損壊しにくい加熱条件は品温が120℃〜150℃となるケースであり、そのときの加熱時間は1分〜5分以下であるのが好ましい。また、最も好ましいのは膨化温度が120℃〜140℃であり、そのときの加熱時間は1分〜3分以下である。
Figure 2006174756
そこで、急速加熱における3分加熱のケースについて製品温度(以降、品温とも云う)が100℃、120℃、140℃、160℃、180℃、200℃、220℃となる加熱玄米をつくり、これを衝撃式粉砕機で粉砕して玄米粉の試料を作成した。
これらの品温別の玄米粉試料を試食し評価を行った。
表3に玄米粉の品温別評価結果を示す。評価項目は舌触り、味、香り、色の4項目とし、各項目毎に「悪い」「やや悪い」「普通」「やや良い」「良い」のレベル1〜5の5段階評価とした。
なお、玄米粉には大別して乳白色をした粉と薄茶色をした粉の使用目的が異なる粉ができる。前者を「白色」と、後者を「茶色」と名づける。「白色」は料理に使ったり、ミルクに溶かして飲料に用いる。一方、「茶色」は色づけ、香りづけとして料理等に用いる。このことから色の評価には、「白色」と「茶色」を目標色として高いと評価した。
総合評価は、舌触り、味(甘み)、香りの項目毎にレベル5の「良い」にそれぞれ20点、小計60点を、また色の項目にはレベル5の「良い」に40点を与えて合計100点の評価とした。そのとき、色の項目には「白色」で見立てた評価と、「茶色」で見立てた評価との計2種類の評価を行い、それぞれの個別評価点に舌触り、味(甘み)、香りの共通評価点を加算して、「白色」と「茶色」の2種類の総合点を算出した。なお、味の項目は主に甘みで評価を行った。
Figure 2006174756
図3に、表3の結果を用いて作成した玄米粉の評価を示す。この図には、上にピークをもつ「白色」と「茶色」の2種類の曲線C、Dが存在する。このうち、「白色」は品温が140℃にてピークをもつ曲線Cとなり、特に舌触りと味にて高い評価を受けた。この評価は、3分加熱のケースにおける膨化温度の140〜150℃とほぼ一致していた。
これは、図4に示す玄米粉の平均粒径の図から品温が高くなるにつれて3分加熱の急速加熱(図中にXで示す)は緩速加熱(図中にYで示す)に比べて微粒化しており、粉の膨化が急激に始まる結果、品温が120℃では平均粒径が40μm以下に、また、品温が140℃を越えると30μm以下に微細になり、舌にザラツキ感がなく、滑らかな感触を感じて舌触りがよく、色も乳白色を呈した。
また、ジアスターゼ法による糊化度の測定結果から生玄米の糊化度50.5%が3分加熱の140℃においては糊化度が84.3%と上昇している。これは比較例の緩速加熱の70.3%よりも高くなり、舌にしっとり感を感じ、また味においてもデンプンが糖化して甘さが生じ、しかも香ばしさも感じるようになった。
このように急速加熱によりデンプン間の結合力が弱まり、玄米の粉砕が容易となり、玄米粉は微細化され、同時に糊化度が進んだため、舌触り、味(甘み)、香りの項目で評価が高くなった。特に、品温140〜150℃では舌触り、味(甘み)、香り、色(白)の項目毎の評価の総合評価が最も高くなった。
しかし、この総合評価がピークを過ぎると、玄米は内部水分もなく過加熱となり、アミノ・カルボニル反応によって色(白)は薄茶色へと変わり、また味は甘みがなくなり、苦味を呈するようになり、総合評価が低下した。
このように急速加熱した玄米は、膨化温度が140℃と低いため、栄養素としてビタミン類ではビタミンB1の損傷が少なく、しかも玄米の色は変色が少なく薄黄色で、香りは少し香しく、味は少し甘みがあり、硬さはカリットしているがモッチリ感をもった膨化玄米となった。
表4に、品温を140℃としたときの玄米粒およびその玄米粉に関する物性と食感と保存性について、本発明と比較例との比較を示す。
本発明の粒は、比較例に比べて糊化度が進んでいるので、少し甘みと香りが生まれ、しかも膨化により嵩密度が増しており、食べたときに適度な歯ごたえとなるカリカリした食感を生じるようになっている。
本発明の粉は平均粒径が30μmと細かく、ザラツキもなく、奥深い甘みがあり、とろける食感が生じ、総合評価は最も高かった。これは、最も糊化度が進み、デンプン間の結合力が弱まる結果、玄米の粉砕は容易となり、玄米粉は微細化されるためである。
また、この粉を保存温度20℃で保存した場合、過酸化物価の値が90日目でも食品衛生法で定める法定値(30meq/kg)内の26.6meq/kgと低く、これから保存期間が3〜4カ月に延長されると思われ、保存性が向上する。
これに対し、比較例の緩速加熱では、加熱時間を長時間かけて緩やかに加熱しているので、玄米は乾燥され、玄米内部に充分な水分が確保できないため、膨化は起こらなかった。因みに、品温140〜160℃の加熱玄米の嵩密度は1.25〜1.30cc/gと低くなり、また糊化度も70.3%と急速加熱に比べて低く、その硬さはコリコリした硬いものになった。
これは、加熱時間を充分にかけて玄米を加熱しているので、玄米の内部の水分は加熱されて内部から表面に向けて緩やかに移動する。その後、表面に到達した水分は更に加熱され蒸散するので、玄米は次第に乾燥されて、玄米内部に水蒸気が失われたため、膨化が起こらなかった。
この比較例の加熱玄米を粉砕した玄米粉は品温140℃では平均粒径が43μmと粗く、若干ザラツキが生じて、総合点は低かった。また、品温160℃では平均粒径が36μmに至ったが、粉が硬くしっとり感が少なかった。
また、保存温度20℃で保存した場合、早くも30日目の過酸化物価が36.7meq/kgと食品衛生法で定める上限値30meq/kgを越えて、脱酸素剤などを入れないままの保存では問題があった。
以上から本発明の一つである加熱玄米は、急速加熱を行うことによって粒径が細かく総合評価が高い膨化玄米、および保存性が向上した玄米粉を実現できる。その加熱条件は、好ましくは品温が120〜150℃の範囲で、そのときの加熱時間は1分〜5分間で加熱するのが好ましい。また、最も好ましくは、食味と栄養性との面から膨化温度が120〜140℃の範囲であり、そのときの加熱時間が1分〜3分間である。
なお、そのときの加熱時間は、5分間を越えて長びくと、玄米または白米の水分は徐々に蒸散が起こり乾燥されるので、比較例のように加熱時間が長時間となり、比較例に近づくことになり、結果的に膨化が起こらず、デンプンの糊化度が低くなるので、適しない。
そのとき、玄米はどちらかと云えば、膨化温度が浸漬した玄米の方が浸漬しない玄米よりも10℃程度低くすることができ、その分栄養成分の損傷を低減させることができ、また、玄米粉にはしっとり感も生じる。
Figure 2006174756
(2)過加熱玄米
次に、前述の方法で製造した膨化玄米を更に品温が150℃以上になるように火力を強めて、過加熱した。この結果、玄米はアミノカルボニル反応により茶色へと変色した過加熱玄米が出来た。この過加熱玄米を衝撃式粉砕機で粉砕した玄米粉について評価する。
前述にて既に評価した図3の玄米粉の評価において、2種類の曲線C、Dが示されている。このうち、「茶色」で評価した曲線Dは、品温が180℃〜190℃にてピークをもつ曲線となった。そのとき各項目別では、特に舌触りと香りと色(茶)にて高い評価を受けた。
即ち、膨化が過ぎて過加熱が起こり、品温が高くなる程、粒径は図4の玄米粉の平均粒径に示されるように微粒化され、同時に糊化度も高くなって、舌触りの評価が高まった。 しかし、品温が200℃を越えると、玄米は膨化の進展は極端に少なくなり、色は茶褐色に変色し、香りは焦げた嫌な臭いに変わり、また味(甘み)は苦味を呈し、炭化状態を示す状態になった。
特に、表5に図3においてピークとなる品温190℃の過加熱玄米について、玄米粒・粉の本発明と比較例の比較を示す。なお、保存性の試験結果は品温180℃のデータを示す。
この表5によると、本発明の玄米粒は生玄米の体積の約1.8倍に膨化し、少し苦味はあるが、香りが強く、嵩密度も2.2cc/gと高くなり、カリカリした食感を示し、多孔質となり、糊化度は84%と高く、アミノカルボニル反応を示す薄茶色の過加熱玄米になった。
また、この過加熱玄米を粉砕した粉は、品温が190℃付近では、27ミクロンに微粒化されており、糊化度も高いことから、滑らかな感触を感じて舌触りがよく、しかも食欲をそそる香ばしさを呈した。
この玄米粉を保存温度20℃で保存した場合、過酸化物価の値が90日目でも食品衛生法で定める法定値(30meq/kg)内の15.6meq/kgと低く、これからして保存期間が3カ月以上の保存性が確保できる。
これに対し、比較例では香りが少し弱く、苦味が生じ、嵩密度は1.3cc/gと低く、硬い食感を示した。その玄米粒を粉砕した玄米粉は平均粒径が約32μm程度で粒径が本発明よりも大きく、糊化度も73.8%と低く、口に含むと若干ザラツキが残った。しかも長時間加熱していることから香り成分が蒸散して香りも弱く、デンプンは糖化が過ぎて過加熱となり苦味が強い粉になった。
また、保存温度20℃で保存した場合、60日目の過酸化物価が36.7meq/kgと食品衛生法で定める上限値30meq/kgを越えており、これから保存期間は2カ月未満の短期間となり、本発明よりも保存性も劣った。
以上の結果から本発明の過加熱玄米およびその玄米粉は比較例よりも粒径、糊化度、食感および保存性からみて総合評価が高かった。
ここで、図2の膨化玄米率の図より8分加熱(N)の場合、膨化温度が200℃であり、そのとき品温190℃の玄米は概ね膨化状態を確保でき、かつ比較的短時間加熱であるので、苦味の度合いが比較例よりも和らいでくる。このことから加熱時間は10分以内が適当である。
そのとき現実的な加熱方法としては、実機で過加熱玄米を製造する場合、160℃以上の品温に数分の短時間で一気に高めるのは相当に強い火力を必要とするので、一旦、品温を150℃にまで3分加熱(M)で膨化玄米を高めておいて、即時に再び同実機で3分加熱をして190℃まで高めることによる、製造方法が適切である。この場合、加熱時間は計6分である。
以上から本発明の一つである加熱玄米は、急速加熱を行うことによって粒径の細かく総合評価の高い過加熱玄米・玄米粉を実現できる。その加熱条件は、好ましくは10分以内の時間に製品温度が180〜200℃に達するように急速加熱することである。
Figure 2006174756
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
例1.玄米ドリンク
材 料:(1回分)
膨化玄米粉または過加熱玄米粉 4g
お湯(またはミルク、またはヨ−グルト、またはコーヒー) 20cc
方 法:
カップの中にお湯、またはミルク、またはヨ−グルト、または予め準備したコーヒーを注ぎ、膨化玄米粉または過加熱玄米粉を入れて、好みにより砂糖や蜂蜜を加えて攪拌する。
効 果:
粉の粒径が共に細かくしかも多孔質になってなっているので、ミルクやお湯が粉のデンプン内部に滲入しやすくより均一に分散される。このため玄米粉は、容器内に長時間滞留し、あたかもお湯やミルクの飲料に溶けたような水溶性状態を維持することができた。また、この玄米粉は香り、味も生じて、口に含むとザラツキ感がなかった。
例2.玄米ごはん
材 料:(3杯分)
膨化玄米粉または過加熱玄米粉 10g
白 米 2合
方 法:
水洗いした白米に水を通常どおり入れて炊飯釜にセットした上に、膨化玄米粉または過加熱玄米粉を白米1合につき5gを加えて準備する。炊飯釜に通電され、ご飯が炊き上がると、玄米粉が白米ご飯上にまばらに炊き上がっているので、よく混ぜて仕上げる。
効 果:
圧力釜で炊飯した玄米ご飯と同様な色や香りのする玄米ご飯が簡単にでき、ミネラル、ビタミン、食物繊維など栄養の確保ができ、日常の健康維持に役立てることができる。
例3.玄米粥
材 料:(1人分)
膨化玄米粉または過加熱玄米粉 10g
白米ご飯 60g
方 法:
1人分の土鍋にお湯200ccを注ぎ、白米ご飯を入れて、加熱する。お粥が出来た頃に膨化玄米粉または過加熱玄米粉を入れて煮立ったらお塩を加えて味付けする。
効 果:
色づけや香りのする玄米お粥が簡単にできる。
例4.ごはんや味噌汁へのふりかけ
材 料:(1人分)
膨化玄米粉または過加熱玄米粉 3g
白米ご飯または味噌汁 120g
方 法:
1人分のごはん又は味噌汁に膨化玄米粉または過加熱玄米粉をふりかける。ごはんには、お茶を注ぐと一層おいしく食べることができる。
効 果:
色づけや香りのする玄米粉のふりかけご飯や味噌汁が簡単にできる。また、玄米粉が糊化されているので、消化性がよく、舌触りもよく、しっとり感があり、おいしい。
例5.カレー
材 料:(4人分)
膨化玄米粉または過加熱玄米粉 20g
野菜 玉ねぎ;1個、人参;1本、ジャガイモ;2個
肉 200g
カレールー 100g
方 法:
鍋に肉と野菜をよく炒め、水を加えて柔らかくなるまで煮込み、カレールーを入れて溶かして、再び煮込む。最後に同量の水で溶いた膨化玄米粉または過加熱玄米粉を入れて加熱し仕上げる。
効 果:
カレーへ玄米粉が加わるので、米の特性であるモチモチ感が出て、しかもネットリしたトロミがついておいしい。
例6.玄米だんご
材 料:(6個分)
膨化玄米粉または過加熱玄米粉 60g
水 60cc
方 法:
膨化玄米粉または過加熱玄米粉に水を加えてよく練った後、1円玉位の大きさ(約20g/個)に分割して丸めて団子玉6個をつくる。お湯に団子玉を入れて5分間ほど加熱する。
効 果:
玄米粉の粒径が小さいので、これらの食品はザラツキがなく、滑らかとなり、また、加熱時間が短縮されて団子の中まで糊化しやすく、弾力性と柔らかさが生じた。
例7.食パン
本発明の膨化玄米粉と比較例のポン菓子機による膨化玄米粉により作った、両者の玄米入り食パンを比較した。
材 料:(1斤分)
本発明の膨化玄米粉 またはポン菓子機による膨化玄米粉 50g
小麦粉 200g
無塩バター 10g
スキムミルク 5.5g
砂糖 13g
食塩 3.8g
水 200cc
ドライイースト 3g
方 法:
それぞれの膨化玄米粉に小麦粉、無塩バター、スキムミルク、砂糖、食塩および水を加えて後、更にドライイーストを加えて材料をつくり、ホームベーカリーで4時間かけて練り・発酵ののち焼成した。
効 果:
2種類の食パンを試食・評価した結果、本発明の食パンは、比較例の食パンに対して、パンの膨らみが大きくて、柔らかく、かつ巣立つが少なく良好であった。
例8.茹で麺
本発明の膨化玄米粉と比較例ポン菓子機による膨化玄米粉により作った、両者の玄米入り茹で麺を比較した。
材 料:(2人分)
本発明の膨化玄米粉またはポン菓子機による膨化玄米粉 30g
小麦粉 150g
食塩水(うち食塩;7.2g) 81cc
方 法:
小麦粉に2種類の膨化玄米粉をそれぞれ加えた後、4%の食塩水を加えてよく練り、麺生地ができると2時間ほど熟成させる。この麺生地を麺棒で引き伸ばした後、包丁で線切りして生麺をつくる。生麺を15分間茹でた後に水冷して、2種類の茹で麺をつくる。
効 果:
2種類の茹で麺を試食・評価した結果、本発明の玄米粉入り茹で麺は比較例の茹で麺に対して腰があり、かつ甘みがあって良好であった。
(試験)
玄米粉の効能を調べるため、抗酸化性について試験を実施した。
玄米内には、表3に示す微量成分のうち抗酸化性を示すビタミンE(トコフェロール)とオリザノールの成分が存在している。このことから、脂質のリノール酸過酸化反応において発生する過酸化分解生成物のマロンアルデヒド(MDA)を定量測定するTBA法により玄米粉の抗酸化力を分析・評価した。
分析の抗酸化性試料には、非加熱の生玄米粉、140℃加熱の膨化玄米粉、190℃の過加熱玄米粉の他、白米粉、小麦粉についても分析した。
試験方法は容器に脂質のリノール酸と上記の抗酸化性試料のほか薬品を加え、光を遮断して振とうさせながら過酸化反応を行った。なお、各試料の濃度はα−トコフェロール換算で0.1μMとした。
その後、反応停止剤を入れて酸化反応を止めて、TBARS生成量(チオブルビツール酸反応物質)を分析した。
この分析結果を示す図5によれば、玄米粉は白米粉や小麦粉に比較してTBARS生成量が極端に少なく、また、玄米粉のなかでも加熱した加熱温度の高い玄米粉ほどTBARS生成量が少なかった。
これは、玄米粉は白米粉や小麦粉に比べて抗酸化活性が逆に高く、また、加熱温度が190℃の過加熱玄米粉、140℃加熱の膨化玄米粉、非加熱の順序で抗酸化活性が高いことを意味している。これから、玄米の中に存在する糠や胚芽が抗酸化物質を含み、更に加熱を加えることによって抗酸化活性が高まる。
このように抗酸化活性が高まることは、脂質の酸化を抑え、生活習慣病を予防することが期待されるなど、人の健康保持の点から重要なことである。
本発明は、玄米を浸漬し緩速加熱したのち粉砕する従来の製造方法から、生玄米または浸漬した玄米を急速加熱したのちに粉砕する新規な製造方法に換えるものである。
この新しい製法によって、玄米が膨化して適度に糊化度が増して、しかも粉砕した場合、微細な粉となり、この結果、舌触りのよく、消化性が高まった膨化または過加熱玄米および玄米粉を提供することができる。
本発明の利用範囲は、玄米がもつ有効成分のバランスのよい栄養性の面から健康食品としての玄米ドリンク、料理の素材に利用できる。特に、玄米粉はビタミン、ミネラル、食物繊維が概ねバランスよく含まれている他、抗酸化性物質も含まれていることから、日常の健康維持に欠かせないものとして期待できる。このことから毎日食べるご飯、味噌汁、飲料など日常の食事に玄米粉を添加することによって簡単に玄米ごはん、玄米粥、玄米粉入りの味噌汁、玄米ドリンクなどを提供することが可能となる。また、食品にしたときにモチモチ感のでる物性への改質、および香りや色として使用する添加性の両面から麺、ケーキ、パン、菓子などへ幅広く適用することができる。
本発明は単に、玄米への適用にとどまらず、白米や発芽玄米にも適用でき、更には穀物全般に適用可能である。
毎日、これらの玄米粉を摂取することによって、健康改善や増進が大いに期待でき、かつ幼児、児童、妊婦、高齢者へ向けての食糧や健康食品としての利用に適している。
本発明の実施形態にかかる膨化玄米粉の製造工程図 品温変化時の玄米膨化率の変化状態 玄米粉の評価 玄米粉の平均粒径 抗酸化活性

Claims (4)

  1. 玄米または浸漬した玄米を常圧下で1分〜5分以内の加熱時間に製品温度が120℃〜150℃に達するように急速加熱することにより簡易な膨化を行わせたことを特長する膨化玄米の製造方法
  2. 玄米または浸漬した玄米を常圧下で10分以内の加熱時間に製品温度が180℃〜200℃に達するように急速加熱したことにより、膨化が起こった後も更に過加熱したことを特長する過加熱玄米の製造方法
  3. 請求項1に記載の膨化玄米の製造方法で製造した膨化玄米を、平均粒径が40μm以下となるように微粉砕したことを特長する玄米粉の製造方法
  4. 請求項2に記載する過加熱玄米の製造方法で製造した過加熱玄米を、平均粒径が30μm以下となるように微粉砕したことを特長する玄米粉の製造方法

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