JP4035308B2 - 穀類胚芽加工品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食感、風味および消化性の優れ、栄養価がよく維持された穀類胚芽加工品を得るための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
穀類は、一般に消化率が悪く、特に玄米は硬質であるため更に消化率が悪い食品原料であることが知られているが、粉砕により消化率が高まり、さらに煮ること(ボイルド)により消化率が一層上昇することが知られている(古屋等;日豚会誌、24巻、87ページ〜93ページ、1987年)。
穀類の種子は、主として胚乳、外皮および胚芽に分けられ、通常、胚乳部分だけが食糧として利用されている。主な穀類の例でいうと、米粒はおよそ胚乳92%、外皮5%および胚芽3%の割合よりなり、また小麦粒はおよそ胚乳83%、外皮15%および胚芽2%の割合よりなる。米粒は精米により、また小麦粒は製粉によってそれぞれ胚乳部分を得、澱粉質食糧として利用されている。一方、外皮や胚芽は胚乳部分にはない各種の栄養素を含んではいるが、食感・風味などの問題から取り除かれ、廃棄されているのが現状である。
【0003】
これらのなかでも、穀類胚芽は、脂質やビタミン、ミネラルなど各種の栄養素が豊富に含まれているが、良い加工法が開発されていないため食品原料としての利用が遅れていて、胚芽を圧搾ないし抽出することにより得られる胚芽油が一部利用されているに過ぎない。
穀類胚芽の加工面で一番の問題点は、脂質が豊富に含まれていて、通常の粉砕機械による粉砕が困難なことであり、そのために舌触りが悪く、粒度的にも食品原料として使用し難く、今もって穀類胚芽の食感・風味を改善することに進歩がみられていない。それに加えて、穀類胚芽は生の状態ではリポキシゲナーゼのような脂質を変敗する酵素が存在することから、保存上扱いにくい食品原料でもある。更に玄米(すなわち胚芽を含む)は、硬質で消化性が悪いことも問題である。
【0004】
そのような中で、穀類胚芽を焙煎することにより、脂肪変敗酵素を失活させると同時に香ばしい風味を付与させ、穀類胚芽の状態(フレーク)で食することが一部行われている。しかし、フレーク状では、風味はともかく食感が悪く、また他の食品原料または食品に混ぜて使用する場合、均一化できないという問題がある。この焙煎した穀類胚芽を30メッシュ通過程度の粒度に粉砕することも行われているが、このときの粉砕機としてはハンマーミルやピンミルが利用されており、粉砕中に著しい発熱を伴い品質低下の原因となる。しかも、胚芽は油分が多く固まりとなって30メッシュ〜50メッシュ程度に粉砕するのにも、少量ずつ、掃除をしながら粉砕する必要があり、作業性が著しく劣る。また、100メッシュや200メッシュと言った微粉砕化が困難である。
【0005】
一方、比較的発熱しないとされている石臼式や気流式の粉砕機を単に用いても、やはり固まりとなり粉砕することが困難である。杵と臼を使用した杵突きでは、杵突き後篩により篩別することにより50メッシュ程度の粉体を得ているが、これでも食感が必ずしも満足できるものではなく、歩留まりも50%程度であることから生産性にも問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、穀類胚芽の栄養面での重要性は認識されているものの、その利用上種々の問題があり現代の水準の高い食生活に合致した食味、食感を有する加工品が得られていない。この最大の難点は、穀類胚芽を単に煮ても食味良好にならないこと、および工業レベルでのよい粉砕法が開発されていないことにある。
そこで本発明の目的は、食感および風味に優れた穀類胚芽加工品を工業的有利に製造する方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の課題に鑑みて、穀類胚芽を対象にそれを粉砕することおよび煮ること(ボイルド)が同時にできる工業的に適した加工法を開発すべく種々検討したところ、穀類胚芽に水を加えて全重量に対する水分含量を15〜65重量%という特定範囲に調整し、ついでそのものを粉砕するに際して挽臼式粉砕機を選択することにより、穀類胚芽が粉砕とボイルドが同時になされたそぼろ状態で得られることを見出した。さらにそのそぼろ状物を乾燥し、篩ないし整粒機を通すことにより粉末状から顆粒の処理物を簡単に得ることも見出した。本発明はこれらの知見に基づいてさらに検討を重ねて完成したものである。
【0008】
すなわち、本発明は、
1)焙煎した穀類胚芽の水分含量を15〜65重量%に調整し、ついで挽臼式粉砕機により粉砕と同時に蒸煮しそぼろ状態に加工することを特徴とする穀類胚芽加工品の製造方法、
2)焙煎した穀類胚芽と、穀粉・澱粉類、酸類および糖類から構成される群の中から選択した少なくとも1種との混合物を、水分含量を15〜65重量%に調整し、ついでその水分調整された混合物を挽臼式粉砕機により粉砕と同時に蒸煮しそぼろ状態に加工することを特徴とする穀類胚芽加工品の製造方法、
3)挽臼式粉砕機で粉砕と同時に蒸煮しそぼろ状に加工後に、整粒して顆粒化する上記1)または2)記載の穀類胚芽加工品の製造方法、および
4)挽臼式粉砕機で粉砕と同時に蒸煮しそぼろ状に加工後に、さらに粉末化する上記1)または2)記載の穀類胚芽加工品の製造方法、
である。
本発明の製造方法によると、従来、食感・消化性などに難点があり、また粉末品や顆粒品を得ることが非常に困難であった穀類胚芽を対象に、これらの問題点がいずれも解消された穀類胚芽加工品を工業的有利に得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における穀類胚芽は、麦類(大麦、小麦、ライ麦、ハトムギまたはえん麦など)の胚芽、米類(うるち米、酒米またはもち米など)の胚芽、トウモロコシ胚芽、大豆胚芽など、通常、食糧に供せられている穀類胚芽であって、焙煎したものが用いられる。一般的に、保存性を考慮すると、焙煎した穀類胚芽が利用し易い。上記に例示した穀類胚芽は、その1種であってもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0011】
穀類から胚芽を採取する方法は常法に従えばよい。胚芽は、例えば小麦や米の場合で、穀粒の2〜3重量%を占める。そして、小麦生胚芽は、通常、水分を8〜13重量%程度、脂質を10重量%程度含み、小麦の焙煎胚芽は水分を2〜8重量%程度、脂質を10重量%程度含んでいる。米生胚芽は、通常、水分を8〜13重量%程度、脂質を20〜30%程度含み、米の焙煎胚芽は水分を5重量%程度、脂質を20〜30%程度含んでいる。本発明では、このなかで焙煎胚芽を原料とし、これに水を加えて全体の水分含量を15〜65重量%の範囲に、さらに好ましくは20〜45重量%の範囲に調整する。
本発明の製造方法において、焙煎した穀類胚芽に、穀粉・澱粉類、酸類および糖類から構成される群の中から選択した少なくとも1種以上を加えておくこともできる。穀粉・澱粉類を加えることにより澱粉質がα化し、粉砕の作業性がスムーズになること、また粉砕物の食感がよりサクサクが向上する効果がある。また、酸類および糖類を添加することにより、できあがった粉砕物の風味が向上し、粉砕後に酸類および糖類を添加したのでは得られない効果がある。このように穀粉・澱粉類、酸類あるいは糖類を加える場合においても、挽臼式粉砕機で処理するに際しては水分含量を混合物全重量に対して15〜65重量%の範囲に、さらに好ましくは20〜45重量%の範囲に調整する。
【0012】
前記穀粉としては、小麦粉、ライ麦、米粉、コーンフラワーあるいはオーツ粉等の炭水化物含量の高い穀粉が適当である。澱粉としては、各種澱粉類を単独または混合して使用することができる。その具体例としては、小麦粉澱粉、トウモロコシ澱粉、モチ種トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉、さつまいも澱粉、さご澱粉あるいはくず澱粉などの生澱粉や、これらを原料としてリン酸架橋、アセチル化などのエステル化、エーテル化、α化、油脂加工などを行った加工澱粉が挙げられる。穀粉・澱粉類の添加量としては、穀類胚芽100重量部に対して1〜50重量部程度が適当である。この範囲を超えると、挽臼式粉砕機で粉砕したときに粘度が高くなり、粉砕の作業性や粉砕物の扱いが悪くなる。
【0013】
前記酸類としては、可食性であれば無機酸あるいは有機酸の種類を問わず使用できるが、なかでも酢酸、クエン酸、乳酸あるいはアスコルビン酸などが好ましく例示される。酸類の添加量としては、穀類胚芽もしくは穀類胚芽とそれに任意に加えられる穀粉・澱粉類、糖類などとの混合物100重量部に対して1〜10重量部程度が適当である。この範囲を超えて添加すると、酸味が強すぎて食味が悪くなる。
【0014】
前記糖類としては、甘味料となるような単糖類または少糖類を使用することができ、例えばグラニュー糖、黒糖、三温糖、ブドウ糖または乳糖などが挙げられる。糖類の添加量としては、穀類胚芽もしくは穀類胚芽とそれに任意に加えられる穀粉・澱粉類、酸類などとの混合物100重量部に対して1〜20重量部程度が適当である。とりわけ、食感上は、10〜20重量部程度が好ましい。この範囲を超えて添加すると、粉砕工程において水飴状を呈し作業性が悪くなる。
【0015】
上記のとおり水分調整された穀類胚芽、あるいは穀類胚芽に穀粉・澱粉類、酸類あるいは糖類を任意に添加した混合物は、次いで挽臼式粉砕機による粉砕に供する。
挽臼式粉砕機は、石臼などと呼ばれ元来は木の実などを細かく砕くのに使用していた伝統的な粉砕機である。最近では、石の代わりにセラミック製の挽臼(グラインダー)を高速回転させ、高水分物をペースト状に処理するミルなどがある。本発明で使用する粉砕機は、挽臼式であればいずれであってもよいが、セラミック製の挽臼を高速回転させるミルがより好ましい。挽臼式粉砕機による処理は、解放式で行われるため、処理中に処理物の臭いが外部に逃げやすい。しかしも、挽臼式粉砕機での粉砕時間(通過時間)は瞬時であるため各種栄養素の損失が少ないのも特徴である。
【0016】
本発明の製造方法では、前記の特定水分量に調整した穀類胚芽を、挽臼式粉砕機により常温で処理を開始するが、その粉砕作業中に摩擦熱で自然に発熱するため、水蒸気が発生しミル内での品温は100℃程度まで上昇し、穀類胚芽の粉砕と蒸煮を同時に行うことができる。このために、煮煮(ボイルド)のための工程とその熱源を別個に必要としないという点で工業的に簡便である。この挽臼式粉砕機を終えた穀類胚芽加工品は、そぼろ状態を呈し、食してもざらつきが全く感じられない程度に均一に粉砕が行われており、生胚芽を用いたときにも蒸煮が完全に行われており抵抗感がなく、消化性がよい。しかも、穀類胚芽の栄養価が失われずに維持されている。
【0017】
本発明において、挽臼式粉砕機による処理に付するときの被処理物は前記のように水分含量を15〜65重量%に調整するのが特徴である。水分含量が15重量%に満たないと、粉砕処理中に蒸気発生が足りず、蒸煮が完全にできない場合があり粉砕と蒸煮を同時に行うという目的が達せられない。一方、水分含量が65重量%よりも多いと粉砕処理物を移動することが困難となり、また、挽臼式粉砕機内の摩擦熱が十分に上がらず蒸煮処理もうまく実施できない。更に水分が高いため挽臼式粉砕機による処理を終えた後、仕上げ乾燥に長時間を要することから実用的でない。
【0018】
ところで、挽臼式粉砕機による加工方法は、一般的にはトマトペーストや固形分が少ない溶液状で利用する粉砕機であって、通常は発熱を伴った粉砕にはあまり用いられていない。最近、通常の粉砕機でも粉砕することができる小麦外皮の繊維質の豊富な固いフスマなどに使用する方法(特開平11−313627公報)が見られる程度である。とりわけ、穀類胚芽のように柔らかく、脂肪分が豊富に含まれているような原料で、通常の粉砕機で粉砕が困難な原料(必ずしも穀類胚芽が固いために粉砕が困難ではない)に挽臼式粉砕機を適用し、その粉砕の可能性ないし粉砕の効果を検討したという報告はこれまでに見当たっていない。また、本発明のように、挽臼式粉砕機を用いて、粉砕と蒸煮を同時に行って食品を加工する方法は従来知られていない。
【0019】
本発明の製造方法で得た穀類胚芽加工品は、このままでも使用することができるが、ベルト式乾燥機などにより乾燥することが望ましい。例えば80℃〜150℃程度で5分から30分間乾燥し、腐敗を起こさない程度の水分、例えば3〜13重量%の水分にする。更に篩や整粒機を通すことにより、今まで製造が困難であった顆粒状の穀類胚芽加工品とすることもできるし、また簡単な粉砕処理をすることにより粉末状の穀類胚芽加工品とすることができる。この穀類胚芽加工品は、蒸煮と粉砕とが同時に行われているため、既に記載しているように消化性も著しく向上している。特に顆粒状の穀類胚芽加工品は、このままの形態で食しても食感が良く、更に分包ないし瓶や缶に詰める場合の作業性もよくなる。
穀類胚芽の粉末化は、既に述べたように、これまでの方法では粉砕の作業性、歩留まりに難があり、また顆粒化に際しては折角得た粉末をまた造粒機で造粒する手間が必要であり、その造粒機でも多量の水分を必要とし作業性も悪かったのである。ところが本発明の製造方法では、挽臼式粉砕機による粉砕工程だけで、穀類胚芽の粉末から顆粒が容易に、短工程で製造できる。このようにして得た穀類胚芽加工品は、食味、食感が著しく向上し、更に蒸煮しているため消化性も向上している。
【0020】
次に、本発明の製造方法で得られる穀類胚芽加工品は、この穀類胚芽加工品自体を、例えばシリアルスナック様菓子として摂取することもできるし、他の食品の製造時に配合することにより、胚芽特有の栄養価に富んだ食品を製造することもできる。穀類胚芽加工品を配合する食品は、特に限定されるものではないが、特にふさわしい対象食品として、パン類、麺類、菓子類(クッキー等の焼き菓子、チョコレート菓子など)、粉末スープ類、レトルト食品類あるいはフライ食品類などが挙げられる。食品への配合量としては、対象食品の特性を大きく変えない限り特に限定はしないが、通常は食品全重量に対して20重量%以内とし、穀類胚芽加工品が配合されていること以外は、原則的に従来の方法に準じて製造される。
【0021】
【実施例】
以下、実施例および使用例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の記載において「%」および「部」は特にことわらない限り、各々、重量%及び重量部を表すものである。
実施例1
穀類胚芽として、(株)京都栄養化学研究所製造の「玄米胚芽」(酒米<品種:山田錦>の胚芽をガス火力で焙煎した胚芽:水分含量5.3%)を使用した。この米胚芽100部に対して水30部を加え、水分含量が27%となるように調整した。その調整した混合物を、挽臼式粉砕機(機種:セラミック摩砕機)において回転数1,450rpmで、1時間に95.5kgの処理量で粉砕処理した。かくして得られた処理物をベルト式乾燥機にて110℃で約15分間乾燥し、米胚芽加工品(水分7.6重量%)を得た。これを更に、16メッシュ篩を持つ振動篩を通すことによって顆粒状の米胚芽加工品を得た。この米胚芽加工品は、食したときに喉ごしが良く、パサパサ感もなく、優れた食感・風味を持っていた。この米胚芽加工品を通常の粉砕機で粉砕して得られた粉末を、小麦粉100部に対して10部の割合で加え、パンおよびクッキーを製造したところ、美味な製品となった。
【0022】
また、下記の表1に示すとおり、この製造方法で得た米胚芽加工品は、その処理前に比べて栄養成分の損失がほとんどなく良好に維持されている。
【0023】
【表1】
Figure 0004035308
【0024】
実施例2
穀類胚芽として、日本製粉(株)製造の「小麦胚芽」(国内産小麦の胚芽をガス火力で焙煎した胚芽:水分含量3.3%)を使用した。この小麦胚芽100部に対して水30部を加え、水分含量が26%となるように調整した。その調整した混合物を、挽臼式粉砕機(機種:セラミック摩砕機)において回転数1,450rpmで、1時間に95.5kgの処理量で処理した。かくして得られた処理物をベルト式乾燥機にて110℃で約15分間乾燥し、小麦胚芽加工品を得た。これを更に、16メッシュ篩を持つ振動篩を通すことによって顆粒状の小麦胚芽加工品を得た。この小麦胚芽加工品は、食したとき喉ごしが良く、パサパサ感もない、優れた食感・風味を持っていた。
【0025】
実施例3
穀類胚芽として、(株)京都栄養化学製造の「玄米胚芽」(酒米<品種:山田錦>:水分含量9.3%)を使用した。この米胚芽100部に対して馬鈴薯澱粉10部、クエン酸1部、グラニュー糖10部、および水30部を加え、水分含量が26%となるように調整した。この調整した混合物を、挽臼式粉砕機(機種:セラミック摩砕機)を用いて回転数1,450rpmで、1時間あたり95.5kgの処理量で粉砕処理した。かくして得られた処理物をベルト式乾燥機にて110℃で約15分間乾燥し、米胚芽加工品を得た。これを更に、16メッシュ篩を持つ振動篩を通すことによって顆粒状の米胚芽加工品を得た。この米胚芽加工品は、食するとき喉ごしが良く、パサパサ感もない、優れた食感・風味を持っていた。
【0026】
使用例1
実施例1で製造した顆粒状の玄米胚芽加工品を3gずつ分包して、ドリンク用または直接摂取するための顆粒製品を製造した。
使用例2
実施例1で製造した玄米胚芽加工品50%と、乳果オリゴ糖15%、乳糖32%およびリンゴ香料3%の割合で混合し、粉末ドリンク用顆粒を製造した。
【0027】
使用例3
実施例1で製造した顆粒状の玄米胚芽加工品50%と、マルチトール20%、セルロース25%およびショ糖脂肪酸エステル5%とを使用して錠菓を製造した。
使用例4
小麦粉120g、実施例2で製造した小麦胚芽加工品8g、砂糖35g、ショートニング15g、全卵粉1.5g、食塩1g、炭酸水素ナトリウム0.6g、炭酸アンモニア0.75gおよび水20gを用いて、常法によりドウを作成し、成形、焙焼してビスケットを製造した。
【0028】
使用例5
小麦粉3kg、実施例3で製造した米胚芽加工品180g、イースト60g、イーストフード3g、砂糖150g、食塩60g、ショートニング150g、脱脂粉乳60g、および水2070gを用いて、常法によりドウを作成し、成形、焙焼してパンを製造した。
使用例6
準強力小麦粉に対して、1重量%の実施例1で製造した米胚芽加工品、34重量%の水、1重量%の食塩および1重量%のかん粉を加えたものを、12分間した混捏した後、麺機にて数回圧延、形成して、中華麺の生麺帯、生麺線を得た。
【0029】
【発明の効果】
本発明の穀類胚芽加工品の製造方法によれば、食感や風味が良く、また消化性に優れ、本来の栄養価が維持された穀類胚芽加工品を得ることができる。この製造方法は、挽臼式粉砕機を用いることにより穀類胚芽顆粒を粉砕すると同時に蒸煮を行うものであり、短工程でしかも比較的少ないエネルギーで胚芽加工品が製造できる。これによって、今までは粉砕や造粒が困難であるとされていた穀類胚芽を工業上有利に顆粒化することが可能である。さらに、このような穀類胚芽加工品を食品に配合することにより、食感や風味の良い、栄養価の高い食品を得ることができる。

Claims (4)

  1. 焙煎した穀類胚芽の水分含量を15〜65重量%に調整し、ついで挽臼式粉砕機により粉砕と同時に蒸煮しそぼろ状態に加工することを特徴とする穀類胚芽加工品の製造方法。
  2. 焙煎した穀類胚芽と、穀粉・澱粉類、酸類および糖類から構成される群の中から選択した少なくとも1種との混合物を、水分含量を15〜65重量%に調整し、ついでその水分調整された混合物を挽臼式粉砕機により粉砕と同時に蒸煮しそぼろ状態に加工することを特徴とする穀類胚芽加工品の製造方法。
  3. 挽臼式粉砕機で粉砕と同時に蒸煮しそぼろ状に加工後に、整粒して顆粒化する請求項1または2記載の穀類胚芽加工品の製造方法。
  4. 挽臼式粉砕機で粉砕と同時に蒸煮しそぼろ状に加工後に、さらに粉末化する請求項1または2記載の穀類胚芽加工品の製造方法。
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