JP2003135012A - 穀類胚芽加工品の製造方法およびその穀類胚芽加工品を含む食品 - Google Patents

穀類胚芽加工品の製造方法およびその穀類胚芽加工品を含む食品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】食感、風味、消化性に優れた穀類胚芽加工品を
工業的有利に製造する方法およびその穀類胚芽加工品を
含有する食品を提供する。 【解決手段】生または焙煎した穀類胚芽の水分含量を1
5〜65重量%に調整し、ついで挽臼式粉砕機により粉
砕してなる穀類胚芽加工品の製造方法、および生または
焙煎した穀類胚芽と、穀粉・澱粉類、酸類および糖類か
ら構成される群の中から選択した少なくとも1種との混
合物を、水分含量が15〜65重量%に調整し、ついで
その水分調整された混合物を挽臼式粉砕機により粉砕し
てなる穀類胚芽加工品の製造方法。さらに粉末化あるい
は顆粒化する穀類胚芽加工品の製造方法。これらの穀類
胚芽加工品を含むパン類、菓子類、麺類などの食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食感、風味および
消化性の優れ、栄養価がよく維持された穀類胚芽加工品
を得るための製造方法、およびその得られた穀類胚芽加
工品を含有してなる食品に関する。
【0002】
【従来の技術】穀類は、一般に消化率が悪く、特に玄米
は硬質であるため更に消化率が悪い食品原料であること
が知られているが、粉砕により消化率が高まり、さらに
煮ること(ボイルド)により消化率が一層上昇すること
が知られている(古屋等;日豚会誌、24巻、87ペー
ジ〜93ページ、1987年)。穀類の種子は、主とし
て胚乳、外皮および胚芽に分けられ、通常、胚乳部分だ
けが食糧として利用されている。主な穀類の例でいう
と、米粒はおよそ胚乳92%、外皮5%および胚芽3%
の割合よりなり、また小麦粒はおよそ胚乳83%、外皮
15%および胚芽2%の割合よりなる。米粒は精米によ
り、また小麦粒は製粉によってそれぞれ胚乳部分を得、
澱粉質食糧として利用されている。一方、外皮や胚芽は
胚乳部分にはない各種の栄養素を含んではいるが、食感
・風味などの問題から取り除かれ、廃棄されているのが
現状である。
【0003】これらのなかでも、穀類胚芽は、脂質やビ
タミン、ミネラルなど各種の栄養素が豊富に含まれてい
るが、良い加工法が開発されていないため食品原料とし
ての利用が遅れていて、胚芽を圧搾ないし抽出すること
により得られる胚芽油が一部利用されているに過ぎな
い。穀類胚芽の加工面で一番の問題点は、脂質が豊富に
含まれていて、通常の粉砕機械による粉砕が困難なこと
であり、そのために舌触りが悪く、粒度的にも食品原料
として使用し難く、今もって穀類胚芽の食感・風味を改
善することに進歩がみられていない。それに加えて、穀
類胚芽は生の状態ではリポキシゲナーゼのような脂質を
変敗する酵素が存在することから、保存上扱いにくい食
品原料でもある。更に玄米(すなわち胚芽を含む)は、
硬質で消化性が悪いことも問題である。
【0004】そのような中で、穀類胚芽を焙煎すること
により、脂肪変敗酵素を失活させると同時に香ばしい風
味を付与させ、穀類胚芽の状態(フレーク)で食するこ
とが一部行われている。しかし、フレーク状では、風味
はともかく食感が悪く、また他の食品原料または食品に
混ぜて使用する場合、均一化できないという問題があ
る。この焙煎した穀類胚芽を30メッシュ通過程度の粒
度に粉砕することも行われているが、このときの粉砕機
としてはハンマーミルやピンミルが利用されており、粉
砕中に著しい発熱を伴い品質低下の原因となる。しか
も、胚芽は油分が多く固まりとなって30メッシュ〜5
0メッシュ程度に粉砕するのにも、少量ずつ、掃除をし
ながら粉砕する必要があり、作業性が著しく劣る。ま
た、100メッシュや200メッシュと言った微粉砕化
が困難である。
【0005】一方、比較的発熱しないとされている石臼
式や気流式の粉砕機を単に用いても、やはり固まりとな
り粉砕することが困難である。杵と臼を使用した杵突き
では、杵突き後篩により篩別することにより50メッシ
ュ程度の粉体を得ているが、これでも食感が必ずしも満
足できるものではなく、歩留まりも50%程度であるこ
とから生産性にも問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、穀類胚
芽の栄養面での重要性は認識されているものの、その利
用上種々の問題があり現代の水準の高い食生活に合致し
た食味、食感を有する加工品が得られていない。この最
大の難点は、穀類胚芽を単に煮ても食味良好にならない
こと、および工業レベルでのよい粉砕法が開発されてい
ないことにある。そこで本発明の目的は、食感および風
味に優れた穀類胚芽加工品を工業的有利に製造する方法
と、さらにかくして得られた穀類胚芽加工品を含有する
食品とを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題に
鑑みて、穀類胚芽を対象にそれを粉砕することおよび煮
ること(ボイルド)が同時にできる工業的に適した加工
法を開発すべく種々検討したところ、穀類胚芽に水を加
えて全重量に対する水分含量を15〜65重量%という
特定範囲に調整し、ついでそのものを粉砕するに際して
挽臼式粉砕機を選択することにより、穀類胚芽が粉砕と
ボイルドが同時になされたそぼろ状態で得られることを
見出した。さらにそのそぼろ状物を乾燥し、篩ないし整
粒機を通すことにより粉末状から顆粒の処理物を簡単に
得ることも見出した。本発明はこれらの知見に基づいて
さらに検討を重ねて完成したものである。
【0008】すなわち、本発明は、 1)生または焙煎した穀類胚芽の水分含量を15〜65
重量%に調整し、ついで挽臼式粉砕機により粉砕するこ
とを特徴とする穀類胚芽加工品の製造方法、 2)生または焙煎した穀類胚芽と、穀粉・澱粉類、酸類
および糖類から構成される群の中から選択した少なくと
も1種との混合物を、水分含量が15〜65重量%に調
整し、ついでその水分調整された混合物を挽臼式粉砕機
により粉砕することを特徴とする穀類胚芽加工品の製造
方法、 3)挽臼式粉砕機で粉砕後に、整粒して顆粒化する上記
1)または2)項記載の穀類胚芽加工品の製造方法。
【0009】4)挽臼式粉砕機で粉砕後に、さらに粉末
化する上記1)または2)項記載の穀類胚芽加工品の製
造方法、および 5)上記1)〜4)項のいずれかに記載の製造方法で得
られた穀類胚芽加工品を含有することを特徴とする食
品、である。 本発明の製造方法によると、従来、食感・消化性などに
難点があり、また粉末品や顆粒品を得ることが非常に困
難であった穀類胚芽を対象に、これらの問題点がいずれ
も解消された穀類胚芽加工品を工業的有利に得ることが
できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における穀類胚芽は、麦類(大麦、小麦、ライ
麦、ハトムギまたはえん麦など)の胚芽、米類(うるち
米、酒米またはもち米など)の胚芽、トウモロコシ胚
芽、大豆胚芽など、通常、食糧に供せられている穀類胚
芽であって、生または焙煎のいずれであってよい。一般
的に、保存性を考慮すると、焙煎した穀類胚芽が利用し
易い。上記に例示した穀類胚芽は、その1種であっても
よいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0011】穀類から胚芽を採取する方法は常法に従え
ばよい。胚芽は、例えば小麦や米の場合で、穀粒の2〜
3重量%を占める。そして、小麦生胚芽は、通常、水分
を8〜13重量%程度、脂質を10重量%程度含み、小
麦の焙煎胚芽は水分を2〜8重量%程度、脂質を10重
量%程度含んでいる。米生胚芽は、通常、水分を8〜1
3重量%程度、脂質を20〜30%程度含み、米の焙煎
胚芽は水分を5重量%程度、脂質を20〜30%程度含
んでいる。本発明では、このような生胚芽または/およ
び焙煎胚芽を原料とし、これに水を加えて全体の水分含
量を15〜65重量%の範囲に、さらに好ましくは20
〜45重量%の範囲に調整する。本発明の製造方法にお
いて、生または焙煎した穀類胚芽に、穀粉・澱粉類、酸
類および糖類から構成される群の中から選択した少なく
とも1種以上を加えておくこともできる。穀粉・澱粉類
を加えることにより澱粉質がα化し、粉砕の作業性がス
ムーズになること、また粉砕物の食感がよりサクサクが
向上する効果がある。また、酸類および糖類を添加する
ことにより、できあがった粉砕物の風味が向上し、粉砕
後に酸類および糖類を添加したのでは得られない効果が
ある。このように穀粉・澱粉類、酸類あるいは糖類を加
える場合においても、挽臼式粉砕機で処理するに際して
は水分含量を混合物全重量に対して15〜65重量%の
範囲に、さらに好ましくは20〜45重量%の範囲に調
整する。
【0012】前記穀粉としては、小麦粉、ライ麦、米
粉、コーンフラワーあるいはオーツ粉等の炭水化物含量
の高い穀粉が適当である。澱粉としては、各種澱粉類を
単独または混合して使用することができる。その具体例
としては、小麦粉澱粉、トウモロコシ澱粉、モチ種トウ
モロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉、さ
つまいも澱粉、さご澱粉あるいはくず澱粉などの生澱粉
や、これらを原料としてリン酸架橋、アセチル化などの
エステル化、エーテル化、α化、油脂加工などを行った
加工澱粉が挙げられる。穀粉・澱粉類の添加量として
は、穀類胚芽100重量部に対して1〜50重量部程度
が適当である。この範囲を超えると、挽臼式粉砕機で粉
砕したときに粘度が高くなり、粉砕の作業性や粉砕物の
扱いが悪くなる。
【0013】前記酸類としては、可食性であれば無機酸
あるいは有機酸の種類を問わず使用できるが、なかでも
酢酸、クエン酸、乳酸あるいはアスコルビン酸などが好
ましく例示される。酸類の添加量としては、穀類胚芽も
しくは穀類胚芽とそれに任意に加えられる穀粉・澱粉
類、糖類などとの混合物100重量部に対して1〜10
重量部程度が適当である。この範囲を超えて添加する
と、酸味が強すぎて食味が悪くなる。
【0014】前記糖類としては、甘味料となるような単
糖類または少糖類を使用することができ、例えばグラニ
ュー糖、黒糖、三温糖、ブドウ糖または乳糖などが挙げ
られる。糖類の添加量としては、穀類胚芽もしくは穀類
胚芽とそれに任意に加えられる穀粉・澱粉類、酸類など
との混合物100重量部に対して1〜20重量部程度が
適当である。とりわけ、食感上は、10〜20重量部程
度が好ましい。この範囲を超えて添加すると、粉砕工程
において水飴状を呈し作業性が悪くなる。
【0015】上記のとおり水分調整された穀類胚芽、あ
るいは穀類胚芽に穀粉・澱粉類、酸類あるいは糖類を任
意に添加した混合物は、次いで挽臼式粉砕機による粉砕
に供する。挽臼式粉砕機は、石臼などと呼ばれ元来は木
の実などを細かく砕くのに使用していた伝統的な粉砕機
である。最近では、石の代わりにセラミック製の挽臼
(グラインダー)を高速回転させ、高水分物をペースト
状に処理するミルなどがある。本発明で使用する粉砕機
は、挽臼式であればいずれであってもよいが、セラミッ
ク製の挽臼を高速回転させるミルがより好ましい。挽臼
式粉砕機による処理は、解放式で行われるため、処理中
に処理物の臭いが外部に逃げやすい。しかしも、挽臼式
粉砕機での粉砕時間(通過時間)は瞬時であるため各種
栄養素の損失が少ないのも特徴である。
【0016】本発明の製造方法では、前記の特定水分量
に調整した穀類胚芽を、挽臼式粉砕機により常温で処理
を開始するが、その粉砕作業中に摩擦熱で自然に発熱す
るため、水蒸気が発生しミル内での品温は100℃程度
まで上昇し、穀類胚芽の粉砕と蒸煮を同時に行うことが
できる。このために、煮煮(ボイルド)のための工程と
その熱源を別個に必要としないという点で工業的に簡便
である。この挽臼式粉砕機を終えた穀類胚芽加工品は、
そぼろ状態を呈し、食してもざらつきが全く感じられな
い程度に均一に粉砕が行われており、生胚芽を用いたと
きにも蒸煮が完全に行われており抵抗感がなく、消化性
がよい。しかも、穀類胚芽の栄養価が失われずに維持さ
れている。
【0017】本発明において、挽臼式粉砕機による処理
に付するときの被処理物は前記のように水分含量を15
〜65重量%に調整するのが特徴である。水分含量が1
5重量%に満たないと、粉砕処理中に蒸気発生が足り
ず、蒸煮が完全にできない場合があり粉砕と蒸煮を同時
に行うという目的が達せられない。一方、水分含量が6
5重量%よりも多いと粉砕処理物を移動することが困難
となり、また、挽臼式粉砕機内の摩擦熱が十分に上がら
ず蒸煮処理もうまく実施できない。更に水分が高いため
挽臼式粉砕機による処理を終えた後、仕上げ乾燥に長時
間を要することから実用的でない。
【0018】ところで、挽臼式粉砕機による加工方法
は、一般的にはトマトペーストや固形分が少ない溶液状
で利用する粉砕機であって、通常は発熱を伴った粉砕に
はあまり用いられていない。最近、通常の粉砕機でも粉
砕することができる小麦外皮の繊維質の豊富な固いフス
マなどに使用する方法(特開平11−313627公
報)が見られる程度である。とりわけ、穀類胚芽のよう
に柔らかく、脂肪分が豊富に含まれているような原料
で、通常の粉砕機で粉砕が困難な原料(必ずしも穀類胚
芽が固いために粉砕が困難ではない)に挽臼式粉砕機を
適用し、その粉砕の可能性ないし粉砕の効果を検討した
という報告はこれまでに見当たっていない。また、本発
明のように、挽臼式粉砕機を用いて、粉砕と蒸煮を同時
に行って食品を加工する方法は従来知られていない。
【0019】本発明の製造方法で得た穀類胚芽加工品
は、このままでも使用することができるが、ベルト式乾
燥機などにより乾燥することが望ましい。例えば80℃
〜150℃程度で5分から30分間乾燥し、腐敗を起こ
さない程度の水分、例えば3〜13重量%の水分にす
る。更に篩や整粒機を通すことにより、今まで製造が困
難であった顆粒状の穀類胚芽加工品とすることもできる
し、また簡単な粉砕処理をすることにより粉末状の穀類
胚芽加工品とすることができる。この穀類胚芽加工品
は、蒸煮と粉砕とが同時に行われているため、既に記載
しているように消化性も著しく向上している。特に顆粒
状の穀類胚芽加工品は、このままの形態で食しても食感
が良く、更に分包ないし瓶や缶に詰める場合の作業性も
よくなる。穀類胚芽の粉末化は、既に述べたように、こ
れまでの方法では粉砕の作業性、歩留まりに難があり、
また顆粒化に際しては折角得た粉末をまた造粒機で造粒
する手間が必要であり、その造粒機でも多量の水分を必
要とし作業性も悪かったのである。ところが本発明の製
造方法では、挽臼式粉砕機による粉砕工程だけで、穀類
胚芽の粉末から顆粒が容易に、短工程で製造できる。こ
のようにして得た穀類胚芽加工品は、食味、食感が著し
く向上し、更に蒸煮しているため消化性も向上してい
る。
【0020】次に、本発明の製造方法で得られる穀類胚
芽加工品は、この穀類胚芽加工品自体を、例えばシリア
ルスナック様菓子として摂取することもできるし、他の
食品の製造時に配合することにより、胚芽特有の栄養価
に富んだ食品を製造することもできる。穀類胚芽加工品
を配合する食品は、特に限定されるものではないが、特
にふさわしい対象食品として、パン類、麺類、菓子類
(クッキー等の焼き菓子、チョコレート菓子など)、粉
末スープ類、レトルト食品類あるいはフライ食品類など
が挙げられる。食品への配合量としては、対象食品の特
性を大きく変えない限り特に限定はしないが、通常は食
品全重量に対して20重量%以内とし、穀類胚芽加工品
が配合されていること以外は、原則的に従来の方法に準
じて製造される。
【0021】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。なお、以下の記載において「%」および「部」
は特にことわらない限り、各々、重量%及び重量部を表
すものである。 実施例1 穀類胚芽として、(株)京都栄養化学研究所製造の「玄
米胚芽」(酒米<品種:山田錦>の胚芽をガス火力で焙
煎した胚芽:水分含量5.3%)を使用した。この米胚
芽100部に対して水30部を加え、水分含量が27%
となるように調整した。その調整した混合物を、挽臼式
粉砕機(機種:セラミック摩砕機)において回転数1,
450rpmで、1時間に95.5kgの処理量で粉砕
処理した。かくして得られた処理物をベルト式乾燥機に
て110℃で約15分間乾燥し、米胚芽加工品(水分
7.6重量%)を得た。これを更に、16メッシュ篩を
持つ振動篩を通すことによって顆粒状の米胚芽加工品を
得た。この米胚芽加工品は、食したときに喉ごしが良
く、パサパサ感もなく、優れた食感・風味を持ってい
た。この米胚芽加工品を通常の粉砕機で粉砕して得られ
た粉末を、小麦粉100部に対して10部の割合で加
え、パンおよびクッキーを製造したところ、美味な製品
となった。
【0022】また、下記の表1に示すとおり、この製造
方法で得た米胚芽加工品は、その処理前に比べて栄養成
分の損失がほとんどなく良好に維持されている。
【0023】
【表1】
【0024】実施例2 穀類胚芽として、日本製粉(株)製造の「小麦胚芽」
(国内産小麦の胚芽をガス火力で焙煎した胚芽:水分含
量3.3%)を使用した。この小麦胚芽100部に対し
て水30部を加え、水分含量が26%となるように調整
した。その調整した混合物を、挽臼式粉砕機(機種:セ
ラミック摩砕機)において回転数1,450rpmで、
1時間に95.5kgの処理量で処理した。かくして得
られた処理物をベルト式乾燥機にて110℃で約15分
間乾燥し、小麦胚芽加工品を得た。これを更に、16メ
ッシュ篩を持つ振動篩を通すことによって顆粒状の小麦
胚芽加工品を得た。この小麦胚芽加工品は、食したとき
喉ごしが良く、パサパサ感もない、優れた食感・風味を
持っていた。
【0025】実施例3 穀類胚芽として、(株)京都栄養化学製造の「玄米胚
芽」(酒米<品種:山田錦>:水分含量9.3%)を使
用した。この米胚芽100部に対して馬鈴薯澱粉10
部、クエン酸1部、グラニュー糖10部、および水30
部を加え、水分含量が26%となるように調整した。こ
の調整した混合物を、挽臼式粉砕機(機種:セラミック
摩砕機)を用いて回転数1,450rpmで、1時間あ
たり95.5kgの処理量で粉砕処理した。かくして得
られた処理物をベルト式乾燥機にて110℃で約15分
間乾燥し、米胚芽加工品を得た。これを更に、16メッ
シュ篩を持つ振動篩を通すことによって顆粒状の米胚芽
加工品を得た。この米胚芽加工品は、食するとき喉ごし
が良く、パサパサ感もない、優れた食感・風味を持って
いた。
【0026】実施例4 実施例1で製造した顆粒状の玄米胚芽加工品を3gづつ
分包して、ドリンク用または直接摂取するための顆粒製
品を製造した。 実施例5 実施例1で製造した玄米胚芽加工品50%と、乳果オリ
ゴ糖15%、乳糖32%およびリンゴ香料3%の割合で
混合し、粉末ドリンク用顆粒を製造した。
【0027】実施例6 実施例1で製造した顆粒状の玄米胚芽加工品50%と、
マルチトール20%、セルロース25%およびショ糖脂
肪酸エステル5%とを使用して錠菓を製造した。 実施例7 小麦粉120g、実施例2で製造した小麦胚芽加工品8
g、砂糖35g、ショートニング15g、全卵粉1.5
g、食塩1g、炭酸水素ナトリウム0.6g、炭酸アン
モニア0.75gおよび水20gを用いて、常法により
ドウを作成し、成形、焙焼してビスケットを製造した。
【0028】実施例8 小麦粉3kg、実施例3で製造した米胚芽加工品180
g、イースト60g、イーストフード3g、砂糖150
g、食塩60g、ショートニング150g、脱脂粉乳6
0g、および水2070gを用いて、常法によりドウを
作成し、成形、焙焼してパンを製造した。 実施例9 準強力小麦粉に対して、1重量%の実施例1で製造した
米胚芽加工品、34重量%の水、1重量%の食塩および1
重量%のかん粉を加えたものを、12分間した混捏した
後、麺機にて数回圧延、形成して、中華麺の生麺帯、生
麺線を得た。
【0029】
【発明の効果】本発明の穀類胚芽加工品の製造方法によ
れば、食感や風味が良く、また消化性に優れ、本来の栄
養価が維持された穀類胚芽加工品を得ることができる。
この製造方法は、挽臼式粉砕機を用いることにより穀類
胚芽顆粒を粉砕すると同時に蒸煮を行うものであり、短
工程でしかも比較的少ないエネルギーで胚芽加工品が製
造できる。これによって、今までは粉砕や造粒が困難で
あるとされていた穀類胚芽を工業上有利に顆粒化するこ
とが可能である。さらに、このような穀類胚芽加工品を
食品に配合することにより、食感や風味の良い、栄養価
の高い食品を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B025 LB03 LP02 LP07 4B032 DB01 DB21 DG15 DP02 DP06 4B046 LB01 LG26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生または焙煎した穀類胚芽の水分含量を1
    5〜65重量%に調整し、ついで挽臼式粉砕機により粉
    砕することを特徴とする穀類胚芽加工品の製造方法。
  2. 【請求項2】生または焙煎した穀類胚芽と、穀粉・澱粉
    類、酸類および糖類から構成される群の中から選択した
    少なくとも1種との混合物を、水分含量が15〜65重
    量%に調整し、ついでその水分調整された混合物を挽臼
    式粉砕機により粉砕することを特徴とする穀類胚芽加工
    品の製造方法。
  3. 【請求項3】挽臼式粉砕機で粉砕後に、整粒して顆粒化
    する請求項1または2記載の穀類胚芽加工品の製造方
    法。
  4. 【請求項4】挽臼式粉砕機で粉砕後に、さらに粉末化す
    る請求項1または2記載の穀類胚芽加工品の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法
    で得られた穀類胚芽加工品を含有することを特徴とする
    食品。
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