JP4449984B2 - 導電性粒子の製造方法、導電性ペーストおよび電子部品の製造方法 - Google Patents

導電性粒子の製造方法、導電性ペーストおよび電子部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、導電性粒子の製造方法、導電性ペーストおよび電子部品の製造方法に関する。
電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサは、誘電体層と内部電極層とが交互に複数配置された積層構造の素子本体と、該素子本体の両端部に形成された一対の外部端子電極とで構成される。
この積層セラミックコンデンサは、まず焼成前誘電体層と焼成前内部電極層とを必要枚数だけ交互に複数積層させて焼成前素子本体を製造し、次にこれを焼成した後、焼成後素子本体の両端部に一対の外部端子電極を形成して製造される。
焼成前誘電体層としては、セラミックグリーンシートが用いられ、焼成前内部電極層としては所定パターンの内部電極ペースト層や金属薄膜などが用いられる。
セラミックグリーンシートは、シート法や延伸法などで製造することができる。シート法とは、誘電体粉末、バインダ、可塑剤および有機溶剤などを含む誘電体塗料を、ドクターブレード法などを用いてPETなどのキャリアシート上に塗布し、加熱乾燥させて製造する方法である。延伸法とは、誘電体粉末とバインダが溶媒に混合された誘電体懸濁液を押出成形して得られるフィルム状成形体を二軸延伸して製造する方法である。
所定パターンの内部電極ペースト層は、印刷法により製造される。印刷法とは、Pd、Ag−Pd、Niなどの金属を含む導電材と、バインダおよび有機溶剤などを含む導電塗料を、セラミックグリーンシート上に所定パターンで塗布形成する方法である。所定パターンの金属薄膜は、スパッタリングなどの薄膜法により製造される。
このように、積層セラミックコンデンサの製造に際しては、焼成前誘電体層と焼成前内部電極層とを同時に焼成することになる。このため、焼成前内部電極層に含まれる導電材には、焼成前誘電体層に含まれる誘電体粉末の焼結温度よりも高い融点を持つこと、誘電体粉末と反応しないこと、焼成後誘電体層に拡散しないこと、などが要求される。
従来は、これらの要求を満足させるために、焼成前内部電極層に含まれる導電材には、PtやPdなどの貴金属を使用してきた。しかしながら、貴金属はそれ自体が高価であり、結果として最終的に得られる積層セラミックコンデンサがコスト高になるという欠点があった。そこで、従来は、誘電体粉末の焼結温度を900〜1100℃に低下させ、焼成前内部電極層に含まれる導電材にAg−Pd合金を用いたり、Niなどの安価な卑金属を用いたものが広く知られている。
ところで、近年、各種電子機器の小型化により、電子機器の内部に装着される積層セラミックコンデンサの小型化および大容量化が進んでいる。この積層セラミックコンデンサの小型化および大容量化を進めるために、誘電体層はもとより、薄くて欠陥の少ない内部電極層を積層することが求められる。
しかしながら、焼成前内部電極層に含まれる導電材にNiを用いた場合を例示すると、このNiは、焼成前誘電体層に含まれる誘電体粉末と比較して融点が低い。このため、これらを同時焼成した場合、両者の焼結温度の間で大きな差が生じていた。焼結温度に大きな差がある場合に高い温度で焼結させると、内部電極層の割れや剥離が生じ、一方、低い温度で焼結させると、誘電体粉末の焼成不良を生じることがある。
また、焼成前内部電極層の厚みを薄くしていくと、還元雰囲気での焼成中に、導電材に含まれるNi粒子は粒成長により球状化し、焼成前には連結していた隣接するNi粒子同士の間隔が開いて任意の箇所に空孔を生じ、その結果、焼成後内部電極層を連続的に形成することが困難になる。焼成後内部電極層が連続していない場合、積層セラミックコンデンサの静電容量が低下するという問題がある。
ところで、下記の特許文献1には、内部電極の途切れを防止するに、内部電極層を合金化するという方法を示している。ただし、この特許文献1では、薄膜形成法では合金制御が困難であるとして、焼成前に内部電極層を金属多層膜として用意し、焼成段階を経て合金化している。
しかしながら、この特許文献1には、ニッケルを主成分とする内部電極を用いる場合に、どのような種類の金属と合金化させることで、焼成段階でのニッケル粒子の粒成長を抑制し、球状化を防止し、電極途切れを防止できるかについては何ら開示されていない。各多層金属膜を構成する組成によっては、逆に焼結温度を低下させてしまい、焼成段階でのニッケル粒子の粒成長を抑制できない。
また、各多層金属膜の構成としてセラミックと接する金属膜がセラミックとの濡れ性、密着性が悪い場合、逆に球状化、途切れが進んでしまい、コンデンサとしての静電容量が低下する。
また、下記の特許文献2には、ニッケルを主成分とし、一般式M[(C](MはRu,Os,Pd,Cr,Coの少なくともいずれか1種)で表されるメタロセンを含有する導電性ペーストが提案されている。
しかしながら、この特許文献2では、導電ペースト中に、ニッケル粒子とメタロセンとを別々に分散させているのみであり、ニッケル粒子を貴金属粒子で被覆しているものではない。
そのため、焼成段階でのニッケル粒子の粒成長を抑制する効果が弱いと共に、球状化を防止する効果も弱く、電極途切れを、さらに有効に防止できる方法が求められていた。
そこで、本出願人は、これらの課題を解決するために、下記の特許文献3に示す特許出願を行っている。この特許出願では、スパッタリングによりNiと貴金属との合金薄膜を作製し、この薄膜を粉砕して合金粉を得て、内部電極層形成用とした導電性粒子と、ニッケル粒子の周囲を白金層で被覆してある導電性粒子とが開示してある。このように構成してある導電性粒子を用いることにより、本出願人は、特に内部電極層の各厚みが薄層化した場合でも、焼成段階でのNi粒子の粒成長を抑制し、球状化、電極途切れを有効に防止し、静電容量の低下を効果的に抑制することができる積層セラミックコンデンサなどの電子部品を提供できることを見出した。
しかしながら、上記の導電性粒子を製造するには、合金粒子の場合、スパッタリング等の工程が増え、製造プロセスが長くなるという課題があった。また、被覆粒子の場合には、ニッケル粒子の周囲に白金を析出させる際に、数μm以上の白金の偏析粒子が生成し、ニッケル粒子が白金で被膜されない場合があった。そのため、白金被覆のニッケル粒子の製造効率が悪いという課題があった。
なお、下記の特許文献4に示すように、パラジウムなどの貴金属粉末の粒子表面にニッケルなどの卑金属被覆層が形成されている導電性粒子の製造方法は知られている。しかしながら、この文献に示す技術では、貴金属粒子径分布が0.3〜0.5μmであり、薄層化の内部電極層には粒子径が大きすぎるため、粒子径の微粉化が求められる。また、この特許文献4に示す発明では、Niなどの卑金属を外側被覆層として用いているために、還元析出工程中に、コアがPt粒子でNiをPt粒子表面に析出させる場合、Ni被膜があまりにも薄い被膜であると酸化して酸化Niとなる場合がある。したがって、Niのような酸化されやすい物質を、内部電極の主金属材料として用いようとする場合には、特許文献4に記載の技術では限界があった。
特開平3−126206号公報 特開平10−214520号公報 国際公開第04/070748号パンフレット 特開平8−212827号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、特に内部電極層の各厚みが薄層化した場合でも、焼成段階での導電性粒子の粒成長を抑制し、球状化、電極途切れを有効に防止し、静電容量の低下を効果的に抑制することができ、しかも被覆層用金属の異常偏析(たとえば数μm以上)が無く、薄い被覆層で覆われたコア粒子を効率よく製造することができる導電性粒子の製造方法を提供することである。また、本発明の目的は、その製造方法で得られた導電性粒子を用いて得られる導電性ペーストと、その導電性ペーストを用いて製造される積層セラミックコンデンサなどの電子部品を製造する方法とを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る導電性粒子の製造方法は、
ニッケルを主成分とするコア部と、前記コア部の周囲を覆っている被覆層とを有する導電性粒子を製造する方法であって、
前記コア部を構成することになるコア用粉末と、前記被覆層を形成することになる金属または合金を含む水溶性金属塩と、界面活性剤とを含む水分散液を準備する分散液作製工程と、
前記水分散液と還元剤とを混合させ、前記コア用粉末の外表面に、前記被覆層を形成することになる金属または合金を還元析出させる還元析出工程とを有し、
前記被覆層を形成することになる金属または合金が、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)および白金(Pt)から選ばれる少なくとも1種の元素を主成分として有する金属または合金で構成してあることを特徴とする導電性粒子の製造方法。
本発明の第1の観点において、前記界面活性剤としては、特に限定されないが、好ましくは非イオン性界面活性剤であり、親水性・親油性バランス値{HLB(Hydrophilic Lipophilic Balance の略)値}が8以上20以下であることが好ましい。非イオン性界面活性剤が好ましいのは、不純物となる金属成分を含まないからである。また、HLB値が8以上20以下であることが好ましいのは、溶媒として水溶液を用いているため、親水性の界面活性剤を選択することが好ましいためである。
また、本発明の第1の観点において、前記界面活性剤が、前記水分散液中の水100重量部に対して、好ましくは0.001〜1重量部含まれる。界面活性剤の含有量が少なすぎると、還元析出工程において、被覆層を形成すべき金属または合金が被覆層を形成せずに異常に偏析(数μm以上の偏析粒子)してしまう傾向にある。また、界面活性剤の含有量が多すぎる場合には、コア用粉末の外表面に対する被覆層用金属または合金の析出が困難になる傾向にある。
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る導電性粒子の製造方法は、
ニッケルを主成分とするコア部と、前記コア部の周囲を覆っている被覆層とを有する導電性粒子を製造する方法であって、
前記コア部を構成することになるコア用粉末と、前記被覆層を形成することになる金属または合金を含む水溶性金属塩と、水溶性高分子化合物とを含む水分散液を準備する工程と、
前記水分散液と還元剤とを混合させ、前記コア用粉末の外表面に、前記被覆層を形成することになる金属または合金を還元析出させる工程とを有し、
前記被覆層を形成することになる金属または合金が、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)および白金(Pt)から選ばれる少なくとも1種の元素を主成分として有する金属または合金で構成してあることを特徴とする。
本発明の第2の観点において、前記水溶性高分子化合物としては、特に限定されないが、好ましくは、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体、またはアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの共重合体の少なくともいずれかであり、重合体の分子量が50,000〜200,000で、酸価3mgKOH/g〜20mgKOH/gであることが好ましい。これらの範囲にあるものは、被覆層用貴金属粒子の分散能力が向上し、効果的に被覆層用貴金属粒子の偏析を抑制することができる。なお、分子量が上記より小さいと分散が悪く、大きいと水溶液が増粘し、取り扱いが困難となり、またコア用Ni粒子上への析出が困難になる傾向がある。酸価が上記範囲より小さいと分散が悪く、逆に大きいとNi粒子上への析出が困難になる傾向がある。
本発明の第2の観点において、水溶性高分子化合物が、ポリビニルアルコール(PVA)であることが特に好ましい。PVAの場合は、鹸化度87〜89mol%の部分鹸化のPVAが好ましい。鹸化度がこの範囲にあるPVAを用いると水に対する溶解度が向上し、また分散性も向上するため生成するPt粒子はより微粒子化し、Ni粒子表面に形成するPt被膜層が連続的になり良好なコーティング粉が得られる。さらに分散性を向上するために上記範囲の鹸化度でブロック構造となっているPVAが好ましい。ブロック構造にすることで界面活性性がより大きくなり、表面張力が低下し乳化力が大きくなる。つまりより分散能力が向上する。
本発明の第2の観点において、前記水溶性高分子化合物が、前記水分散液中の水100重量部に対して、好ましくは0.001〜1重量部含まれる。水溶性高分子化合物の含有量が少なすぎると、還元析出工程において、被覆層を形成すべき金属または合金が被覆層を形成せずに異常に偏析(数μm規模の偏析粒子)してしまう傾向にある。また、水溶性高分子化合物の含有量が多すぎる場合には、コア用粉末の外表面に対する被覆層用金属または合金の析出が困難になる傾向にある。
本発明の製造方法においては、前記被覆層が前記コア部の外表面の全周を隙間無く覆うことが好ましいが、必ずしも全周を覆うことなく、前記被覆層が前記コア部の外表面の少なくとも一部を覆うように、前記コア用粉末の外表面に、前記被覆層を形成することになる金属または合金を還元析出させても良い。すなわち、還元析出させる被覆層は、Niを主成分とするコア部1粒子の表面全体に均一に被膜される連続膜であることが理想であるが、15nm以下の特定貴金属粒子(たとえばPt粒子)が数個から数100個、コア部であるNi粉表面に密着している状態であっても、球状化あるいは塗切れを抑制する効果がある。
好ましくは、前記コア部における粒子の代表長さをd0とし、前記被覆層の厚さをt0とした場合に、0<t0/d0≦0.15、さらに好ましくは0<t0/d0≦0.08となるように、前記コア用粉末の外表面に、前記被覆層を形成することになる金属または合金を還元析出させる。
前記コア用粉末は、粒子の代表長さが、好ましくは10〜200nm、特に好ましくは10〜100nmの範囲にある球状、フレーク状、突起状および/または不定形状の粉体である。なお、粒子の代表長さとは、粒子が球形であれば、その直径を意味し、その他の形状である場合には、その粒子の形状における最大長さを意味する。
好ましくは、前記被覆層の厚さは、1〜15nmの範囲、さらに好ましくは1〜10nmの範囲、特に好ましくは1〜8nmの範囲にある。被覆層の厚みが小さすぎると、本発明の作用効果が小さくなる傾向にある。また、被覆層の厚さが厚すぎると、導電性粒子の代表長さを小さくするためには、相対的にニッケルの量が少なくなり、ニッケル粒子を導電性粒子のコアとして使用する意味が小さくなる。
好ましくは、前記コア用粉末の外表面に、前記被覆層を形成することになる金属または合金を還元析出させた後に、当該コア用粉末を、熱処理温度200〜400°C、酸素分圧が10−23Pa以下で熱処理する。このような条件で熱処理することにより、異常な偏析を生じさせることなく、効率よく本発明の導電性粒子を製造することができる。なお、熱処理することで、コア部に対する被覆層の密着力を高めることができる。このことは、実験的にも確認されている。
好ましくは、前記分散液作製工程と、前記還元析出工程とを、酸素含有量が0.01容積%以下の雰囲気中で行う。雰囲気中の酸素含有量が多すぎると、Ni粒子などで構成されるコア用粉末の表面が酸化し、Ptなどの特定貴金属析出粒子と、コア用粉末との密着性が低下してしまう傾向がある。
好ましくは、前記水分散液中の水溶性金属塩の含有量は、水100重量部に対して0.01〜1重量部である。この含有量が少なすぎると、被覆層用金属または合金の異常な偏析は少なくなるが、多量の水を使用する割に被覆層が形成された導電性粒子の回収効率が悪くなる傾向にある。また、含有量が多すぎると、被覆層用金属または合金の異常な偏析(数μm規模の偏析粒子)が生じやすくなる傾向にある。
好ましくは、前記水溶性金属塩が、塩化白金、塩化ロジウム、五塩化レニウム、三塩化レニウム、塩化ルテニウムの内の少なくともいずれかであり、特に好ましくは、塩化白金である。
前記水分散液中の還元剤の含有量は、水100重量部に対して0.1〜10重量部である。このような条件で処理することにより、異常な偏析を生じさせることなく、効率よく本発明の導電性粒子を製造することができる。
好ましくは、前記還元剤が、ヒドラジン、次亜リン酸、ギ酸の内の少なくともいずれかであり、特に好ましくは、ヒドラジンである。
本発明においては、最終的に得られる導電性粒子におけるニッケルの含有量が、好ましくは87モル%以上で100モル%未満であり、さらに好ましくは97モル%以上100モル%未満で、前記被覆層を構成する金属または合金の含有量が、好ましくは0より大きく13モル%以下、さらに好ましくは0より大きく3モル%以下となるように、
前記コア用粉末の外表面に、前記被覆層を形成することになる金属または合金を還元析出させる。
本発明に係る導電性ペーストは、上記のいずれかに記載の導電性粒子の製造方法により得られた導電性粒子を含む導電性ペーストである。
また、本発明に係る電子部品の製造方法は、
内部電極層と誘電体層とを有する電子部品を製造する方法であって、
焼成後に前記誘電体層となるグリーンシートを製造する工程と、
前記グリーンシートの表面に、上記に記載の導電性ペーストを用いて、前記内部電極層となる電極ペースト層を形成する工程と、
前記電極ペースト層が形成されたグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、
前記積層体を焼成する工程とを有する。
本発明において、好ましくは、前記誘電体層が、還元雰囲気焼成が可能な誘電体材料で構成してある。内部電極層は、ニッケルを主成分とするので、同時焼成時に酸化しないように、誘電体層は、還元雰囲気焼成が可能な誘電体材料で構成することが好ましい。
なお、本発明で用いることができるグリーンシートの材質および製造方法などは、特に限定されず、ドクターブレード法により成形されるセラミックグリーンシート、押出成形されたフィルムを二軸延伸して得られる多孔質のセラミックグリーンシートなどであっても良い。
また、本発明において、電子部品としては、特に限定されないが、積層セラミックコンデンサ、圧電素子、チップインダクタ、チップバリスタ、チップサーミスタ、チップ抵抗、その他の表面実装(SMD)チップ型電子部品が例示される。
Ru、Rh、Re、Ptは、Niよりも融点が高い貴金属である。また、これらの金属または合金を主成分とする被覆層は、誘電体層との濡れ性および密着性に優れている。したがって、この被覆層が形成してあるNiを主成分とするコア部を持つ導電性粒子を用いて、内部電極層を形成することで、内部電極層が薄層化されたとしても、焼成段階でのNi粒子の粒成長を抑制し、球状化、電極途切れなどを有効に防止し、静電容量の低下を効果的に抑制することができる。また、内部電極層と誘電体層とのデラミネーションなども防止することができる。さらに、誘電体粉末の焼成不良を生じることがない。
また、本発明の製造方法によれば、内部電極層と誘電体層とを有する電子部品の内部電極層を形成するための電極ペーストに含まれる導電性粒子として用いることが最適な導電性粒子を、異常な偏析(数μm規模の偏析粒子)などを生じさせることなく、高効率で製造することができる。すなわち、本発明の製造方法によれば、数μm規模の貴金属(たとえばPt)偏析粒子の生成を防止し、200nm以下のNi粒子などのコア用粉末の表面に、Ptなどの被覆層を良好に形成することができる。
本発明では、水溶性高分子化合物または界面活性剤の働きは、還元材添加によって貴金属(たとえばPt)粒子が生成する際に、高分子化合物分子または界面活性剤分子が貴金属粒子表面に吸着し、貴金属粒子同士の直接接触を防止し、数μm規模の凝集または偏析を抑制する働きがあると考えられる。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの概略断面図である。 図2は本発明の一実施形態に係る導電性粒子の概略断面図である。 図3は図1に示す内部電極層の要部断面図である。 図4(A)〜図4(C)は内部電極層用膜の転写方法を示す要部断面図である。 図5(A)〜図5(C)は図4(C)の続きの工程を示す要部断面図である。 図6は、本発明の実施例における熱処理後の導電性粒子粉末のTEM写真である。 図7は本発明の比較例における熱処理後の導電性粒子粉末の走査型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
まず、本発明に係る電子部品の一実施形態として、積層セラミックコンデンサの全体構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2は、コンデンサ素体4と、第1端子電極6と、第2端子電極8とを有する。コンデンサ素体4は、誘電体層10と、内部電極層12とを有し、誘電体層10の間に、これらの内部電極層12が交互に積層してある。交互に積層される一方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の第1端部4aの外側に形成してある第1端子電極6の内側に対して電気的に接続してある。また、交互に積層される他方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の第2端部4bの外側に形成してある第2端子電極8の内側に対して電気的に接続してある。
本実施形態では、図1および図3に示す各内部電極層12は、ニッケルを含むコア用金属(合金含む)と、
ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)、白金(Pt)から選ばれる少なくとも1種の元素を含む被覆層用金属(合金含む)とを有する。各内部電極層12においては、上記のコア用金属と被覆層用金属との合金の形で存在する。あるいは、各内部電極層12においては、上記のコア用金属と被覆層用金属とが合金を形成することなく存在しても良い。
コア用金属は、ニッケルを主成分とする金属、またはニッケルを主成分とする他の金属との合金で構成してある。コア用金属におけるニッケルの割合は、コア用金属を100重量%として、好ましくは99〜100重量%、さらに好ましくは99.5〜100重量%である。主成分としてのニッケルの割合が少なすぎると、焼成時に酸化され易くなり、電極途切れ、静電容量の低下、誘電体層への金属成分の拡散などの不具合が多くなる傾向にある。
なお、コア用金属におけるニッケルと合金を構成することが可能な副成分としての金属としては、たとえばTa,Mo,Zr,Cu,Co,Fe,Nb,Wなどが例示される。
被覆層用金属は、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)および白金(Pt)から選ばれる少なくとも1種の貴金属元素を主成分として有する金属または合金で構成される。主成分として含まれるこれらの元素の割合は、被覆層用金属の全体を100重量%として、好ましくは99〜100重量%、さらに好ましくは99.5〜100重量%である。主成分としての貴金属元素の割合が少なすぎると、焼成段階でのコア用金属におけるNi粒子の粒成長を抑制する効果が少なくなる傾向にある。被覆層用金属内に主成分以外に含まれても良い金属成分(不純物)としては、Cu,Co,Fe,Ta,Nb,W,Zr,Au,Pdなどが例示される。
なお、コア用金属および/または被覆層用金属中には、S、C、P等の各種微量成分が0.1モル%程度以下で含まれていてもよい。また、内部電極層12におけるコア用金属と被覆層用金属との割合は、後述する図2(A)または図2(B)に示す導電性粒子50におけるコア部51を構成するコア用金属と、被覆層52を構成する被覆層用金属との割合と等しい。
図1および図3に示す内部電極層12は、後で詳細に説明するように、図2(A)および図2(B)に示す導電性粒子50を含む導電性ペーストを用いて形成され、図4〜図5に示すように、内部電極層用膜12aをセラミックグリーンシート10aに転写して形成される。内部電極層12の厚みは、焼成による水平方向の収縮分だけ内部電極層用膜12aよりも厚くなる。
誘電体層10の材質は、特に限定されず、たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよび/またはチタン酸バリウムなどの誘電体材料で構成される。この誘電体層10は、好ましくは、還元雰囲気焼成が可能な誘電体材料で構成してある。
各誘電体層10の厚みは、特に限定されないが、数μm〜数百μmのものが一般的である。特に本実施形態では、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下に薄層化されている。
端子電極6および8の材質も特に限定されないが、通常、銅や銅合金、ニッケルやニッケル合金などが用いられるが、銀や銀とパラジウムの合金なども使用することができる。端子電極6および8の厚みも特に限定されないが、通常10〜50μm程度である。
積層セラミックコンデンサ2の形状やサイズは、目的や用途に応じて適宜決定すればよい。積層セラミックコンデンサ2が直方体形状の場合は、通常、縦(0.6〜5.6mm、好ましくは0.6〜3.2mm)×横(0.3〜5.0mm、好ましくは0.3〜1.6mm)×厚み(0.1〜1.9mm、好ましくは0.3〜1.6mm)程度である。
次に、積層セラミックコンデンサ2の製造方法の一例を説明する。
まず、焼成後に図1に示す誘電体層10を構成することになるセラミックグリーンシートを製造するために、誘電体ペーストを準備する。
誘電体ペーストは、通常、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練して得られた有機溶剤系ペースト、または水系ペーストで構成される。
誘電体原料としては、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択され、混合して用いることができる。誘電体原料は、通常、平均粒子径が0.1〜3.0μm程度の粉末として用いられる。なお、きわめて薄いグリーンシートを形成するためには、グリーンシート厚みよりも細かい粉末を使用することが望ましい。
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いられるバインダとしては、特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂などの通常の各種バインダが用いられるが、好ましくはポリビニルブチラールなどのブチラール系樹脂が用いられる。
また、有機ビヒクルに用いられる有機溶剤も特に限定されず、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエンなどの有機溶剤が用いられる。また、水系ペーストにおけるビヒクルは、水に水溶性バインダを溶解させたものである。水溶性バインダとしては特に限定されず、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、水溶性アクリル樹脂、エマルジョンなどが用いられる。誘電体ペースト中の各成分の含有量は特に限定されず、通常の含有量、たとえばバインダは1〜5重量%程度、溶剤(または水)は10〜50重量%程度とすればよい。
誘電体ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、ガラスフリット、絶縁体などから選択される添加物が含有されても良い。ただし、これらの総含有量は、10重量%以下とすることが望ましい。バインダ樹脂として、ブチラール系樹脂を用いる場合には、可塑剤は、バインダ樹脂100重量部に対して、25〜100重量部の含有量であることが好ましい。可塑剤が少なすぎると、グリーンシートが脆くなる傾向にあり、多すぎると、可塑剤が滲み出し、取り扱いが困難である。
次に、上記誘電体ペーストを用いて、ドクターブレード法などにより、図5(A)に示すように、第2支持シートとしてのキャリアシート30上に、好ましくは0.5〜30μm、より好ましくは0.5〜10μm程度の厚みで、グリーンシート10aを形成する。グリーンシート10aは、キャリアシート30に形成された後に乾燥される。グリーンシート10aの乾燥温度は、好ましくは50〜100℃であり、乾燥時間は、好ましくは1〜5分である。
次に、上記のキャリアシート30とは別に、図4(A)に示すように、第1支持シートとしてのキャリアシート20を準備し、その上に、剥離層22を形成する。次に、剥離層22の表面に、焼成後に内部電極層12を構成することになる内部電極層用膜12aを所定パターンで形成する。
内部電極層用膜12aは、図2(A)および図2(B)に示す導電性粒子50を有する導電性ペーストで形成される。形成される内部電極層用膜12aの厚さt1(図4参照)は、好ましくは0.1〜1μm、より好ましくは0.1〜0.5μm程度である。なお、剥離層22の厚さt2は、内部電極層用膜12aの厚さt1に対して、60%以下の厚さである。
内部電極層用膜12aは、たとえば印刷法により形成される。印刷法としては、たとえば、スクリーン印刷などが挙げられる。印刷法の1種であるスクリーン印刷法により、剥離層22の表面に内部電極層用膜12aとしての内部電極層用導電性ペースト膜を形成する場合には、以下のようにして行う。
まず、膜12aを形成するための図2(A)に示す導電性粒子50を準備する。この導電性粒子50は、ニッケルを主成分とするコア部51と、コア部51の周囲を覆っている被覆層52とを有する。コア部51の形状は、特に限定されず、球状、フレーク状、突起状および/または不定形状であっても良い。本実施形態では、球状の場合について説明する。コア部51の周囲を覆う被覆層52は、必ずしもコア部51の全外周を覆うことなく、図2(B)に示すように、部分的に、コア部51の外周を覆うものでも良い。
コア部51の粒径d0は、好ましくは10〜200nm、さらに好ましくは10〜100nmの範囲にある。また、被覆層52の厚さt0は、好ましくは1〜15nmの範囲、さらに好ましくは1〜10nmの範囲、特に好ましくは1〜8nmの範囲にある。また、0<t0/d0≦0.15(15%)の関係にあることが好ましく、0<t0/d0≦0.08(8%)の関係にあることが、さらに好ましい。
被覆層52の厚みが小さすぎると、本発明の作用効果が小さくなる傾向にある。また、被覆層52の厚さが厚すぎると、導電性粒子50の粒径(d0+2*t0)を小さくするためには、相対的にコア部51を構成するニッケルの量が少なくなり、ニッケル粒子を導電性粒子のコア部として使用する意味が小さくなる。
コア部51は、ニッケルを主成分とする金属、またはニッケルを主成分とする他の金属との合金で構成してある。コア部51におけるニッケルの割合は、コア部51を100重量%として、好ましくは99〜100重量%、さらに好ましくは99.5〜100重量%である。なお、コア部51におけるニッケルと合金を構成することが可能な副成分としての金属としては、たとえばTa,Mo,Zr,Cu,Co,Fe,Nb,Wなどが例示される。
被覆層52は、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)および白金(Pt)から選ばれる少なくとも1種の貴金属元素を主成分として有する金属または合金で構成される。主成分として含まれるこれらの元素の割合は、被覆層52の全体を100重量%として、好ましくは99〜100重量%、さらに好ましくは99.5〜100重量%である。被覆層52内に主成分以外に含まれても良い金属成分(不純物)としては、Cu,Co,Fe,Ta,Nb,W,Zr,Au,Pdなどが例示される。
このように被覆層52により覆われているコア部51を有する導電性粒子50を製造するために、本実施形態では、次のようにして行う。
まず、Ni粉末などのコア用粉末と、被覆層を形成することになる金属または合金を含む水溶性金属塩(塩化Ptなど)を含む水溶液と、水溶性高分子化合物または界面活性剤を含む水分散液とを、調製する。
すなわち、塩化Ptなどの水溶性金属塩を水に溶解させて、さらに水溶性高分子化合物または界面活性剤を添加した水溶液を均一に分散させて調製する。次にNi粉末などのコア用粉末を、前記の水溶液に投入し、これも激しく攪拌し、均一に分散させる。
なお、これらを調製する雰囲気としては、Nフローのグローブボックス内で取り扱うことが望ましく、酸素含有量としては、0.01容積%以下が望ましい。雰囲気中の酸素含有量が多すぎると、Ni粒子などで構成されるコア用粉末の表面が酸化し、Ptなどの特定貴金属析出粒子と、コア用粉末との密着性が低下してしまう傾向がある。
次いで、このようにして調製したNi粉末などのコア用粉末、水溶性高分子化合物または界面活性剤の入った塩化Ptの水溶液に、還元剤を添加して、PtをNi粉末の粒子表面に還元析出させる。この時、還元材剤としては、ヒドラジン水和物が好ましく、ヒドラジン水和物は、さらに水を加えて低濃度化して添加することが好ましい。具体的には、ヒドラジン−水和物80%を用いて、0.1重量%に水で薄める。ヒドラジン濃度が上記範囲よりも大きいと、数10μm以上のPt偏析が発生し、Ptで被覆されないNi粉の存在も確認されることがある。また、低濃度化しすぎると確実にPt偏析は消滅するが、多量の水を使用する割にPtコーティングNi粉の回収効率が悪くなる。
ヒドラジンの添加は、前記水溶液を激しく攪拌しながら添加する。ヒドラジン水和物の添加量は、塩化Pt量を考慮して決めることができる。還元析出反応がすんだ後、Ptで被覆されたNi粉は数回にわたり水洗浄を繰り返し、その後、100°C、Nフロー中で乾燥させ、その後、これらのコーティング粉末を、200〜400°C、N中の酸素分圧10−23Pa以下で熱処理を行う。なお、200℃未満であると、Pt被膜とNi粒子の密着性が悪くなる傾向にあり、逆に400℃より大きいとNiの焼結がはじまり粒成長した粗大粒子が生成する傾向にある。また、酸素分圧が10−23Paより大きいとNiが酸化してしまう傾向にある。
このようにして得られた導電性粒子50を、有機ビヒクルとともに混練してペースト化し、膜12aを形成するための導電性ペーストを得ることができる。有機ビヒクルは、上記の誘電体ペーストにおける場合と同様なものを用いることができる。
得られた導電性ペーストを、図4に示すように、たとえばスクリーン印刷により、剥離層22の表面に所定パターンで形成することで、所定パターンの内部電極層用膜12aが得られる。
次に、上記のキャリアシート20および30とは別に、図4(A)に示すように、第3支持シートとしてのキャリアシート26の表面に接着層28が形成してある接着層転写用シートを準備する。キャリアシート26は、キャリアシート20および30と同様なシートで構成される。
図4(A)に示す内部電極層用膜12aの表面に、接着層を形成するために、本実施形態では、転写法を採用している。すなわち、図4(B)に示すように、キャリアシート26の接着層28を、内部電極層用膜12aの表面に押し付け、加熱加圧して、その後キャリアシート26を剥がすことにより、図4(C)に示すように、接着層28を、内部電極層用膜12aの表面に転写する。
その時の加熱温度は、40〜100℃が好ましく、また、加圧力は、0.2〜15MPaが好ましい。加圧は、プレスによる加圧でも、カレンダロールによる加圧でも良いが、一対のロールにより行うことが好ましい。
その後に、内部電極層用膜12aを、図5(A)に示すキャリアシート30の表面に形成してあるグリーンシート10aの表面に接着する。そのために、図5(B)に示すように、キャリアシート20の内部電極層用膜12aを、接着層28を介して、グリーンシート10aの表面にキャリアシート20と共に押し付け、加熱加圧して、図5(C)に示すように、内部電極層用膜12aを、グリーンシート10aの表面に転写する。ただし、グリーンシート側のキャリアシート30が引き剥がされることから、グリーンシート10a側から見れば、グリーンシート10aが内部電極層用膜12aに接着層28を介して転写される。
この転写時の加熱および加圧は、プレスによる加圧・加熱でも、カレンダロールによる加圧・加熱でも良いが、一対のロールにより行うことが好ましい。その加熱温度および加圧力は、接着層28を転写するときと同様である。
このような図4(A)〜図5(C)に示す工程により、単一のグリーンシート10a上に、所定パターンの内部電極層用膜12aが形成される。これを用いて、内部電極層用膜12aおよびグリーンシート10aが交互に多数積層された積層体を得る。
その後、この積層体を最終加圧した後、キャリアシート20を引き剥がす。最終加圧時の圧力は、好ましくは10〜200MPaである。また、加熱温度は、40〜100℃が好ましい。
その後に、積層体を所定サイズに切断し、グリーンチップを形成する。そして、グリーンチップを脱バインダ処理および焼成する。
本発明のように内部電極層を形成するための導電性粒子のコア部51に、卑金属としてのNiを用いる場合、脱バインダ処理における雰囲気は、AirまたはN雰囲気にすることが好ましい。また、それ以外の脱バインダ条件としては、昇温速度を好ましくは5〜300℃/時間、より好ましくは10〜50℃/時間、保持温度を好ましくは200〜400℃、より好ましくは250〜350℃、温度保持時間を好ましくは0.5〜20時間、より好ましくは1〜10時間とする。
本発明では、グリーンチップの焼成を、酸素分圧が好ましくは10−10 〜10−2Pa、より好ましくは10−10 〜10−5Paの雰囲気で行う。焼成時の酸素分圧が低すぎると、内部電極層の導電材が異常焼結を起こし、途切れてしまうことがあり、逆に酸素分圧が高すぎると、内部電極層が酸化する傾向がある。
本発明では、グリーンチップの焼成を、好ましくは1000℃以上、1300℃未満の温度で行う。焼成温度を1000℃未満とすると、焼結後の誘電体層の緻密化が不十分となり、静電容量が不足する傾向にあり、また、1300℃以上とすると、誘電体層が過焼成となり、直流電界印加時の容量経時変化が大きくなる傾向にある。
これ以外の焼成条件としては、昇温速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間、温度保持時間を好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは1〜3時間、冷却速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間とする。また、焼成雰囲気は還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、NとHとの混合ガスをウェット(加湿)状態で用いることが好ましい。
本発明では、焼成後のコンデンサチップ体にはアニールを施すことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これにより絶縁抵抗(IR)の加速寿命を著しく長くすることができ、信頼性が向上する。
本発明では、焼成後コンデンサチップ体のアニールを、焼成時の還元雰囲気よりも高い酸素分圧下で行うことが好ましく、具体的には、酸素分圧が好ましくは10−2〜100Pa、より好ましくは10−2〜10Paの雰囲気で行う。アニール時の酸素分圧が低すぎると、誘電体層2の再酸化が困難であり、逆に高すぎると、内部電極層のニッケルが酸化して絶縁化する傾向にある。
本発明では、アニール時の保持温度または最高温度を、好ましくは1200℃以下、より好ましくは900〜1150℃、特に好ましくは1000〜1100℃とする。また、本発明では、これらの温度の保持時間を、好ましくは0.5〜4時間、より好ましくは1〜3時間とする。アニール時の保持温度または最高温度が、前記範囲未満では誘電体材料の酸化が不十分なために絶縁抵抗寿命が短くなる傾向にあり、前記範囲をこえると内部電極のNiが酸化し、容量が低下するだけでなく、誘電体素地と反応してしまい、寿命も短くなる傾向にある。なお、アニールは昇温過程および降温過程だけから構成してもよい。すなわち、温度保持時間を零としてもよい。この場合、保持温度は最高温度と同義である。
これ以外のアニール条件としては、冷却速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは100〜300℃/時間とする。また、アニールの雰囲気ガスとしては、たとえば、加湿したNガス等を用いることが好ましい。
なお、Nガスを加湿するには、例えばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は0〜75℃程度が好ましい。
脱バインダ処理、焼成およびアニールは、連続して行っても、独立に行ってもよい。これらを連続して行なう場合、脱バインダ処理後、冷却せずに雰囲気を変更し、続いて焼成の際の保持温度まで昇温して焼成を行ない、次いで冷却し、アニールの保持温度に達したときに雰囲気を変更してアニールを行なうことが好ましい。一方、これらを独立して行なう場合、焼成に際しては、脱バインダ処理時の保持温度までNガスあるいは加湿したNガス雰囲気下で昇温した後、雰囲気を変更してさらに昇温を続けることが好ましく、アニール時の保持温度まで冷却した後は、再びNガスあるいは加湿したNガス雰囲気に変更して冷却を続けることが好ましい。また、アニールに際しては、Nガス雰囲気下で保持温度まで昇温した後、雰囲気を変更してもよく、アニールの全過程を加湿したNガス雰囲気としてもよい。
このようにして得られた焼結体(素子本体4)には、例えばバレル研磨、サンドブラスト等にて端面研磨を施し、端子電極用ペーストを焼きつけて端子電極6,8が形成される。端子電極用ペーストの焼成条件は、例えば、加湿したNとHとの混合ガス中で600〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好ましい。そして、必要に応じ、端子電極6,8上にめっき等を行うことによりパッド層を形成する。なお、端子電極用ペーストは、上記した電極ペーストと同様にして調製すればよい。
このようにして製造された本発明の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
本実施形態では、静電容量の低下が効果的に抑制された積層セラミックコンデンサ2を提供することができる。Ru、Rh、Re、Ptは、Niよりも融点が高い貴金属である。また、これらの金属または合金を主成分とする被覆層52は、セラミックグリーンシート10aとの濡れ性および密着性に優れている。したがって、この被覆層52を持つNi主成分の導電性粒子50を用いて内部電極層用膜12aを形成することで、焼成段階でのNi粒子の粒成長を抑制し、球状化、電極途切れなどを有効に防止し、静電容量の低下を効果的に抑制することができる。また、焼成後に得られる内部電極層12と誘電体層10とのデラミネーションなども防止することができる。さらに、誘電体粉末の焼成不良を生じることがない。
また、本実施形態の製造方法によれば、内部電極層12と誘電体層10とを有する積層セラミックコンデンサ2の内部電極層12を形成するための電極ペーストに含まれる導電性粒子として用いることが最適な導電性粒子50を、異常な偏析(数μm規模の偏析粒子)などを生じさせることなく、高効率で製造することができる。すなわち、本実施形態の製造方法によれば、数μm規模の貴金属(たとえばPt)偏析粒子の生成を防止し、200nm以下のNi粒子などのコア用粉末の表面に、Ptなどの被覆層を良好に形成することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、本発明は、積層セラミックコンデンサに限らず、その他の電子部品に適用することが可能である。
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1
本実施例は、酸素含有量0.005容積%のNフローのグローブボックス内で行った。
1gの塩化Pt水和物を、1リットルの水に溶解させ、鹸化度88mol%のPVA(水溶性高分子化合物の一例)を、1g(塩化Pt水溶液に対し0.1重量%)を加えて激しく攪拌させて、塩化Pt水溶液を用意した。次いで、平均粒径100nmのNi粉末を13g、塩化Pt水溶液に投入し、攪拌させ、水分散液を作製した。
また、この水分散液とは別に、ヒドラジン−水和物80%を0.47gで、470mlの水に加え、均一に混合させたヒドラジン水溶液を用意した。
次に、先に調製したNi粉が入った塩化Pt水溶液を室温にて激しく攪拌させながら、ヒドラジン水溶液を約10ml/minの割合でゆっくりと添加した。このヒドラジン水溶液の添加により、Pt被覆層を有するNi粉末が生成した。これを数回にわたり水洗いし、N中、100℃の温度下で12時間、乾燥させ、その後、N中(酸素分圧10−23Pa以下)、温度300℃で熱処理することで13.45gの導電性粒子粉末を得た。
これらの熱処理後の粉末を、走査型電子顕微鏡で観察したところ、Ptの偏析がなかった。またTEM観察をしたところ、Ni粒子表面に数十個の10nm以下のPt粒子が密着しているのが確認された。熱処理後の導電性粒子粉末のTEM写真を図6に示す。
実施例2
PVAの代わりに、水溶性高分子化合物の他の例として、アクリル酸メチルとアクリル酸の共重合体(酸価10mgKOH/g、分子量100,000)を用いた以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子粉末を製造し、実施例1と同様な観察を行った。
この実施例で得られた熱処理後の粉末を、走査型電子顕微鏡で観察したところ、Ptの偏析がなかった。またTEM観察をしたところ、Ni粒子表面に数十個の10nm以下のPt粒子が密着しているのが確認された。
実施例3
PVAの代わりに、アセチレンジオール系非イオン性界面活性剤(HLB値10)を用いた以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子粉末を製造し、実施例1と同様な観察を行った。
この実施例で得られた熱処理後の粉末を、走査型電子顕微鏡で観察したところ、Ptの偏析がなかった。またTEM観察をしたところ、Ni粒子表面に数十個の10nm以下のPt粒子が密着しているのが確認された。
比較例1
PVAを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子粉末を製造し、実施例1と同様な観察を行った。
この比較例で得られた熱処理後の粉末を、走査型電子顕微鏡で観察したところ、数μm以上の規模の偏析Pt粒子が観察され、良好なPt被膜ニッケル粒子を得ることができなかった。すなわち、この比較例1では、20μm以上の長さの偏析Pt粒子が観察され、Ptにより被覆されていないNi粒子粉末が多数できてしまうことが確認された。この比較例1に係る導電性粒子粉末の走査型電子顕微鏡写真を、図7に示す。
実施例11
各ペーストの作製
まず、BaTiO粉末(BT−02/堺化学工業(株))と、MgCO、MnCO、(Ba0.6Ca0.4)SiOおよび希土類(Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y)から選択された粉末とを、ボールミルにより16時間、湿式混合し、乾燥させることにより誘電体材料とした。これら原料粉末の平均粒径は0.1〜1μmであった。(Ba0.6Ca0.4)SiOはBaCO、CaCOおよびSiOをボールミルにより湿式混合し、乾燥後に空気中で焼成したものを、ボールミルにより湿式粉砕して作製した。
得られた誘電体材料をペースト化するために、有機ビヒクルを誘電体材料に加え、ボールミルで混合し、誘電体グリーンシート用ペーストを得た。有機ビヒクルは、誘電体材料100重量部に対して、バインダとしてポリビニルブチラール:6重量部、可塑剤としてフタル酸ビス(2エチルヘキシル)(DOP):3重量部、酢酸エチル:55重量部、トルエン:10重量部、剥離剤としてパラフィン:0.5重量部の配合比である。
次に、前記の誘電体グリーンシート用ペーストをエタノール/トルエン(55/10)によって重量比で2倍に希釈したものを剥離層用ペーストとした。
次に、誘電体粒子および剥離剤を入れない以外は同様な前記の誘電体グリーンシート用ペーストを、トルエンによって重量比で4倍に希釈したものを接着層用ペーストとした。
グリーンシートの形成
まず、上記の誘電体グリーンシート用ペーストを用いて、PETフィルム(第2支持シート)上に、ワイヤーバーコーターを用いて、厚み1.0μmのグリーンシートを形成した。
内部電極層用膜の形成
上記の剥離層用ペーストを、別のPETフィルム(第1支持シート)上に、ワイヤーバーコーターにより塗布乾燥させて、厚み0.3μmの剥離層を形成した。
次に、剥離層の表面に、導電性ペーストをスクリーン印刷した。導電性ペーストには、図2に示す導電性粒子50が含まれていた。導電性粒子50は、次のようにして製造した。まず、コア部51として、球状の100%Niの粉末を準備した。このNi粉末の平均粒径は、0.1μm(100nm)であった。
このNi粉末に対して、実施例1と同様な方法で、Pt粒子から成る被覆層52を形成した。この導電性粒子について、透過電子顕微鏡及び結晶構造分析により観察した結果、Ni粒子の表面部から5nmのPtで被覆されていることを確認できた。すなわち、t0/d0は、0.05(5%)であった。
この導電性粒子50を、有機ビヒクルと共に、下記に示される配合比にて、3本ロールにより混練し、スラリー化して内部電極用ペーストとした。すなわち、導電性粒子50を100重量部に対して、有機ビヒクル(バインダ樹脂としてのエチルセルロース樹脂4.5重量部をターピネオール228重量部に溶解したもの)を加え、3本ロールにより混練し、スラリー化して内部電極用ペースト(導電性ペースト)とした。
この内部電極用ペーストを用いて、スクリーン印刷により、図4に示すように、剥離層の表面に、所定パターンの内部電極層用膜12aを形成した。この膜12aの乾燥後の厚さは、0.5μmであった。
接着層の形成
上記の接着層用ペーストを、別の、表面にシリコーン系樹脂による剥離処理を施したPETフィルム(第3支持シート)の上に、ワイヤーバーコーターにより塗布乾燥させて、厚み0.2μmの接着層28を形成した。
最終積層体(焼成前素子本体)の形成
まず、内部電極層用膜12aの表面に、図4に示す方法で接着層28を転写した。転写時には、一対のロールを用い、その加圧力は0.1MPa、温度は80℃とした。
次に、図5に示す方法で、接着層28を介してグリーンシート10aの表面に内部電極層用膜12aを接着(転写)した。転写時には、一対のロールを用い、その加圧力は0.1MPa、温度は80℃とした。
次に、次々に内部電極層用膜12aおよびグリーンシート10aを積層し、最終的に、21層の内部電極層用膜12aが積層された最終積層体を得た。積層条件は、加圧力は50MPa、温度は120℃とした。
焼結体の作製
次いで、最終積層体を所定サイズに切断し、脱バインダ処理、焼成およびアニール(熱処理)を行って、チップ形状の焼結体を作製した。
脱バインダは、
昇温速度:5〜300℃/時間、
保持温度:200〜400℃、
保持時間:0.5〜20時間、
雰囲気ガス:加湿したN
で行った。
焼成は、
昇温速度:5〜500℃/時間、
保持温度:1200℃、
保持時間:0.5〜8時間、
冷却速度:50〜500℃/時間、
雰囲気ガス:加湿したNとHの混合ガス、
酸素分圧:10−7Pa、
で行った。
アニール(再酸化)は、
昇温速度:200〜300℃/時間、
保持温度:1050℃、
保持時間:2時間、
冷却速度:300℃/時間、
雰囲気ガス:加湿したNガス、
酸素分圧:10−1Pa、
で行った。なお、雰囲気ガスの加湿には、ウェッターを用い、水温0〜75℃にて行った。
次いで、チップ形状の焼結体の端面をサンドブラストにて研磨したのち、外部電極用ペーストを端面に転写し、加湿したN+H雰囲気中において、800℃にて10分間焼成して外部電極を形成し、図1に示す構成の積層セラミックコンデンサのサンプルを得た。
このようにして得られた各サンプルのサイズは、3.2mm×1.6mm×0.6mmであり、内部電極層に挟まれた誘電体層の数は21、その厚さは1μmであり、内部電極層12の厚さは0.5μmであった。各層の厚み(膜厚)は、SEMで観測することにより測定した。
電極被覆率は、積層セラミックコンデンサのサンプルを電極表面が露出するように切断し、その電極面をSEM観察し、画像処理することにより測定した。電極被覆率は、70%以上を良好とした。
また、各サンプルについて、電気特性(静電容量C、誘電損失tanδ、破壊電圧VB、直流等価抵抗ESR)の特性評価を行った。結果を表1に示す。電気特性(静電容量C、誘電損失tanδ、破壊電圧VB、直流等価抵抗ESR)は、次のようにして評価した。
静電容量C(単位はμF)は、サンプルに対し、基準温度25℃でデジタルLCRメータ(YHP社製4274A)にて、周波数1kHz,入力信号レベル(測定電圧)1Vrmsの条件下で測定した。静電容量Cは、好ましくは0.9μF以上を良好とした。
誘電損失tanδは、25℃において、デジタルLCRメータ(YHP社製4274A)にて、周波数1kHz,入力信号レベル(測定電圧)1Vrmsの条件下で測定した。誘電損失tanδは、好ましくは0.1未満を良好とし、0.05以下が、特に好ましい。
破壊電圧VB(単位はV)は、昇圧スピード100V/sec、検出電流10mA時の電圧値をVBとした。好ましくは、70V以上である。
直流等価抵抗ESR(単位はmΩ)は、インピーダンスアナライザー(HP社製4194A)にて、測定電圧1Vrmsの条件下で、周波数−ESR特性を測定し、インピーダンスが最小となる値を読み取ることにより測定した。好ましくは、20mΩ以下である。
なお、これらの特性値は、サンプル数n=10個を用いて測定した値の平均値から求めた。上記の電気特性の内、静電容量と誘電損失の結果を表1に示す。なお、表1において、評価基準の欄の○は、破壊電圧および直流等価抵抗を除く上記の全ての特性において良好な結果を示したものを示す。×は、破壊電圧および直流等価抵抗を除く上記の全ての特性のうち、1つでも良好な結果が得られなかったものを示す。
比較例1−1
図2に示す被覆層52が形成されていないNi粉を用いた以外は、実施例11と同様にしてコンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表1に示す。
実施例12
実施例2に示す方法により得られた導電性粒子粉末を用いた以外は、実施例11と同様にしてコンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表1に示す。
実施例13
実施例3に示す方法により得られた導電性粒子粉末を用いた以外は、実施例11と同様にしてコンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表1に示す。
評価
表1に示すように、本発明の有効性が確認された。
比較例2
導電性粒子50として、特許文献3の実施例2に記載の方法と同様にして作製したNiとPtとの合金薄膜の粉砕粉を用いた。この合金粉は、スパッタリング法により作製されているので、その製造にはスパッタリング工程や粉砕工程などが追加され、製造プロセスが長くなる。
比較例3
導電性粒子50を、特許文献3の実施例3に記載の方法と同様にして作製した。この方法は、比較例1に記載の方法と同様であるが、条件を変化させることにより、収率は悪いながらも、貴金属が被覆された粒子を得ることができた。しかしながら、この方法では、細かいNi粒子を用いた場合に、被覆が困難となり、偏析した粗大なPt粒子が生成する。粒子径が100nmのNi粒子の場合、回収できた被覆粒子は少量であったが、これを導電性粒子50とした。
実施例14〜17
被覆層52の厚さt0を、1〜15nmの範囲で変化させた以外は、実施例13と同様にしてコンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表2に示す。評価基準の表記については、表1と同様とする。
比較例1−2
被覆層52の厚さt0を23nmとした以外は、実施例13と同様にしてコンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表2に示す。
比較例2−1
比較例2で作製した内部電極層用導電性ペーストを用いた以外は、実施例13と同様にしてコンデンササンプルを作製し、同様な測定を行った。結果を表2に示す。評価基準の表記については、表1と同様とする。
比較例3−1
比較例3で作製した導電性粒子を用いた以外は、実施例13と同様にしてコンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表2に示す。評価基準の表記については、表1と同様とする。
実施例18〜21
塩化Pt水和物の代わりに、三塩化Re水和物を用い、被覆層52の厚さt0を、1〜15nmの範囲で変化させた以外は、実施例13と同様にしてコンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表3に示す。評価基準の表記については、表1と同様とする。
比較例1−3
塩化Pt水和物の代わりに、三塩化Re水和物を用い、被覆層52の厚さt0を25nmとした以外は、実施例13と同様にしてコンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表3に示す。評価基準の表記については、表1と同様とする。
比較例2−2
Ptの代わりに、Reを用いてスパッタリングターゲットを作製した以外は、比較例2と同様にして導電性ペーストを作製した。実施例13と同様にして、コンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表3に示す。評価基準の表記については、表1と同様とする。
比較例3−2
塩化Pt水和物の代わりに、三塩化Re水和物を用いた以外は、比較例3と同様にして導電性粒子を得た。実施例13と同様にして、コンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表3に示す。評価基準の表記については、表1と同様とする。
実施例22〜25
塩化Pt水和物の代わりに、五塩化Re水和物を用い、被覆層52の厚さt0を、1〜15nmの範囲で変化させた以外は、実施例13と同様にしてコンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表4に示す。評価基準の表記については、表1と同様とする。
比較例1−4
塩化Pt水和物の代わりに、五塩化Re水和物を用い、被覆層52の厚さt0を22nmとした以外は、実施例13と同様にしてコンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表4に示す。
比較例2−3
Ptの代わりに、Reを用いてスパッタリングターゲットを作製した以外は、比較例2と同様にして導電性ペーストを作製した。実施例13と同様にして、コンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表4に示す。評価基準の表記については、表1と同様とする。
比較例3−3
塩化Pt水和物の代わりに、五塩化Re水和物を用いた以外は、比較例3と同様にして導電性粒子を得た。実施例13と同様にして、コンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表4に示す。評価基準の表記については、表1と同様とする。
実施例26〜29
塩化Pt水和物の代わりに、塩化Rh水和物を用い、被覆層52の厚さt0を、1〜15nmの範囲で変化させた以外は、実施例13と同様にしてコンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表5に示す。評価基準の表記については、表1と同様とする。
比較例1−5
塩化Pt水和物の代わりに、塩化Rh水和物を用い、被覆層52の厚さt0を24nmとした以外は、実施例13と同様にしてコンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表5に示す。
比較例2−4
Ptの代わりに、Rhを用いてスパッタリングターゲットを作製した以外は、比較例2と同様にして導電性ペーストを作製した。実施例13と同様にして、コンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表5に示す。評価基準の表記については、表1と同様とする。
比較例3−4
塩化Pt水和物の代わりに、塩化Rh水和物を用いた以外は、比較例3と同様にして導電性粒子を得た。実施例13と同様にして、コンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表5に示す。評価基準の表記については、表1と同様とする。
実施例30〜33
塩化Pt水和物の代わりに、塩化Ru水和物を用い、被覆層52の厚さt0を、1〜15nmの範囲で変化させた以外は、実施例13と同様にしてコンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表6に示す。評価基準の表記については、表1と同様とする。
比較例1−6
塩化Pt水和物の代わりに、塩化Ru水和物を用い、被覆層52の厚さt0を25nmとした以外は、実施例13と同様にしてコンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表6に示す。
比較例2−5
Ptの代わりに、Ruを用いてスパッタリングターゲットを作製した以外は、比較例2と同様にして導電性ペーストを作製した。実施例13と同様にして、コンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表6に示す。評価基準の表記については、表1と同様とする。
比較例3−5
塩化Pt水和物の代わりに、塩化Ru水和物を用いた以外は、比較例3と同様にして導電性粒子を得た。実施例13と同様にして、コンデンササンプルを作製し、測定を行った。結果を表6に示す。評価基準の表記については、表1と同様とする。
評価
表2〜6に示すように、実施例のサンプルでは、水溶性金属塩として、塩化Pt、三塩化Re、五塩化Re、塩化Rhおよび塩化Ruのいずれを用いても、t0/d0が、0<t0/d0≦0.15(15%)の範囲内であるとき、静電容量Cが0.9μF以上、誘電損失tanδが0.1未満を実現できる。特に、t0/d0が、0<t0/d0≦0.08(8%)の範囲内であると、tanδが0.05以下となり、さらに好ましい。
また、比較例2の各サンプルについても、良好な結果が得られたが、比較例3については、静電容量が低下した。比較例3に係る導電性粒子の製造方法では、Ni粒子の粒子径を100nmとした場合、被覆粒子の製造が困難であり、さらには、特性も劣る結果となった。したがって、比較例3に係る導電性粒子については、以降の評価は行わないこととした。
実施例15〜17、19〜21、23〜25、27〜29、31〜33
上記で作製した実施例15〜17、19〜21、23〜25、27〜29、31〜33の試料について、電極被覆率および電気特性(破壊電圧VB、直流等価抵抗ESR)の特性評価を行った。結果を表7〜11に示す。
比較例2−6〜2−15
上記と同様に、スパッタリングターゲットの貴金属元素を変化させ、さらに、実施例15〜17、19〜21、23〜25、27〜29、31〜33で作製した被覆粒子の貴金属含有量と同じ組成にした以外は、比較例2と同様にして導電性ペーストを作製した。さらに、実施例13と同様にして、コンデンササンプルを作製し、電極被覆率、破壊電圧および直流等価抵抗について測定を行った。結果を表7〜11に示す。
評価
表7〜11より、貴金属含有量が同じであれば、本発明の実施例は、比較例よりも電極被覆率が大きいことが分かる。その結果、破壊電圧および直流等価抵抗についても良好な結果が得られ、特性が向上していることが確認できる。
しかも、比較例2に係る導電性粒子の製造方法は、スパッタリング等の工程が増えるために、本願発明に係る導電性粒子の製造方法よりも、製造プロセスが長くなる。したがって、本願発明に係る導電性粒子の製造方法を採用することで製造効率が向上する。
また、比較例3に係る導電性粒子の製造方法では、コア粒子の粒子径が小さくなると、貴金属が偏析した導電性粒子が多くなり、貴金属が被覆された粒子を得るのが困難となり、さらには、特性が低下する場合がある。
しかしながら、本願発明に係る導電性粒子の製造方法では、被覆工程において還元剤および分散剤を添加することで、コア粒子の粒子径が小さい場合でも、比較例3に係る導電性粒子の製造方法よりも、偏析が少なくかつ薄い被覆層を有する導電性粒子を、効率よく安定して製造することが可能である。

Claims (21)

  1. ニッケルを主成分とするコア部と、前記コア部の周囲を覆っている被覆層とを有する導電性粒子を製造する方法であって、
    前記コア部を構成することになるコア用粉末と、前記被覆層を形成することになる金属または合金を含む水溶性金属塩と、界面活性剤とを含む水分散液を準備する分散液作製工程と、
    前記水分散液と還元剤とを混合させ、前記コア用粉末の外表面に、前記被覆層を形成することになる金属または合金を還元析出させる還元析出工程とを有し、
    前記被覆層を形成することになる金属または合金が、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)および白金(Pt)から選ばれる少なくとも1種の元素を主成分として有する金属または合金で構成してあることを特徴とする導電性粒子の製造方法。
  2. 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤であり、親水性・親油性バランス値が8以上20以下である請求項1に記載の導電性粒子の製造方法。
  3. 前記界面活性剤が、前記水分散液中の水100重量部に対して、0.001〜1重量部含まれる請求項1または2に記載の導電性粒子の製造方法。
  4. ニッケルを主成分とするコア部と、前記コア部の周囲を覆っている被覆層とを有する導電性粒子を製造する方法であって、
    前記コア部を構成することになるコア用粉末と、前記被覆層を形成することになる金属または合金を含む水溶性金属塩と、水溶性高分子化合物とを含む水分散液を準備する分散液作製工程と、
    前記水分散液と還元剤とを混合させ、前記コア用粉末の外表面に、前記被覆層を形成することになる金属または合金を還元析出させる還元析出工程とを有し、
    前記被覆層を形成することになる金属または合金が、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)および白金(Pt)から選ばれる少なくとも1種の元素を主成分として有する金属または合金で構成してあることを特徴とする導電性粒子の製造方法。
  5. 前記水溶性高分子化合物が、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体、またはアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの共重合体の少なくともいずれかであり、重合体の分子量が50,000〜200,000で、酸価3mgKOH/g〜20mgKOH/gであることを特徴とする請求項4に記載の導電性粒子の製造方法。
  6. 前記水溶性高分子化合物が、前記水分散液中の水100重量部に対して、0.001〜1重量部含まれる請求項4または5に記載の導電性粒子の製造方法。
  7. 前記水溶性高分子化合物が、ポリビニルアルコールである請求項5または6に記載の導電性粒子の製造方法。
  8. 前記被覆層が前記コア部の外表面の少なくとも一部を覆うように、前記コア用粉末の外表面に、前記被覆層を形成することになる金属または合金を還元析出させることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の導電性粒子の製造方法。
  9. 前記コア部における粒子の代表長さをd0とし、前記被覆層の厚さをt0とした場合に、0<t0/d0≦0.15となるように、前記コア用粉末の外表面に、前記被覆層を形成することになる金属または合金を還元析出させることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の導電性粒子の製造方法。
  10. 0<t0/d0≦0.08となるように、前記コア用粉末の外表面に、前記被覆層を形成することになる金属または合金を還元析出させることを特徴とする請求項9に記載の導電性粒子の製造方法。
  11. 前記コア用粉末は、粒子の代表長さが10〜200nmの範囲にある球状、フレーク状、突起状および/または不定形状の粉体である請求項1〜10のいずれかに記載の導電性粒子の製造方法。
  12. 前記被覆層の厚さは、1〜15nmの範囲にある請求項1〜11のいずれかに記載の導電性粒子の製造方法。
  13. 前記コア用粉末の外表面に、前記被覆層を形成することになる金属または合金を還元析出させた後に、当該コア用粉末を、熱処理温度200〜400°C、酸素分圧が10−23Pa以下で熱処理することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の導電性粒子の製造方法。
  14. 前記分散液作製工程と、前記還元析出工程とを、酸素含有量が0.01容積%以下の雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の導電性粒子の製造方法。
  15. 前記水分散液中の水溶性金属塩の含有量は、水100重量部に対して0.01〜1重量部であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の導電性粒子の製造方法。
  16. 前記水溶性金属塩が、塩化白金、塩化ロジウム、五塩化レニウム、三塩化レニウム、塩化ルテニウムの内の少なくともいずれかである請求項1〜15のいずれかに記載の導電性粒子の製造方法。
  17. 前記水分散液中の還元剤の含有量は、水100重量部に対して0.1〜10重量部であることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の導電性粒子の製造方法。
  18. 前記還元剤が、ヒドラジン、次亜リン酸、ギ酸の内の少なくともいずれかである請求項1〜17のいずれかに記載の導電性粒子の製造方法。
  19. 最終的に得られる導電性粒子におけるニッケルの含有量が、87モル%以上で100モル%未満であり、前記被覆層を構成する金属または合金の含有量が、0より大きく13モル%以下となるように、
    前記コア用粉末の外表面に、前記被覆層を形成することになる金属または合金を還元析出させることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の導電性粒子の製造方法。
  20. 請求項1〜19のいずれかに記載の導電性粒子の製造方法により得られた導電性粒子を含む導電性ペースト。
  21. 内部電極層と誘電体層とを有する電子部品を製造する方法であって、
    焼成後に前記誘電体層となるグリーンシートを製造する工程と、
    前記グリーンシートの表面に、請求項20に記載の導電性ペーストを用いて、前記内部電極層となる電極ペースト層を形成する工程と、
    前記電極ペースト層が形成されたグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、
    前記積層体を焼成する工程とを有する
    電子部品の製造方法。
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