JP4449003B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関し、更に詳細には、遊技盤を保持する保持部の下方に、発射レール等を配設する遊技補助盤を設けると共に、該遊技補助盤の前側に、遊技球を貯留する上球皿を開閉可能に配設するようにした遊技機に関するものである。
パチンコ機やアレンジボール機等の遊技機では、外郭をなす外枠に対し、着脱および開閉可能に中枠が組み付けられると共に、該中枠に開設した保持部を介して所要の遊技領域を画成した遊技盤が保持されている。また、前記中枠の前側には、ガラス板を備えた前枠が開閉自在に枢支され、該前枠を中枠に対して閉成した際に、該ガラス板を介して前記遊技盤を前側から視認し得るよう構成される。更に、前記中枠における前記前枠の下方位置には、多数のパチンコ球(遊技球)を貯留し得る上球皿が開閉自在に組み付けられると共に、該中枠における上球皿の下方位置には、パチンコ球を貯留可能な下球皿やハンドル部材等が組み付けられている。
なお、前記中枠における前記上球皿と対応する位置には、前記遊技盤に向けてパチンコ球を案内する発射レールを配設する遊技補助盤が形成されている。この遊技補助盤の上端縁には、その上端縁の略中央位置を挟んで所要間隔離間して前方に向けて延出する左庇状部および右庇状部が形成される。また、前記遊技補助盤には、その左側部に前後に開口する給出口が開設されて、該給出口に前記上球皿に設けた球受け筒部が臨むよう構成され、前記中枠の裏側に配設した機構セット盤の球処理部からのパチンコ球を、該給出口および球受け筒部を介して前記上球皿に給出するよう構成されている。そして、前記ハンドル部材の操作に応じて前記上球皿のパチンコ球を前記発射レールの発射位置に送り出すと共に、前記遊技盤に向けて打ち出すことで、該パチンコ球は前記左右の庇状部の間の開口領域を通過して遊技盤の案内レールに沿って遊技領域に案内されるようになっている。
ところで、前記パチンコ機の所要箇所に隙間がある場合には、該隙間から針金等の異物を遊技盤の盤面まで挿入して、不当な利得を得ようとする不正行為が行なわれる畏れがある。例えば、前記球受け筒部から遊技補助盤の前側に侵入させた異物を、前記左右の庇状部と上球皿との間の隙間や、両庇状部の間の開口領域を介して遊技盤の盤面まで挿入し、該遊技盤の案内レールとガラス板との間に通して遊技領域内に到達させ、開閉入賞装置の羽根等を該異物で不正に開放させることで、不正な利益を得ようとする行為が行なわれる畏れがある。そこで、パチンコ機の内部に外部から異物を挿入し得ないよう構成することが求められ、これを実現するための様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
前記特許文献1に記載されたパチンコ機では、前記左右の庇状部を前記上球皿の後面に当接させて、該庇状部と上球皿との間の隙間を遮蔽することにより、遊技補助盤側から遊技盤側への異物の侵入を阻止し、不正行為を防止するよう構成されている。また、前記遊技補助盤における前記給出口の右側に、前方に向けて延在する壁部を形成すると共に、前記左右の庇状部の間に配設したカバー部材の後面を該壁部の前端面に当接するよう構成し、当該壁部により両庇状部の間の開口領域まで異物が到達しないようにして不正行為を防止している。なお、前記球受け筒部を、前記給出口に近接する位置まで延在するよう構成することにより、該球受け筒部を介して遊技補助盤側に侵入された異物は、該遊技補助盤の前面に沿って侵入すると共に、前記壁部により規制されるから、該異物が前記カバー部材の前面側に到達するのを規制し、前記左右の庇状部の間の開口領域に異物が侵入するのを確実に防止するよう構成されている。
特開2000−334132号公報
ところで、近年は、前記遊技盤を大型化すると共に、該遊技盤に大型の遊技装置(例えば、図柄表示装置等)を配設して、遊技演出の迫力やインパクトを高め、遊技の面白みを増大させる傾向が強くなっている。このように、前記遊技盤の大型化に伴い、前記中枠に対する前記保持部の占める領域が拡大し、前記左右の庇状部の形成位置が従来のパチンコ機に較べて下方に位置することになる。このため、前記遊技補助盤における前記給出口の開設位置も従来のパチンコ機より下方に移動させる必要が生ずる。しかるに、前記遊技補助盤の前側に配設した前記上球皿は、一般的に左から右方向に向けて所要角度で下方傾斜するよう構成され、貯留したパチンコ球を発射レールの発射位置に向けて案内するようになっている。このため、前記球受け筒部は、前記上球皿の左側(上流側)に連通するよう設けられて、比較的上方に位置している。従って、前記左右の庇状部の形成位置を下方に移動させた場合であっても、前記球受け筒部を臨ませる前記給出口を下方位置に開設するには限界がある。一方、前記給出口を遊技補助盤の上方位置(すなわち庇状部に近接する位置)に開設すると、該上球皿の閉成時に、前記球受け筒部と庇状部とが干渉する問題が生ずる。
そこで、本発明は、遊技盤を保持する保持部の領域を拡大し得ると共に、該遊技盤側への異物の挿入を防止し得る遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するために、本願発明に係る遊技機は、
遊技盤(14)を着脱自在に保持する保持部(25)と、この保持部(25)の下方に形成された遊技補助盤(27)と、該遊技補助盤(27)の上端縁に形成されて前方へ延出する庇状部(28)と、前記遊技補助盤(27)の前側に開閉可能に設けた上球皿(16)と、この上球皿(16)に設けられて前記遊技補助盤(27)の側に延出する球受け筒部(16d)と、前記庇状部(28)の直下位置に形成され、前記球受け筒部(16d)を介して前記上球皿(16)へ遊技球を給出する給出口部(31)とを備えた遊技機において、
前記庇状部(28)から下方に向けて所定長さ延在する壁部(32,34)が形成されると共に、前記庇状部(28)および壁部(32,34)によって前記給出口部(31)が画成され
前記球受け筒部(16d)には、その上端から所定高さで切欠かれることで上方に開口する上方開口(16e)が筒部後端まで延在するよう形成され、
前記上球皿(16)を閉成した際に、前記球受け筒部(16d)が前記給出口部(31)内に挿入されると共に、前記上方開口(16e)が前記庇状部(28)で覆われて、該球受け筒部(16d)から挿入された異物が遊技盤(14)側に侵入するのを防止するよう構成したことを特徴とする。
また、前記庇状部(28)は、閉成時の前記上球皿(16)の後面に当接する長さに設定されるようにしてもよい。
更に、前記庇状部(28)の下面に沿って耐熱性板部材(52)を設けることができる。
また前記庇状部(28)の下面および前記壁部(32,34)の内側面に沿って耐熱性板部材(52)を設けることができる。
本発明の請求項1に係る遊技機によれば、上球皿を閉成した際には、その後面に庇状部が略当接すると共に、球受け筒部が給出口部内に挿入されるよう構成したから、遊技補助盤の給出口部側と遊技盤の遊技領域側とを遮断することができ、遊技補助盤側から遊技盤側へ異物を侵入させる不正行為を阻止することができる。また球受け筒部に、その上端から所定高さで切欠いて上方に開口する上方開口を形成したから、その切欠いた分だけ庇状部の位置を下げることが可能となり、上球皿の閉成時に球受け筒部と庇状部とを干渉させることなく、保持部の領域を拡大させ得る。
更に、庇状部と、該庇状部から下方に向けて延在する壁部とによって給出口部を画成したから、球受け筒部が挿入された給出口部から横方向への異物の挿入を防止することができる。
請求項3に係る遊技機によれば、庇状部の下面に耐熱性板部材を設けたから、球受け筒部から煙草等の加熱手段を挿入されたとしても、庇状部に穴を開けられることがなく、遊技盤側への異物の挿入を確実に防止できる。
請求項4に係る遊技機によれば、庇状部の下面および壁部の内側面に耐熱性板部材を設けたから、球受け筒部から煙草等の加熱手段を挿入されたとしても、庇状部および壁部に穴を開けられることがなく、給出口部から上および横方向への異物の挿入を確実に防止し得る。
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお実施例では、遊技機としてパチンコ球を遊技媒体として使用する一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、説明の便宜上、特にことわりのない限り、左右および前後とは、パチンコ機を正面から視た状態で指称するものとする。
(パチンコ機について)
実施例のパチンコ機10は、図1に示すように、縦長矩形状に形成されてパチンコ機10の外郭をなす外枠11の開口前面側に、遊技盤14やその他各種部材を搭載した中枠12が着脱および開閉自在に枢支される。また、前記中枠12の前側には、遊技盤14を透視保護する前枠13、および多数のパチンコ球(遊技球)を貯留し得る上球皿16が、横開き形態で開閉自在に組み付けられている。更に、中枠12の下部には、上球皿16に貯留しきれないパチンコ球を貯留する下球皿18が組み付けられると共に、上球皿16に貯留したパチンコ球を遊技盤14の遊技領域14aに向けて打ち出し操作可能なハンドル部材19等が取り付けられている。なお、前記遊技盤14の遊技領域14aには、図柄表示装置55や入賞装置56等の各種遊技部品が配設されて、所要の遊技を展開し得るようになっている。そして、前記中枠12の裏側には、各種の球経路および球処理部等を備えた機構セット盤(図示せず)が配設されて、これにより一台のパチンコ機10を形成している。また、前記上球皿16の後面には、貯留したパチンコ球を後述する発射レール20の発射位置に向けて一球ずつ送り出す球送り装置24を配設してある。なお、前記遊技盤14には、円弧状に湾曲させた案内レール15が配設されており、前記ハンドル部材19の操作により打ち出されたパチンコ球を前記遊技領域14aの上方位置まで案内するよう構成される。
(中枠について)
前記中枠12は、全体が合成樹脂により前記外枠11の開口領域に整合する外形サイズに成形されて、図3に示すように、前後に開口して前記遊技盤14を着脱自在に保持する遊技盤保持部(保持部)25と、該遊技盤保持部25の下方に形成される遊技補助盤27と、該遊技補助盤27の下方に形成され、前記下球皿18および打球駆動部(図示せず)を組み付ける設置盤37とから構成されている。ここで、前記遊技盤保持部25は、遊技盤14と略整合する大きさで開設されて、該遊技盤14の下端縁を遊技補助盤27の上端縁で支持するようになっており、該遊技補助盤27の上部に遊技盤14を載置した形態で保持している。なお、前記設置盤37には、該設置盤37に設置した下球皿18に連通する排出口37aや、前記打球駆動部を配設する収容部37bが設けてある(図3参照)。前記打球駆動部は、駆動源としてのロータリーソレノイドと、該ロータリーソレノイドの回転に伴い揺動される打球杆とから構成されて、前記ハンドル部材19の操作に応じてロータリーソレノイドが駆動されて前記発射レール20の発射位置に送り込まれたパチンコ球を打球杆により打ち出すよう構成される。
また前記中枠12は、その左側部の上下端部に配設した第1のヒンジ金具21,21(図1参照)を介して、前記外枠11に対して開閉自在に枢支されると共に、中枠12における前記遊技補助盤27の左側に配設した第2のヒンジ金具22(図1または図2参照)を介して、前記上球皿16が中枠12に対して開閉自在に枢支される。すなわち、前記遊技補助盤27の前側を、前記上球皿16で閉成するようになっている。また上側の第1のヒンジ金具21および第2のヒンジ金具22を利用して、前記前枠13が中枠12に対して開閉自在に枢支される。なお、前記中枠12における前記上球皿16および前枠13の枢支側(左側)とは反対側(右側)には、前記外枠11に対して中枠12を施錠すると共に、中枠12に対して前枠13および上球皿16を施錠し得る施錠装置23が配設されており、該施錠装置23の施錠および解錠を行なうことで中枠12、前枠13および上球皿16の夫々を開閉し得るよう構成される。
(上球皿について)
前記上球皿16は、前記中枠12の左右方向の幅寸法と略同等に設定されて、前記遊技補助盤27の前側を被覆可能な大きさに設定される。この上球皿16は、図1または図5に示すように、前記中枠12に配設した前記第2のヒンジ金具22に枢支される当て板16aと、該当て板16aの前側に設けられる外郭部16bと、外郭部16bに上方に開口するよう設けられて多数のパチンコ球を貯留する球皿部16cと、当て板16aの左上部側(遊技補助盤27の後述する給出口部31と対応する側)に設けられて、球皿部16cに連通すると共に遊技補助盤27の側に延在する球受け筒部16dとを備えている。そして前記上球皿16の閉成時には、球受け筒部16dの後端部が、遊技補助盤27の給出口部31内に所定長さに亘って挿入されるよう構成されており、前記機構セット盤の球経路から到来するパチンコ球を、給出口部31および球受け筒部16dを介して前記球皿部16cに給出するようになっている。なお、前記球受け筒部16dには、その上端から所定高さで切欠かれることで上方に開口する上方開口16eが筒部後端まで延在するよう形成されており、前記上球皿16の閉成時に、該球受け筒部16dと後述の左庇状部28とが干渉しないよう構成される。また、前記球受け筒部16dに上方開口16eを形成したことで、前記給出口部31から到来したパチンコ球が球受け筒部16dで球詰まりを起こすのを防止している。
前記当て板16aの後面には、その略全面を被覆する大きさに設定された金属板部材17が配設されており、実施例では該金属板部材17が上球皿16の後面を構成している。この金属板部材17の上端縁には、その略全長に亘って前側に開口する断面略コ字状の係合レール17aが形成されており(図5参照)、前記前枠13の閉成時に、該前枠13の下端縁に沿って後方に突出するよう形成した係合部(図示せず)と、該係合レール17aとが噛合するよう構成してある。すなわち、前記上球皿16と前枠13との間に生ずる隙間を前記係合レール17aで遮蔽して、該隙間からパチンコ機10の内部(遊技盤14側や遊技補助盤27側)に異物を挿入し得ないようになっている。なお、前記金属板部材17における前記球受け筒部16dと対応する位置には、第1開口部17b(図5参照)が開設されており、該第1開口部17bを介して球受け筒部16dが前記遊技補助盤27側に延在している。
(遊技補助盤について)
前記遊技補助盤27は、図4または図5に示すように、前記中枠12の後側に形成され、前記設置盤37は中枠12の前側に形成されている。そして、前記遊技補助盤27の下端縁と設置盤37の上端縁とは仕切板38で接続されて、遊技補助盤27の前面と設置盤37の後面とを隔絶するようになっている。また、遊技補助盤27の上端縁には、前方に向けて略水平に延出する左庇状部28および右庇状部29を形成してある。すなわち、前記遊技補助盤27は、前方に開口する凹状に形成される。なお、前記左右の庇状部28,29は、その前端部が前記設置盤37の前面と略同一平面上に位置するよう設定される。また、前記左右の庇状部28,29は、前記上球皿16を中枠12に対して閉成した際に、該上球皿16を構成する前記金属板部材17の後面に略当接する長さ寸法に設定される。
図1に示すように、前記遊技補助盤27の右側に、右から左方向に向けて所要の上り傾斜角度で前記発射レール20が設置され、前記遊技盤14に設けた案内レール15に連絡するようになっている。ここで、前記発射レール20と案内レール15との関係は、図2に示すように、発射レール20の上端が遊技補助盤27の上端縁より下方に位置すると共に、案内レール15の下端が遊技補助盤27における上端縁の上方に位置し、互いに適宜高低差および間隔をもって対向するよう設定される。なお、前記遊技補助盤27における前記発射レール20の配設位置より右側には、前記施錠装置23を構成する上球皿用施錠具23aが上下移動可能に配設されており、該施錠具23aと前記上球皿16に形成した被施錠部16f(図1参照)とが係合することで、常には上球皿16を閉成状態で保持している。
ここで、前記仕切板38における前記発射レール20の発射位置(傾斜下端側)の下方に臨む位置には、前記設置盤37の裏側に連通する第2開口部38a(図4参照)が開設されており、前記打球杆を揺動させた際に該第2開口部38aを介して打球杆が発射レール20の発射位置に到来してパチンコ球を打ち出すようになっている。なお、前記仕切板38(設置盤37の上端部)における前面の略中央位置は、図4に示すように、所定範囲に亘って後方に凹んだ凹部38bが形成されると共に、該仕切板38(設置盤37の上端部)において凹部38bを挟む位置には、後述するカバー部材41の爪部45,45と係脱自在に係合する係止片39,39が上方に向けて延出している。また、前記仕切板38における前記右側の係止片39の形成位置には、上方に向けて突出する段部38cが形成されると共に、該段部38cに溝部38dが形成されており(図4参照)、該溝部38dに挿入した爪部45が該係止片39に係合するようになっている。
前記遊技補助盤27の左上端縁に形成される前記左庇状部(庇状部)28は、図3または図4に示すように、該遊技補助盤27の左端部からその略1/3の位置まで延在すると共に、遊技補助盤27の右上端縁に形成される前記右庇状部29は、該左庇状部28の右端部から所定間隔離間する位置から遊技補助盤27の右端部まで延在している。すなわち、前記遊技補助盤27の上端縁の略中央位置において前記左右の庇状部28,29を離間させることにより、両庇状部28,29の間に該遊技補助盤27から前記遊技盤保持部25に保持した遊技盤14側に連通する開口領域30が形成される。そして、前記開口領域30の右側下方位置に前記発射レール20の上端が臨むと共に、該開口領域30の左側上方位置に前記案内レール15の下端が臨むよう設定されている。このため、前記発射レール20から打ち出されたパチンコ球は、前記左右の庇状部28,29の間の開口領域30を介して前記案内レール15まで案内されるようになっている。
なお、前記左右の庇状部28,29は、前記遊技盤保持部25の下縁部(遊技補助盤27の上端部)と段差なく連続的に形成されており、遊技盤14を前記遊技盤保持部25に保持する際の受け部としても機能する。すなわち、前記左右の庇状部28,29に前記遊技盤14を一旦載置して、該遊技盤14の着脱作業を行ない得るようになっている。また左庇状部28の前端面には、その右端部から左方向に所要長さに亘って切り欠かれた第1切欠部28aが形成されると共に、右庇状部29の前端面には、その左端部から右方向に所要長さに亘って切り欠かれた第2切欠部29aが形成されている。
図3に示す如く、前記遊技補助盤27の下端位置における前記左右の庇状部28,29間の開口領域30と対応する位置には、前後に貫通する回収口35が開設され、前記設置盤37の後面に配設した球回収樋(図示せず)を介して該設置盤37の排出口37aに連通するよう構成されている。従って、前記発射レール20から打ち出された際の勢いが弱く、前記遊技領域14aまで到達しないパチンコ球は、前記案内レール15に沿って落下して該案内レール15と発射レール20との間を通過し、前記開口領域30を介して遊技補助盤27の前面側に回収される。そして、遊技補助盤27に到来したパチンコ球は、前記回収口35および排出口37aを介して前記下球皿18に排出されるよう構成される。
前記遊技補助盤27の左側上部で左庇状部28の下方位置には、前後に貫通して前記機構セット盤の球経路に連通する開口40(図3参照)が開設されており、該開口40を介して遊技補助盤27(中枠12)の裏側から表側にパチンコ球を給出し得るようになっている。また遊技補助盤27には、開口40を挟んで左右に離間する位置に、前方に所定長さ延出する一対の壁部32,34が前記左庇状部28の下面から下方に向けて所定長さ延在するよう形成されている。そして、左庇状部28および一対の壁部32,34により前記開口40の前方、すなわち左庇状部28の直下に給出口部31が画成され、前記上球皿16の閉成時には該給出口部31に前記球受け筒部16dが前側から挿入されて、開口40と球受け筒部16dとが連通すると共に、前記上方開口16eが左庇状部28で覆われるよう構成される(図5参照)。なお、上球皿16の閉成時には、球受け筒部16dの後端面が、遊技補助盤27における開口40の外側の前面に当接するようになっている。また、左庇状部28の右端部から下方に向けて形成される第1壁部32は、給出口部31および開口40を前記開口領域30から隔離するべく機能する。更に第1壁部32には、後述するカバー部材41を固定するためのネジ孔32aが形成されている。
前記遊技補助盤27における前記開口40の下方位置には、該開口40の左側に位置する第2壁部34の下端に接続し、前記回収口35に向けて右側に下り傾斜する板状の溢れ球回収路33が形成されている。なお、溢れ球回収路33の上面は、前記第1壁部32の下端から下方に大きく離間し、該溢れ球回収路33を転動するパチンコ球の回収口35への流入を許容するようになっている。また図4に示すように、前記第2壁部34の前端面は、前記溢れ球回収路33の前端面より後方に位置するよう設定してある。ここで、前記第2壁部34の左側には、図示しないコネクタ接続部が配置されており、該第2壁部34を前記溢れ球回収路33より後方に位置させることで、該コネクタ接続部へのコネクタの着脱作業を容易に行ない得るよう構成されている。更に、前記回収口35から上方に所要の距離だけ離間する位置には、左右に延在する第1板面36aと、第1板面36aの右端部から下方に延在する第2板面36bとからなる第3壁部36が形成されて、該回収口35の上側および右側を囲繞するようになっている。
(耐熱性板部材について)
前記左庇状部28および第1壁部32には、金属または熱硬化性樹脂等の耐熱性を有する材料からなる薄板状の耐熱性板部材52が、その下面および内側面に沿って配設されている。この耐熱性板部材52は、図4または図6に示す如く、左庇状部28に沿って下面に当接する第1保護部52aと、該第1保護部52aの右端部に折曲形成されて、前記第1壁部32に沿って内側面(給出口部31側)に当接する第2保護部52bとから基本的に構成されて、略L字状に形成されている。なお、第1保護部52aは、第1および第2壁部32,34の間で、左庇状部28における前記給出口部31を画成する領域の全長に亘って延在する長さに設定されている。また第1保護部52aの左側前端に、左庇状部28に前側から係合可能な係止部52cが形成されると共に、第2保護部52bの前端には、第1壁部32に形成したネジ孔32aと対応する位置に第1壁部32の前面側に延出する被挟持部52dが形成され、該被挟持部52dにはネジ孔32aに整列する通孔52eが穿設されている。すなわち、耐熱性板部材52は、係止部52cを左庇状部28に係合すると共に、通孔52eをネジ孔32aに整列するよう被挟持部52dを第1壁部32の前面に位置決めした状態で、後述するカバー部材41をネジ止めするネジ51で共締めされるようになっている。
(カバー部材について)
図1、図2または図5に示すように、前記遊技補助盤27と前記上球皿16との間には、遊技盤14側に異物が侵入するのを阻止する前記カバー部材41が配設されており、遊技補助盤27の前側をカバー部材41で被覆するよう構成されている。前記カバー部材41は、前記左右の庇状部28,29の前端面に当接して位置規制される板状本体42と、該板状本体42における給出口部31と対応する位置に開設され、前記球受け筒部16dを挿入させる第3開口部(開口部)43と、板状本体42における第3開口部43の上部に前方に向けて突設されて左右方向の全長に亘って延在し、前記上球皿16の後面(金属板部材17)に当接する突出片44とから基本的に構成される。
また、前記板状本体42の左右の幅寸法は、前記左右の庇状部28,29に形成した前記第1および第2切欠部28a,29aに整合し、かつ該板状本体42の左側部は、前記給出口部31の左側に位置する前記第2壁部34に当接する位置まで延在するよう設定される。すなわち、前記板状本体42は、前記右庇状部29の第2切欠部29aおよび前記第2壁部34に当接する位置まで延在するよう設定することで、前記開口領域30の右方位置から給出口部31の左方位置まで延在する大きさに寸法設定されている。また、前記板状本体42の厚み寸法は、前記仕切板38(設置盤37の上端部)における前記凹部38bに整合するよう設定されており、該板状本体42を取り付けた状態で、該板状本体42の前面が両庇状部28,29の前端面および設置盤37の前面と略同一平面上に位置するようになっている。そして、前記突出片44は、前記左右の庇状部28,29より前側に突出している。従って、図5に示すように、前記上球皿16を前記中枠12に対して閉成した際には、前記金属板部材17が前記カバー部材41の突出片44に圧接されて、該金属板部材17と突出片44とが密着すると共に、カバー部材41の後面と左右の庇状部28,29とが密着するようになっている。すなわち、中枠12に対して閉成された上球皿16における球受け筒部16dの上方開口16eを覆っている左庇状部28の前端は、カバー部材41を介して上球皿16の後面に近接し、球受け筒部16dから挿入された異物の上方への侵入を阻止し得るよう構成される。
また、前記板状本体42の上下の高さ寸法は、前記左右の庇状部28,29の上端縁から前記仕切板38(設置盤37の上端縁)まで延在するよう設定されており、該板状本体42が両庇状部28,29および仕切板38の凹部38bに当接するようになっている。すなわち、前記板状本体42は、前記回収口35の前側まで延在する大きさに寸法設定されて、該板状本体42により、前記給出口部31の周囲および回収口35の前側を被覆するようになっている。なお、前記板状本体42は、前記左右の庇状部28,29より僅かに上方に突出するよう形成されて、前記上球皿16を閉成した際に、該板状本体42の上端縁が前記金属板部材17における係合レール17aの下面に密着するよう設定される。
更に、前記板状本体42の下端部には、左右方向に離間する位置に、下方に向けて延出する爪部45,45が形成されると共に、板状本体42における前記第3開口部43の開設位置の右側には、前後に貫通する通孔46が穿設されている。ここで、前記板状本体42の左側に位置する爪部45は、前記凹部38bの左側に位置する前記係止片39と係脱自在に係合する位置に形成されると共に、板状本体42の右側に位置する爪部45は、凹部38bの右側に形成した前記段部38cの溝部38dに挿入可能な位置に形成されて、該溝部38dに挿入したもとで凹部38bの右側に位置する係止片39と係脱自在に係合するよう構成される。そして、前記両爪部45,45を前記仕切板38に形成した前記係止片39,39の後方に係合させた状態で、板状本体42の前側から通孔46に挿入したネジ51を、前記耐熱性板部材52の通孔52eを介して前記第1壁部32のネジ孔32aに螺挿することで固定される。すなわち、前記カバー部材41の上部側は前記ネジ51により固定され、下部側は前記爪部45,45と係止片39,39とが係合することにより固定される。
ここで、前記板状本体42の左側部には、図4または図7に示すように、後方に突出する突部42aが形成されており、前記カバー部材41を遊技補助盤27の前面側に固定した際に、該突部42aの右面下端が前記溢れ球回収路33の左側面に当接し、突部42aの後面左端が前記第2壁部34の前端面に当接するようになっている(図5参照)。すなわち、前記板状本体42を前記遊技補助盤27の前面側に固定した状態では、該遊技補助盤27の前記溢れ球回収路33および第1〜第3壁部32,34,36の前端面が、板状本体42の後面に密着するよう設定されている。
また、前記板状本体42の裏側下端部には、前記溢れ球回収路33の右端に連接して前記回収口35の開口左側まで延在する板状の球誘導部47が遊技補助盤27側に向けて延出しており、溢れ球回収路33を転動するパチンコ球を回収口35に向けて案内するようになっている。すなわち、前記上球皿16を開放した際に、前記給出口部31や球受け筒部16dからパチンコ球が溢れると、該パチンコ球は前記溢れ球回収路33および前記球誘導部47を転動して前記回収口35に向けて案内される。ここで、前記遊技補助盤27の前側、すなわち前記溢れ球回収路33や回収口35の前側を、前記カバー部材41で覆うようにしてあるから、給出口部31や球受け筒部16dから溢れたパチンコ球が、パチンコ機10(中枠12)の外側にこぼれ落ちるのは防止される。なお、前記球誘導部47は、溢れ球回収路33と略同一の傾斜角度で形成してある。
更に、前記板状本体42の裏側には、前記遊技補助盤27に向けて延出すると共に上下方向に延在する板状の第1〜第3規制部48,49,50が形成されている(図7参照)。前記第1規制部48は、前記発射レール20の上端に対応する位置に、前記板状本体42の上端縁から該遊技補助盤27の第3壁部36の上面に密着する上下の長さ寸法で形成される。また、前記第2規制部49は、その下端部が前記仕切板38に形成した段部38cの左側に位置し、かつ上端部が前記右庇状部29の下面に近接する上下の長さ寸法で形成されている。そして、前記第3規制部50は、その下端部が前記段部38cの右上端部に密着し、かつ上端部が前記発射レール20の長手方向の略中央位置の上面に近接する上下の長さ寸法で形成される。なお、前記第1〜第3規制部48,49,50の前後の奥行き寸法は、夫々の後端部が前記発射レール20の前端面に当接する位置まで延在するよう設定されている。
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機の作用について説明する。
前記パチンコ機10においては、上球皿16を閉成状態で保持したもとで遊技に供され、上球皿16内にパチンコ球が貯留された状態で、前記球送り装置24の球送り作動と、前記打球駆動部の打球作動との協働により、パチンコ球が1球ずつ発射レール20の発射位置に送り込まれ、打球杆により打ち出される。ここで、前記遊技補助盤27の左側上端縁に沿って左庇状部28を形成すると共に、右側上端縁に沿って右庇状部29を形成してある。従って、前記発射レール20から発射されたパチンコ球は、前記左右の庇状部28,29の間の開口領域30を介して遊技盤14の案内レール15まで案内され、該案内レール15に沿って遊技領域14aまで案内される。
また、発射位置から発射されたものの、打球力不足等に起因して遊技領域14a内へ到達できずに戻ってきたパチンコ球(戻り球という)については、左右の庇状部28,29の間の開口領域30から遊技補助盤27の前面側に受入れた後、遊技補助盤27の回収口35、球回収樋および設置盤37の排出口37aを介して下球皿18に回収される。ここで、前記戻り球が、前記発射レール20に侵入すると、発射レール20の発射位置に、この戻り球と、前記球送り装置24により送り出されたパチンコ球の2個が位置することになり、打球杆で打ち出した際に再び打球力不足に陥り遊技領域14a内へ到達し得ないこととなる。このため、遊技が進展せず、遊技者に不快感を与えることともなる。そこで、前記上球皿16と遊技補助盤27との間に配設した前記カバー部材41には、前記発射レール20の上端部に近接する位置に、第1規制部48を形成してある。すなわち、前記第1規制部48に戻り球が当接した場合は、前記回収口35側に弾くことができるようにしたから、発射レール20の発射位置に2個のパチンコ球が位置して次にパチンコ球を打ち出した際に打球力不足に陥るのは防止し得る。
ここで、前記左右の庇状部28,29は、前記遊技補助盤27の上端縁に沿って略水平に前方に向かって延出している。このため、相当な重量物となる遊技盤14を前記遊技盤保持部25に着脱するに際し、該遊技盤14の下端部を一旦庇状部28,29に載置することができるから、遊技盤14の着脱作業を手早く簡単に行なうことが可能となる。また、前記遊技盤保持部25に遊技盤14を組み込んだ後に、前記中枠12に対して上球皿16および前枠13を閉成した状態では、前記上球皿16に配設した前記金属板部材17の係合レール17aと前枠13の係合部とが係合するようにしてあるから、上球皿16と前枠13との間の隙間は完全に遮断され、上球皿16と前枠13との間から遊技盤14側に針金等の異物が挿入されるのは確実に防止し得る。
ところで、実施例のパチンコ機10では、前記遊技補助盤27の前側に配設したカバー部材41は、前記開口領域30の右方位置から前記給出口部31の左方位置まで延在し、かつ前記回収口35の前側まで延在する大きさに寸法設定されている。また、前記カバー部材41を前記遊技補助盤27の前側に配設した際に、該カバー部材41(板状本体42)と、前記左右の庇状部28,29および設置盤37の前面とが略同一平面上に位置して、カバー部材41の突出片44が左右の庇状部28,29の前側に突出するよう設定されている。一方、前記上球皿16は、前記中枠12に対して閉成した際に、前記金属板部材17が前記左右の庇状部28,29に略当接(近接)し得るよう設定してある。従って、前記中枠12に対して上球皿16を閉成した際には、前記金属板部材17が前記突出片44に圧接して前記遊技補助盤27側と前記遊技盤14側とが遮断されるから、遊技補助盤27側から遊技盤14側に異物を侵入させる不正行為を好適に阻止することが可能である。なお、前記上球皿16における球受け筒部16dに上方開口16eを形成するようにしたから、該上球皿16の閉成時に球受け筒部16dが前記左庇状部28に干渉して、該上球皿16の閉成動作を阻害することはない。
また、例えばパチンコ機10に配設した前記上球皿16の球受け筒部16dから異物が挿入される可能性がある。ここで、前記球受け筒部16dは、前記カバー部材41に開設した第3開口部43を介して前記遊技補助盤27側に延出し、前記給出口部31に挿入されるよう構成されている。従って、前記球受け筒部16dに異物を挿入した場合には、該球受け筒部16dの上方開口16eを介して、前記カバー部材41の前側(カバー部材41と上球皿16との間)から遊技盤14側に異物を侵入させる場合と、該上方開口16eを介してカバー部材41の後側(カバー部材41と遊技補助盤27との間)から遊技盤14側に侵入させる場合とが考えられる。
そこで、先ず前記球受け筒部16dの上方開口16eを介して、前記カバー部材41の前側から異物が侵入された場合について説明する。前述したように、前記カバー部材41に形成した前記突出片44を前記上球皿16の後面(金属板部材17)に密着させて、前記遊技補助盤27側と遊技盤14側とを完全に隔離するようにしてある。このため、前記カバー部材41(板状本体42)の前側から異物が挿入された際には、該異物は前記突出片44により規制されて遊技盤14側に侵入するのは規制される。更に、前記突出片44を、前記板状本体42の左右方向の略全長に亘って形成するようにしたから、異物をより確実に規制することができ、不正行為を好適に防止することができる。また、仮に突出片44と上球皿16の後面(金属板部材17)との間から異物が侵入しても、該カバー部材41の上端縁を金属板部材17の係合レール17aの下面に密着するようにしたから、前記遊技盤14側まで異物が侵入することはない。このように、前記遊技盤14側への異物の侵入を2重に規制するよう構成しているから、異物を遊技盤14の遊技領域14aへ侵入させる不正行為を確実に阻止し得る。
次に、前記球受け筒部16dの上方開口16eを介して、前記カバー部材41の後側から異物が侵入された場合について説明する。前述したように、上方開口16eが前記左庇状部28で覆われ、かつ該左庇状部28(第1切欠部28a)の前端がカバー部材41の後面に密着するようになっているから、カバー部材41の後面に沿って上方に移動させた異物が遊技盤14側に侵入するのは左庇状部28により確実に防止される。また前記左庇状部28の右端部には、前記第1壁部32が下方に延在するよう形成されて、該第1壁部32の前端がカバー部材41の後面に密着している。このため、カバー部材41の後側から侵入させた異物を、前記左右の庇状部28,29の間の開口領域30から遊技盤14側まで侵入させようと右方(横方向)に移動した場合には、該異物は第1壁部32に当接して下方に案内される。このように、前記第1壁部32により前記異物が左右の庇状部28,29の間の開口領域30側に侵入するのを規制することで、前記遊技盤14側まで侵入するのは阻止される。なお、前記第1壁部32に沿って異物を折り曲げて、前記左右の庇状部28,29の間の開口領域30まで異物が侵入されることも考えられるが、一旦下方に向けて案内された異物を、反転して上方に向けて移動させるのは現実的でなく、実質的に不可能である。すなわち、カバー部材41の後面は前記左庇状部28および第1壁部32に圧接して密着しており、球受け筒部16dからカバー部材41の後側に挿入された異物が上方および右方へ移動して前記遊技盤14側へ侵入されるのは確実に防止できる。
また、前述したように、前記板状本体42を、前記開口領域30の右方位置から前記給出口部31の左方位置まで延在する大きさに寸法設定し、該給出口部31と対応する位置に開設した第3開口部43に前記球受け筒部16dを挿入するようになっている。従って、板状本体42(カバー部材41)の後側まで一旦侵入した異物は、前側に移動させようとしても該板状本体42の後面に当接することになるから、この異物を板状本体42の前面側に移動させることは不可能である。すなわち、前記球受け筒部16dの上方開口16eを介して前記板状本体42の後側に侵入させた異物を、前記カバー部材41の前側に移動させて、前記開口領域30から前記遊技盤14側まで侵入されるのは確実に防止し得る。このように、前記球受け筒部16dの上方開口16eを介して前記板状本体42の後側に侵入した異物は、前記第1壁部32により前記遊技盤14側に侵入するのを防止され、該板状本体42の前側から遊技盤14側へ侵入するのも防止される。
前述したように、前記球受け筒部16dの上方側を切欠いて開口させた構成であっても、その上方開口16eを介しての遊技盤14側への異物の挿入は確実に規制して不正行為を防止することができる。そして、球受け筒部16dに上方開口16eを形成したことで、前記左右の庇状部28,29の位置を上方開口16eの切欠き分だけ下げることができ、前記上球皿16内のパチンコ球の好適な案内を確保すると共に、上球皿16の閉成時に球受け筒部16dと左庇状部28とを干渉させることなく、パチンコ機10に大型の遊技盤14を配設することが可能となる。
更に、前記突出片44に前記上球皿16の金属板部材17を圧接させたことで、前記遊技補助盤27に形成した第2壁部34や溢れ球回収路33の前端面と、カバー部材41の後面とは圧接して密着する。従って、前記第2壁部34や溢れ球回収路33とカバー部材41との間から、カバー部材41で被覆していない第2壁部34の左側に異物が侵入して、該異物が前記左庇状部28と上球皿16(金属板部材17)との間から遊技盤14側に侵入するのは防止される。このように、実施例のパチンコ機10によれば、上球皿16の球受け筒部16dから侵入された異物を遊技盤14側へ侵入させて不正行為が行なわれるのを完全に阻止し得る。
ここで、前記球受け筒部16dから挿入した煙草、ライターあるいは熱したピアノ線等の加熱手段によって、前記上方開口16eを覆っている合成樹脂製の左庇状部28や第1壁部32に穴を開け、該穴から異物を遊技盤14側へ侵入させる不正行為が行なわれる可能性がある。しかし、実施例のパチンコ機10では、上方開口16eの直上に位置する左庇状部28の下面および右方に位置する第1壁部32の内側面に沿って耐熱性板部材52が設けられているから、加熱手段により左庇状部28や第1壁部32に穴が開けられるのは該耐熱性板部材52で阻止でき、球受け筒部16dが挿入された給出口部31から上および右方(横方向)への異物の挿入を確実に防ぐことができる。
また、パチンコ機10の下方に設けた下球皿18(設置盤37の排出口37a)から、前記球回収樋および遊技補助盤27の回収口35を介して異物が挿入される可能性もある。この場合には、前記遊技補助盤27に形成した第3壁部36に異物が接触して遊技盤14側への侵入が阻止される。ここで、前記回収口35は前記左右の庇状部28,29間の開口領域30の下方に形成されると共に、前記第3壁部36の第1板面36aを回収口35の上方位置で左右方向に延在するよう形成してある。従って、前記回収口35から遊技補助盤27側に侵入した異物は、前記第1板面36aにより、前記左右の庇状部28,29間の開口領域30から逸れた方向に案内され、該異物が開口領域30を介して遊技盤14側に侵入するのは確実に阻止される。
また、前記第3壁部36の第2板面36bを前記回収口35の右側で上下方向に延在するよう形成してある。このため、前記回収口35から遊技補助盤27側に侵入した異物は、前記第2板面36bにより下方に案内され、該異物が前記遊技補助盤27の右側に設けた前記施錠装置23の上球皿用施錠具23aまで侵入するのは阻止される。更に、前記カバー部材41を前記遊技補助盤27の前側に取り付けた際に、前記第3壁部36の前端部がカバー部材41(板状本体42)の後面に密着するようにしたから、カバー部材41と第3壁部36との間から、異物が前記左右の庇状部28,29の間の開口領域30や、前記施錠装置23側へ侵入することはない。また、前記板状本体42(カバー部材41)を、前記回収口35の前側まで位置する大きさに寸法設定したから、該回収口35を介して板状本体42(カバー部材41)の前側に異物が侵入することはなく、該異物が遊技盤14側まで到達するのを阻止して不正行為を確実に防止できる。従って、実施例のパチンコ機10によれば、下球皿18から侵入された異物が遊技盤14側へ侵入されて不正行為が行なわれるのを完全に阻止し得る。
ところで、前記遊技補助盤27の右側には、前記上球皿16を閉成状態で保持する施錠装置23の上球皿用施錠具23aを配置してある。このため、前記球受け筒部16dや前記回収口35を介して遊技補助盤27の前面側に侵入された異物により前記上球皿用施錠具23aが不正に解錠されると、上球皿16を開放される可能性がある。ここで、前記カバー部材41の右側には、第2および第3規制部49,50を形成してある。そして前記球受け筒部16dや前記回収口35から前記上球皿用施錠具23aに向けて侵入した異物は、先ず第2規制部49に接触して右方向への移動が規制され、上球皿用施錠具23aまで侵入するのは阻止される。また、前記第2規制部49よりも右側に前記第3規制部50を形成してあるから、第2規制部49の右側下部まで異物が侵入された場合でも、該異物は第3規制部50に接触して上球皿用施錠具23aまで侵入するのは阻止される。ここで、前記第3規制部50は、その下端部を前記仕切板38に形成した段部38cの右上端部に密着しているから、前記施錠装置23(上球皿用施錠具23a)側まで異物が侵入するのは確実に防止される。このように、前記カバー部材41に、第2規制部49および第3規制部50を形成して、前記上球皿用施錠具23a(施錠装置23)まで異物が侵入するのを2重に規制するようにしたから、該上球皿用施錠具23aが不正に解錠されるのは確実に防止できる。
また、前記カバー部材41の後面には、パチンコ球を前記回収口35に向けて案内する球誘導部47を形成してある。従って、前記上球皿16を中枠12に対して開放した際に、前記給出口部31や上球皿16の球受け筒部16dから溢れたパチンコ球(溢れ球と云う)を、前記遊技補助盤27に形成した溢れ球回収路33を介して前記回収口35に向け案内すると共に、該球誘導部47を介して回収口35まで案内できる。このように、前記遊技補助盤27に到来した溢れ球をスムーズに前記回収口35まで案内し得るよう構成したことで、該溢れ球がパチンコ機10の前側にこぼれ落ちたりして作業者の負担が増大するのを防止し得る。また、前記カバー部材41に球誘導部47を形成したことで、回収口35から遊技盤14まで到達する経路が制限されるため、当該回収口35から侵入した異物が遊技盤14まで到達するのはより確実に抑制される。
そして、前記カバー部材41に、遊技盤14側や施錠装置23側への異物の侵入を規制する規制部材としての機能と、パチンコ球を前記回収口35に向けて案内する案内部材としての機能とを併せ持つよう構成したから、夫々の機能を有する単独の部材を遊技補助盤27に組み付ける場合に較べて、部品点数を少なくして組み付け作業を簡略化し得る利点もある。
〔変更例〕
なお、本発明に係るに遊技機の構成としては、前述した実施例のものに限定されるものでなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
実施例では、前記カバー部材を介して左庇状部(庇状部)の前端が上球皿の後面に当接するよう構成したが、左庇状部の前端が直に上球皿の後面に当接するように、カバー部材および左庇状部の形状を変更したものであってもよい。例えば、カバー部材の上端を球受け筒部の上端と同一レベルとし、該カバー部材の上方を前方に延出するようにした左庇状部の前端が上球皿の後面に当接するようにすればよい。なお、この場合に、球受け筒部に形成される上方開口は、左庇状部と干渉しない領域に亘って形成すればよい。また耐熱性板部材に関しては、第1保護部の左端部に、第2壁部の内側面(給出口部側)に沿って当接する第3保護部を折曲形状して、略コの字状に構成してもよい。更に、耐熱性板部材の遊技補助盤に対する取り付けに関して、実施例ではカバー部材を遊技補助盤に取り付けるためのネジで共締めする構成としたが、別のネジ等の固定手段により取り付けるようにしたり、あるいは接着剤等により接着固定するものであってもよい。
前記カバー部材に形成する突出片の形成位置としては、実施例のものに限られず、必要に応じて決定することができる。なお、カバー部材における前記突出片の好適な形成位置としては、上球皿に形成された球受け筒部より上方位置に形成するのが、不正手段の侵入防止手段として好ましく、更には庇状部と対応する位置に形成するのがより好適である。また、前記カバー部材の後面に形成する遊技球を回収口まで誘導する球誘導部の形成箇所および形状等は、実施例のものに限られず、任意の形状および位置に形成することができる。同様に、遊技補助盤側に形成した溢れ球回収路や第3壁部に関しても、その形成位置、形状および形成数に関しては、任意に設定すればよい。すなわち、異物の侵入経路を折れ曲がり形状に形成すればよく、多数の折れ曲がり有する形状に形成することで、より確実に不正行為を防止し得る。但し、遊技補助盤に形成される第1および第2壁部は、開口を挟む左右両側に位置して、左庇状部と第1および第2壁部とにより開口前方に給出口部を画成するよう構成する必要がある。
また、実施例では、左庇状部の下方位置に遊技球の給出口部を形成するようにしたが、該給出口部を右庇状部の下方位置に形成することもでき、この場合には、カバー部材の板状本体を、少なくとも庇状部間の開口領域の左方位置から給出口部の右方位置まで延在する大きさに寸法設定するようにすれば、実施例と同様の作用効果を得ることが可能である。なお、右庇状部の下方位置に給出口部を形成する場合には、第1壁部(壁部)を右庇状部の左端部から下方に向けて延在するよう形成することで、給出口部と開口領域とを隔離することができ、板状本体の後面側に挿入された異物が開口領域に到達するのを規制して遊技盤側に異物が侵入するのを防止し得る。また第2壁部(壁部)に関しては、給出口部の右側に位置するよう形成される。
本発明の実施例に係るパチンコ機を、前枠および上球皿を開放した状態で示す正面図である。 実施例に係る中枠にカバー部材と下球皿とを取り付けた状態を示す正面図である。 実施例に係る中枠の遊技補助盤および設置盤を示す正面図である。 実施例に係るカバー部材および耐熱性板部材を遊技補助盤から取り外した状態で中枠の遊技補助盤および設置盤を示す斜視図である。 実施例に係る上球皿を閉成した状態で示す縦断側面図である。 実施例に係る耐熱性板部材の配設箇所を示す要部縦断側面図である。 実施例に係るカバー部材を後側から見た状態を示す斜視図である。
符号の説明
14 遊技盤
16 上球皿
16d 球受け筒部
16e 上方開口
25 遊技盤保持部(保持部)
27 遊技補助盤
28 左庇状部(庇状部)
31 給出口部
32 第1壁部(壁部)
34 第2壁部(壁部)
52 耐熱性板部材

Claims (4)

  1. 遊技盤を着脱自在に保持する保持部と、この保持部の下方に形成された遊技補助盤と、該遊技補助盤の上端縁に形成されて前方へ延出する庇状部と、前記遊技補助盤の前側に開閉可能に設けた上球皿と、この上球皿に設けられて前記遊技補助盤の側に延出する球受け筒部と、前記庇状部の直下位置に形成され、前記球受け筒部を介して前記上球皿へ遊技球を給出する給出口部とを備えた遊技機において、
    前記庇状部から下方に向けて所定長さ延在する壁部が形成されると共に、前記庇状部および壁部によって前記給出口部が画成され、
    前記球受け筒部には、その上端から所定高さで切欠かれることで上方に開口する上方開口が筒部後端まで延在するよう形成され、
    前記上球皿を閉成した際に、前記球受け筒部が前記給出口部内に挿入されると共に、前記上方開口が前記庇状部で覆われて、該球受け筒部から挿入された異物が遊技盤側に侵入するのを防止するよう構成した
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記庇状部は、閉成時の前記上球皿の後面に当接する長さに設定される請求項1記載の遊技機。
  3. 前記庇状部の下面に沿って耐熱性板部材を設けた請求項1または2記載の遊技機。
  4. 前記庇状部の下面および前記壁部の内側面に沿って耐熱性板部材を設けた請求項1または2記載の遊技機。
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