JP4448594B2 - 軒樋装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【課題の属する技術分野】
この発明は、化粧部材により化粧された軒樋装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、軒樋本体上方の軒先などの建物を覆うことにより軒先前方を化粧して建物の意匠性を高めるための化粧部材が知られている。しかしながら、この化粧部材は、支持部材への固定に手間取ったり、また、固定部に隙間が発生して軒樋と一体的に確実に支持することが困難であった。
【0003】
このため、たとえば、特許第2819872号公報によれば、図12に示すような軒樋支持装置1が提案されている。この軒先支持装置1では、軒先2の屋根板にボルト3により固定された取付金具4を介して樋支持具5が固定されている。この樋支持具5は中央付近及び両端にそれぞれバネ片6a〜6cを有する係止部7a〜7cを備えている。
【0004】
一方、軒樋本体8と軒先カバ−材(化粧部材)9とはそれぞれ端縁に係合耳部8a、8b、9a、9bを備え、軒樋本体8の前側上端部分の係合耳部8aと化粧部材9の下端部分の係合耳部9aは、樋支持具5の中程に形成された大きな凹所からなる係止部7aに重合状態に係合されると共にバネ片6aが押圧当接されることにより、軒樋本体8と化粧部材9とが一体的に確実に且つ簡単に取着保持されるようにされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、都市の密集地に建築される建物では、軒樋本体にも狭小地での省スペース性と施工性の要望は益々高まりつつある。この省スペース性を考慮すると、軒樋本体の大きさは小さい方がよい。
【0006】
しかしながら、軒樋本体を小さくすると軒樋本体の底面積が小さくなり軒樋本体内にゴミなどが堆積した場合にはその都度ゴミの除去を行う必要が生じる。これにより、煩雑にゴミを除去する必要が生じて、長期にわたって使用するには保守性が悪化する。また、省スペース性を重視して軒樋本体の外形を小さくすると一般的には軒樋本体の意匠性が損なわれる場合が多い。
【0007】
ここで、上述の軒樋支持構造1では、意匠性には配慮して大きな軒樋本体8を備えているが、省スペース性には十分な配慮がなされていない。たとえば、化粧部材9は、円弧状の断面形状を備え、機能性を考慮した場合にこの円弧状側面が必要以上に前方に向けて突出している。また、この軒樋支持構造1によれば、樋支持具5の中程に形成された係合部7aに軒樋本体の前側上端の係合耳部8aと化粧部材5下端の係合耳部9aとを重合状態にすることが必要であるので、この係合部7aの断面積は大きくなる。それ故、この係合部7aの大きさが軒樋本体8と軒先2の隙間を狭める直接の原因となり、この軒樋支持装置1を採用する限り、省スペース性を実現することはできない。
【0008】
さらに、この軒樋支持装置1では、化粧部材9の係止方法は、バネ片6a、6bを用いた乾式の固定方法をとっている。この場合、化粧部材9の嵌入は簡単にできるので、取り付け施工性は良好と思われるが、取り外しは困難と思われる。このため、軒樋本体8内にゴミ等が堆積した場合、そのゴミの除去は困難となり、保守性に問題があった。
【0009】
そこで、この発明は、意匠性を有する化粧部材を備えるとともに、省スペース性と施工性、保守性を備えた軒樋装置を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
建物に対して横方向に設置され、該建物に降った雨水を受ける軒樋本体と、該軒樋本体とは離間した上方位置に設置される化粧部材と、前記軒樋および前記化粧部材を各々独立して脱着可能に支持する支持具とを、有する軒樋装置において、
前記化粧部材は、前記軒樋本体の前方壁面と略同一面またはそれよりも前方に突き出るように設置されると伴に、前記化粧部材の下端には前記建物に向かって水平に後退する後退面であって前記化粧部材の側面と当該後退面とで形成される屈曲部が前記軒樋の導水路の鉛直上方に配置されるものと該後退面から鉛直方向下方に垂下した固定面とを備え、かつ、該固定面の下端縁は前記軒樋の導水路の鉛直上方に位置するように設置されることを特徴とする軒樋装置である。
【0011】
このように構成すれば、化粧部材は軒樋本体の上方を覆うことになるが、軒樋本体とは独立して取り付け取り外しの行える支持具により支持されるので、軒樋本体を設置した状態で化粧部材のみを取り外して軒樋本体内のゴミを除去することができる。
【0012】
また、この化粧部材は、軒樋本体とは独立しているので、建物の外形がフラット屋根や傾斜屋根などと異なった場合にも、その異なって外形形状に合わせて化粧部材を設計することができる。
【0013】
また、この化粧部材と軒樋本体とは、離間して配置されるが、地上からは軒樋本体と化粧部材とは一体となって建物を化粧しているように視認させることができる。
【0017】
さらに、このように構成すれば、化粧部材が軒樋本体の前方壁面と略同一平面若しくは該前方壁面より前面に突出しているので、建物と化粧部材との間にある程度の隙間を維持することができる。突出している場合には、屋外への出寸法を考慮して設計される。
【0021】
また、このように構成すれば、前記化粧部材は、前記軒樋本体の前方壁面と略同一面またはそれよりも前方に突き出るように設置されると伴に、前記化粧部材の下端には前記建物に向かって水平に後退する後退面であって前記化粧部材の側面と当該後退面とで形成される屈曲部が前記軒樋の導水路の鉛直上方に配置されるものと該後退面から鉛直方向下方に垂下した固定面とを備え、かつ、該固定面の下端縁は前記軒樋の導水路の鉛直上方に位置するように設置されるので、化粧部材に付着した雨水等は自重により落下して軒樋本体内に誘導させることができる。
【0023】
前記軒樋本体は後方壁の後方に前記支持具と係合する係合耳部と、前方壁の上端内側に前記支持具と係合する凹溝状の係合耳部とを備えていれば、省スペース化を実現した軒樋本体であって、軒樋本体の取付が容易となる。
【0025】
前記軒樋本体及び前記化粧部材は、各々独立して長手方向に接合されていれば、軒樋本体及び化粧部材を接合して長尺としたり建物の周囲に亘って支持させることができる。また、化粧部材と軒樋本体とは独立して長手方向に接合されているので、建物周囲に亘って請求項1〜6のいずれか1項に記載の軒樋装置を配設しても、化粧部材は軒樋本体とは独立して取り付け、取り外すことができ、維持管理を容易に行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0027】
図1は、この発明の軒樋装置10を示す側面図であり、建物11の屋根面12等に降り注いだ雨水を受ける軒樋本体13とその軒樋本体13の上方を覆うことにより建物11の前方を化粧する化粧部材14と、その軒樋本体13及び化粧部材14とを独立に支持する支持具15とから大略構成されている。
【0028】
この軒樋本体13は、図2に示すように、長手方向に延びる底壁16と、その底壁16と略直交してやや上開き方向に立設された前方壁17及び後方壁18とを備え、これにより断面コ字状の導水路19が形成されている。
【0029】
また、この軒樋本体13は、前方壁17の上端内側(後側)には長手方向に延びる後側に開口20を備えた係合耳部21が設けられ、後方壁18の上端外側(後側)には長手方向に延びる下方に向けて係止部22を備えた係合耳部23が設けられている。これらの係合耳部21、23は、支持金具15に支持させる際の係合部を構成する。
【0030】
一方、化粧部材14は、図3に示すように、長手方向に延びる垂下した係止面24とその係止面24の上端から屈曲して屋根面12と略平行である上面25とその上面25から略直角に曲折された側面26と、その側面26の下端から屈曲して建物11に向かって水平に後退する後退面27と、その後退面27から鉛直方向下方に垂下した固定面28とを備えている。この固定面28には、適宜の間隔を開けて貫通したネジ孔29が形成されている。ここで、この固定面28の下端縁30は導水路19に向けて望んでおり、これにより化粧部材14の内外を伝わる雨水は軒樋本体13内に誘導される。なお、図では側面26は平滑面とされているが、適宜の凹凸を設けて強度を高めたり意匠性をもたせてもよい。
【0031】
また、支持金具15は金属板を曲折加工して形成されたもので、図4(a)に示すように、木ネジ31又はボルト等で建物に固定するためのネジ孔32を備えた固定部33とその固定部33に一体となって形成された前係止部34と後ろ係止部35とからなる軒樋の吊り下げ部36と、固定部33と前係止部34との間の連結部37から溶接などにより立設されて固定された化粧部材係止部38とより構成される。
【0032】
この化粧部材係止部38は、連結部37と接合された脚部39と、この脚部39から立設されたネジ孔41を備えた固定部42と、この固定部42から連結部43により連結されて化粧部材14の上面25を保持する保持部44とから大略構成される。ここで、この保持部44の先端45は、上面25と係止面24とで形成される屈曲部46に内接されて係止され、固定部42は化粧部材14の固定面28にボルト40等により固定される。
【0033】
つぎに、この支持金具15を用いた組み付け手順の一例を図1に基づき説明する。この建物11では、傾斜した屋根面12のケラバ47に向けて軒樋取付用の駆体壁48が設けられている。支持金具15はこの駆体壁48に木ねじ31等により長手方向に所定の間隔を開けて取り付けられる。
【0034】
軒樋本体13は開口20から前側係止部34を嵌合させて係合耳部21を係合させつつ、後ろ係止部35に係止耳部23を係合させて固定される。
【0035】
また、化粧部材14は、先端45の上から屈曲部46を内接させつつ固定面28を固定部42に衝合させてボルト40をネジ孔29、41を貫通させてナット49により固定する。ここで、このボルト40の中心位置は、軒樋本体13の前方壁17の上端よりΔhだけ高いので、固定や取り外し施工が行いやすい。
【0036】
以上のように構成された軒樋装置10によれば、化粧部材14は軒樋本体13の上方の建物11の前面を化粧しているが、その側面26の高さはケラバの高さ(駆体壁48の上端から屋根面12までの距離)に合わされ、また、上面25は屋根面12と平行に配置されているので、化粧部材14は、建物11全体との一体感あり、これにより、建物11の外観の向上が図れる。
【0037】
また、支持金具15との固定面42の下端縁30は、導水部19の鉛直方向上方に配置されているので、化粧部材14の前側又は後ろ側に降り注いだ雨水は導水路19に誘導されて、地上に落下することがない。ここで、側面26と後退面27とで形成される屈曲部50を軒樋本体13の導水路19の鉛直方向上に配置すれば化粧部材14に降り注いだ雨水は全て導水路19に誘導されて、地上に落下することがない。
【0038】
また、化粧部材14と軒樋本体13とは、支持金具15との固定部が各々独立しているので、軒樋本体13の固定部の設計に化粧部材14の固定を考慮する必要がなく、省スペース化を行いつつ意匠性を高めることができる。
【0039】
また、化粧部材14は、ボルト40により螺合により固定されているので、取り付け取り外し施工が容易であるとともに取り付け取り外しを繰り返して行うこともできるので、軒樋本体内の清掃するのが容易である。
【0040】
また、この化粧部材14は軒樋本体13よりは高い位置で固定されているが、この固定面28は、軒樋本体13の前方壁17よりも後退しかつその固定位置は軒樋本体の前方壁17よりも僅かに高いだけであるので、地上からの目線Eによれば固定面28は視認できない。軒樋本体13と後退面27とによるライン状の線は視認できるがこのライン状の線は全体の意匠性を向上させる。
【0041】
【変形例1】
この変形例1では、実施の形態1の化粧部材14に代えて、図5に示すような形態の化粧部材141が用いられている。この図5において、この化粧部材141は、上面25と係止面24との間に厚みを保持する厚み保持面251を有し、この厚み保持面251は上面25及び係止面24とともにコの字状を形成している。
【0042】
このような化粧部材141は、図4(b)に示すような支持金具151を用いることにより係止される。
【0043】
ここで、吊り下げ部36は、実施の形態と実質的に同一であるので詳細な説明は省略するが、この支持金具151は、図5に示すように、連結部37にバネ片351などを固定して、係止部35とともにこのバネ片351により後方壁18を圧接して固定するように構成してもよい。
【0044】
また、化粧部材係止部38は、その保持部44の上方は曲折され、その曲折部44aの先端45は厚み保持面251と係止面24とで形成される屈曲部46に内接されて係止される。また、固定部42には、固定部42に取り付けられたナット(図示せず)に螺合するボルト40によって、略L字状に折り曲げられた固定板421が固定されている。固定板421の略L字状に折り曲げられた一方の一片はその上端部が切り欠けられて、固定部42の一側面に当接しており、ボルト40を回転させても固定板421が回転しないようになっている。
【0045】
このような支持金具151は、化粧部材141は、先端45の上から屈曲部46を内接させつつ固定面28の先端部を固定部42と固定板421の一片の上端部で挟持させてボルト40を図示しないナットに螺合させて固定する。
【0046】
以上のように構成された軒樋装置10によれば、化粧部材141は軒樋本体13の上方の建物11の側面を化粧しているが、その上面25及び側面26の高さはケラバの高さ(駆体壁48の上端から屋根面12までの距離)に合わされ、また、上面25は屋根面12と平行に配置されているので、化粧部材14及び軒樋本体13は建物11全体との一体感あり、これにより、建物11の外観の向上が図れる。
【0047】
なお、図5における支持金具151では係止部35はバネ片351により固定されるが、軒樋本体13は取り外しの回数が少ないので、このようなバネ片351などにより確実に固定されていても差し支えがない。
【0048】
【変形例2】
この変形例2では、実施の形態1の傾斜屋根12に代えて、図6に示すように、フラット屋根121を備えた建物11に応用する例を示している。なお、この軒樋本体13は、図2に示すものと全く同一である。
【0049】
一方、化粧部材141は屋根121に合わせて自由に変形される。この変形例2では、図7に示すように、長手方向に延びる垂下した係止面24とその係止面24の上端から屈曲して屋根面121と略平行である上面25とその上面25から略直角に曲折された側面26と、その側面26の下端から屈曲して建物11に向かって水平に後退する後退面27と、その後退面27から鉛直方向下方に垂下した固定面28とを備えている。また、側面26の上側26aには、側面26から後退した平行な後退面27a、27bにより凹所が形成され、その凹所には、上部凹所面28aが形成されている。
【0050】
また、支持具152は射出成形等により一体に形成された樹脂製であり、図4(c)に示すように、木ネジ31又はボルト等で建物に固定するためのネジ孔32を備えた固定部33と前係止部34と後ろ係止部35とからなる軒樋の吊り下げ部36と、固定部33及び前係止部34から一体となって立設された化粧部材係止部381とより構成される。この吊り下げ部36の寸法は実施の形態の吊り下げ部36の寸法と略同一である。これにより、実施の形態と同一の軒樋本体13が前係止部34と後ろ係止部35とにより吊り下げ固定されている。
【0051】
また、化粧部材係止部381は、固定面28に固定される固定部42及び上部凹所面28aに固定される上部固定面42aを備え、セルフタッピングビス40,40aにより固定されるようになっている。
【0052】
この支持具152は、建物11の駆体壁48に木ねじ31等により取り付けられ、上端45には、係止面24と上面25とにより形成される屈曲部46が内接されて上部凹所面28aはボルト40aにより上部固定面42aに固定され、固定面28はボルト40により固定面42に固定される。
【0053】
以上のように構成された軒樋装置10によれば、建物11全体と一体感のある化粧部材141により、建物11の外観の向上が図れる。
【0054】
また、後退面27aは逆勾配に配されているので、水切り機能を備え、また、凹所面28aは固定面28と同様に地上から視認されない。
【0055】
また、化粧部材141の前側又は後ろ側に降り注いだ雨水は下端縁30aから導水路19に誘導される。
【0056】
その他の構成及び作用効果は実施の形態1と略同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0057】
これらの変形例により明らかなように、この実施の形態による軒樋装置によれば、軒樋本体と化粧部材との係止部が全く独立しているので、軒樋本体13との係止部である吊り下げ部36を同一規格とした状態で、化粧部材のデザインを所望により自由に変更することができる。
【0058】
以下に、実施の形態で説明した軒樋装置10を、図8に示す建物11に適用した施工例を示す。
[施工例1]
この施工例1は、屋上のルーフガーデンなどに通じる階段に設けられたペントハウス111に適用した例である。
【0059】
ここで、このペントハウス111は、棟部12aから一方向に傾斜した屋根面12を備えて、軒部12bに不図示の駆体壁48を備えている。その軒部12bに沿ってこの発明の軒樋装置10が設置され、その他の棟部12aやケラバと屋根面12との稜線の前方は軒樋装置10の外観と調和させ、一体感をうるためのダミー化粧部材により化粧されている。
【0060】
ここで、軒樋本体13及び化粧部材14は、図9に示すように、支持金具15により支持される。軒樋本体13と軒樋本体13との接続部には集水器51を介して竪樋52が設置されている。この竪樋52は壁面塗装を行うために壁面との間隔を大きくとるように、集水器51の中心が前側に突出されている。軒樋本体13の両末端には内止まり53が設けられている。
【0061】
このダミー化粧部材は、例えば、屋根面12のケラバを化粧するケラバ本体部54、このケラバ本体部54と接続され内止まり53及び化粧部材14の末端を化粧するペントハウス下部55a、棟部を化粧するペントハウス本体56、ケラバ本体部54に接続されてペントハウス本体56の端部を覆うペントハウス上部55bとより大略構成されている。
【0062】
ケラバ本体部54(又はペントハウス本体部56)の長さが短い場合には、この本体部54は、ジョイント57により接続されていてもよい。これらの各本体部は支持具58により固定され、これにより、ペントハウス111の屋根面全周に亘って統一された化粧を施すことができる。
【0063】
これにより、傾斜屋根の所望の位置にこの発明の軒樋装置を備えることができる。また、化粧部材14は軒樋本体13とは独立して固定されているので、必要に応じて単独で取り外すことができる。
[施工例2]
つぎに、図10に示す施工例は、フラット屋根の出入り入り隅のある屋根構造に適用した例であり、変形例2の軒樋装置の施工例である。
【0064】
軒樋本体13及び化粧部材141は、支持具152により支持される。軒樋本体13と軒樋本体13との接続部には集水器51を介して竪樋52が壁面塗装を行うために壁面との間隔を大きくとるように前側に突出して設置されている。
【0065】
軒樋本体13の末端には内止まり53が設けられ、この内止まり53は化粧部材14の末端共々外止まり59により化粧されている。
【0066】
軒樋本体13又は化粧部材141の長さが短い場合には、ジョイント60及び61によりそれぞれ独立して接続されている。また、出隅、入り隅などの曲折部にはそれぞれ、曲がり62、63が軒樋用、化粧部材用として独立して設けられている。
【0067】
これにより、フラット屋根の所望の位置にこの発明の軒樋装置を備えることができる。また、化粧部材141は軒樋本体13とは独立して固定されているので、必要に応じて単独で取り外すことができる。
[施工例3]
つぎに、図11に示す施工例は、屋上に設けられた周囲がフラット屋根121(不図示)により囲まれたルーフガーデンの周囲にこの発明の変形例2の軒樋装置を適用した施工例である。
【0068】
軒樋本体13及び化粧部材141は、支持具152により支持され、軒樋本体13と軒樋本体13との接続部には集水器51を介して竪樋52が設置されている。コーナー部には、入り隅用の曲がり62、63がそれぞれ設けられている。竪樋52にと平行する軒樋本体13、13には、内止まり53、53が設けられ、その内止まり53、53間には伸縮カバー64が設置されている。
【0069】
これにより、フラット屋根で囲まれたスペースの周囲にこの発明の軒樋装置を備えることができる。また、化粧部材141は軒樋本体13とは独立して固定されているので、必要に応じて単独で取り外すことができる。
【0070】
なお、以上の実施の形態では、省スペース化を図るために、ケラバに樋取付用の駆体壁とそれに取り付けるための支持具により説明したが、この発明においては支持具はこの発明の目的及び効果を有するものであればこれに限らない。
【0071】
また、軒樋本体の断面の形状は、コ字状に限らず、U字状、円弧状、その他の異形状であってもよい。
【0072】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1記載の発明によれば、化粧部材は軒樋本体の上方を覆うことになるが、軒樋本体とは独立して取り付け取り外しの行える固定部材により固定されるので、軒樋本体を設置した状態で化粧部材のみを取り外して軒樋本体内のゴミを除去することができる。
【0073】
また、この化粧部材は、軒樋本体とは独立しているので、建物の外形がフラット屋根や傾斜屋根などと異なった場合にも、その異なって外形形状に合わせて化粧部材を設計することができる。
【0074】
また、この化粧部材と軒樋本体とは、離間して配置されるが、地上からは軒樋本体と化粧部材とは一体となって建物を化粧しているように視認させることができる。
【0075】
また、この化粧部材は、軒樋本体の前方壁面と略同一面またはそれよりも前方に突き出るように設置されると伴に、化粧部材の下端には建物に向かって水平に後退する後退面であって前記化粧部材の側面と当該後退面とで形成される屈曲部が前記軒樋の導水路の鉛直上方に配置されるものと該後退面から鉛直方向下方に垂下した固定面とを備え、かつ、該固定面の下端縁は軒樋の導水路の鉛直上方に位置するように設置されるので、化粧部材に付着した雨水等は自重により落下して軒樋本体内に誘導させることができる。
これにより、意匠性を有する化粧部材を備えるとともに、省スペース性と施工性、保守性を備えた軒樋装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の軒樋装置を側面よりみた概略納まり断面図である。
【図2】 図1の部材である軒樋本体を説明する斜視図である。
【図3】 図1の部材である化粧部材を説明する斜視図である。
【図4】 本図4(a)〜(c)は、発明に係る支持具を説明する斜視図である。
【図5】 本発明の変形例1に係る軒樋装置を説明する部分模式図である。
【図6】 本発明の変形例2に係る軒樋装置を側面よりみた概略納まり断面図である。
【図7】 図6の部材である化粧部材を説明する斜視図である。
【図8】 本発明の施工例を説明するための建物の概略を説明する斜視図である。
【図9】 本発明の軒樋装置の施工例を説明する部品分解図である。
【図10】 本発明の軒樋装置の施工例を説明する部品分解図である。
【図11】 本発明の軒樋装置の施工例を説明する部品分解図である。
【図12】 従来の軒樋支持装置の概略を説明する断面図である。
【符号の説明】
10 軒樋装置
11 建物
12 屋根面
13 軒樋本体
14 化粧部材
15 支持具
40 固定部材

Claims (1)

  1. 建物に対して横方向に設置され、該建物に降った雨水を受ける軒樋本体と、該軒樋本体とは離間した上方位置に設置される化粧部材と、前記軒樋および前記化粧部材を各々独立して脱着可能に支持する支持具とを、有する軒樋装置において、
    前記化粧部材は、前記軒樋本体の前方壁面と略同一面またはそれよりも前方に突き出るように設置されると伴に、前記化粧部材の下端には前記建物に向かって水平に後退する後退面であって前記化粧部材の側面と当該後退面とで形成される屈曲部が前記軒樋の導水路の鉛直上方に配置されるものと該後退面から鉛直方向下方に垂下した固定面とを備え、かつ、該固定面の下端縁は前記軒樋の導水路の鉛直上方に位置するように設置されることを特徴とする軒樋装置。
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