JPS6229571Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は下枠に張出し台と手摺格子を一体状
に備えたサツシに関するものである。

従来、窓の障子摺動面よりも屋外側に設けられ
るものには、濡れ縁、手摺、面格子等がある。濡
れ縁はこの上に人が乗つたり、腰を掛けたりする
ことができるように、比較的大きい幅と、大きい
支持強度を有しなければならない。従来の濡れ縁
は、この要請に応えるため、サツシとは別体に作
られ、かつ、木製である。従つて、メーカ、取付
業者がサツシのそれと異なるので、製造コスト、
取付け費用が高くつくとともに、金属製サツシが
あるために却つて濡れ縁の堅牢な取付けが困難で
あり、さらに風雨、日光に曝されるため老朽化が
早いという欠点があつた。また、濡れ縁のように
突出幅の大きいものに、手摺を取付ける場合に
も、安全かつ堅牢な手摺を容易に取付けることは
困難であり、手摺を金属製にしても濡れ縁が木製
では老朽化したときは手摺が落下し易くなり、却
つて危険性が高くなる。また、従来は、手摺格子
の水平部に腰を掛けたり、物置き台として使用す
るため、手摺格子水平部上面に板を敷くなどして
いるが、適合する板を入手する煩わしさがあり、
かつ、使用時に浮き立ち、又は風に扇られて手摺
にぶつかつて騒音を発生し、あるいはガラスを破
損するおそれがある。

さらに、窓に張出し台を設けた場合にも、防犯
のため、あるいは装飾のため、面格子を備えるこ
とを要望される場合がある。しかし、従来の木製
張出し台には、面格子を直接取付けることは、強
度上無理であつたから、面格子を取付けるには、
サツシ又は張出し台とは別個の格子取付部材を建
物に固設し、その部材により面格子を支持してい
た。従つて、面格子の取付けに多くの材料費及び
取付費がかかる欠点があつた。

この考案はサツシ下枠に張出し台と手摺の格子
を一体状に設けることにより、上記諸欠点を排除
することを目的とする。

次に、この考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

下枠Ｓには取付縁１の上部から、下枠の全長に
わたつて屋外方向に延在する板状の張出し縁２が
一体に設けてある。張出し縁２の取付縁１に近い
部分２ａは排水性向上のため屋外方向に下り傾斜
されており、その傾斜部分の下面に中空部２ｂを
形成して、傾斜部分よりも屋外側にある平坦部分
２ｃに加わる荷重に対する強度を補強してあり、
かつ、その中空部２ｂの屋外側における下部に水
切縁３を設け、その水切縁と取付縁１との間に下
方開口凹溝４を形成して外壁又は外装材Ｗの上部
見切部を受けるようにしてある。張出し縁の先端
部にも水切縁５を設けるとよい。

前記平坦部分２ｃはこの上に腰を掛けたり、植
木鉢その他の物品を載置できる程度の幅を有す
る。そして、この平坦部分には雨水を排出し、塵
埃を掃き出し、又は吹き落ろし風もしくは扇り風
の圧力を抜くなどのために、孔を適宜の間隔をも
つて配設してもよい。この孔の形状、及び分布状
態により、張出し縁２の上面に任意の装飾効果を
付与することができる。

６は張出し縁の長手方向に間隔をもつて配設さ
れた補強金具である。前記張出し縁２の下面に当
接され、張出し縁に加わる荷重を直接受ける上辺
部６ａと、この上辺部の屋内側端部から前記張出
し縁の中空部２ｂの外側面に当接して下方に延び
る基部６ｂと、前記上辺部６ａの屋外側端部から
前記基部６ｂの下端部まで直線的に延びる下辺部
６ｃとからトラス構造をなして、張出し縁２に大
きな荷重が加わつても充分にこれに耐えて支持し
うる強度を有している。必要ならば、上辺部６ａ
と下辺部６ｃとの間に、垂直の補強部６ｄを設け
てもよい。そして、補強金具６は張出し縁２の上
面よりねじ込まれるねじにより、張出し縁２に固
着してある。

前述のように、張出し台Ａは張出し縁２と複数
個の補強金具６とで構成したから、張出し台には
軽量物品を載置できるばかりでなく、重量物も載
置できるし、これに腰を掛けることもできる。補
強金具の数を増加すれば、張出し台の強度はさら
に増大できる。

そして、下枠には補強用中空部２ｂが設けら
れ、その外側面は外壁Ｗの屋外側面よりも屋外側
に設けてあるから、この中空部は外装の見切り受
けもするとともに、補強金具６の一端を当接して
取付けてあるから、補強金具が外装施工の邪魔に
ならず、しかも張出し縁の支持強度が大きい。

第１図に示した実施例では張出し縁２をサツシ
下枠Ｓに一体に成形してある。従つて、現場で窓
枠の枠組みをする場合には、枠組み作業のみで張
出し縁も備えられるから、窓枠の取付け及び張出
し台の取付け施工に要する時間が短縮され、外観
上も優れている。しかし、予め窓枠の枠組みをす
る場合は、現場までの運搬時に死空間が生じ易い
こと、及び張出し縁が外力により変形、折曲され
易いことなどの難点を有することとなる。そこ
で、張出し縁２を下枠Ｓとは別体に形成するとと
もに、下枠Ｓ及び張出し縁２にそれぞれ上下一対
の係止縁を設けて、窓枠の取付後に、張出し縁２
を簡単に係止し、ねじで下枠に固着するようにし
てもよい。

前記張出し台Ａには、前記張出し縁２の下側部
に、中空部２ｂから屋外方向に突出する突縁２ｇ
と張出し縁２ｃとによつて、屋外方向に開口する
凹溝２ｈを形成し、その凹溝に格子７の端部を嵌
合するとともに、前記突縁２ｇからねじ８をねじ
込むことにより、張出し台Ａに手摺Ｂを容易に取
付けることを可能にしている。手摺Ｂの笠木９は
上面コ字形をなし、その長手方向両端部を既知の
技術により建物外壁又は図示されていないサツシ
縦枠に固着してある。笠木９は下方開口の凹溝１
０を有し、その凹溝に棒状、又は管状の前記格子
７の上端部を嵌合し、前記凹溝を形成している内
側壁１１からねじ１２をねじ込んで前記格子７を
笠木に固着している。

上述のように、この考案によれば、張出し台は
下枠の取付縁から屋外方向に板状に延出する張出
し縁を形成するとともにその張出し縁の屋内側端
部に前記取付縁との間に補強中空部を形成し、前
記補強中空部の下部より屋外方向に突出する突縁
を形成してその突縁と前記張出し縁との間に屋外
方向に開口する凹溝を設け、前記張出し縁の下面
を支持する補強金具を、その屋内側端部を前記凹
溝に嵌合当接した状態で、張出し縁の長手方向に
間隔をもつて複数個配設連結して構成されている
から、張出し縁に加わる荷重は直接に、又は補強
金具を介して、張出し縁の補強中空部に受けられ
るため、張出し縁の支持強度が非常に大きく、例
えば、張出し台上に物を置いたり、人が腰かけた
り、あるいは大雪が降りつもつたりしても、十分
に耐えうる強度を備えている。

また、張出し台は下枠の取付縁の屋外側に、補
強中空部を有し、その補強中空部の屋外側面に凹
溝を備えて、その凹溝に補強金具が嵌合当接した
状態で取付けられ、かつ、手摺格子の端部が前記
凹溝を形成する突縁に固着されるので、建物の外
壁の施工は補強中空部の見切り作用により容易に
行なうことができ、しかも、補強金具の取付け及
び手摺格子の接続が外壁施工に関係なく、行なう
ことができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の断面図である。 Ｓ……下枠、Ａ……張出し台、Ｂ……手摺、２
……張出し縁、２ｇ……突縁、２ｈ……凹溝、６
……補強金具、７……格子、９……手摺笠木。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下枠の取付縁から屋外方向に板状に延出する張
   出し縁を形成するとともにその張出し縁の屋内側
   端部に前記取付縁との間に補強中空部を形成し、
   前記補強中空部の下部より屋外方向に突出する突
   縁を形成してその突縁と前記張出し縁との間に屋
   外方向に開口する凹溝を設け、前記張出し縁の下
   面を支持する補強金具を、その屋内側端部を前記
   凹溝に嵌合当接した状態で、張出し縁の長手方向
   に間隔をもつて複数個配設連結して張出し台を構
   成し、手摺の格子の端部を前記凹溝に嵌合して前
   記突縁に固着していることを特徴とするサツシ。