JP4447273B2 - 銀インク及びその銀インクの製造方法 - Google Patents

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本件出願に係る発明は、銀インク及びその銀インクの製造方法に関する。特に、インクジェット法による回路形成に好適な銀インクを提供する。
従来から、銀インクは、セラミック基板と同時焼成する事によって回路形成を行う等の相対的に高温での焼成用途の他、特許文献1に開示されているように、プリント配線板の配線回路、ビアホール充填、部品実装用接着剤等の種々の樹脂成分と混合して硬化して用いるような用途が存在している。後者のような用途においては、導電フィラーとしての銀粉の粉粒同士が焼結することなく、粉粒同士の接触のみで電気的導電性を得るというのが一般的であった。
ところが、近年は、銀粉を用いて形成する回路幅や配線膜厚等が著しく微細なものとなってきたため、銀粉を用いて形成した導体に対する電気的低抵抗化のみならず、高い接続信頼性を得ることも要求されるようになってきた。従来法により製造される銀インクは、粉粒同士の接触のみにより導電性を得ているため、低温で微細な配線を形成した場合に高い接続信頼性を得ることが出来ない。よって、銀粉の粉粒同士が低温で焼結し良好な電気的導電性を確保できる銀インクへの要求が高まってきた。一般に、このような要求に応えるには、導電フィラーである銀粉の粉粒の微粒化によって焼結温度を下げようと考えるのは当然である。
従来からの銀粉の製造には、特許文献2に記載したように硝酸銀溶液とアンモニア水とで銀アンミン錯体水溶液を製造し、これに有機還元剤を添加する湿式還元プロセスが採用され、これを銀インクに加工して用いられてきた。そして、この従来の銀粉以上の低温焼結性を確保しようと、特許文献3に開示されているような、銀ナノ粒子を含む銀インクが提唱されてきた。
特開2002−324966号公報 特開2001−107101号公報 特開2002−334618号公報
しかしながら、銀粉を含む金属粉では、一般的に粉粒の微粒化と粉粒が単分散により近いという意味での分散性の両立は困難と言われている。例えば、上記特許文献1に開示されているような、銀ナノ粒子を含む銀インクの場合には、ナノ粒子の分散性を安定化するためには保護コロイドとして多量の分散剤を添加するのが一般的である。かかる場合、銀ナノ粒子の焼結温度よりも分散剤の分解温度が高いのが一般的であり、銀ナノ粒子自体の低温焼結特性を充分に生かしきれないものとなる。
また、銀ナノ粒子の銀インクの場合、従来のペーストよりもフィラーの含有量が大幅に低いため、薄膜形成は容易であっても厚膜を形成することが難しく、比較的大電流を流す電源回路の配線形成用途、又は低抵抗回路用途への適用が困難となる。さらに実装部品の接着剤用途では導電性と共に接着強度に対する要求も厳しく、硬化により強い接着強度を発揮する樹脂を一定量以上添加する事が不可欠であり、そのため銀ナノ粒子のインクでは対応できない部分が多く存在したのである。
一方、従来の一般的な銀ペーストに使用されてきたレベルの銀粉では、その粒径から低温焼結性に限界があった事は言うまでもない。なぜなら、従来の製造方法で得られる銀粉の粉粒は、その一次粒子の平均粒径DIAが通常は0.6μmを超え、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による平均粒径D50は1.0μmを超え、D50/DIAで表される凝集度が1.7を超えるのが実情であった。そのため、近年のファインピッチ化した回路形成等にも不向きであった。
また、従来の銀粉を用いた低温硬化型(加熱温度が300℃以下)の銀ペーストにおいても、より高い接続信頼性を得るためには、低結晶性の銀粉を用いて焼結性能を向上させることが好ましいとされてきた。しかし、低結晶性の銀粉を得るためには、製造条件上、還元の速い反応系を採用せざるを得ず、その結果、結晶性は低いものの、凝集の著しい銀粉しか得られなかった。従って、市場では、低温焼結性を備え、且つ、従来にない微粒の銀粉であって、しかも粉粒の凝集の少ない良好な分散性を備えた銀粉の供給が求められてきたのである。
また、一方では、銀粉に不純物量の少ないことが求められてきた。即ち、銀粉の製造は、上述した湿式還元プロセスが採用されており、そのプロセスで使用する還元剤等が銀粉の粉粒表面に残留するのである。従って、従来の製造方法を採用する以上、不可避的な問題であった。そして、銀粉の不純物量が増加すると、その銀粉を用いて形成した導体の電気的抵抗が増加するのである。
その結果、市場では銀インクに対し、従来にない低温焼結性を備えることが望まれてきたのである。またインクジェット法を用いて回路等の形状を引き回すときのインクジェットノズルは、微細回路を精度良く描くために非常に細く設計されており、銀インクに含まれる銀粉が微粒で、且つ、高分散であることが望まれてきたのである。しかも、銀インクには、低抵抗を実現するための不純物含有量が少ないという要求が行われてきたのである。なお、本件発明においては、「銀インク」という用語を主体的に使用しているが、市場で言う「銀ペースト」を含む概念として使用している。市場において、銀インクと銀ペーストとは粘度において相違しているが、溶媒を構成する成分として考えたときに大きな差異はなく、配合量が異なるのみで、共通する成分を用いる場合もあるからである。従って、特許請求の範囲においては「銀インク」という用語で統一し、以上及び以下の説明でも「銀インク」と称している。
そこで、本件発明者等は、鋭意研究を行った結果、以下に述べる銀インクを採用することで、上述した課題を解決するに到ったのである。以下、「銀インク」と「銀インクの製造方法」とに分けて説明する。
<銀インク>
本件発明に係る銀インクは、「銀粉と溶媒と粘度調整剤とからなる銀インクにおいて、当該銀粉は、走査型電子顕微鏡像の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DIAが0.6μm以下であり、当該溶媒は、ポリオール類からなり、当該ポリオール類は、沸点又は分解点が330℃以下であるエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,7−ペプタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリンから選ばれる一種又は二種以上であり、当該粘度調整剤は、水、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールのいずれか一種又は二種以上からなることを特徴とした回路形成用の銀インク。」である。
まず、銀粉に求められるのは、走査型電子顕微鏡像の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DIAが0.6μm以下というものである。銀粉の粉粒自体が微細なものでなければ、いかに溶媒組成を工夫しようとも低温焼結性は得られないからである。ここで、「走査型電子顕微鏡像の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DIA」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察される銀粉の観察像(本件発明にかかる微粒銀粉の場合には倍率10000倍、従来の銀粉の場合は倍率3000〜5000倍で観察するのが好ましい。)を画像解析することにより得られる平均粒径のことである。なお、本件明細書における走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察される微粒銀粉の画像解析は、旭エンジニアリング株式会社製のIP−1000PCを用いて、円度しきい値10、重なり度20として円形粒子解析を行い、平均粒径DIAを求めたものである。この微粒銀粉の観察像を画像処理することにより得られる平均粒径DIAは、SEM観察像から直接得るものであるため、一次粒子の平均粒径が確実に捉えられていることになる。本件発明で言う微粒銀粉のDIAは、本件発明者らが観察する限り0.01μm〜0.6μmの範囲に殆どが入ってくるが、現実には更に微細な粒径のものが確認できる場合もあり、下限値を敢えて明記していないのである。
以上に述べた銀粉を用いて銀インクを製造するための溶媒としてポリオール類を用いるのである。ここで言うポリオール類とは還元糖等に代表されるものであり、特に限定を要するものではない。しかしながら、ポリオール類の選定に当たっては、本件発明に係る銀インクの低温焼結性を得るために用いる銀粉が、その粉体自体の250℃以下の温度で焼結できるものであり、その低温焼結性を有効に活用することを考えなければならない。そこで、本件発明者等の、鋭意研究の結果、現実の焼成環境下では、ポリオール類には、「沸点又は分解点が330℃以下であるポリオールから選ばれる一種又は二種以上」を用いることが好ましいことが判明してきた。溶媒の沸点又は分解点が330℃を超えると、250℃以下の温度での加熱による脱媒が困難となるが、溶媒の沸点又は分解点が330℃以下であれば、工業的生産性を著しく損なうことなく、加熱時間を長めに設定することで脱媒が可能となるのである。
この「沸点又は分解点が330℃以下であるポリオール」とは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,7−ペプタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリンである。これらから選ばれる一種又は二種以上を混合して用いることが好ましい。ここに掲げた化合物の一種又は二種以上を混合して用いることで、本件発明で用いる銀粉の分散性を良好に維持して、銀インクの品質安定性が向上し、長期保存性能が向上するのである。また、銀インクの粘度コントロール等を考慮して、複数の粘度の異なる化合物の二種以上を混合して用いることが有利な場合がある。ここで、「沸点又は分解点」としているのは、ポリエチレングリコールのように沸点を持たないものに関しては、分解点を考慮する以外にないからである。
一方、本件発明に係る銀インクを用いた回路等の低温焼結性を更に向上させるためには、銀粉の焼結可能温度と、上述のポリオール類の脱媒温度との整合性を考慮して、双方の温度が可能な限り近接するものとしておけば、銀粉の粉粒の焼結とほぼ同時に脱媒が完了することとなり、より好ましいのである。そこで、上述したポリオール類の中でも、沸点又は分解点が250℃以下であるポリオールを用いるのである。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、オクタンジオールである。これらから選ばれる一種又は二種以上を混合して用いることが好ましい。ここに述べた沸点又は分解点が250℃以下のポリオール類を用いることで、銀インクに含まれる銀粉が250℃以下の低温で焼結されるまでに、脱媒が完了する可能性が高くなり、焼結完了後の余分な脱媒のための加熱時間を採る必要性が少なくなり、製造のランニングコストを削減することが可能となるのである。また、上述してきたポリオール類は、その融点が30℃以下のものを選択的に用いることが更に好ましい。融点が30℃以下であれば、室温レベルにおいての混合作業が容易であり、取り扱いが容易だからである。
そして、上述してきた銀インクの粘度調整剤としては、水、ケトン類、アルコール類のいずれか一種又は二種以上を用いることが好ましいのである。粘度調整剤としての水は、沸点が100℃であり、純水等を使用することで、そこに含まれる不純物量も制御が容易なものである。ポリオール類と水とを組み合わせて用いることで、分散剤を全く用いることなく銀インク中の銀粉の高い分散性を確保して、従来に無い高品質の銀インクを得ることが可能となるのである。更に、銀インクの粘度調整剤として、ケトン類、アルコール類を用いることが好ましい。このケトン類、アルコール類とは、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等であり、ポリオール類との相溶性を持つものであれば良いのである。
以上に述べた粘度調整剤としての、水、ケトン類、アルコール類は、これらの一種又は二種以上のものを同時に用いても構わないのである。粘度調整剤は、焼結加工時の脱媒過程において、いち早く除去可能なものであり、しかも、焼結した導体内に残留する不純物を最小限にとどめることのできるものでなければならない。このような観点から、粘度調整剤としては、沸点が150℃以下である水、アセトン等を用いることが好ましいのである。また、この粘度調整剤の添加のタイミングに関して特に限定はなく、工程の特質を考慮して任意に定めればよいのである。以上に述べたような粘度調整剤を用いることで、銀インクとしての粘度は、ズリ速度100/秒において40000cP以下という、インクジェット法又はスクリーン印刷法による回路形成用の銀インクとして理想的な粘度範囲に調整することが可能となるのである。
更に、インクジェット法で回路を形成する場合には、インクジェットノズルへの銀インクの目詰まり防止する観点から考えると、銀粉には「走査型電子顕微鏡像の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DIAが0.6μm以下」という条件と、レーザー回折散乱式粒度分布測定法によるDmaxが1μm以下であることが好ましいのである。インクジェットノズルの径は、可変のものではなく固定径を持つものであるから、粒度分布にバラツキが無く、シャープな分布を持つ方がインクジェットノズルの目詰まりを防止しやすいからである。本件発明者等の確認したところ、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による粒度分布のDmaxが1μm以下となると、インクジェットノズルの目詰まりが殆ど起こらなくなり、描いた回路形状のカスレ等の不良が見られなくなるのである。また、スクリーン印刷法においても、銀インクがスクリーンメッシュを透過して基板表面に回路形状を描くのであるから、粒度分布にバラツキが無く、シャープな分布を持つ方がメッシュの目詰まりを防止しやすくなる。そして、スクリーン印刷法で形成される回路にも微細化が進行しており、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による粒度分布のDmaxが1μm以下となるとメッシュの目詰まりも起こさず、良好なファインピッチ回路の歩留まりが飛躍的に向上するのである。
更に、銀粉は、凝集性の低い微粒の銀粉であることが望まれる。以上の述べてきた粉体特性に加え、以下のa.及びb.の粉体特性を備えることで、インクジェットノズルの目詰まりを起こさない確率が飛躍的に高まるのである。
a.の特性は、本件発明で用いる銀粉が、従来の銀粉に無いほど微粒で、高い分散性を示すことから、この分散性を示す指標として「凝集度」を用いたのである。本件明細書で言う凝集度とは、前記一次粒子の平均粒径DIAと、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による平均粒径D50とを用いてD50/DIAで表される値のことである。ここで、D50とは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法を用いて得られる体積累積50%における粒径のことであり、この平均粒径D50の値は、真に粉粒の一つ一つの径を直接観察したものではなく、凝集した粉粒を一個の粒子(凝集粒子)として捉えて、平均粒径を算出していると言えるのである。即ち、現実の銀粉の粉粒は、個々の粒子が完全に分離した、いわゆる単分散粉ではなく、複数個の粉粒が凝集した状態になっているのが通常と考えられるからである。しかしながら、粉粒の凝集状態が少なく、単分散に近いほど、平均粒径D50の値は小さなものとなるのが通常である。本件発明で用いる微粒銀粉のD50は、0.25μm〜0.80μm程度の範囲となり、従来の製造方法では全く得られなかった範囲の平均粒径D50を持つ微粒銀粉となるのである。
これに対し、「走査型電子顕微鏡像の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DIA」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察される銀粉の観察像を画像解析することにより得られる平均粒径のことであり、凝集状態を考慮することなく一次粒子の平均粒径が確実に捉えられているものである。
この結果、本件発明者等は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法の平均粒径D50と画像解析により得られる平均粒径DIAとを用いて、D50/DIAで算出される値を凝集度として捉えることとしたのである。即ち、同一ロットの微粒銀粉においてD50とDIAとの値が同一精度で測定できるものと仮定して、上述した理論で考えると、凝集状態のあることを測定値に反映させるD50の値は、DIAの値よりも大きな値になると考えられる。このとき、D50の値は、微粒銀粉の粉粒の凝集状態がなくなるほど、限りなくDIAの値に近づいてゆき、凝集度であるD50/DIAの値は、1に近づくことになる。凝集度が1となった段階で、粉粒の凝集状態が全く無い単分散粉と言えるのである。
そこで、本件発明者等は、凝集度と各凝集度の微粒銀粉を用いて製造した微粒銀インクの粘度、焼結加工して得られる導体の表面平滑性等との相関関係を調べてみた。その結果、極めて良好な相関関係が得られる事がわかったのである。このことから分かるように、微粒銀粉の持つ凝集度をコントロールしてやれば、その微粒銀粉を用いて製造する銀インクの粘度の自由なコントロールが可能となると判断できるのである。しかも、凝集度を1.5以下にしておけば、銀インクの粘度、焼結加工後の表面平滑性等の変動を極めて狭い領域に納めることが可能となることが分かったのである。また、凝集状態が解消されていればいるほど、その銀インクを用いて焼結させて得られる導体の膜密度が向上し、結果として形成した焼結導体の電気的抵抗を低くすることが可能となるのである。
また、現実に凝集度を算出してみると、1未満の値を示す場合もある。これは、凝集度の算出に用いるDIAを真球と仮定しているからと考えられ、理論的には1未満の値にはならないのであるが、現実には、真球ではないがために1未満の凝集度の値が得られるようである。
b.の特性は結晶子径が10nm以下というものであり、この結晶子径と焼結開始温度とは、非常に密接な関係を有するものである。即ち、平均粒径が同等の銀粉同士で対比すれば、結晶子径が小さなものであるほど、低温での焼結が可能となるのである。従って、本件発明にかかる微粒銀粉のように微粒であるが故に表面エネルギーが大きく、しかも、10nm以下という小さな結晶子径を備えることで、焼結開始温度を低温化することができるのである。ここで、結晶子径に関して下限値を設けていないが、測定装置、測定条件等により一定の測定誤差が生じるためである。また、結晶子径が10nmを下回る範囲での測定値に高い信頼性を求めることが困難であり、敢えて下限値を定めるとしたならば、本件発明者らの研究の結果得られた2nm程度であると考える。
上述してきた粉体特性を備える微粒銀粉を用いた銀インクは、焼結温度という特性から見ると、250℃以下の温度で焼結可能という低温焼結性を備えるものとなるのである。また、この焼結温度に関しても下限値を特に規定していないが、本件発明者等の行った研究及び一般的な技術常識を考慮すれば、150℃を下回る焼結開始温度を得ることは殆ど不可能であり、下限値に相当する温度であると考えている。
<製造方法>
銀インクの製造方法: 本件発明に係る銀インクの製造方法は、銀粉と溶媒とを混合して、溶媒中に銀粉の粉粒を分散させる際の手法を工夫することにより、銀インク中の銀粉の粉粒の分散性を更に高める方法を採用したのである。
湿式法で製造した銀粉は、どのような製造方法を採用しても、粉粒の凝集状態が一定のレベルで不可避的に形成される。そこで、この凝集した状態の粉粒を、一粒一粒の粉粒に分離する分散処理を行うことで、銀粉の粉粒の凝集状態を制御することが可能なのである。
単に分散処理を行うことを目的とするのであれば、分散の行える手段として、高エネルギーボールミル、高速導体衝突式気流型粉砕機、衝撃式粉砕機、ゲージミル、媒体攪拌型ミル、高水圧式粉砕装置等種々の物を用いることが可能である。ところが、銀粉と溶媒との混合性及び銀インク中での粉粒の分散性を確保するためには、分散処理を行うことによって、銀インクとして不必要な増粘の起こらないようにすべきである。銀インクの不必要な増粘を回避するためには、誘電体フィラーの粉粒の比表面積が小さく、滑らかなものとすることが求められる。従って、分散処理は可能であっても、分散処理時に粉粒の表面に損傷を与え、その銀粉の比表面積を増加させるような分散手法であってはならないのである。
このような認識に基づいて、本件発明者等が鋭意研究した結果、銀粉の粉体の粉粒が装置の内壁部、攪拌羽根、粉砕媒体等の部分と接触することを最小限に抑制し、凝集した粉粒同士の相互衝突を行わせることで、分散処理を行うと良好な結果が得られるのである。粉粒が、装置の内壁部、攪拌羽根、粉砕媒体等の部分と接触することは粉粒の表面を傷つけ、表面粗さを増大させ、真球度を劣化させるのを防止するのである。そして、十分な粉粒同士の衝突を起こさせることで、凝集状態にある粉粒を分散処理し、同時に、粉粒同士の衝突による粉粒表面の平滑化の可能な手法を採用するのである。このような技術的思想に基づいた分散手法として、湿式分散機(乳化機を含む)を用いる方法が好適となるのである。以下、具体的手法に関して説明する。
分散処理を行うときの具体的手法の一つには、銀粉を溶媒中に分散させ銀インクとした状態で、湿式分散機の一種である遠心力を利用した流体ミルを用いて銀粉を分散処理するのである。ここで言う「遠心力を利用した流体ミル」とは、当該銀インクを円周軌道を描くように高速でフローさせ、このときに発生する遠心力により凝集した銀粉の粉粒同士を溶媒中で相互に衝突させ、分散処理を行うのである。このようにして、銀インク中に含まれる銀粉の分散処理及び粉粒表面の平滑化が可能となるのである。
また、銀インク中の銀粉の粉粒の分散手法として、湿式分散機の一種である高速旋回薄膜法を採用することが好ましいのである。この高速旋回薄膜法に関して簡単に説明する。この方法に用いる装置は、円筒状攪拌槽の内部に内壁と略同等の径の攪拌羽根を備えた攪拌装置であり、その攪拌槽底部に原料スラリー(本件発明では「銀インク」)等を注入し、攪拌羽根を高速回転させることでサイクロン流を作りだし、原料スラリーが旋回運動を始め、原料スラリーが攪拌槽の内壁面に沿って旋回薄膜を形成するものである。この旋回薄膜は、遠心力による加速度で大きな力を受けて容器内壁に押しつけられることで、銀インク中に含まれた銀粒子が容器の内壁面を転がり、凝集した粉粒の表面から解れるようにして分散処理が可能となるのである。係る場合には、粉粒と内壁面とが衝突するのではなく、転がりながら接触するため、粉粒表面の損傷は起こりにくく銀粉の比表面積を増加させるものとはならず、むしろ粉粒の表面平滑化効果が期待できるのである。
この高速旋回薄膜法を用いることによる効果は、銀インク中の銀粉の粉粒の凝集状態を解消する分散効果、当該銀粉の粒度分布をシャープにする効果及び通常の攪拌分散法を採用した場合に多く見られる再凝集が起こりにくくなるのである。特に、再凝集が起こりにくいと言うことは、銀インクの長期保存が可能と言うことになる。ここに述べた効果は、上述した流体ミルを用いた場合でも同様に得ることが出来るが、高速旋回薄膜法を用いることで顕著なものとなるのである。
以上に述べてきた銀インクの製造方法は、湿式分散機を用いることで、「銀粉と溶媒との混合」と「銀粉の粉粒の分散処理」とを同時に行うことの出来る方法であり、銀インクの生産効率が高く、生産コストの削減が容易となる。しかしながら、当初用いた銀粉の凝集度合いによっては、湿式分散処理機を用いて分散処理を行った後にも、銀インクの内部には銀粉の粗粒が存在する可能性が考えられる。特に、インクジェット法又はスクリーン印刷法で回路形状等を描く用途の場合には、銀インクの内部に包含された銀粉の粒度分布がシャープであることが、インクジェットノズル又はスクリーンメッシュの目詰まり防止に有用であり、更に、描かれる回路の形状安定性の確保の観点からは好ましいものである。
従って、銀インク中に含まれた銀粉の粒度分布を、よりシャープなものとするため、上述した湿式分散処理を施した銀インクに対し、更に濾過処理を施すことにより、粗粒除去を行うことで、より高品質のインクジェット法及びスクリーン印刷法による回路形成用の銀インクを得ることが可能となるのである。この濾過処理を行う際の手法に関しては、特に限定はなく、目的とする粒度分布、濾過速度等を考慮して任意に選択して使用すればよいのである。
銀インクに用いる銀粉の製造方法: 本件発明に係る銀インクは、銀粉に、走査型電子顕微鏡像の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DIAが0.6μm以下である微粒銀粉を用いることが前提である。しかも、上述の銀インク製造方法の説明から理解できるように、当初から微粒で且つ高分散の銀粉を使用することができれば、極めて有利なものとなる。従って、以下に述べる手法で得られる微粒銀粉を用いることが好ましいのである。
銀粉製造方法1: 本件発明者等は、従来の硝酸銀水溶液とアンモニア水とを混合して反応させ銀アンミン錯体水溶液を得て、これに還元剤を添加することにより銀粒子を還元析出させ、濾過、洗浄、乾燥させるという製造方法を基本として、その製造方法に創意を凝らすことで、従来の製造方法では得ることのできないレベルの微粒銀粉を得たのである。
この銀粉の製造方法は、硝酸銀水溶液とアンモニア水とを混合して反応させ銀アンミン錯体水溶液を得て、これと有機還元剤とを接触反応させて銀粒子を還元析出させ、濾過、洗浄、乾燥させて銀粉を製造する方法において、添加後において希薄な濃度となる還元剤量、硝酸銀量、アンモニア水量を用いるという点が大きな特徴である。従来、還元剤溶液と銀アンミン錯体水溶液とは槽内で一括して混合されるのが一般的であり、そのため一般的に銀濃度を10g/l以上の濃度とするため、多くの硝酸銀量、還元剤量及びアンモニア水量を添加しなければ、設備の規模に対する生産性を確保することが出来なかったのである。
この製造方法において最も重要な特徴は、銀アンミン錯体水溶液と有機還元剤とを接触反応させた後の有機還元剤濃度が低く、生成した銀粉の粉粒表面に吸着残留したり、粉粒の成長過程で粉粒内部に取り込まれる有機還元材料を低減化できる点にある。従って、この混合後の溶液において、銀濃度が1g/l〜6g/lとしたのに対して、有機還元剤濃度を1g/l〜3g/lに維持することが、最も好ましいのである。
ここで、銀濃度と還元剤量とは比例的な関係にあり、銀濃度が高いほど量的に多くの銀粉を得ることが可能となるのは当然である。しかし、ここでの銀濃度が6g/lを超えるものとすると、析出する銀粒子が粗粒化する傾向があり、何ら従来の銀粉と変わらない粒径となり、本件発明で言う高分散性を備えた微細銀粉を得ることができなくなるのである。これに対し、ここでの銀濃度が1g/l未満となると、微粒銀粉としてきわめて細かなものが得られるものの、微細になりすぎて吸油量が増大し、インク粘度の上昇を招くため、溶媒量を増加させる必要が生じ、最終的に形成した焼結導体の膜密度が低く、電気抵抗が上昇する傾向が生じるのである。加えて、必要となる工業的生産性を満足しないものとなるのである。
そして、上記銀濃度が1g/l〜6g/lとしたのに対して、有機還元剤濃度を1g/l〜3g/lに維持することが、微粒銀粉を歩留まり良く得るには最も適した条件となる。ここで、有機還元剤濃度を1g/l〜3g/lとしているのは、銀アンミン錯体水溶液の銀濃度との関係において微粒の銀粉を得るのに最も適した範囲として選択するのである。有機還元剤濃度が3g/lを超えると、銀アンミン錯体水溶液に対し添加する還元剤液量は少なくなるが、還元析出する銀粉の粉粒の凝集の進行が著しくなり始め、粉粒に含まれる不純物量(本件発明では、不純物量を炭素含有量として捉えている。)が急激に多くなり始めるのである。一方、有機還元剤濃度を1g/l未満とすると、使用する還元剤のトータル液量が増大し、廃水処理量も大きくなり、工業的経済性を満足しないものとなるのである。
ここで言う「有機還元剤」とは、ヒドロキノン、アスコルビン酸、グルコース等である。中でも、有機還元剤にはヒドロキノンを選択的に使用することが望ましい。特に、ヒドロキノンは、他の有機還元剤と比べて比較的に反応性に優れ、結晶子径が小さな低結晶性の銀粉を得るために最も適した反応速度を備えるものと言えるのである。
そして、前記有機還元剤と組み合わせて他の添加剤を用いることも可能である。ここで言う添加剤とは、ゼラチン等の膠類、アミン系高分子剤、セルロース類等であり銀粉の還元析出プロセスを安定化させ、同時に一定の分散剤としての機能を果たすものであることが望ましいのであり、有機還元剤、工程の種類等に応じて適宜選択的に使用すれば良いのである。
そして、以上のようにして得た銀アンミン錯体水溶液と還元剤とを接触反応させ微粒銀粉を還元析出させる方法において、本件発明では、図1に示すように、銀アンミン錯体水溶液Sが流れる一定の流路(以上及び以下において「第一流路」と称している。)を流れ、その第一流路aの途中に合流する第二流路bを設け、この第二流路bを通じて有機還元剤及び必要に応じた添加剤Sを第一流路a内に流し、第一流路aと第二流路bとの合流点mで接触混合して、銀粒子を還元析出させる方法(以下、この方法を「合流混合方式」と称することとする。)を採用することが望ましいのである。
このような合流混合方式を採用することにより、2つの液の混合時間が最短で完了し、系内が均一な状態で反応が進行するため、均一な形状の粉粒が形成される。また、混合後の溶液全体としてみたときの有機還元剤量が低いということは、還元析出する微粒銀粉の粉粒表面へ吸着残留する有機還元剤量が少なくなる。結果として、濾過して乾燥して得られる微粒銀粉の付着不純物量を低減化することが可能となるのである。この微粒銀粉の付着不純物量の低下により、銀ペーストを経て形成される焼結導体の電気抵抗の低減化も図れることになるのである。
更に、硝酸銀水溶液とアンモニア水とを接触反応させて、銀アンミン錯体水溶液を得る際に、硝酸銀濃度が2.6g/l〜48g/lの硝酸銀水溶液を用いて、銀濃度が2g/l〜12g/lの銀アンミン錯体水溶液を得ることが望ましいのである。ここで、硝酸銀水溶液の濃度を規定すると言うことは、硝酸銀水溶液の液量を規定しているのと同義であり、銀アンミン錯体水溶液の銀濃度が2g/l〜12g/lとすることを考えるに、そこに添加するアンモニア水の濃度及び液量が必然的に定まることになるのである。現段階において、明確な技術的な理由は判明していないが、ここで言う硝酸銀濃度が2.6g/l〜48g/lの硝酸銀水溶液を用いることにより、最も良好な製造安定性を示し品質的に安定した微粒銀粉を得ることが出来るのである。
銀粉製造方法2: 上述した銀粉製造方法1では、得られた微粒銀粉の洗浄方法に関して、特に規定せず定法を採用するものとして規定してる。しかしながら、銀粉製造方法1で得られた銀粉の洗浄方法に工夫を加えることで、銀粉の粉粒表面に残留する不純物量を更に減少させ、その微粒銀粉を用いた銀インクで形成した回路の導体抵抗の低抵抗化に寄与できるものとなるのである。
このときの洗浄は、水洗浄とアルコール洗浄とを組み合わせて行っても、アルコール洗浄のみを使用しても構わないが、アルコールで洗浄する際の洗浄を強化するのである。即ち、還元析出した微粒銀粉40gとした場合には、通常100ml程度の純水で洗浄を行い、その後、50ml程度のアルコールでアルコール洗浄を行うのである。これに対し、ここでは、アルコール洗浄を行う際に200ml以上という、微粒銀粉1kgあたりを5L以上の大容量のアルコールで洗浄し、乾燥するのである。
このような洗浄強化による不純物の低減が図れるのも、微粒銀粉を得る際の銀アンミン錯体水溶液と還元剤との接触反応において、希薄な濃度の反応系を採用し混合後の溶液全体としてみたときの有機還元剤量を低く抑える手法を採用しているからである。
以上に述べてきた銀粉製造方法により得られた銀粉は、走査型電子顕微鏡像の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DIAが0.6μm以下という微粒銀粉であり、しかも良好な分散性、及び導体形成に用いたときの導体の低抵抗化の可能な不純物含有量であり、本件発明に係る銀インクに非常に適したものと言えるのである。
本件発明に係る銀インクは、従来の銀インクに用いられていた分散剤を使用していないため、焼結後の導体のクラック、剥離、膜密度低下を招くことなく、内包された微粒銀粉の低温焼結特性を有効に活用できるものである。その結果、本件発明に係る銀インクを用いて得られた電極膜の焼結温度は150℃〜250℃の範囲に入るものとなるのである。
また、本件発明に係る銀インクの製造方法を用いることで、溶媒中での銀粒子の分散性に優れた銀インクを効率よく得ることができ、インクジェット法及びスクリーン印刷法での使用安定性の高い銀インクを安価に市場に供給することが可能となるのである。
以下、本件発明の最良の実施の形態を、比較例と対比しつつ、実施例を通じて詳細に説明することとする。
銀粉の製造: まず最初に、銀インクに用いる微粒銀粉を製造した。以下、その手順に関して述べる。63.3gの硝酸銀を9.7リットルの純水に溶解させ硝酸銀水溶液を調製し、これに235mlの25wt%濃度アンモニア水を一括で添加して攪拌することにより銀アンミン錯体水溶液を得たのである。
そして、この銀アンミン錯体水溶液を、図1に示した内径13mmの第一流路aに流量1500ml/secで導入し、第二流路bから還元剤を流量1500ml/secで流し合流点mで20℃の温度になるようにして接触させ、微粒銀粉を還元析出させた。このときに用いた還元剤には、21gのヒドロキノンを10リットルの純水に溶解させたヒドロキノン水溶液を用いた。従って、混合が終了した時点でのヒドロキノン濃度は、約1.04g/lであり、非常に希薄な濃度である。
以上のようにして得られた微粒銀粉を分取するため、ヌッチェを用いて濾過し、100mlの水と50mlのメタノールとを用いて洗浄し、更に70℃×5時間の乾燥を行い微粒銀粉を得たのである。この得られた微粒銀粉の走査型電子顕微鏡写真を図2に示している。この銀粉の平均粒径DIAは0.3μmを、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置LS−230(ベックマン・コールター社製)を用いて粒度分布を測定したところ、D10が0.283μm、D50が0.371μm、D90が0.491μm及びDmaxが0.791μmであった。更に、D50/DIAで表される凝集度が1.24、結晶子径が7nm、炭素含有量0.21wt%であった。図3には、従来の製造方法で得られた銀粉の走査型電子顕微鏡写真を示しているが、図2と対比することで、本件発明で用いた銀粉が極めて微粒となっていることが理解できるのである。
なお、結晶子径の測定には、X線回折法を用いたのである。そして、炭素含有量は、銀粉の粉粒に付着した不純物量の目安とするためのものであり、堀場製作所製 EMIA−320Vを用いて、微粒銀粉0.5g、タングステン粉1.5g、スズ粉0.3gを混合し、これを磁性るつぼ内に入れ、燃焼−赤外吸収法により測定したものである。
銀インクの製造: 10Lの容器に3000gの純水と3000gの1,4−ブタンジオール(和光純薬社製)を加え、攪拌速度200rpmで混合しながら、上記の製造方法で得られた銀粉4000gを徐々に添加し、20分攪拌を行い銀スラリーとした。
次に、この銀スラリーを攪拌速度200rpmで混合しながら、高速旋回薄膜法を用いた湿式分散処理機であるT.K.フィルミックス(特殊機化工業社製)を用いて、連続分散処理を行い銀インク(この段階の銀インクを「銀インクA」と称する。)を得たのである。
そして、銀インクAに、粘度調整剤としてアセトン(和光純薬社製)150gを添加し、アドバンテック東洋社製カートリッジフィルタ(MCP−JX−E10S)を用いて濾過して、粗粒を除去し、銀インク(この銀インクを「銀インクB」と称する。)を得たのである。
得られた銀インクBの粘度を、レオストレス1(RS1)(HAAKE社製)で測定したところ、100/secで8.86cPであり、1000/secで4.21cPであった。また、上述のレーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて粒度分布を測定したところ、D10が0.16μm、D50が0.24μm、D90が0.31μm及びDmaxが0.45μmであり、湿式分散処理した効果として粒度分布がシャープになっていることが確認できた。
この銀インクBを用いて、インクジェットプリンタPM−870C(セイコー・エプソン社製)で100回以上の回路形状の印刷を繰り返したが、銀インクBはインクジェットノズルに目詰まりすることなく、良好な回路形状を印刷することが可能であった。導体抵抗は、この銀インクBを用いて、ガラス基板上に回路を引き回し、150℃〜250℃の温度範囲で抵抗測定可能な程度に焼結加工して得られた1mm幅回路を用いて測定したものである。その結果、焼成温度190℃で2時間の焼成を行ったときの、導体の比抵抗は6.56μΩ・cmと良好なものであった。
銀粉の製造: ここでの銀粉の製造は、実施例1と共通するため、重複した説明を避けるため、ここでの説明は省略する。
銀インクの製造: 本実施例では、ポリオールである1,4−ブタンジオール(和光純薬社製)を、ジプロピレングリコール(和光純薬社製)に変更し、実施例1の銀インクと同様の製造方法を採用した。従って、基本的製造方法は実施例1と共通するため、この銀インクの製造方法は重複した説明となるため、ここでの説明は省略する。なお、ここで得られた銀インクは、実施例1の銀インクと混同しないように「銀インクC」と称する。
得られた銀インクCの粘度を、レオストレス1(RS1)(HAAKE社製)で測定したところ、100/secで8.64cPであり、1000/secで5.03cPであった。また、上述のレーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて粒度分布を測定したところ、D10が0.15μm、D50が0.27μm、D90が0.51μm及びDmaxが0.72μmであり、湿式分散処理した効果として粒度分布がシャープになっていることが確認できた。
この銀インクCを用いて、実施例1と同様にして、インクジェットプリンタPM−870C(セイコー・エプソン社製)で100回以上の回路形状の印刷を繰り返したが、銀インクCはインクジェットノズルに目詰まりすることなく、良好な回路形状を印刷することが可能であった。また、実施例1と同様に導体抵抗を測定した結果、焼成温度190℃で2時間の焼成を行ったときの、導体の比抵抗は6.21μΩ・cmと良好なものであった。
銀粉の製造: ここでの銀粉の製造は、実施例1の洗浄方法を変更し、洗浄強化を行ったのである。従って、基本的製造方法は実施例1と共通するため、重複した説明となる部分の記載は省略し、洗浄方法に関してのみ説明する。
実施例1と同様の手順で得られた微粒銀粉を分取するため、ヌッチェを用いて濾過し、100mlの水と600mlの大容量のメタノールとを用いて洗浄し、更に70℃×5時間の乾燥を行い微粒銀粉を得たのである。この銀粉の平均粒径DIAは0.3μmを、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置LS−230(ベックマン・コールター社製)を用いて粒度分布を測定したところ、D10が0.295μm、D50が0.388μm、D90が0.511μm及びDmaxが0.791μmであった。更に、D50/DIAで表される凝集度が1.29、結晶子径が7nm、炭素含有量0.16wt%であった。
銀インクの製造: 本実施例では、ポリオールである1,4−ブタンジオール(和光純薬社製)を、エチレングリコール(和光純薬社製)に変更し、実施例1の銀インクと同様の製造方法を採用した。従って、基本的製造方法は実施例1と共通するため、この銀インクの製造方法は重複した説明となるため、ここでの説明は省略する。なお、ここで得られた銀インクは、実施例1の銀インクと混同しないように「銀インクD」と称する。
得られた銀インクDの粘度を、レオストレス1(RS1)(HAAKE社製)で測定したところ、100/secで6.66cPであり、1000/secで2.66cPであった。また、上述のレーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて粒度分布を測定したところ、D10が0.15μm、D50が0.27μm、D90が0.42μm及びDmaxが0.66μmであり、湿式分散処理した効果として粒度分布がシャープになっていることが確認できた。
この銀インクDを用いて、実施例1と同様にして、インクジェットプリンタPM−870C(セイコー・エプソン社製)で100回以上の回路形状の印刷を繰り返したが、銀インクDはインクジェットノズルに目詰まりすることなく、良好な回路形状を印刷することが可能であった。また、実施例1と同様に導体抵抗を測定した結果、焼成温度190℃で2時間の焼成を行ったときの、導体の比抵抗は8.63μΩ・cmと良好なものであった。
比較例1
銀粉の製造: ここでの銀粉の製造は、実施例1と共通するため、重複した説明を避けるため、ここでの説明は省略する。
銀インクの製造: この比較例では、ポリオールである1,4−ブタンジオール(和光純薬社製)を、広く銀粉の分散溶媒として用いられているテトラデカン(6000g)に変更し、実施例1の銀インクと同様の製造方法を採用した。従って、基本的製造方法は実施例1と共通するため、この銀インクの製造方法は重複した説明となるため、ここでの説明は省略する。
しかしながら、銀インクの製造過程における、高速旋回薄膜法を用いた湿式分散処理機による分散処理を行っても、溶媒であるテトラデカン中に銀粉は全く分散しなかった。また、この分散処理を行った後に、粘度調整剤としてアセトン(和光純薬社製)150gを添加し、アドバンテック東洋社製カートリッジフィルタ(MCP−JX−E10S)を用いて濾過して、粗粒を除去しようとしたが、濾過処理自体が出来なかった。なお、ここで得られた銀インクは、他の銀インクと混同しないように「銀インクE」と称することとする。
以上のことから、良好な銀インクが製造できていないことは明白であり、得られた銀インクEの粘度、粉体特性等の分析、インクジェット試験等の実施は行わなかった。
比較例2
銀粉の製造: ここでの銀粉の製造は、実施例1と共通するため、重複した説明を避けるため、ここでの説明は省略する。
銀インクの製造: この比較例では、ポリオールである1,4−ブタンジオール(和光純薬社製)を、広く銀粉の分散溶媒として用いられているテトラデカン(6000g)に変更し、実施例1の銀インクと同様の製造方法を採用した。従って、基本的製造方法は実施例1と共通するため、この銀インクの製造方法は重複した説明となるため、ここでの説明は省略する。
しかしながら、銀インクの製造過程における、高速旋回薄膜法を用いた湿式分散処理機による分散処理を行っても、溶媒であるテトラデカン中に銀粉は全く分散しなかった。また、この分散処理を行った後に、粘度調整剤としてエチルアルコール150gを添加し、アドバンテック東洋社製カートリッジフィルタ(MCP−JX−E10S)を用いて濾過して、粗粒を除去しようとしたが、濾過処理自体が出来なかった。なお、ここで得られた銀インクは、他の銀インクと混同しないように「銀インクF」と称することとする。
以上のことから、良好な銀インクが製造できていないことは明白であり、得られた銀インクEの粘度、粉体特性等の分析、インクジェット試験等の実施は行わなかった。
本件発明に係る銀インクは、従来の銀インクに用いられていた分散剤を使用していないため、焼結後の導体のクラック、剥離、膜密度低下を招くことなく、内包された微粒銀粉の低温焼結特性を有効に活用できるものである。その結果、本件発明に係る銀インクを用いて得られた電極膜の焼結温度は150℃〜250℃の範囲に入るものとなるのである。この銀インク中に含まれる銀粉は非常に高い分散性及び低不純物含有量を備えているため、インクジェット法及びスクリーン印刷法での高い使用安定性を示し、インクジェットノズル又はスクリーンメッシュの目詰まりを有効に防止して、高品質の低抵抗回路を備える回路基板の高い生産性を確保できるのである。
また、本件発明に係る銀インクの製造方法を用いることで、溶媒中での銀粒子の分散性に優れた銀インクを効率よく得ることができ、インクジェット法及びスクリーン印刷法での使用安定性の高い銀インクを安定して生産可能とし、安価に市場に供給することが可能となるのである。
銀アンミン錯体水溶液と還元剤との混合概念を表した図。 本件発明にかかる微粒銀粉の走査電子顕微鏡観察像。 従来の製造方法にかかる微粒銀粉の走査電子顕微鏡観察像。

Claims (7)

  1. 銀粉と溶媒と粘度調整剤とからなる銀インクにおいて、
    当該銀粉は、走査型電子顕微鏡像の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DIAが0.6μm以下であり
    当該溶媒は、ポリオール類からなり、
    当該ポリオール類は、沸点又は分解点が330℃以下であるエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,7−ペプタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリンから選ばれる一種又は二種以上であり、
    当該粘度調整剤は、水、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールのいずれか一種又は二種以上からなることを特徴とした回路形成用の銀インク。
  2. 銀粉は、凝集性の低い微粒の銀粉であって、以下のa.及びb.の粉体特性を備えたものを用いた請求項1に記載の回路形成用の銀インク。
    a.前記一次粒子の平均粒径DIAと、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による平均粒径D50とを用いてD50/DIAで表される凝集度が1.5以下。
    b.結晶子径が10nm以下。
  3. 銀粉は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法によるDmaxが1μm以下である請求項1又は請求項2に記載の回路形成用の銀インク。
  4. 粘度が、ズリ速度100/秒において40000cP以下である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の回路形成用の銀インク。
  5. 電極膜を形成し、焼結加工した際の焼結温度が150℃〜250℃である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の回路形成用の銀インク。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の銀インクの製造方法において、
    銀粉を溶媒中に分散させた銀インクを湿式分散機を用いて分散処理することを特徴とする回路形成用の銀インクの製造方法。
  7. 請求項6に記載の銀インクの製造方法で得られた銀インクを濾過することにより粗粒の銀粉を除去する濾過処理を行うことを特徴とする回路形成用の銀インクの製造方法。
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