JP4447131B2 - 炭化ケイ素被覆黒鉛部材の再生方法及びそれによる炭化ケイ素被覆黒鉛部材 - Google Patents
炭化ケイ素被覆黒鉛部材の再生方法及びそれによる炭化ケイ素被覆黒鉛部材 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ライフエンドになった炭化ケイ素被覆黒鉛部材の再生方法及びその方法によって再生された炭化ケイ素被覆黒鉛部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、炭化ケイ素被覆黒鉛部材は、半導体製造装置用部材や、ガラス製品製造装置用部材等の耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性が要求される部位等に広く使用されている。例えば、半導体製造工程における単結晶引き上げ用部材や、Siウェハーのエピタキシャル成長用サセプター等に、高純度等方性黒鉛材の表面に化学気相蒸着法(以下、CVD法という。)によって炭化ケイ素(以下、SiCという。)を被覆したSiC被覆黒鉛部材が使用されている。これら、SiC被覆黒鉛部材は表面に被覆されているSiCに、半導体製造工程中に何らかの原因で混入した不純物等に起因すると思われる剥離や、ピンホール等の欠陥が発生した時点でその使用を中止し、ライフエンドとして廃棄処分されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年の半導体関連製品の需要の急増により、半導体価格が下落し、半導体製造メーカーにとっては、半導体製造コストの削減が必須となり、半導体製造工程において、ライフエンドとなったSiC被覆黒鉛材からなる部材の再生が要望されている。
【0004】
そこで、例えば、特開平9−241086号公報には、炭化ケイ素被覆黒鉛部材をハロゲンを含むガスに接触させて加熱することによって、炭化ケイ素の被膜を炭素層に変換し、この炭素層を除去した後の黒鉛基材上に炭化ケイ素の被膜を形成して炭化ケイ素被覆黒鉛部材を得る炭化ケイ素被覆黒鉛部材の再生方法が開示されている。
【0005】
しかしながら、この方法は、表面に被覆されている炭化ケイ素の被膜を高価なハロゲンを含むガスに接触させて加熱させるため、この時に使用されるハロゲンを含むガスの処理及びこのハロゲンを含むガスによって、分解、昇華するSiガスの処理のために、大型の排ガス処理装置が必要となり、半導体製造コストの大幅な削減にはいたらなかった。また、ハロゲンを含むガスによる処理のため、選択的な反応で、不均一にSiCが除去される可能性があった。
【0006】
そこで、本発明は、表面に被覆されているSiCを均一に除去でき、小型の排ガス処理装置が使用でき、半導体製造コストの削減を可能とする半導体製造工程における単結晶引き上げ用部材や、Siウェハーのエピタキシャル成長用サセプター等に用いられ、ライフエンドとなったSiC被覆黒鉛材からなるSiC被覆黒鉛部材の再生方法及びその方法によって再生されたSiC被覆黒鉛部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の黒鉛基材に炭化ケイ素を被覆した炭化ケイ素被覆黒鉛部材の再生方法は、表面に被覆されたSiCを1700℃以上で、1.33kPa以下の圧力下、又は、不活性ガス雰囲気下、又は、1.33kPa以下の圧力下の不活性ガス雰囲気下で熱処理して昇華させて除去した前記黒鉛基材に、CVD法によりSiCを被覆することを特徴とする。また、前記熱処理後に、黒鉛材を高純度化処理する際に使用する一般的な高純度化処理炉を使用してハロゲンを含むガス雰囲気下において2000℃以上で熱処理し、表面のSiCを完全に除去すると共に、表面層付近の不純物を除去する高純度化処理を適宜付加することができる。これにより、CVD法によりSiCを再度被覆した時に不純物等に起因すると思われるSiCの剥離等を防ぐことができるからである。なお、ここでいうSiC被覆黒鉛部材とは、具体的には、単結晶引き上げ用炉に用いられる部材、例えばルツボや、上部、下部リング、或いは上部、下部コーン等や、エピタキシャル成長用サセプターとして用いられるパンケーキサセプター、バレルサセプターや、その他ヒーター、レーザーミラー、金属融解用耐火物、耐酸化性部材等のSiC被覆された黒鉛材の全てを含むものである。
【0008】
このように、本発明は、基材である黒鉛材の表面に被覆されたSiCを1700℃以上、好ましくは2000℃以上、さらに好ましくは2500℃以上で、10時間以上、好ましくは20時間以上熱処理することで、SiCを昇華させて、黒鉛材表面から除去するものである。
【0009】
一般に、半導体製造工程に使用されたエピタキシャル成長用サセプターの、SiCの表面には、金属シリコンが付着しているが、前述のように、1700℃以上、好ましくは2000℃以上、さらに好ましくは2500℃以上で、10時間以上、好ましくは20時間以上熱処理すると、SiCとともに除去することが可能となる。この金属シリコンは前処理として、フッ硝酸溶液で溶解させるか、あるいは、研削砥石で機械的に除去してもよい。
【0010】
さらに、この熱処理は、1.33kPa以下の圧力下、好ましくは0.67kPa以下の圧力下又は/及び不活性ガス雰囲気、例えば、アルゴンガス、窒素ガス、特に、アルゴンガス雰囲気下で行う。このように低い圧力下で熱処理することにより、表面に被覆されているSiCの昇華を促進することができ、SiCを均一に除去できる。また、熱処理時の雰囲気の酸素分圧を低くすることで、熱処理後に黒鉛材表面に二酸化ケイ素等が残存すること無く、SiCを除去することができる。なお、この際、表面にSiCが若干残っていてもよい。このように、SiCを除去する際に、ハロゲンを含むガスを使用しないため、安全性に優れ、且つ大型の排ガス処理設備を特に必要としない。
【0011】
前述の熱処理後に、その表面にSiCを被覆することで、SiC被覆黒鉛部材として使用することが可能となるが、熱処理後、さらに、ハロゲンガス雰囲気下において、2000℃以上、10時間以上で処理することが好ましい。これにより、SiCを完全に除去するとともに、表面部の不純物を除去することができ、SiC被覆直後のSiCの剥離やピンホールの発生を抑制することができる。また、ハロゲンガス雰囲気下での処理前にセラミックス粉末等でブラスト処理を行ってもよい。
【0012】
表面のSiCを除去後、CVD法によってその黒鉛材の表面に再度SiCを被覆する。CVD法に使用される原料ガスとしては、SiCl4 とC3 H8 の混合ガスや、SiH4 とC3 H8 の混合ガス等が例示できる。この原料ガスにキャリアーガスとして水素ガスを使用して、1000〜1600℃、0.001〜0.1MPaという条件で、CVD処理を行い、黒鉛材の表面をSiCで被覆することで、SiC被覆黒鉛部材として再利用することができる。ここで、SiCの厚みは、30〜200μm、好ましくは60〜150μmとなるようにする。
【0013】
以上のようにして、ライフエンドとなったSiC被覆黒鉛部材の表面を被覆したSiCを除去することができ、その表面に再度高純度なSiCをCVD法により被覆することで、SiC被覆黒鉛部材として再利用することが可能となる。
【0014】
【実施例】
エピタキシャル成長用サセプターとして使用し、その表面に何らかの原因で発生したピンホールのためにライフエンドとなったサセプターを2500℃、13.3Paで72時間の熱処理を行った。次に、その表面にSiCl4 とC3 H8 の混合ガスを原料ガスとして、キャリアーガスとして水素ガスを使用して、1300℃、0.1MPaで、CVD処理を行い、SiCを120μmの厚みで形成した。このようにして、再度SiCを被覆したのち、エピタキシャル成長用サセプターとして使用したが、シリコンウェハー上に形成される結晶にも、異常が見られず、エピタキシャル成長用サセプターとして再利用することが可能となった。
【0015】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されており、ライフエンドとなったSiC被覆黒鉛部材の表面に被覆されたSiCを除去することができ、その表面に再度高純度なSiCをCVD法により被覆することで、SiC被覆黒鉛部材として再利用することが可能となり、半導体製造コストの低減と共に、産業廃棄物の削減を行うことができる効果を奏する。また、SiCの除去時に高価なハロゲンを含むガスを使用しないため、安全性に優れるとともに、製造コストの低減が可能となる。また、ハロゲンを含むガスを使用した場合と異なり、SiCが選択的に除去されず、均一に除去されていくため、SiCを再被覆させた時に、均一な膜のSiCを形成することが可能となる。
Claims (2)
- 黒鉛基材に炭化ケイ素を被覆した炭化ケイ素被覆黒鉛部材の再生方法であって、表面に被覆された炭化ケイ素を1700℃以上で、1.33kPa以下の圧力下、又は、不活性ガス雰囲気下、又は、1.33kPa以下の圧力下の不活性ガス雰囲気下で熱処理して昇華させて除去した前記黒鉛基材に、CVD法により炭化ケイ素を被覆することを特徴とする炭化ケイ素被覆黒鉛部材の再生方法。
- 請求項1に記載の再生方法で、再生された炭化ケイ素被覆黒鉛部材。
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