JP6471631B2 - シリコン単結晶引上げ装置内の部材の再生方法 - Google Patents

シリコン単結晶引上げ装置内の部材の再生方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコン単結晶引上げ装置内に設けられた表面にSiOx及び/又は金属シリコンが付着した部材からSiOx及び/又は金属シリコンを除去して部材を再生する方法に関する。
従来、チョクラルスキー法でシリコン単結晶を引上げる装置内では、シリコン融液表面からSiO、SiO等のSiOx及び/又は金属シリコン(以下、単に「シリコン等」という。)が蒸発し、このシリコン等は引上げ装置内に設けられた熱遮蔽部材、整流筒等の各種部材表面に付着し、徐々に固化していく。こうして付着し固化したシリコン等は、引上げ装置内を流れる不活性ガス流速の変化や、シリコン等が付着した部材の熱膨張の変化などによって部材表面から剥離し、シリコン融液に落下する場合があった。落下したシリコン等はシリコン融液の不純物となり、引上げられるシリコン単結晶の結晶化を阻害する要因になっていた。引上げ装置内に設けられた整流筒が石英製である場合、整流筒の石英表面にシリコン等が付着し、徐々に茶色に変色していった。石英製の整流筒を通して炉内の観察を行っている場合には、シリコン等の付着により、炉内観察ができなくなる不具合を生じていた。
この問題を解決するため、ブラシにより熱遮蔽部材、整流筒等の部材を清掃して、部材表面に付着したシリコン等を除去をしていたが、シリコン等を完全に除去することができなかった。そのため、シリコン等が付着した黒鉛部材である熱遮蔽部材をシリコン単結晶引上げ装置の外部で化学洗浄により除去し、再生利用し、この再生を適切な周期で行うことによりシリコン単結晶棒の品質のばらつきを抑える、単結晶引上げ装置の熱遮蔽部材の再生方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この再生方法では、引上げ中にシリコン等が付着した熱遮蔽部材をシリコン単結晶引上げ装置の外部へ取出し、フッ酸と硝酸の混酸を貯えた薬液槽、純水を貯えたリンス槽内でSiOxの付着物を洗浄除去して熱遮蔽部材を再生している。
一方、表面に被覆されているSiCを均一に除去でき、半導体製造工程における単結晶引き上げ用部材や、Siウェハーのエピタキシャル成長用サセプター等に用いられ、ライフエンドとなったSiC被覆黒鉛部材の再生方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この再生方法では、SiC被覆黒鉛部材の基材表面に被覆されたSiCを、1700℃以上で、1.33kPa以下の圧力下、又は、不活性ガス雰囲気下、又は、1.33kPa以下の圧力下の不活性ガス雰囲気下で熱処理して昇華させて除去した後、この基材に、CVD法によりSiCを被覆してSiC被覆黒鉛部材として再利用している。そして、この特許文献2には、半導体製造工程に使用されたエピタキシャル成長用サセプターのSiCの表面に金属シリコンが付着した場合には、上記熱処理時に、金属シリコンをSiCとともに除去するか、上記熱処理前に、金属シリコンはフッ硝酸溶液で溶解させるか、或いは、研削砥石で機械的に除去してもよいことが記載されている。
特開2001−010895号公報(要約、図1) 特開2002−037684号公報(要約、段落[0009])
しかしながら、特許文献1の化学洗浄によるエッチング処理方法で黒鉛部材である熱遮蔽部材を再生する場合、薬液洗浄に4〜5日、純水洗浄に4〜5日、乾燥に4〜5日かかり、再生処理が完了するまで2週間程度を必要とし、シリコン等が付着した熱遮蔽部材を効率良く再生することができなかった。またこのエッチング再生方法では、完全にシリコン等を取除くことが困難であるうえ、70回程度再生すると、熱遮蔽部材としての再利用ができなかった。また特許文献1の化学洗浄によるエッチング処理方法で石英部材である整流筒を再生する場合、薬液洗浄し、純水洗浄し、乾燥した後、焼き上げるまでのサイクルタイムが最短でも2〜3日を必要とし、シリコン等が付着した整流筒を効率良く再生することができなかった。また整流筒をエッチングして再生する場合、エッチングにより整流筒の肉厚が減少するため、100回程度再生すると、減肉により整流筒が所定の厚さを満たさなくなり、ライフエンドを迎えていた。
また熱遮蔽部材が黒鉛基材の表面にSiCが被覆されている部材である場合、このエッチング再生方法では、黒鉛基材とSiC被覆の間に薬液が染み込んでSiC被覆が剥がれる問題点があった。更に黒鉛部材が炭素繊維を編んだ炭素繊維強化炭素複合材料(以下、「CCコンポジット材」という。)である場合、薬液洗浄時に薬液が炭素繊維間に吸収され、乾燥に時間を要しかつ薬液が炭素繊維間に残留するおそれがあった。
特許文献2のSiC被覆黒鉛部材の再生方法では、SiCの表面に金属シリコンが付着した場合で、熱処理時に、金属シリコンをSiCとともに除去するときには、SiCを基材表面に再度被覆する必要があり、再生に多くの時間を要した。また熱処理前に金属シリコンフッ硝酸溶液で溶解させるときには、特許文献1の再生方法と同様の問題点があった。また金属シリコンを研削砥石で機械的に除去するときには、SiC被覆黒鉛部材の肉厚が薄くなるか、部材表面を疵付けるおそれがあった。
本発明の第1の目的は、上記課題を解決するもので、シリコン単結晶引上げ装置内のシリコン等が付着する全ての部材に適用でき、再生に要する時間を短くして、部材の肉厚を薄くせず、部材表面を劣化又は疵付けるおそれがなく、シリコン等を完全に昇華し除去して、シリコン単結晶引上げ装置内の部材を再生する方法を提供することにある。本発明の第2の目的は、シリコン単結晶引上げ装置内の部材の使用可能期間を大幅に伸ばし、引上げるシリコン単結晶の単結晶化率を向上させ、この単結晶のライフタイムの品質を維持又は改善するシリコン単結晶引上げ装置内の部材の再生方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、シリコン単結晶引上げ装置内に設けられる部材の表面に付着したSiOx及び/又は金属シリコン(シリコン等)を除去して前記部材を再生する方法において、前記シリコン等が表面に付着した部材を不活性ガス雰囲気下、2.67kPa以下の圧力下、前記部材の表面温度が表面に付着した前記SiOx及び/又は金属シリコンの昇華を開始する温度以上でかつ前記部材が熱変形及び/又は熱変質を開始する温度未満の温度で少なくとも2時間熱処理して前記部材の表面に付着したSiOx及び/又は金属シリコンを昇華し除去し、前記熱処理した後に、前記熱処理温度から3〜15℃/分の速度で室温まで冷却することを特徴とする。
本発明の第の観点は、第1の観点の発明であって、前記部材が黒鉛部材であって、前記熱処理温度が少なくとも1700℃であることを特徴とする。
本発明の第の観点は、第の観点の発明であって、前記黒鉛部材がSiC被覆処理された黒鉛部材であって、前記熱処理温度が1700℃以上2500℃以下であることを特徴とする。
本発明の第の観点は、第の観点の発明であって、前記黒鉛部材が炭素膜により被覆処理された黒鉛部材であって、前記熱処理温度が1700℃以上2500℃以下であることを特徴とする。
本発明の第の観点は、第ないし第の観点のうち、いずれか1つ観点に基づく発明であって、前記黒鉛部材が熱遮蔽部材であることを特徴とする。
本発明の第の観点は、第1の観点の発明であって、前記部材が石英部材であって、前記熱処理温度が1400℃以上1700℃以下であることを特徴とする。
本発明の第の観点は、第の観点の発明であって、前記石英部材が整流筒であることを特徴とする。
本発明の第の観点は、第1ないし第7の観点のうち、いずれか1つの観点の方法で再生された部材を用いて、シリコン単結晶を製造する方法である。
本発明の第1の観点の再生方法では、特許文献1の再生方法と異なり、薬液を用いず、熱処理でシリコン等を完全に昇華し除去するため、シリコン単結晶引上げ装置内のシリコン等が付着する全ての部材に適用できる。また特許文献1及び2の再生方法と異なり、薬液の使用や再度のCVDによるSiCの被覆を行わないため、再生に要する時間を短くすることができる。また特許文献1又は2の再生方法のように、薬液の使用により、或いは研削砥石によりシリコン等を除去しないため、部材の肉厚を薄くせず、部材表面を劣化又は疵付けるおそれがない。またシリコン単結晶引上げ装置内の部材の使用可能期間を大幅に伸ばし、引上げるシリコン単結晶の単結晶化率を向上させ、この単結晶のライフタイムの品質を維持又は改善することができる。
また本発明の第の観点の再生方法では、前記熱処理した後に、熱処理温度から3〜15℃/分の速度で室温まで急冷することにより、部材の熱膨張率とシリコン等の熱膨張率の差を利用して、シリコン等を部材から容易に剥離させ除去することができる。
本発明の第の観点の再生方法では、部材が黒鉛部材であるときには、再生熱処理温度を少なくとも1700℃にすることにより、黒鉛部材を再生することができる。
本発明の第の観点の再生方法では、黒鉛部材がSiC被覆処理された黒鉛部材であるときには、再生熱処理温度の上限値を2500℃にすることにより、黒鉛部材を被覆しているSiCを昇華させずに黒鉛部材を再生することができる。
本発明の第の観点の再生方法では、黒鉛部材が炭素膜により被覆処理された黒鉛部材であるときには、再生熱処理温度の上限値を2500℃にすることにより、黒鉛部材を被覆している炭素膜を昇華させずに黒鉛部材を再生することができる。
本発明の第の観点の再生方法では、黒鉛部材がシリコン融液から蒸発物が比較的多く付着する熱遮蔽部材であるため、再生による経済的効果が高い。
本発明の第の観点の再生方法では、部材が石英部材であるときには、再生熱処理温度の上限値を1700℃にすることにより、石英部材の熱変形及び/又は熱変質を生じさせずに石英部材を再生することができる。
本発明の第の観点の再生方法では、石英部材がシリコン融液から蒸発物が比較的多く付着する整流筒であるため、再生による経済的効果が高い。
本発明の第の観点の再生された部材を用いてシリコン単結晶を製造する方法は、引上げるシリコン単結晶の単結晶化率を向上させ、この単結晶のライフタイムの品質を維持又は改善することができる。
本発明の第1の実施形態に係る部材を再生する装置の構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る部材を再生する装置の構成図である。
次に本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るシリコン単結晶引上げ装置内の部材である熱遮蔽部材を再生する装置の構成図である。この再生装置は、チョクラルスキー法でシリコン単結晶を引上げる装置を利用している。この実施の形態では、再生装置10は、チャンバ11と、ヒータ12と、断熱体13と、黒鉛坩堝14、坩堝受け15を備える。この再生装置10では、シリコン単結晶引上げ時に使用する石英坩堝16及び引上げワイヤ17は外してあるため、石英坩堝16、引上げワイヤ17及び石英坩堝16内に貯えるシリコン融液18はそれぞれ破線で示している。
チャンバ11は、上部は径が小さく下部は径が大きな外部雰囲気から密閉された容器であり、径の大きな下部には、ヒータ12、断熱体13、黒鉛坩堝14、坩堝受け15等が収容されている。チャンバ11の上部には、チャンバ内部に不活性ガスを導入する図示しない不活性ガス導入部が設けられる。また、チャンバ11の下部には不活性ガスの排出口19が設けられ、図示しない排気管路を介して真空ポンプに接続される。また、チャンバ11の径の小さい上部と径の大きい下部との間に位置する肩部には、覗き窓20が設けられる。この覗き窓20は、シリコン単結晶引上げ時には、シリコン単結晶の絞り工程におけるシリコンの径を測定するため使用されるが、この実施の形態では、再生熱処理時の熱遮蔽部材21の表面を観察するのに使用される。
この実施の形態では、再生を必要とする部材は黒鉛部材である熱遮蔽部材21である。この熱遮蔽部材21はチャンバ11内の断熱材13の上部に設けられた支持部材22に取付けられる。この熱遮蔽部材21としては、基材が黒鉛製でその表面にSiC被覆がなされた部材、基材が黒鉛製でその表面に炭素(C)膜が被覆された部材又は基材が黒鉛製でその表面にSiCも炭素膜も被覆されていない部材が例示される。熱遮蔽部材21は、シリコン単結晶を引上げる際に、単結晶が石英坩堝16内のシリコン融液18から受ける輻射熱を抑制するために設けられ、下方に向けて径が狭まるテーパー形状を有し、その下端部は、シリコン単結晶の引上げ時において、シリコン融液表面の近傍に延びる。このため、熱遮蔽部材21はシリコン融液18からの蒸発物であるシリコン等が比較的多く付着する。
次に、この再生装置10を用いて、シリコン等が付着し固化した熱遮蔽部材21を再生する方法を説明する。まず上述したように、支持部材22にシリコン等が付着し固化した熱遮蔽部材21を取付ける。次いで、図示しない不活性ガス導入部から不活性ガスをチャンバ11内に導入するとともに、図示しない真空ポンプを作動してチャンバ11内の圧力を低くする。この不活性ガスの導入とチャンバ内の減圧と同時にヒータ12により熱遮蔽部材21を加熱する。
この熱遮蔽部材21の熱処理は、不活性ガス雰囲気下、2.67kPa(20torr)以下の圧力下で行われ、熱遮蔽部材の表面温度が1700℃以上でかつ熱遮蔽部材が熱変形及び/又は熱変質を開始する温度未満の温度で少なくとも2時間行われる。熱遮蔽部材21の基材が黒鉛製でその表面にSiC被覆がなされた部材又は基材が黒鉛製でその表面に炭素(C)膜が被覆された部材である場合には、SiC又は炭素膜の昇華を未然に防ぐために、熱遮蔽部材21の表面温度の上限値を2500℃以下の温度にする。熱遮蔽部材21の表面温度が1000℃以上になると、シリコン等の昇華が始まるが、この温度を1700℃以上にすることにより、シリコン等の融点以上にしてシリコン等を完全に除去させることができる。熱エネルギー消費量を節約する観点から好ましい温度は1700〜1800℃である。
熱遮蔽部材の表面温度が1700℃未満の場合には、不活性ガス雰囲気下であっても熱遮蔽部材の表面に付着したシリコン等の昇華が促進されにくく、完全にシリコン等を除去することができない。また熱遮蔽部材がSiC被覆されている場合又は炭素(C)膜により被覆されている場合、2500℃を超えて再生処理を行うと、SiC被膜又は炭素膜が昇華反応によりその膜厚が薄くなり、SiC被膜又は炭素膜が剥がれてしまう不具合を生じる。
またチャンバ11内の圧力を2.67kPa以下の減圧にするのは、熱遮蔽部材21の表面に付着したシリコン等の昇華をより早め、シリコン等をより均一に除去するためである。好ましい圧力は1.33kPa(10torr)以下である。2.67kPaを超える圧力では、熱遮蔽部材表面に付着したシリコン等の昇華が促進されにくく、完全にシリコン等を除去することができない。熱遮蔽部材21の表面温度が上記温度に達してからその温度に保持する時間は少なくとも2時間である。2時間未満では、シリコン等を熱遮蔽部材21から完全に除去させることが困難となる。熱エネルギー消費量を節約する観点から好ましい保持時間は3〜6時間である。熱遮蔽部材21の熱処理中及び冷却中、不活性ガス導入部から導入した不活性ガスの流れに随伴して、昇華したシリコン等は不活性ガスの排出口19から再生装置10の外部に排出される。
熱処理した後、熱遮蔽部材21の熱膨張率とシリコン等の熱膨張率の差を大きくして、シリコン等を熱遮蔽部材21から剥離しやすくするため、熱遮蔽部材21を熱処理温度から3〜15℃/分の速度で室温まで冷却することが好ましい。3℃/分未満では熱遮蔽部材21の熱膨張率とシリコン等の熱膨張率の差が大きくなく、シリコン等が熱遮蔽部材21から剥離しにくい。また20℃/分を超えると、熱遮蔽部材にクラックが入るおそれがある。熱遮蔽部材21を冷却後、再生装置10から熱遮蔽部材21を取り出せば、シリコン等を完全に除去した再生された熱遮蔽部材が得られる。再生した熱遮蔽部材の品質をより高めるために、熱遮蔽部材の表面にブロアで空気を吹き付けるか、或いは熱遮蔽部材の表面をブラシや布で清掃することが好ましい。
<第2の実施形態>
図2は、本発明の第2の実施形態に係るシリコン単結晶引上げ装置内の部材である整流筒を再生する装置の構成図である。この再生装置は、第1の実施形態と同様に、チョクラルスキー法でシリコン単結晶を引上げる装置を利用している。図2において、図1と同一符号は同一要素を示している。この実施の形態では、再生を必要とする部材は整流筒25である。この整流筒25としては、石英製、黒鉛製又は基材が黒鉛製でその表面にSiC又は炭素膜が被覆された部材が例示される。この整流筒25は、再生装置内では平坦な坩堝受け15の上に載置される。
整流筒25は円筒形の部材であり、単結晶引き上げ時には、図示しないが、チャンバ11の径の小さい上部からシリコン融液の表面近傍まで延びていて、引上げられる単結晶がこの整流筒25内部を通るように配置される。また、上述の不活性ガス導入部から流入された不活性ガスは、この整流筒25の内部を通過して、シリコン融液18の表面に導かれる。このため、整流筒25にもシリコン融液からの蒸発物であるシリコン等が比較的多く付着する。
次に、この再生装置10を用いて、シリコン等が付着し固化した整流筒25を再生する方法を説明する。まずシリコン等が付着し固化した整流筒25を平坦な坩堝受け15の上に載置する。次いで、図示しない不活性ガス導入部から不活性ガスをチャンバ11内に導入するとともに、図示しない真空ポンプを作動してチャンバ11内の圧力を低くする。この不活性ガスの導入とチャンバ内の減圧と同時にヒータ12により整流筒25を加熱する。
この整流筒25の熱処理は、不活性ガス雰囲気下、2.67kPa(20torr)以下の圧力下で1400℃以上2500℃以下の温度で行われる。整流筒25が石英ガラス材料から形成されている場合には、整流筒25の熱変形を未然に防ぐために、整流筒25の表面温度の上限値を1700℃以下の温度にする。また整流筒25が黒鉛製である場合には、表面被膜を保護するために、整流筒25の表面温度の上限値を2500℃以下の温度にする。整流筒25の表面温度が1000℃以上になると、シリコン等の昇華が始まるが、この温度を1400℃以上にすることにより、シリコン等の融点以上にしてシリコン等を完全に除去させることができる。熱エネルギー消費量を節約する観点から好ましい温度は1700〜1800℃である。またチャンバ11内の圧力を2.67kPa以下の減圧にするのは、整流筒25の表面に付着したシリコン等の昇華をより早め、シリコン等をより均一に除去するためである。好ましい圧力は1.33kPa(10torr)以下である。整流筒25の表面温度が上記温度に達してからその温度に保持する時間は少なくとも2時間である。2時間未満では、シリコン等を整流筒25から完全に除去させることが困難となる。熱エネルギー消費量を節約する観点から好ましい保持時間は3〜6時間である。整流筒25の熱処理中及び冷却中、不活性ガス導入部から導入した不活性ガスの流れに随伴して、昇華したシリコン等は不活性ガスの排出口19から再生装置10の外部に排出される。
熱処理した後、整流筒25を熱処理温度から3〜15℃/分の速度で室温まで冷却することが好ましい。3℃/分未満では整流筒25の熱膨張率とシリコン等の熱膨張率の差が大きくなく、シリコン等が整流筒25から剥離しにくい。また20℃/分を超えると、整流筒にクラックが入るおそれがある。整流筒25を冷却後、再生装置10から整流筒25を取り出せば、シリコン等を完全に除去した再生された整流筒が得られる。再生した整流筒の品質をより高めるために、整流筒の表面にブロアで空気を吹き付けるか、或いは整流筒の表面をブラシや布で清掃することが好ましい。
なお、再生する部材として、第1の実施の形態では熱遮蔽部材を、第2の実施の形態では整流筒を挙げたが、本発明の方法で再生可能な部材はこれらの部材に限らず、例えば、図1に示した支持部材22、黒鉛製シードチャック、黒鉛製排気管、又は熱遮蔽部材を支持する部位に用いられるCCコンポジット材でもよい。CCコンポジット材の場合、熱処理し冷却した後、その表面を掃除機のようなもので吸引して炭素繊維間に残存するシリコン等を除去することが好ましい。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
特定の引上げ装置に基材が黒鉛製でその表面にSiC被覆がなされた熱遮蔽部材を取付け、シリコン単結晶を10回引上げ、この熱遮蔽部材の表面にシリコン等を付着させた。付着量が比較的多い10箇所の平均付着厚さは610μmであった。図1に示す再生装置10の支持部材22にシリコン等が付着した上記熱遮蔽部材21を取付け、不活性ガス導入部からアルゴンガスを導入し、チャンバ11内をアルゴン雰囲気下にした。また真空ポンプを作動してチャンバ11内の圧力を1.33kPaにした。この状態で熱遮蔽部材21の表面温度が1700℃になるまでヒータ12を通電した。1700℃で6時間維持した後、ヒータ12を切電して室温まで、冷却した。冷却速度は4.0℃/分であった。
<実施例2>
シリコン単結晶の10回の引上げにより平均付着厚さが530μmであった熱遮蔽部材の表面温度を2500℃になるまでヒータを通電した。2500℃で5時間維持した後、冷却速度を5.9℃/分にした。それ以外は、実施例1と同じ装置で実施例1と同じSiC被覆がなされた熱遮蔽部材を実施例1と同様に熱処理した。
<実施例3>
実施例1で用いた引上げ装置と同一機種の引上げ装置に炭素膜が被覆された黒鉛製の熱遮蔽部材を取付け、シリコン単結晶を10回引上げ、この熱遮蔽部材の表面にシリコン等を付着させた。付着量が比較的多い10箇所の平均付着厚さは545μmであった。この熱遮蔽部材を図1に示す再生装置10を用いて熱処理した。熱遮蔽部材の表面温度を1750℃になるまでヒータを通電した。1750℃で6時間維持した。それ以外は、実施例1と同様にして、炭素膜が被覆された熱遮蔽部材を熱処理した。
<実施例4>
実施例1で用いた引上げ装置と同一機種の引上げ装置にSiCも炭素膜も被覆がなされていない熱遮蔽部材を取付け、シリコン単結晶を10回引上げ、この熱遮蔽部材の表面にシリコン等を付着させた。付着量が比較的多い10箇所の平均付着厚さは580μmであった。この熱遮蔽部材を図1に示す再生装置10を用いて熱処理した。再生する熱処理保持温度を1700℃に、保持時間を6時間に、チャンバ11内の圧力を2.67kPaに、熱処理後の冷却速度を4.0℃/分にそれぞれ設定した。それ以外は、実施例1と同様にして、SiCも炭素膜も被覆がなされていない熱遮蔽部材を熱処理した。
<実施例5>
実施例1で用いた引上げ装置と同一機種の引上げ装置に石英ガラス材料からなる整流筒を取付け、シリコン単結晶を10回引上げ、この整流筒の表面にシリコン等を付着させた。付着量が比較的多い10箇所の平均付着厚さは123μmであった。この整流筒を図2に示す再生装置10を用いて熱処理した。再生する熱処理保持温度を1400℃に、保持時間を3時間に、チャンバ11内の圧力を1.33kPaに、熱処理後の冷却速度を3.1℃/分にそれぞれ設定した。それ以外は、実施例1と同様にして、石英ガラス材料からなる整流筒を熱処理した。
<実施例6>
シリコン単結晶の10回の引上げにより平均付着厚さが135μmであった整流筒の表面温度を1700℃になるまでヒータを通電した。1700℃で2時間維持した後、冷却速度を3.8℃/分にした。それ以外は、図2に示す再生装置10を用いて、実施例5と同じ石英ガラス材料からなる整流筒を実施例1と同様に熱処理した。
<実施例7>
実施例1で用いた引上げ装置と同一機種の引上げ装置に黒鉛製のSiCも炭素膜も被覆がなされていない整流筒を取付け、シリコン単結晶を10回引上げ、この整流筒の表面にシリコン等を付着させた。付着量が比較的多い10箇所の平均付着厚さは141μmであった。この整流筒を図2に示す再生装置10を用いて熱処理した。再生する熱処理保持温度を1700℃に、保持時間を4時間に、チャンバ11内の圧力を1.33kPaに、熱処理後の冷却速度を3.8℃/分にそれぞれ設定した。それ以外は、実施例1と同様にして、黒鉛製のSiCも炭素膜も被覆がなされていない整流筒を熱処理した。
<比較例1>
実施例1で用いた引上げ装置と同一機種の引上げ装置に実施例1と同一の黒鉛製でその表面にSiC被覆がなされた熱遮蔽部材を取付け、シリコン単結晶を10回引上げ、この熱遮蔽部材の表面にシリコン等を付着させた。付着量が比較的多い10箇所の平均付着厚さは527μmであった。この熱遮蔽部材を図1に示す再生装置10を用いて熱処理した。再生する熱処理保持温度を1650℃に、保持時間を4時間に、チャンバ11内の圧力を1.33kPaに、熱処理後の冷却速度を3.7℃/分にそれぞれ設定した。それ以外は、実施例1と同様にして、SiC被覆がなされた熱遮蔽部材を熱処理した。
<比較例2>
実施例1で用いた引上げ装置と同一機種の引上げ装置に実施例1と同一の黒鉛製でその表面にSiC被覆がなされた熱遮蔽部材を取付け、シリコン単結晶を10回引上げ、この熱遮蔽部材の表面にシリコン等を付着させた。付着量が比較的多い10箇所の平均付着厚さは582μmであった。この熱遮蔽部材を図1に示す再生装置10を用いて熱処理した。再生する熱処理保持温度を2550℃に、保持時間を5時間に、チャンバ11内の圧力を1.33kPaに、熱処理後の冷却速度を6.0℃/分にそれぞれ設定した。それ以外は、実施例1と同様にして、SiC被覆がなされた熱遮蔽部材を熱処理した。
<比較例3>
実施例1で用いた引上げ装置と同一機種の引上げ装置に実施例1と同一の黒鉛製でその表面にSiC被覆がなされた熱遮蔽部材を取付け、シリコン単結晶を10回引上げ、この熱遮蔽部材の表面にシリコン等を付着させた。付着量が比較的多い10箇所の平均付着厚さは560μmであった。この熱遮蔽部材を図1に示す再生装置10を用いて熱処理した。再生する熱処理保持温度を1750℃に、保持時間を1.8時間にそれぞれ設定した。それ以外は、実施例1と同様にして、SiC被覆がなされた熱遮蔽部材を熱処理した。
<比較例4>
実施例1で用いた引上げ装置と同一機種の引上げ装置に実施例4と同一のSiCも炭素膜も被覆がなされていない熱遮蔽部材を取付け、シリコン単結晶を10回引上げ、この熱遮蔽部材の表面にシリコン等を付着させた。付着量が比較的多い10箇所の平均付着厚さは509μmであった。この熱遮蔽部材を図1に示す再生装置10を用いて熱処理した。再生する熱処理保持温度を1650℃に、保持時間を6時間に、チャンバ11内の圧力を4.0kPaにそれぞれ設定した。それ以外は、実施例1と同様にして、SiCも炭素膜も被覆がなされていない熱遮蔽部材を熱処理した。
<比較例5>
実施例1で用いた引上げ装置と同一機種の引上げ装置に実施例5と同じ石英ガラス材料からなる整流筒を取付け、シリコン単結晶を10回引上げ、この整流筒の表面にシリコン等を付着させた。付着量が比較的多い10箇所の平均付着厚さは115μmであった。この整流筒を図2に示す再生装置10を用いて熱処理した。再生する熱処理保持温度を1350℃に、保持時間を2時間に、チャンバ11内の圧力を1.33kPaに、熱処理後の冷却速度を2.9℃/分にそれぞれ設定した。それ以外は、実施例1と同様にして、石英ガラス材料からなる整流筒を熱処理した。
<比較例6>
シリコン単結晶の10回の引上げにより平均付着厚さが129μmであった整流筒の表面温度を1750℃になるまでヒータを通電した。1750℃で3時間維持して熱処理した。それ以外は、実施例1と同じ装置で実施例5と同じ石英ガラス材料からなる整流筒を実施例1と同様に熱処理した。
<比較例7>
実施例1で用いた引上げ装置と同一機種の引上げ装置に実施例1と同一の黒鉛製でその表面にSiC被覆がなされた熱遮蔽部材を取付け、シリコン単結晶を10回引上げ、この熱遮蔽部材の表面にシリコン等を付着させた。付着量が比較的多い10箇所の平均付着厚さは532μmであった。この熱遮蔽部材を特許文献1に示す方法に準じたエッチング処理方法で再生した。先ず薬液槽内に薬液であるフッ酸と硝酸の混酸を貯え、次いでシリコン等が付着した熱遮蔽部材を薬液に浸漬し、超音波洗浄した。シリコン等が洗浄除去された熱遮蔽部材を薬液槽から純水を貯えるリンス槽に移して浸漬した。このリンス層で薬液槽と同様に熱遮蔽部材を超音波洗浄した後、熱遮蔽部材をリンス槽から引上げ、乾燥して、再生した。
<比較例8>
実施例1で用いた引上げ装置と同一機種の引上げ装置に実施例1と同一の黒鉛製でその表面にSiC被覆がなされた熱遮蔽部材を取付け、シリコン単結晶を10回引上げ、この熱遮蔽部材の表面にシリコン等を付着させた。付着量が比較的多い10箇所の平均付着厚さは590μmであった。この熱遮蔽部材の表面を特許文献2に記載の研削砥石(粒度1000番)を用いて研磨し、熱遮蔽部材の表面に付着していたシリコン等を機械的に除去した。
<比較試験その1と評価>
実施例1〜7及び比較例1〜8で用いた熱遮蔽部材又は整流筒の部材について、再生後におけるシリコン等の付着状況、再生前後における部材肉厚の変化状況、再生後における部材表面の劣化又は疵の有無及び再生に要した時間を調べた。部材の肉厚はノギスで10箇所測定し、再生前を1としたときの再生後の肉厚の平均値を割合(肉厚平均変化率)で示す。再生後におけるシリコン等の付着状況及び部材表面の劣化又は疵の有無は目視により判定した。これらの結果を表1に示す。
Figure 0006471631
表1から明らかなように、1650℃で熱処理した比較例1のSiC被覆がなされた黒鉛製の熱遮蔽部材では、再生処理後にシリコン等が付着していた。また2550℃で熱処理した比較例2のSiC被覆がなされた黒鉛製の熱遮蔽部材では、再生処理後に熱遮蔽部材の表面のSiC被膜が剥離していた。また1750℃、1.33kPaの圧力下で1.8時間熱処理した比較例3のSiC被覆がなされた黒鉛製の熱遮蔽部材では、再生処理後にシリコン等が付着していた。また1650℃、4.0kPaの圧力下で熱処理した比較例4のSiCも炭素膜も被覆がなされていない黒鉛製の熱遮蔽部材では、再生処理後にシリコン等が付着していた。また1350℃で熱処理した比較例5の石英ガラス材料からなる整流筒では、再生処理後にシリコン等が付着していた。また1750℃で熱処理した比較例6の石英ガラス材料からなる整流筒では、再生処理後に整流筒が熱変形し、肉厚平均変化率0.96となって示された。また化学洗浄によるエッチング処理方法で再生した比較例7のSiC被覆がなされた黒鉛製の熱遮蔽部材では、再生に326時間を要した。更に表面を研削砥石で研磨して表面に付着していたシリコン等を機械的に除去した比較例8のSiC被覆がなされた黒鉛製の熱遮蔽部材では、再生処理後にシリコン等が付着しており、かつ表面に研削疵が多数存在していた。
これに対して、実施例1〜7で再生した熱遮蔽部材及び整流筒は、再生処理後にシリコン等が全く付着しておらず、部材の肉厚平均変化率はいずれも1であって肉厚変化や熱変形は全くなく、被膜剥離や部材表面の疵は全く生じなかった。その上、再生に要した時間は9.5〜13.5時間と比較的短く、速やかに再生することができた。
<比較試験その2と評価>
同一機種のシリコン単結晶引上げ装置を2台選び、2台の引上げ装置に、同一の製造ロットから選ばれた基材が黒鉛製でその表面にSiC被覆がなされた2つの熱遮蔽部材を各別に取付け、かつ同一のシリコン原料をそれぞれの坩堝に入れ、これをシリコン融液にした後、2台とも同一の引上げ条件でシリコン単結晶を引上げた。2台の引上げ装置の坩堝を交換し、それぞれ同一の引上げ条件でシリコン単結晶を10回繰り返し引上げたところ、2つの熱遮蔽部材の各表面にシリコン等が付着した。1つの熱遮蔽部材を実施例1による方法により、他の1つの熱遮蔽部材を比較例7による方法により、それぞれ再生した。再生後、再び2つの熱遮蔽部材を同一の引上げ装置に取付け、同様に2つの熱遮蔽部材の各表面にシリコン等を付着させた。2つの熱遮蔽部材の再生とシリコン等の付着を繰り返し行い、双方の熱遮蔽部材のSiC被覆が剥がれるまでの回数を測定した。その結果、比較例7による方法では、70回でSiC被覆が剥がれ始めたのに対して、実施例1による方法では、220回でSiC被覆が剥がれ始めた。これにより、実施例1により再生した熱遮蔽部材は、比較例7により再生した熱遮蔽部材よりも、3倍以上長く使用することができ、熱遮蔽部材のライフエンドを大幅に伸ばすことができた。
<比較試験その3と評価>
同一機種のシリコン単結晶引上げ装置を3台選び、3台の引上げ装置に、同一の製造ロットから選ばれた基材が黒鉛製でその表面にSiC被覆がなされた3つの熱遮蔽部材を各別に取付け、かつ同一のシリコン原料をそれぞれの坩堝に入れ、これをシリコン融液にした後、3台とも同一の引上げ条件でシリコン単結晶を引上げた。それぞれ同一の引上げ条件でシリコン単結晶を10回繰り返し引上げたところ、3つの熱遮蔽部材の各表面にシリコン等が付着した。1つの熱遮蔽部材は実施例1の方法により再生した。もう1つの熱遮蔽部材は比較例1の方法により再生した。残りの1つの熱遮蔽部材は再生しなかった。これら3つの熱遮蔽部材を同一の引上げ装置に取付けて、更に続けて同一の引上げ条件でそれぞれ10本シリコン単結晶を引上げた。3台の引上げ装置で引上げたそれぞれ10本のシリコン単結晶の単結晶化率(Disloction Free Ratio)を測定した。その結果、再生しなかった熱遮蔽部材を用いて引上げたシリコン単結晶の単結晶化率を100としたときに、比較例1の方法により再生した熱遮蔽部材を用いて引上げたシリコン単結晶の単結晶化率が100.4であったのに対して、実施例1の方法により再生した熱遮蔽部材を用いて引上げたシリコン単結晶の単結晶化率は、平均102.2であり、単結晶化率が約2%向上した。単結晶化率が向上したのは、熱遮蔽部材からシリコン等がシリコン融液に落下して混入する量が他の2例よりも少なかったためと推察された。
<比較試験その4と評価>
比較例のエッチング処理方法により再生した熱遮蔽部材を有する引上げ装置で直径200mmのp型で結晶方位が<100>であるシリコン単結晶を295本引上げた。これらの単結晶からそれぞれ切り出したシリコンウェーハの抵抗率を四端子法にて測定した。抵抗率が5Ω・cm以上のシリコンウェーハのライフタイムを10Ω・cmに換算し、これらのライフタイムの平均値を1として各ライフタイムを相対値で求めた。一方、実施例1の方法で再生した熱遮蔽部材以外は上記と同じ引上げ装置で同一原料を用いて同一引上げ方法により直径200mmのp型で結晶方位が<100>であるシリコン単結晶を10本引上げた。これらの単結晶からそれぞれ切り出したシリコンウェーハの各抵抗率を上記と同じ方法で測定し、得られた抵抗率をそれぞれ上記と同様に10Ω・cmに換算した。換算して得られたライフタイムの各相対値を、比較例7の抵抗率のライフタイムの平均値と比較したところ、実施例1の方法で再生した熱遮蔽部材を有する引上げ装置から製造されたシリコンウェーハのライフタイムは、比較例7の方法で再生した熱遮蔽部材を有する引上げ装置から製造されたシリコンウェーハのライフタイムよりも平均で約18%向上し、かつばらつきも小さかった。この結果、比較例7の方法で熱遮蔽部材を再生処理するよりも、実施例1の方法で熱遮蔽部材を再生処理する方が、清浄化の度合いが高いことが確認された。
本発明の再生方法は、シリコン単結晶引上げ装置内のシリコン等が付着する部材からシリコン等を昇華除去して再生するのに用いられる。

Claims (8)

  1. シリコン単結晶引上げ装置内に設けられる部材の表面に付着したSiOx及び/又は金属シリコンを除去して前記部材を再生する方法において、
    前記SiOx及び/又は金属シリコンが表面に付着した部材を不活性ガス雰囲気下、2.67kPa以下の圧力下、前記部材の表面温度が表面に付着した前記SiOx及び/又は金属シリコンの昇華を開始する温度以上でかつ前記部材が熱変形及び/又は熱変質を開始する温度未満の温度で少なくとも2時間熱処理して前記部材の表面に付着したSiOx及び/又は金属シリコンを昇華し除去し、
    前記熱処理した後に、前記熱処理温度から3〜15℃/分の速度で室温まで冷却することを特徴とするシリコン単結晶引上げ装置内の部材の再生方法。
  2. 前記部材が黒鉛部材であって、前記熱処理温度が少なくとも1700℃である請求項1記載の再生方法。
  3. 前記黒鉛部材がSiC被覆処理された黒鉛部材であって、前記熱処理温度が1700℃以上2500℃以下である請求項2記載の再生方法。
  4. 前記黒鉛部材が炭素膜により被覆処理された黒鉛部材であって、前記熱処理温度が1700℃以上2500℃以下である請求項2記載の再生方法。
  5. 前記黒鉛部材が熱遮蔽部材である請求項2ないし4のいずれか1項に記載の再生方法。
  6. 前記部材が石英部材であって、前記熱処理温度が1400℃以上1700℃以下である請求項1記載の再生方法。
  7. 前記石英部材が整流筒である請求項6記載の再生方法
  8. 請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載された方法で再生された部材を用いて、シリコン単結晶を製造する方法。
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