JP3156581B2 - 炭化珪素被覆黒鉛部材の再生方法 - Google Patents

炭化珪素被覆黒鉛部材の再生方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製品の製造
装置を構成する部材、ガラス製品の製造装置を構成する
部材、耐摩耗性を必要とする部材等として使用される炭
化珪素被覆黒鉛部材の再生方法に関し、特に再生すべき
該部材から炭化珪素被膜を除去した後、所望の炭化珪素
被膜を形成させて使用に適した状態とする方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】耐熱性、耐熱衝撃性、耐食性に富む黒鉛
材の表面を緻密な炭化珪素膜で覆った炭化珪素被覆黒鉛
部材は、半導体製造装置用部材、ガラス製品製造装置用
部材、耐摩耗性部材等として広い分野で用いられる。た
とえば、半導体関連の分野では、シリコン単結晶引上げ
装置用の部品、シリコンエピタキシャル成長用サセプタ
等として炭化珪素被覆黒鉛部材が広く利用される。
【0003】炭化珪素被覆黒鉛部材において、黒鉛材を
覆う炭化珪素膜は、黒鉛材を緻密な組織で覆い、黒鉛材
の細孔中に存在する吸着ガスや不純物の放出を防止する
ために設けられる。しかしながら、炭化珪素被膜は、高
弾性でかつ薄いため、衝撃力に弱く、たとえば製造時や
使用時におけるハンドリングの際に該部材を何かに当て
ると、被膜にはクラックや剥離が生じやすい。また、該
部材の使用を重ねると、雰囲気ガスとの反応により、被
膜が徐々に浸食されてピンホールを生じることもある。
こうした被膜に欠陥が生じた部材を用いて、たとえば半
導体製造を行なうと、微小な欠陥を介して黒鉛材中から
外にガスが放出され、その中に含まれる不純物が半導体
結晶中に混入することにより、その電気的特性に異常が
生じることになる。
【0004】炭化珪素被覆黒鉛部材の製造時において被
膜に欠陥を有する不良品が発生した場合、および該部材
を使用した結果ライフエンドに至った場合、従来におい
ては、使用に適しないこれらの部材を廃棄せざるを得な
かった。製造時に発生した不良品を廃棄することは、製
造時の良品率がその分低くなるので、製品コストの高騰
につながる。また、使用した部材を廃棄して新品と取替
えることは、相当な資材コストを発生させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した問題点を解決し、炭化珪素被覆黒鉛部材の製造にお
いては製品のコストを抑えることができ、一方、使用に
よりライフエンドに至った該部材の取替時においては、
それにかかる資材コストを抑えることができる技術を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した課
題について検討を重ねた結果、製造時の不良品および使
用によるライフエンド品を廃棄せずに、新品と同等の品
質に再生できる新規な技術を確立し、本発明を提供する
に至った。
【0007】すなわち本発明は、黒鉛からなる基材上に
炭化珪素の被膜が形成された炭化珪素被覆黒鉛部材の再
生方法であって、再生すべき炭化珪素被覆黒鉛部材に存
在する炭化珪素の被膜を、ハロゲンを含むガスに接触さ
せて加熱することにより、炭素の層に変換する工程と、
該炭素の層を除去する工程と、該炭素の層を除去した後
の黒鉛からなる基材上に、炭化珪素の被膜を形成して炭
化珪素被覆黒鉛部材を得る工程とを備えることを特徴と
する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、炭化珪素被覆黒鉛部材
について、炭化珪素被膜に欠陥が生じた不良品、使用に
よるライフエンド品等を再生し、使用に適した品質とす
る方法である。本発明は、種々のサイズ、形状、品質等
の炭化珪素被覆黒鉛部材の再生に適用することができ
る。
【0009】本発明によって再生される炭化珪素被覆黒
鉛部材の具体例として、るつぼ、ヒータ、熱遮蔽部材等
の半導体単結晶(特にシリコン単結晶)引上げ装置を構
成する部品(半導体製造用部材)、エピタキシャル成長
用サセプタ(特にSiエピタキシャル成長用サセプタ)
等の半導体装置の製造プロセスに使用される部品、ガラ
ス成形用治具、光ファイバ製造用炉心管等のガラス製品
の製造に用いられる部品、種々の摺動部品等の耐摩耗性
部材、金属溶解用るつぼ等の耐熱部材などを挙げること
ができる。
【0010】炭化珪素被覆黒鉛部材は、基本的に、黒鉛
からなる基材上に炭化珪素の被膜を形成してなるもので
ある。該部材において、黒鉛材の製造および炭化珪素の
コーティングには、種々の方法が採用されるが、本発明
は、特に限定されることなく、採用される種々の方法に
よって製造された炭化珪素被覆黒鉛部材の再生に適用さ
れる。なお、該部材の具体的な製造方法には、たとえ
ば、コークスや黒鉛等を微粉砕し、これにコールタール
ピッチ等のバインダを加え熱間混練した後、再び粉砕
し、成形、焼成、さらにタールピッチ等の含浸、再焼成
を繰返して得られる黒鉛化した炭素材料について必要な
形状に機械加工し、高純度化工程の後SiCをコーティ
ングする方法、またはコールタール等の重質油について
メソフェーズの生成を妨げないで重縮合を進め、減圧下
での加熱により分解油や低分子化合物を除去して得られ
るピッチを粉砕し、成形し、焼成を経て黒鉛化した炭素
材料について必要な形状に機械加工し、高純度化工程の
後SiCをコーティングする方法などがある。SiCを
コーティングする具体的な方法には、たとえば黒鉛基材
面に直接SiCを蒸着するCVD法、黒鉛基材面にSi
を堆積させた後、このSiと黒鉛基材とを反応させてS
iCとするコンバージョン法などがある。
【0011】本発明では、再生すべき炭化珪素被覆黒鉛
部材に存在する炭化珪素の被膜を、ハロゲンを含むガス
に接触させて加熱することにより炭素の層に変換する。
この工程は、加熱下においてハロゲンを含むガスと炭化
珪素との反応により珪素をハロゲン化物に変えて気化さ
せ、炭素を基材上に残留させるものである。ハロゲンと
しては、塩素およびフッ素等を好ましく用いることがで
き、ハロゲンを含むガスとしては、塩素ガス等のハロゲ
ンガス、フレオンガス等を好ましく用いることができる
が、これらに限定されるものではない。炭化珪素は、1
000℃程度からハロゲンを含むガスと反応し、脱珪素
化が進むが、1500℃以下であると、反応が遅いため
処理時間が長くなる。一方、処理炉の高温維持能力は、
多くの場合、2500℃程度までである。以上のような
見地から、1500℃〜2500℃の範囲の加熱温度が
好ましく、またハロゲンを含むガスと反応させて効率的
に脱珪素化を進めるため、1700℃〜2500℃の加
熱温度がより好ましい。たとえば、厚さ100μm程度
のSiC被膜を炭素の層に変える場合、1700℃以上
の加熱温度であれば、10時間以内で脱珪素化処理を行
なうことができる。
【0012】このような脱珪素処理は、たとえば図1に
模式的に示すような装置(たとえば純化炉)において行
なうことができる。図1に示す装置において、ステンレ
ス鋼製の炉体1内には、黒鉛からなる反応容器2が収容
されている。反応容器2の周りには、高周波コイル等の
加熱手段3が設けられ、反応容器2およびその中に設置
される部材を加熱することができる。反応容器2には、
ガス導入路4およびガス排出路5が接続されており、容
器2内に反応ガスを流通させるようになっている。この
ような装置において、脱珪素化を行なうべき部材は、反
応容器2に適宜収容され、加熱手段3によって所定温度
に加熱されながら、ガス導入路4から導入されるハロゲ
ンを含む反応ガスに接触させられる。反応により生じた
珪素のハロゲン化合物は、反応ガスとともにガス排出路
5から排出される。このような脱珪素処理の結果、部材
上のSiC被膜は炭素の層に変えられる。
【0013】上述したように、炭化珪素被膜から珪素を
脱離させることにより生成した炭素の層は、本発明にお
いて、適宜除去される。黒鉛基材上に生成したこの炭素
の層は、通常、黒鉛基材と色が異なるか、電気伝導率が
異なるため、目視による観察や電気抵抗の測定等によっ
て、炭素の層が除去されたかどうかを容易に確認するこ
とができる。炭素層の除去方法については、十分な除去
が可能であれば、機械的、化学的方法等において特に限
定されるものではない。好ましい具体的な除去方法とし
て、たとえば、ハンドグラインダー等の機械研削、サン
ドブラスティングによる除去等を挙げることができる。
【0014】本発明において、上述したように炭素層が
除去された黒鉛基材の表面には、当該部材の用途に適し
た炭化珪素被膜が形成される。すなわち本発明は、欠陥
があるかまたは使用に適さない炭化珪素被膜を上述した
ように除去した後、新たに適切な炭化珪素被膜を形成し
て、使用に適した部材を提供する。炭化珪素の被膜は、
PVD(物理蒸着)、CVD(化学蒸着)などの種々の
方法によって形成することができ、その形成方法につい
ては特に限定されるものではないが、より緻密で純度の
高い膜が得られる点で、CVD法がより好ましい。CV
D法では、たとえば炭化水素などの炭素源とハロゲン化
珪素化合物との混合物、または炭化水素基を含むハロゲ
ン化珪素化合物を、水素等の還元性気流中で熱分解させ
て黒鉛基材面にSiCを蒸着させる。炭素源としての炭
化水素には、メタン(CH4 )、プロパン(C3 8
等を用いることができ、それと混合するハロゲン化珪素
化合物には、四塩化珪素(SiCl4 )およびトリクロ
ロシラン(SiHCl3 )などを用いることができる。
また、炭化水素基を含むハロゲン化珪素化合物として、
トリクロロメチルシラン(CH3 SiCl3 )、トリク
ロロフェニルシラン(C6 5 SiCl3 )、ジクロロ
メチルシラン(CH3 SiHCl2 )、ジクロロジメチ
ルシラン((CH3 2 SiCl2 )、クロロトリメチ
ルシラン((CH3 3 SiCl)などを用いることが
できる。形成される炭化珪素被膜の厚みは、特に限定さ
れることなく、部材の用途に応じて適宜決定される。な
お、一般に表面の被覆を十分なものとするため、炭化珪
素被膜の厚みは50μm以上が好ましく、50μm〜2
00μmの範囲がより好ましい。
【0015】以上に示した本発明のプロセスを、図2に
模式的に示す。黒鉛基材11上に形成されたSiC被膜
12に欠陥13を有する炭化珪素被覆黒鉛部材10が提
供される(図2(a))。該部材10は、所定の加熱温
度において、ハロゲンを含むガスに晒され、SiC被膜
12中のSiがハロゲン化合物として気化される(図2
(b))。脱珪素処理の後、黒鉛基材11上には、炭素
の層14が残る(図2(c))。該炭素の層が除去され
た(図2(d))後、黒鉛基材11上に欠陥を有してい
ない新たなSiC被膜12′が形成され、該部材は再生
される(図2(e))。
【0016】なお、本発明は、上述した脱珪素化工程、
炭素層の除去工程およびSiC被膜の形成工程を必須の
工程として備えるが、必要に応じて洗浄工程、純化工程
などの他の工程を備えることができる。たとえば、脱珪
素化工程の前に、処理すべき部材をより清浄にするた
め、洗浄工程および乾燥工程等を備えてもよい。また、
炭素層の除去工程の後、SiC被膜を形成するための黒
鉛基材を清浄にするため、洗浄・乾燥工程や純化工程を
適宜行なうことができる。
【0017】炭化珪素被覆黒鉛部材の再生を考えたとき
に、SiC被膜を除去せずに不良品またはライフエンド
品にそのままSiCコーティングを施す方法も考えられ
る。しかしこのような場合、不良品またはライフエンド
品のSiC被膜におけるクラック等の欠陥を介して、黒
鉛材中に吸着されたガスが放出され、SiCのコーティ
ングが阻害される結果、十分なコーティングができない
ことがある。また、十分なコーティングが行なわれたと
しても、加熱、冷却の際の生じる熱応力により、欠陥部
に応力がかかり、再び欠陥が進展する等の不具合が生じ
ることとなり、被膜の欠陥を完全になくすことは困難で
ある。またこの方法では、当然のことながら、SiCコ
ーティングを行なった分だけ製品の寸法は変化してしま
う。したがって、SiCコーティングを行なう前に欠陥
のある被膜を除去しておく必要がある。しかし、SiC
被膜は非常に硬く、化学的にも安定しているので、その
ままのものを機械的、化学的に除去することは困難であ
る。これに対し、本発明は、上述したように脱珪素化工
程および炭素層の除去工程により、容易にかつ黒鉛基材
にダメージを与えることなく炭化珪素被膜を除去でき
る。なお、後述の実施例で示すように、脱珪素化工程の
後に残る炭素層を除去しないでSiCコーティングを行
なうと、黒鉛基材とSiC被膜の熱膨張差により生じる
応力により、炭素層上に形成されたSiCコーティング
は、該炭素層と黒鉛基材との境界部分で容易に剥離して
しまう。これは、該炭素層と黒鉛基材との結合力が弱い
ためである。上述したように、本発明は、脱珪素化工
程、炭素層の除去工程およびSiC被膜の形成工程によ
り、黒鉛基材上に該部材の用途に適したクラック等の欠
陥のないSiC被膜を形成して、該部材の再生を図って
いる。
【0018】
【実施例】
実施例 炭化珪素被覆黒鉛部材として、約100μmの厚みの炭
化珪素被膜が黒鉛基材上に形成されたSiエピタキシャ
ル成長用サセプタを、本発明の方法により再生した。再
生に供したサセプタは、炭化珪素被膜にピンホールが生
成し、ライフエンド品となったものである。
【0019】まず、再生すべきサセプタを純化炉に入
れ、炉内において1700℃に加熱しながら、該サセプ
タを収容する炉内に純度99.7%以上の塩素ガスを8
時間流した。これにより、サセプタの炭化珪素被膜を塩
素ガスと反応させて珪素をハロゲン化合物として気化さ
せ、サセプタの黒鉛基材上に厚み約100μmの炭素の
層を生成させた。
【0020】次に、サンドペーパーにより生成した炭素
の層をサセプタから除去し、その後純水によりサセプタ
表面を洗浄し、クリーンルームにおいて乾燥して、炭化
珪素被膜の形成工程に供した。
【0021】塩素ガス処理により生成した炭素層が上述
のように除去され、黒鉛基材の表面が清浄にされたサセ
プタをCVD炉に収容し、1400℃に加熱しながら、
その表面に炭化珪素を化学蒸着させた。CVDは、ハロ
ゲン化珪素化合物としてトリクロロシラン(SiHCl
3 )、炭素源としてメタン(CH4 )を用い、キャリア
として水素ガスを用いる通常の方法により行なった。C
VDにおいて用いた混合ガスの組成は、トリクロロシラ
ン3容量%、メタン3容量%、水素残部である。トリク
ロロシランおよびメタンのCVD炉への供給速度を約1
×10-3mol/minとして、黒鉛基材上に厚さ10
0μmの炭化珪素(SiC)被膜を形成した。以上の工
程によりライフエンド品となったサセプタを再生した。
【0022】再生したサセプタを、半導体装置の製造工
程で用いられるSiエピタキシャル成長炉にセットし、
該サセプタ上にSiウェハを載置した。次いで、サセプ
タを1150℃まで加熱しながら、トリクロロシラン
(SiHCl3 )が5容量%となるように水素ガスで希
釈した混合ガスを、成長炉に10分間流し、反応を起こ
してSiウェハ上に厚さ10μmのSi層をエピタキシ
ャル成長させた。5枚のSiウェハについて同一の再生
サセプタを用い、以上のエピタキシャル成長工程を行な
った。
【0023】得られたエピタキシャル成長層の電気比抵
抗を測定し、さらに使用後のサセプタの異常の有無につ
いて観察した結果を表1に示す。表1から明らかなよう
に、測定した比抵抗は5回のエピタキシャル成長工程と
も400μΩcm以上であり、汚染のない良好なエピタ
キシャル成長層が得られることがわかった。また、使用
後のサセプタには異常が見られなかった。なお、新品の
エピタキシャル成長用サセプタを使用して同様にエピタ
キシャル成長を行なった場合、エピタキシャル成長層の
比抵抗は440〜490μΩcmの範囲であったため、
本発明による再生品は、新品と同様の品質を有すること
が明らかとなった。
【0024】比較例 炭化珪素被膜にピンホールが生成し、ライフエンド品と
なったSiエピタキシャル成長用サセプタを上記実施例
と同様に純化炉に入れ、塩素ガスによる処理を施してS
iC被膜を炭素層に変えた。次いで、残った炭素層を除
去しないで、実施例と同様の条件でCVD炉において厚
さ100μmの炭化珪素被膜を形成した。このように炭
素層上に炭化珪素被膜を形成したサセプタを用いて、上
述した実施例と同様の条件で、Si層のエピタキシャル
成長を行なった。得られたエピタキシャル成長層の比抵
抗を測定し、使用後のサセプタについて異常の有無を観
察した結果を表1に示す。表に示すとおり、2回の使用
でサセプタのSiC被膜に剥離が観察された。また、1
回および2回目とも、エピタキシャル成長層の比抵抗は
100μΩcm以下であった。1回目から比抵抗が低く
なったのは、目視では発見されなかったが、既に1回目
でSiC被膜に剥離の原因となるクラックが生じてお
り、このクラックから放出されたガスによりエピタキシ
ャル成長層が汚染されたためと推定できる。この結果か
ら、ハロゲンを含むガスでの処理により生成した炭素の
層を除去することが、該部材の再生にいかに重要である
かがわかる。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】以上に示すように、本発明によって再生
した炭化珪素被覆黒鉛部材は、その被膜についてクラッ
ク等の欠陥がなく、また半導体装置の製造に使用しても
極めて良好な結果が得られるものである。本発明は、再
生によって新品と同様の品質を備える炭化珪素被覆部材
を提供することができる。したがって、本発明は、該部
材の製造中に生ずる不良品を再生して良品率を高め、製
品コストを抑えるため有用である。また本発明は、ライ
フエンド品の再生に用いることができ、該部材の利用者
に、新品より安価でかつ新品と同様の品質を有する再生
品を提供することができる。特に、サイズの大きな当該
部材は相当なコストがかかるため、これを再生すれば、
利用者のコスト負担は顕著に低減される。このように本
発明は、炭化珪素被覆黒鉛部材を再生するための技術と
して極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法において、脱珪素処理に用いられ
る装置の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の工程の一具体例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 炉体 2 反応容器 3 加熱手段 4 ガス導入路 5 ガス排出路 10 炭化珪素被覆黒鉛部材 11 黒鉛基材 12 SiC被膜 13 欠陥 14 炭素の層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒鉛からなる基材上に炭化珪素の被膜が
    形成された炭化珪素被覆黒鉛部材の再生方法であって、 再生すべき前記炭化珪素被覆黒鉛部材に存在する前記炭
    化珪素の被膜を、ハロゲンを含むガスに接触させて加熱
    することにより、炭素の層に変換する工程と、 前記炭素の層を除去する工程と、 前記炭素の層を除去した後の黒鉛からなる基材上に、炭
    化珪素の被膜を形成して炭化珪素被覆黒鉛部材を得る工
    程とを備えることを特徴とする、炭化珪素被覆黒鉛部材
    の再生方法。
JP04757296A 1996-03-05 1996-03-05 炭化珪素被覆黒鉛部材の再生方法 Expired - Fee Related JP3156581B2 (ja)

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