JPH10287495A - 高純度炭化珪素質半導体処理部材及びその製造方法 - Google Patents
高純度炭化珪素質半導体処理部材及びその製造方法Info
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Abstract
生を極力少くでき、半導体ウェハの成膜処理が歩留まり
よく出来るようにしクラックのない高純度炭化珪素質半
導体部材を得ようとするものである。さらに、高純度炭
化珪素質炉芯管については、その熱容量を小さくしよう
とするものである。 【解決手段】カーボン基材の外表面に熱分解カーボン層
又はガラス状カーボン層を形成し、該熱分解カーボン層
又はガラス状カーボン層の表面にCVDによりSiC膜
を形成し、次にカーボン基材と基材表面に形成した熱分
解カーボン層又はガラス状カーボン層を酸化除去するこ
とを特徴とする高純度炭化珪素質半導体処理部材の製造
方法である。
Description
質の半導体処理部材及びその製造方法に関する。更に詳
しくいえば、半導体ウェハの製造時の成膜工程で使用さ
れる反応炉内に挿入されるガス導入ノズル、炉芯管、更
には炉芯管の中でも特にインナーチューブ及びこれらの
製造方法に関するものである。
載置して、この反応炉内にノズルから反応ガスを導入し
て半導体ウェハ上に膜を形成するのに使用されているガ
ス導入ノズルなどの半導体処理部材は、従来から高純度
石英ガラスが使用されている。しかし石英ガラスは、耐
熱性やフッ硝酸溶液などの洗浄溶液に対する耐蝕性が不
十分であるところからその耐用寿命は短かった。そのた
め、石英ガラス管の代替として、反応焼結SiC(特開
昭58−60543)や高純度アルミナ焼結体なども使
用されているが、純度面で石英ガラスより劣りまた耐蝕
性においても十分ではなかった。
度で耐蝕性に優れたCVDーSiC被膜(CVDにより
形成されたSiC被膜をCVD−SiC被膜という。)
を形成することが提案されているが、CVDーSiC被
膜を所定の厚さで均一に形成することは実際には困難
で、この方法では基材からの不純物の拡散やピンホール
の問題とともに、CVD被膜の表面粗さが大きいという
問題があった。そのため、ガス導入ノズルではノズル内
壁に凹凸が生じ、それが原因でノズル内に多くのパーテ
ィクルが発生するといった問題があった。
が多く存在しているために、導入された反応ガスがこの
凹凸に当たって流れが不均一となり、その一部はウェハ
に到達する前に気相中で核成長して、これがパーティク
ルとなってウェハの成膜工程の歩留まり低下の大きな要
因となっていた。
スが当たることにより内壁面付近でガスの流れが不均一
となり、パーティクルが発生し問題となっていた。特
に、図7に示されている反応炉の中のインーナーチュー
ブ22のような場合には、これがウェハに近接している
ために反応ガスの流れの不均一によるパーティクルの発
生がウェハの性能に大きく影響し、さらにガスの流れの
不均一によりウェハ上に成長させる膜の膜厚にばらつき
が生じるという不具合が生じていた。
材パイプに2mm以上のCVD−SiC膜を形成し、その
後、基材の黒鉛質パイプを焼抜き除去して炭化珪素質プ
ロセスチューブを製造する方法が開示されている。この
方法は、カーボンパイプ内面にCVD−SiC膜を形成
し、その後カーボンパイプを酸化除去する方法と、カー
ボンパイプの外面にCVD−SiC膜を形成し、その後
カーボンパイプを酸化除去する方法の二つの方法があ
る。
面にCVD−SiC膜を形成する方法で、CVD−Si
C単一相の炉芯管やノズルを作成した場合、基材として
使用するカーボンは数%の開気孔を有するポーラスな材
料であるために、たとえカーボン基材表面を高精度に平
坦化加工しても、CVD−SiC膜の内表面(管の内
壁)は、カーボンパイプの内表面粗さに依存してCVD
膜が成長して凹凸形状となり、少なくともCVD−Si
C膜内表面が基材のカーボンパイプの内表面粗さよりも
平滑となることはなかった。
(B)の通りである。図5の(A)で10はカーボンパ
イプであり、その内面にCVD−SiC膜11を形成す
る。その後、これを酸化処理して外側のカーボンパイプ
10を焼抜きCVD−SiC単一相の管13とする。図
5の(B)は、図(A)に示すCVD−SiC単一相の
管13の内壁面の一部(X)を誇張して拡大し、模式的
に示したものである。この(B)図に示すように、CV
D−SiC被膜は柱状或いは針状に結晶成長して出来る
ために、CVD−SiC膜の内表面粗さは、カーボンパ
イプの内表面粗さに依存し、管13の内壁面に凹凸が形
成されるといった問題があった。
面にCVD−SiC膜を形成する方法は、CVD−Si
C膜の内表面はカーボンパイプの外表面粗さに直接依存
し、少なくともCVD−SiC膜内表面がカーボンパイ
プの外表面粗さよりも小さくなることはなかった。
(B)の通りである。図6の(A)で15がカーボンパ
イプであり、その外表面にCVD−SiC膜16を形成
する。その後、これを酸化して内側のカーボンパイプ1
5を焼抜きCVD−SiC単一相の管17とするもので
ある。図6の(B)は、図(A)に示すCVD−SiC
単一相の管17の内壁面の一部(Y)を誇張して拡大
し、模式的に示したものである。この(B)図に示すよ
うに、カーボンとの界面(接触面)が、管内壁面となる
ため、カーボンの表面粗さを反映し凹部が生じる。また
これらの方法では、形成されるCVD−SiC膜がカー
ボンの開気孔に入り込んで密着しているため、SiC膜
が厚くなると応力が働きクラックが生じてしまい良好な
成形体が得られなかった。
題を解消するために、表面が平滑で高純度な石英ガラス
管の内壁又は外壁にCVD−SiC膜を形成した後、フ
ッ化水素酸により石英ガラス管を溶解除去する方法が特
開昭58−141525号に提案されている。また、耐
熱基材表面にSi層を形成し、その表面にCVD−Si
C層を形成した後、Si層をエッチング除去する方法が
特開平4−321511号に開示されている。
基材とするものは、石英とSiCとは熱膨脹係数が大き
く異なるために、現実的にはSiC膜にクラックが入っ
て良好な成形体が得られないといった問題があった。ま
た、Si層を用いるものは石英ほど膨脹係数に違いはな
いがこれもクラックが入ってしまうという同様な問題が
あって、いまだ内表面が十分に平滑な高純度炭化珪素質
半導体部材が得られていないのが実情である。
を施すと、加工治具からの不純物が内壁に付着し、純度
面で処理ウェハに悪影響を及ぼし、また加工中に管が割
れ歩留まりが低いという問題があった。さらにガス導入
ノズルの場合、ノズル径が小さい場合や複雑形状の場合
は研削加工は極めて困難であった。
合は、その厚さが厚いと炉芯管の熱容量が大きく、熱を
奪ってしまい炉内の温度が上がりにくいという問題があ
り、熱容量を小さくして炉内の温度を効率よく昇温する
ために炉芯管の厚さを出来るだけ薄くすることが求めら
れている。
平滑でパーティクルの発生を極力少くでき、半導体ウェ
ハの成膜処理が歩留まりよく出来るようにしクラックの
ない高純度炭化珪素質半導体部材を得ようとするもので
ある。さらに、高純度炭化珪素質炉芯管については、そ
の熱容量を小さくしようとするものである。
材の外表面に熱分解カーボン層又はガラス状カーボン層
を形成し、該熱分解カーボン層又はガラス状カーボン層
の表面にCVDによりSiC膜を形成し、次にカーボン
基材と基材表面に形成した熱分解カーボン層又はガラス
状カーボン層を酸化除去することを特徴とする高純度炭
化珪素質半導体処理部材の製造方法(請求項1)、高純
度SiC焼結体基材の外表面に熱分解カーボン層又はガ
ラス状カーボン層を形成し、該熱分解カーボン層又はガ
ラス状カーボン層の表面にCVDによりSiC膜を形成
し、次に基材表面に形成した熱分解カーボン層又はガラ
ス状カーボン層を酸化除去し、熱分解カーボン層又はガ
ラス状カーボン層の酸化除去で生じた隙間から高純度S
iC焼結体基材を除去することを特徴とする高純度炭化
珪素質半導体処理部材の製造方法(請求項2)、熱分解
カーボン層又はガラス状カーボン層の厚さが3〜80μ
mである請求項1,2いずれかに記載の高純度炭化珪素
質半導体処理部材の製造方法(請求項3)、CVDによ
るSiC単一相のガス導入ノズルであって、その内壁面
の表面粗さがRaで1μm以下であり、かつクラックが
ないことを特徴とする高純度炭化珪素質半導体用ガス導
入ノズル(請求項4)、ガス導入ノズルの形状が、直線
状、一端又は両端が屈曲状、先端多分岐状及び一端が封
止されて側面に複数のガス放出孔を設けた形状の中から
選択される一つである請求項4記載の高純度炭化珪素質
半導体用ガス導入ノズル(請求項5)、CVDによるS
iC単一相の炉芯管であって、該炉芯管の内壁面の表面
粗さがRaで1μm以下であり、かつクラックがないこ
とを特徴とする高純度炭化珪素質半導体用炉芯管(請求
項6)及びCVDによるSiC単一相の炉芯管であっ
て、該炉芯管の内壁面の表面粗さがRaで1μm以下で
あり、その厚さが500μm〜1mmであり、かつクラ
ックがないことを特徴とする請求項6記載の高純度炭化
珪素質半導体用炉芯管(請求項7)である。
れと同形のカーボンロッドなどの基材外表面に、予め熱
分解カーボン又はガラス状カーボンの層を形成してこの
基材の表面を平滑にし、その上にCVD−SiC膜の筒
体を形成し、その後少なくとも熱分解カーボン層又はガ
ラス状カーボン層を焼き抜きするので、得られた管内表
面は極めて平滑となり、高純度で高耐蝕性とすることが
出来る。
必要がなく、そのため内壁が平滑で高純度の複雑形状の
ガス導入ノズルでも容易に製造することが可能である。
カーボン材はSiCと熱膨脹係数が近似しており、従来
のようにCVD−SiC膜がカーボンの開気孔に入り込
んで密着することもないため、クラックが発生せず良好
な成形体が得られる。
た場合にも、熱分解カーボン層やガラス状カーボン層に
より基材表面を平滑にでき、熱分解カーボン層やガラス
状カーボン層のみを酸化除去できるので基材を再利用す
ることができる。また、本願発明のガス導入ノズル、炉
芯管は内壁面が極めて平滑であるので、パーティクルの
発生が大幅に減少できる。炉芯管とした場合は、その厚
さを薄くし熱容量を小さくでき炉内の温度を効率よく上
げることが出来る。
一素材の栓で封止する。栓で封止することにより、CV
DによるSiC膜がカーボンパイプ内面に付着し、カー
ボンパイプを覆ってしまうことを防止できるため、パイ
プを酸素気流中で熱処理し焼き抜く効率が向上し好まし
い。或いはこれに代わるものとしてこれと同形のカーボ
ンロッドを用意する。
ロッドは、ガス導入ノズルを作成する場合は外径が3〜
50mmが好ましい。外径が3mm未満では強度が弱くガス
導入ノズルに使用できるような長尺パイプの作成が困難
である。また外径が50mmを超える程大きくなるとカー
ボンとCVD−SiC膜との熱膨脹係数の微妙な違いが
無視できなくなりクラックが生じる可能性がある。ま
た、カーボンパイプ、カーボンロッドの断面形状は特に
制限されない。
ッドの外表面に、熱分解カーボンの層を形成する。熱分
解カーボン層は、例えば1000℃に保持された反応管
の中に上記のカーボンパイプなどを設置し、これにキャ
リアーガスとしてアルゴンガスと炭化水素(Cm Hn )
ガスの混合ガスを導入して、カーボンパイプの表面に形
成させる。ここに形成される熱分解カーボン層の厚さは
3〜80μmが好ましい。
未満では熱分解カーボン層が均一に形成できずカーボン
パイプ表面を十分に平滑にすることが困難である。ま
た、80μmを超える厚さにすると熱分解カーボン層自
体のわずかなうねりが積み重なって凹凸が発生してしま
う。ここに形成される熱分解カーボン層は、該カーボン
の特性からして基材カーボンパイプ表面と平行に層状に
堆積されて形成されるので、基材カーボン表面に存在し
ていた気孔、つまり凹状のくぼみは表面が覆われるよう
にして消失し表面が平滑となる。
る。図2で1はカーボンパイプの一部の断面図である。
2はカーボンパイプの表面に形成された熱分解カーボン
層である。この図に示されるように、カーボンパイプ1
の上には、熱分解カーボンが気孔3に沿った形でなく気
孔3を覆うようにして形成され、カーボンパイプ1の表
面に平滑な熱分解カーボン層2が形成される。
カーボンを使用しても同様にカーボンパイプの表面に、
平滑なガラス状カーボン層を形成することが出来る。カ
ーボンパイプにガラス状カーボン層を形成するには、例
えば出発原料である熱硬化樹脂をカーボンパイプ表面に
刷毛で塗布するとか、含浸により浸透させた後加熱硬化
させ、ついで非酸化性雰囲気中で焼成するなどの一般的
な方法により、カーボンパイプの表面に平滑なガラス状
カーボン層が形成される。
になる。図3で5がカーボンパイプの一部の断面図であ
る。6はカーボンパイプの表面に形成されたガラス状カ
ーボン層である。この図に示されるように、カーボンパ
イプ5の上にガラス状カーボン6が気孔7の凹状のくぼ
みを充填してふさぐため、その表面が実質的に平滑とな
るような形で形成される。ここに形成される熱分解カー
ボン層の厚さも前記と同様に3〜80μmが好ましい。
ガラス状カーボン層の厚さが3μm未満ではガラス状カ
ーボン層の表面を均一に形成できず、カーボンパイプ表
面を十分に平滑にすることが困難である。また、80μ
mを超える厚さにするとガラス状カーボン層自体に凹凸
が発生してしまう。
パイプ又はカーボンロッドは、真っ直ぐなものの外に必
要に応じて所定の形状に加工したものでもよい。例え
ば、図4の(A)に示すように先端10の一部が曲折し
たもの、(B)に示すように基端11から3方向に分岐
した枝管121 ,122 ,123 を有するもの、図4の
(C)に示すように直管の両端131 ,132 が屈曲し
たものでもよい。さらに、図示はしてないが一端が封止
されて管の側面に複数のガス放出孔を設けたものでもよ
い。
は、その端部にオス,メスのねじを切って螺合すればそ
の接合が容易な部材であるから、上記のような複雑形状
を容易に造ることが可能である。また、こうした複雑形
状のカーボンパイプ又はロッドは、その後焼き抜きする
ので抜去には問題が生じない。
削の関係で直管はRaが1μm以下でかつ長さが600
mm以上は困難であったが、本発明ではノズル内面を研削
しないために長さに制約を受けない。したがってカーボ
ンパイプ又はカーボンロッドの長さも大幅に長くするこ
とが出来る。
れたガス導入ノズルでは、研削工具が片側からしか導入
できないため300mm以上の製作は困難であったが、こ
の発明によるとこうした制約もない。
の表面に、CVD−SiC被膜を形成する。CVD−S
iC被膜の形成方法は従来の方法がそのまま適用され、
例えばクロロシラン系ガス(SiHn Cl4-n )、炭化
水素ガス及び水素の混合ガスを用いて1000℃以上の
温度で熱処理することによって行う。
が、ガス導入ノズルでは通常200μm〜2mmが好ま
しい。これは経済性とともに、2mmを超えると内部応力
が働き、SiC膜にクラックが発生する恐れがあるため
である。また、200μm未満では部材としての強度を
維持させるのに不十分である。
ましい。CVD−SiC膜の厚さが厚いと炉芯管の熱容
量が大きく熱を奪ってしまい炉内の温度が上がりにくい
という問題があるため1mm以下が好ましい。1mm以
下にすることにより炉芯管の熱容量を小さくでき、炉内
の温度効率を上げることができる。また、500μm未
満では炉芯管として強度を維持させるのに不十分であ
る。
切断して酸素気流中でこれを熱処理し、カーボンパイプ
又はカーボンロッドを焼き抜きCVD−SiC単一相の
高純度炭化珪素質半導体処理用部材とする。こうして得
られた高純度炭化珪素質半導体処理部材の一例が図1に
示されている。
代わりに高純度SiC焼結体基材を用いたものである。
この基材の外表面に熱分解カーボン層又はガラス状カー
ボン層を形成し、この熱分解カーボン層又はガラス状カ
ーボン層の外表面にCVDによりSiC膜を形成するも
のである。ここにおける熱分解カーボン層又はガラス状
カーボン層の形成、その外表面にCVD−SiC膜を形
成する工程は上記と同じである。
分解カーボン層又はガラス状カーボン層を酸化除去す
る。この工程も上記と同様にして行う。この熱分解カー
ボン層又はガラス状カーボン層の酸化除去によって、基
材とCVD−SiC膜との間に隙間を生じることにな
る。この隙間を利用して内部のSiC基材を除去し、C
VD−SiC単一相の高純度炭化珪素質半導体処理部材
を製造する。
0はSiC焼結体基材である。この基材の外表面に熱分
解カーボン層又はガラス状カーボン層21を形成する。
さらに、この熱分解カーボン層又はガラス状カーボン層
21の外表面に、CVD−SiC膜22を形成する。こ
の状態を図示すると(A)の通りである。次に、SiC
焼結体基材20の表面に形成した熱分解カーボン層又は
ガラス状カーボン層21を酸化除去して、SiC焼結体
基材20とCVD−SiC膜22との間に隙間23を形
成する(B)。この状態で内側のSiC焼結体基材20
を引き抜いて単一相の高純度炭化珪素質半導体処理部材
24を得る(C)。
はSi含浸SiCなどの高純度で耐酸化特性に優れ熱分
解カーボンやガラス状カーボンと熱膨脹係数が近い基材
を用いることにより、熱分解カーボンやガラス状カーボ
ンのみを酸化除去した後の基材を再利用することができ
る。
さ500mm、肉厚2mmの直管のカーボンパイプを多数準
備し、その両端をパイプと同材の栓で封止した。次に、
これらのカーボンパイプを3つのグループに分け、その
第1のグループのカーボンパイプには、その外表面に熱
分解カーボンの層を形成し、また、第2のグループのカ
ーボンパイプには、ガラス状カーボンの層を形成した。
さらに、第3のグループのカーボンパイプはそのままの
パイプとした。
表面に形成するには、1000℃に保持された反応管の
中に上記のカーボンパイプを設置し、プロパンガスとア
ルゴンガスの流量比が1対10の混合ガスを供給するこ
とによって形成した。熱分解カーボン層の厚さを変化さ
せるために、処理時間は10〜300分の間で変化させ
た。また、ガラス状カーボンをカーボンパイプ表面に形
成するには、両端封止したカーボンパイプの外表面に、
フラン樹脂を刷毛で塗布した後200℃でフラン樹脂を
硬化させ、ついで窒素雰囲気中で2000℃で熱処理し
た。また、ガラス状カーボンの厚さを変化させるために
塗布回数を変化させた。
ン又はガラス状カーボンの層を形成した2種の処理カー
ボンパイプと無処理のカーボンパイプ外面に、厚さ約5
00μmのCVD−SiC膜を形成した。CVD−Si
C膜の形成はSiH2 Cl2とプロパンガスと水素ガス
の流量比が3対1対10の混合ガスを用いて1300℃
で熱処理することによって行った。処理して得たCVD
−SiC被覆のカーボンパイプの両端を切断し、これを
酸素気流中で熱処理して表面に熱分解カーボン又はガラ
ス状カーボンの層を形成したカーボンパイプを焼き抜
き、CVD−SiC単一相のガス導入ノズルとした。こ
のサイズは径11mm、長さ500mm、肉厚0.5mmであ
った。
ーボン又はガラス状カーボンの厚さと、得られたCVD
−SiC単一相のガス導入ノズル内壁面の表面粗さ (R
aJIS B 0601-1976)の関係を接触式表面粗さ計により調
べたところ表1の通りであった。
ス状カーボンを予めカーボンパイプの表面に形成してお
くと、これを用いて得られるCVD−SiC単一相のガ
スノズル内壁の表面粗さは、この前処理を行わないカー
ボンパイプを用いた比較例1と比べて極めて小さくなっ
ていることが明らかである。
ボンの厚さが2μmでは、基材カーボンパイプの表面が
十分に均一にならないために、カーボンパイプの凹凸が
CVD−SiC膜に反映して、得られたCVD−SiC
単一相のガスノズルの内表面粗さが1μmを超えている
(実施例1,8)。また、熱分解カーボン又はガラス状
カーボンの厚さが85μmでは、熱分解カーボン又はガ
ラス状カーボン自体に凹凸が発生して、CVD−SiC
単一相のガスノズルの内表面粗さが1μmを超えている
(実施例7,14)。こうしたことで、熱分解カーボン
又はガラス状カーボンの厚さは3〜80μmがより好ま
しいことが分かる。
6,8,12のノズル内壁をダイヤモンド工具で切削し
平滑にしたノズル(比較例2)、φ15×500,t=
2mmの表面無処理のカーボンパイプ内面に上記実施例と
同じ条件でCVD−SiC被膜を形成して焼き抜きして
得たノズル(寸法は上記と同じ)(比較例3)を用いて
ウェハ上にSi膜を形成して、その際のパーティクルの
数、ウェハの汚染を調べた。
た。処理温度は700℃として、SiH4 とH2 の混合
ガスをガス導入ノズルの内部を通過させて炉内に導入し
て、治具にスタックしたウェハ上にSi膜を形成させ
た。
フスキャンにより検出した。また、ウェハの汚染量は、
形成したSi膜をフッ硝酸溶液で溶解し、ICP−MS
により分析した。これらの結果を表2に示した。
本発明のガス導入ノズルを用いたものは、いずれも内壁
面の粗さが1.0μm以下であるのでパーティクルの発
生数が少く、Si膜中の不純物の量も微量である。
1.3μmのガス導入ノズルを用いたもので、パーティ
クルの発生がやや多い。よって、Ra1μm以下がより
好ましいことがわかる。また、比較例2はノズル内壁を
ダイヤモンド工具で研削したガス導入ノズルを用いたも
のである。これは内壁粗さが0.5μmで良好あるが不
純物の量が多い。これは研削に際して工具の不純物がノ
ズル内壁に付着したものと考えられる。
プを用いて作成したガス導入ノズルを用いたものであり
内壁面に凹凸が生じ、内壁面の表面粗さが極めて大きい
ためいずれもパーティクルの発生が非常に多い。
ガス導入ノズルの内壁面の不純物量をグロー放電質量分
析法で測定した。分析は、ノズル内壁面から深さ方向5
μmの範囲で行って平均値で求めた。結果は表3の通り
であった。
ル内壁面の純度は0.1ppm をはるかに超えている。し
かし、実施例3、実施例12のノズル内壁面については
Fe,Ni,Crがそれぞれ0.01ppm 以下であり高
純度であった。
様の方法で直径200mm、長さ1500mmのカーボ
ン基材に、厚さ10μmのガラス状カーボンを形成した
もの(実施例15)と、無処理のカーボンパイプ(比較
例4)を準備した。これらのパイプの外表面に厚さ1mm
のCVD−SiC被膜を形成し、カーボンパイプを酸素
気流中で熱処理してCVD−SiC単一相のインーナー
チュ−ブを得た。得られた実施例15のインナ−チ−ブ
の内壁面粗さはRaで0.7μmと平滑であったが、比
較例4のものは内壁面粗さがRaで3.0μmであっ
た。
VD炉内に図8の32のようにして配置して、同様の実
験を行ってウェハ上にSi膜を形成させた。その結果、
比較例4ではSi膜の面内で膜厚にバラツキが見られた
が、本発明のインナ−チュ−ブを用いた場合は膜厚にバ
ラツキは見られなかった。
15と同様な方法でCVD−SiC被膜の厚さを1mm
(実施例16)、1.5mm(実施例17)、2mm
(実施例18)と変化させ、肉厚の異なるCVD−Si
C単一相のインナーチューブを用意した。これらを図7
に示す炉内に配置した。
せ、その場合の炉内温度を熱電対で測定した。ヒータの
加熱温度が700℃に達した時点から炉内の温度が70
0℃で一定になるまでの時間を調査した。その結果は表
4に示す通りであった。
が薄いほど炉内中心部が均熱に達するまでの時間が短く
なることが明らかである。
ノズル内壁を高純度で平滑に出来るので、ガスの流れを
均一に出来て対流などによって生成するパーティクルの
発生を大きく低減することが出来るようになった。さら
に、インナーチューブの場合にはウェハ上に形成される
膜の膜厚にはバラツキが生じることなく均一に形成する
ことも可能となった。
するパーティクルも自ずから減少し膜厚のバラツキが減
少するため歩留まりの向上を期待することが出来るよう
になった。さらに、部材自体はクラックがなく耐蝕性の
あるCVD−SiC単一相で構成されているので寿命も
向上し、さらに研削機械加工を行わなくとも内表面が平
滑なガス導入ノズルが得られるため、デバイス製造時の
コストの低減と歩留まりの向上を大いに図ることが出
来、内壁面が平滑な複雑形状のガス導入ノズルも可能と
なる。
内の温度を効率よく上げることができる。
大斜視図。
て、カーボンパイプの表面に熱分解カーボンの層が形成
された状態を模式的に示した部分拡大説明図。
て、カーボンパイプの表面にガラス状カーボンの層が形
成された状態を模式的に示した部分拡大説明図。
ズルの断面図で、(A)は先端部が曲折されたもの、
(B)は基端から3方向に分岐した枝管を有するもの、
(C)は直管の両端が屈曲したものである。
iC膜を形成し、その後これを酸化処理して外側のカー
ボンパイプを焼抜きCVD−SiC単一相のパイプとす
る工程を示した説明図、(B)は図(A)に示すCVD
−SiCのパイプの内壁面の一部(X)を誇張して拡大
し、模式的に示したものである。
iC膜を形成し、その後これを酸化処理して内側のカー
ボンパイプを焼抜きCVD−SiC単一相のパイプとす
る工程を示した説明図、(B)は図(A)に示すCVD
−SiCのパイプの内壁面の一部(Y)を誇張して拡大
し、模式的に示したものである。
場合の工程を示した説明図、
を示した説明図。
3,7……気孔、6……ガラス状カーボン、100……
ガス導入ノズル、20……SiC焼結体の基材、21…
…熱分解又はガラス状カーボン、22……CVD−Si
C、23……隙間 30……反応炉、31……アウターチューブ、32……
インナーチューブ、33……ボート、34……ヒータ、
35……ウェハ、36……ボート受。
Claims (7)
- 【請求項1】 カーボン基材の外表面に熱分解カーボン
層又はガラス状カーボン層を形成し、該熱分解カーボン
層又はガラス状カーボン層の表面にCVDによりSiC
膜を形成し、次にカーボン基材と基材表面に形成した熱
分解カーボン層又はガラス状カーボン層を酸化除去する
ことを特徴とする高純度炭化珪素質半導体処理部材の製
造方法。 - 【請求項2】 高純度SiC焼結体基材の外表面に熱分
解カーボン層又はガラス状カーボン層を形成し、該熱分
解カーボン層又はガラス状カーボン層の表面にCVDに
よりSiC膜を形成し、次に基材表面に形成した熱分解
カーボン層又はガラス状カーボン層を酸化除去し、熱分
解カーボン層又はガラス状カーボン層の酸化除去で生じ
た隙間から高純度SiC焼結体基材を除去することを特
徴とする高純度炭化珪素質半導体処理部材の製造方法。 - 【請求項3】 熱分解カーボン層又はガラス状カーボン
層の厚さが3〜80μmである請求項1,2いずれかに
記載の高純度炭化珪素質半導体処理部材の製造方法。 - 【請求項4】 CVDによるSiC単一相のガス導入ノ
ズルであって、その内壁面の表面粗さがRaで1μm以
下であり、かつクラックがないことを特徴とする高純度
炭化珪素質半導体用ガス導入ノズル。 - 【請求項5】 ガス導入ノズルの形状が、直線状、一端
又は両端が屈曲状、先端多分岐状及び一端が封止されて
側面に複数のガス放出孔を設けた形状の中から選択され
る一つである請求項4記載の高純度炭化珪素質半導体用
ガス導入ノズル。 - 【請求項6】 CVDによるSiC単一相の炉芯管であ
って、該炉芯管の内壁面の表面粗さがRaで1μm以下
であり、かつクラックがないことを特徴とする高純度炭
化珪素質半導体用炉芯管。 - 【請求項7】 CVDによるSiC単一相の炉芯管であ
って、該炉芯管の内壁面の表面粗さがRaで1μm以下
であり、その厚さが500μm〜1mmであり、かつク
ラックがないことを特徴とする請求項6記載の高純度炭
化珪素質半導体用炉芯管。
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JP09587097A JP3897393B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 高純度炭化珪素質半導体処理部材の製造方法 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2014160819A (ja) * | 2013-02-13 | 2014-09-04 | Lam Research Corporation | プラズマ処理室用のガス分配部材を製造する方法 |
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JP2016018891A (ja) * | 2014-07-08 | 2016-02-01 | イビデン株式会社 | SiCウェハの製造方法、SiC半導体の製造方法及び黒鉛炭化珪素複合基板 |
JP2020083665A (ja) * | 2018-11-15 | 2020-06-04 | 住友金属鉱山株式会社 | 黒鉛基材、炭化珪素の成膜方法および炭化珪素基板の製造方法 |
-
1997
- 1997-04-14 JP JP09587097A patent/JP3897393B2/ja not_active Expired - Fee Related
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