JP4446756B2 - 集合住宅 - Google Patents

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本発明は、高層住宅等の集合住宅に関する。
例えば、特許文献1に記載されているように、従来、高層住宅として上下に貫通したボイドを設け、その周囲を共用廊下を挟んで住戸区画に構成したものが知られている。住戸区画内には住戸が並設されており、隣り合う住戸間は界壁によって仕切られている。
特開平7−34682号公報
上記のように、従来の集合住宅では、住戸が界壁を介して連続的に並設されているので、隣り合う住戸からの騒音が響き易い。
また、住戸の玄関戸が共用廊下に面して設けられているので、隣り合う住戸に同時に来客があった場合や同時に帰宅した場合等に、互いに気を使ったり、廊下幅が狭い場合は廊下が混雑してしまう。
さらに、共用廊下には、個人の住戸としての専用の鉢植え等の装飾品等を設置することができない。
このように、従来の集合住宅では、戸建て住宅とは異なり、集合住宅特有の不満がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、集合住宅でありながら、戸建て住宅における、隣からの騒音防止、隣人どうしの気遣い防止、装飾品等の自由設置等の特質を備えた集合住宅を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は例えば図1〜図3に示すように、複数の階を備え、各階に複数の住戸5が並設された集合住宅であって、
前記複数の階のうち少なくとも1つの階において、並設方向に隣り合う住戸5,5間には、対向する壁5a,5aで挟まれた路地ゾーン6(6a,6b)が設けられており、
前記対向する壁5a,5aのうちの、一方の壁5aのみに玄関戸10a(24a)が設けられており、
前記路地ゾーン6a(6b)には拡幅部26(27)が設けられており、この拡幅部26(27)が隣り合う住戸5,5のうちの前記玄関戸10a(24a)が設けられた方の住戸5の庭とされていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、複数の階のうち少なくとも1つの階において、並設方向に隣り合う住戸5,5間に、対向する壁5a,5aで挟まれた路地ゾーン6(6a,6b)が設けられているので、隣り合う住戸5,5からの騒音は路地ゾーン6(6a,6b)を介して伝達されることなり、よって、騒音が響き難くなる。
また、対向する壁5a,5aのうちの、一方の壁5aのみに玄関戸10a(24a)が設けられているので、つまり、隣り合う住戸5,5のうちの一方の住戸5の玄関戸10a(24a)が路地ゾーン6a(6b)に面しているので、この玄関戸10a(24a)と他方の住戸5の玄関戸24a(10a)とを互いに見えない位置に配置できるとともに、この路地ゾーン6a(6b)を一方の住戸専用の路地ゾーン6a(6b)とすることができる。したがって、隣り合う住戸5,5に同時に来客があった場合や同時に帰宅した場合等に、互いに気を使うこともなく、共用廊下3の廊下幅が狭い場合でも共用廊下3が混雑してしまうことがない。
なお、隣り合う住戸5,5のうち、一方の住戸5の玄関戸を路地ゾーン6に面する壁5aに設けた場合、他方の住戸5の玄関戸は、別の路地ゾーン6に面する壁5aに設けてもよいし、共用廊下3に面する壁に設けてもよい。
また、路地ゾーン6(6a,6b)に設けられた拡幅部26(27)が隣り合う住戸5,5のうちの前記玄関戸10a(24a)が設けられた方の住戸5の庭とされているので、この庭に、個人の住戸としての専用の鉢植え等の装飾品等を設置することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の集合住宅において、
前記路地ゾーン6(6a,6b)は共用廊下3に接続されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、路地ゾーン6(6a,6b)が共用廊下3に接続されているので、共用廊下3から路地ゾーン6(6a,6b)に容易に出入りでき、路地ゾーン6(6a,6b)の使い勝手がよくなる。
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の集合住宅において、
前記拡幅部は集合住宅の外壁に設けられた開口部に面していることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、路地ゾーン6(6a,6b)に設けられた拡幅部26,27が集合住宅1の外壁に設けられた開口部(窓)1aに面しているので、この開口部1aを通して、拡幅部26,27に設けた庭に採光や通風を容易に確保できる。
本発明によれば、複数の階のうち少なくとも1つの階において、並設方向に隣り合う住戸間には、対向する壁で挟まれた路地ゾーンが設けられているので、この路地ゾーンによって、隣り合う住戸からの騒音が響き難くなり、また、対向する壁のうちの、一方の壁のみに玄関戸を設けることによって、この玄関戸と他方の住戸の玄関戸とを互いに見えない位置に配置できるとともに、この路地ゾーンを一方の住戸専用の路地ゾーンとすることができ、よって、隣り合う住戸どうしで互いに気を使うこともなく、共用廊下の廊下幅が狭い場合でも共用廊下が混雑してしまうことがない。
さらに、路地ゾーンを共用廊下に接続することによって、路地ゾーンの使い勝手がよくなり、また、路地ゾーンに拡幅部を設け、この拡幅部を隣り合う住戸のうちの前記玄関戸が設けられた方の住戸の庭とすることによって、この庭に、個人の住戸としての専用の鉢植え等の装飾品等を設置することができ、また、拡幅部が集合住宅の外壁に設けられた開口部に面することで、この開口部を通して、拡幅部に設けた庭に採光や通風を容易に確保できる。
このように、本発明では、集合住宅でありながら、戸建て住宅における、隣からの騒音防止、隣人どうしの気遣い防止、装飾品等の自由設置等の特質を備えた集合住宅を提供できる。
以下、図面を参照して本発明の集合住宅の実施の形態について説明する。図1は本発明に係る集合住宅の平断面図、図2は図1における要部の拡大図、図3は集合住宅の正面図である。
本実施の形態の集合住宅は、図3に示すように、左右一対の地下2階地上60階程度の高層ビル1,1に設けられており、各住戸は4階以上の階に設けられている。なお、3階以下の階には店舗等の商業用の施設が設けられている。
高層ビル1は図1に示すように、上下に貫通したボイド2が設けられており、その周囲に、共用廊下3を挟んで複数の住戸5が並設されている。また、共用廊下3の内側にはメンテナンス用のデッキ4が設けられている。
また、並設方向に隣り合う住戸5,5間には、対向する壁5a,5aで挟まれた路地ゾーン6が設けられている。路地ゾーン6は共用廊下3から外側に向けて、共用廊下3と直角に設けられたものであり、その幅は共用廊下3とほぼ等しくなっている。また、路地ゾーン6は共用廊下3と接続されている。なお、隣り合う住戸5,5では、それらの間に路地ゾーン6が設けられておらず、界壁を介して直接隣り合っている住戸もある。
各住戸5は図2に示すように、隣り合う住戸5と離間して設けられており、これら住戸5,5の壁5a,5a間に前記路地ゾーン6が設けられている。住戸5の外側の壁は高層ビル1の外壁となっており、内側の壁は路地ゾーン6側や共用廊下3側に配置される内壁となっている。
図2に示すように左右に隣り合う住戸5,5のうち、右側の住戸5は高層住宅1の角部に配置された角部屋となっており、その直交する2つの内壁はそれぞれ路地ゾーン6a,6bに面している。角部に位置する住戸5は、さらにもう1つの住戸5と、路地ゾーン6aを挟んで隣り合っている。
角部に位置する住戸5には、窓側に面して2つの寝室7,7と居間8が配置されるとともに、路地6a側に面して寝室9、玄関10、トイレ11、洗面室12、浴室13が配置されている。また、住戸5のほぼ中央にはキッチン14が配置されており、このキッチン14から居間8や廊下15に出入りできるようになっている。
また、左側の住戸5には、窓側に面して2つの寝室17,17と居間18が配置されるとともに、共用廊下3側に面して居間19、キッチン20、トイレ21、洗面室22、浴室23が配置されている。また、路地ゾーン6bに面して玄関24が配置されている。
前記角部に位置する住戸5では、玄関10の玄関戸10aが、路地ゾーン6aを挟んで対向する壁5a,5aのうちの、該住戸5側の壁5aに設けられている。また、路地ゾーン6aは共用廊下3の角部に接続されており、この共用廊下3の角部には路地ゾーン6bも接続されている。
路地ゾーン6aは、共用廊下3の角部から高層ビル1の外壁側に向けて延設されたものであり、その先端部には拡幅部26が設けられている。この拡幅部26は路地ゾーン6aより幅が大きいスペースであり、この拡幅部26は角部に位置する住戸5の庭とされている。この庭には鉢植え等の植物が載置されている。また、拡幅部26は高層ビル(集合住宅)1の外壁に設けられた窓(開口部)1aに面している。さらに、角部に位置する住戸5の寝室9を形成する壁5aには、ドア26aが設けられており、このドア26aから寝室9と拡幅部26の庭との間を行き来できるようになっている。なお、路地ゾーン6aは角部に位置する住戸5専用であるので、この路地ゾーン6aには適宜鉢植えの植物等の装飾品や踏み石等が載置されている。
また、左側に位置する住戸5では、玄関24の玄関戸24aが、路地ゾーン6bを挟んで対向する壁5a,5aのうちの、左側の住戸5側の壁5aに設けられている。路地ゾーン6bは、共用廊下3の角部から前記路地ゾーン6aと直行する方向に高層ビル1の外壁側に向けて延設されたものであり、その先端部には拡幅部27が設けられている。この拡幅部27は路地ゾーン6bより幅が大きいスペースであり、この拡幅部27は左側に位置する住戸5の庭とされている。この庭には鉢植え等の植物が載置されている。また、拡幅部27は高層ビル(集合住宅)1の外壁に設けられた窓(開口部)1aに面している。さらに、左側に位置する住戸5の寝室居間18を形成する壁5aには、ドア27aが設けられており、このドア27aから居間18と拡幅部27の庭との間を行き来できるようになっている。なお、路地ゾーン6bは左側に位置する住戸5専用であるので、この路地ゾーン6bには適宜鉢植えの植物等の装飾品や踏み石等が載置されている。
また、左側の位置する住戸5には、前記共用廊下3側に面する壁に勝手口用のドア28が設けられており、共用廊下3からドア28を介して住戸5に出入りできるようになっている。
上記のような本実施の形態の集合住宅によれば、並設方向に隣り合う住戸5,5間に、対向する壁5a,5aで挟まれた路地ゾーン6(6a,6b)が設けられているので、隣り合う住戸5からの騒音は路地ゾーン6を介して伝達されることなり、よって、騒音が響き難くなる。
また、隣り合う住戸5,5のうちの一方の住戸5の玄関戸10が路地ゾーン6aに面しているので、この玄関戸10と他方の住戸5の玄関戸24aとを互いに見えない位置に配置できるとともに、この路地ゾーン6aを一方の住戸(角部に位置する住戸)専用の路地ゾーン6aとすることができる。したがって、隣り合う住戸5,5に同時に来客があった場合や同時に帰宅した場合等に、互いに気を使うこともなく、共用廊下3の廊下幅が狭い場合でも共用廊下3が混雑してしまうことがない。
さらに、路地ゾーン6a,6bが共用廊下3に接続されているので、共用廊下3から路地ゾーン6a,6bに容易に出入りでき、路地ゾーン6a,6bの使い勝手がよくなる。
加えて、路地ゾーン6a,6bに設けられた拡幅部26,27が隣り合う住戸5,5のうちの一方の住戸の庭とされているので、この庭に、個人の住戸としての専用の鉢植え等の装飾品等を設置することができる。
また、路地ゾーン6a,6bに設けられた拡幅部26,27が集合住宅1の外壁に設けられた窓(開口部1a)に面しているので、この窓1aを通して、拡幅部26,27に設けた庭に採光や通風を容易に確保できる。
このように、本実施の形態では、集合住宅でありながら、戸建て住宅における、隣からの騒音防止、隣人どうしの気遣い防止、装飾品等の自由設置等の特質を備えた集合住宅を提供できる。
本発明に係る集合住宅の一例を示す平断面図である。 図1における要部の拡大図である。 本発明に係る集合住宅の一例を示す正面図である。
符号の説明
1 高層ビル(集合住宅)
1a 窓(開口部)
3 共用廊下
5 住戸
5a 壁
6(6a,6b) 路地ゾーン
10a,24a 玄関戸
26,27 拡幅部

Claims (3)

  1. 複数の階を備え、各階に複数の住戸が並設された集合住宅であって、
    前記複数の階のうち少なくとも1つの階において、並設方向に隣り合う住戸間には、対向する壁で挟まれた路地ゾーンが設けられており、
    前記対向する壁のうちの、一方の壁のみに玄関戸が設けられており、
    前記路地ゾーンには拡幅部が設けられており、この拡幅部が隣り合う住戸のうちの前記玄関戸が設けられた方の住戸の庭とされていることを特徴とする集合住宅。
  2. 請求項1に記載の集合住宅において、
    前記路地ゾーンは共用廊下に接続されていることを特徴とする集合住宅。
  3. 請求項1または2に記載の集合住宅において、
    前記拡幅部は集合住宅の外壁に設けられた開口部に面していることを特徴とする集合住宅。
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