JP4445690B2 - 燃料高圧アキュムレータ - Google Patents
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Description
背景技術
本発明は、内燃機関のコモンレール燃料噴射システムのための燃料高圧アキュムレータであって、管状の基体を有しており、該管状の基体の内室が複数の接続部に接続されている形式のものに関する。
【0002】
コモンレール燃料噴射システムでは、高圧ポンプによって、場合によっては前フィードポンプを利用して、噴射すべき燃料がタンクから、コモンレールと言われる個々の燃料高圧アキュムレータに供給される。レールからは燃料導管が個々のインジェクタに通じており、これらのインジェクタは内燃機関のシリンダに配属されている。インジェクタは内燃機関の運転パラメータに応じて個々に、内燃機関の燃焼室に燃料を噴射するために、エンジン電子制御機器によって開制御される。この燃料高圧アキュムレータによって圧力形成と噴射とが互いに別個に行われる。
【0003】
従来の燃料高圧アキュムレータは例えばDE19548611号特許明細書に記載されている。公知の燃料高圧アキュムレータは、約1100barまでの圧力を保持する。
【0004】
本発明の課題は、公知の燃料高圧アキュムレータの耐高圧性を簡単な手段で高めることである。さらに本発明による燃料高圧アキュムレータは安価に製造されるのが望ましい。
【0005】
この課題は、内燃機関のコモンレール燃料噴射システムのための燃料高圧アキュムレータであって、管状の基体を有しており、該管状の基体の内室が、複数の接続部に接続されている形式のものにおいて、前記内室が、ほぼ円筒形の少なくとも2つの切欠から形成されていて、該切欠が互いに接続されており、該切欠の長手方向軸線が互いに平行に配置されており、接続部が、ほぼ円筒形の切欠のうち1つの切欠の周面からだけ延びていることにより解決される。本発明の範囲では、燃料高圧アキュムレータの耐高圧性が、接続開口と基体内室との間を分断することにより大きく制限されてしまうことが強調されている。接続開口と基体との間の移行部には、運転中に大きな力が加えられる。本発明によれば、基体内室の蓄圧の機能と分配の機能とが2つの切欠に分散されている。これにより、耐高圧性に関して特に臨界的な、基体内室と接続部開口との間の移行部が良好に形成される。円筒形の切欠の周面の領域における接続部とは無関係に、付加的に円筒形の切欠の端面への接続部も設けることができる。何故ならばここでは分断問題は生じないからである。
【0006】
本発明の有利な構成では、ほぼ円筒形の2つの切欠が接続通路によって互いに接続されている。円筒形の両切欠を互いに分離することにより、圧力の衝撃は一方の円筒形の切欠から他方の円筒形の切欠へと伝えられない。
【0007】
本発明の別の有利な構成では、ほぼ円筒形の2つの切欠が横断面で見てオーバラップしている。このようにオーバラップしていることにより、提供されるアキュムレータ室は拡大され、この場合に耐高圧性に関して臨界的であるような鋭角的なエッジが形成されることはない。
【0008】
本発明の別の構成では、ほぼ円筒形の2つの切欠が同じ直径を有しており、接続部が、基体内室横断面の長手方向にだけ配置されている。運転中に形成される、基体の内室における高圧により生じる変形は、横断面で見て、接続部に対して垂直方向で最も大きく、従って、それほど負荷がかけられない領域で生じる。
【0009】
本発明の別の構成では、ほぼ円筒形の2つの切欠が異なる直径を有しており、接続部が、相対的に小さい直径を有する、ほぼ円筒形の切欠の周面からだけ延びている。これにより、管状の基体の内室と接続部との間の移行部がなだらかにされ、本発明による燃料高圧アキュムレータの耐高圧性が改善される。
【0010】
本発明の別の構成では、ほぼ円筒形の2つの切欠の両長手方向軸線の間の間隔が、相対的に大きい直径を有するほぼ円筒形の切欠の半径よりも大きい、または該半径と等しい。これにより本発明による燃料高圧アキュムレータのアキュムレータ容積が拡大される。
【0011】
別の有利な構成では、ほぼ円筒形の2つの切欠の間の移行部が横断面で丸味をつけられている。付加的に丸味をつけることにより、本発明の燃料高圧アキュムレータの耐高圧性がさらに強化される。
【0012】
本発明のさらなる利点、特徴、詳細は、以下の実施例の説明及び図面からも明らかである。個々の特徴は、それぞれ単独でも、又は複数の特徴を組み合わせた形でも本発明の本質を成す。
【0013】
次に図面につき本発明の実施例を詳しく説明する。
【0014】
図1に縦断面図で示した燃料高圧アキュムレータは、管状の基体1を有している。この管状の基体1には4つの接続管片2,3,4,5が形成されている。これらの接続管片2,3,4,5は、燃料高圧導管を接続するために用いられる。燃料高圧導管は、管状の基体1の内側と燃料高圧ポンプ(図示せず)もしくは供給すべき内燃機関のインジェクタ(図示せず)とを接続している。
【0015】
図2に示した横断面により、管状の基体1の内室が、第1の長手方向孔11と第2の長手方向孔12とから成っていることがわかる。これらの長手方向孔11,12は互いに平行に配置されている。第1の長手方向孔11は、第2の長手方向孔12の直径d2よりも著しく大きい直径d1を有している。両長手方向孔11,12の平行な中心線の間の間隔は、第1の長手方向孔11の半径よりも大きいが、直径d1よりも小さい。
【0016】
接続孔13は基体1に半径方向に配置されていて、第2の長手方向孔12に開口している。第1の長手方向孔11と第2の長手方向孔12との間の移行部14は丸味をつけられている。
【0017】
管状の基体1に設けられた第1の長手方向孔11は、本発明の燃料高圧アキュムレータの運転時に、燃料を蓄える機能を果たす。管状の基体1に設けられた第2の長手方向孔12は、本発明による燃料高圧アキュムレータの運転時に燃料を分配する機能を果たす。燃料を蓄える機能と燃料分配の機能とを分割することにより、本発明による燃料高圧アキュムレータの強度は高められる。
【0018】
図3〜図8に示した本発明の実施例は主に、個々のエレメントの構成と配置とが異なっている。従って以下の実施例の説明では、重複を避けるため、個々の構成の相違点だけに言及する。単純にするために、同じ部分を示すためには同じ符号を使用する。
【0019】
図3に横断面図で示した燃料高圧アキュムレータは、前述の構成と同様に、2つの平行な長手方向孔11,12を有した管状の基体1を有している。第2の長手方向孔12は、第1の長手方向孔11の直径(d1)よりも小さい直径d2を有している。両長手方向孔11,12の移行部14は丸味をつけられている。
【0020】
図3に示した実施例では、接続孔13が、第1の長手方向孔11および第2の長手方向孔12に接線方向で開口している。両長手方向孔11,12の中心線の間の間隔は、第1の長手方向孔11の半径に相応する。
【0021】
図4に示した実施例では、両長手方向孔11,12の中心線の間の間隔が、第1の長手方向孔11の半径よりも幾分大きい。さらに接続孔13は、図3に示した実施例における接続孔13とは異なる方向で延びている。接続孔13は、図3及び図4に示した実施例では互いに約90°ずらされて配置されている。
【0022】
図5に示した実施例では、第1の長手方向孔11と第2の長手方向孔12の側方に、さらに1つの第3の長手方向孔15が平行に、管状の基体1に配置されている。第3の長手方向孔15は直径d3を有している。この直径d3は直径d2よりも小さくて、この直径d2は直径d1よりも小さい。接続孔13は、直径d3を有する長手方向孔15に開口している。
【0023】
図6に示した実施例は、図2に示した実施例に類似している。しかしながら接続孔13は、図2に示した実施例のように、第2の長手方向孔12に接線方向で開口しているのではなく、図6に示したように第1の長手方向孔11に接線方向に開口している。これらの孔は、接続孔13が偏心的にかつ平滑に、第1の長手方向孔11から延びているように配置されている。
【0024】
本発明の図7に示した構成では、管状の基体1には、同じ直径d1を有した2つの長手方向孔11,12が配置されている。長手方向孔12には接続孔13が接線方向に開口している。両長手方向孔11,12の間の移行部領域は扁平に形成されている。
【0025】
高圧下では、両長手方向孔から成る、基体1の内室は、接続孔13に対して大抵は垂直に変形する。偏心的な接続孔13の領域はこれにより負荷がかかりすぎることはない。
【0026】
図8に示した実施例では第1の長手方向孔11と第2の長手方向孔12とが別個に管状の基体1に形成されている。長手方向孔11,12は、直径d4を有する接続孔によって互いに接続されている。この接続孔は、両長手方向孔11,12に接線方向で開口している。接続孔13は直径d5を有しており、この直径d5は接続孔の直径d4よりも大きい。接続孔13は第2の長手方向孔12に接線方向で開口している。接続孔13は、両長手方向孔11,12の間の接続孔と同じ方向で延びている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による燃料高圧アキュムレータの縦断面図である。
【図2】 図1のII−II線に沿って横断面した本発明による燃料高圧アキュムレータの実施例を示す図である。
【図3】 図2の燃料高圧アキュムレータの別の実施例を示す図である。
【図4】 図2の燃料高圧アキュムレータのさらに別の実施例を示す図である。
【図5】 図2の燃料高圧アキュムレータのさらに別の実施例を示す図である。
【図6】 図2の燃料高圧アキュムレータのさらに別の実施例を示す図である。
【図7】 図2の燃料高圧アキュムレータのさらに別の実施例を示す図である。
【図8】 図2の燃料高圧アキュムレータのさらに別の実施例を示す図である。
Claims (7)
- 内燃機関のコモンレール燃料噴射システムのための燃料高圧アキュムレータであって、管状の基体(1)を有しており、該管状の基体の内室(11,12,15)が、複数の接続部(2,3,4,5,13)に接続されている形式のものにおいて、
前記内室が、ほぼ円筒形の少なくとも2つの切欠(11,12,15)から形成されていて、これらの切欠(11,12,15)が互いに接続されており、これらの切欠(11,12,15)の長手方向軸線が互いに平行に配置されており、接続部(13)が、ほぼ円筒形の切欠(11,12,15)のうち1つの切欠の周面からだけ延びていることを特徴とする燃料高圧アキュムレータ。 - ほぼ円筒形の2つの切欠(11,12)が、接続通路によって互いに接続されている、請求項1記載の燃料高圧アキュムレータ。
- ほぼ円筒形の2つの切欠(11,12)が横断面で見てオーバラップしている、請求項1記載の燃料高圧アキュムレータ。
- ほぼ円筒形の2つの切欠(11,12)が同じ直径を有しており、接続部(13)が、基体内室横断面の長手方向にだけ配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の燃料高圧アキュムレータ。
- ほぼ円筒形の2つの切欠(11,12)が異なる直径(d1,d2)を有しており、接続部(13)が、相対的に小さい直径(d2)を有するほぼ円筒形の切欠(12)の周面からだけ延びている、請求項1から3までのいずれか1項記載の燃料高圧アキュムレータ。
- ほぼ円筒形の2つの切欠(11,12)の両長手方向軸線の間の間隔が、相対的に大きい直径(d1)を有するほぼ円筒形の切欠(11)の半径よりも大きい、または該半径と等しい、請求項5記載の燃料高圧アキュムレータ。
- ほぼ円筒形の2つの切欠(11,12,15)の間の移行部(14)が横断面で丸味をつけられている、請求項5又は6記載の燃料高圧アキュムレータ。
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