JP4442978B2 - トラクタの燃料タンクの配置構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタの燃料タンクの配置構造の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術では、トラクタの燃料タンクの配置構造として、特開平7−215076号公報や特開平8−216701号公報に記載するものがある。特開平7−215076号公報では、エンジン、フライホールハウジング、伝動ケースを結合し、エンジンを覆うボンネットの後方にパネルフードを設け、ボンネット及びパネルフード内に両者に亘る燃料タンクを収納している。特開平8−216701号公報では、ボンネット内において、ラジエータの前部に燃料タンクを配設し、該燃料タンクの上部とラジエータとの間にエア流入部を設けている。このようにトラクタにおける燃料タンクは、従来、機体前部のボンネット内や運転席後部内に設けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術においては、ボンネット内のスペースの小さな小型のトラクタ等においては、燃料タンクの容量が制限され、長時間の作業では途中、燃料の給油を行なわなければならなかったのである。本発明では、前記の点を鑑み、トラクタ前部のボンネット内のスペースを有効利用し、充分な容量の燃料タンクを配設することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以上が本発明の解決する課題であり、次に課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
機体前部に配置されるボンネット(6)の後端部にダッシュボードが配設されるトラクタにおいて、該ダッシュボード内部の空間を燃料タンク(20)として構成し、前記燃料タンク(20)の下面の中央部を陥没させて、凹陥部(20d)とし、該燃料タンク(20)下部を正面視「門」字型に形成し、その陥没させた凹陥部(20d)に、左右のブレーキペダル(34L・34R)を垂設するペダル軸(35)を、水平方向に横設して収納したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の解決すべき課題および構成は以上の如くであり、次に添付の図面に示した本発明の実施例を説明する。
【0007】
図1は本発明に係る燃料タンクを具備したトラクタの斜視図、図2は本発明に係る燃料タンクの取付構成を示すボンネット後部の斜視図である。
【0008】
図3は同じく左側面図、図4は同じく背面図、図5は本発明に係る燃料タンクを示す後方からの斜視図、図6は同じく正面図、図7は同じく背面図である。
【0009】
図8は同じく側面図、図9は吊りペダル式に構成したペダル盤を示す後方からの斜視図、図10は車体フレームの構成を示す後方からの斜視図である。
【0010】
図11は本発明に係る燃料タンクの取付手順を示す図、図12は本発明に係るメータ板の配置構成を示すハンドルポストの平面図である。
【0011】
まず、本発明に係る燃料タンク20を具備したトラクタについて説明する。図1に示すように、トラクタは走行車両1と、走行車両1の後部に連結した作業部9とで構成されており、該走行車両1の前部及び後部にはそれぞれ前輪2・2と後輪3・3が懸架されている。図2及び図3に示すように、走行車両1はボンネット支持フレーム11、車体フレーム12等により支持され、該ボンネット支持フレーム11の上部には動力部であるエンジン5を搭載してボンネット6で覆い、車体フレーム12の上部には運転席7が配置されている。また、図1に示すように、運転席7の前方には操向ハンドル14を配設し、該操向ハンドル14はボンネット6の後方に位置している。また、運転席7の両側方のサイドコラム15・15には主変速レバー16、副変速レバー、PTO変速レバー等を適所に配設し、運転席7前方の足元には、図1及び図4に示すように、フットアクセルペダル33、左右ブレーキペダル34L・34R等を配設している。
【0012】
また、図1に示すように、前記作業部9には横設した回転軸に複数の耕転爪91・91・・・を取り付け、各耕転爪91・91・・・の上面及び左右をロータリカバー92によって閉塞させて構成している。
【0013】
従来、操向ハンドル14前方、且つボンネット6後端部に配設されるダッシュボード内にスピードメータ等の計器類を配設していたのであるが、図2及び図3に示すように、本発明では、該ダッシュボード内部の空間を有効利用し、該空間には該計器類に替わって燃料タンク20を配設している。以下、本発明に係る燃料タンク20の構成について説明する。
【0014】
図5乃至図7に示すように、本発明に係る燃料タンク20は、その下面の中央部を陥没させて、正面視(背面視)、「門」字型に形成し、また、図8に示すように、その上部を前方へ膨出させ、側面視は、逆「L」字型となるようにして構成する。そして、該燃料タンク20の前部20a上面に給油口21を凸設する。
【0015】
また、図9に示すように、ペダル盤30は、基盤31、取付部32、フットアクセルペダル33、左右ブレーキペダル34L・34R等から構成され、正面視(背面視)、略「門」字形に構成されている。そして、該基盤31の後面に取付部32を立設し、該取付部32にペダル軸35を横設する。該ペダル軸35の両端部において、その左端部にはフットアクセルペダル33を垂設し、その右端部には左右ブレーキペダル34L・34Rを垂設する。
【0016】
図10に示すように、前記車体フレーム12にはオペレータの足置き場となるステップ17を載置固定し、また、該車体フレーム12の前端には支持板13を立設して、図2乃至図4に示すように、該支持板13に前記燃料タンク20、ペダル盤30を取り付けるのである。
【0017】
すなわち、図11に示すように、前記支持板13の上部にペダル盤30の基盤31を配設し、そして、該ペダル盤31に燃料タンク20を被せて配設する。このとき、燃料タンク20の下面より陥没させた凹陥部20dにペダル盤30のペダル軸35を収納し、そして、図6及び図7に示す該燃料タンク20の凹陥部20dのボルト孔20e・20eと図9に示すペダル盤30の取付部31のボルト孔32a・32aとを位置合わせして締結固定し、図2に示すように燃料タンク20を取り付けるのである。
【0018】
また、図3に示すように、ボンネット6後部の上面には、前記燃料タンク20の給油口21と略同径の開口部6aを設け、該燃料タンク20の前部20aをボンネット6の後面よりその内部に侵入させて埋設し、該開口部6aに該給油口21を嵌合して燃料タンク20を位置固定する。そして、該燃料タンク20の下部20bを該支持板13に取り付け、また、該燃料タンク20の上部20cをボンネット支持フレーム11の後端上部に取り付けて固定する。このようにして、燃料タンク20を確実に固定して、また、燃料タンク20への給油はボンネット6上面の給油口21より容易に行なうことができるのである。
【0019】
尚、前記ボンネット支持フレーム11と燃料タンク20との間には防振ゴム24・24等防振材を挟持して締結固定し、該防振ゴム24・24により、エンジン5の搭載されたボンネット6側の剛体部分とオペレータの操縦する運転席7側の剛体部分の振動差を吸収し、耐震性の向上を図っている。そして、エンジン5等で発生するボンネット6内の熱が燃料タンク20に伝達されないように、該燃料タンク20とボンネット6の間には遮蔽板25を配設している。
【0020】
また、前記ペダル盤30の取付部32の上面より、ハンドルポスト41を立設し、操向ハンドル14を取り付ける。また、該ハンドルポスト41の上部には、機体前方に向けてメータ板43を立設して構成する。図3及び図12に示すように、該メータ43板の上面には、スピードメータ44、燃料計45等、各種メータ、表示機を配設する。
【0021】
こうして、従来、ボンネット6後部のダッシュボードに配設していた計器類の代替場所を設け、該ダッシュボード内部を燃料タンク20専用のスペースとして確保でき、充分な容量の燃料タンク20を配設することができるのである。
【0022】
以上、トラクタを一例に取り、その実施例を示したが、尚、本発明に係る燃料タンク20の配置構成は、各種農業機械についても適用できるのである。
【0023】
また、前記燃料タンクを具備したトラクタにおいて、前記ダッシュボードとボンネットとの間に熱伝導を遮蔽する遮蔽板を配設したことにより、ボンネット内の熱がダッシュボード内部の燃料タンクに伝達されることを防止し、燃料が加熱されないようにして安全面の向上を図ることができるのである。
【0024】
また、前記燃料タンクを具備したトラクタにおいて、該燃料タンクの下部を運転席を支持する車体フレームに取り付け、また、該燃料タンクの上部をボンネットを支持するフレームに防振材を介して取り付けて構成したことにより、該燃料タンクを確実に固定できるとともに、エンジンの搭載されたボンネット側の剛体部分とオペレータの操縦する運転席側の剛体部分の振動差を吸収し、耐震性の向上を図ることができるのである。
【0025】
また、前記燃料タンク(20)を具備したトラクタにおいて、該ダッシュボード内部を燃料タンク専用のスペースとし、操向ハンドル(14)基部のハンドルポスト(41)にメータ板(43)を固定し、該メータ板(43)に各種表示器を配設したことにより、従来、ボンネット後部のダッシュボードに配設していた計器類の代替場所を与え、該ダッシュボード内部を燃料タンク専用のスペースとして確保でき、充分な容量の燃料タンクを配設することができるのである。また、従来、計器類をダッシュボードに配設していたときに比べて、オペレータとの距離が近くなり、計器類の表示が見易くなるのである。
【0026】
また、前記燃料タンク(20)の前端上部をボンネット(6)内に侵入させ、該前端上部の上面に給油口(21)を設け、該給油口(21)の直上方のボンネット(6)に開口部(6a)を設け、該開口部(6a)より、ボンネット(6)の上面に該給油口(21)を突出配設したことにより、オペレータはボンネット上方より給油口の蓋を開け、容易に給油を行なうことができるのである。
【0027】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したもので、次のような効果を奏するものである。
すなわち、請求項1のように、機体前部に配置されるボンネット(6)の後端部にダッシュボードが配設されるトラクタにおいて、該ダッシュボード内部の空間を燃料タンク(20)として構成したことにより、ボンネット内のスペースが小さな小型のトラクタにおいても、充分な容量の燃料を貯留することが可能となる。その結果、従来に比べて、長時間の作業が可能となり、作業性が向上するのである。
【0028】
また、前記燃料タンク(20)の下面の中央部を陥没させて、凹陥部(20d)とし、該燃料タンク(20)下部を正面視「門」字型に形成し、その陥没させた凹陥部(20d)に、左右のブレーキペダル(34L・34R)を垂設するペダル軸(35)を、水平方向に横設して収納したことにより、該ブレーキぺダル等のペダル類はペダル軸より吊り下がった構成にでき、少スペースでペダルを配設することができるため、運転席の足元付近のスペースを広く構成することがきるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る燃料タンクを具備したトラクタの斜視図。
【図2】 本発明に係る燃料タンクの取付構成を示すボンネット後部の斜視図。
【図3】 同じく左側面図。
【図4】 同じく背面図。
【図5】 本発明に係る燃料タンクを示す後方からの斜視図。
【図6】 同じく正面図。
【図7】 同じく背面図。
【図8】 同じく側面図。
【図9】 吊りペダル式に構成したペダル盤を示す後方からの斜視図。
【図10】 車体フレームの構成を示す後方からの斜視図。
【図11】 本発明に係る燃料タンクの取付手順を示す図。
【図12】 本発明に係るメータ板の配置構成を示すハンドルポストの平面図。
【符号の説明】
5 エンジン
6 ボンネット
6a 開口部
11 ボンネット支持フレーム
12 車体支持フレーム
13 支持板
14 操向ハンドル
20 燃料タンク
20a 前部
20b 下部
20c 上部
20d 凹陥部
21 給油口
24 防振ゴム
25 遮蔽板
30 ペダル盤
33 フットアクセルペダル
34L ブレーキペダル
34R ブレーキペダル
35 ペダル軸
41 ハンドルポスト
43 メータ板

Claims (1)

  1. 機体前部に配置されるボンネット(6)の後端部にダッシュボードが配設されるトラクタにおいて、該ダッシュボード内部の空間を燃料タンク(20)として構成し、前記燃料タンク(20)の下面の中央部を陥没させて、凹陥部(20d)とし、該燃料タンク(20)下部を正面視「門」字型に形成し、その陥没させた凹陥部(20d)に、左右のブレーキペダル(34L・34R)を垂設するペダル軸(35)を、水平方向に横設して収納したことを特徴とする燃料タンクの配置構造。
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