JP4435465B2 - 抗アレルギー剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、抗アレルギー剤に関し、さらに詳しくは椎茸菌糸体エキス等の担子菌類菌糸体エキスを含有する抗アレルギー剤に関する。
【0002】
【従来技術】
古来より、椎茸、松茸、エノキ茸などの担子菌類の茸は食用されており、中には、担子菌類サルノコシカケ科に属する茸のように漢方薬として重用されているものもある。
一方で、このような担子菌類から有効成分を抽出する種々の方法が提案されている。例えば、(1)特開昭54-46859号公報には、担子菌類を主としてバガス(bagasse)からなる培地に接種し、菌糸を繁殖させた後、この菌糸体繁殖培地を圧搾して、有効成分を採取する、保健食品の製造方法が開示されている。
【0003】
本願出願人は、(2)特願昭62-34123号に対応する特開昭63-202356号公報にて、「バガスを基材とする固体培地上に、エノキ茸菌を接種し、次いで菌糸体を増殖して得られる菌糸体を含む固体培地を、12メッシュ通過分が30重量%以下となるように解束し、この解束された固体培地に、水およびセルラーゼ、プロテアーゼまたはグルコシターゼから選ばれる酵素の1種またはそれ以上を添加し、そして前記固体培地を酵素の存在下で粉砕および擂潰してバガス繊維の少なくとも70重量%以上が12メッシュ通過分であるようにし、次いで95℃までの温度に加熱することにより酵素を失活させかつ滅菌することを特徴とする、エノキ茸菌糸体およびバガス培地からの有用成分の抽出方法。」を提案している。
【0004】
また(3)特公昭60-23826号公報において、本願出願人らは、接種菌として椎茸菌を用いた以外は上記特願昭62−34123号記載の方法と同様の方法にて保健飲料を製造する方法を提案している。この公報では、得られる保健飲料には、血圧降下作用、利尿作用、疲労回復作用などがあると記載されている。
【0005】
(4)特開昭57−170173号公報には、砂糖きびあるいは砂糖大根等の原糖及び植物繊維を多量に含有する素材を用いて培養基とし、これに椎茸等の食用茸の種菌を接種して、菌糸体を培養させた後、子実体発生寸前または直後の培養基を粉砕、加水、加温して前記菌糸体に自己消化を生じさせて該菌糸体に含有されている有効成分を培養基に溶脱させ、しかる後乾燥させて微細に粉砕した、食用菌糸体の有効成分及び食物繊維を含有した粉末食品の製造方法が開示されている。該公報には、この方法で得られる粉末食品は、大腸癌、動脈硬化症、糖尿病等に有効であると記載されている。
【0006】
また、本願出願人等は、(5)特許第2519785号(特開平2−107171号公報)にて、トウモロコシ随、フスマ及び米糠からなる植物繊維と水とを含む固体培地に、エノキタケ菌糸を接種して培養し、培養終了後この培地を破砕し、乾燥することによる、食物繊維含有食品の製造方法を提案しており、該公報には、この方法により得られる食品を摂取すると、便秘予防、肥満、糖尿病、動脈硬化の予防、食品中の毒性物質の排除促進、自己防御能の向上などが期待できる旨記載されている。
【0007】
また、(6)特開平2−134325号公報には、担子菌の1種である椎茸菌の菌糸体培養物から抽出された成分からなるエイズ治療剤が記載されている。
また、(7)「キノコの化学・生化学」(水野、河合編、学会出版センター刊)には、キノコの食物繊維には、薬理作用、結腸癌、直腸癌の予防効果が期待でき、エノキタケ抽出物ではその発癌予防効果が動物実験でも証明されていると記載されている。
【0008】
(8)「きのこ抗腫瘍研究20年」(池川等、社団法人 長野県農村工業研究所発行、平成元年3月1日刊)には、エノキタケ菌糸体から分離されたプロフラミンは、制癌剤として機能し、経口投与しても毒性がなく、その他の副作用も認められないと記載されている。
さらに、本発明者らは、(9)特公昭60-23826号公報に記載の方法と同様の方法にて得られる椎茸菌糸体エキスが、HIV型ウイルス活性阻害効果を有することを見出し、特開平7−173070号公報(特許第3017630号)において該方法で得られるHIV型ウイルス活性阻害剤を提案している。
【0009】
このように、従来より、椎茸菌糸体エキス、エノキタケ菌糸体あるいはその抽出物等には、制癌作用、便秘予防、肥満、糖尿病、動脈硬化の予防、食品中の毒性物質の排除促進、自己防御能の向上など、健康維持、増進に有効な種々の作用があると報告されている。
しかしながら、担子菌類の椎茸(菌糸体培養物)などから抽出される椎茸菌糸体エキスなどの担子菌類菌糸体エキスには、上記のような効果に加えて、他にどのような作用・効果があるかという点については、未だ、知られていないことが多い。
【0010】
そこで、本発明者は、椎茸菌糸体エキス等の、従来より食用され漢方に利用されている担子菌類の菌糸体エキスの薬理作用について鋭意研究を重ねたところ、椎茸菌糸体エキスなどの担子菌類菌糸体エキスには、驚くべきことに、著しいアレルギー予防・改善効果などが認められることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0011】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、副作用の恐れがなく安全性に優れた抗アレルギー剤を提供することを目的としている。
特に本発明は、アトピー性皮膚炎の予防・治療効果に優れ、副作用の恐れがなく安全性に優れ、アトピー性皮膚炎の予防・治療用の医薬あるいは保健食品として好適に使用し得るような抗アレルギー剤を提供することを目的としている。
【0012】
【発明の概要】
本発明に係る抗アレルギー剤は、担子菌類の菌糸体培養物から抽出された担子菌類菌糸体エキスを含むことを特徴としている。
上記担子菌類としては、椎茸菌、山伏茸菌、エノキタケ菌の他、エリンギ菌等が挙げられる。
【0013】
本発明においては、上記担子菌類の菌糸体エキスとしては、
バガス(bagasse)を基材とする固体培地上に、椎茸菌などの担子菌類を接種し、次いで菌糸体を増殖して得られる菌糸体を含む固体培地を解束し、
この解束された固体培地に、水およびセルラーゼまたはプロテアーゼから選ばれる酵素の1種またはそれ以上を、前記固体培地を30〜50℃に保ちながら添加し、そして前記固体培地を酵素の存在下に粉砕および擂潰して椎茸菌糸体エキス等の担子菌類菌糸体エキスを抽出し、次いで95℃までの温度に加熱することにより酵素を失活させかつ滅菌してなるものであることが望ましい。
【0014】
このような抗アレルギー剤を、例えば、経口摂取すれば、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状の発症を予防・抑制でき、また発症しているアレルギー症状を治療でき、しかもこの抗アレルギー剤は、副作用の恐れが全くなく安全性に優れている。
【0015】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る抗アレルギー剤及びその好適な製造方法について具体的に説明する。
[抗アレルギー剤の製造]
本発明に係る抗アレルギー剤には、担子菌類の菌糸体エキスが含まれている。
【0016】
担子菌類(Basidiomycota)としては、古来より我が国で食用菌類として食用され、あるいは漢方で使用されている松茸目あるいはハラタケ目(Agaricales)の茸、サルノコシカケ目あるいはヒダナシタケ目(Aphyllophorales)の茸、キクラゲ目(Auriculariales)またはシロキクラゲ目(Tremellales)の茸、アンズタケ目(cantharellales)の茸が挙げられる。
【0017】
松茸目あるいはハラタケ目(Agaricales)の茸としては、具体的には、
松茸(Tricholoma Matsutake Ito et Imai.)、
椎茸(Lentinula edodes (Berk.) Sing.)、
エノキ茸(Flammulina Velutipes (Fr.)Sing.)、
平茸(Pleurotus ostreatus (Jacq.Ex Fr)Kummer)、
なめこ(Pholiota nameko(I.Ito)S.Ito et IMAI)、
イグチ属(Boletus Dill.ex Fr.)、
シメジ(Lyophyllum shimeji (Kawam.)Hongo)、
チチタケ(Lactarius volemus(Fr.)Fr.)、
エリンギ(pleurotus eryngii)等が挙げられる。
【0018】
また、サルノコシカケ目あるいはヒダナシタケ目(Aphyllophorales)の茸としては、具体的には、
コフキサルノコシカケ(Elfvingia applanatus(Pers.)Karst.)、
ツガサルノコシカケ(Fomitopsis pinicola (Fr.)Karst.)、
カワラ茸(Coriolus versicolor(Fr.)Quel.)、
マンネン茸すなわち霊芝(Ganoderma lucidum(W.Curt.ex Fr.)Karst.)、
舞茸(Grifola frondosa(Fr.)S.F.Gray)、
メシマコブ(P.yucatensis(Murr.)Imaz.,)等が挙げられる。
【0019】
キクラゲ目(Auriculariales)またはシロキクラゲ目(Tremellales)の茸としては、具体的には、
キクラゲ(Auricularia auricula(Hook.)Underw.)、
シロキクラゲ(Tremellinea fuciformis Berk.)等が挙げられる。
アンズタケ目(cantharellales)の茸としては、具体的には、
ハリタケ科(Hydnaceae)の山伏茸すなわちハリタケ(hydnum)等が挙げられる。
【0020】
本発明では、これら担子菌類のうちでも、椎茸(Lentinula edodes (Berk.) Sing.)、山伏茸、エノキ茸(Flammulina Velutipes (Fr.)Sing.)が好ましく用いられる。
本発明では、これらの担子菌類を、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。なお、これらの担子菌類の多くは、「キノコの事典」(中村克哉編、朝倉書店、1989年)、「キノコ類の培養法」(岩出亥之助著、地球社、昭和60年再訂5版)あるいは「原色日本菌類図鑑」(今関等共著、保育社、昭和58年、27刷)などに詳説されている。
【0021】
椎茸菌糸体エキス等の担子菌類菌糸体エキスの製法には特に制限はなく、例えば、椎茸菌糸体エキスでは、特開平2−134325号公報に記載されているように、椎茸菌糸体培養物を必要により自己消化させた後、熱水抽出し、その熱水抽出物をアルコールに沈殿させて得られるものでもよく、また、必要により、この沈殿物をさらにクロマトカラムにて分画し、エチレングリコール等にて溶出画分を分取して用いてもよい。
【0022】
本発明では、抗アレルギー効果、特にアトピー性皮膚炎に対する予防・治療効果の点で、特に椎茸菌糸体エキスのうちでは、特公昭60-23826号公報に記載された方法を利用して調製したものが望ましい。また、椎茸菌糸体エキス以外の上記したような他の担子菌類菌糸体エキスの場合も、椎茸菌糸体エキスと同様の方法にて調製したものが好ましい。
【0023】
以下、椎茸菌糸体エキスの調製法の例を挙げて、以下に詳説する。
椎茸菌糸体エキスを調製するには、具体的には、まずバガスからなる固体培地に水、好ましくは純水を適度に混ぜた後、椎茸菌を接種する。なお、このバガス培地に、米糠の他、必要によりリン、鉄、ゲルマニウム等のミネラル類、落花生表皮、玄米などを添加してもよい。
【0024】
次いで、このように椎茸菌が接種された培地を、温度および湿度が調節されさらには照度も調節された培養室内に入れて、菌糸体を増殖させる。
菌糸体が固体培地に蔓延し、子実体の発生直前・直後の時期に、バガス基材の繊維素を解束し、12メッシュ通過分が30重量%以下となるようにすることが望ましい。なお、バガス基材培地の解束は、上記のように子実体の発生直前・直後の時期に行うことが好ましいが、子実体がかなり成長した後の時期に行ってもよい。
【0025】
このように解束された固体培地に、水およびセルラーゼ、プロテアーゼまたはグルコシダーゼから選ばれる酵素の1種またはそれ以上を、固体培地を30〜50℃に保ちながら添加する。添加される酵素としては、セルラーゼが好ましい。
酵素の添加量は、固体培地1kgに対して0.5〜5g好ましくは1〜3gであることが好ましい。また水は、金属イオン等のイオン類を含まない純水が好ましく、この解束された培地1kgに対して、純水1〜10kg好ましくは2〜6kgを加えてバガス含有混合物とする。
【0026】
次いでこのバガス含有混合物から椎茸菌糸体エキスを抽出するが、このように椎茸菌糸体エキスを抽出するには、培地含有混合物を、例えば変速機付ギヤーポンプ等を用いて循環させながら、固体培地に粉砕および擂潰作用を加えてバガス繊維の約70重量%以上が12メッシュ通過分となるようにすることが望ましい。
【0027】
バガス含有混合物の粉砕および擂潰は、該混合物の温度を30〜50℃に保ちながら行ってもよく、温度を上記温度より徐々に上昇させながら行ってもよいが、温度を上昇させながら行うことが好ましい。水温が60℃以上好ましくは70℃以上となったときに、バガス含有混合物中に室温の空気を噴入させると、空気泡は急激に加熱されて破壊し、バガス繊維に衝撃を与え有効成分の抽出をより効率的に行うことができる。
【0028】
次いで、このようにして処理されたバガス含有混合物をさらに加熱して95℃までの温度、好ましくは75〜90℃程度の温度に加熱し、この温度で数十分間保持して該混合物中の酵素を失活させるとともに、該混合物を殺菌すると、椎茸菌糸体エキスが得られる。
なお、得られた椎茸菌糸体エキスを必要に応じて、50〜120メッシュ好ましくは60〜100メッシュ程度の濾布を用いて濾過してもよい。
【0029】
このようにして得られる椎茸菌糸体エキスは、濃縮して用いることもでき、また凍結乾燥して粉末状として用いることもできる。
以上、椎茸菌糸体エキスの好ましい調製法の例を詳説したが、本発明で用いられる前記したその他の担子菌類菌糸体エキスも、上記椎茸菌に代えて、霊芝、エノキ茸、メシマコブ、山伏茸、マイタケ、エリンギなどの担子菌類を用いる点以外は、上記と同様にして、調製することができる。
【0030】
本発明の抗アレルギー剤には、上記椎茸菌糸体エキス等の担子菌類菌糸体エキスは、どのような量で含まれていてもよいが、このような抗アレルギー剤は、該抗アレルギー剤中の担子菌類菌糸体エキス固形分換算量として、体重1kg当たり、1日につき、通常1〜100mg、好ましくは5〜50mgの量で摂取することが望ましい。
【0031】
このような抗アレルギー剤は、顆粒状、液状、錠剤、カプセル状など各種剤形にて経口投与してもよく、またアレルギー患者に使用する注射液としての開発も可能である。また、上記の菌糸体エキス原液が含まれた抗アレルギー剤は、希釈せずにそのままアレルギー患者等に投与することもできるが、例えば精製水、アルコール等で適宜希釈して投与することもできる。
【0032】
上記のように、本発明に係る抗アレルギー剤をアレルギー患者に投与すると、それらの症状を改善することができ、また発症前ではその発症を予防することができる。
このように本発明に係る抗アレルギー剤はアレルギー疾患の発症を予防・抑制するとともに発症しているアレルギー疾患も改善することができるのは、次のような理由によるのであろうと思われる。
【0033】
すなわち、この椎茸菌糸体エキス等の担子菌類菌糸体エキスからなる抗アレルギー剤には、本発明者らの研究によれば、椎茸菌糸体等の担子菌類菌糸体から抽出される有効成分と、椎茸菌糸体などの担子菌類菌糸体が培養された固体培地とから抽出される有効成分とが多数混在し、これらの成分(未同定である)が総合的に作用し、アレルギー疾患を予防・治療できるのであろうと考えられる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、アレルギー疾患、特にアトピー性皮膚炎の発症を予防・抑制でき、また発症しているアレルギー疾患を治療することができ、しかも、副作用の虞がなく安全性に優れた保健食品あるいは医薬である抗アレルギー剤が提供される。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何等制限されるものではない。
【0036】
【調製例1】
[椎茸菌糸体エキスからなる抗アレルギー剤の調製]
バガス90重量部、米糠10重量部からなる固体培地に純水を適度に含ませた後に、椎茸種菌を接種し、温度および湿度を調節した培養室内に置き、菌糸体を増殖させた。菌糸体が固体培地に蔓延した後、バガス基材の繊維素を解束し、12メッシュ通過分が24重量%以下になるようにした。この解束された培地1.0kgに、該固体培地の温度を40℃に保ちながら、純水3.5リットルおよび精製セルラーゼ2.0gを加えてバガス含有混合物とした。
【0037】
次いで培地含有混合物を変速機付ギヤーポンプにより循環させながら、固体培地に該ポンプのギヤー部分において粉砕および擂潰作用を200分間程度加え、バガス繊維の約80重量%が12メッシュ通過分となるようにした。バガス含有混合物の粉砕および擂潰は、該混合物の温度を徐々に上昇させながら行った。
その後、バガス含有混合物をさらに加熱して、90℃として30分間放置した。
【0038】
90℃への加熱により酵素を失活させ、かつ殺菌を施した。
得られた培地含有混合物を60メッシュ濾布を用いて濾過し、微小浮遊物を含有する椎茸菌糸体エキスを得た。
この椎茸菌糸体エキスをフリーズドライ法にて粉末化した。
【0039】
【調製例2〜3】
上記調製例1において、椎茸種菌に代えて、エノキ茸種菌(調製例2)、山伏茸種菌(調製例3)を用いた以外は、調製例1と同様にして、エノキ茸菌糸体エキス粉末、山伏茸菌糸体エキス粉末を得た。
次に、これら各種菌糸体エキスを種々の濃度で用いて、ラット好塩基球白血病(RBL-2H3)細胞における抗アレルギー試験、アトピー性皮膚炎モデル動物であるNCマウスにおける抗アレルギー試験等を行った。
【0040】
試験方法、結果等を以下に示す。
[ラット好塩基球白血病(RBL-2H3)細胞を用いた椎茸菌糸体エキスの抗アレルギー試験]
即時型アレルギーは、肥満細胞や好塩基球細胞の細胞膜に結合したIgE抗体と抗原が架橋構造を形成することによりこれらの細胞内にある顆粒が脱顆粒され細胞外へ放出されるhistamine、serotonin等のchemical mediatorにより発症すると考えられている。
【0041】
RBL-2H3細胞は、in vivoで生じる、肥満細胞や好塩基球細胞における即時型アレルギー反応の場合と同様に、抗原の刺激によりβ-Hexosaminidase、histamine、serotonin等を遊離することが知られている。
そこで、本発明では、椎茸菌糸体エキス(L・E・M)を用いた場合における、RBL-2H3細胞からのβ-Hexosaminidase遊離の抑制作用を調べることにより、椎茸菌糸体エキスによる抗アレルギーの薬理活性の検討を行なった。
【0042】
【試験例A】
<実験材料および方法>
1. 試験品
実験には、上記調製例1で得られた椎茸菌糸体エキスを水溶液(椎茸菌糸体エキス含量:100、10、1、0.1mg/ml)にして用いた。
2. β -Hexosaminidase 遊離抑制作用の試験用反応混合液
反応混合液は、椎茸菌糸体エキスの各濃度の水溶液100μl(椎茸菌糸体エキス含量:100、10、1、0.1mg/ml)に、ビオチン化マウス抗DNP IgE抗体(3μg/ml)と抗原としてのDNP-KLH(ジニトロフェノールを化学的に結合させたKLH(keyhole limpet hemocyanin))(1μg/ml)を加え、さらにreleasing medium(放出媒体) [116mM:NaCl、5.4mM:KCl、0.8mM:MgSO4、5.6mM :D-glucose、25mM:MES(2-(N-Morpholino)Ethanesulfonic Acid)、2.0mM:CaCl2・H2O、1mg/ml:BSA(牛血清アルブミン)、pH7.7]を加えて全量で1mlとすることにより調製した。
3. β -Hexosaminidase 遊離抑制作用の検討方法
RBL-2H3細胞(5×105個)を、48well−反応プレートの各well中において、10%FCS(fetal calf serum)を含むMEM(イーグルによる培地。別名:Eagle's minimal essential medium (EMEM) 。)培養液を用いて37℃、5%CO2下で24時間培養した。
次いで、その培養液を除去した後、各wellに、上記反応混合液250μlを加え、37℃で1時間反応させた。
【0043】
その後、各well から細胞外液(A)100μlを分取し、残余の細胞外液を吸引除去した。
次に0.2%の「Triton X-100」(非イオン性界面活性剤、Amersham Biosciences社 製)溶液 250μlを各wellに加えて、細胞壁を溶解させ、10分後に細胞溶解液(細胞内液)(B)100μlを分取した。
【0044】
β-Hexosaminidase活性の測定は、以下のようにして行った。
すなわち、上記細胞外液(A)と細胞内液(B)のそれぞれに、基質溶液[p-nitrophenyl-2-acetamido-2-deoxy-β-D-glucopyranosideを50mMクエン酸緩衝液(pH 4.5)に溶解して5mM溶液とした基質溶液]400μlを加えて、上記細胞外液(A)および細胞内液(B)に含まれているβ-Hexosaminidaseと反応させると、当該酵素により基質は分解されてp-nitorophenolが生成される。
【0045】
次いで、得られた反応生成物に、反応停止液として0.2Mグリシン緩衝液(pH10.7)1mlを加え、p-nitorophenolの量を波長405nmにおける吸光度(O.D.405nm)を測定して求めた。
β-Hexosaminidaseの遊離抑制率は次式により求めた。
まず、「β-Hexosaminidaseの遊離率(放出量)」は、下記式で示すように、細胞外(A)のβ-Hexosaminidase量を、細胞外(A)と細胞内(B)のβ-Hexosaminidaseの合計量(A+B)で割り、百分率(%)で表示される。
【0046】
Net % release of β-Hexosaminidase ={A/(A+B)}×100
また、「椎茸菌糸体エキスによる、RBL-2H3細胞からのβ-Hexosaminidaseの遊離抑制率」は、下記のようにして算出される。
すなわち、椎茸菌糸体エキスを含む各試料(サンプル)を用いた場合におけるRBL-2H3細胞からのβ-Hexosaminidaseの遊離率(Net % release in sample、(イ))、および椎茸菌糸体エキスを含んでいない反応混合液を用いた「コントロール」におけるRBL-2H3細胞からのβ-Hexosaminidaseの遊離率(Net % release in control、(ロ))を求める。
【0047】
次いで、下記式で示すように、コントロール(ロ)でのβ-Hexosaminidase遊離率を100%とすると、1((ロ)/(ロ))から「Net % release in sample(イ)/Net % release in control(ロ)」を引き、百分率(%)で表示することにより、「椎茸菌糸体エキスによる、RBL-2H3細胞からのβ-Hexosaminidaseの遊離抑制率」は算出される。
【0048】
遊離抑制率(Inhibition、%)
=(1- Net% release in sample(イ) / Net% release in control(ロ))×100
なお、実験は、その精度を確保すべく、試料二連(duplicate)で実施し、併せて、上記releasing medium(放出媒体)に、椎茸菌糸体エキスを上記各反応濃度で溶解させ、上記基質溶液に入れ、上記と同じ時間反応させ、次いで反応停止液を加えたものを試薬ブランクとして用いた。
【0049】
<結果>
上記のように種々の濃度で椎茸菌糸体エキスを反応させた時の細胞内液(B)と細胞外液(A)それぞれのβ-Hexosaminidase活性、及び試薬ブランクでのβ-Hexosaminidase活性を測定した結果を表1に示す。
なお、細胞外液(A)については、椎茸菌糸体エキス成分が残存するため、吸光度(O.D.)の補正値「細胞外液(A)−試薬ブランク」で示す。また、細胞内液(B)については、椎茸菌糸体エキスの影響を受けないため、試料の吸光度(O.D.)に及ぼす影響を考慮せず、測定値で示す。
【0050】
これら吸光度の測定結果から算出された、各椎茸菌糸体エキス濃度におけるβ-Hexosaminidaseの遊離率(Net%release ofβ-Hexosaminidase)を併せて表1に示す。
また、求められた上記β-Hexosaminidaseの遊離率から、椎茸菌糸体エキスを含まない抗アレルギー剤(椎茸菌糸体エキス濃度0mg/ml)を用いた場合におけるβ-Hexosaminidase遊離率を100%とし、種々の椎茸菌糸体エキス濃度における、β-Hexosaminidase遊離抑制率(遊離阻害割合、% Inhibition)を求めた。
【0051】
結果を表1に併せて示す。
【0052】
【表1】
Figure 0004435465
【0053】
この表1によれば、β-Hexosaminidase遊離抑制率は、椎茸菌糸体エキス濃度1mg/mlで約40%程度、10mg/mlで約100%となっていることが分かる。
4. RBL-2H3 細胞に及ぼす椎茸菌糸体エキスの影響
次に、RBL-2H3細胞に椎茸菌糸体エキス溶液を種々の濃度で反応させた際に、細胞に対する障害が出ているか否かを、Crystal violetで染色を行い確認した。
<試験方法>
椎茸菌糸体エキスそのものがRBL-2H3細胞に及ぼす影響は、以下のようにして調べた。
【0054】
すなわち、椎茸菌糸体エキスの上記水溶液100μlを上記releasing mediumで希釈し1mlにした試料を準備し、該試料250μlをRBL-2H3細胞(5×105個)に添加し、37℃で1時間反応(保持)させた。その後、上清を除き、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄した後、0.1%Crystal violet溶液を200μl加えCrystal violetを生細胞内に取り込ませることにより生細胞を染色した。15分染色後、PBSで3回洗浄し、0.5%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム、界面活性剤)を200μlを加えCrystal violetを可溶化した。次いで、プレートシェーカーで振盪した後、O.D.500nmを測定し吸光度から生細胞を評価した。
【0055】
結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
Figure 0004435465
【0057】
上記表2に明らかなように、椎茸菌糸体エキス(LEM)濃度が10mg/mlであっても細胞が生存していることを確認することが出来た。
なお、椎茸菌糸体エキス濃度が低濃度の0.01mg/mlからより高濃度の10mg/mlへと上昇した場合に、Crystal violetの吸光度(生細胞量)がより高い値となっているのは、恐らく椎茸菌糸体エキス(LEM)の残さが細胞膜に吸着し、椎茸菌糸体エキス(LEM)の色素成分が混入いるためであろうと考えられる。
【0058】
<考察>
上記実施例によれば、椎茸菌糸体エキス(LEM)は、IgEと抗原により感さされたラット好塩基球白血病(RBL-2H3)細胞からの顆粒球放出に対して阻害(抑制)作用・効果を有することが明らかである。
また、その作用・効果の程度は、β-Hexosaminidase遊離抑制率から、椎茸菌糸体エキス(LEM)濃度が1mg/mlで約40%程度、10mg/mlで約100%であるといえる。
【0059】
以上詳述したことから明らかなように、椎茸菌糸体エキス(LEM)は、抗アレルギー作用を持っているものと考えられる。
【0060】
【試験例B】
上記調製例1で得られた椎茸菌糸体エキス(粉末)からなる、抗アレルギー剤を用いて、アトピー性皮膚炎モデル動物であるNCマウスに対するアレルギー疾患の発症予防、改善効果を調べた。
なお、「NCマウス」は、微生物学的統御のなされた環境下では、皮膚病変を発症しないが、通常の(conventional)環境下で飼育すると、6〜7週齢以降にヒトのアトピー性皮膚炎に類似した皮膚疾患を発症し、血中IgEの増加が見られる。このため、NCマウスは、通常、ヒトのアトピー性皮膚炎のモデル疾患動物として用いられる。
【0061】
<実験材料および方法>
1. 試験用薬剤または保健食品
実験には、抗アレルギー剤として、上記調製例1で得られた椎茸菌糸体エキスを濃度100mg/mlの水溶液にして用いた。投与量は、1g/kg(体重)とした。
2. 試験動物および投与方法
試験動物のマウス(NC/Nga種、雄(♂)、6週齢)をチャールス・リバー社より入手し、1群:10匹について通常食を自由摂取させながら飼育し、上記調製例に示す各抗アレルギー剤を投与し、各種試験を行った。また、コントロールとして、同様のマウス(1群:10匹)に水を投与し、上記と同様に試験を行った。
(a)「椎茸菌糸体エキスの水溶液」投与群(NC/Nga種、雄(♂)、6週齢、10匹)
(b)水投与(コントロール)群(NC/Nga種、雄(♂)、6週齢、10匹)
抗アレルギー剤等の投与による試験は120日間行った。その間、4日おきに椎茸菌糸体エキスの水溶液を経口投与した。
【0062】
また、経口投与の度毎に、マウスの皮膚状態の観察および写真撮影を行ない、皮膚状態を(1)発赤、出血、(2)浮腫、(3)脱毛、潰瘍、組織欠落、(4)乾燥、(5)湿疹かさぶた形成の5項目について、無症状(0点)、軽度(1点)、中等度(2点)、高度(3点)の4段階に分類し、それぞれ上記のように0〜3点で点数化し、その合計を皮膚状態スコアーとして症状の指標とした。
3. 血清中 IgE の測定
上記投与期間中、3週間毎にマウスの血液を採取し、血清中のIgE濃度を測定した。
【0063】
血清中のIgE濃度の測定には、ELISA法のマウスIgE測定キット(レビスIgE-ELISAキット(マウス)、株式会社シバヤギ製)を用いた。
<結果>
1. 体重変化
最終的に、水投与群では、「椎茸菌糸体エキスの水溶液投与群」に比べ、若干体重が軽い傾向が見られたが、群間で有意差は見られなかった(図1)。
2. 皮膚状態スコアー
試験開始後84日目以降に、水投与群、「椎茸菌糸体エキスの水溶液投与群」で、マウスの皮膚に異常が見られた。
【0064】
皮膚状態スコアーを測定した結果、水投与群では「椎茸菌糸体エキスの水溶液投与群」と比べて皮膚状態の悪化が見られ、スコアーの有意差を検定した結果、p=0.01で有意差が認められた(図2)。
このスコアーの有意差は、実験終了時(120日)まで、変わらなかった。また、図2に示すように、マウスの皮膚状態は、水投与群と「椎茸菌糸体エキスの水溶液投与群」の何れの場合も、試験開始後84日目以降、悪化を続けた。なお、水投与群では96日目以降、若干の変動はあるが、それ以上アトピー性皮膚炎の症状は進行(悪化)しなかった。
【0065】
試験に用いた各マウス(合計20匹)の最終皮膚状態(120日目)を、図3〜図4に示す。
3. 血清中 IgE 濃度変化
血中IgE濃度は、図5に示すように、試験開始後85日目に若干の上昇が見られ、105日目には試験開始時の10倍以上の濃度に上昇した。水投与群で、IgE濃度が「椎茸菌糸体エキスの水溶液投与群」に比べて若干高い傾向を示しているが、有意差は認められなかった(図5)。
【0066】
<考察>
NCマウスでは、アトピー性皮膚炎が、SPF(Specific Pathogen Free)環境から普通(conventional)の環境へ移すことで、コンベンショナルな環境における何らかの環境因子により発症する。
この実験では、NCマウスでアトピー性皮膚炎の発症に、約3ヶ月近く要した。その理由として、飼育環境が、予想以上に清浄であった可能性が考えられる。
【0067】
最終的には、実験に用いたNCマウスは、アトピー性皮膚炎を発症し、水投与群に比べ「椎茸菌糸体エキスの水溶液投与群」で発症が抑えられる傾向が見られた。
このことから、椎茸菌糸体エキス(あるいはその水溶液)にアレルギーの発症を、抑制する作用があることが明かとなった。
【0068】
ところで、Th(ヘルパーT細胞)0は、Th1(細胞性免疫担当)、Th2(液性免疫担当)に分化する。これまで、アトピー発症の1つの機構として、Th2が優勢になると、抗体の産生が促進され、IgE(immunoglobulinE)が多くなり、アトピーが発症するのではないかと考えられている。そのため、免疫賦活物質のアトピー性皮膚炎発症の抑制機構として、免疫賦活物質がTh1/Th2のバランスをTh1側に傾けさせることにより、IgE産生を抑制し、アトピー性皮膚炎の発症を抑制するのではないかと考えられている。
【0069】
今回、本発明者らが、椎茸菌糸体エキスの水溶液をNCマウスに経口投与して試験を行った結果、上記実験データからも明らかなように、明らかにアトピー発症を抑制する効果が見られた。しかしながら、血清中IgE濃度に関しては、若干、椎茸菌糸体エキスの水溶液を投与した群の方が、コントロール(水投与群)に比して低下しているが、有意差が認められる程までには、椎茸エキス投与群の血清中IgE濃度は低下していない。
【0070】
このことから、椎茸菌糸体エキスなどのような、担子菌類の菌糸体培養物から抽出された担子菌類菌糸体エキスを含む抗アレルギー剤のアトピー性皮膚炎発症抑制機構は、前述の免疫賦活物質で考えられているアトピー性皮膚炎の発症抑制機構とは異なっていると考えられる。
すなわち、椎茸菌糸体エキス(あるいはその水溶液)のアトピー発症抑制機構は、従来いわれているようなTh1/Th2のバランス調整のような機構ではないと考えられる。
【0071】
椎茸菌糸体エキス等の担子菌類の菌糸体エキスを含む本発明の抗アレルギー剤は、上述したように、ラット好塩基球白血病(RBL-2H3)細胞を用いた椎茸菌糸体エキス水溶液の抗アレルギー試験の結果、好塩基球の顆粒放出を阻害する効果があることが本発明者により見出されており、この椎茸菌糸体エキスによる顆粒放出阻害機構が、アトピー発症を阻害している可能性が考えられる。
【0072】
また、上記試験期間中、NCマウスは頻繁に個体間で争っている(fighting)様子が観察された。これら、争い(ファイティング)の頻度を数値化することはできなかったが、水投与群では、椎茸菌糸体エキスの水溶液投与群に比べてファイティングの頻度が高いように観察された。
このファイティング観察結果から、椎茸菌糸体エキスあるいはその水溶液には、マウス神経の鎮静作用のような効果があり、それによりアトピー性皮膚炎の発症が抑えられている可能性も考えられる。
【0073】
椎茸菌糸体エキスに代えて、山伏茸菌糸体エキス、エノキタケ菌糸体エキスを用いた場合にも、上記と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、椎茸菌糸体エキス(LEMとも言う)投与群と、水投与群(コントロール)との経時的な平均体重変化を示すグラフである。
【図2】図2は、椎茸菌糸体エキス(LEM)投与群と、水投与群(コントロール)との経時的な平均皮膚状態スコアーを示すグラフである。
【図3】図3は、試験に用いた椎茸菌糸体エキス投与群の各マウス(合計10匹)の最終皮膚状態を示す図面である。
【図4】図4は、試験に用いた水投与群の各マウス(合計10匹)の最終皮膚状態を示す図面である。
【図5】図5は、椎茸菌糸体エキス(LEM)投与群と、水投与群(コントロール)との血清中IgE濃度の経時的変化を示す図面である。
【符号の説明】
図1〜図5中、点線は、椎茸菌糸体エキス投与群を示し、実線は、コントロールを示す。

Claims (2)

  1. 椎茸菌糸体エキスとして
    バガス(bagasse)を基材とする固体培地上に、椎茸菌を接種し、次いで菌糸体を増殖して得られる菌糸体を含む固体培地を解束し、
    この解束された固体培地に、水およびセルラーゼまたはプロテアーゼから選ばれる酵素の1種またはそれ以上を、前記固体培地を30〜50℃に保ちながら添加し、そして前記固体培地を酵素の存在下に粉砕および擂潰して椎茸菌糸体エキスを抽出し、次いで95℃までの温度に加熱することにより酵素を失活させかつ滅菌してなる椎茸菌糸体エキスを含む経口投与用抗アレルギー剤であって、
    上記抗アレルギー剤中に椎茸菌糸体エキスをその濃度が1mg/ml以上となる量で含んでなる、β−Hexosaminidaseの細胞外への遊離抑制用であることを特徴とする経口投与用抗アレルギー剤。
  2. 上記抗アレルギー剤が、アトピー性皮膚炎の予防および/または治療用である請求項1に記載の経口投与用抗アレルギー剤。
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