JP4435367B2 - ゲル状芳香剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はゲル状芳香剤組成物、とくその経時安定性と、匂い安定性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゲル状芳香剤としては、炭化水素系溶剤を主としたオイルゲルタイプのものと、水を主成分とし、適当なゲル化剤を使用した水性ゲルタイプのものが知られている。油性ゲルには高級脂肪酸、特にステアリン酸ナトリウム(特公昭56−6783号)、ジベンジリデンソルビトール(特開昭59−77859号)等の油性ゲル化剤を含む油相に香気成分を可溶化した油性ゲル状芳香剤や吸油性樹脂(特開平3−272766号)を用いた油性ゲル状芳香剤がある。また、水性ゲルには、天然高分子としてゼラチン、寒天、カラギーナン(特開昭54−135229号)等、合成高分子としてポリアクリル酸ナトリウム、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体(特公昭60−29291号)等のものを使用した水性ゲル状芳香剤が知られている。
【0003】
水性ゲル状芳香剤は、引火の危険もなく、安全な上コストも比較的かからないため、大きな蒸散面積を確保でき香り立ちの強い製品作りが可能である。また、水が蒸散し終わるとゲルは小さく収縮し、エンドポイントも非常にわかりやすいため、よく利用されている。
【0004】
このような水性ゲル状芳香剤の中でも現在、市場ではゼラチンやカラギーナンを使用した水性ゲルタイプのものが主流を占めているが、これらに香料等を加え均一なゲルを得るためには、適当な界面活性剤を配合し、透明な可溶化系を得ることが必要になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにして調製したゲルは水の蒸散を伴わなくても経時で徐々に収縮し、離水を起こす傾向にある。このような性質は、匂いの安定性にも影響し、製品の特性上、非常に好ましくなく、透明で経時での離水を起こさない水性ゲル状芳香剤組成物が要望されていた。
【0006】
本発明は前記課題に鑑み為されたものであり、その目的は、透明で経時での離水を起こさない水性のゲル状芳香剤組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、水性ゲル化剤、特に水溶性多糖類のカラギーナンと、水溶性媒体中において会合し、それによってその水溶性媒体の粘度を増加させることができる特定コポリマーからなる水性ゲルが、ゲル状芳香剤組成物として望ましい性質を示すことを見出した。
【0008】
すなわち、本発明にかかる水性ゲル状芳香剤組成物は、次の成分(A)及び(B)と、香料0.1〜50重量%と、水とを含有することを特徴とする
(A)水溶性媒体中において会合し、それによってその水溶性媒体の粘度を増加させることができる、親水性部分と疎水性部分からなる下記一般式(1)で表されるコポリマー0.01〜10重量%;
R─B─X─B─R …(1)
〔式中、Rは疎水性部分、Xは親水性部分、Bはエーテル基、エステル基から選ばれる結合基である。コポリマーの親水性部分Xと疎水性部分Rの重量比は5:1〜1000:1である。また、一般式(1)のコポリマーは、活性水素を2個有する有機化合物にエチレンオキサイドを含有するアルキレンオキサイドを付加重合せしめたポリアルキレンオキサイド化合物と炭素数10以上の高級脂肪酸もしくは炭素数10以上の高級アルコールとの生成物である疎水変性ポリエーテルである。
(B)水溶性多糖類である水性ゲル化剤0.1〜10重量%。
【0009】
本発明にかかるゲル状芳香剤組成物においては、(A)コポリマーの親水性部分Xがポリエチレンオキサイドからなることが好適である。
【0010】
本発明にかかるゲル状芳香剤組成物においては、(A)コポリマーの親水性部分Xがエチレンオキサイド単位で30〜6000(整数)のポリエチレンオキサイドからなることが好適である
【0012】
本発明にかかるゲル状芳香剤組成物においては、水溶性多糖類がカラギーナンであることが好適である。
【0013】
本発明にかかるゲル状芳香剤組成物においては、カラギーナンがカッパ型のみ又は、カッパ型及びイオタ型の混合物であり、その重量比が1:9〜10:0の範囲であることが好適である
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成要件を更に詳細に説明する。
本発明のゲル状芳香剤組成物は、通常の水性ゲルの改良剤として、会合性の特定コポリマーを含むものである。以下このコポリマーについて、説明する。
【0016】
コポリマー
本発明において用いられる特定コポリマーは、親水性部分を骨格とし、両末端に疎水性部分をもつものであり、水溶性媒体中でコポリマーの疎水性部分同士が会合し、増粘性を示すものを用いる。本発明にかかる特定コポリマーを具体的に示すと下記一般式(1)になる。
R─B─X─B─R …(1)
〔式中、Rは疎水性部分、Xは親水性部分、Bはエーテル基、エステル基から選ばれる結合基である
【0017】
上記コポリマー中の親水性部分と疎水性部分の重量比率は概ね5:1〜1000:1である。この比率の範囲から外れると十分なゲル状芳香剤組成物の安定性が得られないことがある。
【0018】
親水性部分は特に限定されるものではないが、ポリアルキレンオキサイド、とくにポリエチレンオキサイドからなることが好適である。また、親水性部分をポリエチレンオキサイドにする場合、エチレンオキサイド単位(整数)で概ね30〜6000、より好ましくは30〜3000の鎖長が好適である。
【0020】
また、上記親水性部分と疎水性部分をつなぐ結合基としては、製造の都合上、エステル基、エーテル基なる。例えば、ポリエチレンオキサイドと脂肪酸の縮合反応により製造されたものはエステル基をもつ化合物となる。また、ポリエチレンオキサイドとアルコールの縮合反応により製造されたものはエーテル基をもつ化合物となる
【0021】
具体的な化合物を示すと、例えば、POE40ジラウリルエステル、POE100ジステアリルエステル、POE250ジステアリルエステル、POE250ジミリスチルエステル、POE500ジベヘニルエステル、POE500ジステアリルエステル、POE600ジステアリルエステル、POE5000ジイソオクチルエステル、POE10000ジミリスチルエステル等の結合部分としてエステル結合を有するもの、POE200ジステアリルエーテル、POE200ジラウリルエーテル、POE500ジイソステアリルエーテル、POE1000ジオレイルエーテル、POE2000ジイソオクチルエーテル、POE6000ジステアリルエーテル等の結合部分としてエーテル基を有するもの挙げられる。
【0022】
また、本発明にかかるゲル状芳香剤には、上記特定コポリマーを0.01〜10重量%配合することが好適である。配合量が0.01重量%より少ない場合には添加効果が認められないことがあり、10重量%より多い場合には、加熱溶解時の粘度が高くなりすぎて、製造時の取り扱いに不都合を生じるようになり、作業効率が低下したり、香料の蒸散性が低下することがあるので好ましくない。
【0023】
疎水変性ポリエーテル
以下、一般式(1)で示される(A)コポリマーが、疎水変性ポリエーテルの場合について、詳述する。
【0024】
本発明に用いる疎水変性ポリエーテルにおいて、活性水素基を少なくとも2個有する有機化合物としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、アニリン等を用いることができる。
【0025】
上記活性水素基を2個有する有機化合物に付加重合せしめるエチレンオキサイドを含有するアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド単独又はエチレンオキサイドを含有するアルキレンオキサイドである。エチレンオキサイド以外のアルキレンオキサイドとしては炭素数3〜30のものであり、例えばプロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、α−オレフィンエポキシド又は、グリシジルエーテル類を用いることができる。
【0026】
アルキレンオキサイドの付加重合は公知の方法に従い行うことができ、また、エチレンオキサイドと他のアルキレンオキサイドの付加方法はランダム及び/又はブロックで重合するものなど適宜選択できる。
【0027】
次にこの親水性部分を含むポリアルキレンオキサイド化合物と疎水性部分として高級脂肪酸もしくは高級アルコールとを反応させる。
【0028】
高級脂肪酸としては、例えば、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸(ベヘニン酸)、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等を用いることができる。
【0029】
高級アルコールとしては、例えば、デシルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分岐鎖アルコール等を用いることができる。
【0030】
水性ゲル化剤
本発明にかかるゲル状芳香剤組成物には、水性ゲル化剤としてペクチンのカルシウム塩、ペクチンのアルミニウム塩、寒天、カラギーナン、カードラン、アルギン酸、キサンタンガム、ペクチン、タマリンドガム、アラビアガム、グアーガム、トラガンドガム、ローカストビーンガム、デンプン、シクロデキストリン等の水溶性多糖類に分類される高分子化合物、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系水溶性高分子などの中から1種または2種以上を用いることができる。この中で、特にカラギーナンを主成分としたものが好適である。
【0031】
カラギーナンは、寒天等と同様、紅藻類より抽出した天然多糖の一種であり、工業的にはユーキューマ(Eucheuma)、コンドラス(Chondrus)、イリダイヤ(Iridaea)、ギガルティーナ(Gigartina)などが原藻として利用されている。カラギーナンにはカッパ、イオタ、ラムダの3つのフラクションがあることが知られており、以下に各々性質を示す。カッパカラギーナンは、1,3結合したガラクトース−4−サルフェイトと1,4結合した3,6−アンヒドロ−D−ガラクトースから成り立ち、強いゲルを形成する。イオタカラギーナンは、1,3結合したガラクトース−4−サルフェイトと1,4結合した3,6−アンヒドロ−D−ガラクトース−2−サルフェイトから成り立っており、粘弾性のあるゲルを形成する。ラムダカラギーナンは、1,3結合したガラクトース−2−サルフェイト(約70%の硫酸基を含む)と1,4結合したD−ガラクトース−2,6−サルフェイトから成り立ち、カッパ、イオタカラギーナンと異なりゲル化せず、水溶液は高い粘性を示すことが知られている。
【0032】
また、本発明にかかるカラギーナンにおいては、カッパ型とイオタ型の混合物で、その重量比が10:0〜1:9、さらに好ましくは9:1〜1:1であることが好適である。重量比が1:9よりもイオタ型が多くなると柔らかく粘弾性のあるゲルとなり、経時での形状安定性が悪くなることがある。
【0033】
また、本発明にかかるゲル状芳香剤組成物においては、カラギーナンが0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%配合されることが好適である。カラギーナンが0.1重量%以下になると、ゲルが弱くなり、離水が生ずるなど芳香剤ゲルとして取り扱うには不適切な状態になることがある。また、カラギーナンが10重量%以上になると、加熱溶解時の粘度高くなりすぎて、製造時の取り扱いに不都合が生じるようになり、作業効率が低下したり、香料の蒸散性が低下することがあるので好ましくない。
【0034】
また、本発明における特定コポリマーとカラギーナンの配合重量比(特定コポリマー/カラギーナン)は、好ましくは0.01〜10であり、より好ましくは0.1〜1.0である。この比を外れるとゲルが不安定になり離液量が多くなることがある。
【0035】
香料
本発明で用いられる香料は、リモネン等のモノテルペン系、アビエチン等のジテルペン系、リナロール等のテルペン系アルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、シラトール等のテルペン系アルデヒド、メントウ等のテルペン系ケトン、p−メチルアセトフェノン等の芳香族ケトン、ジフェニルエーテル等のフェノオール誘導体、パラサイメン等の芳香族炭化水素、デカナール等の脂肪族アルデヒド、ベンズアルデヒド等のアセタール類、シトラールジメチルアセタール等のアセタール類、イソシアルアセテート等のカルボン酸エステル、α、β、γ−イオノン等の脂環式ケトン、ムスコン等の大環状ケトン、ローズオキサイド等の環状エーテル、インドール等の複素環式化合物、蟻酸ゲラニル等の脂肪族酸エステル、安息香酸メチル等の芳香族酸エステル、γ−ヘプチルブチロラクトン等のアルデヒド類、等を任意に調合して得ることができる。
【0036】
本発明にかかるゲル状芳香剤組成物において、香料の配合量は組成物全体に対して0.1〜50重量%が好適であり、0.1重量%少ないと芳香剤として十分な芳香が得られないことがあり、50重量%より多いとゲルに濁りを生じるようになり外観上好ましくないものになったり、ゲルの強度が低下し、取り扱いに不都合を生じることがある。
【0037】
界面活性剤
本発明で用いられる界面活性剤は、香料を水性液体中に可溶化もしくは分散できるものであればいずれでもよく、例えば脂肪族モノカルボン酸塩やアビエチン酸塩等のカルボン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩や直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩やN−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム等のスルホン酸塩アルキル硫酸エステル塩やポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステルやポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体の部分ケン化物等のアニオン性重合形高分子、ナフタレンスルホン酸塩−ホルマリン縮合物等のアニオン性重縮合型高分子等のアニオン性界面活性剤、アルキルアミンやジアルキルアミン等の第1〜3アミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩、ポリエチレンポリアミン誘導体等のカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のエーテル系、グリセリン脂肪酸部分エステルやソルビタン脂肪酸部分エステル等のエステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステルやポリエチレングリコール脂肪酸エステル等のエステルエーテル系、脂肪酸ジエタノールアミド等の含窒素系のノニオン性界面活性剤、カルボキシベタイン、アミノカルボン酸、スルホベタイン、アミノ硫酸エステル、イミダゾリン系等の両性界面活性剤、ポリビニルアルコールやポリアクリル酸ナトリウムやポリエチレンオキサイド等の合成高分子、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースやヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、樹脂多糖類、種子多糖類、海草多糖類、ペクチン、デンプン、微生物発酵多糖類、タンパク質等の天然高分子等が挙げられ、これらの中、1種または2種以上を用いることができる。
【0038】
ゲル化方法
本発明のゲル状芳香剤組成物を得る際のゲル化方法としては、水性ゲルが形成できる方法であれば特に制限はなく、ゲル化剤および必要に応じて界面活性剤を水性液体へ溶解し、また香料も水性液体へ可溶化または分散し、ゲル化温度まで冷却したり、ゲル化補助剤を添加する所定の方法によりゲル化すれば良い。
【0039】
その他の添加物
本発明のゲル状芳香剤組成物中には、着色料、防腐剤、酸化防止剤、外観を向上するために花や花びら、着色物や反射物等の様々な充填物を含有させることができる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。また、配合量は特に指定がない限り重量%で示す。
【0041】
水性ゲルの改良剤の選択
本発明者らは最も一般的な水性ゲル化剤であるカラギーナンに、増粘剤やゲル化剤に分類される成分を適量併用し、経時で離液するというゲル状芳香剤の欠点を解決することを試みた。結果を表1に示す。なお評価基準については、下記の通りである。
【0042】
<経時安定性>
調製したゲル状芳香剤100gを50℃の恒温槽に4週間放置し、離液量を測定した。評価基準はつぎの通り。
4週間後の離液量が0.5g未満 ◎
4週間後の離液量が0.5g以上〜1.0g未満 ○
4週間後の離液量が1.0g以上〜1.5g未満 △
4週間後の離液量が1.5g以上 ×
【0043】
<香り立ち試験>
調製したゲル芳香剤100gを室内に放置し、20名の専門パネルにより、香り立ちを◎、○、△、×で評価した
【0044】
【表1】
Figure 0004435367
【0045】
−製法−
疎水変性ポリエーテルを保湿剤に70℃で加熱溶解した。上記溶液を室温まで冷却後、水性ゲル化剤、精製水、pH調整剤を加え、再び70℃に加熱して溶解した。香料、界面活性剤を70℃で加熱し混合溶解した油相を、上記水相に攪拌しながら添加し、均一になるまで70℃で加熱しながら混合した。型に流し込み、室温にて冷却し透明ゲル状芳香剤を得た。比較例、以下の試験例もこれに準じた。
【0046】
表1から明らかなように、水性ゲル化剤のカラギーナンと特定コポリマーの疎水変性ポリエーテルを配合したゲル状芳香剤は、経時での離液量が少なく、安定性に優れていることがわかる。これに対して、疎水変性ポリエーテルを配合しないゲル状芳香剤は、他の増粘剤等と併用したとしても経時での離液量が多く、安定性に劣ることがわかる。したがって、本発明でいう特定コポリマーの配合は、水性ゲルの経時での離液を防止するのに有効であることがわかる。
【0047】
水性ゲル化剤の種類
つぎに本発明者らは、前記疎水変性ポリエーテルを水性ゲルの改良剤としてゲル状芳香剤組成物に配合することを検討した。ゲル状芳香剤組成物に通常用いられる水性ゲル化剤と特定コポリマーの疎水変性ポリエーテルとの併用効果について表2に示す。
【0048】
【表2】
Figure 0004435367
【0049】
表2の結果より、本発明に特徴的な特定コポリマーの疎水変性ポリエーテルを配合したゲル状芳香剤は、水性ゲル化剤との併用(実施例2〜5)において、経時で離液防止に有効であり、とくに水性多糖類のカラギーナン(実施例2)においてはゲルの安定性に優れていることがわかる。これに対して、特定コポリマーのみのゲル状芳香剤(比較例5)は、成形困難であった。
【0050】
特定コポリマーの親水性部分と疎水性部分の比
つぎに、発明者らは本発明にかかるゲル状芳香剤組成物に配合する特定コポリマーの親水性部分と疎水性部分の重量比の検討を行った。以下の表3にその結果を示す。
【0051】
【表3】
Figure 0004435367
【0052】
上記表3の結果より、ゲル状芳香剤組成物に配合される特定コポリマーの親水性部分と疎水性部分の重量比としては概ね5:1〜1000:1が好適であることがわかる。この比を外れて親水性部分の割合が多かったり、あるいは逆に疎水性部分の割合が多かったりすると、ゲルの安定性に劣ることがわかる。また、親水性部分にポリエチレンオキサイドを用いる場合、エチレンオキサイド単位(整数)で30〜6000が好適であることがわかる。
【0053】
カラギーナンのカッパ型:イオタ型の配合比
本発明者らは、カラギーナンの各フラクションのうち、ゲル形成能をもつカッパ型とイオタ型の配合重量比を検討した。その結果を下記表4に示す。
【0054】
【表4】
Figure 0004435367
【0055】
表4の結果からわかるように、カラギーナンのカッパ型:イオタ型の配合重量比は、1:9よりイオタ型が多くなると、離液量がやや多くなるとともにゲルが柔らかくなるため経時での形状安定性が悪くなることがわかる。ゲルの経時安定性から、本発明におけるカッパ型:イオタ型の配合重量比は、10:0〜1:9、さらに好ましく9:1〜1:1であることがわかる。
【0056】
カラギーナンの配合量
本発明者らは、つぎに水性ゲル化剤であるカラギーナンの配合量を下記表5の組成のゲル状芳香剤により検討した。
【0057】
【表5】
Figure 0004435367
【0058】
表5の結果より、水性ゲル化剤のカラギーナンの配合量が、0.1重量%より少ないと、ゲルが弱くなり、離液量が多くなることがわかる。また、10重量%を超える配合は加熱溶解時の粘度が高くなりすぎて、製造効率が低下する上、香り立ちが低下する。したがって、本発明における水性ゲル化剤のカラギーナンの配合量は、0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%であることがわかる。
【0059】
特定コポリマーの配合量
本発明者らは、つぎに特定コポリマーである疎水変性ポリエーテルの配合量を下記表6の組成のゲル状芳香剤により検討した。
【0060】
【表6】
Figure 0004435367
【0061】
表6の結果より、特定コポリマーの疎水変性ポリエーテルの配合量が、0.01重量%より少ないと、離液量が多くなることがわかる。また、10重量%を超える配合は加熱溶解時の粘度が高くなりすぎて、製造効率が低下する上、香り立ちが低下する。したがって、本発明における特定コポリマーの配合量は、0.01〜10重量%であることがわかる。
【0062】
以下、さらに実施例を示す。配合量は重量%である。
実施例6 透明ゲル状芳香剤
Figure 0004435367
実施例1と同様にして透明ゲル状芳香剤を得た。
【0063】
実施例7 透明ゲル状芳香剤
Figure 0004435367
実施例1と同様にして透明ゲル状芳香剤を得た。
【0064】
ゲル状芳香剤の経時離液量
実施例6、7及び下記比較例6により調製したゲル状芳香剤を50℃の恒温槽に放置し、経時での離液量を測定した。結果を表7に記載した。
【0065】
<比較例6 透明ゲル状芳香剤>
疎水変性ポリエーテルを除き、実施例1と同様にして、透明ゲル状芳香剤を得た。
【0066】
【表7】
Figure 0004435367
【0067】
表7からも明らかなように、水性ゲル化剤のカラギーナンと特定コポリマーの疎水変性ポリエーテルを配合した実施例6及び7は、比較例6に比べ経時で離液を起こしにくく、安定性に優れていることがわかる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかるゲル状芳香剤組成物によれば、水溶性多糖類である水性ゲル化剤と、水溶性媒体中において会合し、それによってその水溶性媒体の粘度を増加させることができる特定コポリマーを主成分とすることで、離水の無い匂い安定性の良好なゲル状芳香剤組成物を得ることができる。
また、水性ゲル化剤としてカラギーナンを用いることにより、より離水の無い匂い安定性の良好なゲル状芳香剤組成物を得ることができる。

Claims (5)

  1. 次の成分(A)及び(B)と、香料0.1〜50重量%と、水とを含有することを特徴とする水性ゲル状芳香剤組成物
    (A)水溶性媒体中において会合し、それによってその水溶性媒体の粘度を増加させることができる、親水性部分と疎水性部分からなる下記一般式(1)で表されるコポリマー0.01〜10重量%;
    R─B─X─B─R …(1)
    〔式中、Rは疎水性部分、Xは親水性部分、Bはエーテル基、エステル基から選ばれる結合基である。コポリマーの親水性部分Xと疎水性部分Rの重量比は5:1〜1000:1である。また、一般式(1)のコポリマーは、活性水素を2個有する有機化合物にエチレンオキサイドを含有するアルキレンオキサイドを付加重合せしめたポリアルキレンオキサイド化合物と炭素数10以上の高級脂肪酸もしくは炭素数10以上の高級アルコールとの生成物である疎水変性ポリエーテルである。
    (B)水溶性多糖類である水性ゲル化剤0.1〜10重量%。
  2. 請求項記載のゲル状芳香剤組成物において、(A)コポリマーの親水性部分Xがポリエチレンオキサイドからなることを特徴とする水性ゲル状芳香剤組成物。
  3. 請求項1又は2記載のゲル状芳香剤組成物において、(A)コポリマーの親水性部分Xがエチレンオキサイド単位で30〜6000(整数)のポリエチレンオキサイドからなることを特徴とする水性ゲル状芳香剤組成物。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のゲル状芳香剤組成物において、水溶性多糖類がカラギーナンであることを特徴とする水性ゲル状芳香剤組成物。
  5. 請求項記載のゲル状芳香剤組成物において、カラギーナンがカッパ型のみ又は、カッパ型及びイオタ型の混合物であり、その重量比が1:9〜10:0の範囲であることを特徴とする水性ゲル状芳香剤組成物。
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