JP3699038B2 - 水性ゲル組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性ゲル組成物およびそれからなる水性ゲル製品に関する。さらに詳しくは、形状安定性にすぐれ、ゲル強度が高く、均一で離水量が少なく外観が美麗であり、しかもゲル組成物の薬剤効果が終了した時点において、ゲル化剤の残渣が小さい水性ゲル組成物、および該水性ゲル組成物が容器に充填された、使用終点の判断が容易である水性ゲル製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
生活様式の変化に伴ない、より快適な生活空間を求めるニーズから、種々の芳香剤、消臭剤、防臭剤、防黴剤、殺菌剤、忌避剤などのトイレタリー製品が開発されている。なかでもゲル化剤を用いた固形タイプの製品は、含有する薬剤の放出性・持続性にすぐれ、取り扱いが簡便である利点がある。ゲル状トイレタリー製品としては、溶媒として水を用いた水性ゲルタイプの製品と、溶剤としてテルペン系炭化水素などを用いた油性ゲルタイプの製品が知られているが、市販されているものは、水性ゲルタイプの製品が主流である。
【0003】
前記トイレタリー製品は、ゲル組成物の表面から水分とともに薬剤成分が放出されることで薬剤効果を発揮し、たとえば、カラギーナン、ローカストビーンガムおよびポリビニルアルコールからなるゲル化剤(特開昭52−136893号公報)、ローカストビーンガムおよびキサンタンガムを用いたゲル化剤(特開昭53−50346号公報)、カルボキシメチルセルロース多価金属塩からなるゲル化剤(特開平7−90121号公報)などの水性ゲル組成物があげられる。
【0004】
従来市販されている水性ゲルタイプの製品は、芳香剤の揮散が終了した時点においてもゲル化剤の乾燥残渣が大きいため、使用終了の目安が不明確であり、芳香効果が消滅したのちであっても、そのまま放置されてしまうといった問題があり、改良が待ち望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来技術に鑑みてなされたものであり、形状安定性にすぐれ、ゲル強度が高く、均一で離水量が少なく外観が美麗であり、しかもゲル組成物の薬剤効果が終了した時点において、ゲル化剤の残渣が小さい水性ゲル組成物、およびこの水性ゲル組成物が容器に充填された、使用終点の判断が容易である水性ゲル製品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
▲1▼一般式(I):
【0007】
【化5】
Figure 0003699038
【0008】
(式中、R1は炭素数8〜22のアルキル基または炭素数8〜22のアルケニル基を示す)で表わされるアミンオキシド型両性界面活性剤(I)、一般式(II):
【0009】
【化6】
Figure 0003699038
【0010】
(式中、R2は炭素数8〜22のアルキル基または炭素数8〜22のアルケニル基、l+m(エチレンオキシドの平均付加モル数)は1〜10の整数を示す)で表わされるアミンオキシド型両性界面活性剤(II)、一般式(III):
【0011】
【化7】
Figure 0003699038
【0012】
(式中、R3は炭素数8〜22のアルキル基または炭素数8〜22のアルケニル基、n(エチレンオキシドの平均付加モル数)は1〜10の整数を示す)で表わされるアミンオキシド型両性界面活性剤(III)および一般式(IV):
【0013】
【化8】
Figure 0003699038
【0014】
(式中、R4は炭素数8〜22のアルキル基または炭素数8〜22のアルケニル基を示す)で表わされるアミンオキシド型両性界面活性剤(IV)から選ばれた少なくとも1種のアミンオキシド型両性界面活性剤を、
カルボキシメチルセルロース多価金属塩、カラギーナン、寒天、ローカストビーンガムとキサンタンガムとの混合物およびゼラチンから選ばれた少なくとも1種の天然ガム
に添加してなることを特徴とする水性ゲル組成物、ならびに
▲2▼上蓋および下蓋を有し、該下蓋から上蓋を引き上げて開口する容器に、前記水性ゲル組成物を充填してなる水性ゲル製品
に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の水性ゲル組成物は、アミンオキシド型両性界面活性剤と天然ガムとが併用されていることを特徴とし、該アミンオキシド型両性界面活性剤が天然ガムのゲル化前に添加されてなるものである。
【0016】
前記アミンオキシド型両性界面活性剤は、水性ゲル組成物の薬剤効果が終了した時点において、天然ガムであるゲル化剤のゲル残渣を小さくし、これを自動的に上方向に上昇させることができるものであり、また離水を防止する作用も呈する。
【0017】
本発明に用いられるアミンオキシド型両性界面活性剤は、一般式(I)で表わされるアミンオキシド型両性界面活性剤(I)、一般式(II)で表わされるアミンオキシド型両性界面活性剤(II)、一般式(III)で表わされるアミンオキシド型両性界面活性剤(III)および一般式(IV)で表わされるアミンオキシド型両性界面活性剤(IV)から選ばれた少なくとも1種である。
【0018】
アミンオキシド型両性界面活性剤(I)を表わす一般式(I)において、R1は直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数8〜22、好ましくは10〜18のアルキル基または、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数8〜22、好ましくは10〜18のアルケニル基である。
【0019】
アミンオキシド型両性界面活性剤(I)の代表例としては、たとえばN−オクチル−N,N−ジメチルアミン、N−デシル−N,N−ジメチルアミン、N−ラウリル−N,N−ジメチルアミン、N−ミリスチル−N,N−ジメチルアミン、N−パルミチル−N,N−ジメチルアミン、N−ステアリル−N,N−ジメチルアミン、N−イソステアリル−N,N−ジメチルアミン、N−ヤシ油アルキル−N,N−ジメチルアミン、N−硬化牛脂アルキル−N,N−ジメチルアミン、N−ベヘニル−N,N−ジメチルアミンなどのアルキルジメチルアミン;N−オクテニル−N,N−ジメチルアミン、N−オレイル−N,N−ジメチルアミン、N−ドコセニル−N,N−ジメチルアミンなどのアルケニルジメチルアミンなどのアミンを、公知の方法で過酸化水素と反応させたベタイン化合物があげられ、これらは単独でまたは2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0020】
アミンオキシド型両性界面活性剤(II)を表わす一般式(II)において、R2は直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数8〜22、好ましくは10〜18のアルキル基または、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数8〜22、好ましくは10〜18のアルケニル基である。またlおよびmはエチレンオキシドの平均付加モル数を表わし、l+mは1〜10、好ましくは2〜8の整数である。
【0021】
アミンオキシド型両性界面活性剤(II)の代表例としては、たとえばN−オクチル−N,N−ジポリオキシエチレンアミン、N−デシル−N,N−ジポリオキシエチレンアミン、N−ラウリル−N,N−ジポリオキシエチレンアミン、N−ミリスチル−N,N−ジポリオキシエチレンアミン、N−パルミチル−N,N−ジポリオキシエチレンアミン、N−ステアリル−N,N−ジポリオキシエチレンアミン、N−イソステアリル−N,N−ジポリオキシエチレンアミン、N−ヤシ油アルキル−N,N−ジポリオキシエチレンアミン、N−硬化牛脂アルキル−N,N−ジポリオキシエチレンアミン、N−ベヘニル−N,N−ジポリオキシエチレンアミンなどのアルキルジポリオキシエチレンアミン;N−オクテニル−N,N−ジポリオキシエチレンアミン、N−オレイル−N,N−ジポリオキシエチレンアミン、N−ドコセニル−N,N−ジポリオキシエチレンアミンなどのアルケニルジポリオキシエチレンアミンなどのアミンを、公知の方法で過酸化水素と反応させたベタイン化合物があげられ、これらは単独でまたは2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0022】
アミンオキシド型両性界面活性剤(III)を表わす一般式(III)において、R3は直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数8〜22、好ましくは10〜18のアルキル基または、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数8〜22、好ましくは10〜18のアルケニル基である。またnはエチレンオキシドの平均付加モル数を表わし、nは1〜10、好ましくは2〜8の整数である。
【0023】
アミンオキシド型両性界面活性剤(III)の代表例としては、たとえばN−オクチルポリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N−デシルポリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N−ラウリルポリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N−ミリスチルポリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N−パルミチルポリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N−ステアリルポリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N−イソステアリルポリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N−ヤシ油アルキルポリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N−硬化牛脂アルキルポリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N−ベヘニルポリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミンなどのアルキルポリオキシエチレンジメチルアミン;N−オクテニルポリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N−オレイルポリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N−ドコセニルポリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミンなどのアルケニルポリオキシエチレンジメチルアミンなどのアミンを、公知の方法で過酸化水素と反応させたベタイン化合物があげられ、これらは単独でまたは2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0024】
アミンオキシド型両性界面活性剤(IV)を表わす一般式(IV)において、R4は直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数8〜22、好ましくは10〜18のアルキル基または、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数8〜22、好ましくは10〜18のアルケニル基である。
【0025】
アミンオキシド型両性界面活性剤(IV)の代表例としては、たとえばN−オクタノイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−デカノイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−ラウロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−ミリストイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−パルミトイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−ステアロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−イソステアロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−ベヘノイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−ココイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアミンなどのアルカノイルアミドプロピルジメチルアミン;N−オクテノイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−オレオイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−ドコセノイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアミンなどのアルケノイルアミドプロピルジメチルアミンなどのアミンを、公知の方法で過酸化水素と反応させたベタイン化合物があげられ、これらは単独でまたは2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0026】
本発明の水性ゲル組成物中のアミンオキシド型両性界面活性剤の量は、ゲル残渣を小さくする効果を充分に発現させ、離水量を低減させるという点から、0.05重量%以上、好ましくは0.1重量%以上であることが望ましく、また形状安定性、ゲル強度などのゲル物性に悪影響を与えないという点から、5重量%以下、好ましくは3重量%以下であることが望ましい。
【0027】
本発明において、ゲル化剤として、カルボキシメチルセルロース多価金属塩、カラギーナン、寒天、ローカストビーンガムとキサンタンガムとの混合物およびゼラチンから選ばれた少なくとも1種の天然ガムが用いられる。
【0028】
カルボキシメチルセルロース多価金属塩は、カルボキシメチルセルロース(以下、CMCという)、CMCナトリウムまたはCMCカリウム(以下、これらをあわせてCMC類という)を多価金属イオンでゲル化させて得られるものである。
【0029】
CMC類としては、水性ゲル製品として必要とされる形状安定性やゲル強度を得るという点から、1%水溶液粘度(無水物換算濃度、25℃でB型粘度計にて測定(回転数:60rpm))が5mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上のものであることが望ましく、また水性ゲルの調製段階におけるCMC類の水溶液のハンドリング性という点から、1%水溶液粘度が10000mPa・s以下、好ましくは5000mPa・s以下のものであることが望ましい。
【0030】
またCMC類としては、水に対する溶解性が良好であるという点から、カルボキシメチル基の平均置換度が0.4以上、好ましくは0.5以上のものであることが望ましく、また多価金属イオンでゲル化させた際に、分子内にカルボキシメチル基が多量に存在するために分子内架橋が優先的に進行し、生成したゲルが高架橋密度のものとなって安定な水性ゲルが得られなくなるおそれをなくすには、カルボキシメチル基の平均置換度が2以下、好ましくは1.8以下のものであることが望ましい。
【0031】
なお前記CMCは、2種以上のものを混合して使用することができる。
【0032】
前記CMC類を多価金属イオンでゲル化させる際には、多価金属塩水溶液を用いることができる。該多価金属塩水溶液は、たとえばアルミニウム塩、鉄塩、カルシウム塩およびバリウム塩から選ばれた少なくとも1種の金属塩の水溶液である。
【0033】
アルミニウム塩の代表例としては、たとえばカリミョウバン、焼ミョウバン、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、塩化アルミニウム、乳酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどがあげられる。
【0034】
鉄塩の代表例としては、たとえば塩化第二鉄、硫酸第一鉄などがあげられる。
【0035】
カルシウム塩の代表例としては、たとえば水酸化カルシウムなどがあげられる。
【0036】
バリウム塩の代表例としては、たとえば塩化バリウムなどがあげられる。
【0037】
前記金属塩のなかでは、金属塩特有の着色および経済性の点から、アルミニウム塩が好ましい。すなわち、CMC多価金属塩のなかでも、CMCアルミニウム塩が好ましい。
【0038】
多価金属塩水溶液をCMC類の水溶液に添加することにより、多価金属イオンでCMC類がゲル化されたCMC多価金属塩を得ることができる。さらに、多価金属塩が難溶性塩類の場合は、これを水分散体としてCMC類の水溶液に添加し、さらに酸性物質や塩基性物質にて系内のpHを適宜調整して多価金属イオンの溶出を制御することにより、CMC類がゲル化されたCMC多価金属塩を得ることができる。なお、多価金属塩水溶液や多価金属塩水分散体の濃度はとくに限定されるものではなく、適宜調整すればよい。
【0039】
CMC多価金属塩をゲル化剤として用いる場合、本発明の水性ゲル組成物中のCMC含有量は、用いるCMCの1%水溶液粘度によっても異なるが、充分なゲル強度を得るには、無水物換算量で1.5重量%以上、好ましくは2重量%以上であることが望ましく、ゲル化前の系の粘度がきわめて高くなり、製品化の際に容器への充填が困難とならないようにするには、無水物換算量で5重量%以下、好ましくは4重量%以下であることが望ましい。
【0040】
なお水性ゲル組成物中の多価金属塩の量は、多価金属塩の種類、CMC類の配合量によって異なるが、適したゲル強度を得るためには、水性ゲル組成物の0.3重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、また4重量%以下、好ましくは3重量%以下が多価金属塩で構成されることが望ましい。
【0041】
カラギーナンは、紅藻類のスギノリ科に属する海藻(Chondrus CrispusGigartina StellataChondrus Ocellatusなど)から抽出されるガラクタンの1種である。カラギーナンは2種のガラクトース(1−3結合のβ−D−ガラクトースと1−4結合の3,6−アンヒドロ−α−D−ガラクトース)が連なった構造を有し、硫酸基を有する酸性多糖類である。硫酸基の結合位置および3,6−アンヒドロ−α−D−ガラクトースの有無によって、式:
【0042】
【化9】
Figure 0003699038
【0043】
で表わされる繰り返し単位を有するκ−カラギーナン、式:
【0044】
【化10】
Figure 0003699038
【0045】
で表わされる繰り返し単位を有するι−カラギーナンおよび式:
【0046】
【化11】
Figure 0003699038
【0047】
で表わされる繰り返し単位を有するλ−カラギーナンの3種に分類される。
【0048】
カラギーナンのゲル形成に関与するのは3,6−アンヒドロガラクトースであるので、本発明においては、アンヒドロガラクトースを有するι−カラギーナンおよびκ−カラギーナンをゲル化剤として用いることができる。ι−カラギーナンとκ−カラギーナンとでは、硫酸含有量の少ないκ−カラギーナンのほうが、ι−カラギーナンに比べてゲル形成能が高く、λ−カラギーナンはゲル物性の改善剤として使用されることがある。
【0049】
カラギーナンを水と混合し、加熱することによって容易に水和させることができ、これを放冷するとゲル状になるが、さらにカルシウムイオンやカリウムイオンなどのカチオンを添加することにより、より強力なゲルを形成させることができる。
【0050】
カラギーナンをゲル化剤として用いる場合、水性ゲル組成物中のカラギーナンの量は、充分なゲル強度を得るには、0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上であることが望ましく、またゲル化が困難とならないようにするには、5重量%以下、好ましくは3重量%以下であることが望ましい。
【0051】
寒天は、紅藻類のテングサ科(Gelidiaceae)、オゴノリ科(Gr acilariaceae)、イギス科(Ceramiaceae)、ノリ科(Gracilaria)、オバクサ科(Pterocladia)、サイミ科(Ahnfeltia)などの各種海藻の細胞膜内に含有されるものである。無晶形、半透明の粉末状、フレーク状、破片状、棒状、紐状などの形状であり、非水溶性であるが、水膨潤性である。かかる寒天は熱湯に容易に溶解され、たとえば0.5重量%程度の低濃度であっても充分にゲル化させることができる。
【0052】
寒天をゲル化剤として用いる場合、水性ゲル組成物中の寒天の量は、充分なゲル強度を得るには、0.2重量%以上、好ましくは0.5重量%以上であることが望ましく、またゲル化が困難とならないようにするには、5重量%以下、好ましくは3重量%以下であることが望ましい。
【0053】
ローカストビーンガムは、ガラクトマンナンを主成分とする多糖類であり、ガラクトースとマンノースとの割合が約1:4である。その構造はグアーガムに類似しているが、該グアーガムとはガラクトースとマンノースとの割合が異なる。該ローカストビーンガムは冷水に分散して分散液となるが、加熱すると完全に溶解して高粘度溶液となる。
【0054】
キサンタンガムは、コーンシロップを基質とするグラム陰性菌(Xanthomonas campestris)の培養液より分離して得られるD−グルコース、D−マンノース、D−グルクロン酸の、ナトリウム、カリウムおよびカルシウム塩からなる多糖類であり、主鎖はβ−1,4結合しているD−グルコースから構成され、その主鎖に結合したD−マンノースはアセチル化されている。側鎖は主鎖の1つおきにD−マンノース2成分とD−グルクロン酸が結合する形になっており、末端のD−マンノースはピルビン酸塩の形になっている。該キサンタンガムは水および熱湯に溶解して中性溶液となり、前記ローカストビーンガムとは熱可逆的なゲルを形成するものである。
【0055】
ローカストビーンガムとキサンタンガムとの混合物をゲル化剤として用いる場合、これらローカストビーンガムとキサンタンガムとの混合割合はとくに限定されるものではなく、適宜任意に変更することができる。
【0056】
ローカストビーンガムとキサンタンガムとの混合物をゲル化剤として用いる場合、水性ゲル組成物中の該混合物の量は、充分なゲル強度を得るには、0.2重量%以上、好ましくは0.5重量%以上であることが望ましく、またゲル化が困難とならないようにするには、5重量%以下、好ましくは3重量%以下であることが望ましい。
【0057】
ゼラチンは、動物の結合組織を構成するタンパク質であるコラーゲンを部分的に加水分解することによって得られるものであり、工業的には牛骨、牛皮、豚皮が原料として用いられる。ゼラチンは冷水には溶解せずに膨潤し、温水ないし熱湯には溶解して強力なゲルを形成するが、その水溶液は、あまり長時間煮沸すると加水分解によりゼラチンの低分子化が起こり、ゲル強度が低下してしまう。ゼラチンの抽出は、酸またはアルカリによる前処理をした原料を、温水中に浸漬して行なわれる。
【0058】
ゼラチンの化学的構造は、18種類のアミノ酸がペプチド結合した長鎖ポリペプチドである。
【0059】
なお、ゼラチンゲルのゾル−ゲル変化は熱可逆的であり、一般的に10%ゼラチン溶液の融点は20〜30℃程度である。このようなゼラチン溶液は水性ゲル製品に用いるゲル組成物に適さない。そこで、ゼラチン分子間における架橋反応による不溶化を行ない、ゲルの高温安定性を維持する方法が採用され得る。この場合の架橋剤(硬化剤)としては、たとえばクローム、アルミニウム、第二鉄などの塩や、アルデヒド類、ケトン類、キノン類などがあげられる。
【0060】
ゼラチンをゲル化剤として用いる場合、水性ゲル組成物中のゼラチンの量は、充分なゲル強度を得るには、0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上であることが望ましく、またゲル化が困難とならないようにするには、10重量%以下、好ましくは8重量%以下であることが望ましい。
【0061】
本発明の水性ゲル組成物の媒体としては水が用いられるが、たとえば厳寒時におけるゲルの凍結防止のために、必要に応じて、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、へキシレングルコール、グリセリンなどの多価アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコールのモノメチルエーテルやモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを、水性ゲル組成物に適宜添加することができる。
【0062】
本発明の水性ゲル組成物は、アミンオキシド型両性界面活性剤が、ゲル化剤である天然ガムのゲル化前に添加されてなるものであるが、得られる水性ゲル組成物の使用目的に応じ、香料、消臭、防臭剤、防黴、殺菌剤および忌避剤から選ばれた少なくとも1種の薬剤が含有されることが好ましい。
【0063】
前記薬剤についてはとくに限定がなく、従来使用されているものはすべて使用が可能である。
【0064】
香料の代表例としては、たとえば各種の香料のほか精油などがあげられる。その具体例としては、たとえばグレープフルーツ油、コスタス油、シトロネラ油、ジャスミン油、スイートオレンジ油、スペアミント油、パイン油、パチュリ油、はっか油、ビターオレンジ油、ヒバ油、ペパーミント油、ベルガモット油、マンダリン油、ユーカリ油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ローズ油、ローズマリー油、ペパーミント油、消臭剤としての植物抽出剤などの天然香料;α−ピネン、β−ピネン、リモネンなどのテルペン系炭化水素、リナロール、ゲラニオール、ネロールなどのテルペン系アルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコールなどのその他のアルコール、ジフェニルエーテル、イソサフロオイゲノール、p−メチルアニソールなどのフェノール誘導体、ヘプタナール、オクタナール、ノナナールなどの脂肪族アルデヒド、シトラール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラールなどのテルペン系アルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、3−フェニルプロピオンアルデヒドなどの芳香族アルデヒド、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタールなどのアセタール類、2−ヘプタノン、3−オクタノン、2−オクタノンなどの脂肪族ケトン、カルボン、メントン、プレゴンなどのテルペン系ケトン、p−メチルアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジリデンアセトンなどの芳香族ケトン、α,β,γ−イオノン、テアスピラン、ジャスミンラクトンなどの脂環式ケトン、エーテル、ラクトン、ムスコン、アンブレットリドなどの大環状ケトン、ラクトン、ムスクキシレン、ムスクケトン、ムスクアンブレットなどの合成ムスク、ローズオキサイド、1,8−シネオール、ビシクロジヒドロホモファルネシルオキサイドなどの環状エーテル、インドール、6−メチルキノリン、2−フリルメタンチオールなどの複素環式化合物、ギ酸ベンジル、酢酸エチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族酸のエステル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、フェニル酢酸エチル、桂皮酸エチル、サリチル酸イソブチルなどの芳香族酸のエステル、γ−ヘプチルブチロラクトン、ヘキサン酸アリルなどのいわゆるアルデヒド類などの合成香料があげられ、これらは単独でまたは2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0065】
消臭、防臭剤の代表例としては、たとえば山茶花、柿などの葉の抽出物、アビエス油、オリガナム油、ゲラニウム油、スイートオレンジ油、ビターアーモンド油、ペパーミント油、ラベンダー油、ユーカリ油、檜油、ローズマリー油、レモン油などの植物抽出エキス、およびこれら植物抽出エキスの混合精油;アルキル基の炭素数が8〜20のアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルイミダゾリニウムベタイン、脂肪酸残基の炭素数が8〜20の脂肪酸アミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0066】
防黴、殺菌剤の代表例としては、たとえばチモール、安定化二酸化塩素、アリルイソチオシアネートなどの揮発性化合物があげられ、これらは単独でまたは2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0067】
忌避剤の代表例としては、たとえばN,N−ジエチル−m−トルアミド(ディート)、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジ−n−プロピルイソシンコメロネート、p−ジクロロベンゼン、ジ−n−ブチルサクシネート、カラン−3,4−ジオール、1−メチルプロピル−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボキシレート、イソチオシアン酸アリルなどがあげられる。さらに天然のイソチオシアン酸アリルを用いる場合、カラシ(Brassica juncea Czern.et Coss)、黒カラシ(Brassica nigra Koch.)、ワサビ(Wasabia japonica Matsum.)などの植物を抽出したものを用いればよい。また木酢液なども忌避剤として例示され、これらは単独でまたは2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0068】
薬剤の含有量は、各薬剤の効果が充分に発現されるようにするには、水性ゲル組成物全体の0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上であることが望ましく、また水性ゲル組成物のゲル強度が低下しないようにするには、水性ゲル組成物全体の15重量%以下、好ましくは10重量%以下であることが望ましい。
【0069】
また前記薬剤の乳化・可溶化剤として、水性ゲル組成物には、アニオン性界面活性剤、前記アミンオキシド型両性界面活性剤以外の両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などの界面活性剤を含有させることができる。
【0070】
アニオン性界面活性剤としては、たとえばアルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などがあげられる。
【0071】
アミンオキシド型両性界面活性剤以外の両性界面活性剤としては、たとえばアルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインなどがあげられる。
【0072】
ノニオン性界面活性剤としては、たとえば高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アルカノールアミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミドなどがあげられる。
【0073】
前記各種界面活性剤は単独でまたは2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0074】
界面活性剤の含有量は、各薬剤に対する乳化・可溶化効果が充分に発現されるようにするには、水性ゲル組成物全体の0.2重量%以上、好ましくは0.5重量%以上であることが望ましく、また水性ゲル組成物のゲル強度が低下しないようにするには、水性ゲル組成物全体の10重量%以下、好ましくは8重量%以下であることが望ましい。
【0075】
さらに水性ゲル組成物には、必要に応じて、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、キレート剤などを適宜含有させてもよい。
【0076】
本発明の水性ゲル組成物の製造方法はとくに限定されるものではないが、たとえばアミンオキシド型両性界面活性剤や、必要に応じて薬剤を、ゲル化剤である天然ガムに添加し、混合、撹拌すればよい。アミンオキシド型両性界面活性剤の添加時期は、天然ガムがゲル化する前であればよく、とくに限定されるものではない。この水性ゲル組成物を所望の成型用容器内に充填し、成型用容器を冷却して水性ゲル製品を得ることができる。
【0077】
なお水性ゲル組成物の製造過程での温度は、用いるゲル化剤のゲル化機構によっても異なるが、たとえばゲル化剤がCMC多価金属塩である場合、ゲル層の製造過程での温度は、室温または、ゲル化の進行を制御するために、必要に応じて系をたとえば5〜60℃の範囲に調整することが好ましい。かかる系の温度を60℃以上にした場合には、たとえば低揮発性有機物の揮散による薬剤のロスをきたすため好ましくない。またゲル化剤としてカラギーナン、寒天、ローカストビーンガムとキサンタンガムとの混合物および/またはゼラチンを用いる場合には、これらのゲル化剤を水と混合したうえで、60℃以上でこれらゲル化剤を溶解させ、冷却してゲル化させることが好ましい。
【0078】
本発明の水性ゲル組成物を、たとえば図1に示す容器に充填することにより、本発明の水性ゲル製品を得ることができる。すなわち本発明の水性ゲル製品は、上蓋および下蓋を有し、該下蓋から上蓋を引き上げて開口する容器に、前記水性ゲル組成物を充填してなるものである。
【0079】
図1は、本発明の水性ゲル製品の一実施態様を示す概略説明図である。図1において、1はゲル層である本発明の水性ゲル組成物である。図1に示される容器は、下蓋2、本体部5および頂蓋部6からなる上蓋3、筒状部4、ならびに柱状部7からなり、水性ゲル組成物1が充填されている。
【0080】
本発明の水性ゲル製品は、前記図1に示される容器のごとき下蓋2から上蓋3を上部へ引き上げて開口する容器に水性ゲル組成物1が充填されたものであるので、該水性ゲル組成物1の薬剤効果が終了した時点において、たとえば図1に示される本発明の水性ゲル製品の使用後を示す図2の概略説明図のように、ゲル化剤の小さいゲル残渣8を上蓋3内に引き上げて隠すことができ、使用終点の判断が容易である。
【0081】
本発明の水性ゲル組成物は、形状安定性にすぐれ、ゲル強度が高く、均一で離水量が少なく外観が美麗であり、しかもゲル組成物の薬剤効果が終了した時点において、ゲル化剤の残渣が小さいので、該水性ゲル組成物が容器に充填された本発明の水性ゲル製品は、ゲルが引き上がり、使用終点の判断がきわめて容易である。
【0082】
【実施例】
つぎに、本発明の水性ゲル組成物およびそれからなる水性ゲル製品を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨をこえないかぎり、かかる実施例のみに限定されるものではない。
【0083】
実施例1〜8および比較例1〜8
(水性ゲル組成物の調製)
表1に示す配合量にしたがい、以下の方法にて水性ゲル組成物を調製した。
【0084】
まず、CMC類および水酸化アルミニウムゲルを水に添加して室温で混合攪拌し、均一なCMC混合分散溶液を得た。
【0085】
つぎに、香料と乳化剤との混合溶液または消臭剤にアミンオキシド型両性界面活性剤を溶融混合し、これをホモミキサーで4000rpmにて攪拌しながら前記CMC混合分散溶液に添加し、2分間攪拌を行なった。さらに、有機酸および防腐剤を添加したのち、3分間攪拌を行なって混合溶液を得た。
【0086】
前記混合溶液140gを図1に示す容器の頂蓋部6より充填し、ゲル化させたのち25℃の恒温器に静置し、本発明の水性ゲル組成物が充填された水性ゲル製品を得た。
【0087】
(ゲル残渣評価試験)
実施例1〜8および比較例1〜8で得られた水性ゲル製品の上蓋(図1の符号3で示される部分)を20mmスライドして上げ、水性ゲル組成物の一部が露出するようにして開放し、25℃で風の当たらない部屋に静置した。
【0088】
1週間おきに前記水性ゲル組成物の状態を確認しながら、減量率が90〜95重量%時を減量終了とし、以下の方法により(イ)ゲル残渣体積および(ロ)ゲル残渣位置、について評価を行なった。その結果を表2に示す。
【0089】
(イ)ゲル残渣体積
〔カサ体積の測定〕
ゲル残渣を水に浸漬させ、増加したカサ体積(cm3)を測定した。なお、かかるカサ体積の数値が小さいほど、残渣が小さい。
【0090】
(ロ)ゲル残渣位置
▲1▼目視による確認
◎:残渣が上蓋に隠れ、ほとんど見えない。
○:残渣の大部分が上蓋に隠れ、見えにくい。
△:残渣の一部が上蓋に隠れている。
×:残渣全体が見えている。
▲2▼高さの測定
水性ゲル製品の下蓋(図1の符号2で示される部分)の上端部からゲル残渣底部までの高さ(mm)を測定した。下蓋の上端部から上蓋の下端部までの高さは30mmである。なお、かかる高さの数値が大きいほど、残渣が上に位置する。
【0091】
実施例9〜14および比較例9〜14
表3に示す配合量にしたがい、以下の方法にて水性ゲル組成物を調製した。
【0092】
まず、ゲル化剤を水に分散させたのち、ホモミキサーで8000rpmにて撹拌しながら、70〜90℃まで加熱した。この温度で約20分間保持し、ゲル化剤が完全に溶解したことを確認したのち、60℃までゆっくりと冷却し、均一なゲル分散溶液を得た。
【0093】
つぎに、前記ゲル分散溶液を60℃に保持しながら、香料と乳化剤との混合溶液または消臭剤にアミンオキシド型両性界面活性剤を溶融混合した溶液を添加し、2分間攪拌を行なった。さらに、防腐剤を添加したのち、3分間攪拌を行なって混合溶液を得た。
【0094】
前記混合溶液140gを図1に示す容器の頂蓋部6より充填し、必要に応じてさらに10℃まで冷却し、ゲル化させたのち25℃の恒温器に静置し、本発明の水性ゲル組成物が充填された水性ゲル製品を得た。
【0095】
実施例1〜8および比較例1〜8と同様の方法により(イ)ゲル残渣体積および(ロ)ゲル残渣位置、について評価を行なった。その結果を表4に示す。
【0096】
なお表1および表3に記載の各成分は以下に示すとおりである。
Figure 0003699038
Figure 0003699038
【0097】
また表1および表3のイオン交換水の量(残量)は全量が100重量%となる量である。
【0098】
【表1】
Figure 0003699038
【0099】
【表2】
Figure 0003699038
【0100】
【表3】
Figure 0003699038
【0101】
【表4】
Figure 0003699038
【0102】
表2および表4に示された結果から、つぎのことがわかる。
【0103】
表2に示されるように、CMC多価金属塩にアミンオキシド型両性界面活性剤を添加して得られた実施例1〜8の水性ゲル製品は、減量率が90〜95重量%の減量終了時点でゲル残渣が小さく、カサ体積は4〜6cm3程度であるのに対し、比較例1〜8のアミンオキシド型両性界面活性剤を用いていない水性ゲル製品は、ゲル残渣が大きく、カサ体積が7cm3をこえており、減量率が90〜95重量%の減量終了時点であるにもかかわらず、使用可能である、と判断されかねない。また実施例1〜8の水性ゲル製品では、減量終了時点でゲル残渣は下蓋から上蓋までの高さ30mmとほぼ同程度の高さにあり、上蓋に隠れてほとんど見えないのに対し、比較例1〜8の水性ゲル製品では、ゲル残渣は下蓋から数mmの高さにあり、全体が見えてしまっている。
【0104】
表4に示されるように、CMC多価金属塩以外のゲル化剤であるカラギーナン、寒天、ローカストビーンガムとキサンタンガムとの混合物、ゼラチンにアミンオキシド型両性界面活性剤を添加して得られた実施例9〜14の水性ゲル製品は、減量率が90〜95重量%の減量終了時点でゲル残渣が小さく、カサ体積は4cm3程度であるのに対し、比較例9〜14のアミンオキシド型両性界面活性剤を用いていない水性ゲル製品は、ゲル残渣が大きく、カサ体積が6cm3をこえており、減量率が90〜95重量%の減量終了時点であるにもかかわらず、使用可能である、と判断される可能性がある。また実施例9〜14の水性ゲル製品では、減量終了時点でゲル残渣は下蓋から上蓋までの高さ30mmとほぼ同程度の高さにあり、上蓋に隠れてほとんど見えないのに対し、比較例9〜14の水性ゲル製品では、ゲル残渣は下蓋から10mm以下の高さにあり、ほぼ全体が見えてしまっている。
【0105】
したがって、本発明の特定のアミンオキシド型両性界面活性剤が用いられた水性ゲル組成物は、薬剤効果が終了した時点において、ゲル化剤の残渣が小さく、該水性ゲル組成物が容器に充填された本発明の水性ゲル製品は、ゲルが引き上がり、使用終点の判断がきわめて容易であることがわかる。
【0106】
【発明の効果】
本発明の水性ゲル組成物は、形状安定性にすぐれ、ゲル強度が高く、均一で離水量が少なく外観が美麗であり、しかもゲル組成物の薬剤効果が終了した時点において、ゲル化剤の残渣が小さいすぐれたものである。
【0107】
また、前記水性ゲル組成物が容器に充填された本発明の水性ゲル製品は、ゲルが引き上がり、使用終点の判断がきわめて容易であり、たとえば玄関、居間、トイレなどの室内、浴室、車内などに設置して有効に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水性ゲル製品の一実施態様を示す概略説明図である。
【図2】本発明の水性ゲル製品の使用後の一実施態様を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 水性ゲル組成物
2 下蓋
3 上蓋

Claims (5)

  1. 一般式(I):
    Figure 0003699038
    (式中、R1は炭素数8〜22のアルキル基または炭素数8〜22のアルケニル基を示す)で表わされるアミンオキシド型両性界面活性剤(I)、一般式(II):
    Figure 0003699038
    (式中、R2は炭素数8〜22のアルキル基または炭素数8〜22のアルケニル基、l+m(エチレンオキシドの平均付加モル数)は1〜10の整数を示す)で表わされるアミンオキシド型両性界面活性剤(II)、一般式(III):
    Figure 0003699038
    (式中、R3は炭素数8〜22のアルキル基または炭素数8〜22のアルケニル基、n(エチレンオキシドの平均付加モル数)は1〜10の整数を示す)で表わされるアミンオキシド型両性界面活性剤(III)および一般式(IV):
    Figure 0003699038
    (式中、R4は炭素数8〜22のアルキル基または炭素数8〜22のアルケニル基を示す)で表わされるアミンオキシド型両性界面活性剤(IV)から選ばれた少なくとも1種のアミンオキシド型両性界面活性剤を、
    カルボキシメチルセルロース多価金属塩、カラギーナン、寒天、ローカストビーンガムとキサンタンガムとの混合物およびゼラチンから選ばれた少なくとも1種の天然ガム
    に添加してなることを特徴とする水性ゲル組成物。
  2. 香料、消臭、防臭剤、防黴、殺菌剤および忌避剤から選ばれた少なくとも1種の薬剤が含有された請求項1記載の水性ゲル組成物。
  3. カルボキシメチルセルロース多価金属塩がカルボキシメチルセルロースアルミニウム塩である請求項1または2記載の水性ゲル組成物。
  4. 上蓋および下蓋を有し、該下蓋から上蓋を引き上げて開口する容器に充填される請求項1、2または3記載の水性ゲル組成物。
  5. 上蓋および下蓋を有し、該下蓋から上蓋を引き上げて開口する容器に、請求項1、2または3記載の水性ゲル組成物を充填してなる水性ゲル製品。
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