JP3786862B2 - 水性ゲル組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性ゲル組成物に関する。さらに詳しくは、外観が美麗であり、その表面が瑞々しく保持され、使用過程における薬剤効果が均一に持続される水性ゲル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
生活様式の変化に伴ない、より快適な生活空間を求めるニーズから、種々の芳香剤、消臭剤、防臭剤、防黴剤、殺菌剤、忌避剤などのトイレタリー製品が開発されている。なかでもゲル化剤を用いた固形タイプの製品は、含有する薬剤の放出性・持続性にすぐれ、取り扱いが簡便である利点がある。ゲル状トイレタリー製品としては、溶媒として水を用いた水性ゲルタイプの製品と、溶剤としてテルペン系炭化水素などを用いた油性ゲルタイプの製品が知られているが、市販されているものは、水性ゲルタイプの製品が主流である。
【0003】
前記トイレタリー製品は、ゲル組成物の表面から水分とともに薬剤成分が放出されることで薬剤効果を発揮し、たとえば、カラギーナン、ローカストビーンガムおよびポリビニルアルコールからなるゲル化剤(特開昭52−136893号公報)、ローカストビーンガムおよびキサンタンガムを用いたゲル化剤(特開昭53−50346号公報)などの水性ゲル組成物があげられる。
【0004】
従来市販されている水性ゲルタイプの製品は、使用初期段階においてはゲル組成物の表面が瑞々しいので、その薬剤効果が良好であるが、いずれも使用段階において時間経過とともにその表面が乾燥し、薬剤効果が低下してしまい、使用過程において効果の均一性に劣るといった問題があり、改良が待ち望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来技術に鑑みてなされたものであり、外観が美麗で、その表面が瑞々しく保持され、使用過程における薬剤効果が均一に持続される水性ゲル組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、二層から形成され、一方の層がカルボキシメチルセルロース多価金属塩からなる水性ゲル組成物(A)であり、もう一方の層がジェランガムからなる水性ゲル組成物(B)であることを特徴とする水性ゲル組成物であって、水性ゲル組成物(A)および/または水性ゲル組成物(B)に香料、消臭、防臭剤、防黴、殺菌剤および忌避剤から選ばれた少なくとも1種の薬剤が含有された水性ゲル組成物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の水性ゲル組成物は二層から形成されており、各々の層に特定の水性ゲル組成物が用いられていることを特徴とする。すなわち、各層の水性ゲル組成物いずれかの種類が変更されたとしても、本発明のごときすぐれた効果が発現され得ないのである。
【0008】
一方の層は、カルボキシメチルセルロース多価金属塩からなる水性ゲル組成物(A)である。
【0009】
カルボキシメチルセルロース多価金属塩は、カルボキシメチルセルロース(以下、CMCという)、CMCナトリウム、CMCカリウムまたはCMCアンモニウム(以下、これらをあわせてCMC類という)を多価金属イオンでゲル化させて得られるものである。
【0010】
CMC類としては、得られる水性ゲル組成物のゲル強度、ないしはかかる水性ゲル組成物のゲル強度を保持するために必要なCMC類の配合率を鑑みた経済性の観点から、1%水溶液粘度(無水物換算濃度、25℃でB型粘度計にて測定(回転数:60rpm))が5mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上のものであることが望ましく、また水性ゲルの調製段階におけるCMC類の水溶液のハンドリング性という点から、1%水溶液粘度が10000mPa・s以下、好ましくは5000mPa・s以下のものであることが望ましい。
【0011】
またCMC類としては、水に対する溶解性が良好であるという点から、カルボキシメチル基の平均置換度が0.4以上、好ましくは0.5以上のものであることが望ましく、また多価金属イオンでゲル化させた際に、分子内にカルボキシメチル基が多量に存在するために分子内架橋が優先的に進行し、生成したゲルが高架橋密度のものとなって安定な水性ゲルが得られなくなるおそれをなくすには、カルボキシメチル基の平均置換度が2以下、好ましくは1.8以下のものであることが望ましい。
【0012】
なお前記CMC類は、2種以上のものを混合して使用することができる。
【0013】
前記CMC類を多価金属イオンでゲル化させる際には、多価金属塩水溶液を用いることができる。該多価金属塩水溶液は、たとえばアルミニウム塩、鉄塩、カルシウム塩およびバリウム塩から選ばれた少なくとも1種の金属塩の水溶液である。
【0014】
アルミニウム塩の代表例としては、たとえばカリミョウバン、焼ミョウバン、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、塩化アルミニウム、乳酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどがあげられる。
【0015】
鉄塩の代表例としては、たとえば塩化第二鉄、硫酸第一鉄などがあげられる。
【0016】
カルシウム塩の代表例としては、たとえば水酸化カルシウムなどがあげられる。
【0017】
バリウム塩の代表例としては、たとえば塩化バリウムなどがあげられる。
【0018】
前記金属塩のなかでは、金属塩特有の着色および経済性の点から、アルミニウム塩が好ましい。すなわち、CMC多価金属塩のなかでも、CMCアルミニウム塩が好ましい。
【0019】
多価金属塩水溶液をCMC類の水溶液に添加することにより、多価金属イオンでCMC類がゲル化されたCMC多価金属塩を得ることができる。さらに、多価金属塩が難溶性塩類の場合は、これを水分散体としてCMC類の水溶液に添加し、さらに酸性物質や塩基性物質にて系内のpHを適宜調整して多価金属イオンの溶出を制御することにより、CMC類がゲル化されたCMC多価金属塩を得ることができる。なお、多価金属塩水溶液や多価金属塩水分散体の濃度はとくに限定されるものではなく、適宜調整すればよい。
【0020】
本発明における一方の層である水性ゲル組成物(A)は、前記CMC多価金属塩からなるものである。該水性ゲル組成物(A)中のCMC含有量は、用いるCMCの1%水溶液粘度によっても異なるが、充分なゲル強度を得るには、無水物換算量で1.5重量%以上、好ましくは2重量%以上であることが望ましく、ゲル化前の系の粘度がきわめて高くなり、製品化の際に容器への充填が困難とならないようにするには、無水物換算量で5重量%以下、好ましくは4重量%以下であることが望ましい。さらに該水性ゲル組成物(A)中の多価金属塩の含有量は、多価金属塩の種類、CMC類の配合量によって異なるが、適したゲル強度を得るためには、水性ゲル組成物(A)の0.3重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、また4重量%以下、好ましくは3重量%以下であることが望ましい。
【0021】
水性ゲル組成物(A)の媒体としては水が用いられるが、たとえば厳寒時におけるゲルの凍結防止のために、必要に応じて、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、へキシレングルコール、グリセリンなどの多価アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコールのモノメチルエーテルやモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを、水性ゲル組成物(A)に適宜添加することができる。
【0022】
もう一方の層は、ジェランガムからなる水性ゲル組成物(B)である。
【0023】
ジェランガムは式(I):
【0024】
【化1】
Figure 0003786862
【0025】
で表わされる繰り返し単位を有する高分子多糖類である。
【0026】
ジェランガムの水分散液を、たとえば90℃以上に加熱して水溶液とすることができる。ただし、この水溶液のみを冷却してもゲル強度が高くなりにくいので、該ジェランガムを充分にゲル化するには、ゲル強化剤として、たとえば可溶性塩類や酸をジェランガム水溶液に添加することが好ましい。
【0027】
可溶性塩類は、陽イオンを有する塩類であり、たとえば乳酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、グルコン酸カルシウムなどの2価の陽イオンを有する塩類;塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウムなどの1価の陽イオンを有する塩類などが例示される。これらのなかでは、低濃度でゲル強度の増強が可能であるという点から、2価の陽イオンを有する塩類が好ましい。
【0028】
酸は無機酸であっても、有機酸であってもよく、たとえばクエン酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、酒石酸、リン酸、アジピン酸などがあげられる。
【0029】
なおゲル強化剤のなかでも酸の添加量は、急激にゲル強度が低下しないようにするには、ジェランガムからなる水性ゲル組成物(B)のpHが3.0〜7.0となるように添加することが好ましい。
【0030】
本発明におけるもう一方の層である水性ゲル組成物(B)は、前記ジェランガムからなる水性ゲルであるが、該水性ゲル組成物(B)中のジェランガム含有量は、充分なゲル強度を得るには、0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上であることが望ましく、ゲルの透明感および経済性の観点から、3重量%以下、好ましくは1.5重量%以下であることが望ましい。
【0031】
水性ゲル組成物(B)の媒体としては水が用いられるが、たとえば厳寒時におけるゲルの凍結防止のために、必要に応じて、前記水性ゲル組成物(A)に添加することが可能である多価アルコール類やグリコールエーテル類などを、水性ゲル組成物(B)に適宜添加することができる。
【0032】
水性ゲル組成物(A)と水性ゲル組成物(B)との割合(水性ゲル組成物(A)/水性ゲル組成物(B)(重量比))は10/90以上、好ましくは20/80以上であることが望ましく、また90/10以下、好ましくは80/20以下であることが望ましい。
【0033】
本発明の水性ゲル組成物を構成する水性ゲル組成物(A)および水性ゲル組成物(B)は、それぞれCMC多価金属塩およびジェランガムからなるものであればよいが、得られる水性ゲル組成物の使用目的に応じ、香料、消臭、防臭剤、防黴、殺菌剤および忌避剤から選ばれた少なくとも1種の薬剤が、水性ゲル組成物(A)および/または水性ゲル組成物(B)に含有されることが好ましい。
【0034】
前記薬剤についてはとくに限定がなく、従来使用されているものはすべて使用が可能である。
【0035】
香料の代表例としては、たとえば各種の香料のほか精油などがあげられる。その具体例としては、たとえばグレープフルーツ油、コスタス油、シトロネラ油、ジャスミン油、スイートオレンジ油、スペアミント油、パイン油、パチュリ油、はっか油、ビターオレンジ油、ヒバ油、ペパーミント油、ベルガモット油、マンダリン油、ユーカリ油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ローズ油、ローズマリー油、ペパーミント油などの天然香料;α−ピネン、β−ピネン、リモネンなどのテルペン系炭化水素、リナロール、ゲラニオール、ネロールなどのテルペン系アルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコールなどのその他のアルコール、ジフェニルエーテル、イソサフロオイゲノール、p−メチルアニソールなどのフェノール誘導体、ヘプタナール、オクタナール、ノナナールなどの脂肪族アルデヒド、シトラール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラールなどのテルペン系アルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、3−フェニルプロピオンアルデヒドなどの芳香族アルデヒド、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタールなどのアセタール類、2−ヘプタノン、3−オクタノン、2−オクタノンなどの脂肪族ケトン、カルボン、メントン、プレゴンなどのテルペン系ケトン、p−メチルアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジリデンアセトンなどの芳香族ケトン、α,β,γ−イオノン、テアスピラン、ジャスミンラクトンなどの脂環式ケトン、エーテル、ラクトン、ムスコン、アンブレットリドなどの大環状ケトン、ラクトン、ムスクキシレン、ムスクケトン、ムスクアンブレットなどの合成ムスク、ローズオキサイド、1,8−シネオール、ビシクロジヒドロホモファルネシルオキサイドなどの環状エーテル、インドール、6−メチルキノリン、2−フリルメタンチオールなどの複素環式化合物、ギ酸ベンジル、酢酸エチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族酸のエステル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、フェニル酢酸エチル、桂皮酸エチル、サリチル酸イソブチルなどの芳香族酸のエステル、γ−ヘプチルブチロラクトン、ヘキサン酸アリルなどのいわゆるアルデヒド類などの合成香料があげられ、これらは単独でまたは2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0036】
消臭、防臭剤の代表例としては、たとえば山茶花、柿などの葉の抽出物、アビエス油、オリガナム油、ゲラニウム油、スイートオレンジ油、ビターアーモンド油、ペパーミント油、ラベンダー油、ユーカリ油、檜油、ローズマリー油、レモン油などの植物抽出エキス、およびこれら植物抽出エキスの混合精油;アルキル基の炭素数が8〜20のアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルイミダゾリニウムベタイン、脂肪酸残基の炭素数が8〜20の脂肪酸アミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0037】
防黴、殺菌剤の代表例としては、たとえばチモール、安定化二酸化塩素、アリルイソチオシアネートなどの揮発性化合物があげられ、これらは単独でまたは2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0038】
忌避剤の代表例としては、たとえばN,N−ジエチル−m−トルアミド(ディート)、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジ−n−プロピルイソシンコメロネート、p−ジクロロベンゼン、ジ−n−ブチルサクシネート、カラン−3,4−ジオール、1−メチルプロピル−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボキシレート、イソチオシアン酸アリルなどがあげられる。さらに天然のイソチオシアン酸アリルを用いる場合、カラシ(Brassica juncea Czern.et Coss)、黒カラシ(Brassica nigra Koch.)、ワサビ(Wasabia japonica Matsum.)などの植物を抽出したものを用いればよい。また木酢液なども忌避剤として例示され、これらは単独でまたは2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0039】
薬剤の含有量は、各薬剤の効果が充分に発現されるようにするには、水性ゲル組成物全体の0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上であることが望ましく、また水性ゲル組成物のゲル強度が低下しないようにするには、水性ゲル組成物全体の15重量%以下、好ましくは10重量%以下であることが望ましい。
【0040】
また前記薬剤の乳化・可溶化剤として、水性ゲル組成物(A)および/または水性ゲル組成物(B)には、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などの界面活性剤を含有させることができる。
【0041】
アニオン性界面活性剤としては、たとえばアルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などがあげられる。
【0042】
両性界面活性剤としては、たとえばアルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインなどがあげられる。
【0043】
ノニオン性界面活性剤としては、たとえば高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アルカノールアミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体、グリセロールの脂肪酸エステル、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミドなどがあげられる。
【0044】
前記各種界面活性剤は単独でまたは2種以上を適宜混合して使用することができる。前記界面活性剤のなかでは、乳化・可溶化力の点で、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベタインおよび高級アルコールエチレンオキサイド付加物がとくに好ましい。
【0045】
界面活性剤の含有量は、各薬剤に対する乳化・可溶化効果が充分に発現されるようにするには、水性ゲル組成物全体の0.2重量%以上、好ましくは0.5重量%以上であることが望ましく、また界面活性剤の添加量をあまり多くしても乳化・可溶化効果は向上しないので、水性ゲル組成物全体の10重量%以下、好ましくは8重量%以下であることが望ましい。
【0046】
さらに水性ゲル組成物(A)および/または水性ゲル組成物(B)には、必要に応じて、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、キレート剤などを適宜含有させてもよい。
【0047】
本発明の水性ゲル組成物の製造方法はとくに限定されるものではないが、たとえば以下の方法を採用することができる。
【0048】
まず水性ゲル組成物(B)を調製する。水とジェランガムとを混合した水分散液を、90℃以上に加熱してジェランガムを完全に溶解させたのち、ゲル強化剤や、必要に応じて薬剤を添加し、これを所望の成型用容器内に充填する。そしてこの成型用容器を冷却してジェランガムからなる水性ゲル組成物(B)が調製される。
【0049】
つぎに水性ゲル組成物(B)の上層に水性ゲル組成物(A)を形成させる。CMC類の水溶液に多価金属塩水溶液または多価金属塩分散液を添加して混合、撹拌し、さらに必要に応じて薬剤、有機酸を添加して混合、撹拌した混合液を、前記水性ゲル組成物(B)の上層に投入する。そしてこれを静置してジェランガムからなる水性ゲル組成物(B)の上層に、CMC多価金属塩からなる水性ゲル組成物(A)が形成された二層の水性ゲル組成物を得ることができる。
【0050】
なお、水性ゲル組成物(A)の製造過程、すなわちCMC多価金属塩からなるゲル層の製造過程での温度は、室温または、ゲル化の進行を制御するために、必要に応じて系をたとえば5〜60℃の範囲に調整することが好ましい。かかる系の温度を60℃以上にした場合には、ゲル化速度が大きすぎ、かつ低揮発性有機物の揮散による薬剤のロスをきたすため好ましくない。
【0051】
本発明の水性ゲル組成物は、たとえば図1に示す容器に充填して使用することができる。
【0052】
図1は、本発明の水性ゲル組成物を容器に充填したゲル製品の一実施態様を示す概略説明図である。図1において、1はゲル層である本発明の水性ゲル組成物であり、1aは水性ゲル組成物(A)、1bは水性ゲル組成物(B)である。該容器は、下蓋2、本体部5および頂蓋部6からなる上蓋3、筒状部4、ならびに柱状部7からなり、水性ゲル組成物1が充填されている。
【0053】
なお本発明の水性ゲル組成物は、前記図1に示されるゲル製品の容器のごとき側面が下蓋2と上蓋3とからなり、ゲル側部が開口する容器に充填されてもよく、また上部が開口する容器に充填されてもよく、該水性ゲル組成物の表面が開口した状態で大気に接するものであれば、かかる容器にとくに限定はない。
【0054】
本発明の水性ゲル組成物は、CMC多価金属塩からなる水性ゲル組成物(A)と、ジェランガムからなる水性ゲル組成物(B)との、特定の二層から形成されており、ジェランガムからなる水性ゲル組成物(B)からの水分補給作用、すなわちジェランガム層に含まれる水分がCMC多価金属塩層に移行する作用があると考えられ、その作用により表面が瑞々しく保持さる。またその結果、使用過程においてCMC多価金属塩層の薬剤の徐放効果が均一に持続されるものである。
【0055】
【実施例】
つぎに、本発明の水性ゲル組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨をこえないかぎり、かかる実施例のみに限定されるものではない。
【0056】
(水性ゲル組成物の調製)
実施例1
表1に示す配合量にしたがい、第1工程として、イオン交換水にジェランガムを添加し、90℃以上になるまで加熱攪拌した。
【0057】
第2工程として、ジェランガムがイオン交換水に完全に溶解したのち、約50℃になるまで冷却し、塩化カリウム、防腐剤および消臭剤を添加してさらに攪拌した。これを約50℃に保持したまま、図1に示す容器の頂蓋部6より55g充填し、室温になるまで冷却してジェランガムからなる水性ゲル組成物(B)を調製した。
【0058】
ついで表1に示す配合量にしたがい、第3工程として、イオン交換水にCMC類および多価金属塩を添加し、室温で高速攪拌(5000rpm)して均一な混合分散溶液を得た。つぎに香料と乳化剤との混合溶液、ならびに乳酸および防腐剤を前記CMC混合分散溶液に添加し、5000rpmでさらに5分間攪拌した。
【0059】
第4工程として、前記CMC混合分散溶液を、図1に示す容器の頂蓋部6より第2工程で調製したジェランガムからなる水性ゲル組成物(B)の上に85g充填したのち、室温にて1日間静置し、本発明の水性ゲル組成物を得た。
【0060】
比較例1
表2に示す配合量にしたがい、実施例1の第1〜第2工程と同様の操作にてジェランガム混合水溶液を調製し、これを図1に示す容器の頂蓋部6より140g充填し、室温になるまで冷却してジェランガム単独からなる水性ゲル組成物を得た。なおかかる比較例1では、消臭剤に替えて香料(ローズ系)に界面活性剤を溶解したものを添加した。
【0061】
(芳香持続性評価試験)
実施例1および比較例1で得られた試料容器の上蓋(図1の符号3で示される部分)を20mmスライドして上げ、水性ゲル組成物の一部が露出するようにして開放し、25℃で風の当たらない部屋に1日間静置した。翌日、臭気のないステンレススチール製で容量が2m3の容器に各々の試料を20分間静置後、(イ)香りの強度および(ロ)フレッシュさについて、香りの評価訓練を受けた被験者10名により以下の評価基準で評点し、この10名の平均点で評価した。同様の評価を試料の減量率が35〜40重量%時、75〜80重量%時にも行なった。その結果を表3に示す。
【0062】
[評価基準]
(イ)香りの強度
5:強い
4:やや強い
3:普通
2:やや弱い
1:弱い
【0063】
(ロ)フレッシュさ
5:よい
4:ややよい
3:普通
2:ややわるい
1:わるい
【0064】
実施例2〜8および比較例2〜8
組成を表1に示すように変更し、実施例1と同様にして上層部を水性ゲル組成物(A)、下層部を水性ゲル組成物(B)として本発明の水性ゲル組成物を調製した(実施例2〜5)。
【0065】
また組成を表1に示すように変更し、上層部を水性ゲル組成物(B)、下層部を水性ゲル組成物(A)として本発明の水性ゲル組成物を調製した(実施例6〜8)。
【0066】
さらに表2に示す配合量にて、実施例2に使用したCMC多価金属塩単独からなる水性ゲル組成物を調製した(比較例2〜8)。
【0067】
得られた水性ゲル組成物について、実施例1および比較例1と同様の方法にて芳香持続性評価試験を行なった。その結果を表3に示す。
【0068】
なお表1および表2に記載の各成分は以下に示すとおりである。
Figure 0003786862
【0069】
また表1および表2のイオン交換水の量(残量)は全量が100重量%となる量である。
【0070】
【表1】
Figure 0003786862
【0071】
【表2】
Figure 0003786862
【0072】
【表3】
Figure 0003786862
【0073】
表3に示された結果から、つぎのことがわかる。
【0074】
1日間静置後の香りの強度およびフレッシュさは、実施例1と比較例1とで大差がない。しかし、減量率が35〜40重量%、75〜80重量%と進んでも、実施例1の水性ゲル組成物は1日間静置後の香りの強度およびフレッシュさがかなり持続しているのに対し、比較例1のジェランガム単独からなる水性ゲル組成物は、減量率が35〜40重量%、75〜80重量%と進むにつれて、香りの強度およびフレッシュさがともに低下している。
【0075】
また実施例2〜8と比較例2〜8とをそれぞれ対比しても、1日間静置後の香りの強度およびフレッシュさは大差がない。しかし、減量率が35〜40重量%、75〜80重量%と進んでも、実施例2〜8の水性ゲル組成物は1日間静置後の香りの強度およびフレッシュさがかなり持続しているのに対し、比較例2〜8のCMC多価金属塩単独からなる水性ゲル組成物は、減量率が35〜40重量%、75〜80重量%と進むにつれて、香りの強度およびフレッシュさがともに低下している。
【0076】
したがって、本発明の特定の二層から形成されている水性ゲル組成物は、使用過程における薬剤効果が均一にかつ充分に持続されるものであることがわかる。
【0077】
【発明の効果】
本発明の水性ゲル組成物は、CMC多価金属塩からなる水性ゲル組成物(A)と、ジェランガムからなる水性ゲル組成物(B)との、特定の二層から形成されているので、外観が美麗であり、その表面が瑞々しく保持され、使用過程における薬剤効果が均一に持続されるものである。
【0078】
したがって、本発明の水性ゲル組成物は、玄関、居間、トイレなどの室内、浴室、車内などに設置するゲル製品として有効に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水性ゲル組成物を容器に充填したゲル製品の一実施態様を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 水性ゲル組成物
1a 水性ゲル組成物(A)
1b 水性ゲル組成物(B)

Claims (3)

  1. 二層から形成され、一方の層がカルボキシメチルセルロース多価金属塩からなる水性ゲル組成物(A)であり、もう一方の層がジェランガムからなる水性ゲル組成物(B)であることを特徴とする水性ゲル組成物であって、水性ゲル組成物(A)および/または水性ゲル組成物(B)に香料、消臭、防臭剤、防黴、殺菌剤および忌避剤から選ばれた少なくとも1種の薬剤が含有された水性ゲル組成物
  2. 水性ゲル組成物(A)と水性ゲル組成物(B)との割合(水性ゲル組成物(A)/水性ゲル組成物(B)(重量比))が10/90〜90/10である請求項1記載の水性ゲル組成物。
  3. カルボキシメチルセルロース多価金属塩がカルボキシメチルセルロースアルミニウム塩である請求項1または記載の水性ゲル組成物。
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