JP4434533B2 - 静電荷潜像現像用キャリア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電荷像現像用キャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル電子写真方式によるフルカラー画像の作成は、一般にフルカラー画像信号を減法混色の三原色(イエロー、マゼンタ、シアン:以下それぞれY、M、C)と黒(以下BK)とに光学的に、もしくは電気的に分離し、4色のドット画像とし、それらを紙、もしくは中間転写体上に重ね合わせ、最終的に転写紙上に定着、固定することにより行なうのが一般的である。近年、電子写真方式のフルカラー画像画質も従来に比べ飛躍的に向上したが、電子写真固有の画像の不具合は、未だ改善の余地がある。
【0003】
磁性キャリアとトナー粒子とからなる二成分現像剤を用いる現像方式は、カラー画像の作成や、印刷速度の高速化、トナーの帯電性の安定化が比較的容易であるため広く用いられている。
二成分現像ではキャリアの電気抵抗を適正化することは、現像特性を好適なものとするために重要である。キャリアの電気抵抗の調整には、キャリア表面に好適な電気抵抗を有する皮膜を設けることが容易であり、広く行なわれており、この皮膜の電気抵抗調整、被膜の強度向上のために、種々の添加物を含有させることが行なわれている。
【0004】
しかし、フルカラー画像用の現像剤の場合、キャリアの被膜が着色していると、使用経時で、被膜の摩耗粉に由来する、色汚れが発生する場合があった。従来から、用いられているカーボンブラックなどを電気抵抗調整剤として、キャリア被膜に含有させた場合の色汚れは言うまでもなく、たとえ導電性材料が白色であっても、経時使用において、画像の濁りやくすみを増大させ、色再現性変化の原因の一つになっていた。
また、近年、解像度アップ、ハイライト再現性向上などに対応するため、潜像の最小単位(1ドット)径の小径化、高密度化がはかられており、これらの緻密な潜像に対して、より忠実な現像が要求されている。
【0005】
二成分現像剤においては、潜像により、トナーをより均一に供給するためにはキャリア径の小径化が有効であるが、それによりキャリア表面積が上昇するため、より被膜の透明性は高いことが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解決する現像方式を提供することにある。すなわち、現像経時でのキャリア摩耗に起因する色汚れを防止し、色再現性に優れ、且つ、ハイライト再現性に優れた、解像度の高い画像を得られる現像剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らの鋭意検討した結果によると、上記の課題は、次の構成の発明によって達成される。
即ち、本発明は、(1)「芯材表面に、Si−Oを主繰り返し単位とするシリコーン化合物で被膜を形成したキャリアであり、被膜中に表面をメチルトリメトキシシランで処理した酸化チタン微粒子を含有し、該無機微粒子の屈折率r1、粒径d、被膜の屈折率r2とするとき、下記一般式で表わされるk値が0.030〜0.062nm −1 であることを特徴とする静電荷潜像現像用キャリア。
【数2】
(ただし、r1/r2=m、d=0.015〜0.05μm)」、(2)「該キャリアが、重量平均粒径が25μmから45μmであって、44μmよりも小さい粒子が、70重量%以上、22μmより小さい粒子が7重量%以下であり、かつ、重量平均粒径Dvと個数平均粒径Dpの比が、1≦(Dv/Dp)≦1.30である芯材の表面に被膜を設けたものであることを特徴とする前記第(1)項に記載の静電荷潜像現像用キャリア」によって達成される。
【0008】
本発明におけるキャリアは、磁性粉体表面に抵抗調整機能を有する被膜を作成してなる。被膜中には、抵抗調整剤として、導電性無機微粒子を含有し、該無機微粒子の屈折率r1、粒径d、被膜の屈折率r2とするとき、下記一般式で表わされるk値が0.015以上であることが好ましい。
【0009】
【数3】
(ただし、r1/r2=m)
この値が0.015より大きいことが好ましい。被膜の透過率低下は被膜中の粒子界面における光散乱に起因する。この散乱強度は被膜と粒子との相対屈折率と粒径によって異なる。この屈折率と粒径を好適に制御することにより、白色の導電性材料を使用した場合にも被膜の透明性を確保でき、画像の色汚れを防止できる。この値が0.015より小さくなると、被膜中の添加物に起因する光散乱が強くなり、被膜の透明性が低下する。0.015以上となるときに、透明性を向上させることが可能である。
【0010】
被膜材料の屈折率は、材料が液体、均質なペレット状で得られる場合、市販の屈折率計にて測定できるが、導電性微粉末のような粉体でその値が未知の場合、測定はたとえば次のように行なうことができる。すなわち屈折率が既知の液体中に被測定物を分散し、その散乱光強度を測定する。様々な屈折率の液体において、散乱光を比較し、その強度が最も小さくなる液体の屈折率を被測定物の屈折率とする。散乱光強度は大塚電子株式会社製DLS700によって散乱角度90゜にて測定する。
【0011】
また、二成分現像剤においては、潜像によりトナーを、より均一に供給するためキャリア径の小径化が有効である。とくにデジタルカラー画像のように、ハーフトーンを多用する作像システムでは、高画質を得るためには、画素毎の均一な現像が必要になる。そのためにも、キャリア径はより小さいことが好ましい。従来はキャリア径の小径化により、キャリア表面積が大きくなるため、キャリアに起因する色汚れは生じやすいが、先のk値の範囲とすることにより、より小粒径のキャリアが使用できる。好ましくは使用するキャリアの重量平均粒径が25μmから45μmであって、44μmよりも小さい粒子が70重量%以上、22μmより小さい粒子が7重量%以下であり、かつ、重量平均粒径Dvと個数平均粒径Dpの比が、1≦(Dv/Dp)≦1.30である。高い画素密度の画像を現像する場合、キャリア径が小径であると、潜像へのトナー供給密度が向上するため、より均一に現像できる。これによりハイライト部のように、ドット径は画像濃度や画像の均一感が得られる。また、一般にキャリア径が小さくなることにより、キャリア1粒子あたりの磁気モーメントが小さくなるので、画像パターンによっては、キャリアが画像に付着する、いわゆるキャリア付着現象が発生しやすいため、キャリア粒径分布は、小粒径キャリアほど狭いことが要求され、重量平均粒径Dvと個数平均粒径Dpの比が、1≦(Dv/Dp)≦1.30であることが好ましい。
【0012】
被膜を構成する無機微粒子は白色であり、比較的電気抵抗が小さい粒子が用いられる。たとえば、導電性ZnO,Al等の金属粉、各種の方法で作られたSnO2および、種々の元素をドープした、SnO2ホウ化物、例えばTIB2、ZnB2、MoB2炭化ケイ素等がある。とくに、酸化チタンは、より微細な粒子を安価に得られるため、好ましい。キャリアの被膜として作成する場合、被膜形成のために、揮発性の有機溶剤中に被膜材料を溶解、分散して、キャリア芯材上に被覆することが容易である。一般に酸化チタン表面は親水性のため、こうした方法を用いる場合、あらかじめシランカップリング剤で被覆された酸化チタンを用いることはより好ましい。
【0013】
また、キャリアの表面はトナー構成材料の吸着、付着を防ぎ、空気中の水分吸着を少なくするために、低表面エネルギーの物質で被覆されることが好ましい。
【0014】
低表面エネルギーの皮膜物質としては、たとえば、従来公知の下記の材料がある。
ポリ四弗化エチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ・フッ素樹脂(PFA)、四弗化エチレン・六弗化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四弗化エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロ三弗化エチレン(PCTFE)、弗化ビニリデン(PVDF)、弗化ビニル(PVF)、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂などである。また、これらから選ばれる2種以上の混合物としても使用できる。
【0015】
特に、Si−Oを基本に繰り返し単位としてもつシリコーンポリマー、およびその疎水化物は好ましく用いられる。Si−Oを基本繰り返し単位として有するシリコーン化合物の例としては、下記一般式で表わされる繰り返し単位を含むシリコーン樹脂が挙げられる。
【0016】
【化1】
式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メトキシ基またはC1〜C4の低級アルキル基、またはフェニル基を表わす。
【0017】
ストレートシリコーン樹脂としては、KR271,KR272,KR282,KR252,KR255,KR152(信越化学工業社製)、SR2400,SR2406(東レダウコーニングシリコーン社製)などがある。
【0018】
また、変性シリコーンとしては、エポキシ変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、アルキッド変性シリコーンなどが挙げられ、変性シリコーンの例としては、エポキシ変性シリコーン:ES−1001N、アクリル変性シリコーン:KR−5208、ポリエステル変性シリコーン:KR−5203、アルキッド変性シリコーン:KR−206、ウレタン変性シリコーン:KR−305(以上、信越化学工業社製)、エポキシ変性シリコーン:SR2115、アルキッド変性シリコーン:SR2110(東レダウコーニングシリコーン社製)などがある。
【0019】
さらにシリコーン樹脂と添加物の分散性、相溶性を向上させるために、一般公知のシランカップリング剤を含めることができる。シランカップリング剤としては、
【0020】
【化2】
X−Si(OR)n
(ただし、nは1〜3の正数)
で表わされ、Xは有機物、無機物との反応性、吸着性を有する各種の官能基、および官能基を有する飽和、不飽和の炭化水素鎖を意味する。ORはアルコキシ基を意味する。特に、Xにアミノ基を有する所謂アミノシランカップリング剤は好ましく用いられる。
【0021】
本発明で使用できるアミノシランカップリング剤としては、以下の一般式が挙げられる。
【0022】
【化3】
H2N(CH2)3Si(OCH3)3 MW 179.3
【0023】
【化4】
H2N(CH2)3Si(OC2H5)3 MW 221.4
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】
【化11】
【0031】
本発明で使用することができるキャリア芯材としては、従来公知のものが使用できる。例えば、鉄、コバルトなどの強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Znフェライト、Baフェライトなどが挙げられる。
キャリア芯材としては、上記の磁性粒子が一般的だが、磁性粉をフェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂など公知の樹脂中に分散した形態を持つ、所謂樹脂分散キャリアも好適に用いられる。
【0032】
本発明の被覆樹脂の形成方法は、スプレードライ法、浸漬法、あるいはパウダーコーティング法など公知の方法が使用できる。
【0033】
本発明に使用されるトナーとしては、バインダー樹脂としての熱可塑性樹脂を主成分とし、着色剤、微粒子、そして帯電制御剤、離型剤等を含むものである。そして、一般公知の粉砕法、重合法、造粒法などの各種のトナー製法によって作成されたトナーを用いることができる。
【0034】
バインダー樹脂としては以下のものが使用できる。
アクリル系としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂肪族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが単独あるいは混合して使用できる。
【0035】
また、ポリエステル樹脂はアクリル系樹脂にくらべ、トナーの保存時の安定性を確保しつつ、より溶融粘度を低下させることが可能であり、好ましい。
ポリエステル樹脂としては、アルコールと酸との重縮合反応によって得られ、例えばアルコールとしては、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどのジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単位体、その他の2価のアルコール単位体、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエスリトールジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の高アルコール単量体を挙げることができる。
【0036】
また、ポリエステル樹脂を得るために用いられるカルボン酸としては、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸からの二量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これらの酸の無水物等の三価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることができる。
【0037】
さらにエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエポクロルヒドリンとの重縮合物等があり、例えば、エポミックR362,R364,R365,R366,R367,R369(以上、三井石油化学工業(株)製)、エポトートYD−011,YD−012,YD−014,YD−904,YD−017(以上、東都化成(株)製)、エポコ−ト1002,1004,1007(以上、シェル化学社製)等の市販のものがある。
【0038】
着色剤としては、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、ハンザイエローG、ローダミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、染顔料など従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用し得る。
【0039】
またトナーは、通常使用されるトナーと同様に摩擦帯電性を制御する目的で含有せしめる薬剤を含有していてもなんら不都合はない。
そうした、いわゆる極性制御剤としては、例えばモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸およびその塩、サリチル酸、ナフトエ塩、ジカルボン酸のCo,Cr,Fe等の金属錯体アミノ化合物、第4級アンモニウム化合物、有機染料などがある。
【0040】
さらにまた、本発明のトナーは必要に応じて離型剤を添加してもよい。
離型材料としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ホホバワックス、ライスワックス、モンタン酸ワックス等を単独または混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
添加剤としては、トナーが良好な画像を得るためには十分な流動性を付与し、転写抜けなどの異常のない良好な画像を得ることが肝要である。これには一般に流動性向上材として疎水化された金属酸化物の微粒子や、滑剤などの微粒子を外添することが公知であり、金属酸化物、有機樹脂微粒子、金属石鹸など以下のものを用いることが可能である。例えばポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂、ステアリン酸亜鉛のごとき滑剤、あるいは酸価セリウム、炭化ケイ素などの研磨剤、あるいは、例えば、表面を疎水化したSiO2,TiO2等の無機酸化物などの流動性付与剤、ケーキング防止剤として知られるもの、およびそれらの表面処理物などである。特に従来、流動性の向上効果においては、疎水性シリカが好ましく用いられる。
【0042】
トナー粒子の形状は、通常の粉砕法で粉砕時のトナー温度を適切に選ぶことでも得ることができるが、重合法で作成されるトナーは簡便に高い球形度のトナーが得られるため好ましい。
たとえば、先に示した結着樹脂となるポリマーの単量体中に、所望の顔料、帯電制御剤、離型剤、重合開始剤、連鎖移動剤などを溶解、分散し、該分散液を水中に必要に応じて分散剤とともに所望の粒径となるよう分散し、重合することによって造粒することができる.
【0043】
また、乳化重合法などを用いて、トナー粒径より小粒径の樹脂粒子と顔料、帯電制御剤、離型剤などの分散液を凝集、合一させ、所望の粒径のトナーを得ることも可能である。
【0044】
これら一般に、重合法トナーのバインダー樹脂は、その製法上、ラジカル重合により重合されることが簡便なため、一般に、スチレン−アクリル共重合体が選ばれる。
【0045】
また、トナーの定着性や透明性、耐久性を向上させるために、ポリエステル、ポリオールをバインダー樹脂として選択する場合にも、他の造粒法、たとえば結着樹脂と顔料、帯電制御剤、離型剤の混合物を融解もしくは溶媒に溶解し、これをしかるべき溶媒中に分散、固化させることでトナー粒子を得ることも可能である。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
これら実施例は、本発明の一態様にすぎず、本発明はこれら実施例に拘束されない。なお、以下実施例に示す各成分量(部)はいずれも重量基準である.
【0047】
キャリアの製造例
現像剤に使用するキャリアは次のように作成した。
芯材A
芯材抵抗:LogR=10.3Ω・cm
飽和磁気モーメント:σs=65esu/g
重量平均粒径=49.2μm、個数平均粒径=42.6μm
22〜44μm粒子重量=90.5%
22μm未満粒子重量=0.8%
Dv/Dp=1.15
【0048】
芯材B
芯材抵抗:LogR=10.3Ω・cm
飽和磁気モーメント:σs=65esu/g
重量平均粒径=36.3μm、個数平均粒径=29.3μm
22〜44μm粒子重量=81.7%
22μm未満粒子重量=2.6%
Dv/Dp=1.24
【0049】
芯材C
芯材抵抗:LogR=10.3Ω・cm
飽和磁気モーメント:σs=65esu/g
重量平均粒径=35.6μm、個数平均粒径=28.4μm
22〜44μm粒子重量=89.2%
22μm未満粒子重量=2.0%
Dv/Dp=1.21
芯材抵抗は、2mmの間隔で平行に配置した電極を有する容器に芯材を充填し、両極間の500Vでの直流抵抗を横川ヒューレットパッカード株式会社製 4329A HighResistance Meterにて測定した。また、飽和磁気モーメントは、東英工業株式会社製 多試料回転式磁化測定装置 REM−1−10を用い、印加磁界1000Oeにて測定した。粒径の測定値はマイクロトラックで測定した値を用いた。
表1に抵抗調整材を示す。
【0050】
【表1】
【0051】
[キャリアの製造例A]
芯材Aに対しシリコーンの被膜を形成し、キャリアAとした。
シリコーン皮膜は次のように行なった。シリコーン樹脂(SR2411:トーレダウコーニングシリコーン社製)の固形分に対して抵抗調整材として、添加剤A 70wt%を、ボールミルを使用して10分間分散し、この分散液を固形分5wt%になるよう希釈し分散液を得た。
上記それぞれの芯材5kgに対して、上記の分散液を流動床型コーティング装置を用いて、100℃の雰囲気下で、約50g/minの割合で塗布し、更に250℃で2時間加熱して、膜厚0.5μmのキャリアAを得た。膜厚の調整はコート液量により行なった。
また、このシリコーン樹脂のみを加熱硬化させたものの、屈折率r2を測定したところ、1.5であった。
【0052】
[キャリアの製造例B]
芯材Aに対しシリコーンの被膜を形成し、キャリアBとした。
シリコーン皮膜はキャリアの製造例Aと同様にして行なった。膜厚0.5μmのキャリアBを得た。
【0053】
[キャリアの製造例C]
芯材Cに対しシリコーンの被膜を形成し、キャリアCとした。
シリコーン皮膜はキャリアの製造例1において添加剤Cを用いる以外は、キャリアの製造例Aと同様にして行なった。膜厚0.5μmのキャリアCを得た。
【0054】
[キャリアの製造例D]
芯材Cに対しシリコーンの被膜を形成し、キャリアDとした。
シリコーン皮膜はキャリアの製造例1において添加剤Bを用いる以外は、キャリアの製造例Aと同様にして行なった。膜厚0.5μmのキャリアDを得た。
【0055】
[キャリアの製造例E]
芯材Cに対しシリコーンの被膜を形成し、キャリアEとした。
シリコーン皮膜はキャリアの製造例1において添加剤Cを用いる以外は、キャリアの製造例Aと同様にして行なった。膜厚0.5μmのキャリアEを得た。
【0056】
[キャリアの製造例F]
芯材Cに対しシリコーンの被膜を形成し、キャリアFとした。
シリコーン皮膜はキャリアの製造例1において添加剤Dを用いる以外は、キャリアの製造例Aと同様にして行なった。膜厚0.5μmのキャリアFを得た。
【0057】
[キャリアの製造例G]
芯材Aに対しシリコーンの被膜を形成し、キャリアGとした。
シリコーン皮膜はキャリアの製造例1において添加剤Eを用いる以外は、キャリアの製造例Aと同様にして行なった。膜厚0.5μmのキャリアGを得た。
それぞれ、キャリアの直流抵抗は芯材抵抗の測定法と同様に行なった。
【0058】
[実施例1]
Preter600(リコー製フルカラーデジタル複写機)を使用し、画像出しを行なった。現像剤として前記キャリアの製造例にて作成したキャリアA〜Gとマゼンタトナーからなる現像剤を使用し、マゼンタ単色画像により評価を行なった。
画像評価は次のように行なった。トナーを補給しながら画像面積率6%の文字画像チャートで1万枚のランニング評価を行なった。ランニングの経時においても逐次、画像の評価を次のように行なった。
【0059】
(色濁り)
1万枚コピー後に、OHP用紙上にマゼンタ画像を作像し、その透過像の色にごりを初期画像と比較し、色の濁りを4段階で目視評価した。
◎:大変良好、○:良好、△:若干不良、×:不良(×は許容不可のレベル)
【0060】
(細線再現性)
主走査、副走査方向ともに、600dot/inch、150line/inchの1ドット格子ライン画像を出力し、ライン画像の切れ、かすれを4段階で目視評価した。
◎:大変良好、○:良好、△:若干不良、×:不良(×は許容不可のレベル)
【0061】
(解像力)
主走査、副走査方向ともに、600dot/inch、300line/inchの1ドット独立網点画像を出力し、光学顕微鏡で50倍に拡大して観察し、ドット抜け、ドット径のばらつきを4段階で目視評価した。
◎:大変良好、○:良好、△:若干不良、×:不良(×は許容不可のレベル)
【0062】
(粒状性)
600dpi、200lpiの独立ドット画像を、画像面積率0%、25%、50%、75%、100%となる3センチメートル四方の正方形の画像5種を作像した。
各面積率の画像の粒状性を4段階で目視評価した。
◎:大変良好、○:良好、△:若干不良、×:不良(×は許容不可のレベル)
【0063】
(階調性)
粒状性の評価と同じ画像を使用し,4段階で目視評価した.
◎:大変良好、○:良好、△:若干不良、×:不良(×は許容不可のレベル)
評価結果は表2に示す.
【0064】
【表2−1】
【0065】
【表2−2】
【0066】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明によると、キャリア摩耗に起因する色汚れを防止し、色再現性に優れ、且つ、ハイライト再現性に優れた、解像度の高い画像が得られる現像剤を提供することができるという極めて優れた効果を奏するものである。
Claims (2)
- 該キャリアが、重量平均粒径が25μmから45μmであって、44μmよりも小さい粒子が、70重量%以上、22μmより小さい粒子が7重量%以下であり、かつ、重量平均粒径Dvと個数平均粒径Dpの比が、1≦(Dv/Dp)≦1.30である芯材の表面に被膜を設けたものであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷潜像現像用キャリア。
Priority Applications (1)
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