JP5010313B2 - 電子写真現像剤用キャリア、二成分系現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
二成分系現像方式は、キャリアを使用することから、トナーに対する摩擦帯電面積が広いため、一成分系現像方式に比較して、帯電特性が安定しており、長期に亘って高画質を維持するのに有利である。また、現像領域へのトナー供給量能力が高いことから、特に高速機に使用されることが多い。
レーザービーム等で感光体上に静電潜像を形成し、この潜像を顕像化する、いわゆるデジタル方式の電子写真システムにおいても、前述の特徴を活かした二成分系現像方式が広く採用されている。
プロセス面では、現像ギャップの近接化、感光体の薄膜化、また、書き込みビーム径の小径化等が有効であるが、コストが高くなること、また、信頼性等の点で依然大きな課題がある。
現像剤の面からは、トナーの小粒径化、キャリアの小粒径化が検討されており、小粒径キャリアの使用について種々提案されている。
S2=(6/ρ・D50)×104 (ρ:キャリアの比重)
によって算出される該キャリアの比表面積S2とが下記条件
1.2≦S1/S2≦2.0
を満たすことを特徴とする電子写真用キャリアが開示されている。
(a)単位体積当たりの表面積が大きいため、個々のトナーに充分な摩擦帯電を与えることができ、低帯電量トナー、逆帯電量トナーの発生が少ない。その結果、地汚れが発生しにくくなり、また、ドット周辺のトナーのちり、にじみが少なくドット再現性が良好となる。
(b)単位体積当たりの表面積が大きく、地汚れが発生しにくいことから、トナーの平均帯電量を低くすることができ、現像により充分な画像濃度が得られる。従って、小粒径キャリアは、小粒径トナー使用時の不具合を補うことが可能であり、小粒径トナーの利点を引き出すのに特に有効である。
(c)小粒径キャリアは、緻密な磁気ブラシを形成し、かつ穂の流動性が良いため、画像に穂跡が発生しにくい。
特に、重量平均粒径が30μmより小さいキャリアを用いると、ざらつきが大幅に改良され高画質となるが、キャリア付着が非常に起こりやすく、長期間に亘って、高画質を維持できないという問題がある。
即ち、キャリア付着は、次式条件になったときに、キャリア又は切断された磁気ブラシの形態で付着する。
Fm<Fc(ただし、Fm:磁気束縛力、Fc:キャリア付着を引き起こす力)
磁気束縛力は
Fm=k×(キャリアの磁気モーメント)×(磁気の傾き)
で表される。ここで、
(キャリアの磁気モーメント)=(質量)×(磁化)=(4/3)π・r3・ρ×M
である(r:キャリアの半径、ρ:キャリアの真比重)。
キャリア付着を引き起こす力Fcは、現像ポテンシャル、地肌ポテンシャル、キャリアにかかる遠心力、キャリア抵抗及び現像剤帯電量に関連している。したがって、キャリア付着を防止するためには、Fcを小さくするように各パラメーターを設定することが有効であるが、現像能力、地汚れ、トナー飛散等と密接に関係するため、大幅に変えることは難しいのが現状である。
さらに、プリント速度の高速化も相まって、キャリアの耐久性、キャリアの表面のスペントを防ぎながら、長期間に亘って安定した帯電付与能力を有することが、重要になっている。
このキャリア及びトナーからなる二成分系現像剤の使用によれば、高画質濃度でハイライトの均一性が良好で、地汚れが少ない画像が得られるが、色濁り等の色特性変化に問題が残されている。
(1)磁性を有する芯材粒子及び該芯材粒子の表面に形成された被覆層からなるキャリアにおいて、前記芯材粒子の粒子密度が4.0〜6.0g/cm3であり、前記芯材粒子の嵩密度ρbに対する前記芯材粒子の粒子密度ρpの比(ρp/ρb)が1.6〜1.9であり、前記被覆層が少なくともシリコーン樹脂及び導電性カーボンを含有し、かつ、前記キャリアの体積抵抗率が1×1011〜1×1016Ω・cmであることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
(2)前記芯材粒子の粒子密度が4.5g/cm3〜5.5g/cm3であることを特徴とする前記(1)に記載の電子写真現像剤用キャリア。
(3)前記導電性カーボンの比表面積が1000m2/g以上であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の電子写真現像剤用キャリア。
(4)前記キャリアの重量平均粒径が22〜32μmであり、前記キャリアの個数平均粒径に対する重量平均粒径の比が1.0〜1.2であり、前記キャリアの粒径が0.02〜20μmである粒子の含有量が0〜7重量%であり、かつ、粒径が0.02〜36μmである粒子の含有量が90〜100重量%であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
(5)前記芯材粒子の磁化は、1kOeの磁界中において、65〜120emu/gであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
(6)前記被覆層は、アミノシランカップリング剤をさらに含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
(7)前記被覆層は、硬質粒子をさらに含有することを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
(8)前記硬質粒子は、Siの酸化物からなる粒子、Tiの酸化物からなる粒子及びAlの酸化物からなる粒子の少なくとも一つを含有することを特徴とする前記(7)に記載の電子写真現像剤用キャリア。
(9)前記(1)〜(8)のいずれかに記載のキャリア及びトナーからなることを特徴とする二成分系現像剤。
(10)感光体及び該感光体の表面に形成された静電潜像を前記(9)に記載の現像剤で現像する現像装置を少なくとも一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(11)少なくとも、感光体の表面に形成された静電潜像を前記(9)に記載の現像剤で現像する現像工程と、該感光体上に現像された画像を画像記録媒体に転写する転写工程と、感光体の表面に残存する該現像剤を払拭するクリーニング工程を有することを特徴とする画像形成方法。
なお、いわゆる当業者は、特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明は、この発明における最良の形態の例であって、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
キャリア芯材粒子表面に被覆層を形成するための方法としては、スプレードライ法、浸漬法、あるいはパウダーコーティング法など公知の方法が使用できる。特に、流動床型コーティング装置を用いる方法は、均一な塗付膜を形成するのに有効である。キャリア芯材粒子表面上に形成する被覆層の厚みは、通常0.02〜1μm、好ましくは0.03〜0.8μmである。被覆層の膜厚は芯材粒子の粒径と比較して極めて小さいことから、表面に被覆層が形成されているキャリアの粒径と芯材粒子の粒径とは、実質的に同じである。
芯材粒子の嵩密度を大きくする方法としては、芯材粒子の製造時にプラズマ処理を施すことや焼成温度を高くすること等が挙げられるが、焼成温度を高くする場合は、芯材粒子同士が融着しやすくなり、解砕しにくくなるため、3.0g/cm3以下とすることが好ましく、2.5g/cm3以下とすることがさらに好ましい。
キャリア被覆層を形成する際に用いられるシリコーン樹脂は、一般式(1)
アリール基の炭素数は、6〜20であることが好ましく、6〜14がさらに好ましい。アリール基としては、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基、ビフェニル、ターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。なお、アリール基は、各種の置換基で置換されていてもよい。
アリーレン基の炭素数は、6〜20であることが好ましく、6〜14がさらに好ましい。アリーレン基としては、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基、ビフェニル、ターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。なお、アリーレン基は、各種の置換基で置換されていてもよい。
また、キャリア被覆層を形成する際に、エポキシ変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、フェノール変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、ポリエステル変性シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂等の変性シリコーン樹脂を用いてもよい。エポキシ変性シリコーン樹脂としては、ES−1001N(以上、信越化学工業社製)、SR2115(東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられ、アクリル変性シリコーン樹脂としては、KR−5208(信越化学工業社製)等が挙げられ、ポリエステル変性シリコーン樹脂としては、KR−5203(信越化学工業社製)等が挙げられ、アルキッド変性シリコーン樹脂としては、KR−206(信越化学工業社製)、SR2110(東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられ、ウレタン変性シリコーン樹脂としては、KR−305(信越化学工業社製)等が挙げられる。
キャリア被覆層中の導電性カーボンの含有量は、現像剤を使用するプロセス条件に基づいて適切に選ばれ、キャリア被覆層中の樹脂成分に対する重量比で、0.1%〜20%、好ましくは1%〜10%の範囲から選ばれる。導電性カーボンの含有量が0.1重量%より以下であると、現像時にチャージアップが発生しやすくなり、画像濃度低下やキャリア付着が起こりやすくなる。また、20重量%より以上であると、現像剤帯電量の放置低下が発生しやすくなり、トナー飛散や地肌汚れが起こりやすくなる。
導電性カーボンの分散は、コーティングに使用する溶媒、あるいは被覆用樹脂溶液に導電性カーボンを投入後、ボールミル、ビーズミルなどメディアを使用した分散機、あるいは高速回転する羽根を備えた攪拌機を使用することによって均一に分散することができる。
キャリアの体積抵抗率が1×1011Ω・cmよりも低いと、現像ギャップ(感光体と現像スリーブ間の最近接距離)が狭くなった場合、キャリアに電荷が誘導されてキャリア付着が発生し易くなる。感光体の線速度、および、現像スリーブの線速度が大きい場合、悪化の傾向が見られる。また、ACバイアスを印加する場合は顕著である。通常、カラートナー現像用キャリアは充分なトナー付着量を得るため、低抵抗のものが使用されることが一般的である。上記の抵抗範囲のキャリアは、適正なトナー帯電量のもとで使用することにより、充分な画像濃度が得られることが分かった。
また、体積抵抗率が1×1016Ω・cmより大きいとトナーと反対極性の電荷が溜まりやすくなり、キャリアが帯電してキャリア付着が起き易くなる。
図1に示すように、電極間距離2mm、表面積2×4cmの電極(102a)、(102b)を収容したフッ素樹脂製容器からなるセル(101)にキャリア(103)を充填し、両極間に100Vの直流電圧を印加し、ハイレジスタンスメーター4329A(4329A+LJK 5HVLVWDQFH OHWHU;横川ヒューレットパッカード株式会社製)にて直流抵抗を測定し、体積抵抗率R(Ω・cm)を算出する。
キャリア抵抗測定時の充填の度合いは、キャリアをセルにあふれるまで入れたのち、セル全体を20回タッピングしたのち、セルの上面を非磁性でできた水平なへらを用いてセルの上端に沿って一回の操作で平らにかきとる。
上記キャリアの体積抵抗率の調整は、芯材粒子上の被覆樹脂の抵抗調整、被覆層厚の制御によって可能であり、また導電性カーボンブラックの添加量調整によっても可能である。
導電性カーボンの比表面積の測定は、島津製作所社製の粉体比表面積測定装置(SS−100型)を使用して行うことができる。
Dp={1/Σ(n)}×{Σ(nD)}
Dw={1/Σ(nD3)}×{Σ(nD4)}
ここで、Dは、各チャンネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは、各チャネルに存在する粒子数である。なお、チャネルは、粒径分布図における粒径の範囲を等分に分割するための長さである。また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルの粒径の下限値を採用することができる。
キャリアの粒径分布を測定するための粒度分析計としては、マイクロトラック粒度分析計モデルHRA9320−X100(Honewell社製)を用いることができる。
その測定条件は以下の通りである。
[1]粒径範囲 :100〜0μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅) :2μm
[3]チャネル数 :50
更に、本発明のキャリアは、粒径が0.02〜36μmである粒子の含有量が90重量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは、92重量%以上である。このように、表面が樹脂で被覆されたキャリアの粒径分布を狭くすることにより、各粒子の磁気モーメントの分布を狭くすることができ、キャリア付着の発生を大幅に改善できる。
フェライトとは、下記一般式(2)
で示される焼結体である。
ここで、x、y及びzは、フェライトの組成を表し、M及びNとしては、それぞれ独立に、Ni、Cu、Zn、Li2、Mg、Mn、Sr、Ca等が挙げられ、金属酸化物と酸化鉄(III)との完全混合物から構成されている。
H2N(CH2)3Si(OCH3)3
H2N(CH2)3Si(OC2H5)3
H2N(CH2)3Si(CH3)2(OC2H5)
H2N(CH2)3Si(CH3)(OC2H5)2
H2N(CH2)2NHCH2Si(OCH3)3
H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2
H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3
(CH3)2N(CH2)3Si(CH3)(OC2H5)2
(C4H9)2N(CH2)3Si(OCH3)3
なお、被覆層中のアミノシランカップリング剤の含有量は0.001〜30重量%が適当である。
硬質粒子の粒径は5〜500μmであるのが好ましい。粒径が5μmより小さいとキャリア被覆層の補強効果が少なく、500μmより大きいとキャリア被覆層からの脱離が発生しやすくなる。
被覆層中の硬質粒子の含有量は、2〜70重量%であることが好ましく、5〜40重量%がさらに好ましい。硬質粒子の含有量は、粒径、比表面積によって適宜選択すればよいが、2重量%未満では、被覆層の耐摩耗性を向上させる効果が発現しにくくなることがあり、70重量%を超えると、硬質粒子、被覆層の脱離が発生しやすくなり、色特性の劣化が起こりやすくなる。
本発明のキャリアとトナーとからなる現像剤において、トナーによるキャリアの被覆率は、10〜90%、好ましくは20〜80%である。また、本発明の現像剤において、トナーによるキャリアの被覆率が50%のときのトナーの帯電量は、好ましくは10〜50μc/g、より好ましくは15〜35μc/gである。帯電量が10μc/gより低いと、地汚れ、およびトナー飛散が多くなる。また、50μc/gより大きいとキャリア付着が起き易くなる。35μc/g未満ではキャリア付着が大変良好である。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの重縮合物等を用いることができ、具体的には、エポミックR362、R364、R365、R366、R367、R369(以上、三井石油化学工業社製)、エポトートYD−011、YD−012、YD−014、YD−904、YD−017、(以上、東都化成社製)、エポコート1002、1004、1007(以上、シェル化学社製)等の市販品が挙げられる。
本発明のプロセスカートリッジは、感光体及び感光体の表面に形成された静電潜像を本発明の現像剤で現像する現像装置を少なくとも一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在である。なお、プロセスカートリッジは、上記以外に、感光体の表面を帯電させる帯電ブラシ等の帯電装置と、感光体の表面に残存する現像剤を払拭するブレード等のクリーニング装置等をさらに一体に支持してもよい。
図2に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。本プロセスカートリッジは、感光体35、帯電装置34、現像装置30、クリーニング装置37をケース32に一体に結合して構成され、複写機、プリンター等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成される。このとき、現像装置においては、本発明の現像剤を用いて現像が行われる。
Fe2O3、CuO、及びZnOからなる混合物を、湿式ボールミルを用いて粉砕物の粒子径が1μm以下になるように粉砕した。このようにして得られた粉砕物にポリビニルアルコールを添加し、次いで、スプレードライヤーにより造粒を行った。この造粒物を電気炉で焼成した後、解砕し、分級し、粒度調整して芯材1を得た。この芯材1の成分分析を行ったところ、Fe2O3が46mol%、CuOが27mol%、ZnOが27mol%であった。
次に、シリコーン樹脂(SR2411、東レダウコーニングシリコーン株式会社製)に対して、比表面積が800m2/gの導電性カーボンをシリコーン樹脂の固形分に対して5質量%、及び平均粒子径0.3μmのアルミナ粒子をシリコーン樹脂の固形分に対して20質量%となるように調製した液を、ホモジナイザーを使用して、30分間分散させた。得られた分散液を固形分が10質量%になるように希釈し、この希釈液に、
H2N(CH2)3Si(OCH3)3
で表されるアミノシランカップリング剤をシリコーン樹脂の固形分に対して3質量%添加して混合し、被覆層塗布液を得た。
次に、芯材1に対して被覆層塗布液を、流動床型コーティング装置を用いて、100℃の雰囲気下で、50g/分の割合で塗布した。更に、250℃で2時間加熱して、表1及び表2に示す特性を有する、平均被覆層厚みが0.6μmのキャリア1を作製した。
キャリア製作例1において、分級及び粒度調整条件を変えた芯材2を用いた以外は、キャリア製作例1と同様にして、表1及び表2に示す特性を有する、平均被覆層厚みが0.6μmのキャリア2を作製した。
芯材1の表面をプラズマ処理した後、分級し、粒度調整した芯材3を用いた以外は、キャリア製作例1と同様にして、表1及び表2に示す特性を有する、平均被覆層厚みが0.6μmのキャリア3を作製した。
キャリア作製例3において、比表面積が800m2/gの導電性カーボンの代わりに比表面積が1270m2/gの導電性カーボンを用いた以外は、キャリア作製例3と同様にして、表1及び表2に示す特性を有する、平均被覆層厚みが0.6μmのキャリア4を作製した。
芯材2の表面をプラズマ処理した後、分級し、粒度調整した芯材4を用いた以外は、キャリア製作例1と同様にして、表1及び表2に示す特性を有する、平均被覆層厚みが0.6μmのキャリア5を作製した。
キャリア作製例5において、比表面積が800m2/gの導電性カーボンをシリコーン樹脂の固形分に対して10質量%となるように調整した以外は、キャリア製作例5と同様にして、表1及び表2に示す特性を有する、平均被覆層厚みが0.6μmのキャリア6を作製した。
キャリア作製例3において、比表面積が800m2/gの導電性カーボンを添加しないこと以外は、キャリア製作例3と同様にして、表1及び表2に示す特性を有する、平均被覆層厚みが0.6μmのキャリア7を作製した。
キャリア作製例3において、平均被覆層厚みが0.2μmであること以外は、キャリア製作例3と同様にして、表1及び表2に示す特性を有するキャリア8を作製した。
キャリア製作例3において、平均粒子径0.3μmのアルミナ粒子の代わりに、疎水性シリカ(R972、日本アエロジル株式会社製)を被覆層塗布液の固形分量に対して20部を添加して被覆層を形成した以外は、キャリア製作例3と同様にして、表1及び表2に示す特性を有する、平均被覆層厚みが0.6μmのキャリア9を作製した。
キャリア製作例3において、平均粒子径0.3μmのアルミナ粒子の代わりに、粒子径15nmのルチル型酸化チタン粒子を被覆層塗布液の固形分量に対して20部を添加して被覆層を形成した以外は、キャリア製作例3と同様にして、表1及び表2に示す特性を有する、平均被覆層厚みが0.6μmのキャリア10を作製した。
Fe2O3、CuO、及びZnOからなる混合物を、湿式ボールミルを用いて粉砕物の粒子径が0.7μm以下になるように粉砕した。このようにして得られた粉砕物にポリビニルアルコールを添加し、次いで、スプレードライヤーにより造粒を行った。この造粒物を電気炉で焼成した後、解砕、分級し、粒度調整した粒子の表面をプラズマ処理した後、分級、粒度調整して芯材5を得た。この芯材5の成分分析を行ったところ、Fe2O3が46mol%、CuOが27mol%、ZnOが27mol%であった。
得られた芯材5に実施例1と同様にして被覆層を設け、250℃にて2時間加熱し、乾燥させて、表1及び表2に示す特性を有する、平均被覆層厚みが0.6μmのキャリア11を作製した。
Fe2O3、及びMnOからなる混合物を、湿式ボールミルを用いて粉砕物の粒子径が1μm以下になるように粉砕した。このようにして得られた粉砕物にポリビニルアルコールを添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒を行った。この造粒物を電気炉で焼成した後、解砕、分級し、粒度調整した粒子の表面をプラズマ処理した後、分級、粒度調整して芯材6を得た。この芯材6の成分分析を行ったところ、Fe2O3が78mol%、MnOが22mol%であった。
得られた芯材6に実施例1と同様にして被覆層を設け、250℃にて2時間加熱し、乾燥させて、表1及び表2に示す特性を有する、平均被覆層厚みが0.6μmのキャリア12を作製した。
キャリア製作例12において、粉砕物の粒子径を2.5μm以下とすること以外は全く同様にして、表1及び表2に示す特性を有する、平均被覆層厚みが0.6μmのキャリア13を作製した。
粒度調整した平均粒径40μmの不定形鉄粉の表面をプラズマ処理した後、分級、粒度調整して芯材8を得た。
得られた芯材8に実施例1と同様にして被覆層を設け、250℃にて2時間加熱し、乾燥させて、表1及び表2に示す特性を有する、平均被覆層厚みが0.6μmのキャリア14を作製した。
100部のキャリア1に対して、株式会社リコー製のImagioColor4000用標準イエロートナー8部を加えて、ターブラミキサーで攪拌し、現像剤を作成した。この現像剤をImagioColor4000に装着し、単色モードで10分間攪拌した後の色濁りを評価した。
キャリア1の代わりに、表2に示すキャリアを用いた以外は比較例1と同様にして色濁りを評価した。
100部のキャリア1に対して、株式会社リコー製のImagioColor4000用標準マゼンタトナー8部を加えて、ターブラミキサーで攪拌し、現像剤を作成した。この現像剤をImagioColor4000に装着し、単色モードで10分間攪拌した後の粒状度、地汚れ、キャリア付着を評価した。
キャリア1の代わりに、表2に示すキャリアを用いた以外は比較例5と同様にして、粒状度、地汚れ、キャリア付着を評価した。
(1)色濁り
JIS Z8730のL*a*b*表色系による色差ΔE* abで評価した。ΔE* aを評価する際は、ImagioColor4000用標準イエロー現像剤をImagioColor4000(リコー製デジタルカラー複写機・プリンター複合機)に装着し、単色モードで10分間攪拌した後の画像を基準色とした。ΔE* abは、式
ΔE* ab={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2
で示される。ここで、ΔL*、Δa*及びΔb*は、それぞれ基準色と評価サンプルとの明度L*、色座標a*及び色座標b*の差である。一般に、ΔE* abが2.5以下であれば、サンプルを離して判定した時に、ほぼ同一と認めることができる。
評価結果は表3に示すとおりである。
なお、画像はイマジオカラー4000を使用し、次の現像条件で作成した。
現像ギャップ(感光体−現像スリーブ):0.35mm
ドクターギャップ(現像スリーブ−ドクター):0.65mm
感光体線速度:200mm/sec
(現像スリーブ線速度/感光体線速度)=1.80
書込み密度:600dpi
帯電電位(Vd):−600V
画像部(べた原稿)にあたる部分の露光後の電位(Vl):−150V
現像バイアス:直流バイアス成分:−500V/
交流バイアス成分:2KHZ、−100V〜−900V、
50%duty
下記式で定義された粒状度(明度範囲:50〜80)を測定し、その数値を、
(大変良好):0以上0.1未満、
○(良好):0.1以上0.2未満、
△(使用可能):0.2以上0.3未満、
×(使用不可):0.3以上
のランクに置き換えて評価した。評価結果は表4にとおりである。
粒状度=exp(aL+b)∫(WS(f))1/2・VTF(f)df
L :平均明度
f :空間周波数(cycle/mm)
WS(f) :明度変動のパワースペクトラム
VTF(f) :視覚の空間周波数特性
a、b :係数
画像上の地肌部の汚れを目視で評価し、
◎:大変良好
○:良好
×:不良(許容不可のレベル)
として、判定した。判定結果は表4に示すとおりである。
キャリア付着が発生しても一部のキャリアしか紙に転写してこないため、感光体上から粘着
テープで転写して評価した。具体的には、帯電電位(Vd)を−750V、現像バイアス(V
b)をDC−400Vに固定し、地肌部(未露光部)を現像し、感光体上の30cm2に付着し
たキャリアの個数を直接カウントしてキャリア付着の評価を行い、
◎:大変良好
○:良好
×:不良(許容不可のレベル)
として、判定した。判定結果は表4に示すとおりである。
32 ケース
34 帯電装置
35 感光体
37 クリーニング装置
101 セル
102a 電極
102b 電極
103 キャリア
Claims (11)
- 磁性を有する芯材粒子及び該芯材粒子の表面に形成された被覆層からなるキャリアにおいて、
前記芯材粒子の粒子密度が4.0〜6.0g/cm3であり、
前記芯材粒子の嵩密度ρbに対する前記芯材粒子の粒子密度ρpの比(ρp/ρb)が1.6〜1.9であり、
前記被覆層が少なくともシリコーン樹脂及び導電性カーボンを含有し、かつ、
前記キャリアの体積抵抗率が1×1011〜1×1016Ω・cmである、
ことを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。 - 前記芯材粒子の粒子密度が4.5〜5.5g/cm3であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真現像剤用キャリア。
- 前記導電性カーボンの比表面積が1000m2/g以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真現像剤用キャリア。
- 前記キャリアの重量平均粒径が22〜32μmであり、
前記キャリアの個数平均粒径に対する重量平均粒径の比が1.0〜1.2であり、
前記キャリアの粒径が0.02〜20μmである粒子の含有量が0〜7重量%、かつ、
粒径が0.02〜36μmである粒子の含有量が90〜100重量%である、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。 - 前記芯材粒子の磁化は、1kOeの磁界中において、65〜120emu/gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
- 前記被覆層は、アミノシランカップリング剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
- 前記被覆層は、硬質粒子をさらに含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
- 前記硬質粒子は、Siの酸化物からなる粒子、Tiの酸化物からなる粒子及びAlの酸化物からなる粒子の少なくとも一つを含有することを特徴とする請求項7に記載の電子写真現像剤用キャリア。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のキャリア及びトナーからなることを特徴とする二成分系現像剤。
- 感光体及び該感光体の表面に形成された静電潜像を請求項9に記載の現像剤で現像する現像装置を少なくとも一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 少なくとも、感光体の表面に形成された静電潜像を請求項9に記載の現像剤で現像する現像工程と、該感光体上に現像された画像を画像記録媒体に転写する転写工程と、感光体の表面に残存する該現像剤を払拭するクリーニング工程を有することを特徴とする画像形成方法。
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