JP2010122411A - 静電潜像現像用キャリア、現像剤、画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともシラノール基または加水分解可能な官能基を有するシリコーン樹脂を、芯材に被覆および硬化反応させたキャリアであって、前記シリコーン樹脂の固形分重量に対して無機スズ系触媒を1〜4重量%含む。
【選択図】図1
Description
上記のように、本発明にかかる電子写真現像剤用キャリアは、無機スズ系触媒を含有するシリコーン系樹脂をキャリア芯材の周囲に被覆してなるものである。
本発明に用いるシリコーン樹脂は、シラノール基(−Si(OH)3)または加水分解可能な官能基を有しているものを少なくとも1種類以上使用すればよく、特に限定されるものではないが、メチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂、或いはアクリル、エポキシ、ウレタン、ポリエチレンまたはアルキッド等で変性した各変性シリコーン樹脂を挙げることができる。
また、必要に応じて、その他の樹脂を混ぜて用いてもよく、キャリア用被覆樹脂として一般的に用いられているものを使用することができる。例えば、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シラノール基または加水分解可能な官能基を有していない反応しないシリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明における無機スズ系触媒とは、Sn−C結合を有さないスズ系触媒を言う。より具体的には、有機酸のスズ塩等が含まれ、オクタン酸スズ、ネオデカン酸スズ等が好ましい。
この無機スズ系触媒の含有量は、シリコーン樹脂の固形分重量に対して1〜4重量%とするのが好ましい。これは1重量%未満であると添加効果が発現されず、帯電性が低く樹脂強度も低くなる。一方、4重量%を超えて添加しては被膜強度が脆くなる。
上記有機シリコーン樹脂中配合される導電性剤はキャリアの抵抗、帯電性等を調整するものであり、例えば導電性カーボン、ホウ化チタン等のホウ化物、酸化チタンや酸化鉄、酸化クロム等の酸化物等の導電性能を有する全てのものを使用することができるが、特に白黒用として、キャリア抵抗を調整するものとしては導電性カーボンを使用することが特に好ましい。
上記導電性カーボンとしては、特に限定されるものではなく、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック等の公知の導電性カーボン剤を挙げることができる。
また、フルカラー用としては、カーボンブラックの画像への混色があるため、特に白色導電性剤が好ましく、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)、硫酸バリウム(BaSO4)等からなる粉体表面にアンチモン(Sb)、タングステン(W)、リン(P)等を固溶させた酸化スズ(SnO2)の導電層を有し、導電層の厚みが5〜50Å程度を有する白色系の導電性剤が特によく、これらの導電性剤を2種類以上組み合わせてもよい。
これらの導電性剤の含有量は、シリコーン樹脂に対して、0.5〜100重量%が好ましく、さらには1〜50重量%、特には5〜20重量%が好ましい。これは、導電性剤の含有量が0.5重量%未満であると、導電性が十分に発揮されず、一方100重量%を超えた場合には、樹脂中に十分に保持しえないからである。
本発明で使われる核体粒子は既存の磁性体でよく、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金や化合物、これら磁性体の微粉を結着剤樹脂中に分散させた樹脂核体粒子等である。また、近年著しく進む環境面への配慮をし、フェライトであれば、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、例えば、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Srフェライト等を用いることが好適である。
また、芯材の重量平均粒径は20μm以上65μm以下であることが好ましい。重量平均粒径が20μm未満の場合は、粒子の均一性が低下することと、マシン側で充分使いこなす技術が確立できていないことにより、キャリア付着などの問題が生じ好ましくない。一方、65μmを超える場合には、画像細部の再現性が悪く精細な画像が得られないので、好ましくない。
さらに、静電潜像現像用現像剤において、前記キャリアの1000(103/4π・A/m)における磁気モーメントが、40(Am2/kg)以上90(Am2/kg)以下であることが好ましい。
上記シリコーン系樹脂の上記キャリア芯材に対する被覆量としては、キャリア芯材に対して0.05〜10.0重量%とするのが好ましく、特に0.1〜7.0重量%が好ましい。シリコーン系樹脂の被覆膜厚はキャリア芯材の比表面積に応じて調整し、キャリア芯材の露出部分を少なくすることが必要であり、このことによって現像剤の抵抗、帯電量、流動性の変化を小さくすることができる。この被覆膜厚は0.02〜2.0μm程度とするのが好ましい。
上記シリコーン系樹脂の被覆方法としては、シリコーン系樹脂を溶剤に希釈し、キャリア芯材の表面に被覆するのが一般的である。ここに用いられる溶剤は、上記シリコーン系樹脂に可溶なものであればよく、例えばトルエン、キシレン、セロソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール等を挙げることができる。また、キャリア芯材表面に、溶剤で希釈された樹脂を被覆する方法は、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、混練法等の方法により塗布され、その後、溶剤を揮発させる。本発明では、特に、流動床コーティング装置を用いたコート法を適用することが膜厚の均一性を向上させる点から好ましい。なお、溶剤を用いることのない乾式法によってキャリア芯材表面に樹脂粉を被覆することも可能である。
上記シリコーン系樹脂をキャリア芯材表面に被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式等のいずれの方法でもよい。例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリーキルン式電気炉、バーナー炉等でもよく、若しくはマイクロウェーブによる焼き付けであってもよい。この焼き付けの温度は、使用するシリコーン系樹脂により適宜設定すればよく、融点またはガラス転移点以上の温度とすることは必要であり、また熱硬化性または縮合型の場合には、十分に硬化が進行する温度以上にまで上げる必要がある。
このようにして、キャリア芯材表面にシリコーン系樹脂が被覆、焼き付けされた後、冷却され、解砕、粒度調整を経て、シリコーン系樹脂被覆キャリアが得られる。
得られたキャリアは、トナーと混合して、電子写真用二成分系現像剤として用いられる。ここに用いられるトナーとしては、結着樹脂中に荷電制御剤、着色剤等のトナー原材料を分散させたものである。
上記トナーに使用される結着樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、さらにロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらは単独または混合して用いられる。
荷電制御剤としては、任意のものを使用でき、例えば正荷電性トナーであれば、ニグロシン系染料、四級アンモニウム塩等を挙げることができ、負荷電性トナーであれば、含金属モノアゾ系染料を挙げることができる。
着色剤としては、従来より公知の染料または顔料を使用でき、例えばカーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を挙げることができる。
その他トナーの流動性、耐凝集性向上のために、シリカ微粉体、チタニア粉体等の外添剤をトナーに必要に応じて加えることができる。
トナーの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば結着樹脂、荷電制御剤、着色剤をヘンシェルミキサー等の混合機で十分混合し、次いで、二軸押出機等を用いて、溶融・混練し、冷却後、粉砕、分級し、外添剤を添加後、ミキサー等で混合することにより得られる。
次に、本発明の画像形成方法は、上記本発明のキャリアを含有する現像剤を用いるものであり、静電潜像形成工程、現像工程及び転写工程を少なくとも有し、必要に応じて、適宜選択したその他の工程、例えば、定着工程、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等をさらに有してもよい。
現像装置は、本発明の現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、本発明の現像剤を収容し、静電潜像に現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像剤担時体を少なくとも有するものが挙げられ、現像剤入り容器を着脱自在に備えていることが好ましい。現像装置は、乾式現像方式及び湿式現像方式のいずれであってもよく、また、単色用現像装置及び多色用現像装置のいずれであってもよく、例えば、現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラを有するもの等が挙げられる。現像装置内では、例えば、トナーとキャリアが混合攪拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラは、感光体の近傍に配置されているため、マグネットローラの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって、感光体の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて、感光体の表面に可視像が形成される。なお、トナーを感光体の表面に移動させる際には、交番電界を印加することが好ましい。
転写装置は、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する一次転写装置と、複合転写像を被転写体上に転写する二次転写装置を有する態様が好ましい。
転写装置(一次転写装置、二次転写装置)は、感光体上に形成された可視像を被転写体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有することが好ましい。転写装置は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器等が挙げられる。
中間転写体は、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が挙げられる。
被転写体は、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
定着装置は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の定着部材を用いて加熱加圧定着させるものが好ましい。定着部材は、ローラ状又はベルト状であることが好ましく、例えば、加熱ローラ及び加圧ローラの組み合わせ、加熱ローラ、加圧ローラ及び無端ベルトの組み合わせ等が挙げられる。このとき、加熱温度は、通常、80〜200℃であることが好ましい。
本発明において、定着装置としては、発熱体を具備する加熱体、加熱体と接触するフィルム及びフィルムを介して加熱体と圧接する加圧部材を有し、フィルム及び加圧部材の間に、未定着画像が形成された被転写体を通過させて加熱加圧定着する手段を用いることができる。
なお、目的に応じて、定着装置と共に、又は定着装置に代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
除電装置は、特に制限はなく、感光体に除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が挙げられる。
クリーニング装置は、特に制限はなく、感光体上に残留するトナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が挙げられる。
リサイクル装置は、特に制限はなく、例えば、公知の搬送手段等が挙げられる。
制御装置としては、各工程の動きを制御することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
芯材として体積平均粒径;35μm焼成フェライト粉を用い、下記表1に示す原材料を分散した被覆膜形成溶液を、芯材5kgに対して100gをスピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度50℃で塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて250℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し、実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例4のキャリアを得た。
上記実施例1〜実施例4、比較例1〜比較例4により得られた各キャリアとポリエステル系負極性トナーをトナー濃度7重量%になるように混合し、市販のデジタル複写機(リコー社製 Imagio MP C4500)にて耐刷試験を行った。その結果を表1に示す。
なお、表1において、キャリア物性の測定は、下記の評価装置を用いて行った。
実施例および比較例のキャリアと、上記Imagio P C4500に使用されているBk(黒色)トナーを、93:7の重量割合で混合し、東芝ケミカル社製ブローオフ粉体帯電量測定機により測定した。
本発明でいうキャリアの体積固有抵抗とは、表面積2.5cm×4cmの電極2枚を電極間距離0.2cmを保って収容したフッ素樹脂製容器からなるセルに、キャリアを充填し、落下高さ:1cm、タッピングスピード:30回/min、タッピング回数:10回のタッピングを行う。次に、両電極間に1000Vの直流電圧を印加し、30秒後の抵抗値を、ハイレジスタンスメーター4329A(横川ヒューレットパッカード社製:High Resistance Meter)により測定し、得られた抵抗値rを体積固有抵抗Rに変換し、対数を取って表示する。
実施例および比較例のキャリアと、上記Imagio MP C4500に使用されているBkトナーを、93:7の割合で混合し、Bk色の現像剤を作製した。Bk色現像用の現像機に現像剤をセットした後、100,000枚のランニング評価を行った。このときランニング評価は、各色画像面積率5%で評価を行った。そして、このランニングを終えたキャリアの帯電量、体積固有抵抗をもって判断した。
帯電量は20μC/g以上であれば○とした。体積固有抵抗は10.0乗以上であれば○とした。両方が○となるキャリアを総合評価○とした。
14、15、16 支持ローラ
17 クリーニング装置
18 画像形成ユニット
20 帯電装置
22 二次転写装置
23 支持ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第一走行体
34 第二走行体
35 結像レンズ
36 読み取りセンサ
40 現像装置
49 レジストローラ
50 中間転写体
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
60 クリーニング装置
61 現像装置
62 転写帯電器
70 除電装置
80 転写ローラ
120 画像形成手段
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (8)
- 少なくともシラノール基または加水分解可能な官能基を有するシリコーン樹脂を芯材に被覆および硬化反応させたキャリアであって、前記シリコーン樹脂の固形分重量に対して無機スズ系触媒を1〜4重量%含むことを特徴とする静電潜像現像用キャリア。
- 前記無機スズ系触媒がオクタン酸スズであることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
- 前記無機スズ系触媒がネオデカン酸スズであることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
- 前記シリコーン樹脂中に導電性微粒子を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載のキャリアと、トナーを含有することを特徴とする二成分現像剤。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項5に記載の現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を転写材上に転写する転写工程と、該転写材上に転写されたトナー画像を定着させる定着工程とを少なくとも有することを特徴とする画像形成方法。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項5に記載の現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、該トナー画像を転写材上に転写する転写手段と、該転写材上に転写されたトナー画像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
- 静電潜像担持体及び該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項5に記載の現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段とを少なくとも一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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