JP4410711B2 - 電子写真現像剤用キャリアおよび現像剤 - Google Patents
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Description
二成分現像方式は、キャリアを使用することから、トナーに対する摩擦帯電面積が広いため、一成分方式に比較して、帯電特性が安定しており、長期にわたって高画質を維持するのに有利である。また、現像領域へのトナー量供給能力が高いことが特徴であり、レーザービームなどで感光体上に静電潜像を形成し、この潜像を顕像化するデジタル方式の電子写真システムにおいて、前述の特徴を活かした二成分現像方式が広く採用されている。
例えば、特許文献1では、スピネル構造をもつフェライト粒子からなる、平均粒径が30μm未満の磁性キャリアが提案されている。これは、樹脂コートされていないキャリアであって、低い現像電界のもとで使用するものであり、現像能力に乏しく、また樹脂コートされていないため、寿命が短い。
(1)単位体積当りの表面積が広いため、個々のトナーに充分な摩擦帯電を与えることができ、低帯電量トナー、逆帯電量トナーの発生が少ない。その結果、地汚れが発生しにくくなり、また、ドット周辺のトナーのちり、にじみが少なくドット再現性が良好となる。
(2)単位体積当りの表面積が広く、地汚れが発生しにくく、現像により充分な画像濃度が得られる。
(3)小粒径キャリアは、緻密な磁気ブラシを形成し、かつ穂の流動性が良いため、画像に穂跡が発生しにくいという特徴がある。
即ち、画像の地肌部や画像部へのキャリア付着は、Fm<Fcとなったときに、キャリア粒子、または切断された磁気ブラシの形態で付着することにより生じる(ただし、Fm:磁気束縛力、Fc:キャリア付着を引き起こす力である)が、ここで、
キャリア付着を引き起こす力Fcは、現像ポテンシャル、地肌ポテンシャル、キャリアにかかる遠心力、キャリアの抵抗、および現像剤帯電量に関係している。
従って、キャリア付着を起こり難くするため、キャリアのFmを大きくするか、現像剤帯電量を小さくする、あるいは、キャリアの抵抗を小さくすることでキャリアに残るトナーのカウンターチャージを減らすことが有効である。
しかし、一方で、キャリアの抵抗を小さくすると、誘導によりキャリアに電荷が誘起され、キャリア付着を起こりやすいと言う課題がある。
ここで言うキャリア付着とは、静電潜像の画像部又は地肌部にキャリアが付着する現象を示す。
(1)「磁性を有する芯材粒子と該粒子表面を被覆する樹脂層とからなり、重量平均粒径Dwが22〜50μm、かつ重量平均粒径Dwと個数平均粒径Dpとの比Dw/Dpが1〜1.30である電子写真現像剤用キャリアであって、前記樹脂層は、遠心転動造粒コーティング装置を用いてコーティングしたものであり、測定電界強度100V/mm、およびに1000V/mmおける電気抵抗率LogR(Ωcm)が10.0〜14.0であることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。」
(2)「電気抵抗率LogR(Ωcm)が10.0〜13.0であることを特徴とする前記(1)に記載の電子写真現像剤用キャリア。」
(3)「被覆層に抵抗調整剤を含有したことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の電子写真現像剤用キャリア。」
(4)「1000エルステッドの磁界を印加したときの該芯材粒子の磁気モーメントが、50emu/g〜150emu/gであることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。」
(5)「キャリア芯材がMnMgSr系フェライトであることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。」
(6)「キャリア芯材がMnフェライトであることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。」
(7)「キャリア芯材がマグネタイトであることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。」
(8)「嵩密度が2.10〜2.50g/cmである芯材を使用することを特徴とする前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。」
(9)「前記樹脂層は、固形分含有率0.1〜5重量%のコート液を、前記コーティング装置における単時間当りの溶媒の回収量の0.1〜1.5倍供給して形成されたものであることを特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。」
(10)「トナーとキャリアからなる電子写真用現像剤において、該キャリアとして、前記(1)乃至(9)のいずれかに記載のキャリアを用いることを特徴とする電子写真用現像剤。」
(11)「トナーとキャリアとからなる電子写真用現像剤であって、該キャリアが前記(1)乃至(9)のいずれかに記載のキャリアであり、該トナーによるキャリアの被覆率が50%のときの該トナーの帯電量が10〜50μc/gであることを特徴とする電子写真用現像剤。」
(12)「感光体、前記(10)又は(11)に記載の電子写真用現像剤と、現像スリーブを用い、現像スリーブと感光体の距離が0.4mm以下であり、かつ現像バイアスとして交流電圧及び/またはDC電圧を印加することを特徴とする電子写真現像方法。」
磁性を有する芯材粒子と該粒子表面を被覆する樹脂層とからなり、重量平均粒径Dwが22〜50μm、かつ重量平均粒径Dwと個数平均粒径Dpとの比Dw/Dpが1〜1.30である電子写真現像剤用キャリアである。好ましくは、Dwが23μm〜45μm、比Dw/Dpが1〜1.25の範囲である。重量平均粒径Dwが前記範囲よりも大きいと、キャリア付着が起こりにくくなるが、潜像に対してトナーが忠実に現像されなくなって、ドット径のバラツキが大きくなり粒状性が低下する。
即ち、低抵抗キャリアは、現像能力は高いが、電界強度が大きくなると、抵抗が急激に低下するため、誘導によるキャリア付着が起きやすい(抵抗の電界依存性が大、即ち、若干の電界強度の変化によりキャリア付着、画質低下を生じやすい)。
一方、従来のいわゆる高抵抗キャリアは、低電界から中電界強度の範囲では抵抗が高い。
しかし、高電界が印加されると、芯材抵抗、あるいはそれ以下のレベルまで抵抗が小さくなることが分かった。
従って、高抵抗キャリアは、現像能力が小さく、中電界ではカウンターチャージが蓄積することによるキャリア付着が発生しやすく、また、高電界では抵抗が下がり、誘導型のキャリア付着も混在して発生することが分かった。
図中のキャリアは被膜中の抵抗調整剤の含有量によって、抵抗値を変化させたものであり、抵抗の制御方法として、従来から行われているものである。図はキャリア膜厚を一定にした場合を表しており、抵抗調整剤を全く含有しないキャリア、および樹脂コートされていない芯材の抵抗についても示してある。
即ち、従来の樹脂被覆キャリアの表面は、場所によって、被膜厚みのバラツキ、組成のバラツキ、およびピンホールが多数存在し、それらの存在によって高電界領域の抵抗が芯材抵抗のレベルに収束することが分かった。
即ち、高画質化のために、感光体上に形成されるデジタル潜像は、ますます高密度されて来ている。その潜像を現像するのに強い現像電界を採用する現像システムが主流となっているからである。
感光体の静電容量を大きくするには、膜厚を薄くしたり、感光体の比誘電率を大きくする(たとえばα−シリコン)ことが実施されている。
本発明のキャリアは、測定電界強度100V/mm、およびに1000V/mmにおいて、電気抵抗率LogR(Ωcm)の電界強度依存性が小さく、10.0〜14.0の範囲を示すものである。
この場合の重量平均粒径Dwは次式で表わされる。
また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子粒径の下限値を採用した。
また、本発明においてキャリア及びキャリア芯材粒子における個数平均粒径Dpは、個数基準で測定された粒子の粒径分布に基づいて算出されたものである。この場合の個数平均粒径Dpは以下の式で表わされる。
その測定条件は以下の通りである。
[1]粒径範囲:100〜8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
上記キャリア抵抗率は、次の方法により、測定することができる。
図1に示すように、電極間距離1mm、表面積2.5×4cmの電極(12a)、(12b)を収容したフッ素樹脂製容器からなるセル(11)にキャリア(13)を充填し、両極間に所定の直流電圧を印加し、R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER(ADVANTEST社製)にて直流抵抗を測定し、電気抵抗率LogR(Ωcm)を算出する。
これらの導電性微粉末は、以下の方法、即ち、コーティングに使用する溶媒、あるいは被覆用樹脂溶液に導電性微粉末を投入後、ボールミル、ビーズミルなどメディアを使用した分散機、あるいは高速回転する羽根を備えた攪拌機を使用することによって均一に分散することができる。
キャリア芯材粒子の磁化が前記範囲よりも小さくなると、キャリア付着が生じやすくなるので好ましくない。
本発明のキャリアを構成する芯材粒子の材料としては、従来公知の各種の磁性材料が用いられる。
B−Hトレーサー(BHU−60/理研電子(株)製)を使用し、円筒のセルにキャリア芯材粒子1.0gを詰めて装置にセットする。磁場を徐々に大きくし、3000エルステッドまで変化させ、次に徐々に小さくして零にした後、反対向きの磁場を徐々に大きくし3000エルステッドとする。更に、徐々に磁場を小さくして零にした後、最初と同じ方向に磁場をかける。このようにして、BHカーブを図示し、その図より1000エルステッドの磁化を算出する。
フェライトとは、一般に下記式で表わされる焼結体である。
本発明において、より好ましく用いられる1000エルステッドの磁場を印加
したときの磁化が70emu/g以上の芯材粒子としては、例えば、鉄系、マグネタイト系、Mn−Mg−Sr系フェライト、Mn系フェライトなどが挙げられる。
嵩密度が小さいと、1KOeの磁化(emu/g)が大きくても、1粒子当たりの実質的な磁化の値が小さくなるため、キャリア付着に対して不利である。
また、凹凸が大きいと場所によりコート樹脂の厚みが違ってきて、帯電量、および抵抗の不均一性を生じ易く、経時での耐久性、キャリア付着などに影響を与える。
嵩密度を大きくするには、焼成温度を高くすることなどにより可能であるが、芯材同士が融着し易くなり、解砕し難くなるため2.60未満が好ましい。したがって、好ましくは、2.10〜2.60g/cm3であり、より好ましくは2.35〜2.50g/cm3である。
本発明のキャリアとトナーとからなる現像剤において、トナーによるキャリアの被覆率は、10〜90%、好ましくは20〜80%である。また、本発明の現像剤において、トナーによるキャリアの被覆率が50%のときのトナーの帯電量は、好ましくは10〜50μc/g、より好ましくは15〜30μc/gである。
帯電量が10μc/gより低いと、地汚れ、およびトナー飛散が多くなる。また、50μc/gより大きいとキャリア付着が起き易くなる。30μc/g未満ではキャリア付着が大変良好である。
一定量の現像剤を、両端に金属メッシュを備えた導体容器(ケージ)に入れる。メッシュ(ステンレス製)の目開きはトナーとキャリアの粒径の中間のもの(目開き20μm)選び、トナーがメッシュの間を通過するように設定する。ノズルから圧縮窒素ガス(1kgf/cm2)を60秒間吹き付けて、トナーをゲージの外へ飛び出させると、ケージ内にトナーの電荷と逆極性を持ったキャリアが残される。
その電荷量Qと、飛び出したトナーの質量Mを測定し、単位質量当たりの電荷量を帯電量Q/Mとして算出する。トナー帯電量はμc/gで表示される。
なお、前記被覆率は以下の式で算出される。
該アリル基には、各種の置換基が結合していてもよい。
上記変性シリコーン樹脂の具体例としては、エポキシ変性物:ES−1001N、アクリル変性シリコーン:KR−5208、ポリエステル変性物:KR−5203、アルキッド変性物:KR−206、ウレタン変性物:KR−305(以上、信越化学工業社製)、エポキシ変性物:SR2115、アルキッド変性物:SR2110(東レダウコーニングシリコーン社製)などが挙げられる。
ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。これら樹脂/シリコーン樹脂の混合比範囲は、樹脂の種類及び相溶性にもよるが(一般的にストレートシリコーンは組成によっては相溶性が劣る場合がある)、一般的に、0/100〜60/40、好ましくは0/100〜50/50、より好ましくは0/100〜40/60である。
キャリア芯材粒子表面上に形成する樹脂層の厚みは、通常0.02〜1μm、好ましくは0.03〜0.8μmである。
スチレン系バインダー樹脂として、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;アクリル系バインダーとして、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレーが挙げられ、その他、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂肪族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。
また、ポリエステル樹脂は、スチレン系やアクリル系樹脂に比して、トナーの保存時の安定性を確保しつつ、より溶融粘度を低下させることが可能である。このようなポリエステル樹脂は、例えば、アルコールとカルボン酸との重縮合反応によって得ることができる。
離型材料としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ホホバワックス、ライスワックス、モンタン酸ワックス等を単独または混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。
なお、トナー粒径はコールターカウンター(コールターカウンター社製)を用いて測定した。
本発明の現像方法は、前記した本発明のキャリア、トナー、および現像剤を用いて潜像を現像する方法である。該方法においては、外部から印加する現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳させた交流電圧を印加すると、充分な画像濃度が得られる。特に、ハイライトの粒状性が良好となる。
図3は、本発明の電子写真現像方法および現像装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図3において、潜像担持体である感光体ドラム(20)に対向して配設された現像装置(40)は、現像剤担持体としての現像スリーブ(41)、現像剤収容部材(42)、規制部材としてのドクターブレード(43)、支持ケース(44)等から主に構成されている。
感光体ドラム(20)側に開口を有する支持ケース(44)には、内部にトナー(21)を収容するトナー収容部としてのトナーホッパー(45)が接合されている。トナーホッパー(45)に隣接した、トナー(21)とキャリア粒子(23)とからなる現像剤を収容する現像剤収容部(46)には、トナー粒子(21)とキャリア粒子(23)を撹拌し、トナー粒子に摩擦/剥離電荷を付与するための、現像剤撹拌機構(47)が設けられている。
感光体ドラム(20)とトナーホッパー(45)との間の空間には、現像スリーブ(41)が配設されている。図示しない駆動手段で図の矢印方向に回転駆動される現像スリーブ(41)は、キャリア粒子(23)による磁気ブラシを形成するために、その内部に現像装置(40)に対して相対位置不変に配設された、磁界発生手段としての図示しない磁石を有する。
現像剤収容部材(42)の、支持ケース(44)に取り付けられた側と対向する側には、規制部材(ドクターブレード)(43)が一体的に取り付けられている。規制部材(ドクターブレード)(43)は、この例では、その先端と現像スリーブ(41)の外周面との間に一定の隙間を保った状態で配設されている。
また、像担持体上に残存するトナー粒子は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード(61)にて、クリーニング機構(60)内のトナー回収室(62)へ回収される。
回収されたトナー粒子は、トナーリサイクル手段(図示せず)により現像部および/またはトナー補給部に搬送され、再使用されても良い。
画像形成装置は、上述の現像装置を複数配置し、転写媒体上へトナー像を順次転写した後、定着機構へ送り、熱等によってトナーを定着する装置であっても良く、一端中間転写媒体上へ複数のトナー像を転写し、これを一括して転写媒体に転写後同様の定着を行なう装置であっても良い。
(トナー製造例1)
ポリエステル樹脂 100部
キナクリドン系マゼンタ顔料 3.5部
含フッ素4級アンモニウム塩 4部
以上の各成分をブレンダーにて充分に混合した後、2軸式押出し機にて溶融混練し、放冷後カッターミルで粗粉砕し、ついでジェット気流式微粉砕機で微粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級して、重量平均粒径6.8μm、真比重1.20のトナー母粒子を得た。
更に、このトナー母粒子100部に対して、疎水性シリカ微粒子(R972:日本アエロジル社製)0.8部を外添し、ヘンシェルミキサーで混合して、トナーIを得た。
(キャリア製造例1)
シリコーン樹脂(SR2411 トーレダウコーニングシリコーン社製)を希釈し、カーボンを樹脂固形分に対して10部加え、ホモミキサーで十分に分散させて、シリコーン樹脂溶液(固形分:2%)を得た。
次に、遠心転動造粒コーティング装置(Granurex:フロイント産業(株)製)を用いて、表1に示すキャリア芯材粒子1(CuZn系フェライト、1KOeの磁化56emu/g)1Kgの各粒子表面上に、上記のシリコーン樹脂溶液を、80℃の雰囲気下で15g/minの緩い供給割合で塗布し、更に230℃で2時間加熱して、膜厚0.23μm、真比重5.0の実施例1のキャリアAを得た。膜厚の調整はコート液量により行なった。
カーボンを樹脂固形分に対して12部加える以外は、製造例1と全く同様にして、膜厚0.24μm、真比重5.0の実施例2のキャリアBを得た。
キャリアCは、表1に示す芯材1そのものを、比較例1のキャリアとして使用した。
重量平均粒径は、28.6μm、個数平均粒径は24.7μm、Dv/Dw=1.17、芯材抵抗は100V/mmにて、LogR(Ωcm)が、8.5であった。
シリコーン樹脂(SR2411 トーレダウコーニングシリコーン社製)を希釈して、シリコーン樹脂溶液(固形分:10%)を得た。
流動床型コーティング装置を用いて、表1に示した性状を持つキャリア芯材粒子1(CuZn系フェライト、1KOeの磁化56emu/g)5Kgの各粒子表面上に、上記のシリコーン樹脂溶液を、90℃の雰囲気下で30g/minの割合で塗布し、更に230℃で2時間加熱して、膜厚0.23μm、真比重5.0の比較例2のキャリアDを得た。膜厚の調整はコート液量により行なった。
抵抗調整剤としてカーボンを、樹脂の固形分に対して、それぞれ5%、7%、10%加え、ホモミキサーで十分に分散させること以外は、製造例4と全く同様にして、比較例3〜5のキャリアE〜キャリアGを得た。
重量平均粒径約68μmのキャリア芯材2を使用する以外は、製造例1と全く同様にして、比較例6のキャリアHを得た。
表1に示すキャリア芯材3を使用する以外は、製造例1と全く同様にして、実施例3のキャリアIを得た。
表1に示すキャリア芯材4を使用する以外は、製造例1と全く同様にして、実施例4のキャリアJを得た。
表1に示すキャリア芯材5を使用する以外は、製造例1と全く同様にして、実施例5のキャリアKを得た。
表1に示すキャリア芯材6を使用する以外は、製造例1と全く同様にして、実施例6のキャリアLを得た。
表1に示すキャリア芯材7を使用する以外は、製造例1と全く同様にして、実施例7のキャリアMを得た。
シリコーン樹脂(SR2411 トーレダウコーニングシリコーン社製)を希釈し、カーボンを樹脂固形分に対して10部加え、ホモミキサーで十分に分散させて、シリコーン樹脂溶液(固形分:2%)を得た。
次に、遠心転動造粒コーティング装置(Granurex:フロイント産業(株)製)を用いて、表1に示すキャリア芯材粒子1(CuZn系フェライト、1KOeの磁化56emu/g)1Kgの各粒子表面上に、上記のシリコーン樹脂溶液を、80℃の雰囲気下で15g/minの割合で塗布し、更に270℃で2時間加熱して、膜厚0.22μm、真比重5.0の実施例8のキャリアNを得た。
ここで、実施例1、比較例1、および比較例5の測定用印加電界に対する電気抵抗率の結果をまとめて、図7のグラフに示す。
前記のトナー製造例1で得たトナーIと、キャリア製造例1〜14で得た実施例1〜8、および比較例1〜6のキャリアA〜Nを用いて、種々の現像剤を製造した。
また、得られた現像剤を用いて画像形成を行ない、その画像品質確認および信頼性試験等の特性試験を行なった。
なお、画像はイマジオカラー4000(リコー製デジタルカラー複写機・プリンター複合機)を使用し、次の現像条件で作成した。
現像ギャップ(感光体−現像スリーブ):0.35mm
ドクターギャップ(現像スリーブ−ドクター):0.65mm
感光体線速度200mm/sec
(現像スリーブ線速度/感光体線速度)=1.80
書込み密度:600dpi
帯電電位(Vd):−650V
画像部(べた原稿)にあたる部分の露光後の電位(Vl):−150V
現像バイアス:直流バイアス成分:−400V/
交流バイアス成分:2KHZ、−100V〜−900V、
50%duty
品質評価は転写紙上で実施、但しキャリア付着は現像後転写前の状態を感光体上から粘着テープに転写して観察した。
(1)画像濃度:上記現像条件における、30mm×30mmのベタ部の中心をX−Rite938分光測色濃度計で、5個所測定し平均値を出す。
粒状度=exp(aL+b)∫(WS(f))1/2VTF(f)df
L:平均明度
f:空間周波数(cycle/mm)
WS(f):明度変動のパワースペクトラム
VTF(f):視覚の空間周波数特性
a,b:係数
ランク
◎(大変良好):0以上0.1未満
○(良好) :0.1以上0.2未満
△(使用可能):0.2以上0.3未満
×(使用不可):0.3以上
評価方法/転写紙上の地肌部(非画像部)に付着しているトナーの個数を数え、1cm2当たり付着個数に換算して、地汚れランクとした。各ランクとトナー付着数(⇒個/cm2)は以下の通りである。
ランク10:0〜36
ランク9:37〜72
ランク8:73〜108
ランク7:109〜144
ランク6:145〜180
ランク5:181〜216
ランク4:217〜252
ランク3:253〜288
ランク2:289〜324
ランク1:325以上
副走査方向に2ドットライン(100lpi/inch)の画像パターンを作成し、直流バイアス400Vを印加して現像し、2ドットラインのライン間に付着したキャリアの個数(面積100cm2)粘着テープで転写し、その個数を以下のようにランクで置き換え、表示した。ランク10が最良。
ランク10:0
ランク9:1〜10個
ランク8:11〜20個
ランク7:21〜30個
ランク6:31〜50個
ランク5:51〜100個
ランク4:101〜300個
ランク3:301〜600個
ランク2:601〜1000個
ランク1:1000個以上
実施例1のキャリアAに対して、トナーの被覆率が50%となるように、トナーIを加え、ボールミルで20分攪拌して、11.3Wt%の現像剤を作成した。キャリアに対するトナーの被覆率は50%であり、トナー帯電量は、−39μc/gであった。
次に、前記現像条件のリコー製イマジオカラー4000を使用し、前述の測定
評価方法により、まず画像品質の確認を行なった。
画像濃度は1.73、ハイライトの均一性は◎、地汚れはランク8、キャリア付着はランク8であった。引き続き、画像面積率6%の文字画像チャートで2万枚のランニング評価を行なった。2万枚ランニング後に、地汚れを確認したところ、地汚れはランク8と良好なレベルであり、高画質が維持されていた。
実施例1〜8のキャリアA、B,I,J,K,L,M,N、及び比較例1〜6のキャリアC,D,E,F,G,Hを用いて、実施例9で作成したと全く同様に作成した現像剤(したがって、実施例1の現像剤=実施例9の現像剤)を用い、現像バイアスとして、DC成分(−400V)のみ印加して画像形成を行ない、実施例9と同様に、品質評価、信頼性の評価を行なった。結果を、表2に示す。
12a 電極
12b 電極
13 キャリア
20 感光体ドラム
21 トナー
23 キャリア
24a 駆動ローラ
24b 駆動ローラ
26 クリーニング前露光光源
32 像担持体帯電部材
33 像露光系
40 現像装置
41 現像スリーブ
42 現像剤収容部材
43 現像剤供給規制部材
44 支持ケース
45 トナーホッパー
46 現像剤収容部
47 現像剤撹拌機構
48 トナーアジテータ
49 トナー補給機構
50 転写機構
60 クリーニング機構
61 クリーニングブレード
64 ブラシ状クリーニング手段
70 除電ランプ
80 中間転写媒体
Claims (12)
- 磁性を有する芯材粒子と該粒子表面を被覆する樹脂層とからなり、重量平均粒径Dwが22〜50μm、かつ重量平均粒径Dwと個数平均粒径Dpとの比Dw/Dpが1〜1.30である電子写真現像剤用キャリアであって、前記樹脂層は、遠心転動造粒コーティング装置を用いてコーティングしたものであり、測定電界強度100V/mm、およびに1000V/mmおける電気抵抗率LogR(Ωcm)が10.0〜14.0であることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
- 電気抵抗率LogR(Ωcm)が10.0〜13.0であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真現像剤用キャリア。
- 被覆層に抵抗調整剤を含有したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真現像剤用キャリア。
- 1000エルステッドの磁界を印加したときの該芯材粒子の磁気モーメントが、50emu/g〜150emu/gであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
- キャリア芯材がMnMgSr系フェライトであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
- キャリア芯材がMnフェライトであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
- キャリア芯材がマグネタイトであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
- 嵩密度が2.10〜2.50g/cmである芯材を使用することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
- 前記樹脂層は、固形分含有率0.1〜5重量%のコート液を、前記コーティング装置における単時間当りの溶媒の回収量の0.1〜1.5倍供給して形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
- トナーとキャリアからなる電子写真用現像剤において、該キャリアとして、請求項1乃至9のいずれかに記載のキャリアを用いることを特徴とする電子写真用現像剤。
- トナーとキャリアとからなる電子写真用現像剤であって、該キャリアが請求項1乃至9のいずれかに記載のキャリアであり、該トナーによるキャリアの被覆率が50%のときの該トナーの帯電量が10〜50μc/gであることを特徴とする電子写真用現像剤。
- 感光体、請求項10又は11に記載の電子写真用現像剤と、現像スリーブを用い、現像スリーブと感光体の距離が0.4mm以下であり、かつ現像バイアスとして交流電圧及び/またはDC電圧を印加することを特徴とする電子写真現像方法。
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