JP4433530B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に搭載する動力伝達装置、更に詳しくは遊星歯車機構を備えた動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊星歯車機構は、サンギヤと、該サンギヤと同心に配設されたリングギヤと、該リングギヤとサンギヤとに噛み合うプラネタリギヤ、および該プラネタリギヤを支持するプラネタリキャリア等の回転要素からなっている。このような遊星歯車機構は、サンギヤとリングギヤおよびプラネタリキャリアの何れか一つを固定し、残りの一方を入力側に他方を出力側にそれぞれ伝動連結することにより、入力側に伝達された動力を遊星歯車機構を介して出力側に伝達することができる。このような遊星歯車機構を備えた動力伝達装置において、遊星歯車機構を構成するサンギヤとリングギヤおよびプラネタリキャリアの何れか一つを固定する手段として、従来はブレーキバンドまたは多板ディスクブレーキが一般に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
而して、ブレーキバンドおよび多板ディスクブレーキは回転力を摩擦力によって制動するため、磨耗が発生し耐久性の面で問題がある。
【0004】
本発明は上記事実に鑑みてなされたもので、その主たる技術的課題は、遊星歯車機構を構成する回転要素の一つに非接触で制動力を与えることができ、かつ、車両の発進等を可能とした多段の変速装置として利用することのできる車両用動力伝達装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を解決するために、車両に搭載された原動機の動力によって駆動せしめられる入力軸と、該入力軸と同一軸上に配設された出力軸と、該入力軸と該出力軸との間に配設された複数個の遊星歯車機構とを具備する車両用動力伝達装置において、
該複数個の遊星歯車機構をそれぞれ構成する回転要素の一つに連結された磁性材からなる制動ドラムと、該各制動ドラムの外周側に回転が規制され軸方向に移動可能に配設された磁石手段と、該磁石手段を軸方向に作動せしめ、該各制動ドラムの外周面とそれぞれ対向する制動位置と該各制動ドラムの外周面と対向しない制動解除位置に位置付ける磁石作動手段とを具備することを特徴とする車両用動力伝達装置が提供される。
【0007】
上記複数個の遊星歯車機構の一つは、回転方向を逆転する機構を具備している。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された動力伝達装置の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0009】
図1には、本発明の基礎となる動力伝達装置を増速装置に適用した概略構成図が示されている。
図1に示す増速装置は、原動機の動力によって駆動せしめられる入力軸2と、該入力軸2と同一軸上に配設された出力軸3と、該入力軸2と出力軸3との間に配設された遊星歯車機構4とを具備している。遊星歯車機構4は、サンギヤ41とリングギヤ42とプラネタリギヤ43およびプラネタリキャリア44の各回転要素を備えている。サンギヤ41は出力軸3に取り付けられている。リングギヤ42はサンギヤ41と同心に配設され、入力軸2に回転可能に支持されている。プラネタリギヤ43はプラネタリキャリア44に回転自在に支持され上記サンギヤ41とリングギヤ42に噛み合って配設されている。プラネタリギヤ43を回転自在に支持するプラネタリキャリア44は入力軸2に取り付けられている。このように構成された遊星歯車機構4は、リングギヤ42を固定ないし制動力を与えることにより入力軸2の回転を増速して出力軸3に伝達することができ、また、リングギヤ42の固定ないし制動を解除することにより入力軸2から出力軸3への動力伝達を遮断するようになっている。
【0010】
図1に示す実施形態においては、上記リングギヤ42に制動力を与えるための回転要素制動手段5を具備している。回転要素制動手段5は、図示の実施形態においてはリングギヤ42に連結された制動ドラム6と、該制動ドラム6の外周側に配設された磁石手段7、および該磁石手段7を軸方向に作動せしめる磁石作動手段8とからなっている。制動ドラム6は磁性材によって構成されている。磁石手段7は、図2に示すように磁石支持環71と、該磁石支持環71の内周面に環状に配設された第1の永久磁石72と、該第1の各永久磁石72と軸方向にそれぞれ隣接して環状に配設された第2の永久磁石73とからなっている。磁石支持環71は、磁性材によって形成されており、その外周面には軸方向に複数個の案内溝711が設けられている。この磁石支持環71は、案内溝711を装置ハウジング10に軸方向に設けられた複数個の案内レール11に嵌合することにより、回転は規制されるが軸方向には摺動可能に構成される。第1の永久磁石72は、図示の実施形態においては図2および図3に示すように磁石支持環71の内面に接合する外面と制動ドラム6と対向する内面とが磁極となっており、内面がN極に外面がS極に構成されている。また、第2の永久磁石73は、内面がS極に外面がN極に構成されている。なお、第1の永久磁石72および第2の永久磁石73は、複数個(2〜6個)に分割して環状に配設してもよく、また、環状に一体的に形成してもよい。このように構成された磁石手段7は、磁石作動手段8によって軸方向に作動せしめられる。磁石作動手段8は、図示の実施形態においてはエアシリンダ81からなっており、磁石手段7を図1において実線で示す制動ドラム6の外周面と対向する制動位置と、2点鎖線で示す制動ドラム6の外周面と対向しない解除位置に位置付ける。
【0011】
以上のように構成された磁石手段7が図1において実線で示す制動ドラム6の外周面と対向する固定位置に位置付けられると、図3に示すように永久磁石72、73と磁石支持環71および制動ドラム6を通る磁気回路74が形成される。この結果、リングギヤ42に連結された制動ドラム6が回転していれば磁石手段7と制動ドラム6とに相対速度差が生じ、この相対速度差によって制動ドラム6の内周面に渦電流が生じ、制動ドラム6即ちリングギヤ42は制動トルクを受ける。この結果、入力軸の回転トルクはプラネタリキャリア44に伝達され、プラネタリギヤ43がリングギヤ42に沿って自転しつつ公転するため、プラネタリギヤ43と噛み合っているサンギヤ41を介して出力軸3が増速される。なお、制動ドラム6即ちリングギヤ42は、渦電流に基づく制動トルクを受けて回転速度が低下するが、この回転速度が小さくなると上記渦電流に基づく制動トルクが発生しなくなるため停止することはない。このため、リングギヤ42はトルク伝達時においても低い所定の回転速度付近で回転している。一方、磁石手段7が図1において2点鎖線で示す制動解除位置に位置付けられると、磁石手段7の磁力が制動ドラム6に作用しないため、リングギヤ42は回転可能であるため、入力軸2から出力軸3への動力伝達は遮断される。このように、図1乃至図3に示す実施形態においては、上記リングギヤ42を制動するための回転要素制動手段5は動力伝達装置における機械的な接触のないクラッチとして機能する。
【0012】
次に、磁石手段7の他の実施形態について図4および図5を参照して説明する。
図4および図5に示す磁石手段7は、磁石支持環71の内周面に複数個の第1の永久磁石72と複数個の第2の永久磁石73を周方向に交互に配設したものである。第1の永久磁石72は、磁石支持環71の内面に接合する外面と制動ドラム6と対向する内面とが磁極となっており、内面がN極に外面がS極に構成されている。また、第2の永久磁石73は、内面がS極に外面がN極に構成されている。このように構成された磁石手段7が制動ドラム6の外周面と対向する固定位置に位置付けられると、図5に示すように互いに周方向に隣接する永久磁石72、73と磁石支持環71および制動ドラム6を通る磁気回路74が形成される。この結果、制動ドラム6が回転していれば磁石手段7と制動ドラム6とに相対速度差が生じ、この相対速度差によって制動ドラム6の内周面に渦電流が生じ、制動ドラム6に制動トルクが発生する。図4および図5に示す磁石手段7は、第1の永久磁石72と第2の永久磁石73を周方向に交互に配設した構成であるため、幅方向寸法を小さくすることができる。
【0013】
次に、本発明の基礎となる動力伝達装置を減速装置に適用した例を、図6を参照して説明する。
なお、図6に示す実施形態は、遊星歯車機構4のサンギヤ41が入力軸2に取り付けられ、プラネタリギヤ43が出力軸3に取り付けられている以外は、上述した図1乃至図3に示す実施形態と実質的に同一であるため、同一部材には同一符号を付して、その説明は省略する。
図6に示す実施形態は、回転要素制動手段5の磁石手段7を図において実線で示す制動ドラム6の外周面と対向する制動位置に位置付け、制動ドラム6即ちリングギヤ42に制動力を作用することにより、入力軸2の回転を増速して出力軸3に伝達することができる。また、磁石手段7を図において2点鎖線で示す制動解除位置に位置付けると、磁石手段7の磁力が制動ドラム6に作用しないため、リングギヤ42は回転可能となるため、入力軸2から出力軸3への動力伝達は遮断される。このように、図に示す実施形態においても上記リングギヤ42を固定するための回転要素固定手段5は動力伝達装置における機械的な接触のないクラッチとして機能する。
【0014】
次に、本発明の車両用動力伝達装置における変速装置の実施形態の一例を、図7を参照して説明する。
なお、図7に示す実施形態においては、上記各実施形態における各部材と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略する。
図7に示す実施形態においては、入力軸2と出力軸3との間に第1の遊星歯車機構4aと第2の遊星歯車機構4bと第3の遊星歯車機構4cと第4の遊星歯車機構4dおよび第5の遊星歯車機構4eが配設されている。第1の遊星歯車機構4aは、上述した遊星歯車機構4と同様にサンギヤ41aとリングギヤ42aとプラネタリギヤ43aおよびプラネタリキャリア44aの各回転要素を備えている。サンギヤ41aは入力軸2に取り付けられ、プラネタリギヤ43aを回転自在に支持するプラネタリキャリア44aが出力軸3に取り付けられている。なお、プラネタリキャリア44aは、図示の実施形態においては歯幅が大きく構成されている。また、リングギヤ42aには第1の制動ドラム6aが連結されている。
【0015】
第2の遊星歯車機構4bは、サンギヤ41bが入力軸2に取り付けられ、プラネタリギヤ43aを回転自在に支持するプラネタリキャリア44bが上記第1の遊星歯車機構4aのリングギヤ42aと連結されている。リングギヤ42bには第2の制動ドラム6bが連結されている。
【0016】
第3の遊星歯車機構4cは、サンギヤ41cが入力軸2に回転自在に配設され、リングギヤ42cが上記第2の遊星歯車機構4bのリングギヤ42bと連結され、プラネタリギヤ43cを回転自在に支持するプラネタリキャリア44cが入力軸2に取付けられている。リングギヤ42cには第3の制動ドラム6cが連結されている。
【0017】
第4の遊星歯車機構4dは、サンギヤ41dが上記第3の遊星歯車機構4cのサンギヤ41cと連結され入力軸2に回転自在に配設されており、リングギヤ42dが入力軸2に取付けられ、プラネタリギヤ43dを回転自在に支持するプラネタリキャリア44dには第4の制動ドラム6dが連結されている。
【0018】
第5の遊星歯車機構4eは、リングギヤ42eと噛み合うプラネタリギヤ43eが上記第1の遊星歯車機構4aのプラネタリギヤ43aと噛み合うように構成されており、プラネタリギヤ43aを回転自在に支持するプラネタリキャリア44eが入力軸2に取付けられている。リングギヤ42eには第5の制動ドラム6eが連結されている。なお、第5の制動ドラム6eと上記第1の制動ドラム6aとの間には所定の間隔が設けられている。
【0019】
図7に示す実施形態における動力伝達装置としての変速装置は、上記制動ドラム6a、6b、6c、6dおよび6e、即ちリングギヤ42a、リングギヤ42b、サンギヤ41c、プラネタリキャリア44dおよびリングギヤ42eに選択的に制動力を作用せしめるための回転要素制動手段5を具備している。回転要素制動手段5は、磁石手段7および該磁石手段7を軸方向に作動せしめる磁石作動手段8とからなっている。磁石作動手段8は、磁石手段7を第1の制動ドラム6aと第5の制動ドラム6eとの間に位置する中立位置(N)(いずれの制動の外周面と対向しない制動解除位置)と、第1の制動ドラム6aの外周面と対向する1速位置(I) と、第2の制動ドラム6bの外周面と対向する2速位置(II)と、第3の制動ドラム6cの外周面と対向する3速位置(III) と、第4の制動ドラム6dの外周面と対向する4速位置(IV)および上記中立位置(N)の図において右側の後進位置(R)に選択的に位置付ける。
【0020】
図7に示す変速装置は以上のように構成されており、以下その作動について説明する。
磁石手段7が図7に示すように中立位置(N)に位置付けられている場合には、第1の遊星歯車機構4aのリングギヤ42aと第2の遊星歯車機構4bのリングギヤ42bと第3の遊星歯車機構4cのサンギヤ41cと第4の遊星歯車機構4dのプラネタリキャリア44dおよび第5の遊星歯車機構4eのリングギヤ42eがいずれも固定されないので、入力軸2から出力軸3への動力伝達は遮断される。
【0021】
変速装置を1速で作動する場合、磁石手段7を1速位置(I) に位置付けると、制動ドラム6a即ち第1の遊星歯車機構4aのリングギヤ42aに制動力が作用する。この結果、入力軸2に伝達された回転トルクは第1の遊星歯車機構4aのサンギヤ41aからプラネタリギヤ43aに伝達され、該プラネタリギヤ43aがリングギヤ42aに沿って自転しつつ公転し、この公転がプラネタリキャリア44aを介して出力軸3に伝達される。この場合、入力軸2の回転速度は減速されて出力軸3に伝達される。なお、図示の実施形態における1速は、サンギヤ41aとリングギヤ42aのギヤ比(λ1 )(サンギヤ41aの歯数とリングギヤ42aの歯数との比)が1:2の場合には、速度比(φ1 )は、φ1=λ1 /(1+λ1 )で、0.333となり、トルク比は約3倍となる。
【0022】
変速装置を2速で作動する場合、磁石手段7を2速位置(II)に位置付けると、制動ドラム6b即ち第2の遊星歯車機構4bのリングギヤ42bに制動力が作用する。リングギヤ42bに制動力が作用すると、入力軸2に伝達された回転トルクは第2の遊星歯車機構4bのサンギヤ41bからプラネタリギヤ43bに伝達され、該プラネタリギヤ43bがリングギヤ42bに沿って自転しつつ公転する。この結果、リングギヤ42bに伝達された動力は、プラネタリキャリア44b、第1の遊星歯車機構4aのリングギヤ42a、プラネタリギヤ43a、プラネタリキャリア44aを介して出力軸3に伝達される。この場合、入力軸2の回転速度は上述した1速の場合より増速されて出力軸3に伝達される。なお、図示の実施形態における2速は、サンギヤ41bとリングギヤ42bのギヤ比(λ2 )
(サンギヤ41bの歯数とリングギヤ42bの歯数との比)が1:2の場合には、速度比(φ2 )は、φ2 =λ2 /(1+λ1 )・(1+λ2 )で、0.556
となり、トルク比は約1.8倍となる。
【0023】
変速装置を3速で作動する場合、磁石手段7を3速位置(III) に位置付けると、制動ドラム6c即ち第3の遊星歯車機構4cのサンギヤ41cに制動力が作用する。サンギヤ41cに制動力が作用すると、入力軸2に伝達された回転トルクは第3の遊星歯車機構4cのプラネタリキャリア44cからプラネタリギヤ43cに伝達され、プラネタリギヤ43cがサンギヤ41cに沿って自転しつつ公転する。この結果、プラネタリギヤ43cに伝達された動力は、リングギヤ42c、該リングギヤ42cと連結された第2の遊星歯車機構4bのリングギヤ42b、プラネタリギヤ43b、プラネタリキャリア44b、上記第1の遊星歯車機構4aのリングギヤ42a、プラネタリギヤ43a、プラネタリキャリア44aを介して出力軸3に伝達される。この場合、入力軸2の回転速度は増速されて出力軸3に伝達される。なお、図示の実施形態における3速は、サンギヤ41cと
リングギヤ42cのギヤ比(λ3 )(サンギヤ41cの歯数とリングギヤ42cの歯数との比)が1:2の場合には、速度比(φ3 )は、φ3 ={1/(1+λ1 )・(1+λ2 )}×(1+λ1 +λ2 +λ3 ) で、1.111となり、トルク比は約0.9倍となる。
【0024】
変速装置を4速で作動する場合、磁石手段7を4速位置(IV)に位置付けると、制動ドラム6d即ち第4の遊星歯車機構4dのプラネタリキャリア44dに制動力が作用する。プラネタリキャリア44dに制動力が作用すると入力軸2に伝達された回転トルクはリングギヤ42dに伝達され、プラネタリギヤ43dを自転させ、サンギヤ41dを回転せしめる。この結果、サンギヤ41dに伝達された動力は、該サンギヤ41dと連結された第3の遊星歯車機構4cのサンギヤ43c、プラネタリギヤ43c、リングギヤ42c、該リングギヤ42cと連結された第2の遊星歯車機構4bのリングギヤ42b、プラネタリギヤ42b、プラネタリキャリア44b、上記第1の遊星歯車機構4aのリングギヤ42a、プラネタリギヤ43a、プラネタリキャリア44aを介して出力軸3に伝達される。この場合、入力軸2の回転速度は上述した3速の場合より更に増速されて出力軸3に伝達される。なお、図示の実施形態における4速は、サンギヤ41cとリングギヤ42dのギヤ比(λ4)(サンギヤ41cの歯数とリングギヤ42dの歯数との比)が1:2の場合には、速度比(φ4)は、φ4={1/(1+λ1)・(1+λ2)}×{(λ3/λ4)+(λ3+λ2+λ1+1)}で、1.556となり、トルク比は約0.64倍となる。
【0025】
次に、変速装置を後進で作動する場合、磁石手段7を後進位置(R)に位置付けると、制動ドラム6e即ち第5の遊星歯車機構4eのリングギヤ42eに制動力が作用する。リングギヤ42eに制動力が作用すると、入力軸2に伝達された回転トルクは第1の遊星歯車機構4aのサンギヤ41aからプラネタリギヤ43aに伝達され、該プラネタリギヤ43aが駆動される。プラネタリギヤ43aが駆動されると、第5の遊星歯車機構4eのプラネタリギヤ43eがリングギヤ42eに沿って 自転しつつ公転する。このプラネタリギヤ43eは第1の遊星歯車機構4aのプラネタリギヤ43aによって駆動されるため、回転方向が逆転される。この結果プラネタリギヤ43eに伝達された動力は、プラネタリキャリア44eを介して出力軸3を後進方向に駆動する。なお、図示の実施形態における後進は、サンギヤ41aとリングギヤ42eのギヤ比(λ5)(サンギヤ41aの歯数とリングギヤ42eの歯数との比)が0.3:1の場合には、速度比(φ5)は、φ5=−(λ5/(1−λ5)で、−0.429となり、トルク比は約2.3倍となる。
【0026】
以上のように、図7に示す、本発明の車両用動力伝達装置における変速装置では、磁石手段7を1速位置(I) 、2速位置(II)、3速位置(III) 、4速位置(IV)および後進位置(R)に選択的に位置付けることにより、それぞれ所定の変速比の出力を得ることができる。上記各リングギヤ、サンギヤ、プラネタリキャリアに制動力を与える回転要素固定手段5は渦電流による制動機構であるため、機械的な接触部がなく耐久性を向上することができる。また、渦電流による制動機構は制動ドラムと磁石手段との間に滑りが発生することで制動力が作用し、遊星歯車機構を機能せしめるとができるので、図7に示す変速装置の入力軸2を車両の原動機である内燃機関に直接連結しても車両を停止状態から発進駆動することができる。即ち、本発明に従って構成された車両用動力伝達装置では、車両を発進するために用いられている摩擦クラッチやトルクコンバータ等の流体継手を除去することが可能となる。
【0027】
【発明の効果】
本発明による車両用動力伝達装置は以上のように構成されているので、以下に述べる作用効果を奏する。
【0028】
即ち、本発明の基礎をなす動力伝達装置によれば、入力軸と出力軸との間に配設された遊星歯車機構を構成する回転要素の一つに磁性材からなる制動ドラムを連結し、該制動ドラムの外周側に回転が規制され軸方向に移動可能に磁石手段を配設したので、磁石手段を制動ドラムの外周面と対向する制動位置に位置付けることにより、磁石手段と制動ドラムとの相対速度差によって制動ドラムの内周面に渦電流を生じさせ、制動ドラム即ち回転要素の一つに制動力を与えることができる。この結果、機械的な接触をすることなく遊星歯車機構を機能させ動力伝達を行うことができるので、磨耗が無く耐久性に優れた動力伝達装置を得ることができる。
そして、本発明においては、遊星歯車機構を複数個配設して変速装置を構成し、これを車両に搭載しているので、入力軸を原動機に直接連結しても車両を発進駆動させることができ、車両を発進するために用いられている摩擦クラッチやトルクコンバータ等の流体継手を除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基礎となる動力伝達装置を増速装置に適用した概略構成図。
【図2】 図1に示す動力伝達装置を構成する磁石手段の一実施形態を示す要部斜視図。
【図3】 図1に示す動力伝達装置を構成する回転要素制動手段の一実施形態を示す拡大断面図。
【図4】 動力伝達装置を構成する磁石手段の他の実施形態を示す要部斜視図。
【図5】 動力伝達装置を構成する回転要素制動手段の他の実施形態を示す拡大断面図。
【図6】 本発明の基礎となる動力伝達装置を減速装置に適用した概略構成図。
【図7】 本発明に従って構成された車両用動力伝達装置の変速装置を示す概略構成図。

Claims (2)

  1. 車両に搭載された原動機の動力によって駆動せしめられる入力軸と、該入力軸と同一軸上に配設された出力軸と、該入力軸と該出力軸との間に配設された複数個の遊星歯車機構とを具備する車両用動力伝達装置において、
    該複数個の遊星歯車機構をそれぞれ構成する回転要素の一つに連結された磁性材からなる制動ドラムと、該各制動ドラムの外周側に回転が規制され軸方向に移動可能に配設された磁石手段と、該磁石手段を軸方向に作動せしめ、該各制動ドラムの外周面とそれぞれ対向する制動位置と該各制動ドラムの外周面と対向しない制動解除位置に位置付ける磁石作動手段とを具備することを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 該複数個の遊星歯車機構の一つは回転方向を逆転する機構を具備している、請求項1記載の車両用動力伝達装置。
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