JP2020175707A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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武史 鳥居
拓朗 岩瀬
Takuro Iwase
拓朗 岩瀬
啓甫 中島
Keisuke Nakashima
啓甫 中島
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Abstract

【課題】複数の回転軸心が存在する構成であっても、径方向の寸法の大型化を抑制できる車両用駆動装置を提供する。【解決手段】車両用駆動装置100において、回転電機1及び変速機2が第1軸A1上に配置され、差動歯車装置3が第2軸A2上に配置され、変速機2は、変速出力ギヤ22と、当該変速機2に入力された回転を変速して変速出力ギヤ22に伝達する変速ギヤ機構21と、を備え、差動歯車装置3は、変速出力ギヤ22と噛み合う差動入力ギヤ31と、差動入力ギヤ31の回転を一対の出力部材4に分配する差動ギヤ機構32と、を備え、変速出力ギヤ22の外径は、回転電機1の外径よりも小さく、変速ギヤ機構21の外径は、変速出力ギヤ22の外径よりも大きく、差動入力ギヤ31の外径は、差動ギヤ機構32の外径よりも大きく、差動入力ギヤ31は、軸方向Lに沿う軸方向視で、回転電機1及び変速ギヤ機構21の双方と重複するように配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、車輪の駆動力源となる回転電機と、それぞれ車輪に駆動連結される一対の出力部材と、回転電機の側から伝達される回転を変速して一対の出力部材の側に伝達する変速機と、変速機の側から伝達される駆動力を一対の出力部材に分配する差動歯車装置と、を備えた車両用駆動装置に関する。
このような車両用駆動装置の一例が、下記の特許文献1に開示されている。以下、この背景技術の説明では、特許文献1における符号を括弧内に引用する。
特許文献1の車両用駆動装置(1)は、車輪の駆動力源となる回転電機(5)と、それぞれ車輪に駆動連結される一対の出力部材と、回転電機(5)の回転を変速する変速機(7,27等)と、当該変速機から伝達される駆動力を一対の出力部材に分配する差動歯車装置(9)と、を備えている(特許文献1の図2参照)。
特開2011−51460号公報
特許文献1の車両用駆動装置(1)では、回転電機(5)と差動歯車装置(9)とが別軸に配置されている。つまり、特許文献1の車両用駆動装置(1)には、回転電機(5)の回転軸心と差動歯車装置(9)の回転軸心との、2つの回転軸心が存在している。
このような車両用駆動装置(1)では、回転電機(5)及び差動歯車装置(9)等の要素が径方向に並んで配置されているため、径方向の寸法が大型化し易いという課題があった。車両用駆動装置(1)の径方向の寸法が大きいと、例えば車両の床下等、径方向に余裕が少ない空間に車両用駆動装置(1)を配置することが困難となる。
そこで、複数の回転軸心が存在する構成であっても、径方向の寸法の大型化を抑制できる車両用駆動装置の実現が望まれる。
上記に鑑みた、車両用駆動装置の特徴構成は、
車輪の駆動力源となる回転電機と、
それぞれ前記車輪に駆動連結される一対の出力部材と、
前記回転電機の側から伝達される回転を変速して一対の前記出力部材の側に伝達する変速機と、
前記変速機の側から伝達される駆動力を一対の前記出力部材に分配する差動歯車装置と、を備え、
前記回転電機及び前記変速機が、第1軸上に配置され、
前記差動歯車装置が、前記第1軸とは異なる第2軸上に配置され、
前記変速機は、当該変速機の出力要素である変速出力ギヤと、当該変速機に入力された回転を変速して前記変速出力ギヤに伝達する変速ギヤ機構と、を備え、
前記差動歯車装置は、前記変速出力ギヤと噛み合う差動入力ギヤと、前記差動入力ギヤの回転を一対の前記出力部材に分配する差動ギヤ機構と、を備え、
前記変速出力ギヤの外径は、前記回転電機の外径よりも小さく、
前記変速ギヤ機構の外径は、前記変速出力ギヤの外径よりも大きく、
前記差動入力ギヤの外径は、前記差動ギヤ機構の外径よりも大きく、
前記差動入力ギヤは、前記第1軸の軸方向に沿う軸方向視で、前記回転電機及び前記変速ギヤ機構の双方と重複するように配置されている点にある。
この特徴構成によれば、第1軸上に配置された変速機において比較的外径の小さい変速出力ギヤと、第2軸上に配置された差動歯車装置において比較的外径の大きい差動入力ギヤとが互いに噛み合っている。そして、差動入力ギヤが、軸方向視で、変速出力ギヤよりも大きい外径を有する回転電機及び変速ギヤ機構の双方と重複している。これにより、異なる回転軸心回りに回転する変速機と差動歯車装置とを、互いに径方向に近付けて配置することが容易となっている。したがって、複数の回転軸心が存在する構成であっても、車両用駆動装置の径方向の寸法の大型化を抑制することができる。
実施形態に係る車両用駆動装置の軸方向に沿う断面図 実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図 実施形態に係る車両用駆動装置の要部を示す軸方向に沿う断面図 実施形態に係る車両用駆動装置の要部を示す軸方向に沿う断面図
以下では、実施形態に係る車両用駆動装置100について、図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、車両用駆動装置100は、回転電機1と、変速機2と、差動歯車装置3と、一対の出力部材4と、を備えている。本実施形態では、回転電機1、変速機2、差動歯車装置3、及び一対の出力部材4は、ケース5に収容されている。なお、一対の出力部材4の一部は、ケース5の外部に露出している。
回転電機1と変速機2とのそれぞれは、その回転軸心としての第1軸A1上に配置されている。差動歯車装置3は、その回転軸心としての第2軸A2上に配置されている。本実施形態では、一対の出力部材4も第2軸A2上に配置されている。第1軸A1及び第2軸A2は、互いに異なる仮想軸であり、互いに平行に配置されている。
以下の説明では、第1軸A1及び第2軸A2に平行な方向を、車両用駆動装置100の「軸方向L」とする。そして、軸方向Lにおいて、回転電機1に対して変速機2が配置される側を「軸方向第1側L1」とし、その反対側を「軸方向第2側L2」とする。また、第1軸A1及び第2軸A2のそれぞれに直交する方向を、各軸を基準とした「径方向R」とする。なお、どの軸を基準とするかを区別する必要がない場合やどの軸を基準とするかが明らかである場合には、単に「径方向R」と記す場合がある。
図1に示すように、本実施形態では、ケース5は、第1ケース部51と、当該第1ケース部51に対して軸方向第2側L2から接合される第2ケース部52と、当該第2ケース部52に対して軸方向第2側L2から接合されるカバー部53と、を備えている。本実施形態では、第1ケース部51と第2ケース部52との接合、及び、第2ケース部52とカバー部53との接合のそれぞれは、ボルト等の締結部材によって実現されている。
第1ケース部51は、第1周壁部511と、第1側壁部512と、を有している。第1周壁部511は、変速機2及び差動歯車装置3の径方向Rの外側を囲む筒状に形成されている。第1側壁部512は、第1周壁部511の軸方向第1側L1の開口を閉塞するように、第1周壁部511の軸方向第1側L1の端部に固定されている。
第2ケース部52は、第2周壁部521と、第2側壁部522と、を有している。第2周壁部521は、回転電機1の径方向Rの外側を囲む筒状に形成されている。第2側壁部522は、第2周壁部521の軸方向第1側L1の開口を閉塞するように、第2周壁部521の軸方向第1側L1の端部に固定されている。第2側壁部522は、第1ケース部51と第2ケース部52とが接合された状態で、第1ケース部51の内部空間と第2ケース部52の内部空間とを区画するように形成されている。
カバー部53は、第2周壁部521の軸方向第2側L2の開口を閉塞するように、第2周壁部521の軸方向第2側L2の端部に接合されている。
回転電機1は、一対の車輪W(図2参照)の駆動力源として機能する。回転電機1は、ステータ11とロータ12とを備えている。ここで、本願において「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
ステータ11は、非回転部材(ここでは、ケース5)に固定されたステータコア111を有している。ロータ12は、ステータ11に対して回転可能なロータコア121を有している。本実施形態では、ステータコア111は、ステータ支持部材523を介して、第2ケース部52に支持されている。ステータ支持部材523は、ステータコア111を支持する部材である。本実施形態では、ステータ支持部材523は、第2周壁部521の内周面とステータコア111の外周面との間に介在するように、筒状に形成されている。そして、ステータ支持部材523は、ボルト等の締結部材によって、軸方向第2側L2から第2側壁部522に固定されている。また、本実施形態では、ステータ支持部材523には、ステータコア111を冷却するための冷却路が形成されている。
本実施形態では、回転電機1は回転界磁型の回転電機である。そのため、ステータコア111には、当該ステータコア111から軸方向Lの両側(軸方向第1側L1及び軸方向第2側L2)にそれぞれ突出するコイルエンド部112が形成されるようにコイルが巻装されている。そして、ロータコア121には、永久磁石122が設けられている。また、本実施形態では、回転電機1はインナロータ型の回転電機である。そのため、ステータコア111に対して径方向Rの内側に、ロータコア121が配置されている。
ロータ12には、当該ロータ12と一体的に回転するように、ロータ軸123が連結されている。本実施形態では、ロータコア121の内周面に、ロータ軸123が連結されている。ロータ軸123は、ケース5に対して回転可能に支持されている。本実施形態では、ロータ軸123の軸方向第1側L1の端部が、第1ロータ軸受B11を介して、ケース5の第2側壁部522に対して回転可能に支持されている。そして、ロータ軸123の軸方向第2側L2の端部が、第2ロータ軸受B12を介して、ケース5のカバー部53に対して回転可能に支持されている。
変速機2は、変速比を段階的又は無段階に変更可能な装置である。変速機2は、回転電機1の側から伝達される回転を変速して一対の出力部材4の側に伝達する。変速機2は、変速ギヤ機構21と、変速出力ギヤ22と、を備えている。変速ギヤ機構21は、変速機2に入力された回転を変速して変速出力ギヤ22に伝達するように構成されている。変速出力ギヤ22は、変速機2の出力要素である。本実施形態では、変速出力ギヤ22は、軸方向Lにおける回転電機1と変速ギヤ機構21との間に配置されている。
本実施形態では、変速ギヤ機構21は、変速ユニット21Aと、減速ユニット21Bと、を備えている。変速ユニット21Aは、変速比の異なる複数の変速段を切り換え可能に備えるユニットである。減速ユニット21Bは、変速ユニット21Aの側から伝達される回転を減速するユニットである。本実施形態では、変速ユニット21A及び減速ユニット21Bは、軸方向Lにおける変速出力ギヤ22の側から、減速ユニット21B、変速ユニット21Aの順で配置されている。図示の例では、軸方向第2側L2から軸方向第1側L1に向けて、変速出力ギヤ22、減速ユニット21B、及び変速ユニット21Aが、記載の順に配置されている。
図3に示すように、本実施形態では、変速ユニット21Aは、第1遊星歯車機構PG1と、クラッチCと、ブレーキBと、第1ワンウェイクラッチF1と、を備えている。
第1遊星歯車機構PG1は、第1リングギヤR1と、第1サンギヤS1と、第1ピニオンギヤP1と、第1キャリヤC1と、を有している。
第1リングギヤR1は、第1遊星歯車機構PG1の入力要素である。第1リングギヤR1は、第1軸A1を中心として円環状に形成されている。第1リングギヤR1は、回転電機1のロータ軸123と一体的に回転するように構成されている。本実施形態では、第1リングギヤR1は、中継軸124を介して、ロータ軸123と一体的に回転するように連結されている。本実施形態では、中継軸124の径方向Rの外側に突出するように形成された第1リングギヤ連結部材125を介して、第1リングギヤR1と中継軸124とが一体的に回転するように互いに連結されている。本実施形態では、第1リングギヤ連結部材125は、第1遊星歯車機構PG1に対して軸方向第2側L2に配置されている。
中継軸124は、回転電機1の回転を変速ギヤ機構21に伝達する軸部材である。本実施形態では、中継軸124の軸方向第1側L1の端部は、ケース5の第1側壁部512に対して、軸受を介して回転可能に支持されている。そして、中継軸124の軸方向第2側L2の端部は、中継軸124と回転電機1のロータ軸123とが一体的に回転するように、ロータ軸123の軸方向第1側L1の端部に連結されている。
第1サンギヤS1は、第1リングギヤR1に対して径方向Rの内側に配置されている。本実施形態では、第1サンギヤS1は、当該第1サンギヤS1の径方向Rの内側を軸方向Lに貫通する中継軸124に対して、軸受を介して回転可能に支持されている。また、本実施形態では、第1サンギヤS1は、サンギヤ連結部材211を介してクラッチドラム212に連結されている。そして、第1サンギヤS1は、クラッチドラム212によって支持されたブレーキB及び第1ワンウェイクラッチF1によって、ケース5に選択的に固定される。
サンギヤ連結部材211は、軸方向Lに延在する筒状に形成されている。サンギヤ連結部材211の軸方向第1側L1の部分は、クラッチドラム212に連結されている。サンギヤ連結部材211の軸方向第1側L1の部分は、ケース5の第1側壁部512に対して、軸受を介して回転可能に支持されている。サンギヤ連結部材211の軸方向第1側L1の部分は、クラッチドラム212に対して、径方向Rの内側から連結されている。サンギヤ連結部材211の軸方向第2側L2の部分は、中継軸124に対して、軸受を介して相対回転可能に支持されている。サンギヤ連結部材211の軸方向第2側L2の部分は、第1サンギヤS1に対して、径方向Rの内側から連結されている。
クラッチドラム212は、クラッチCを覆うように形成された部材である。本実施形態では、クラッチドラム212は、径方向Rに沿って延在する径方向延在部212aと、軸方向Lに延在する筒状に形成された筒状部212bと、を有している。径方向延在部212aは、サンギヤ連結部材211から径方向Rの外側に突出するように形成されている。筒状部212bは、径方向延在部212aの径方向Rの外側の端部から軸方向第2側L2に突出するように形成されている。
第1キャリヤC1は、第1遊星歯車機構PG1の出力要素である。第1キャリヤC1は、第1ピニオンギヤP1を回転可能に支持している。第1ピニオンギヤP1は、第1リングギヤR1と第1サンギヤS1との双方に噛み合っている。第1ピニオンギヤP1は、その軸心回りに回転(自転)すると共に、第1サンギヤS1を中心として回転(公転)する。なお、図示は省略するが、第1ピニオンギヤP1は、その公転軌跡に沿って複数設けられている。
ブレーキBは、第1摩擦部材Bfと、第1摩擦部材Bfの係合の状態を切り替える第1ピストンBpと、を備えている。
第1摩擦部材Bfは、対となる第1外側摩擦材Bf1及び第1内側摩擦材Bf2を含んでいる。第1外側摩擦材Bf1及び第1内側摩擦材Bf2は、いずれも円環板状に形成されている。また、第1外側摩擦材Bf1及び第1内側摩擦材Bf2は複数枚ずつ設けられており、これらは軸方向Lに沿って交互に配置されている。
第1外側摩擦材Bf1は、ケース5の第1周壁部511に形成された支持部511aによって支持されている。本実施形態では、支持部511aの内周面には、軸方向Lに延在する複数のスプライン歯が周方向に分散して形成されている。そして、第1外側摩擦材Bf1の外周面にも同様のスプライン歯が形成されており、それらのスプライン歯が係合された状態で、第1外側摩擦材Bf1が支持部511aにより径方向Rの外側から支持されている。これにより、第1外側摩擦材Bf1は、支持部511aに対して周方向の相対回転が規制された状態で軸方向Lに摺動可能に支持されている。
第1内側摩擦材Bf2は、クラッチドラム212の筒状部212bによって支持されている。本実施形態では、筒状部212bの外周面には、軸方向Lに延在する複数のスプライン歯が周方向に分散して形成されている。そして、第1内側摩擦材Bf2の内周面にも同様のスプライン歯が形成されており、それらのスプライン歯が係合された状態で、第1内側摩擦材Bf2が筒状部212bにより径方向Rの内側から支持されている。これにより、第1内側摩擦材Bf2は、筒状部212bに対して周方向の相対回転が規制された状態で軸方向Lに摺動可能に支持されている。
第1ピストンBpは、第1摩擦部材Bfに対して軸方向第1側L1に配置されている。第1ピストンBpは、スプリング等の付勢部材によって軸方向第1側L1に付勢されている。本実施形態では、第1ピストンBpは、当該第1ピストンBpと第1側壁部512との間に形成された油室に所定油圧の油が供給された際に、当該油圧に応じて付勢部材の付勢力に抗して軸方向第2側L2に摺動し、第1摩擦部材Bfを軸方向第1側L1から押圧する。第1ピストンBpによって第1摩擦部材Bfが押圧されて係合状態となると、第1サンギヤS1がケース5に対して固定される。
第1ワンウェイクラッチF1は、第1サンギヤS1の一方向の回転を規制する係合装置である。本実施形態では、第1ワンウェイクラッチF1は、第1サンギヤS1の一方向の回転を規制する一方向規制状態と、第1サンギヤS1の双方向の回転を規制する回転規制状態と、第1サンギヤS1の双方向の回転を許容する解放状態とに切り替え可能に構成されたセレクタブルワンウェイクラッチである。そして、本実施形態では、第1ワンウェイクラッチF1は、支持部511aによって径方向Rの外側から支持されると共に、クラッチドラム212の筒状部212bに対して径方向Rの外側から選択的に連結可能に構成されている。
クラッチCは、第2摩擦部材Cfと、第2摩擦部材Cfの係合の状態を切り替える第2ピストンCpと、を備えている。
第2摩擦部材Cfは、対となる第2外側摩擦材Cf1及び第2内側摩擦材Cf2を含んでいる。第2外側摩擦材Cf1及び第2内側摩擦材Cf2は、いずれも円環板状に形成されている。また、第2外側摩擦材Cf1及び第2内側摩擦材Cf2は複数枚ずつ設けられており、これらは軸方向Lに沿って交互に配置されている。
第2外側摩擦材Cf1は、クラッチドラム212の筒状部212bによって支持されている。本実施形態では、筒状部212bの内周面には、軸方向Lに延在する複数のスプライン歯が周方向に分散して形成されている。そして、第2外側摩擦材Cf1の外周面にも同様のスプライン歯が形成されており、それらのスプライン歯が係合された状態で、第2外側摩擦材Cf1が筒状部212bにより径方向Rの外側から支持されている。これにより、第2外側摩擦材Cf1は、筒状部212bに対して周方向の相対回転が規制された状態で軸方向Lに摺動可能に支持されている。
第2内側摩擦材Cf2は、第1キャリヤC1と一体的に回転するように連結されたクラッチハブ213によって支持されている。本実施形態では、クラッチハブ213の外周面には、軸方向Lに延在する複数のスプライン歯が周方向に分散して形成されている。そして、第2内側摩擦材Cf2の内周面にも同様のスプライン歯が形成されており、それらのスプライン歯が係合された状態で、第2内側摩擦材Cf2がクラッチハブ213により径方向Rの内側から支持されている。これにより、第2内側摩擦材Cf2は、クラッチハブ213に対して周方向の相対回転が規制された状態で軸方向Lに摺動可能に支持されている。
第2ピストンCpは、第2摩擦部材Cfに対して軸方向第1側L1に配置されている。第2ピストンCpは、スプリング等の付勢部材によって軸方向第1側L1に付勢されている。また、本実施形態では、第2ピストンCpは、クラッチドラム212の径方向延在部212aに対して軸方向第2側L2に配置されている。そして、第2ピストンCpは、当該第2ピストンCpと径方向延在部212aとの間に形成された油室に所定油圧の油が供給された際に、当該油圧に応じて付勢部材の付勢力に抗して軸方向第2側L2に摺動し、第2摩擦部材Cfを軸方向第1側L1から押圧する。第2ピストンCpによって第2摩擦部材Cfが押圧されて係合状態となると、第1サンギヤS1と第1キャリヤC1とが一体的に連結される。また、本実施形態では、第2ピストンCpは、径方向Rに沿って延在し、第2ピストンCpの径方向Rの外側の端部が第2摩擦部材Cfを押圧するように形成されている。
本実施形態では、クラッチCが、第1遊星歯車機構PG1に対して軸方向第1側L1に配置されている。そして、クラッチCが、軸方向Lに沿う軸方向視で、第1遊星歯車機構PG1と重複するように配置されている。ここで、2つの要素の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線と直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの要素の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを指す。
また、本実施形態では、ブレーキB及び第1ワンウェイクラッチF1の双方が、クラッチCに対して径方向Rの外側に配置されている。そして、ブレーキB及び第1ワンウェイクラッチF1の双方が、第1軸A1を基準とした径方向Rに沿う径方向視で、クラッチCと重複するように配置されている。
更に、本実施形態では、第1ワンウェイクラッチF1が、ブレーキB及びクラッチCの双方に対して軸方向第2側L2に配置されている。そして、第1ワンウェイクラッチF1が、軸方向Lに沿う軸方向視で、ブレーキB及びクラッチCの双方と重複するように配置されている。また、本実施形態では、第1ワンウェイクラッチF1が、第1遊星歯車機構PG1に対して径方向Rの外側に配置されている。そして、第1ワンウェイクラッチF1が、第1軸A1を基準とした径方向Rに沿う径方向視で、第1遊星歯車機構PG1と重複するように配置されている。
本実施形態では、減速ユニット21Bは、第2遊星歯車機構PG2と、第2ワンウェイクラッチF2と、を備えている。
第2遊星歯車機構PG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、第2ピニオンギヤP2と、第2キャリヤC2と、を有している。
第2サンギヤS2は、中間連結部214を介して第1キャリヤC1と一体的に回転するように連結されている。つまり、第2サンギヤS2は、第2遊星歯車機構PG2の入力要素である。本実施形態では、第2サンギヤS2は、当該第2サンギヤS2の径方向Rの内側を軸方向Lに貫通する中継軸124に対して、軸受を介して回転可能に支持されている。
第2リングギヤR2は、第1軸A1を中心として円環状に形成されている。第2リングギヤR2は、第2サンギヤS2に対して径方向Rの外側に配置されている。本実施形態では、第2リングギヤR2は、リングギヤ連結部材215と一体的に回転するように連結されている。リングギヤ連結部材215は、ケース5の第2側壁部522に固定されたクラッチ支持部材524に対して回転可能に支持されている。リングギヤ連結部材215は、クラッチ支持部材524によって支持された第2ワンウェイクラッチF2によって、クラッチ支持部材524に選択的に固定される。つまり、第2リングギヤR2は、第2ワンウェイクラッチF2によって、ケース5に選択的に固定される。
第2キャリヤC2は、第2遊星歯車機構PG2の出力要素である。第2キャリヤC2は、第2ピニオンギヤP2を回転可能に支持している。第2ピニオンギヤP2は、第2リングギヤR2と第2サンギヤS2との双方に噛み合っている。第2ピニオンギヤP2は、その軸心回りに回転(自転)すると共に、第2サンギヤS2を中心として回転(公転)する。なお、図示は省略するが、第2ピニオンギヤP2は、その公転軌跡に沿って複数設けられている。
第2ワンウェイクラッチF2は、第2リングギヤR2の一方向の回転を規制する係合装置である。本実施形態では、第2ワンウェイクラッチF2は、第2リングギヤR2の一方向の回転を規制する一方向規制状態と、第2リングギヤR2の双方向の回転を規制する回転規制状態と、第2リングギヤR2の双方向の回転を許容する解放状態とに切り替え可能に構成されたセレクタブルワンウェイクラッチである。そして、本実施形態では、第2ワンウェイクラッチF2は、クラッチ支持部材524によって径方向Rの外側から支持されると共に、リングギヤ連結部材215に対して径方向Rの外側から選択的に連結可能に構成されている。
本実施形態では、変速出力ギヤ22は、クラッチ支持部材524に対して、第1変速出力軸受B21を介して回転可能に支持されている。更に、変速出力ギヤ22は、ケース5の第2側壁部522に対して、第2変速出力軸受B22を介して回転可能に支持されている。
また、本実施形態では、変速出力ギヤ22は、出力ギヤ連結部材216を介して、第2キャリヤC2と一体的に回転するように連結されている。出力ギヤ連結部材216は、軸方向Lに延在する筒状に形成されている。出力ギヤ連結部材216の径方向Rの内側には、中継軸124が挿通されている。そして、出力ギヤ連結部材216は、中継軸124に対して、軸受を介して相対回転可能に支持されている。また、出力ギヤ連結部材216は、当該出力ギヤ連結部材216に対して径方向Rの外側に配置された変速出力ギヤ22に対して、一体的に回転するように連結されている。このように、本実施形態では、中継軸124は、変速出力ギヤ22の径方向Rの内側を軸方向Lに貫通するように配置されている。
図4に示すように、差動歯車装置3は、変速機2の側から伝達される駆動力を一対の出力部材4に分配する装置である。差動歯車装置3は、差動入力ギヤ31と、差動ギヤ機構32と、を備えている。本実施形態では、差動ギヤ機構32は、中空の差動ケース33に収容されている。差動ケース33は、ケース5の支持部511aに対して、第1差動軸受B31を介して回転可能に支持されている。更に、差動ケース33は、ケース5の第2側壁部522に対して、第2差動軸受B32を介して回転可能に支持されている。
差動入力ギヤ31は、差動歯車装置3の入力要素である。差動入力ギヤ31は、変速機2の変速出力ギヤ22と噛み合っている。本実施形態では、差動入力ギヤ31は、差動ケース33から径方向Rの外側に突出するように形成されている。そして、差動入力ギヤ31は、差動ケース33と一体的に回転するように連結されている。
差動ギヤ機構32は、差動入力ギヤ31の回転を一対の出力部材4に分配する。本実施形態では、差動ギヤ機構32は、一対のピニオンギヤ321と、一対のサイドギヤ322と、を含む。ここでは、一対のピニオンギヤ321及び一対のサイドギヤ322は、いずれも傘歯車である。
一対のピニオンギヤ321は、第2軸A2を基準とした径方向Rに沿って互いに間隔を空けて対向するように配置されている。そして、一対のピニオンギヤ321のそれぞれは、差動ケース33と一体的に回転するように支持されたピニオンシャフト323に取り付けられている。一対のピニオンギヤ321のそれぞれは、ピニオンシャフト323を中心として回転(自転)可能、かつ、第2軸A2を中心として回転(公転)可能に構成されている。
一対のサイドギヤ322は、差動歯車装置3における駆動力の分配後の回転要素である。一対のサイドギヤ322は、互いに軸方向Lに間隔を空けて、ピニオンシャフト323を挟んで対向するように配置されている。一対のサイドギヤ322は、一対のピニオンギヤ321と噛み合っている。一対のサイドギヤ322のそれぞれは、出力部材4と一体的に回転するように連結されている。
一対の出力部材4のそれぞれは、車輪W(図2参照)に駆動連結されている。本実施形態では、一対の出力部材4のそれぞれは、ドライブシャフトDSを介して車輪Wに連結されている。図示の例では、軸方向第1側L1の出力部材4において、軸方向第1側L1の端部がケース5の外部に露出しており、当該端部から軸方向第2側L2に向けて筒状に形成されている。そして、この筒状部分の径方向Rの内側にドライブシャフトDSが配置された状態で、出力部材4とドライブシャフトDSとが一体的に回転するように連結されている。また、軸方向第2側L2の出力部材4において、軸方向第2側L2の端部から軸方向第1側L1に向けて筒状に形成されている。そして、この筒状部分の径方向Rの内側にドライブシャフトDSが配置された状態で、出力部材4とドライブシャフトDSとが一体的に回転するように連結されている。
図1に示すように、本実施形態では、軸方向第1側L1の出力部材4は、ケース5の第1周壁部511に対して、第1出力軸受B41を介して回転可能に支持されている。また、軸方向第2側L2の出力部材4は、ケース5のカバー部53に対して、第2出力軸受B42を介して回転可能に支持されている。
図3に示すように、変速出力ギヤ22の外径r22は、回転電機1の外径r1よりも小さい。そして、変速ギヤ機構21の外径は、変速出力ギヤ22の外径r22よりも大きい。本実施形態では、減速ユニット21Bの外径r21Bは、変速出力ギヤ22の外径r22よりも大きい。そして、変速ユニット21Aの外径r21Aは、減速ユニット21Bの外径r21Bよりも大きい。つまり、変速ユニット21Aの外径r21Aが、変速ギヤ機構21の外径となっている。
ここでは、回転電機1の外径r1は、第1軸A1からステータコア111の外周面までの距離である。そして、減速ユニット21Bの外径r21Bは、第1軸A1から、第2遊星歯車機構PG2の第2リングギヤR2における最も径方向Rの外側に位置する部分までの距離である。また、変速ユニット21Aの外径r21Aは、第1軸A1から最大径部Mの外周部までの距離である。最大径部Mは、変速ユニット21Aにおいて外径が最も大きい部分である。ここでは、ブレーキB及び第1ワンウェイクラッチF1の外縁部が最大径部Mに相当する。
また、図4に示すように、差動入力ギヤ31の外径r31は、差動ギヤ機構32の外径r32よりも大きい。ここでは、差動入力ギヤ31の外径r31は、第2軸A2から差動入力ギヤ31の外周部までの距離である。そして、差動ギヤ機構32の外径r32は、第2軸A2から、ピニオンギヤ321の最も径方向Rの外側に位置する部分までの距離である。
また、差動入力ギヤ31は、軸方向Lに沿う軸方向視で、回転電機1及び変速ギヤ機構21の双方と重複するように配置されている。
図4に示すように、本実施形態では、変速ギヤ機構21の軸方向Lの配置領域と、差動ギヤ機構32の軸方向Lの配置領域AR32とが重なっている。本例では、減速ユニット21Bの軸方向Lの配置領域AR21Bと、差動ギヤ機構32の軸方向Lの配置領域AR32とが重なっている。つまり、減速ユニット21Bは、差動ギヤ機構32の軸方向Lの配置領域AR32内に、減速ユニット21Bの軸方向Lの配置領域AR21Bの少なくとも一部が含まれるように配置されている。また、本例では、変速ユニット21Aの最大径部Mの軸方向Lの配置領域ARMと、差動ギヤ機構32の軸方向Lの配置領域AR32とが重なっていない。
ここでは、差動ギヤ機構32の軸方向Lの配置領域AR32は、軸方向第1側L1のサイドギヤ322における軸方向第1側L1の端部と、軸方向第2側L2のサイドギヤ322における軸方向第2側L2の端部との間の軸方向Lの領域である。そして、減速ユニット21Bの軸方向Lの配置領域AR21Bは、第2ワンウェイクラッチF2の軸方向第2側L2の端部と、第2遊星歯車機構PG2の軸方向第1側L1の端部との間の軸方向Lの領域である。また、変速ユニット21Aの最大径部Mの軸方向Lの配置領域ARMは、ブレーキBの第1摩擦部材Bfにおける軸方向第1側L1の端部と、第1ワンウェイクラッチF1の軸方向第2側L2の端部との間の軸方向Lの領域である。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、変速ギヤ機構21の軸方向Lの配置領域と、差動ギヤ機構32の軸方向Lの配置領域AR32とが重なる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、変速ギヤ機構21の軸方向Lの配置領域と、差動ギヤ機構32の軸方向Lの配置領域AR32とが重なっていなくても良い。例えば、変速ギヤ機構21が差動ギヤ機構32よりも軸方向第1側L1に配置されていても良い。
(2)上記の実施形態では、減速ユニット21Bの軸方向Lの配置領域AR21Bと、差動ギヤ機構32の軸方向Lの配置領域AR32とが重なり、変速ユニット21Aの最大径部Mの軸方向Lの配置領域ARMと、差動ギヤ機構32の軸方向Lの配置領域AR32とが重なっていない構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、減速ユニット21Bの軸方向Lの配置領域AR21Bと、差動ギヤ機構32の軸方向Lの配置領域AR32とが重なっていなくても良い。また、変速ユニット21Aの最大径部Mの軸方向Lの配置領域ARMと、差動ギヤ機構32の軸方向Lの配置領域AR32とが重なっていても良い。
(3)上記の実施形態では、減速ユニット21Bの外径r21Bが変速出力ギヤ22の外径r22よりも大きく、変速ユニット21Aの外径r21Aが減速ユニット21Bの外径r21Bよりも大きい構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、減速ユニット21Bの外径r21Bが、変速出力ギヤ22の外径r22以下であっても良い。また、変速ユニット21Aの外径r21Aが、減速ユニット21Bの外径r21B以下であっても良い。
(4)上記の実施形態では、軸方向第2側L2から軸方向第1側L1に向けて、変速出力ギヤ22、減速ユニット21B、及び変速ユニット21Aが記載の順で配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、軸方向第2側L2から軸方向第1側L1に向けて、変速ユニット21A、減速ユニット21B、変速出力ギヤ22の順で配置され、或いは、軸方向第2側L2から軸方向第1側L1に向けて、変速出力ギヤ22、変速ユニット21A、減速ユニット21Bの順で配置されていても良い。
(5)上記の実施形態では、軸方向Lにおける回転電機1と変速ギヤ機構21との間に変速出力ギヤ22が配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、軸方向Lにおける回転電機1と変速出力ギヤ22との間に変速ギヤ機構21が配置された構成としても良い。なお、このような構成では、中継軸124が変速出力ギヤ22の径方向Rの内側を軸方向Lに貫通するように配置されていなくても良い。また、中継軸124を設けず、回転電機1のロータ軸123が変速ギヤ機構21に直接連結されていても良い。
(6)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔上記実施形態の概要〕
以下では、上記において説明した車両用駆動装置(100)の概要について説明する。
車両用駆動装置(100)は、
車輪(W)の駆動力源となる回転電機(1)と、
それぞれ前記車輪(W)に駆動連結される一対の出力部材(4)と、
前記回転電機(1)の側から伝達される回転を変速して一対の前記出力部材(4)の側に伝達する変速機(2)と、
前記変速機(2)の側から伝達される駆動力を一対の前記出力部材(4)に分配する差動歯車装置(3)と、を備え、
前記回転電機(1)及び前記変速機(2)が、第1軸(A1)上に配置され、
前記差動歯車装置(3)が、前記第1軸(A1)とは異なる第2軸(A2)上に配置され、
前記変速機(2)は、当該変速機(2)の出力要素である変速出力ギヤ(22)と、当該変速機(2)に入力された回転を変速して前記変速出力ギヤ(22)に伝達する変速ギヤ機構(21)と、を備え、
前記差動歯車装置(3)は、前記変速出力ギヤ(22)と噛み合う差動入力ギヤ(31)と、前記差動入力ギヤ(31)の回転を一対の前記出力部材(4)に分配する差動ギヤ機構(32)と、を備え、
前記変速出力ギヤ(22)の外径(r22)は、前記回転電機(1)の外径(r1)よりも小さく、
前記変速ギヤ機構(21)の外径は、前記変速出力ギヤ(22)の外径(r22)よりも大きく、
前記差動入力ギヤ(31)の外径(r31)は、前記差動ギヤ機構(32)の外径(r32)よりも大きく、
前記差動入力ギヤ(31)は、前記第1軸(A1)の軸方向(L)に沿う軸方向視で、前記回転電機(1)及び前記変速ギヤ機構(21)の双方と重複するように配置されている。
この構成によれば、第1軸(A1)上に配置された変速機(2)において比較的外径の小さい変速出力ギヤ(22)と、第2軸(A2)上に配置された差動歯車装置(3)において比較的外径の大きい差動入力ギヤ(31)とが互いに噛み合っている。そして、差動入力ギヤ(31)が、軸方向視で、変速出力ギヤ(22)よりも大きい外径を有する回転電機(1)及び変速ギヤ機構(21)の双方と重複している。これにより、異なる回転軸心回りに回転する変速機(2)と差動歯車装置(3)とを、互いに径方向(R)に近付けて配置することが容易となっている。したがって、複数の回転軸心が存在する構成であっても、車両用駆動装置(100)の径方向(R)の寸法の大型化を抑制することができる。
ここで、前記変速ギヤ機構(21)の前記軸方向(L)の配置領域と、前記差動ギヤ機構(32)の前記軸方向(L)の配置領域(AR32)とが重なっていると好適である。
この構成によれば、変速ギヤ機構(21)の軸方向(L)の配置領域と、差動ギヤ機構(32)の軸方向(L)の配置領域(AR32)とが重なっていない構成と比較して、車両用駆動装置(100)の軸方向(L)の寸法の小型化が容易となっている。
前記変速ギヤ機構(21)の前記軸方向(L)の配置領域と、前記差動ギヤ機構(32)の前記軸方向(L)の配置領域(AR32)とが重なる構成において、
前記変速ギヤ機構(21)は、変速比の異なる複数の変速段を切り換え可能に備える変速ユニット(21A)と、前記変速ユニット(21A)の側から伝達される回転を減速する減速ユニット(21B)と、を備え、
前記減速ユニット(21B)の外径(r21B)は、前記変速出力ギヤ(22)の外径(r22)よりも大きく、
前記変速ユニット(21A)の外径(r21A)は、前記減速ユニット(21B)の外径(r21B)よりも大きく、
前記変速ユニット(21A)及び前記減速ユニット(21B)は、前記軸方向(L)における前記変速出力ギヤ(22)の側から、前記減速ユニット(21B)、前記変速ユニット(21A)の順で配置されていると好適である。
この構成によれば、変速ギヤ機構(21)の軸方向(L)の配置領域と差動ギヤ機構(32)の軸方向(L)の配置領域(AR32)とが重なる領域において、軸方向(L)における変速出力ギヤ(22)及び差動入力ギヤ(31)から離れる側を軸方向離間側として、差動歯車装置(3)の外径が、軸方向離間側に向けて次第に小さくなっているのに対して、変速機(2)の外径が、軸方向離間側に向けて次第に大きくなっている。これにより、変速機(2)と差動歯車装置(3)とを、互いの外径の大きい部分と小さい部分との軸方向(L)の位置を合せて配置することができる。よって、変速機(2)と差動歯車装置(3)とを、互いに径方向(R)に更に近付けて配置することが容易となっている。したがって、複数の回転軸心が存在する構成であっても、車両用駆動装置(100)の径方向(R)の寸法の大型化を更に抑制することができる。
また、変速ギヤ機構(21)が変速ユニット(21A)と減速ユニット(21B)とを備えた構成において、
前記減速ユニット(21B)の前記軸方向(L)の配置領域(AR21B)と、前記差動ギヤ機構(32)の前記軸方向(L)の配置領域(AR32)とが重なり、
前記変速ユニット(21A)の外径が最も大きい部分である最大径部(M)の前記軸方向(L)の配置領域(ARM)と、前記差動ギヤ機構(32)の前記軸方向(L)の配置領域(AR32)とが重なっていないと好適である。
変速ユニット(21A)の最大径部(M)の軸方向(L)の配置領域(ARM)と、差動ギヤ機構(32)の軸方向(L)の配置領域(AR32)とが重なる構成では、変速ユニット(21A)と差動ギヤ機構(32)とが干渉しないように、変速ユニット(21A)と差動ギヤ機構(32)とを径方向(R)に離して配置する必要があるため、車両用駆動装置(100)の径方向(R)の寸法が大型化し易い。本構成によれば、変速ユニット(21A)の最大径部(M)の軸方向(L)の配置領域(ARM)と差動ギヤ機構(32)の軸方向(L)の配置領域(AR32)とが軸方向(L)にずれているため、変速機(2)と差動歯車装置(3)とを、互いに径方向(R)に近付けて配置することが容易となっている。したがって、車両用駆動装置(100)の径方向(R)の寸法の大型化を抑制することができる。
また、前記変速出力ギヤ(22)は、前記軸方向(L)における前記回転電機(1)と前記変速ギヤ機構(21)との間に配置されていると好適である。
この構成によれば、変速出力ギヤ(22)と噛み合う差動入力ギヤ(31)を備えた差動歯車装置(3)を、軸方向(L)において回転電機(1)に近付けて配置することが容易となっている。したがって、車両用駆動装置(100)の軸方向(L)の寸法の大型化を抑制することができる。
前記変速出力ギヤ(22)が前記軸方向(L)における前記回転電機(1)と前記変速ギヤ機構(21)との間に配置された構成において、
前記回転電機(1)の回転を前記変速ギヤ機構(21)に伝達する中継軸(124)を備え、
前記中継軸(124)は、前記変速出力ギヤ(22)の径方向(R)の内側を前記軸方向(L)に貫通するように配置されていると好適である。
この構成によれば、軸方向(L)における回転電機(1)と変速ギヤ機構(21)との間に変速出力ギヤ(22)が配置されていても、中継軸(124)によって回転電機(1)の回転を変速ギヤ機構(21)に適切に伝達することができる。
本開示に係る技術は、車輪の駆動力源となる回転電機と、それぞれ車輪に駆動連結される一対の出力部材と、回転電機の側から伝達される回転を変速して一対の出力部材の側に伝達する変速機と、変速機の側から伝達される駆動力を一対の出力部材に分配する差動歯車装置と、を備えた車両用駆動装置に利用することができる。
100 :車両用駆動装置
1 :回転電機
2 :変速機
21 :変速ギヤ機構
22 :変速出力ギヤ
3 :差動歯車装置
31 :差動入力ギヤ
32 :差動ギヤ機構
4 :出力部材
A1 :第1軸
A2 :第2軸
W :車輪
L :軸方向
R :径方向

Claims (6)

  1. 車輪の駆動力源となる回転電機と、
    それぞれ前記車輪に駆動連結される一対の出力部材と、
    前記回転電機の側から伝達される回転を変速して一対の前記出力部材の側に伝達する変速機と、
    前記変速機の側から伝達される駆動力を一対の前記出力部材に分配する差動歯車装置と、を備え、
    前記回転電機及び前記変速機が、第1軸上に配置され、
    前記差動歯車装置が、前記第1軸とは異なる第2軸上に配置され、
    前記変速機は、当該変速機の出力要素である変速出力ギヤと、当該変速機に入力された回転を変速して前記変速出力ギヤに伝達する変速ギヤ機構と、を備え、
    前記差動歯車装置は、前記変速出力ギヤと噛み合う差動入力ギヤと、前記差動入力ギヤの回転を一対の前記出力部材に分配する差動ギヤ機構と、を備え、
    前記変速出力ギヤの外径は、前記回転電機の外径よりも小さく、
    前記変速ギヤ機構の外径は、前記変速出力ギヤの外径よりも大きく、
    前記差動入力ギヤの外径は、前記差動ギヤ機構の外径よりも大きく、
    前記差動入力ギヤは、前記第1軸の軸方向に沿う軸方向視で、前記回転電機及び前記変速ギヤ機構の双方と重複するように配置されている、車両用駆動装置。
  2. 前記変速ギヤ機構の前記軸方向の配置領域と、前記差動ギヤ機構の前記軸方向の配置領域とが重なっている、請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記変速ギヤ機構は、変速比の異なる複数の変速段を切り換え可能に備える変速ユニットと、前記変速ユニットの側から伝達される回転を減速する減速ユニットと、を備え、
    前記減速ユニットの外径は、前記変速出力ギヤの外径よりも大きく、
    前記変速ユニットの外径は、前記減速ユニットの外径よりも大きく、
    前記変速ユニット及び前記減速ユニットは、前記軸方向における前記変速出力ギヤの側から、前記減速ユニット、前記変速ユニットの順で配置されている、請求項2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記減速ユニットの前記軸方向の配置領域と、前記差動ギヤ機構の前記軸方向の配置領域とが重なり、
    前記変速ユニットの外径が最も大きい部分である最大径部の前記軸方向の配置領域と、前記差動ギヤ機構の前記軸方向の配置領域とが重なっていない、請求項3に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記変速出力ギヤは、前記軸方向における前記回転電機と前記変速ギヤ機構との間に配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  6. 前記回転電機の回転を前記変速ギヤ機構に伝達する中継軸を備え、
    前記中継軸は、前記変速出力ギヤの径方向の内側を前記軸方向に貫通するように配置されている、請求項5に記載の車両用駆動装置。
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