JP2020172243A - 車両用駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一対の出力部材の軸方向の寸法差を小さく抑え易い車両用駆動装置を提供する。【解決手段】車両用駆動装置100は、内燃機関EGに対して軸方向第1側L1に配置された入力部材2と、一対の出力部材9と、入力部材2に駆動連結された第1回転電機MG1と、第2回転電機MG2と、入力部材2と同軸に配置された第1ギヤ5と、第2回転電機MG2のロータ軸Sと一体的に回転して第1ギヤ5と噛み合う第2ギヤ6と、第1ギヤ5と噛み合う第3ギヤ71及び当該第3ギヤ71と一体的に回転する第4ギヤ72を備えたカウンタギヤ機構7と、第4ギヤ72と噛み合う第5ギヤ81を備えた出力用差動歯車機構8と、第1ギヤ5と入力部材2との間での動力伝達を断接する係合装置4と、を備え、第4ギヤ72が第3ギヤ71よりも軸方向第2側L2に配置され、第4ギヤ72の軸方向Lの配置領域AR1と係合装置4の軸方向Lの配置領域AR2とが重なっている。【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関に対して軸方向の一方側に配置され、当該内燃機関に駆動連結される入力部材と、それぞれ車輪に駆動連結される一対の出力部材と、入力部材に駆動連結された第1回転電機と、第2回転電機と、を備えた車両用駆動装置に関する。
このような車両用駆動装置の一例が、下記の特許文献1に開示されている。以下、この背景技術の説明では、特許文献1における符号を括弧内に引用する。
特許文献1の車両用駆動装置は、内燃機関(1)に駆動連結される入力部材(2)と、それぞれ車輪(6)に駆動連結される一対の出力部材と、入力部材(2)の回転により発電を行う第1回転電機(4)と、ロータ軸(8a)を備えた第2回転電機(8)と、入力部材(2)と同軸に配置された第1ギヤ(11)と、第2回転電機(8)のロータ軸(8a)と一体的に回転すると共に第1ギヤ(11)と噛み合う第2ギヤ(8b)と、第1ギヤ(11)と噛み合う第3ギヤ(12)、及び当該第3ギヤ(12)と一体的に回転する第4ギヤ(13)を備えたカウンタギヤ機構と、第4ギヤ(13)と噛み合う第5ギヤ(14)を有し、当該第5ギヤ(14)の回転を一対の出力部材に分配する出力用差動歯車機構(7)と、第1ギヤ(11)と入力部材(2)との間での動力伝達を断接する係合装置(5A)と、を備えている。
特許文献1の車両用駆動装置は、内燃機関(1)に対して軸方向に隣接して配置されている。そのため、特許文献1の車両用駆動装置では、出力用差動歯車機構(7)が、軸方向において内燃機関(1)から離れた位置に配置され易い。ここで、比較的重量の大きい内燃機関(1)は、車両の軸方向の中央近傍に配置される。そのため、特許文献1の車両用駆動装置では、出力用差動歯車機構(7)が、車両の軸方向の中央から離れた位置に配置され易い。
車両の軸方向の中央から出力用差動歯車機構(7)が離れていると、一対の出力部材のうち、軸方向における内燃機関(1)側の出力部材を、他方の出力部材よりも軸方向に長くする必要がある。一対の出力部材の軸方向の寸法差が大きい場合、車両の操舵性が悪化する要因となり得るため、別途対策が必要になる場合がある。
そこで、一対の出力部材の軸方向の寸法差を小さく抑え易い車両用駆動装置の実現が望まれる。
上記に鑑みた、車両用駆動装置の特徴構成は、
内燃機関に対して軸方向の一方側である軸方向第1側に配置され、前記内燃機関に駆動連結される入力部材と、
それぞれ車輪に駆動連結される一対の出力部材と、
前記入力部材に駆動連結された第1回転電機と、
ロータ軸を備えた第2回転電機と、
前記入力部材と同軸に配置された第1ギヤと、
前記第2回転電機の前記ロータ軸と一体的に回転すると共に前記第1ギヤと噛み合う第2ギヤと、
前記第1ギヤと噛み合う第3ギヤ、及び、前記第3ギヤと一体的に回転する第4ギヤを備えたカウンタギヤ機構と、
前記第4ギヤと噛み合う第5ギヤを備え、前記第5ギヤの回転を一対の前記出力部材に分配する出力用差動歯車機構と、
前記第1ギヤと前記入力部材との間での動力伝達を断接する係合装置と、を備え、
前記軸方向における前記軸方向第1側とは反対側を軸方向第2側として、前記カウンタギヤ機構の前記第4ギヤが、前記第3ギヤよりも前記軸方向第2側に配置され、
前記第4ギヤの前記軸方向の配置領域と、前記係合装置の前記軸方向の配置領域とが重なっている点にある。
内燃機関に対して軸方向の一方側である軸方向第1側に配置され、前記内燃機関に駆動連結される入力部材と、
それぞれ車輪に駆動連結される一対の出力部材と、
前記入力部材に駆動連結された第1回転電機と、
ロータ軸を備えた第2回転電機と、
前記入力部材と同軸に配置された第1ギヤと、
前記第2回転電機の前記ロータ軸と一体的に回転すると共に前記第1ギヤと噛み合う第2ギヤと、
前記第1ギヤと噛み合う第3ギヤ、及び、前記第3ギヤと一体的に回転する第4ギヤを備えたカウンタギヤ機構と、
前記第4ギヤと噛み合う第5ギヤを備え、前記第5ギヤの回転を一対の前記出力部材に分配する出力用差動歯車機構と、
前記第1ギヤと前記入力部材との間での動力伝達を断接する係合装置と、を備え、
前記軸方向における前記軸方向第1側とは反対側を軸方向第2側として、前記カウンタギヤ機構の前記第4ギヤが、前記第3ギヤよりも前記軸方向第2側に配置され、
前記第4ギヤの前記軸方向の配置領域と、前記係合装置の前記軸方向の配置領域とが重なっている点にある。
この特徴構成によれば、出力用差動歯車機構の第5ギヤと噛み合う第4ギヤが、第3ギヤよりも軸方向第2側に配置されている。これにより、出力用差動歯車機構を、軸方向において内燃機関に近付けて配置することができる。その結果、一対の出力部材の軸方向の寸法差を小さく抑え易い。したがって、車両用駆動装置を車両に搭載した場合において、一対の出力部材の軸方向の寸法差に起因する、車両の操舵性の悪化を抑制することができる。
また、本構成によれば、軸方向の配置領域が係合装置と重なるスペースを利用して、第4ギヤが配置されている。これにより、係合装置と第4ギヤとの軸方向の配置領域が重なっていない構成と比較して、車両用駆動装置の軸方向の寸法の小型化が容易となっている。
また、本構成によれば、軸方向の配置領域が係合装置と重なるスペースを利用して、第4ギヤが配置されている。これにより、係合装置と第4ギヤとの軸方向の配置領域が重なっていない構成と比較して、車両用駆動装置の軸方向の寸法の小型化が容易となっている。
以下では、実施形態に係る車両用駆動装置100について、図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、車両用駆動装置100は、第1回転電機MG1と、第2回転電機MG2と、入力部材2と、アイドラギヤ5と、ロータギヤ6と、カウンタギヤ機構7と、出力用差動歯車機構8と、一対の出力部材9と、を備えている。本実施形態では、車両用駆動装置100は、増速機3及び係合装置4も備えている。また、本実施形態では、これらの要素がケース1内に収容されている。なお、入力部材2及び一対の出力部材9については、それらの一部がケース1の外部に露出している。
入力部材2とアイドラギヤ5とのそれぞれは、その回転軸心としての第1軸X1上に配置されている。つまり、入力部材2とアイドラギヤ5とは、同軸に配置されている。本実施形態では、第1回転電機MG1も第1軸X1上に配置されている。つまり、本実施形態では、第1回転電機MG1は、入力部材2と同軸に配置されている。また、本実施形態では、増速機3及び係合装置4も第1軸X1上に配置されている。第2回転電機MG2とロータギヤ6とのそれぞれは、その回転軸心としての第2軸X2上に配置されている。カウンタギヤ機構7は、その回転軸心としての第3軸X3上に配置されている。出力用差動歯車機構8と一対の出力部材9とのそれぞれは、その回転軸心としての第4軸X4上に配置されている。第1軸X1と第2軸X2と第3軸X3と第4軸X4とは、互いに異なる仮想軸であり、互いに平行に配置されている。
以下の説明では、上記の軸X1〜X4に平行な方向を、車両用駆動装置100の「軸方向L」とする。そして、軸方向Lにおいて、第1回転電機MG1に対して第2回転電機MG2が配置される側を「軸方向第1側L1」とし、その反対側を「軸方向第2側L2」とする。また、上記の軸X1〜X4のそれぞれに直交する方向を、各軸を基準とした「径方向R」とする。なお、どの軸を基準とするかを区別する必要がない場合やどの軸を基準とするかが明らかである場合には、単に「径方向R」と記す場合がある。
図1に示すように、本実施形態では、ケース1は、第1ケース部11と、第2ケース部12と、第3ケース部13と、第4ケース部14と、を備えている。第1ケース部11、第2ケース部12、第3ケース部13、及び第4ケース部14は、軸方向第1側L1から軸方向第2側L2に向けて、記載の順に配置されている。そして、第1ケース部11と第2ケース部12とが互いに接合され、第2ケース部12と第3ケース部13とが互いに接合され、第3ケース部13と第4ケース部14とが互いに接合されている。図示の例では、これらの接合は、ボルト締結によって実現されている。
第1ケース部11は、第1周壁部111と、第1側壁部112と、を有している。第1周壁部111は、第2回転電機MG2の径方向Rの外側を囲む筒状に形成されている。第1側壁部112は、第1周壁部111の軸方向第1側L1の開口を閉塞するように形成されている。
第2ケース部12は、第2周壁部121と、第2側壁部122と、を有している。第2周壁部121は、第2回転電機MG2、入力部材2、アイドラギヤ5、ロータギヤ6、カウンタギヤ機構7、出力用差動歯車機構8、及び一対の出力部材9の径方向Rの外側を囲む筒状に形成されている。第2側壁部122は、第2周壁部121の軸方向第1側L1の開口の一部を閉塞するように形成されている。
第3ケース部13は、第3周壁部131と、第3側壁部132と、を有している。第3周壁部131は、第1回転電機MG1の径方向Rの外側を囲む筒状に形成されている。第3側壁部132は、第3周壁部131の軸方向第1側L1の開口を閉塞するように形成されている。
第4ケース部14は、第4周壁部141と、第4側壁部142と、を有している。第4周壁部141は、第1回転電機MG1の径方向Rの外側を囲む筒状に形成されている。第4側壁部142は、第1軸X1を基準とした径方向Rに沿って延在するように形成されている。
図1及び図2に示すように、入力部材2は、軸方向Lに沿って延在している。本実施形態では、入力部材2は、第3側壁部132と第4側壁部142とを軸方向Lに貫通するように配置されている。入力部材2は、内燃機関EGに対して軸方向第1側L1に配置されている。入力部材2は、内燃機関EGに駆動連結されている。本実施形態では、入力部材2は、ダンパ装置DPを介して内燃機関EGの出力軸(クランクシャフト等)に駆動連結されている。内燃機関EGは、燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等)である。ダンパ装置DPは、伝達されるトルクの変動を減衰する装置である。
第1回転電機MG1は、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを有している。そのため、第1回転電機MG1は、蓄電装置(図示を省略)と電気的に接続されている。この蓄電装置としては、バッテリやキャパシタ等の公知の各種の蓄電装置を用いることができる。本実施形態では、第1回転電機MG1は、入力部材2(内燃機関EG)のトルクにより発電を行い、蓄電装置を充電し、或いは第2回転電機MG2を駆動するための電力を供給するジェネレータとして機能する。ただし、第1回転電機MG1は、車両の高速走行時や内燃機関EGの始動時等には、力行して駆動力(「トルク」と同義)を発生するモータとして機能する場合もある。
第1回転電機MG1は、第1ステータSt1と、第1ロータRo1と、を備えている。第1ステータSt1は、非回転部材(ここでは、ケース1)に固定された第1ステータコアStc1を有している。第1ロータRo1は、第1ステータSt1に対して回転可能な第1ロータコアRoc1を有している。
本実施形態では、第1回転電機MG1は回転界磁型の回転電機である。そのため、第1ステータコアStc1には、当該第1ステータコアStc1から軸方向Lの両側(軸方向第1側L1及び軸方向第2側L2)にそれぞれ突出するコイルエンド部が形成されるように第1ステータコイルC1が巻装されている。そして、第1ロータコアRoc1には、第1永久磁石PM1が設けられている。
また、本実施形態では、第1回転電機MG1はインナロータ型の回転電機である。そのため、第1ステータコアStc1に対して径方向Rの内側に、第1ロータコアRoc1が配置されている。更に、本実施形態では、第1ロータコアRoc1に対して径方向Rの内側に、増速機3が配置されている。
増速機3は、入力部材2及び第1回転電機MG1に駆動連結され、入力部材2の回転速度を増速して第1回転電機MG1に伝達する。本実施形態では、増速機3は、第1回転電機MG1の径方向Rに沿う径方向視で第1回転電機MG1と重複するように、第1回転電機MG1に対して径方向Rの内側に配置されている。ここで、2つの要素の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線と直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの要素の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを指す。
本実施形態では、増速機3は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構を備えている。具体的には、増速機3は、第1ピニオンギヤP31及び当該第1ピニオンギヤP31と噛み合う第2ピニオンギヤP32を支持するキャリヤC31と、第1ピニオンギヤP31と噛み合うサンギヤS31と、第2ピニオンギヤP32と噛み合うリングギヤR31とを備えている。
本実施形態では、キャリヤC31は、増速機3の入力要素であり、入力部材2と一体的に回転するように連結されている。図3に示すように、キャリヤC31は、入力部材2の外周面から径方向Rの外側に突出するように形成されている。図示の例では、キャリヤC31は、入力部材2と一体的に形成されている。
第1ピニオンギヤP31及び第2ピニオンギヤP32のそれぞれは、キャリヤC31により回転可能に支持されている。第1ピニオンギヤP31及び第2ピニオンギヤP32のそれぞれは、その軸心回りに回転(自転)すると共に、サンギヤS31を中心として回転(公転)する。なお、図示は省略するが、第1ピニオンギヤP31及び第2ピニオンギヤP32のそれぞれは、その公転軌跡に沿って複数設けられている。
本実施形態では、リングギヤR31は、ケース1に対して周方向へ回転不能に支持されている。具体的には、リングギヤR31は、第4ケース部14の第4側壁部142に固定されたギヤ支持部材32によって、軸方向第2側L2から支持されている。
本実施形態では、サンギヤS31は、増速機3の出力要素であり、第1回転電機MG1の第1ロータRo1と一体的に回転するように連結されている。具体的には、サンギヤS31は、筒状に形成されたギヤ形成部材33の外周面に形成されている。そして、ギヤ形成部材33が、連結部材34を介して、第1ロータRo1を支持するロータ支持部材35に対して連結されている。こうして、本実施形態では、サンギヤS31が第1ロータRo1と一体的に回転する。
ギヤ形成部材33は、軸方向Lに沿って延在する筒状に形成されている。ギヤ形成部材33は、入力部材2に対して径方向Rの外側に配置されている。ギヤ形成部材33における軸方向第2側L2の端部の外周面には、サンギヤS31が形成されている。ギヤ形成部材33における軸方向第1側L1の端部の外周面には、第3ケース部13の第3側壁部132に支持されたサンギヤ軸受B1が配置されている。これにより、サンギヤS31は、サンギヤ軸受B1を介して、ケース1に対して回転可能に支持されている。
連結部材34は、ギヤ形成部材33とロータ支持部材35とが一体的に回転するように、それらを連結している。具体的には、連結部材34は、第1軸X1を基準とした径方向Rに沿って延在している。そして、連結部材34における径方向Rの内側の端部が、ギヤ形成部材33と一体的に連結され、連結部材34における径方向Rの外側の端部が、ロータ支持部材35と一体的に連結されている。
ロータ支持部材35は、第1ロータRo1を径方向Rの内側から支持する。具体的には、ロータ支持部材35は、軸方向Lに沿って延在する筒状に形成されている。そして、ロータ支持部材35の外周面に、第1ロータコアRoc1が取り付けられている。ロータ支持部材35の外周面に対する第1ロータコアRoc1の取り付けは、例えば、溶接、かしめ等によって行われる。ロータ支持部材35は、ロータ軸受B2を介して、ケース1に対して回転可能に支持されている。本実施形態では、ロータ支持部材35における、第1ステータSt1及び第1ロータRo1よりも軸方向第2側L2の部分が、ロータ軸受B2を介して、第4ケース部14の第4側壁部142に対して回転可能に支持されている。
上述したように、本実施形態では、増速機3はダブルピニオン型の遊星歯車機構を備えている。そして、キャリヤC31が増速機3の入力要素であり、サンギヤS31が増速機3の出力要素である。これにより、入力部材2の回転が逆転されて第1回転電機MG1に伝達される。また、本実施形態では、リングギヤR31の歯数は、サンギヤS31の歯数の2倍より多くなるように設定されている。これにより、入力部材2の回転が増速されて第1回転電機MG1に伝達される。
係合装置4は、アイドラギヤ5と入力部材2との間での動力伝達を断接する装置である。本実施形態では、係合装置4は、摩擦部材41と、当該摩擦部材41の係合の状態を切り替えるピストン42と、を備えた、湿式の摩擦係合装置である。本実施形態では、油圧によってピストン42を介して摩擦部材41の係合の状態が制御され、係合装置4の係合状態と解放状態とが切り替えられる。係合装置4が係合状態である場合、アイドラギヤ5と入力部材2との間で動力が伝達される。一方、係合装置4が解放状態である場合、アイドラギヤ5と入力部材2との間での動力伝達が遮断される。なお、このような構成では、出力側から過大なトルクが入力される等した場合に、係合装置4の摩擦部材同士がスリップして、出力部材9から内燃機関EGまでの動力伝達経路に過大な負荷が作用することが制限されるため、トルクリミッタの設置等を行う必要がない点で有利である。
摩擦部材41は、対となる内側摩擦材411及び外側摩擦材412を含む。内側摩擦材411及び外側摩擦材412は、いずれも円環板状に形成されている。また、内側摩擦材411及び外側摩擦材412は複数枚ずつ設けられており、これらは軸方向Lに沿って交互に配置されている。内側摩擦材411は、入力部材2と一体的に回転するように連結されたクラッチハブ43によって支持されている。外側摩擦材412は、アイドラギヤ5と一体的に回転するように連結されたクラッチドラム44によって支持されている。
クラッチハブ43は、内側摩擦材411を支持する内側支持部431と、クラッチハブ43を入力部材2と連結するための内側連結部432と、を有している。
内側支持部431は、軸方向Lに延在する筒状に形成されている。内側支持部431は、内側摩擦材411が内側支持部431に対して周方向の相対回転が規制された状態で軸方向Lに摺動するように、内側摩擦材411を径方向Rの内側から支持している。本実施形態では、内側支持部431の外周面には、軸方向Lに延在する複数のスプライン歯が周方向に分散して形成されている。そして、内側摩擦材411の内周部にも同様のスプライン歯が形成されており、それらのスプライン歯が互いに係合されている。
内側連結部432は、内側支持部431と入力部材2とを一体的に連結するように形成されている。本実施形態では、内側連結部432は、内側支持部431から径方向Rの内側に突出するように形成されている。そして、内側連結部432における径方向Rの内側の端部が、入力部材2と一体的に連結されている。
クラッチドラム44は、外側摩擦材412を支持する外側支持部441と、クラッチドラム44をアイドラギヤ5と連結するための外側連結部442と、を有している。
外側支持部441は、軸方向Lに延在する筒状に形成されている。外側支持部441は、外側摩擦材412が外側支持部441に対して周方向の相対回転が規制された状態で軸方向Lに摺動するように、外側摩擦材412を径方向Rの外側から支持している。本実施形態では、外側支持部441の内周面には、軸方向Lに延在する複数のスプライン歯が周方向に分散して形成されている。そして、外側摩擦材412の外周部にも同様のスプライン歯が形成されており、それらのスプライン歯が互いに係合されている。
外側連結部442は、外側支持部441とアイドラギヤ5とを一体的に連結するように形成されている。本実施形態では、外側連結部442は、外側支持部441から径方向Rの内側に突出するように形成されている。そして、外側連結部442における径方向Rの内側の端部が、アイドラギヤ5と一体的に連結されている。
ピストン42は、スプリング等の付勢部材によって軸方向Lの一方側(ここでは、軸方向第1側L1)に付勢されている。本実施形態では、ピストン42と、アイドラギヤ5に対して一体的に連結された油室形成部材51との間に、油が供給される油室が形成されている。そして、この油室に付勢部材の付勢力に抗する油圧の油が供給された際には、ピストン42が軸方向第2側L2に摺動し、摩擦部材41を軸方向第1側L1から押圧する。ピストン42によって摩擦部材41が押圧されて係合装置4が係合状態となると、入力部材2とアイドラギヤ5とが一体的に連結される。また、本実施形態では、ピストン42は、径方向Rに沿って延在している。そして、ピストン42における径方向Rの外側の端部が、摩擦部材41を軸方向第1側L1から押圧するように形成されている。
アイドラギヤ5は、入力部材2と同軸に配置されている。つまり、アイドラギヤ5は、入力部材2と同軸に配置された「第1ギヤ」に相当する。アイドラギヤ5は、係合装置4が解放状態である場合、入力部材2とは独立して回転する。一方、アイドラギヤ5は、係合装置4が係合状態である場合、入力部材2の回転に伴って回転する。
本実施形態では、アイドラギヤ5は、入力部材2に対して径方向Rの外側に配置されたアイドラ軸受B3によって、径方向Rの内側から回転可能に支持されている。アイドラ軸受B3は、入力部材2の径方向Rの外側を覆う筒状に形成された筒壁部123の外周面に配置されている。つまり、アイドラギヤ5の内周面と筒壁部123の外周面との間に、アイドラ軸受B3が介装されている。筒壁部123は、第2ケース部12の第2側壁部122から軸方向第2側L2に突出するように形成されている。
本実施形態では、上述したように、アイドラギヤ5には、油室形成部材51が一体的に回転するように連結されている。本実施形態では、油室形成部材51は、アイドラギヤ5及びアイドラ軸受B3に対して軸方向第2側L2に隣接して配置されている。そして、油室形成部材51は、アイドラギヤ5から径方向Rの内側に向けて延出すると共に、当該延出部分における径方向Rの内側の端部から、筒壁部123の外周面に沿って軸方向第2側L2に延出するように形成されている。
第2回転電機MG2は、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを有している。そのため、第2回転電機MG2も、第1回転電機MG1と同様に、上記蓄電装置と電気的に接続されている。本実施形態では、第2回転電機MG2は、主に車両を走行させるための駆動力を発生するモータとして機能する。ただし、車両の減速時等には、第2回転電機MG2は、車両の慣性力を電気エネルギとして回生するジェネレータとして機能する場合もある。
図1に示すように、第2回転電機MG2は、第2ステータSt2と、第2ロータRo2と、を備えている。第2ステータSt2は、非回転部材(ここでは、ケース1)に固定された第2ステータコアStc2を有している。第2ロータRo2は、第2ステータSt2に対して回転可能な第2ロータコアRoc2と、当該第2ロータコアRoc2と一体的に回転するように連結されたロータ軸Sと、を有している。
本実施形態では、第2回転電機MG2は回転界磁型の回転電機である。そのため、第2ステータコアStc2には、当該第2ステータコアStc2から軸方向Lの両側(軸方向第1側L1及び軸方向第2側L2)にそれぞれ突出するコイルエンド部が形成されるように第2ステータコイルC2が巻装されている。そして、第2ロータコアRoc2には、第2永久磁石PM2が設けられている。
また、本実施形態では、第2回転電機MG2はインナロータ型の回転電機である。そのため、第2ステータコアStc2に対して径方向Rの内側に、第2ロータコアRoc2が配置されている。そして、ロータ軸Sが、第2ロータコアRoc2に対して径方向Rの内側に配置された状態で、第2ロータコアRoc2と一体的に回転するように連結されている。ロータ軸Sは、第1ロータ軸支持軸受B41及び第2ロータ軸支持軸受B42を介して、ケース1に対して回転可能に支持されている。本実施形態では、ロータ軸Sの軸方向第1側L1の端部が、第1ロータ軸支持軸受B41を介して、第1ケース部11の第1側壁部112に対して回転可能に支持されている。そして、ロータ軸Sの軸方向第2側L2の端部が、第2ロータ軸支持軸受B42を介して、第3ケース部13の第3側壁部132に対して回転可能に支持されている。
ロータギヤ6は、第2回転電機MG2のロータ軸Sと一体的に回転するように連結されている。そして、ロータギヤ6は、アイドラギヤ5と噛み合っている。つまり、ロータギヤ6は、第2回転電機MG2のロータ軸Sと一体的に回転すると共に第1ギヤ(アイドラギヤ5)と噛み合う「第2ギヤ」に相当する。本実施形態では、ロータギヤ6は、ロータ軸Sにおける、第2ステータSt2及び第2ロータRo2よりも軸方向第2側L2の部分の外周面に形成されている。
本実施形態では、軸方向Lにおける第1回転電機MG1とアイドラギヤ5との間に、係合装置4が配置されている。そして、第2回転電機MG2よりも軸方向第2側L2に、アイドラギヤ5と噛み合うロータギヤ6が配置されている。つまり、本実施形態では、軸方向第2側L2から軸方向第1側L1に向けて、第1回転電機MG1、係合装置4、アイドラギヤ5、及び第2回転電機MG2が記載の順に配置されている。
カウンタギヤ機構7は、アイドラギヤ5と出力用差動歯車機構8との間の動力伝達経路に配置されている。カウンタギヤ機構7は、第1カウンタギヤ71と、第2カウンタギヤ72と、カウンタ軸73と、を備えている。
第1カウンタギヤ71は、カウンタギヤ機構7の入力要素である。第1カウンタギヤ71は、アイドラギヤ5の周方向におけるロータギヤ6とは異なる位置で、アイドラギヤ5と噛み合っている。つまり、第1カウンタギヤ71は、第1ギヤ(アイドラギヤ5)と噛み合う「第3ギヤ」に相当する。
第2カウンタギヤ72は、カウンタギヤ機構7の出力要素である。第2カウンタギヤ72は、第1カウンタギヤ71よりも軸方向第2側L2に配置されている。第2カウンタギヤ72は、当該第2カウンタギヤ72の軸方向Lの配置領域AR1(図2参照)と、係合装置4の軸方向Lの配置領域AR2(図2参照)とが重なるように配置されている。つまり、第2カウンタギヤ72は、係合装置4の軸方向Lの配置領域AR2内に、第2カウンタギヤ72の軸方向Lの配置領域AR1の少なくとも一部が含まれるように配置されている。第2カウンタギヤ72は、第1カウンタギヤ71と一体的に回転する。つまり、第2カウンタギヤ72は、第3ギヤ(第1カウンタギヤ71)と一体的に回転する「第4ギヤ」に相当する。本実施形態では、第2カウンタギヤ72は、第1カウンタギヤ71よりも小径に形成されている。
カウンタ軸73は、第1カウンタギヤ71と第2カウンタギヤ72とを連結する軸である。カウンタ軸73は、第1カウンタ軸受B51及び第2カウンタ軸受B52を介して、ケース1に対して回転可能に支持されている。本実施形態では、カウンタ軸73の軸方向第1側L1の端部が、第1カウンタ軸受B51を介して、第2ケース部12の第2側壁部122に対して回転可能に支持されている。そして、カウンタ軸73の軸方向第2側L2の端部が、第2カウンタ軸受B52を介して、第3ケース部13の第3側壁部132に対して回転可能に支持されている。
本実施形態では、カウンタギヤ機構7は、入力部材2及びアイドラギヤ5よりも軸方向第1側L1に突出している。つまり、カウンタギヤ機構7の軸方向第1側L1の端部は、入力部材2の軸方向第1側L1の端部、及び、アイドラギヤ5の軸方向第1側L1の端部よりも軸方向第1側L1に位置している。本例では、カウンタ軸73の軸方向第1側L1の端部及び第1カウンタ軸受B51が、入力部材2の軸方向第1側L1の端部、及び、アイドラギヤ5の軸方向第1側L1の端部よりも軸方向第1側L1に位置している。
出力用差動歯車機構8は、差動入力ギヤ81を備えている。出力用差動歯車機構8は、差動入力ギヤ81の回転を一対の出力部材9に分配する。差動入力ギヤ81は、出力用差動歯車機構8の入力要素である。差動入力ギヤ81は、カウンタギヤ機構7の第2カウンタギヤ72と噛み合っている。つまり、差動入力ギヤ81は、第4ギヤ(第2カウンタギヤ72)と噛み合う「第5ギヤ」に相当する。
本実施形態では、出力用差動歯車機構8は、傘歯車型の差動歯車機構である。具体的には、出力用差動歯車機構8は、中空の差動ケース82と、当該差動ケース82と一体的に回転するように支持された一対のピニオンシャフト83と、当該一対のピニオンシャフト83に対して回転可能に支持された一対のピニオンギヤ84と、当該一対のピニオンギヤ84と噛み合って分配出力要素として機能する一対のサイドギヤ85と、を備えている。
差動ケース82は、第1差動軸受B61及び第2差動軸受B62を介して、ケース1に対して回転可能に支持されている。本実施形態では、差動ケース82は、第2ケース部12の第2側壁部122から第3ケース部13の第3側壁部132に亘って配置されている。そして、差動ケース82は、第1差動軸受B61を介して、第2側壁部122に対して回転可能に支持されている。更に、差動ケース82は、第2差動軸受B62を介して、第3側壁部132に対して回転可能に支持されている。
差動ケース82には、一対のピニオンシャフト83、一対のピニオンギヤ84、及び一対のサイドギヤ85が収容されている。本実施形態では、差動ケース82には、差動入力ギヤ81が当該差動ケース82の径方向Rの外側に突出するように連結されている。一対のサイドギヤ85のそれぞれには、出力部材9が一体的に回転可能に連結されている。
一対の出力部材9のそれぞれは、車輪Wに駆動連結されている。一対の出力部材9は、出力用差動歯車機構8から軸方向Lの両側に突出するように形成されている。本実施形態では、軸方向第1側L1の出力部材9が、第2ケース部12の第2側壁部122を軸方向Lに貫通するように配置されている。そして、軸方向第2側L2の出力部材9が、第3ケース部13の第3側壁部132を軸方向Lに貫通するように配置されている。
本実施形態では、車両用駆動装置100は、油を吐出する油圧ポンプOPを更に備えている。油圧ポンプOPは、係合装置4のピストン42を駆動するための油圧を係合装置4に供給する。また、油圧ポンプOPは、第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2に対して、それらの冷却のために油を供給する。更に、油圧ポンプOPは、車両用駆動装置100が備えるギヤ及び軸受に対して、それらの潤滑のために油を供給する。
油圧ポンプOPは、当該油圧ポンプOPを駆動するためのポンプ駆動ギヤOPaを備えている。本実施形態では、ポンプ駆動ギヤOPaは、ロータギヤ6の周方向におけるアイドラギヤ5とは異なる位置で、ロータギヤ6と噛み合っている。
本実施形態では、油圧ポンプOPは、当該油圧ポンプOPの軸方向Lの配置領域と、係合装置4の軸方向Lの配置領域とが重なるように配置されている。
次に、本実施形態に係る車両用駆動装置100の機能について説明する。上述したように、第1回転電機MG1は主として発電機として機能し、第2回転電機MG2は主として電動機として機能する。第1回転電機MG1は、内燃機関EGにより駆動されて発電を行い、不図示の蓄電装置を充電する。第2回転電機MG2は、その蓄電装置の電力を用いて力行し、車輪Wを駆動する。係合装置4が、入力部材2とアイドラギヤ5との間の動力伝達を遮断している場合(入力部材2とアイドラギヤ5とが解放状態の場合)、第1回転電機MG1と第2回転電機MG2とは、機械的に分離されている。この場合、車両用駆動装置100は、内燃機関EGの動力に基づいて第1回転電機MG1により発電された電力で第2回転電機MG2を駆動するシリーズハイブリッド型の駆動装置として機能する。
また、蓄電装置が十分に充電されている場合には、係合装置4が入力部材2とアイドラギヤ5との動力伝達を遮断している状態で、内燃機関EGを停止させて第1回転電機MG1も停止させ、蓄電装置の電力を用いて第2回転電機MG2を駆動することもできる。この場合には、車両用駆動装置100は、電動型の駆動装置として機能する。
また、係合装置4が、入力部材2とアイドラギヤ5との動力伝達を接続している場合(入力部材2とアイドラギヤ5とが連結状態の場合)、内燃機関EGの駆動力及び第2回転電機MG2の駆動力により、車輪Wを駆動してもよい。この場合、例えば、第1回転電機MG1のトルクを制御することで、第1回転電機MG1の状態を、発電する状態と、力行する状態と、発電も力行も行わない状態と、のいずれにしてもよい。この場合、車両用駆動装置100は、パラレルハイブリッド型の駆動装置として機能する。
このように、本実施形態の車両用駆動装置100は、シリーズハイブリッド型、パラレルハイブリッド型、電動型として機能することが可能な駆動装置、即ちシリーズ/パラレル型のハイブリッド駆動装置である。
以下では、車両用駆動装置100の各要素の位置関係について説明する。なお、以下の説明では、車両に搭載した状態の車両用駆動装置100の鉛直方向を「上下方向V」とする。そして、上下方向Vの上側の位置は、例えば、上方、上端等のように「上」を用いて表し、上下方向Vの下側の位置は、例えば、下方、下端等のように「下」を用いて表す。
図4に示すように、本実施形態では、第2回転電機MG2は、当該第2回転電機MG2の軸方向Lに沿う軸方向視で、入力部材2の回転軸心である第1軸X1と重複する位置に配置されている。更に、本実施形態では、第2回転電機MG2は、当該第2回転電機MG2の軸方向Lに沿う軸方向視で、カウンタギヤ機構7の回転軸心である第3軸X3、及び出力用差動歯車機構8の回転軸心である第4軸X4と重複しない位置に配置されている。より好ましくは、第2回転電機MG2は、軸方向視で、カウンタ軸73及び第1カウンタ軸受B51(図1参照)と重複しないように配置されている。また、第2回転電機MG2は、軸方向視で、出力部材9と重複しないように配置されていると良い。そのため、カウンタギヤ機構7及び出力用差動歯車機構8との干渉を避けるために、第2回転電機MG2をそれらよりも軸方向第1側L1に配置する必要がない。したがって、第2回転電機MG2の配置によって車両用駆動装置100の軸方向Lの寸法が大型化することを抑制することができる。なお、図示の例では、第2回転電機MG2は、当該第2回転電機MG2の軸方向Lに沿う軸方向視で、カウンタギヤ機構7の全体と出力用差動歯車機構8の全体との双方と重複しない位置に配置されている。
本実施形態では、軸方向Lに沿う軸方向視で、第2回転電機MG2の回転軸心(第2軸X2)と出力用差動歯車機構8の回転軸心(第4軸X4)との間に、入力部材2の回転軸心(第1軸X1)が配置されている。図示の例では、軸方向Lに沿う軸方向視で、水平方向の一方側(図4における右側)から他方側(図4における左側)に向けて、第2軸X2、第1軸X1、第3軸X3、及び第4軸X4が記載の順に配置されている。
また、本実施形態では、第1軸X1と第2軸X2と第3軸X3と第4軸X4とが、上方から第3軸X3、第1軸X1、第2軸X2、第4軸X4の順で配置されている。
また、本実施形態では、油圧ポンプOPが、軸方向Lに沿う軸方向視で、第2回転電機MG2と重複するように配置されている。図示の例では、油圧ポンプOPは、当該油圧ポンプOPの全体が、軸方向視で、第2回転電機MG2と重複するように配置されている。更に、本実施形態では、油圧ポンプOPが、軸方向Lに沿う軸方向視で、第1回転電機MG1と重複するように配置されている。図示の例では、油圧ポンプOPは、当該油圧ポンプOPの一部が、軸方向視で、第1回転電機MG1と重複するように配置されている。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、係合装置4が、摩擦部材41とピストン42とを備えた摩擦係合装置である構成を例として説明したが、そのような構成に限定されない。例えば、図5に示すように、係合装置4が噛み合い式係合装置(ドグクラッチ)であっても良い。なお、このような構成では、出力側から過大なトルクが入力される等した場合に、内燃機関EGへの駆動力の伝達を制限するために、ダンパ装置DP等にトルクリミッタを設置すると好適である。
(1)上記の実施形態では、係合装置4が、摩擦部材41とピストン42とを備えた摩擦係合装置である構成を例として説明したが、そのような構成に限定されない。例えば、図5に示すように、係合装置4が噛み合い式係合装置(ドグクラッチ)であっても良い。なお、このような構成では、出力側から過大なトルクが入力される等した場合に、内燃機関EGへの駆動力の伝達を制限するために、ダンパ装置DP等にトルクリミッタを設置すると好適である。
(2)上記の実施形態では、第1回転電機MG1が入力部材2と同軸に配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1回転電機MG1が入力部材2とは別軸に配置された構成としても良い。この場合、例えば、第1回転電機MG1と入力部材2とが、平行軸歯車機構を介して駆動連結された構成とすることができる。この場合において、平行軸歯車機構が増速機3として機能するように、ギヤ比が設定されると好適である。
(3)上記の実施形態では、増速機3が第1回転電機MG1に対して径方向Rの内側に配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、増速機3が第1回転電機MG1に対して径方向Rの外側に配置された構成としても良い。また、増速機3と第1回転電機MG1とが軸方向Lに並んで配置された構成としても良い。或いは、増速機3が設けられず、入力部材2の回転を同速のまま第1回転電機MG1に伝達する構成としても良い。或いは、増速機3に代えて、入力部材2の回転速度を減速して第1回転電機MG1に伝達する減速機が設けられた構成としても良い。
(4)上記の実施形態では、増速機3がダブルピニオン型の遊星歯車機構により構成される形態を例示した。しかし、この形態に限らず、増速機3は、シングピニオン型の遊星歯車機構により構成されてもよい。例えば、増速機3は、図6に示す増速機3Bのように、ピニオンギヤP30を支持するキャリヤC32と、ピニオンギヤP30に噛み合うサンギヤS32と、ピニオンギヤP30に噛み合うリングギヤR32とを備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構であってもよい。ここでは、図6に示すように、リングギヤR32がケース1に固定され、サンギヤS32が第1ロータRo1に連結され、キャリヤC32が入力部材2に連結されている。これにより、入力部材2の回転が同じ回転方向のままで増速されて第1回転電機MG1に伝達される。このようなシングルピニオン型の遊星歯車機構を用いた場合、上述したダブルピニオン型の遊星歯車機構に比べて、大きい増速比(例えば増速比2〜4程度)を設定し易い。車両用駆動装置100が搭載される車両の特性に応じて、内燃機関EGの常用回転速度が比較的低い場合には、第1回転電機MG1の回転速度を高くして発電効率を高めるため、このような構成が適している。一方、上記の実施形態のように、ダブルピニオン型の遊星歯車機構を用いた場合、シングルピニオン型の遊星歯車機構に比べて、小さい増速比(例えば増速比1〜2程度)を設定し易い。車両用駆動装置100が搭載される車両の特性に応じて、内燃機関EGの常用回転速度が比較的高い場合には、第1回転電機MG1の回転速度が高くなり過ぎることを抑制するため、このような構成が適している。
(5)上記の実施形態では、軸方向第2側L2から軸方向第1側L1に向けて、第1回転電機MG1、係合装置4、アイドラギヤ5、及び第2回転電機MG2が記載の順に配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第2回転電機MG2がアイドラギヤ5よりも軸方向第2側L2に配置されていても良い。
(6)上記の実施形態では、第2回転電機MG2が、当該第2回転電機MG2の軸方向Lに沿う軸方向視で、入力部材2の回転軸心(第1軸X1)と重複すると共に、カウンタギヤ機構7の回転軸心(第3軸X3)及び出力用差動歯車機構8の回転軸心(第4軸X4)と重複しないように配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第2回転電機MG2が軸方向視で入力部材2の回転軸心(第1軸X1)と重複しない位置に配置された構成としても良い。また、第2回転電機MG2が、軸方向視で、カウンタギヤ機構7の回転軸心(第3軸X3)及び出力用差動歯車機構8の回転軸心(第4軸X4)の少なくとも一方と重複する位置に配置された構成としても良い。
(7)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔上記実施形態の概要〕
以下では、上記において説明した車両用駆動装置(100)の概要について説明する。
以下では、上記において説明した車両用駆動装置(100)の概要について説明する。
車両用駆動装置(100)は、
内燃機関(EG)に対して軸方向(L)の一方側である軸方向第1側(L1)に配置され、前記内燃機関(EG)に駆動連結される入力部材(2)と、
それぞれ車輪(W)に駆動連結される一対の出力部材(9)と、
前記入力部材(2)に駆動連結された第1回転電機(MG1)と、
ロータ軸(S)を備えた第2回転電機(MG2)と、
前記入力部材(2)と同軸に配置された第1ギヤ(5)と、
前記第2回転電機(MG2)の前記ロータ軸(S)と一体的に回転すると共に前記第1ギヤ(5)と噛み合う第2ギヤ(6)と、
前記第1ギヤ(5)と噛み合う第3ギヤ(71)、及び、前記第3ギヤ(71)と一体的に回転する第4ギヤ(72)を備えたカウンタギヤ機構(7)と、
前記第4ギヤ(72)と噛み合う第5ギヤ(81)を備え、前記第5ギヤ(81)の回転を一対の前記出力部材(9)に分配する出力用差動歯車機構(8)と、
前記第1ギヤ(5)と前記入力部材(2)との間での動力伝達を断接する係合装置(4)と、を備え、
前記軸方向(L)における前記軸方向第1側(L1)とは反対側を軸方向第2側(L2)として、前記カウンタギヤ機構(7)の前記第4ギヤ(72)が、前記第3ギヤ(71)よりも前記軸方向第2側(L2)に配置され、
前記第4ギヤ(72)の前記軸方向(L)の配置領域(AR1)と、前記係合装置(4)の前記軸方向(L)の配置領域(AR2)とが重なっている。
内燃機関(EG)に対して軸方向(L)の一方側である軸方向第1側(L1)に配置され、前記内燃機関(EG)に駆動連結される入力部材(2)と、
それぞれ車輪(W)に駆動連結される一対の出力部材(9)と、
前記入力部材(2)に駆動連結された第1回転電機(MG1)と、
ロータ軸(S)を備えた第2回転電機(MG2)と、
前記入力部材(2)と同軸に配置された第1ギヤ(5)と、
前記第2回転電機(MG2)の前記ロータ軸(S)と一体的に回転すると共に前記第1ギヤ(5)と噛み合う第2ギヤ(6)と、
前記第1ギヤ(5)と噛み合う第3ギヤ(71)、及び、前記第3ギヤ(71)と一体的に回転する第4ギヤ(72)を備えたカウンタギヤ機構(7)と、
前記第4ギヤ(72)と噛み合う第5ギヤ(81)を備え、前記第5ギヤ(81)の回転を一対の前記出力部材(9)に分配する出力用差動歯車機構(8)と、
前記第1ギヤ(5)と前記入力部材(2)との間での動力伝達を断接する係合装置(4)と、を備え、
前記軸方向(L)における前記軸方向第1側(L1)とは反対側を軸方向第2側(L2)として、前記カウンタギヤ機構(7)の前記第4ギヤ(72)が、前記第3ギヤ(71)よりも前記軸方向第2側(L2)に配置され、
前記第4ギヤ(72)の前記軸方向(L)の配置領域(AR1)と、前記係合装置(4)の前記軸方向(L)の配置領域(AR2)とが重なっている。
この構成によれば、出力用差動歯車機構(8)の第5ギヤ(81)と噛み合う第4ギヤ(72)が、第3ギヤ(71)よりも軸方向第2側(L2)に配置されている。これにより、出力用差動歯車機構(8)を、軸方向(L)において内燃機関(EG)に近付けて配置することができる。その結果、一対の出力部材(9)の軸方向(L)の寸法差を小さく抑え易い。したがって、車両用駆動装置(100)を車両に搭載した場合において、一対の出力部材(9)の軸方向(L)の寸法差に起因する、車両の操舵性の悪化を抑制することができる。
また、本構成によれば、軸方向(L)の配置領域が係合装置(4)と重なるスペースを利用して、第4ギヤ(72)が配置されている。これにより、係合装置(4)と第4ギヤ(72)との軸方向(L)の配置領域が重なっていない構成と比較して、車両用駆動装置(100)の軸方向(L)の寸法の小型化が容易となっている。
また、本構成によれば、軸方向(L)の配置領域が係合装置(4)と重なるスペースを利用して、第4ギヤ(72)が配置されている。これにより、係合装置(4)と第4ギヤ(72)との軸方向(L)の配置領域が重なっていない構成と比較して、車両用駆動装置(100)の軸方向(L)の寸法の小型化が容易となっている。
ここで、前記第1回転電機(MG1)は、前記入力部材(2)と同軸に配置されていると好適である。
この構成によれば、第1回転電機(MG1)が入力部材(2)とは別軸に配置された構成と比較して、車両用駆動装置(100)の径方向(R)の寸法の小型化が容易となっている。
上記の構成は、前記軸方向第2側(L2)から前記軸方向第1側(L1)に向けて、前記第1回転電機(MG1)、前記係合装置(4)、前記第1ギヤ(5)、及び前記第2回転電機(MG2)が記載の順に配置されている場合に好適である。この構成では、軸方向(L)における内燃機関(EG)と第1ギヤ(5)との間には、第1回転電機(MG1)及び係合装置(4)が配置されている。そのため、カウンタギヤ機構(7)を介して第1ギヤ(5)に駆動連結された出力用差動歯車機構(8)が、軸方向(L)において内燃機関(EG)から離れた位置に配置され易く、一対の出力部材(9)の軸方向(L)の寸法差が大きくなり易いからである。
また、前記係合装置(4)は噛み合い式係合装置であると好適である。
この構成によれば、係合の状態を変更する場合以外には油圧等を供給し続けることなく、係合装置(4)の係合状態又は解放状態を維持することができるため、油圧を発生させるための油圧ポンプ等の駆動に必要なエネルギを低減することができる。また、噛み合い式係合装置では、摩擦係合装置のように摩擦部材同士の引き摺りによる駆動力の損失も生じ難い。したがって、本構成によれば、車両用駆動装置(100)のエネルギ効率を高めることができる。
また、油を吐出する油圧ポンプを更に備え、
前記油圧ポンプは、前記軸方向に沿う軸方向視で、前記第2回転電機と重複すると共に、前記油圧ポンプの前記軸方向の配置領域と、前記係合装置の前記軸方向の配置領域とが重なるように配置されていると好適である。
前記油圧ポンプは、前記軸方向に沿う軸方向視で、前記第2回転電機と重複すると共に、前記油圧ポンプの前記軸方向の配置領域と、前記係合装置の前記軸方向の配置領域とが重なるように配置されていると好適である。
この構成によれば、油圧ポンプ(OP)が、軸方向視で第2回転電機(MG2)と重複するスペースであって、軸方向(L)の配置領域が係合装置(4)と重なるスペースを利用して配置されている。これにより、油圧ポンプ(OP)の配置による車両用駆動装置(100)の径方向(R)及び軸方向(L)の寸法の大型化を抑制することができる。
また、前記第2回転電機(MG2)は、当該第2回転電機(MG2)の軸方向(L)に沿う軸方向視で、前記入力部材(2)の回転軸心(X1)と重複すると共に、前記カウンタギヤ機構(7)の回転軸心(X3)及び前記出力用差動歯車機構(8)の回転軸心(X4)と重複しないように配置されていると好適である。
この構成によれば、第2回転電機(MG2)が、軸方向視で入力部材(2)の回転軸心と重複するスペースを利用して配置されている。これにより、第2回転電機(MG2)の配置による車両用駆動装置(100)の径方向(R)の寸法の大型化を抑制することができる。
また、本構成によれば、第2回転電機(MG2)が、カウンタギヤ機構(7)の回転軸心(X3)及び出力用差動歯車機構(8)の回転軸心(X4)と重複しないスペースを利用して配置されている。そのため、カウンタギヤ機構(7)及び出力用差動歯車機構(8)の少なくとも一方の軸方向第1側(L1)の端部が、入力部材(2)及び第1ギヤ(5)の軸方向第1側(L1)の端部よりも軸方向第1側(L1)に配置されている場合であっても、カウンタギヤ機構(7)及び出力用差動歯車機構(8)との干渉を避けるために、第2回転電機(MG2)をそれらよりも軸方向第1側(L1)に配置する必要がない。したがって、第2回転電機(MG2)の配置による車両用駆動装置(100)の軸方向(L)の寸法の大型化を抑制することができる。
また、本構成によれば、第2回転電機(MG2)が、カウンタギヤ機構(7)の回転軸心(X3)及び出力用差動歯車機構(8)の回転軸心(X4)と重複しないスペースを利用して配置されている。そのため、カウンタギヤ機構(7)及び出力用差動歯車機構(8)の少なくとも一方の軸方向第1側(L1)の端部が、入力部材(2)及び第1ギヤ(5)の軸方向第1側(L1)の端部よりも軸方向第1側(L1)に配置されている場合であっても、カウンタギヤ機構(7)及び出力用差動歯車機構(8)との干渉を避けるために、第2回転電機(MG2)をそれらよりも軸方向第1側(L1)に配置する必要がない。したがって、第2回転電機(MG2)の配置による車両用駆動装置(100)の軸方向(L)の寸法の大型化を抑制することができる。
車両用駆動装置(100)は、
内燃機関(EG)に駆動連結される入力部材(2)と、
それぞれ車輪(W)に駆動連結される一対の出力部材(9)と、
前記入力部材(2)に駆動連結された第1回転電機(MG1)と、
ロータ軸(S)を備えた第2回転電機(MG2)と、
前記入力部材(2)と同軸に配置された第1ギヤ(5)と、
前記第2回転電機(MG2)の前記ロータ軸(S)と一体的に回転すると共に前記第1ギヤ(5)と噛み合う第2ギヤ(6)と、
前記第1ギヤ(5)と噛み合う第3ギヤ(71)、及び、前記第3ギヤ(71)と一体的に回転する第4ギヤ(72)を備えたカウンタギヤ機構(7)と、
前記第4ギヤ(72)と噛み合う第5ギヤ(81)を備え、前記第5ギヤ(81)の回転を一対の前記出力部材(9)に分配する出力用差動歯車機構(8)と、を備え、
前記第2回転電機(MG2)は、当該第2回転電機(MG2)の軸方向(L)に沿う軸方向視で、前記入力部材(2)の回転軸心(X1)と重複すると共に、前記カウンタギヤ機構(7)の回転軸心(X3)及び前記出力用差動歯車機構(8)の回転軸心(X4)と重複しないように配置されている。
内燃機関(EG)に駆動連結される入力部材(2)と、
それぞれ車輪(W)に駆動連結される一対の出力部材(9)と、
前記入力部材(2)に駆動連結された第1回転電機(MG1)と、
ロータ軸(S)を備えた第2回転電機(MG2)と、
前記入力部材(2)と同軸に配置された第1ギヤ(5)と、
前記第2回転電機(MG2)の前記ロータ軸(S)と一体的に回転すると共に前記第1ギヤ(5)と噛み合う第2ギヤ(6)と、
前記第1ギヤ(5)と噛み合う第3ギヤ(71)、及び、前記第3ギヤ(71)と一体的に回転する第4ギヤ(72)を備えたカウンタギヤ機構(7)と、
前記第4ギヤ(72)と噛み合う第5ギヤ(81)を備え、前記第5ギヤ(81)の回転を一対の前記出力部材(9)に分配する出力用差動歯車機構(8)と、を備え、
前記第2回転電機(MG2)は、当該第2回転電機(MG2)の軸方向(L)に沿う軸方向視で、前記入力部材(2)の回転軸心(X1)と重複すると共に、前記カウンタギヤ機構(7)の回転軸心(X3)及び前記出力用差動歯車機構(8)の回転軸心(X4)と重複しないように配置されている。
この構成によれば、第2回転電機(MG2)が、軸方向視で入力部材(2)の回転軸心と重複するスペースを利用して配置されている。これにより、第2回転電機(MG2)の配置による車両用駆動装置(100)の径方向(R)の寸法の大型化を抑制することができる。
また、本構成によれば、第2回転電機(MG2)が、カウンタギヤ機構(7)の回転軸心(X3)及び出力用差動歯車機構(8)の回転軸心(X4)と重複しないスペースを利用して配置されている。そのため、カウンタギヤ機構(7)及び出力用差動歯車機構(8)の少なくとも一方の軸方向第1側(L1)の端部が、入力部材(2)及び第1ギヤ(5)の軸方向第1側(L1)の端部よりも軸方向第1側(L1)に配置されている場合であっても、カウンタギヤ機構(7)及び出力用差動歯車機構(8)との干渉を避けるために、第2回転電機(MG2)をそれらよりも軸方向第1側(L1)に配置する必要がない。したがって、第2回転電機(MG2)の配置による車両用駆動装置(100)の軸方向(L)の寸法の大型化を抑制することができる。
また、本構成によれば、第2回転電機(MG2)が、カウンタギヤ機構(7)の回転軸心(X3)及び出力用差動歯車機構(8)の回転軸心(X4)と重複しないスペースを利用して配置されている。そのため、カウンタギヤ機構(7)及び出力用差動歯車機構(8)の少なくとも一方の軸方向第1側(L1)の端部が、入力部材(2)及び第1ギヤ(5)の軸方向第1側(L1)の端部よりも軸方向第1側(L1)に配置されている場合であっても、カウンタギヤ機構(7)及び出力用差動歯車機構(8)との干渉を避けるために、第2回転電機(MG2)をそれらよりも軸方向第1側(L1)に配置する必要がない。したがって、第2回転電機(MG2)の配置による車両用駆動装置(100)の軸方向(L)の寸法の大型化を抑制することができる。
ここで、前記軸方向視で、前記第2回転電機(MG2)の回転軸心(X2)と前記出力用差動歯車機構(8)の回転軸心(X4)との間に、前記入力部材(2)の回転軸心(X1)が配置されていると好適である。
この構成によれば、一般的に径方向(R)の寸法が大きい第2回転電機(MG2)と出力用差動歯車機構(8)とを離して配置し易い。これにより、第2回転電機(MG2)と出力用差動歯車機構(8)との干渉を回避しつつ、両者の軸方向(L)の位置のずれを小さく抑えることが容易となっている。したがって、車両用駆動装置(100)の軸方向(L)の寸法の大型化を更に抑制することができる。
前記軸方向視で、前記第2回転電機(MG2)の回転軸心(X2)と前記出力用差動歯車機構(8)の回転軸心(X4)との間に、前記入力部材(2)の回転軸心(X1)が配置された構成において、
前記軸方向視で、水平方向の一方側から他方側に向けて、前記第2回転電機(MG2)の回転軸心(X2)、前記入力部材(2)の回転軸心(X1)、前記カウンタギヤ機構(7)の回転軸心(X3)、及び前記出力用差動歯車機構(8)の回転軸心(X4)が記載の順に配置されていると好適である。
前記軸方向視で、水平方向の一方側から他方側に向けて、前記第2回転電機(MG2)の回転軸心(X2)、前記入力部材(2)の回転軸心(X1)、前記カウンタギヤ機構(7)の回転軸心(X3)、及び前記出力用差動歯車機構(8)の回転軸心(X4)が記載の順に配置されていると好適である。
この構成によれば、車両用駆動装置(100)の水平方向の大型化を抑制することができる。
本開示に係る技術は、内燃機関に対して軸方向の一方側に配置され、当該内燃機関に駆動連結される入力部材と、それぞれ車輪に駆動連結される一対の出力部材と、入力部材に駆動連結された第1回転電機と、第2回転電機と、を備えた車両用駆動装置に利用することができる。
100 :車両用駆動装置
2 :入力部材
4 :係合装置
5 :アイドラギヤ(第1ギヤ)
6 :ロータギヤ(第2ギヤ)
7 :カウンタギヤ機構
71 :第1カウンタギヤ(第3ギヤ)
72 :第2カウンタギヤ(第4ギヤ)
8 :出力用差動歯車機構
81 :差動入力ギヤ(第5ギヤ)
9 :出力部材
EG :内燃機関
MG1 :第1回転電機
MG2 :第2回転電機
S :ロータ軸
W :車輪
L :軸方向
L1 :軸方向第1側
L2 :軸方向第2側
2 :入力部材
4 :係合装置
5 :アイドラギヤ(第1ギヤ)
6 :ロータギヤ(第2ギヤ)
7 :カウンタギヤ機構
71 :第1カウンタギヤ(第3ギヤ)
72 :第2カウンタギヤ(第4ギヤ)
8 :出力用差動歯車機構
81 :差動入力ギヤ(第5ギヤ)
9 :出力部材
EG :内燃機関
MG1 :第1回転電機
MG2 :第2回転電機
S :ロータ軸
W :車輪
L :軸方向
L1 :軸方向第1側
L2 :軸方向第2側
Claims (9)
- 内燃機関に対して軸方向の一方側である軸方向第1側に配置され、前記内燃機関に駆動連結される入力部材と、
それぞれ車輪に駆動連結される一対の出力部材と、
前記入力部材に駆動連結された第1回転電機と、
ロータ軸を備えた第2回転電機と、
前記入力部材と同軸に配置された第1ギヤと、
前記第2回転電機の前記ロータ軸と一体的に回転すると共に前記第1ギヤと噛み合う第2ギヤと、
前記第1ギヤと噛み合う第3ギヤ、及び、前記第3ギヤと一体的に回転する第4ギヤを備えたカウンタギヤ機構と、
前記第4ギヤと噛み合う第5ギヤを備え、前記第5ギヤの回転を一対の前記出力部材に分配する出力用差動歯車機構と、
前記第1ギヤと前記入力部材との間での動力伝達を断接する係合装置と、を備え、
前記軸方向における前記軸方向第1側とは反対側を軸方向第2側として、前記カウンタギヤ機構の前記第4ギヤが、前記第3ギヤよりも前記軸方向第2側に配置され、
前記第4ギヤの前記軸方向の配置領域と、前記係合装置の前記軸方向の配置領域とが重なっている、車両用駆動装置。 - 前記第1回転電機は、前記入力部材と同軸に配置されている、請求項1に記載の車両用駆動装置。
- 前記軸方向第2側から前記軸方向第1側に向けて、前記第1回転電機、前記係合装置、前記第1ギヤ、及び前記第2回転電機が記載の順に配置されている、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
- 前記係合装置は噛み合い式係合装置である、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
- 油を吐出する油圧ポンプを更に備え、
前記油圧ポンプは、前記軸方向に沿う軸方向視で、前記第2回転電機と重複すると共に、前記油圧ポンプの前記軸方向の配置領域と、前記係合装置の前記軸方向の配置領域とが重なるように配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。 - 前記第2回転電機は、当該第2回転電機の軸方向に沿う軸方向視で、前記入力部材の回転軸心と重複すると共に、前記カウンタギヤ機構の回転軸心及び前記出力用差動歯車機構の回転軸心と重複しないように配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
- 内燃機関に駆動連結される入力部材と、
それぞれ車輪に駆動連結される一対の出力部材と、
前記入力部材に駆動連結された第1回転電機と、
ロータ軸を備えた第2回転電機と、
前記入力部材と同軸に配置された第1ギヤと、
前記第2回転電機の前記ロータ軸と一体的に回転すると共に前記第1ギヤと噛み合う第2ギヤと、
前記第1ギヤと噛み合う第3ギヤ、及び、前記第3ギヤと一体的に回転する第4ギヤを備えたカウンタギヤ機構と、
前記第4ギヤと噛み合う第5ギヤを備え、前記第5ギヤの回転を一対の前記出力部材に分配する出力用差動歯車機構と、を備え、
前記第2回転電機は、当該第2回転電機の軸方向に沿う軸方向視で、前記入力部材の回転軸心と重複すると共に、前記カウンタギヤ機構の回転軸心及び前記出力用差動歯車機構の回転軸心と重複しないように配置されている、車両用駆動装置。 - 前記軸方向視で、前記第2回転電機の回転軸心と前記出力用差動歯車機構の回転軸心との間に、前記入力部材の回転軸心が配置されている、請求項6又は7に記載の車両用駆動装置。
- 前記軸方向視で、水平方向の一方側から他方側に向けて、前記第2回転電機の回転軸心、前記入力部材の回転軸心、前記カウンタギヤ機構の回転軸心、及び前記出力用差動歯車機構の回転軸心が記載の順に配置されている、請求項8に記載の車両用駆動装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019075190 | 2019-04-10 | ||
JP2019075190 | 2019-04-10 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020172243A true JP2020172243A (ja) | 2020-10-22 |
Family
ID=72830687
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019110416A Pending JP2020172243A (ja) | 2019-04-10 | 2019-06-13 | 車両用駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020172243A (ja) |
-
2019
- 2019-06-13 JP JP2019110416A patent/JP2020172243A/ja active Pending
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