JP2020192912A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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拓洋 前田
伊藤 達也
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達也 伊藤
年寿 水谷
Toshihisa Mizutani
年寿 水谷
内田 雅之
Masayuki Uchida
雅之 内田
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Abstract

【課題】内燃機関から差動歯車機構までの第1動力伝達経路の変速比と、第2回転電機から差動歯車機構までの第2動力伝達経路の変速比とを、個別に最適な値に設定することが容易な車両用駆動装置を提供する。【解決手段】車両用駆動装置100は、入力部材3と、一対の出力部材8と、同軸に配置された第1回転電機1A及び第2回転電機1Bと、第1回転電機1Aと一体的に回転する第1ギヤ2Aと、第2回転電機1Bと一体的に回転する第2ギヤ2Bと、入力部材3と一体的に回転し、第1ギヤ2Aと噛み合う第3ギヤ4と、入力部材3に対して相対的に回転するように入力部材3と同軸に配置され、第2ギヤ2Bと噛み合う第4ギヤ5と、第5ギヤ71を備えた差動歯車機構7と、第3ギヤ4と第5ギヤ71とを駆動連結する第1カウンタギヤ機構6Aと、第4ギヤ5と第5ギヤ71とを駆動連結する第2カウンタギヤ機構6Bと、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関に駆動連結される入力部材と、それぞれ車輪に駆動連結される一対の出力部材と、第1回転電機及び第2回転電機と、を備えた車両用駆動装置に関する。
このような車両用駆動装置の一例が、下記の特許文献1に開示されている。以下、この背景技術の説明では、特許文献1における部材名及び符号を括弧内に引用する。
特許文献1の車両用駆動装置は、内燃機関(エンジン2)に駆動連結される入力部材(エンジン軸11)と、それぞれ車輪に駆動連結される一対の出力部材(ドライブシャフト4)と、第1ロータを備えた第1回転電機(発電機5)と、第1ロータと同軸に配置された第2ロータを備えた第2回転電機(電動モータ3)と、カウンタギヤ機構と、カウンタギヤ機構から伝達される駆動力を一対の出力部材(ドライブシャフト4)に分配する差動歯車機構(差動装置16)と、を備えている。
更に、特許文献1の車両用駆動装置は、第1ロータと一体的に回転する第1ギヤ(発電機軸固定ギヤ31)と、第2ロータと一体的に回転する第2ギヤ(モータ軸固定ギヤ26)と、入力部材(エンジン軸11)と一体的に回転し、第1ギヤ(発電機軸固定ギヤ31)と噛み合う第3ギヤ(エンジン軸固定ギヤ21)と、入力部材(エンジン軸11)に対して相対的に回転するように入力部材(エンジン軸11)と同軸に配置され、第2ギヤ(モータ軸固定ギヤ26)と噛み合う第4ギヤ(アイドラギヤ22)と、を備えている。
特開2017−154736号公報(図1)
特許文献1の車両用駆動装置では、内燃機関(エンジン2)から差動歯車機構(差動装置16)までの動力伝達経路である第1動力伝達経路と、第2回転電機(電動モータ3)から差動歯車機構(差動装置16)までの動力伝達経路である第2動力伝達経路とが形成されている。そして、第4ギヤ(アイドラギヤ22)以降の動力伝達経路が、第1動力伝達経路と第2動力伝達経路とで共用されている。このように動力伝達経路の共用部分が多いことで、第1動力伝達経路の変速比と第2動力伝達経路の変速比とを個別に設定する場合の制約が大きく、これらの変速比の双方を最適な値に設定することが難しかった。
そこで、内燃機関から差動歯車機構までの第1動力伝達経路の変速比と、第2回転電機から差動歯車機構までの第2動力伝達経路の変速比とを、個別に最適な値に設定することが容易な車両用駆動装置の実現が望まれる。
上記に鑑みた、車両用駆動装置の特徴構成は、
内燃機関に駆動連結される入力部材と、
それぞれ車輪に駆動連結される一対の出力部材と、
第1ロータを備えた第1回転電機と、
前記第1回転電機と軸方向に並んで配置され、前記第1ロータと同軸に配置された第2ロータを備えた第2回転電機と、
前記第1ロータと一体的に回転する第1ギヤと、
前記第2ロータと一体的に回転する第2ギヤと、
前記入力部材と一体的に回転し、前記第1ギヤと噛み合う第3ギヤと、
前記入力部材に対して相対的に回転するように前記入力部材と同軸に配置され、前記第2ギヤと噛み合う第4ギヤと、
第5ギヤを備え、前記第5ギヤの回転を一対の前記出力部材に分配する差動歯車機構と、
前記第3ギヤと前記第5ギヤとを駆動連結する第1カウンタギヤ機構と、
前記第4ギヤと前記第5ギヤとを駆動連結する第2カウンタギヤ機構と、を備えている点にある。
この特徴構成によれば、内燃機関の駆動力が、入力部材、第3ギヤ、第1カウンタギヤ機構の順に経由して、差動歯車機構に伝達される。また、第2回転電機の駆動力が、第2ギヤ、第4ギヤ、第2カウンタギヤ機構の順に経由して、差動歯車機構に伝達される。つまり、内燃機関から差動歯車機構までの動力伝達経路である第1動力伝達経路と、第2回転電機から差動歯車機構までの動力伝達経路である第2動力伝達経路とが、互いに独立して形成されている。これにより、第1動力伝達経路の変速比と第2動力伝達経路の変速比とを、個別に最適な値に設定することが容易となっている。
実施形態に係る車両用駆動装置の軸方向に沿う断面図 実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図 実施形態に係る車両用駆動装置における第1回転電機及び第2回転電機の周辺の構成を示す断面図 実施形態に係る車両用駆動装置の各要素の位置関係を示す図 他の実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図
以下では、実施形態に係る車両用駆動装置100について、図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、車両用駆動装置100は、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bと、第1ロータギヤ2A及び第2ロータギヤ2Bと、入力部材3と、入力ギヤ4と、アイドラギヤ5と、第1カウンタギヤ機構6A及び第2カウンタギヤ機構6Bと、差動歯車機構7と、一対の出力部材8と、を備えている。本実施形態では、これらはケースCSに収容されている。なお、入力部材3の一部、及び一対の出力部材8の一部は、ケースCSの外部に露出している。
入力部材3と入力ギヤ4とアイドラギヤ5とのそれぞれは、その回転軸心としての第1軸X1上に配置されている。つまり、入力部材3と入力ギヤ4とアイドラギヤ5とは、同軸に配置されている。第1回転電機1Aと第2回転電機1Bとのそれぞれは、その回転軸心としての第2軸X2上に配置されている。つまり、第1回転電機1Aと第2回転電機1Bとは、同軸に配置されている。本実施形態では、第1ロータギヤ2A及び第2ロータギヤ2Bも第2軸X2上に配置されている。第1カウンタギヤ機構6Aは、その回転軸心としての第3軸X3上に配置されている。第2カウンタギヤ機構6Bは、その回転軸心としての第4軸X4上に配置されている。差動歯車機構7と一対の出力部材8とのそれぞれは、その回転軸心としての第5軸X5上に配置されている。これらの軸X1〜X5は、互いに異なる仮想軸であり、互いに平行に配置されている。
以下の説明では、上記の軸X1〜X5に平行な方向を、車両用駆動装置100の「軸方向L」とする。そして、軸方向Lにおいて、第2回転電機1Bに対して第1回転電機1Aが配置される側を「軸方向第1側L1」とし、その反対側を「軸方向第2側L2」とする。また、上記の軸X1〜X5のそれぞれに直交する方向を、各軸を基準とした「径方向R」とする。なお、どの軸を基準とするかを区別する必要がない場合やどの軸を基準とするかが明らかである場合には、単に「径方向R」と記す場合がある。
図1に示すように、本実施形態では、ケースCSの内部には、第1空間A1と、第2空間A2と、が形成されている。第1空間A1は、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bを収容する空間である。第2空間A2は、第1ロータギヤ2A及び第2ロータギヤ2B、入力部材3、入力ギヤ4、アイドラギヤ5、第1カウンタギヤ機構6A及び第2カウンタギヤ機構6B、差動歯車機構7、並びに一対の出力部材8を収容する空間である。本実施形態では、第1空間A1及び第2空間A2は、第1空間A1が第2空間A2に対して軸方向第1側L1に位置するように、互いに軸方向Lに隣接して配置されている。
本実施形態では、ケースCSは、第1周壁部CSa1及び第2周壁部CSa2と、隔壁部CSbと、第1側壁部CSc1、第2側壁部CSc2及び第3側壁部CSc3と、を有している。第1周壁部CSa1、第1側壁部CSc1、及び隔壁部CSbによって、第1空間A1が形成されている。また、第2周壁部CSa2、隔壁部CSb、第2側壁部CSc2、及び第3側壁部CSc3によって、第2空間A2が形成されている。
第1周壁部CSa1は、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの径方向Rの外側を囲む筒状に形成されている。第2周壁部CSa2は、第1ロータギヤ2A及び第2ロータギヤ2B、入力部材3、入力ギヤ4、アイドラギヤ5、第1カウンタギヤ機構6A及び第2カウンタギヤ機構6B、差動歯車機構7、並びに一対の出力部材8の径方向Rの外側を囲む筒状に形成されている。隔壁部CSbは、第1空間A1と第2空間A2とを区画するように形成されている。第1側壁部CSc1は、第1周壁部CSa1の軸方向第1側L1の開口を閉塞するように形成されている。第2側壁部CSc2は、第2周壁部CSa2の軸方向第1側L1の開口を閉塞するように形成されている。第3側壁部CSc3は、第2周壁部CSa2の軸方向第2側L2の開口を閉塞するように形成されている。
第1回転電機1Aは、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを有している。そのため、第1回転電機1Aは、蓄電装置(図示を省略)と電気的に接続されている。この蓄電装置としては、バッテリやキャパシタ等の公知の各種の蓄電装置を用いることができる。本実施形態では、第1回転電機1Aは、内燃機関EGのトルクにより発電を行い、蓄電装置を充電し、或いは第2回転電機1Bを駆動するための電力を供給するジェネレータとして機能する。ただし、第1回転電機1Aは、車両の高速走行時や内燃機関EGの始動時等には、力行して駆動力(「トルク」と同義)を発生するモータとして機能する場合もある。内燃機関EGは、燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等)である。
第1回転電機1Aは、第1ステータ11Aと、第1ロータ12Aと、を備えている。第1ステータ11Aは、非回転部材(ここでは、ケースCS)に固定された第1ステータコア111Aを有している。第1ロータ12Aは、第1ステータ11Aに対して回転可能な第1ロータコア121Aを有している。本実施形態では、第1回転電機1Aは、インナロータ型の回転電機であるため、第1ステータコア111Aよりも径方向Rの内側に第1ロータコア121Aが配置されている。
また、本実施形態では、第1回転電機1Aは回転界磁型の回転電機である。そのため、図3に示すように、第1ステータコア111Aには、当該第1ステータコア111Aから軸方向Lの両側(軸方向第1側L1及び軸方向第2側L2)にそれぞれ突出するコイルエンド部が形成されるように第1ステータコイル112Aが巻装されている。そして、第1ロータコア121Aには、第1永久磁石122Aが設けられている。なお、本実施形態では、第1ステータコイル112Aの端子部である第1端子部113Aが、軸方向Lにおける第2回転電機1Bの側(軸方向第2側L2)に突出している。第1端子部113Aは、第1ステータコイル112Aの軸方向第2側L2のコイルエンド部に含まれ、当該コイルエンド部における他の部分よりも軸方向第2側L2に突出している。第1端子部113Aは、第1回転電機1Aの周方向の一部の領域に配置されている。
第2回転電機1Bは、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを有している。そのため、第2回転電機1Bも、第1回転電機1Aと同様に、上記蓄電装置と電気的に接続されている。本実施形態では、第2回転電機1Bは、主に車両を走行させるための駆動力を発生するモータとして機能する。ただし、車両の減速時等には、第2回転電機1Bは、車両の慣性力を電気エネルギとして回生するジェネレータとして機能する場合もある。
第2回転電機1Bは、第1回転電機1Aと軸方向Lに並んで配置されている。第2回転電機1Bは、第2ステータ11Bと、第2ロータ12Bと、を備えている。第2ステータ11Bは、非回転部材(ここでは、ケースCS)に固定された第2ステータコア111Bを有している。第2ロータ12Bは、第1ロータ12Aと同軸に配置されている。第2ロータ12Bは、第2ステータ11Bに対して回転可能な第2ロータコア121Bを有している。本実施形態では、第2回転電機1Bは、インナロータ型の回転電機であるため、第2ステータコア111Bよりも径方向Rの内側に第2ロータコア121Bが配置されている。
また、本実施形態では、第2回転電機1Bは回転界磁型の回転電機である。そのため、第2ステータコア111Bには、当該第2ステータコア111Bから軸方向Lの両側(軸方向第1側L1及び軸方向第2側L2)にそれぞれ突出するコイルエンド部が形成されるように第2ステータコイル112Bが巻装されている。そして、第2ロータコア121Bには、第2永久磁石122Bが設けられている。なお、本実施形態では、第2ステータコイル112Bの端子部である第2端子部113Bが、軸方向Lにおける第1回転電機1Aの側(軸方向第1側L1)に突出している。第2端子部113Bは、第2ステータコイル112Bの軸方向第1側L1のコイルエンド部に含まれ、当該コイルエンド部における他の部分よりも軸方向第1側L1に突出している。第2端子部113Bは、第2回転電機1Bの周方向の一部の領域に配置されている。
本実施形態では、第1ステータコイル112Aのコイルエンド部と、第2ステータコイル112Bのコイルエンド部とが、軸方向Lに対向するように配置されている。本実施形態では、第1端子部113Aと第2端子部113Bとが、第2軸X2を基準とした周方向の異なる位置に配置されている。そして、第1端子部113Aの軸方向Lの配置領域と、第2端子部113Bの軸方向Lの配置領域とが重なっている。なお、第1ステータコイル112Aのコイルエンド部における第1端子部113Aを除いた部分と、第2ステータコイル112Bのコイルエンド部における第2端子部113Bを除いた部分とは、互いに軸方向Lに離間している。
図1に示すように、第1ロータギヤ2Aは、第1ロータ軸21Aによって第1ロータ12Aに連結されている。第1ロータギヤ2Aは、第1ロータ12Aと一体的に回転する「第1ギヤ」に相当する。本実施形態では、第1ロータギヤ2Aは、第2ロータギヤ2Bに対して軸方向第2側L2に配置されている。
第1ロータ軸21Aは、軸方向Lに沿って延在するように形成されている。本実施形態では、第1ロータ軸21Aの外周面に、第1ロータギヤ2Aが形成されている。また、本実施形態では、第1ロータ軸21Aは、軸方向Lの異なる位置に配置された一対の第1ロータ軸支持軸受B1によって、ケースCSに対して回転可能に支持されている。具体的には、第1ロータ軸21Aは、隔壁部CSbを軸方向Lに貫通して、第1側壁部CSc1から第3側壁部CSc3に亘って延在している。そして、第1ロータ軸21Aは、軸方向第1側L1の第1ロータ軸支持軸受B1を介して、第1側壁部CSc1に対して回転可能に支持されている。更に、第1ロータ軸21Aは、軸方向第2側L2の第1ロータ軸支持軸受B1を介して、第3側壁部CSc3に対して回転可能に支持されている。
図3に示すように、本実施形態では、第1ロータ軸21Aは、第1ロータ12Aを支持する第1ロータ支持部材13Aと一体的に回転するように連結されている。第1ロータ支持部材13Aは、第1支持部131Aと、第1連結部132Aと、を有している。
第1支持部131Aは、軸方向Lに沿って延在する筒状に形成されている。第1支持部131Aは、第1ロータ12Aを径方向Rの内側から支持している。
第1連結部132Aは、軸方向Lに沿って延在する筒状に形成されている。第1連結部132Aは、第1支持部131Aよりも小径であって、第1ロータ軸21Aよりも大径に形成されている。第1連結部132Aは、第1支持部131Aに対して径方向Rの内側に配置された状態で、第1支持部131Aと一体的に回転するように連結されている。図示の例では、第1連結部132Aは、溶接によって第1支持部131Aと一体的に連結されている。また、第1連結部132Aは、第1ロータ軸21Aに対して径方向Rの外側に配置された状態で、第1ロータ軸21Aと一体的に回転するように連結されている。図示の例では、第1連結部132Aは、スプライン係合によって第1ロータ軸21Aと一体的に連結されている。
本実施形態では、第1連結部132Aは、一対の第1ロータ軸受B2によって、ケースCSに対して回転可能に支持されている。一対の第1ロータ軸受B2は、第1連結部132Aと第1支持部131Aとの連結部を挟んで軸方向Lの両側に配置されている。軸方向第1側L1の第1ロータ軸受B2は、第1側壁部CSc1に支持されている。軸方向第2側L2の第1ロータ軸受B2は、第1支持壁部CSd1に支持されている。
第1支持壁部CSd1は、軸方向Lにおける第1ロータ12Aと第2ロータ12Bとの間に配置されている。第1支持壁部CSd1は、第2軸X2を基準とした径方向Rに沿って延在している。第1支持壁部CSd1は、第1周壁部CSa1に固定されている。図示の例では、第1支持壁部CSd1は、第1ステータコイル112A及び第2ステータコイル112Bのコイルエンド部同士が軸方向Lに離間した部分を通って、当該コイルエンド部よりも径方向Rの外側まで延在している。また、図示の例では、第1支持壁部CSd1における上記コイルエンド部よりも径方向Rの外側部分に、第1ステータコア111A及び第2ステータコア111Bがボルト締結によって連結されている。
図1に示すように、第2ロータギヤ2Bは、第2ロータ軸21Bによって第2ロータ12Bに連結されている。第2ロータギヤ2Bは、第2ロータ12Bと一体的に回転する「第2ギヤ」に相当する。本実施形態では、第2ロータギヤ2Bは、第2回転電機1Bに対して軸方向第2側L2に配置されている。また、本実施形態では、第2ロータギヤ2Bは、第1ロータギヤ2Aよりも小径である。
第2ロータ軸21Bは、軸方向Lに沿って延在するように形成されている。本実施形態では、第2ロータ軸21Bの外周面に、第2ロータギヤ2Bが形成されている。また、本実施形態では、第2ロータ軸21Bは、筒状に形成されており、その径方向Rの内側を第1ロータ軸21Aが軸方向Lに貫通するように配置されている。また、本実施形態では、第2ロータ軸21Bは、軸方向Lの異なる位置に配置された一対の第2ロータ軸支持軸受B3によって、ケースCSに対して回転可能に支持されている。具体的には、第2ロータ軸21Bは、隔壁部CSbを軸方向Lに貫通して、ケースCSの第1空間A1から第2空間A2に亘って延在している。そして、第2ロータ軸21Bは、軸方向第1側L1の第2ロータ軸支持軸受B3を介して、隔壁部CSbに対して回転可能に支持されている。更に、第2ロータ軸21Bは、軸方向第2側L2の第2ロータ軸支持軸受B3を介して、第2周壁部CSa2に固定された支持壁部CSeに対して回転可能に支持されている。
図3に示すように、本実施形態では、第2ロータ軸21Bは、第2ロータ12Bを支持する第2ロータ支持部材13Bと一体的に回転するように連結されている。第2ロータ支持部材13Bは、第2支持部131Bと、第2連結部132Bと、を有している。
第2支持部131Bは、軸方向Lに沿って延在する筒状に形成されている。第2支持部131Bは、第2ロータ12Bを径方向Rの内側から支持している。
第2連結部132Bは、軸方向Lに沿って延在する筒状に形成されている。第2連結部132Bは、第2支持部131Bよりも小径であって、第2ロータ軸21Bよりも大径に形成されている。第2連結部132Bは、第2支持部131Bに対して径方向Rの内側に配置された状態で、第2支持部131Bと一体的に回転するように連結されている。図示の例では、第2連結部132Bは、溶接によって第2支持部131Bと一体的に連結されている。また、第2連結部132Bは、第2ロータ軸21Bに対して径方向Rの外側に配置された状態で、第2ロータ軸21Bと一体的に回転するように連結されている。図示の例では、第2連結部132Bは、スプライン係合によって第2ロータ軸21Bと一体的に連結されている。
本実施形態では、第2連結部132Bは、一対の第2ロータ軸受B4によって回転可能に支持されている。一対の第2ロータ軸受B4は、第2連結部132Bと第2支持部131Bとの連結部を挟んで軸方向Lの両側に配置されている。軸方向第2側L2の第2ロータ軸受B4は、隔壁部CSbに支持されている。軸方向第1側L1の第2ロータ軸受B4は、第2支持壁部CSd2に支持されている。
第2支持壁部CSd2は、軸方向Lにおける第1ロータ12Aと第2ロータ12Bとの間に配置されている。第2支持壁部CSd2は、第1支持壁部CSd1に固定されている。図示の例では、第2支持壁部CSd2は、第1支持壁部CSd1に対して軸方向第2側L2に隣接し、ボルト締結によって第1支持壁部CSd1と一体的に連結されている。第2支持壁部CSd2は、第1ステータコイル112Aのコイルエンド部及び第2ステータコイル112Bのコイルエンド部よりも、径方向Rの内側に配置されている。
図1に示すように、入力部材3は、軸方向Lに沿って延在するように形成されている。本実施形態では、入力部材3は、第3側壁部CSc3から軸方向第2側L2に突出するように、第3側壁部CSc3を軸方向Lに貫通している。入力部材3は、内燃機関EGに駆動連結されている。本実施形態では、入力部材3は、ダンパ装置DPを介して内燃機関EGの出力軸(クランクシャフト等)に駆動連結されている。ダンパ装置DPは、伝達されるトルクの変動を減衰する装置である。本実施形態では、ダンパ装置DPには、出力側から過大なトルクが入力される等した場合に、出力部材8から内燃機関EGまでの動力伝達経路に過大な負荷が作用することを制限するためのトルクリミッタが設けられている。
ここで、本願において「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。なお、伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置、例えば、摩擦係合装置、噛み合い式係合装置等が含まれていても良い。ただし、差動歯車機構7において、各回転要素について「駆動連結」という場合には、3つ以上の回転要素に関して互いに他の回転要素を介することなく駆動連結されている状態を指すものとする。
本実施形態では、入力部材3は、一対の入力軸受B5によって、ケースCSに対して回転可能に支持されている。一対の入力軸受B5は、入力ギヤ4を挟んで軸方向Lの両側に配置されている。軸方向第2側L2の入力軸受B5は、第3側壁部CSc3に支持されている。軸方向第1側L1の入力軸受B5は、筒壁部CSfに支持されている。筒壁部CSfは、支持壁部CSeから軸方向第1側L1に突出する筒状に形成されている。そして、筒壁部CSfの径方向Rの内側に、入力部材3の軸方向第1側L1の端部が配置された状態で、筒壁部CSfの内周面と入力部材3の外周面との間に、軸方向第1側L1の入力軸受B5が介装されている。
入力ギヤ4は、入力部材3と一体的に回転するように構成されている。本実施形態では、入力ギヤ4は、入力部材3と一体的に形成されている。入力ギヤ4は、第1ロータギヤ2Aと噛み合っている。このように、入力ギヤ4は、入力部材3と一体的に回転し、第1ギヤ(第1ロータギヤ2A)と噛み合う「第3ギヤ」に相当する。
アイドラギヤ5は、入力部材3に対して相対的に回転するように構成されている。本実施形態では、アイドラギヤ5は、筒壁部CSfの外周面に配置された一対のアイドラ軸受B6によって、径方向Rの内側から回転可能に支持されている。つまり、アイドラギヤ5の内周面と筒壁部CSfの外周面との間に、一対のアイドラ軸受B6が介装されている。一対のアイドラ軸受B6は、互いに軸方向Lに隣接して配置されている。また、アイドラギヤ5は、入力部材3と同軸に配置されている。更に、アイドラギヤ5は、第2ロータギヤ2Bと噛み合っている。以上のように、アイドラギヤ5は、入力部材3に対して相対的に回転するように入力部材3と同軸に配置され、第2ギヤ(第2ロータギヤ2B)と噛み合う「第4ギヤ」に相当する。
本実施形態では、アイドラギヤ5は、入力ギヤ4に対して、軸方向Lの一方側(軸方向第1側L1)に配置されている。更に、本実施形態では、アイドラギヤ5は、差動歯車機構7に備えられた「第5ギヤ」である差動入力ギヤ71に対して、軸方向Lの他方側(軸方向第2側L2)に配置されている。
第1カウンタギヤ機構6Aは、入力ギヤ4と差動歯車機構7との間の動力伝達経路に配置されている。具体的には、第1カウンタギヤ機構6Aは、入力ギヤ4と差動入力ギヤ71とを駆動連結している。本実施形態では、第1カウンタギヤ機構6Aは、第1カウンタ軸61Aと、第1カウンタ入力ギヤ62Aと、第1カウンタ出力ギヤ63Aとを有している。
第1カウンタ軸61Aは、軸方向Lに沿って延在するように形成されている。本実施形態では、第1カウンタ軸61Aは、軸方向Lの異なる位置に配置された一対の第1カウンタ軸受B7によって、ケースCSに対して回転可能に支持されている。具体的には、第1カウンタ軸61Aは、第2側壁部CSc2から第3側壁部CSc3に亘って延在している。そして、第1カウンタ軸61Aは、軸方向第1側L1の第1カウンタ軸受B7を介して、第2側壁部CSc2に対して回転可能に支持されている。更に、第1カウンタ軸61Aは、軸方向第2側L2の第1カウンタ軸受B7を介して、第3側壁部CSc3に対して回転可能に支持されている。
第1カウンタ入力ギヤ62Aは、第1カウンタギヤ機構6Aの入力要素である。第1カウンタ入力ギヤ62Aは、入力ギヤ4の周方向における第1ロータギヤ2Aとは異なる位置で、入力ギヤ4と噛み合っている。つまり、第1カウンタ入力ギヤ62Aは、第3ギヤ(入力ギヤ4)と噛み合う「第6ギヤ」に相当する。
第1カウンタ出力ギヤ63Aは、第1カウンタギヤ機構6Aの出力要素である。第1カウンタ出力ギヤ63Aは、差動入力ギヤ71に噛み合っている。第1カウンタ出力ギヤ63Aは、第1カウンタ入力ギヤ62Aに対して相対的に回転可能に配置されている。本実施形態では、第1カウンタ出力ギヤ63Aが、第1カウンタ軸61Aと一体的に形成されている。そして、第1カウンタ入力ギヤ62Aが、当該第1カウンタ入力ギヤ62Aの内周面と第1カウンタ軸61Aの外周面との間に介装されたカウンタギヤ軸受B8によって、第1カウンタ軸61Aに対して回転可能に支持されている。こうして、第1カウンタ出力ギヤ63Aは、第1カウンタ入力ギヤ62Aに対して相対的に回転する。以上のように、第1カウンタ出力ギヤ63Aは、第6ギヤ(第1カウンタ入力ギヤ62A)に対して相対的に回転可能に配置され、第5ギヤ(差動入力ギヤ71)に噛み合う「第7ギヤ」に相当する。本実施形態では、第1カウンタ出力ギヤ63Aは、第1カウンタ入力ギヤ62Aよりも軸方向第1側L1に配置されている。また、本実施形態では、第1カウンタ出力ギヤ63Aは、第1カウンタ入力ギヤ62Aよりも小径に形成されている。
第2カウンタギヤ機構6Bは、アイドラギヤ5と差動歯車機構7との間の動力伝達経路に配置されている。具体的には、第2カウンタギヤ機構6Bは、アイドラギヤ5と差動入力ギヤ71とを駆動連結している。本実施形態では、第2カウンタギヤ機構6Bは、第2カウンタ軸61Bと、第2カウンタ入力ギヤ62Bと、第2カウンタ出力ギヤ63Bとを有している。
第2カウンタ軸61Bは、軸方向Lに沿って延在するように形成されている。本実施形態では、第2カウンタ軸61Bは、軸方向Lの異なる位置に配置された一対の第2カウンタ軸受B9によって、ケースCSに対して回転可能に支持されている。具体的には、第2カウンタ軸61Bは、第2側壁部CSc2から第3側壁部CSc3に亘って延在している。そして、第2カウンタ軸61Bは、軸方向第1側L1の第2カウンタ軸受B9を介して、第2側壁部CSc2に対して回転可能に支持されている。更に、第2カウンタ軸61Bは、軸方向第2側L2の第2カウンタ軸受B9を介して、第3側壁部CSc3に対して回転可能に支持されている。
第2カウンタ入力ギヤ62Bは、第2カウンタギヤ機構6Bの入力要素である。第2カウンタ入力ギヤ62Bは、アイドラギヤ5の周方向における第2ロータギヤ2Bとは異なる位置で、アイドラギヤ5と噛み合っている。つまり、第2カウンタ入力ギヤ62Bは、第4ギヤ(アイドラギヤ5)と噛み合う「第8ギヤ」に相当する。図示の例では、第2カウンタ入力ギヤ62Bは、第2カウンタ軸61Bに対してスプライン係合によって連結されている。なお、図2において、アイドラギヤ5と第2カウンタ入力ギヤ62Bとを接続する破線は、第2カウンタ入力ギヤ62Bとアイドラギヤ5とが互いに噛み合っていることを示している。
第2カウンタ出力ギヤ63Bは、第2カウンタギヤ機構6Bの出力要素である。第2カウンタ出力ギヤ63Bは、第2カウンタ入力ギヤ62Bと一体的に回転する。そして、第2カウンタ出力ギヤ63Bは、差動入力ギヤ71の周方向における第1カウンタ出力ギヤ63Aとは異なる位置で、差動入力ギヤ71と噛み合っている。このように、第2カウンタ出力ギヤ63Bは、第8ギヤ(第2カウンタ入力ギヤ62B)と一体的に回転すると共に第5ギヤ(差動入力ギヤ71)に噛み合う「第9ギヤ」に相当する。本実施形態では、第2カウンタ出力ギヤ63Bは、第2カウンタ入力ギヤ62Bよりも軸方向第1側L1に配置されている。また、本実施形態では、第2カウンタ出力ギヤ63Bは、第2カウンタ入力ギヤ62Bよりも小径に形成されている。
図4に示すように、本実施形態では、第1カウンタ出力ギヤ63A及び第2カウンタ出力ギヤ63Bは、軸方向Lに沿う軸方向視で、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの双方と重複しないように配置されている。そして、図1に示すように、本実施形態では、第1カウンタ出力ギヤ63A及び第2カウンタ出力ギヤ63Bは、それら双方の軸方向Lの配置領域と、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの少なくとも一方の軸方向Lの配置領域とが重なるように配置されている。図示の例では、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの双方の軸方向Lの配置領域と、第1カウンタ出力ギヤ63A及び第2カウンタ出力ギヤ63Bの双方の軸方向Lの配置領域とが重なっている。なお、2つの要素の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線と直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの要素の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを指す。
差動歯車機構7は、差動入力ギヤ71の回転を一対の出力部材8に分配する。本実施形態では、差動歯車機構7は、上記の差動入力ギヤ71に加えて、差動ケース72と、一対のピニオンギヤ73と、一対のサイドギヤ74と、を備えている。ここでは、一対のピニオンギヤ73、及び一対のサイドギヤ74は、いずれも傘歯車である。
差動ケース72は、差動入力ギヤ71と一体的に回転するように連結されている。本実施形態では、差動ケース72は、軸方向Lの異なる位置に配置された一対の差動軸受B10によって、ケースCSに対して回転可能に支持されている。具体的には、差動ケース72は、第2側壁部CSc2から第3側壁部CSc3に亘って配置されている。そして、差動ケース72は、軸方向第1側L1の差動軸受B10を介して、第2側壁部CSc2に対して回転可能に支持されている。更に、差動ケース72は、軸方向第2側L2の差動軸受B10を介して、第3側壁部CSc3に対して回転可能に支持されている。
差動ケース72は、中空の部材である。差動ケース72の内部には、一対のピニオンギヤ73と、一対のサイドギヤ74と、が収容されている。
一対のピニオンギヤ73は、第5軸X5を基準とした径方向Rに沿って互いに間隔を空けて対向するように配置されている。そして、一対のピニオンギヤ73のそれぞれは、差動ケース72と一体的に回転するように支持されたピニオンシャフト73aに取り付けられている。一対のピニオンギヤ73のそれぞれは、ピニオンシャフト73aを中心として回転(自転)可能、かつ、第5軸X5を中心として回転(公転)可能に構成されている。
一対のサイドギヤ74は、差動歯車機構7における駆動力の分配後の回転要素である。一対のサイドギヤ74は、互いに軸方向Lに間隔を空けて、一対のピニオンシャフト73aを挟んで対向するように配置されている。一対のサイドギヤ74は、一対のピニオンギヤ73と噛み合っている。一対のサイドギヤ74のそれぞれは、出力部材8と一体的に回転するように連結されている。
一対の出力部材8のそれぞれは、車輪Wに駆動連結されている。一対の出力部材8は、差動歯車機構7から軸方向Lの両側に突出するように形成されている。本実施形態では、一対の出力部材8のそれぞれは、サイドギヤ74と一体的に回転するように連結されている。具体的には、軸方向第1側L1の出力部材8は、軸方向第1側L1のサイドギヤ74から軸方向第1側L1に突出するように、当該サイドギヤ74と一体的に連結されている。そして、軸方向第2側L2の出力部材8は、軸方向第2側L2のサイドギヤ74から軸方向第2側L2に突出するように、当該サイドギヤ74と一体的に連結されている。また、本実施形態では、一対の出力部材8のそれぞれは、軸方向Lの両側の端面が開放した円筒状に形成されている。
本実施形態では、軸方向第1側L1の出力部材8は、その軸方向第1側L1の端部が第2側壁部CSc2を軸方向Lに貫通してケースCSの外部に露出するように配置されている。そして、軸方向第2側L2の出力部材8は、その軸方向第2側L2の端部が第3側壁部CSc3を軸方向Lに貫通してケースCSの外部に露出するように配置されている。本実施形態では、各出力部材8の径方向Rの内側に、車輪Wに駆動連結されたドライブシャフト(図示を省略)が配置された状態で、それらが一体的に回転するように連結される。例えば、出力部材8の内周面とドライブシャフトの外周面とのそれぞれに、対応するスプラインが形成されており、それらのスプライン同士が係合することにより、出力部材8とドライブシャフトが一体的に回転するように連結される。
以上のように構成された車両用駆動装置100においては、内燃機関EGの駆動力が、入力部材3、入力ギヤ4、第1カウンタギヤ機構6Aの順に経由して、差動歯車機構7に伝達される。また、第2回転電機1Bの駆動力が、第2ロータギヤ2B、アイドラギヤ5、第2カウンタギヤ機構6Bの順に経由して、差動歯車機構7に伝達される。つまり、図2において二点鎖線で示すように、内燃機関EGから差動歯車機構7までの動力伝達経路である第1動力伝達経路P1と、第2回転電機1Bから差動歯車機構7までの動力伝達経路である第2動力伝達経路P2とが、互いに独立して形成されている。そして、第1動力伝達経路P1の変速比と第2動力伝達経路P2の変速比とは、互いに異なる値に設定されている。本実施形態では、入力ギヤ4から差動入力ギヤ71までの動力伝達経路の変速比と、アイドラギヤ5から差動入力ギヤ71までの動力伝達経路の変速比とが異なっている。本例では、入力ギヤ4から差動入力ギヤ71までの動力伝達経路の減速比よりも、アイドラギヤ5から差動入力ギヤ71までの動力伝達経路の減速比の方が大きくなっている。
図1及び図2に示すように、本実施形態では、車両用駆動装置100は、入力ギヤ4と差動入力ギヤ71との間での動力伝達を断接する係合装置CLを更に備えている。ここでは、係合装置CLは、第3軸X3上に配置されている。つまり、係合装置CLは、第1カウンタギヤ機構6Aと同軸に配置されている。そして、係合装置CLは、第1カウンタ入力ギヤ62Aと第1カウンタ出力ギヤ63Aとの間で動力伝達を断接するように構成されている。本実施形態では、係合装置CLは、噛み合い式係合装置(ドグクラッチ)である。そして、本実施形態では、係合装置CLは、ソレノイド等のアクチュエータによって係合状態と解放状態とを切り替え可能に構成されている。
具体的には、係合装置CLは、アクチュエータによって軸方向Lに沿って移動するように構成された第1爪部CLaと、第1爪部CLaが係合される第2爪部CLbと、を有している。第1爪部CLaは、第1カウンタ軸61Aと一体的に回転するように、軸方向Lへ移動自在に第1カウンタ軸61Aに支持されている。第2爪部CLbは、第1カウンタ入力ギヤ62Aに配置されている。図示の例では、第1爪部CLaは、第1カウンタ入力ギヤ62Aに対して軸方向第1側L1に隣接するように配置されている。そして、第2爪部CLbは、第1カウンタ入力ギヤ62Aの入力ギヤ4との噛み合い部に対して軸方向第1側L1に隣接するように配置されている。係合装置CLは、第2爪部CLbに第1爪部CLaが係合することで係合状態となり、第2爪部CLbから第1爪部CLaが離間することで解放状態となる。係合装置CLが係合状態である場合、入力ギヤ4と差動入力ギヤ71との間で動力が伝達される。一方、係合装置CLが解放状態である場合、入力ギヤ4と差動入力ギヤ71との間での動力伝達が遮断される。本実施形態では、係合装置CLが噛み合い式係合装置であるため、係合装置CLが係合状態である場合、第1カウンタ軸61Aと第1カウンタ入力ギヤ62Aとが一体的に回転する。そして、係合装置CLが係合状態である場合に、第1動力伝達経路P1が形成される。
本実施形態では、係合装置CLの軸方向Lの配置領域と、アイドラギヤ5の軸方向Lの配置領域とが重なっている。また、本実施形態では、係合装置CLは、軸方向Lにおける第1カウンタ入力ギヤ62Aと第1カウンタ出力ギヤ63Aとの間に配置されている。
図3に示すように、本実施形態では、車両用駆動装置100は、第1ロータ12Aの回転を検出する第1回転センサ9Aと、第2ロータ12Bの回転を検出する第2回転センサ9Bと、を更に備えている。第1回転センサ9A及び第2回転センサ9Bは、軸方向Lにおける第1ロータ12Aと第2ロータ12Bとの間に配置されている。本実施形態では、第1回転センサ9Aと第2回転センサ9Bとのそれぞれは、レゾルバである。図示の例では、第1回転センサ9Aのステータが第1支持壁部CSd1に支持され、第1回転センサ9Aのロータが第1ロータ支持部材13Aの第1連結部132Aに支持されている。そして、第2回転センサ9Bのステータが第2支持壁部CSd2に支持され、第2回転センサ9Bのロータが第2ロータ支持部材13Bの第2連結部132Bに支持されている。
図1に示すように、本実施形態では、車両用駆動装置100は、油を吐出する油圧ポンプOPを更に備えている。油圧ポンプOPは、当該油圧ポンプOPを駆動するためのポンプ駆動ギヤOPaを備えている。本実施形態では、ポンプ駆動ギヤOPaは、第1ロータギヤ2Aの周方向における入力ギヤ4とは異なる位置で、第1ロータギヤ2Aと噛み合っている。
図4に示すように、本実施形態では、軸方向Lに沿う軸方向視で、第1回転電機1Aの回転軸心(第2軸X2)は、入力部材3の回転軸心(第1軸X1)に対して、差動歯車機構7の回転軸心(第5軸X5)の側とは反対側に配置されている。説明を加えると、軸方向Lに沿う軸方向視で、第1軸X1と第5軸X5とを含む第1仮想平面S1に直交する第2仮想平面S2に対して、第5軸X5とは反対側に第2軸X2が配置されている。
また、本実施形態では、軸方向Lに沿う軸方向視で、第1回転電機1Aの回転軸心(第2軸X2)は、第1仮想平面S1に対して下方に配置されている。更に、本実施形態では、第2カウンタギヤ機構6Bの回転軸心(第4軸X4)も、軸方向Lに沿う軸方向視で、第1仮想平面S1に対して下方に配置されている。一方、本実施形態では、第1カウンタギヤ機構6Aの回転軸心(第3軸X3)は、第1仮想平面S1に対して上方に配置されている。つまり、本実施形態では、第3軸X3と第4軸X4とが、第1仮想平面S1を挟んで上下に分かれて配置されている。また、本実施形態では、第3軸X3と第4軸X4とは、第1仮想平面S1に沿う方向における、第1軸X1と第5軸X5との間に配置されている。ここで、「下方」とは、車両に搭載した状態の車両用駆動装置100の鉛直方向の下側を意味する。また、「上方」とは、車両に搭載した状態の車両用駆動装置100の鉛直方向の上側を意味する。なお、図4においては、車両用駆動装置100の鉛直方向を矢印Vで示している。
本実施形態では、入力ギヤ4及びアイドラギヤ5が、軸方向Lに沿う軸方向視で、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの双方と重複するように配置されている。本例では、入力ギヤ4及びアイドラギヤ5の全体が、軸方向視で、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの双方と重複するように配置されている。なお、本例では、第1回転電機1A(第1ステータ11A)の外径と、第2回転電機1B(第2ステータ11B)の外径とは同一とされる。
また、本実施形態では、第1カウンタギヤ機構6A及び第2カウンタギヤ機構6Bも、軸方向視で、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの双方と重複するように配置されている。本例では、第1カウンタギヤ機構6Aの一部(具体的には第1カウンタ入力ギヤ62Aの一部)及び第2カウンタギヤ機構6Bの一部(具体的には第2カウンタ入力ギヤ62Bの一部)が、軸方向視で、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの双方と重複するように配置されている。
また、本実施形態では、油圧ポンプOPも、軸方向Lに沿う軸方向視で、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの双方と重複するように配置されている。本例では、油圧ポンプOPの全体が、軸方向視で、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの双方と重複するように配置されている。なお、油圧ポンプOPは、入力ギヤ4、アイドラギヤ5、第1カウンタギヤ機構6A及び第2カウンタギヤ機構6B、並びに差動歯車機構7と干渉しない領域に配置されている。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、係合装置CLが噛み合い式係合装置である構成を例として説明したが、そのような構成に限定されない。例えば、図5に示すように、係合装置CLが、油圧によって摩擦部材同士の係合の状態が制御される油圧式の摩擦係合装置であっても良い。なお、このような構成では、出力側から過大なトルクが入力される等した場合に、摩擦部材同士がスリップして出力部材8から内燃機関EGまでの動力伝達経路に過大な負荷が作用することが制限されるため、ダンパ装置DPにトルクリミッタを設けなくても良い。
(2)上記の実施形態では、入力ギヤ4から差動入力ギヤ71までの動力伝達経路の変速比と、アイドラギヤ5から差動入力ギヤ71までの動力伝達経路の変速比とが異なっている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、入力ギヤ4から差動入力ギヤ71までの動力伝達経路の変速比と、アイドラギヤ5から差動入力ギヤ71までの動力伝達経路の変速比とが同じであっても良い。
(3)上記の実施形態では、入力ギヤ4と差動入力ギヤ71との間での動力伝達を断接する係合装置CLが、第1カウンタギヤ機構6Aと同軸に配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、係合装置CLが第1カウンタギヤ機構6Aの回転軸心とは異なる軸(例えば第1軸X1)に配置されていても良い。また、車両用駆動装置100が、係合装置CLを備えない構成であっても良い。
(4)上記の実施形態では、係合装置CLの軸方向Lの配置領域と、アイドラギヤ5の軸方向Lの配置領域とが重なっている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、係合装置CLの軸方向Lの配置領域と、アイドラギヤ5の軸方向Lの配置領域とが重なっていなくても良い。
(5)上記の実施形態では、係合装置CLが軸方向Lにおける第1カウンタ入力ギヤ62Aと第1カウンタ出力ギヤ63Aとの間に配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、係合装置CLが第1カウンタ入力ギヤ62Aに対して軸方向第2側L2に配置されていても良い。或いは、係合装置CLが第1カウンタ出力ギヤ63Aに対して軸方向第1側L1に配置されていても良い。
(6)上記の実施形態では、アイドラギヤ5が、入力ギヤ4に対して軸方向第1側L1であって、差動入力ギヤ71に対して軸方向第2側L2に配置されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、アイドラギヤ5が入力ギヤ4に対して軸方向第2側L2に配置されていても良い。また、アイドラギヤ5が差動入力ギヤ71に対して軸方向第1側L1に配置されていても良い。
(7)上記の実施形態では、第1カウンタ出力ギヤ63A及び第2カウンタ出力ギヤ63Bが、軸方向Lに沿う軸方向視で、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの双方と重複しないように配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1カウンタ出力ギヤ63A及び第2カウンタ出力ギヤ63Bが、軸方向Lに沿う軸方向視で、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの少なくとも一方と重複するように配置されていても良い。
(8)上記の実施形態では、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの少なくとも一方の軸方向Lの配置領域と、第1カウンタ出力ギヤ63A及び第2カウンタ出力ギヤ63Bの双方の軸方向Lの配置領域とが重なっている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの少なくとも一方の軸方向Lの配置領域と、第1カウンタ出力ギヤ63A及び第2カウンタ出力ギヤ63Bの一方の軸方向Lの配置領域とが重なり、かつ、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの双方の軸方向Lの配置領域と、第1カウンタ出力ギヤ63A及び第2カウンタ出力ギヤ63Bの他方の軸方向Lの配置領域とが重なっていない構成としても良い。或いは、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの双方の軸方向Lの配置領域と、第1カウンタ出力ギヤ63A及び第2カウンタ出力ギヤ63Bの双方の軸方向Lの配置領域とが重なっていない構成としても良い。
(9)上記の実施形態では、入力ギヤ4及びアイドラギヤ5が、軸方向Lに沿う軸方向視で、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの双方と重複するように配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、入力ギヤ4及びアイドラギヤ5の一方が、軸方向Lに沿う軸方向視で、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの双方と重複しないように配置されていても良い。
(10)上記の実施形態では、第1回転センサ9A及び第2回転センサ9Bが、軸方向Lにおける第1ロータ12Aと第2ロータ12Bとの間に配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第1回転センサ9Aが第1ロータ12Aに対して軸方向第2側L2に配置されていても良い。また、第2回転センサ9Bが第2ロータ12Bに対して軸方向第1側L1に配置されていても良い。
(11)上記の実施形態では、第1端子部113Aと第2端子部113Bとが第2軸X2を基準とした周方向の異なる位置に配置され、第1端子部113Aの軸方向Lの配置領域と、第2端子部113Bの軸方向Lの配置領域とが重なっている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1端子部113Aの軸方向Lの配置領域と、第2端子部113Bの軸方向Lの配置領域とが重なっていなくても良い。
(12)上記の実施形態では、軸方向Lに沿う軸方向視で、第1回転電機1Aの回転軸心(第2軸X2)が、入力部材3の回転軸心(第1軸X1)に対して、差動歯車機構7の回転軸心(第5軸X5)の側とは反対側に配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第2軸X2が、第1軸X1に対して、第1仮想平面S1に沿う方向における第5軸X5の側と同じ側に配置されていても良い。
(13)上記の実施形態では、軸方向Lに沿う軸方向視で、第1回転電機1Aの回転軸心(第2軸X2)が、入力部材3の回転軸心(第1軸X1)と差動歯車機構7の回転軸心(第5軸X5)とを含む第1仮想平面S1に対して下方に配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、軸方向Lに沿う軸方向視で、第2軸X2が第1仮想平面S1に対して上方に配置されていても良い。
(14)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔上記実施形態の概要〕
以下では、上記において説明した車両用駆動装置(100)の概要について説明する。
車両用駆動装置(100)は、
内燃機関(EG)に駆動連結される入力部材(3)と、
それぞれ車輪(W)に駆動連結される一対の出力部材(8)と、
第1ロータ(12A)を備えた第1回転電機(1A)と、
前記第1回転電機(1A)と軸方向(L)に並んで配置され、前記第1ロータ(12A)と同軸に配置された第2ロータ(12B)を備えた第2回転電機(1B)と、
前記第1ロータ(12A)と一体的に回転する第1ギヤ(2A)と、
前記第2ロータ(12B)と一体的に回転する第2ギヤ(2B)と、
前記入力部材(3)と一体的に回転し、前記第1ギヤ(2A)と噛み合う第3ギヤ(4)と、
前記入力部材(3)に対して相対的に回転するように前記入力部材(3)と同軸に配置され、前記第2ギヤ(2B)と噛み合う第4ギヤ(5)と、
第5ギヤ(71)を備え、前記第5ギヤ(71)の回転を一対の前記出力部材(8)に分配する差動歯車機構(7)と、
前記第3ギヤ(4)と前記第5ギヤ(71)とを駆動連結する第1カウンタギヤ機構(6A)と、
前記第4ギヤ(5)と前記第5ギヤ(71)とを駆動連結する第2カウンタギヤ機構(6B)と、を備えている。
この構成によれば、内燃機関(EG)の駆動力が、入力部材(3)、第3ギヤ(4)、第1カウンタギヤ機構(6A)の順に経由して、差動歯車機構(7)に伝達される。また、第2回転電機(1B)の駆動力が、第2ギヤ(2B)、第4ギヤ(5)、第2カウンタギヤ機構(6B)の順に経由して、差動歯車機構(7)に伝達される。つまり、内燃機関(EG)から差動歯車機構(7)までの動力伝達経路である第1動力伝達経路(P1)と、第2回転電機(1B)から差動歯車機構(7)までの動力伝達経路である第2動力伝達経路(P2)とが、互いに独立して形成されている。これにより、第1動力伝達経路(P1)の変速比と第2動力伝達経路(P2)の変速比とを、個別に最適な値に設定することが容易となっている。
ここで、前記第3ギヤ(4)から前記第5ギヤ(71)までの動力伝達経路の変速比と、前記第4ギヤ(5)から前記第5ギヤ(71)までの動力伝達経路の変速比とが異なっていると好適である。
この構成によれば、第3ギヤ(4)、第1カウンタギヤ機構(6A)、第5ギヤ(71)の順に駆動力を伝達する動力伝達経路と、第4ギヤ(5)、第2カウンタギヤ機構(6B)、第5ギヤ(71)の順に駆動力を伝達する動力伝達経路とが互いに独立しており、それらの動力伝達経路の変速比が互いに異なっている。したがって、内燃機関(EG)から差動歯車機構(7)までの第1動力伝達経路(P1)の変速比と、第2回転電機(1B)から差動歯車機構(7)までの第2動力伝達経路(P2)の変速比とのそれぞれを、適切に設定し易い。
また、前記第3ギヤ(4)と前記第5ギヤ(71)との間での動力伝達を断接する係合装置(CL)を更に備え、
前記係合装置(CL)は、前記第1カウンタギヤ機構(6A)と同軸に配置されていると好適である。
この構成によれば、内燃機関(EG)と差動歯車機構(7)との間の第1動力伝達経路(P1)を、内燃機関(EG)の駆動力を差動歯車機構(7)に伝達可能な接続状態と、内燃機関(EG)の駆動力を差動歯車機構(7)に伝達不可能な遮断状態とに切り替えることができる。そして、接続状態では車両用駆動装置(100)をパラレルハイブリッドモードとすることができ、遮断状態では車両用駆動装置(100)をシリーズハイブリッドモードとすることができる。
また、本構成によれば、係合装置(CL)が第1カウンタギヤ機構(6A)と同軸に配置されている。つまり、係合装置(CL)の回転軸心と第1カウンタギヤ機構(6A)の回転軸心が一致している。ここで、動力伝達経路における第1回転電機(1A)と第1カウンタギヤ機構(6A)との間には、入力部材(3)と第3ギヤ(4)とが配置されている。そのため、第1カウンタギヤ機構(6A)の回転軸心(X3)が、外径が比較的大きい第1回転電機(1A)及び第2回転電機(1B)の回転軸心(X2)から径方向(R)に離れた位置に配置されている。よって、第1カウンタギヤ機構(6A)の回転軸心(X3)上においては、入力部材(3)の回転軸心(X1)上と比較して、第1回転電機(1A)及び第2回転電機(1B)に干渉せずに部材を配置可能な軸方向(L)のスペースを確保し易い。したがって、本構成によれば、係合装置(CL)の配置による車両用駆動装置(100)の軸方向(L)の寸法の大型化を抑制し易い。
前記係合装置(CL)を備えた構成において、
前記係合装置(CL)の前記軸方向(L)の配置領域と、前記第4ギヤ(5)の前記軸方向(L)の配置領域とが重なっていると好適である。
この構成によれば、軸方向(L)の配置領域が第4ギヤ(5)と重なるスペースを利用して、係合装置(CL)が配置されている。これにより、係合装置(CL)と第4ギヤ(5)との軸方向(L)の配置領域が重なっていない構成と比較して、車両用駆動装置(100)の軸方向(L)の寸法の小型化が容易となっている。
また、前記係合装置(CL)を備えた構成において、
前記第1カウンタギヤ機構(6A)は、前記第3ギヤ(4)に噛み合う第6ギヤ(62A)と、前記第6ギヤ(62A)に対して相対的に回転可能に配置され、前記第5ギヤ(71)に噛み合う第7ギヤ(63A)と、を備え、
前記第2カウンタギヤ機構(6B)は、前記第4ギヤ(5)に噛み合う第8ギヤ(62B)と、前記第8ギヤ(62B)と一体的に回転すると共に前記第5ギヤ(71)に噛み合う第9ギヤ(63B)と、を備え、
前記第4ギヤ(5)は、前記第3ギヤ(4)に対して、前記軸方向(L)の一方側(L1)に配置されていると共に、前記第5ギヤ(71)に対して、前記軸方向(L)の他方側(L2)に配置され、
前記係合装置(CL)は、前記軸方向(L)における前記第6ギヤ(62A)と前記第7ギヤ(63A)との間に配置されていると好適である。
この構成によれば、軸方向(L)における第3ギヤ(4)の配置領域と第5ギヤ(71)の配置領域との間に、第4ギヤ(5)が配置されている。そのため、第3ギヤ(4)と噛み合う第6ギヤ(62A)が、第4ギヤ(5)と噛み合う第8ギヤ(62B)よりも、第7ギヤ(63A)及び第9ギヤ(63B)と噛み合う第5ギヤ(71)から軸方向(L)に離れた位置に配置されている。つまり、第1カウンタギヤ機構(6A)における第6ギヤ(62A)と第7ギヤ(63A)との軸方向(L)の距離は、第2カウンタギヤ機構(6B)における第8ギヤ(62B)と第9ギヤ(63B)との軸方向(L)の距離よりも大きい。これにより、軸方向(L)における前記第6ギヤ(62A)と前記第7ギヤ(63A)との間にスペースを確保し易い。したがって、係合装置(CL)の配置による車両用駆動装置(100)の軸方向(L)の寸法の大型化を抑制し易い。
前記第1カウンタギヤ機構(6A)が前記第6ギヤ(62A)と前記第7ギヤ(63A)とを備えると共に、前記第2カウンタギヤ機構(6B)が前記第8ギヤ(62B)と前記第9ギヤ(63B)とを備えた構成において、
前記第7ギヤ(63A)及び前記第9ギヤ(63B)は、前記軸方向(L)に沿う軸方向視で、前記第1回転電機(1A)及び前記第2回転電機(1B)の双方と重複しないように配置され、
前記第1回転電機(1A)及び前記第2回転電機(1B)の少なくとも一方の前記軸方向(L)の配置領域と、前記第7ギヤ(63A)及び前記第9ギヤ(63B)の双方の前記軸方向(L)の配置領域とが重なっていると好適である。
この構成によれば、第7ギヤ(63A)及び第9ギヤ(63B)の軸方向(L)の配置領域が第1回転電機(1A)及び第2回転電機(1B)の双方の軸方向(L)の配置領域と重なっていない構成と比較して、車両用駆動装置(100)の軸方向(L)の寸法の小型化が容易となっている。
また、前記第3ギヤ(4)及び前記第4ギヤ(5)が、前記軸方向(L)に沿う軸方向視で、前記第1回転電機(1A)及び前記第2回転電機(1B)の双方と重複するように配置されていると好適である。
この構成によれば、第3ギヤ(4)及び第4ギヤ(5)が軸方向視で第1回転電機(1A)と重複していない構成と比較して、車両用駆動装置(100)の径方向(R)の寸法の小型化が容易となっている。
また、前記第1ロータ(12A)の回転を検出する第1回転センサ(9A)と、前記第2ロータ(12B)の回転を検出する第2回転センサ(9B)と、を更に備え、
前記第1回転センサ(9A)及び前記第2回転センサ(9B)が、前記軸方向(L)における前記第1ロータ(12A)と前記第2ロータ(12B)との間に配置されていると好適である。
一般的に、第1回転電機(1A)と第2回転電機(1B)とが軸方向(L)に並んで配置された構成では、第1回転電機(1A)のステータコイル(112A)と第2回転電機(1B)のステータコイル(112B)との干渉を回避する都合上、軸方向(L)における第1ロータ(12A)と第2ロータ(12B)との間にスペースが生じ易い。
本構成によれば、このスペースを利用して、第1回転センサ(9A)及び第2回転センサ(9B)が配置されている。これにより、第1回転センサ(9A)及び第2回転センサ(9B)の配置による車両用駆動装置(100)の軸方向(L)の寸法の大型化を抑制することができる。
また、前記第1回転電機(1A)のステータコイル(112A)の端子部である第1端子部(113A)が、前記軸方向(L)における前記第2回転電機(1B)の側に突出し、
前記第2回転電機(1B)のステータコイル(112B)の端子部である第2端子部(113B)が、前記軸方向(L)における前記第1回転電機(1A)の側に突出し、
前記第1端子部(113A)と前記第2端子部(113B)とが、前記第1回転電機(1A)の周方向の異なる位置に配置され、
前記第1端子部(113A)の前記軸方向(L)の配置領域と、前記第2端子部(113B)の前記軸方向(L)の配置領域とが重なっていると好適である。
この構成によれば、軸方向(L)に突出する端子部(113A,113B)を有するステータコイル(112A,112B)をそれぞれ備えた第1回転電機(1A)と第2回転電機(1B)との軸方向(L)の配置領域を小さく抑えることができる。これにより、車両用駆動装置(100)の軸方向(L)の寸法の小型化が容易となっている。
また、前記軸方向(L)に沿う軸方向視で、前記第1回転電機(1A)の回転軸心(X2)は、前記入力部材(3)の回転軸心(X1)に対して、前記差動歯車機構(7)の回転軸心(X5)の側とは反対側に配置されていると好適である。
この構成によれば、軸方向視で、第1回転電機(1A)及び第2回転電機(1B)を、差動歯車機構(7)から離して配置することができる。これにより、第1回転電機(1A)及び第2回転電機(1B)が、差動歯車機構(7)から軸方向(L)に突出するように配置された一対の出力部材(8)と干渉することを回避しつつ、第1回転電機(1A)及び第2回転電機(1B)のそれぞれの径方向(R)の寸法を大型化することが可能となる。したがって、車両用駆動装置(100)の軸方向(L)の寸法の大型化を抑制しつつ、第1回転電機(1A)及び第2回転電機(1B)の性能を確保することが容易となっている。
また、前記軸方向(L)に沿う軸方向視で、前記第1回転電機(1A)の回転軸心(X2)は、前記入力部材(3)の回転軸心(X1)と前記差動歯車機構(7)の回転軸心(X5)とを含む仮想平面(S1)に対して下方に配置されていると好適である。
この構成によれば、第1回転電機(1A)及び第2回転電機(1B)のそれぞれの上端位置を低く抑えることが容易となっている。これにより、車両用駆動装置(100)の上方への突出量を小さく抑えることができる。その結果、車両用駆動装置(100)の車両への搭載性を良好なものとし易い。
本開示に係る技術は、内燃機関に駆動連結される入力部材と、それぞれ車輪に駆動連結される一対の出力部材と、第1回転電機及び第2回転電機と、を備えた車両用駆動装置に利用することができる。
100 :車両用駆動装置
1A :第1回転電機
12A :第1ロータ
1B :第2回転電機
12B :第2ロータ
2A :第1ロータギヤ(第1ギヤ)
2B :第2ロータギヤ(第2ギヤ)
3 :入力部材
4 :入力ギヤ(第3ギヤ)
5 :アイドラギヤ(第4ギヤ)
6A :第1カウンタギヤ機構
6B :第2カウンタギヤ機構
7 :差動歯車機構
71 :差動入力ギヤ(第5ギヤ)
8 :出力部材
EG :内燃機関
W :車輪
L :軸方向
L1 :軸方向第1側
L2 :軸方向第2側

Claims (11)

  1. 内燃機関に駆動連結される入力部材と、
    それぞれ車輪に駆動連結される一対の出力部材と、
    第1ロータを備えた第1回転電機と、
    前記第1回転電機と軸方向に並んで配置され、前記第1ロータと同軸に配置された第2ロータを備えた第2回転電機と、
    前記第1ロータと一体的に回転する第1ギヤと、
    前記第2ロータと一体的に回転する第2ギヤと、
    前記入力部材と一体的に回転し、前記第1ギヤと噛み合う第3ギヤと、
    前記入力部材に対して相対的に回転するように前記入力部材と同軸に配置され、前記第2ギヤと噛み合う第4ギヤと、
    第5ギヤを備え、前記第5ギヤの回転を一対の前記出力部材に分配する差動歯車機構と、
    前記第3ギヤと前記第5ギヤとを駆動連結する第1カウンタギヤ機構と、
    前記第4ギヤと前記第5ギヤとを駆動連結する第2カウンタギヤ機構と、を備えている、車両用駆動装置。
  2. 前記第3ギヤから前記第5ギヤまでの動力伝達経路の変速比と、前記第4ギヤから前記第5ギヤまでの動力伝達経路の変速比とが異なっている、請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記第3ギヤと前記第5ギヤとの間での動力伝達を断接する係合装置を更に備え、
    前記係合装置は、前記第1カウンタギヤ機構と同軸に配置されている、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記係合装置の前記軸方向の配置領域と、前記第4ギヤの前記軸方向の配置領域とが重なっている、請求項3に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記第1カウンタギヤ機構は、前記第3ギヤに噛み合う第6ギヤと、前記第6ギヤに対して相対的に回転可能に配置され、前記第5ギヤに噛み合う第7ギヤと、を備え、
    前記第2カウンタギヤ機構は、前記第4ギヤに噛み合う第8ギヤと、前記第8ギヤと一体的に回転すると共に前記第5ギヤに噛み合う第9ギヤと、を備え、
    前記第4ギヤは、前記第3ギヤに対して、前記軸方向の一方側に配置されていると共に、前記第5ギヤに対して、前記軸方向の他方側に配置され、
    前記係合装置は、前記軸方向における前記第6ギヤと前記第7ギヤとの間に配置されている、請求項3又は4に記載の車両用駆動装置。
  6. 前記第7ギヤ及び前記第9ギヤは、前記軸方向に沿う軸方向視で、前記第1回転電機及び前記第2回転電機の双方と重複しないように配置され、
    前記第1回転電機及び前記第2回転電機の少なくとも一方の前記軸方向の配置領域と、前記第7ギヤ及び前記第9ギヤの双方の前記軸方向の配置領域とが重なっている、請求項5に記載の車両用駆動装置。
  7. 前記第3ギヤ及び前記第4ギヤが、前記軸方向に沿う軸方向視で、前記第1回転電機及び前記第2回転電機の双方と重複するように配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  8. 前記第1ロータの回転を検出する第1回転センサと、前記第2ロータの回転を検出する第2回転センサと、を更に備え、
    前記第1回転センサ及び前記第2回転センサが、前記軸方向における前記第1ロータと前記第2ロータとの間に配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  9. 前記第1回転電機のステータコイルの端子部である第1端子部が、前記軸方向における前記第2回転電機の側に突出し、
    前記第2回転電機のステータコイルの端子部である第2端子部が、前記軸方向における前記第1回転電機の側に突出し、
    前記第1端子部と前記第2端子部とが、前記第1回転電機の周方向の異なる位置に配置され、
    前記第1端子部の前記軸方向の配置領域と、前記第2端子部の前記軸方向の配置領域とが重なっている、請求項1から8のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  10. 前記軸方向に沿う軸方向視で、前記第1回転電機の回転軸心は、前記入力部材の回転軸心に対して、前記差動歯車機構の回転軸心の側とは反対側に配置されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  11. 前記軸方向に沿う軸方向視で、前記第1回転電機の回転軸心は、前記入力部材の回転軸心と前記差動歯車機構の回転軸心とを含む仮想平面に対して下方に配置されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
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