JP2024010429A - 車両用駆動伝達装置 - Google Patents

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Shohei Tokoro
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Abstract

【課題】小型化を図り易い減速機と変速機とを備えた車両用駆動伝達装置を実現する。【解決手段】第1減速機は、複数の第1遊星ギヤ42を回転自在に支持する第1キャリヤ43と、第1遊星ギヤ42に噛み合う内歯が内周面に形成された筒状の第1リングギヤ41と、を備えた遊星歯車機構であり、第1減速機と変速機とは、軸方向Lに並んで配置され、変速機の摩擦係合要素60は、摩擦係合部材62と、摩擦係合部材62を軸方向Lに押圧するピストン64と、油圧室65を形成する油圧室形成部材66と、を備え、油圧室65は、第1減速機に対して径方向Rの外側に配置され、第1リングギヤ41と油圧室形成部材66とが一体的に形成され、第1リングギヤ41の外周面が、ピストン64の内周面が摺動する面である内側摺動面を構成している。【選択図】図2

Description

本発明は、減速機と変速機とを備えた車両用駆動伝達装置に関する。
減速機と変速機とを備えた車両用駆動伝達装置を備えた自動変速機が知られている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。特許文献1には、減速ユニット(21B)と変速ユニット(21A)とを備え、変速ユニット(21A)が摩擦係合要素としてのブレーキ(B)を有する車両用駆動伝達装置が開示されている。このブレーキ(B)は、油圧により第1摩擦部材(Bf)を押圧する第1ピストン(Bp)を備え、第1ピストン(Bp)はケース(5)の内壁との間に形成された油室に所定油圧の油が供給された際に当該油圧に応じて第1摩擦部材(Bf)を押圧する。
ところで、減速機と変速機とを備えた車両用駆動伝達装置は、小型化を要求されることがある。しかし、特許文献1の車両用駆動伝達装置を小型化するために、例えば第1ピストン(Bp)の受圧面積を小さくすると第1摩擦部材(Bf)の数を増やしたり供給油圧を高くしたりする必要があり、小型化の要求に対応することは容易ではなかった。
特開2021-089014号公報
そこで、小型化を図り易い減速機と変速機とを備えた車両用駆動伝達装置の実現が望まれる。
本開示に係る車両用駆動伝達装置は、駆動源に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、前記入力部材と前記出力部材との間で駆動力を伝達する伝達機構と、を備えた車両用駆動伝達装置であって、前記伝達機構は、前記入力部材の側から伝達される回転を減速して前記出力部材の側へ伝達する減速機と、摩擦係合要素の係合状態に応じて複数の変速段を形成し、前記入力部材の側から伝達される回転を各変速段の変速比で変速して前記出力部材の側へ伝達する変速機と、を備え、前記減速機は、複数の遊星ギヤを回転自在に支持するキャリヤと、前記遊星ギヤに噛み合う内歯が内周面に形成された筒状のリングギヤと、を備えた遊星歯車機構であり、前記リングギヤの軸心に沿う方向を軸方向とし、前記軸心に直交する方向を径方向として前記減速機と前記変速機とは、前記軸方向に並んで配置され、前記摩擦係合要素は、摩擦係合部材と、前記摩擦係合部材を前記軸方向に押圧するピストンと、前記ピストンを駆動する油圧を発生させる油圧室を形成する油圧室形成部材と、を備え、前記油圧室は、前記減速機に対して前記径方向の外側に配置され、前記リングギヤと前記油圧室形成部材とが一体的に形成され、前記リングギヤの外周面が、前記ピストンの内周面が摺動する面である内側摺動面を構成している。
例えば、リングギヤと油圧室形成部材とが別体として構成されている場合は、これらの部材のそれぞれに軸方向に延在する筒状部が必要になる。しかし、本構成によれば、リングギヤと油圧室形成部材とが一体的に形成され、リングギヤの外周面がピストンの内側摺動面を構成しているため、リングギヤと油圧室形成部材とが1つの筒状部を共用する構成となっている。従って、減速機及び摩擦係合要素の配置領域を径方向に小さく抑え易く、車両用駆動伝達装置の小型化を図り易い。また、リングギヤと油圧室形成部材とが1つの筒状部を共用することで油圧室の径方向の寸法を確保し易いので、摩擦係合要素の係合圧を大きくし易い。また、リングギヤと摩擦係合要素の油圧室形成部材とが一体的に形成されているため、リングギヤと油圧室形成部材とが別体として構成されている場合に比べて、部品数を削減することができる。
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
第1の実施形態に係る車両のスケルトン図 図1の車両用駆動伝達装置の断面図 図1の摩擦係合要素周辺の拡大断面図 第2の実施形態に係る車両用駆動伝達装置の断面図 他の実施形態に係る車両のスケルトン図
〔第1の実施形態〕
以下では、第1の実施形態に係る車両用駆動伝達装置10(以下、駆動伝達装置10とする)について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る車両11のスケルトン図である。図2は、駆動伝達装置10の断面図である。本実施形態では、駆動伝達装置10は、内燃機関12と、第2回転電機14と、第1回転電機15と、差動歯車装置16と、車輪17とを備えたハイブリッド式電動自動車(HEV)である車両11に搭載されている。本願において、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いられる。第1回転電機15及び第2回転電機14は回転電機である。
本実施形態では、車両11は、更に、第1回転軸21とダンパ装置25と第2回転軸22と第2減速機27と入力側クラッチ28と第3回転軸23とを備えている。第1回転軸21は、内燃機関12の出力軸である。ダンパ装置25は、第1回転軸21の捩れ振動を減衰させつつ、第1回転軸21の回転を第2回転軸22に伝達する。第2回転電機14は、第2ステータ14sと第2ロータ14rを備える。第2減速機27は、第2回転電機14の出力軸であって第2ロータ14rと一体的に回転する第2ロータ軸26の回転を減速して第2回転軸22に伝達する。入力側クラッチ28は、第2回転軸22と第3回転軸23との間の駆動力を伝達する係合状態と、遮断する解放状態とに切替え可能に構成されている。第3回転軸23に伝達された駆動力は、後述する駆動伝達装置10の変速機50を介して、差動歯車装置16に伝達されて一対の車輪17に分配される。
本実施形態では、第1回転電機15及び第2回転電機14が、それぞれ図示しない蓄電装置に電気的に接続され、電動機及び発電機の双方の機能を果たすことが可能とされている。一例として、入力側クラッチ28を解放状態とし、第2回転電機14を発電機として機能させることにより、内燃機関12のトルクにより発電を行って蓄電装置を充電すること、又は、電動機として機能する第1回転電機15に電力を供給して車両11を走行させることができる。また、第1回転電機15が車輪17から伝達される回転駆動力により発電を行うことにより蓄電装置を充電することができる。更に、入力側クラッチ28を係合状態とすることにより、内燃機関12及び第1回転電機15の双方、或いは、内燃機関12のみを力行状態として車両11を走行させることができる。この時、第2回転電機14を発電機として機能させても良く、電動機として機能させても良い。本実施形態の第1回転電機15は、(後述する)入力部材10iが駆動連結されている駆動源に対応する。
駆動伝達装置10は、駆動源である第1回転電機15に駆動連結される入力部材10iと、車輪17に駆動連結される出力部材10oと、入力部材10iと出力部材10oとの間で駆動力を伝達する伝達機構35と、を備える。本実施形態では、第1回転電機15は、第1ステータ15sと第1ロータ15rを備えている。第1ロータ15rは、第1ロータ軸31と一体的に回転し、第1ロータ軸31と入力部材10iとがスプライン嵌合されることにより一体的に回転する。出力部材10oは、例えば、車両11がフロントエンジン・フロントドライブ方式(FF方式)である場合には差動歯車装置16のデフリングギヤに連結され、車両11がフロントエンジン・リアドライブ方式(FR方式)である場合にはプロペラシャフトに連結される。
図2に示すように、本実施形態では、駆動伝達装置10は、非回転部材であって伝達機構35を収容するケース32を備えている。本実施形態では、図1に示す伝達機構35が第1減速機40と変速機50とを備え、ケース32は第1減速機40と変速機50を収容している。図示の例では、ケース32は更に駆動源(第1回転電機15)を収容している。車両11がFF方式の場合には、ケース32が図示しないインバータと第1回転電機15と第1減速機40と変速機50と差動歯車装置16とを収容していても良い。
ここで、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が一又は二以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いられる。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材が含まれ、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。また、このような伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置、例えば摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等が含まれていてもよい。また、本願において、2つの部材の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを指す。
本実施形態では、伝達機構35は、入力部材10iの側から伝達される回転を減速して出力部材10oの側へ伝達する第1減速機40と、摩擦係合要素60の係合状態に応じて複数の変速段を形成し、入力部材10iの側から伝達される回転を各変速段の変速比で変速して出力部材10oの側へ伝達する変速機50と、を備えている。ここで、第1減速機40が備える(後述する)第1リングギヤ41の軸心X1に沿う方向を軸方向Lとする。また、第1リングギヤ41の軸心X1に直交する方向を径方向Rとする。
第1減速機40と変速機50とは、軸方向Lに並んで配置されている。本実施形態では、入力部材10iの回転軸心と出力部材10oの回転軸心とが軸心X1と同軸心である。また、図1に示す例では、内燃機関12と第2回転電機14と第2減速機27と第1回転電機15と第1減速機40と変速機50とが軸方向Lに並んで配置されている。また、第1回転軸21、第2回転軸22、第2ロータ軸26、第3回転軸23、入力部材10i、及び、出力部材10oのそれぞれの回転軸心が軸心X1と同軸心である。
図2に示すように、本実施形態では、第1減速機40は、複数の第1遊星ギヤ42を回転自在に支持する第1キャリヤ43と、第1遊星ギヤ42に噛み合う内歯が内周面に形成された筒状の第1リングギヤ41と、を備えた遊星歯車機構である。また、第1減速機40は更に第1サンギヤ44を備えている。本実施形態では、第1減速機40はシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、第1サンギヤ44は第1遊星ギヤ42に噛み合っている。また、第1サンギヤ44と入力部材10iとが一体的に回転するように連結されている。図2に示す例では、第1ロータ軸31にスプライン嵌合されている入力部材10iの端部に第1サンギヤ44が形成され、第1回転電機15の第1ロータ15rと第1サンギヤ44とが一体的に回転するように連結されている。本実施形態の第1減速機40は、伝達機構35が備える減速機に相当する。また、本実施形態の第1リングギヤ41、第1遊星ギヤ42、第1キャリヤ43は、それぞれ減速機が備えるリングギヤ、遊星ギヤ、キャリヤに相当する。
変速機50の摩擦係合要素60は、摩擦係合部材62と、摩擦係合部材62を軸方向Lに押圧するピストン64と、ピストン64を駆動する油圧を発生させる油圧室65を形成する油圧室形成部材66と、を備えている。本実施形態では、油圧室65は、第1減速機40に対して径方向Rの外側に配置されている。また、第1リングギヤ41と油圧室形成部材66とは一体的に形成されている。また、第1リングギヤ41の外周面は、ピストン64の内周面が摺動する面である内側摺動面を構成している。
このようにすれば、第1リングギヤ41と油圧室形成部材66とが1つの筒状部を共用する構成となる。従って、第1減速機40及び摩擦係合要素60の配置領域を径方向Rに小さく抑え易く、駆動伝達装置10の小型化を図り易い。また、第1リングギヤ41と油圧室形成部材66とが1つの筒状部を共用することで油圧室65の径方向Rの寸法を確保し易いので、摩擦係合要素60の係合圧を大きくし易い。また、第1リングギヤ41と摩擦係合要素60の油圧室形成部材66とが一体的に形成されているため、第1リングギヤ41と油圧室形成部材66とが別体として構成されている場合に比べて、部品数を削減することができる。また、油圧室65の径方向Rの寸法を大きく確保でき、ピストン64の受圧面積を大きく確保し易い。これにより、供給油圧に対する摩擦係合要素60のトルク容量を大きく確保でき、摩擦係合部材62の枚数を削減し、製造費や引きずり損失を低減することができる。また、供給油圧を下げることにより、供給油圧を発生させるオイルポンプのコスト、オイルポンプにおける損失、油圧回路における損失等を低減することができる。
本実施形態では、ピストン64は、第1リングギヤ41に対して径方向Rの外側であって、径方向Rに沿う径方向視で、第1リングギヤ41と重複する位置に配置されている。このようにすれば、ピストン64と第1リングギヤ41とが径方向視で重複しない構成に比べて、第1減速機40及び摩擦係合要素60の配置領域を軸方向Lに小さく抑え易い。従って、駆動伝達装置10の軸方向寸法の小型化を図り易い。
本実施形態では、駆動伝達装置10は、伝達機構35を収容するケース32と、第1リングギヤ41をケース32に対して回転不能に連結する連結部材70と、を更に備え、連結部材70は、第1リングギヤ41及び油圧室形成部材66と一体的に形成されている。このようにすれば、第1リングギヤ41と摩擦係合要素60の油圧室形成部材66と連結部材70とが別体として構成されている場合に比べて、部品数を削減することができると共に、これらの配置領域の小型化を図り易い。
図3に示すように、本実施形態では、連結部材70は、第1リングギヤ41から径方向Rの外側に延在する径方向延在部72と、油圧室65に対して径方向Rの外側において軸方向Lに延在する筒状に形成された連結筒状部74と、を備えている。この連結筒状部74の外周面に、ケース32に係合する係合部76が形成され、連結筒状部74の内周面が、ピストン64の外周面が摺動する面である外側摺動面を構成している。例えば、油圧室形成部材66と連結部材70とが別体として構成されている場合は、これらの部材のそれぞれに軸方向Lに延在する筒状部が必要になる場合がある。しかし、本実施形態では、油圧室形成部材66と連結部材70とが一体的に形成され、連結部材70における連結筒状部74の内周面がピストン64に対する外側摺動面を構成しているため、油圧室形成部材66と連結部材70とが1つの筒状部を共用する構成となっている。従って、第1減速機40及び摩擦係合要素60の配置領域を径方向Rに小さく抑え易く、或いは、油圧室65の径方向Rの寸法を大きく確保し易い。
本実施形態では、第1リングギヤ41の外周面が、油圧室65を径方向Rの内側から囲む内側壁面の少なくとも一部を構成している。図示の例では、第1リングギヤ41の外周面及び径方向延在部72の斜面により前記内側壁面が構成されている。また、本実施形態では、連結筒状部74の内周面が、油圧室65を径方向Rの外側から囲む外側壁面の少なくとも一部を構成している。なお、連結筒状部74の内周面及び径方向延在部72の斜面により前記外側壁面が構成されていても良い。
本実施形態では、径方向Rに沿う径方向視で、連結筒状部74は第1リングギヤ41と重複する位置に配置されている。このようにすれば、連結筒状部74と第1リングギヤ41とが径方向視で重複しない構成に比べて、これらの配置領域を軸方向Lに小さく抑え易い。従って、駆動伝達装置10の軸方向寸法の小型化を図り易い。
本実施形態では、変速機50は入力回転要素である第2リングギヤ51を備え、第2リングギヤ51の回転を各変速段の変速比で変速して出力部材10oの側へ伝達する。また、第2リングギヤ51と第1減速機40の第1キャリヤ43とが一体的に回転するように連結されている。このようにすれば、第1減速機40により第1回転電機15の第1ロータ15rの回転を減速し、且つ、第1回転電機15のトルクを増幅して変速機50へ伝達することができると共に、変速機50に伝達された回転を、選択した変速段の変速比で変速して出力部材10oの側へ伝達することができる。図2に示す例では、第3回転軸23が入力回転要素である第2リングギヤ51と一体的に回転するように(後述の回転要素連結部56により)連結されている。このようにすれば、内燃機関12及び第2回転電機14から第3回転軸23を介して変速機50に伝達された回転も、選択した変速段の変速比で変速して出力部材10oの側へ伝達することができる。
本実施形態では、変速機50は、内歯が内周面に形成された筒状の第2リングギヤ51と、第2リングギヤ51に噛み合う複数の第2遊星ギヤ52と、複数の第2遊星ギヤ52と噛み合う第2サンギヤ54と、複数の第2遊星ギヤ52を回転自在に支持する第2キャリヤ53と、を備えた変速用遊星歯車機構55を備えている。図2に示す例では、変速用遊星歯車機構55は、第1ピニオン52a及び第1ピニオン52aに噛み合う第2ピニオン52bを有する第2遊星ギヤ52と、第1ピニオン52a及び第2ピニオン52bを支持する第2キャリヤ53と、第1ピニオン52aに噛み合う第2サンギヤ54と、第2ピニオン52bに噛み合う第2リングギヤ51と、を備えたダブルピニオン型の遊星歯車機構である。
本実施形態では、第2リングギヤ51は、第2リングギヤ51の軸心周りに回転可能に構成されている。図示の例では、第2リングギヤ51の回転軸心は、第1リングギヤ41の軸心X1と同軸心である。図3に示す例では、変速機50は第2リングギヤ51と第1キャリヤ43とを連結する回転要素連結部56を備え、第2リングギヤ51と回転要素連結部56と第1キャリヤ43とが一体的に回転するように構成されている。本実施形態において、仮に油圧室65を径方向Rに沿う径方向視で第2リングギヤ51と重複する位置に配置すると、本実施形態では非回転部材である油圧室形成部材66と回転部材である第2リングギヤ51とのそれぞれに軸方向Lに延在する筒状部が必要となる。本実施形態では、油圧室65は、径方向Rに沿う径方向視で、第1リングギヤ41と重複する位置に配置されている。このようにすれば、第1リングギヤ41と油圧室形成部材66とで1つの筒状部を共用できるので、油圧室65の径方向Rの寸法を大きく確保し易い。
図1及び図2に示すように、本実施形態では、変速機50は出力側クラッチ58を備えている。出力側クラッチ58は、第2キャリヤ53と第2サンギヤ54とを一体的に回転するように連結する係合状態と、第2キャリヤ53と第2サンギヤ54とが連結していない状態である解放状態とに切替え可能に構成されている。
本実施形態では、摩擦係合要素60は油圧駆動式のブレーキである。摩擦係合要素60は、摩擦係合部材62と、ピストン64と、内側支持部材68と、を備えている。図3に示す例では、摩擦係合部材62は、軸方向Lに沿って交互に配置された外側プレート62aと内側プレート62bとを含んでいる。外側プレート62aは、ケース32に対して相対回転が規制され、且つ、軸方向Lに移動可能な状態で径方向Rの外側からケース32により支持されている。内側プレート62bは、内側支持部材68に対して相対回転が規制され、且つ、軸方向Lに移動可能な状態で、内側支持部材68により径方向Rの内側から支持されている。
本実施形態では、図2に示すように、ピストン64はコイルばね等の付勢部材69により摩擦係合部材62側とは反対側に付勢されている。そして、ピストン64は、油圧室65に供給された油圧により軸方向Lにおける摩擦係合部材62側に移動して、摩擦係合部材62を押圧するように構成されている。また、本実施形態では、摩擦係合部材62は、回転要素連結部56に対して径方向Rの外側に配置されている。また、摩擦係合部材62は、摩擦係合要素60が係合時に径方向Rに沿う径方向視で回転要素連結部56と重複する位置に配置されている。図示の例では、摩擦係合部材62は、摩擦係合要素60が係合時に径方向Rに沿う径方向視で第2リングギヤ51と重複する位置に配置されている。
図3に示す例では、連結筒状部74の外周面に形成された係合部76は、ケース32の周壁部32aの内周面に形成された被係合部33(スプライン被嵌合部)に嵌合するスプライン嵌合部である。また、被係合部33は、外側プレート62aを、ケース32に対して相対回転を規制し、且つ、軸方向Lに移動可能な状態で支持している。このように、図3に示す例では、連結筒状部74と外側プレート62aとが、軸方向Lの互いに異なる位置において、共通の被係合部33に係合している。また、被係合部33は、ピストン64を摩擦係合部材62側とは反対側に付勢するように付勢部材69を支持している。
連結筒状部74は、係合部76が被係合部33に係合した状態で、ケース32に対して軸方向Lに位置決め固定されている。本実施形態では、ケース32は、周壁部32aから径方向Rの内側に延在する径方向壁部32bを備えており、連結筒状部74は、径方向壁部32bに対して軸方向Lにおける摩擦係合部材62側から接触した状態で、被係合部33に係止された係止部材34によって軸方向Lにおける摩擦係合部材62側への移動を規制されている。本実施形態では、周壁部32aに形成された被係合部33との係合によって第1リングギヤ41の回転を規制している。このような構成とは異なり、径方向壁部32bに形成された被係合部との係合によって第1リングギヤ41の回転が規制される構成とすることもできるが、本実施形態の規制構造の方が、駆動伝達装置10の軸方向寸法の小型化を図り易い。
図2に示すように、本実施形態では、不図示の油圧制御装置による油圧室65に対する油の給排は、連結筒状部74に対して径方向Rの外側に設けられた油路38を介して行われる。油路38は、径方向Rに沿う径方向視で連結筒状部74と重複する位置に配置され、図示の例では、径方向視で油圧室65と重複する位置に配置されている。連結筒状部74には、当該連結筒状部74を径方向Rに貫通する貫通孔78が形成されており、この貫通孔78を介して油圧室65と油路38とが連通している。
〔第2の実施形態〕
以下では、第2の実施形態に係る駆動伝達装置10について図面を参照して説明する。本実施形態では、摩擦係合要素60がブレーキではなくクラッチである点で第1の実施形態と異なっている。以下では、第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、第1の実施形態と同様とする。図4は本実施形態における駆動伝達装置10の断面図であって、図2に相当する図である。
本実施形態では、摩擦係合要素60は、摩擦係合部材62と、ピストン64と、内側支持部材68とを備え、更に、ケース32に対して相対回転可能な外側支持部材88を備えている。また、本実施形態では、摩擦係合部材62の外側プレート62aは、外側支持部材88に対して相対回転が規制され、且つ、軸方向Lに移動可能な状態で径方向Rの外側から外側支持部材88により支持されている。
本実施形態では、ピストン64は、第1ピストン部材82と、第1ピストン部材82に相対回転可能に支持された第2ピストン部材84と、を備えている。第1ピストン部材82は油圧室形成部材66と共に油圧室65を形成し、コイルばね等の付勢部材69により摩擦係合部材62側とは反対側に付勢されている。図示の例では、付勢部材69は、油圧室形成部材66により第1ピストン部材82を摩擦係合部材62側とは反対側に付勢するように支持されている。
本実施形態では、第1ピストン部材82と第2ピストン部材84とは、油圧室65に供給された油圧により軸方向Lにおける摩擦係合部材62側に移動して、第2ピストン部材84が摩擦係合部材62を押圧するように構成されている。本実施形態では、第2ピストン部材84は、ピストン軸受86を介して第1ピストン部材82に相対回転可能に支持されている。すなわち、摩擦係合要素60の係合時に、第1リングギヤ41に対して摩擦係合部材62が相対回転可能に構成されている。図示の例では、ピストン軸受86はスラストころ軸受である。
〔その他の実施形態〕
次に、駆動伝達装置10のその他の実施形態について説明する。
(1)上記の実施形態では、駆動伝達装置10が、内燃機関12と第1回転電機15と第2回転電機14とを備えたハイブリッド式電動自動車である車両11に搭載されている構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、図5のように内燃機関12を備えていない電気自動車である車両11に駆動伝達装置10が搭載されていても良い。また、駆動伝達装置10がインホイールモータ方式の駆動装置に用いられても良い。また、第1回転電機15の第1ロータ軸31の代わりに、内燃機関12に連結されるダンパ装置25の出力側部材に、駆動伝達装置10の入力部材10iが連結された構成、すなわち内燃機関12が駆動源である構成であっても良い。また、第1回転電機15及び内燃機関12の双方が、駆動伝達装置10の入力部材10iに連結されて、駆動源として機能する構成であっても良い。
(2)上記の実施形態では、変速機50が出力側クラッチ58を備える構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、変速機50が出力側クラッチ58の代わりに、ワンウェイクラッチやドグクラッチを備えることにより複数の変速段を形成する構成とされても良い。
(3)上記の実施形態では、入力部材10iの回転軸心と出力部材10oの回転軸心とが同軸心であって、入力部材10iから伝達されて第1減速機40により減速された回転が、変速機50により変速されて出力部材10oに伝達される構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、変速機50により変速された回転が第1減速機40により減速される構成であっても良い。また、入力部材10iの回転軸心と出力部材10oの回転軸心とが異なっていても良い。また、第1減速機40の第1リングギヤ41の軸心X1と、変速機50の第2リングギヤ51の回転軸心が異なっていても良い。
(4)上記の実施形態では、変速機50の入力回転要素が第2リングギヤ51であって回転要素連結部56により第2リングギヤ51と第1キャリヤ43とが一体的に回転するよう連結されている構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、変速機50の入力回転要素が第2キャリヤ53又は第2サンギヤ54であり、回転要素連結部56により第1キャリヤ43又は第1サンギヤ44と一体的に回転するよう連結されている構成であっても良い。
(5)上記の実施形態では、第1減速機40がケース32に対して回転不能である第1リングギヤ41を備える構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、摩擦係合要素60の係合時に、第1リングギヤ41とピストン64と摩擦係合部材62とが一体的に回転する構成であり、第1キャリヤ43又は第1サンギヤ44がケース32に対して回転不能とされる構成であっても良い。また、第1減速機40が、サンギヤ、キャリヤ、リングギヤのそれぞれを複数備える構成であっても良い。
(6)上記の実施形態では、ケース32に形成された被係合部33が、係合部76とスプライン嵌合する構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、駆動伝達装置10が隔壁等のケース32に固定された支持部材を備え、その支持部材の筒状部の内周面に被係合部33が形成されていても良い。
(7)上記の実施形態では、ピストン64が径方向Rに沿う径方向視で、第1リングギヤ41と重複する位置に配置されている構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、ピストン64及び油圧室65が第1減速機40及び変速機50の両方と径方向Rに沿う径方向視で重複しない位置に配置されていても良い。
(8)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
10:車両用駆動伝達装置、10i:入力部材、10o:出力部材、11:車両、15:第1回転電機(駆動源)、17:車輪、32:ケース、35:伝達機構、40:第1減速機(減速機)、41:第1リングギヤ(リングギヤ)、42:第1遊星ギヤ(遊星ギヤ)、43:第1キャリヤ(キャリヤ)、50:変速機、60:摩擦係合要素、62:摩擦係合部材、64:ピストン、65:油圧室、66:油圧室形成部材、70:連結部材、72:径方向延在部、74:連結筒状部、76:係合部、L:軸方向、R:径方向、X1:軸心

Claims (5)

  1. 駆動源に駆動連結される入力部材と、
    車輪に駆動連結される出力部材と、
    前記入力部材と前記出力部材との間で駆動力を伝達する伝達機構と、
    を備えた車両用駆動伝達装置であって、
    前記伝達機構は、前記入力部材の側から伝達される回転を減速して前記出力部材の側へ伝達する減速機と、摩擦係合要素の係合状態に応じて複数の変速段を形成し、前記入力部材の側から伝達される回転を各変速段の変速比で変速して前記出力部材の側へ伝達する変速機と、を備え、
    前記減速機は、複数の遊星ギヤを回転自在に支持するキャリヤと、前記遊星ギヤに噛み合う内歯が内周面に形成された筒状のリングギヤと、を備えた遊星歯車機構であり、
    前記リングギヤの軸心に沿う方向を軸方向とし、前記軸心に直交する方向を径方向として、
    前記減速機と前記変速機とは、前記軸方向に並んで配置され、
    前記摩擦係合要素は、摩擦係合部材と、前記摩擦係合部材を前記軸方向に押圧するピストンと、前記ピストンを駆動する油圧を発生させる油圧室を形成する油圧室形成部材と、を備え、
    前記油圧室は、前記減速機に対して前記径方向の外側に配置され、
    前記リングギヤと前記油圧室形成部材とが一体的に形成され、
    前記リングギヤの外周面が、前記ピストンの内周面が摺動する面である内側摺動面を構成している、車両用駆動伝達装置。
  2. 前記ピストンは、前記リングギヤに対して前記径方向の外側であって、前記径方向に沿う径方向視で、前記リングギヤと重複する位置に配置されている、請求項1に記載の車両用駆動伝達装置。
  3. 前記伝達機構を収容するケースと、前記リングギヤを前記ケースに対して回転不能に連結する連結部材と、を更に備え、
    前記連結部材は、前記リングギヤ及び前記油圧室形成部材と一体的に形成されている、請求項1又は2に記載の車両用駆動伝達装置。
  4. 前記連結部材は、前記リングギヤから前記径方向の外側に延在する径方向延在部と、前記油圧室に対して前記径方向の外側において前記軸方向に延在する筒状に形成された連結筒状部と、を備え、
    前記連結筒状部の外周面に、前記ケースに係合する係合部が形成され、
    前記連結筒状部の内周面が、前記ピストンの外周面が摺動する面である外側摺動面を構成している、請求項3に記載の車両用駆動伝達装置。
  5. 前記径方向に沿う径方向視で、前記連結筒状部は前記リングギヤと重複する位置に配置されている、請求項4に記載の車両用駆動伝達装置。
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