−第1実施形態−
<空気調和機の構成>
本発明の第1実施形態に係る空気調和機1について説明する。この空気調和機1は、図1に示すように、1台の室外機3と、2台の室内機2a,2bとが冷媒配管によって並列に接続されているマルチタイプの空気調和機である。また、この空気調和機1は、冷房運転および暖房運転を含む通常運転、加湿運転、給気運転および排気運転等の運転を行うことができる。室外機3は、室外熱交換器24や室外ファン29などを内部に収容する室外空調ユニット5と、加湿ユニット4とを備えている。室内機2a,2bの内部には室内熱交換器11a,11bが収容されている。また、加湿ユニット4と室内機2a,2bとの間には、加湿ユニット4の内部空間と室内機2a,2bの内部空間と連通させることが可能な吸排気ホース6a,6bが設けられている。なお、吸排気ホース6a,6bは、室外に配置される室外ダクト8a,8bと、屋内に配置される室内ダクト9a,9bとから構成されている。
<室内機の構成>
第1室内機2aは、図2に示すように、第1部屋1a内に配置されており、第1部屋1aの壁面等に設置される壁掛け型の室内機である。また、第2室内機2bは、第2部屋1b内に配置されており、第1室内機2aと同様に第2部屋1b内の壁面等に設置される壁掛け型の室内機である。また、第1室内機2aおよび第2室内機2bは、図1に示すように、冷媒配管を介して室外機3に接続されている。
次に、第1室内機2aの構成について説明する。なお、第1室内機2aと第2室内機2bとは、同様の構成であるため、ここでは、第1室内機2aの構成のみを説明する。
第1室内機2a内には、図1に示すように、第1室内ファン12aおよび上述の第1室内熱交換器11a等が収容されている。
第1室内熱交換器11aは、長手方向両端で複数回折り返されてなる伝熱管と、伝熱管から挿通される複数のフィンとからなり、接触する空気との間で熱交換を行う。
第1室内ファン12aは、円筒形状に構成され、周面には回転軸方向に羽根が設けられている。第1室内ファン12aは、回転駆動することによって、回転軸と交わる方向に空気流を生成する。第1室内ファン12aは、第1部屋1a内の空気を第1室内機2a内に吸い込ませるとともに、第1室内熱交換器11aとの間で熱交換を行った後の空気を第1部屋1a内に吹き出させる。
また、第1室内機2a内には、第1吸排気ホース6aの一部である第1室内ダクト9aが配置されている。第1室内ダクト9aには開口が設けられており、この開口は第1室内熱交換器11aの表面と対向する位置に配置されている。具体的な開口の位置とは、第1室内ファン12aが回転し空気流が生成されている状態で、第1室内機2aの上部に設けられている空気取込口の下流側であり、かつ、第1室内熱交換器11aの上流側である。
<室外機の構成>
室外機3は、図1および図2に示すように、下部の室外空調ユニット5と、上部の加湿ユニット4とから構成されている。このため、この室外機3では、室外空調ユニット5と加湿ユニット4との電源を一元化することができる。
室外空調ユニット5は、図3に示すように、室外機ケーシング43を有している。また、室外機ケーシング43内には、図1に示すように、圧縮機21と、圧縮機21の吐出側に接続される四路切換弁22と、圧縮機21の吸入側に接続されるアキュムレータ23と、四路切換弁22に接続された室外熱交換器24と、室外熱交換器24に接続された室外膨張弁25a,25bとが収容されている。室外膨張弁25a,25bは、フィルタ26a,26bおよび液閉鎖弁27a,27bを介して液冷媒配管に接続されており、この液冷媒配管を介して室内熱交換器11a,11bの一端と接続されている。また、四路切換弁22は、ガス閉鎖弁28a,28bを介してガス冷媒配管に接続されており、このガス冷媒配管を介して室内熱交換器11a,11bの他端と接続されている。
また、室外空調ユニット5内は、図3に示すように、仕切板44によって、室外ファン29の配設されている送風機室と、圧縮機21が配設されている機械室とに区画されている。さらに、室外空調ユニット5内には、リアクタ50が収容されており、リアクタ50は仕切板44の上方に固定されている。また、仕切板44には、図4および図5に示すように、リアクタ固定板45を固定するための、切り起こし44a,44b,44cと、ダボ44dと、ネジ穴44eが設けられている。切り起こし44a,44b,44cは、送風機室側から機械室側に突出するように仕切板44に3つ(第1切り起こし44a、第2切り起こし44bおよび第3切り起こし44c)設けられている。第1切り起こし44aおよび第2切り起こし44bは、略三角形状の切り起こしであり、袋状に設けられている。また、第1切り起こし44aおよび第2切り起こし44bは、仕切板44を機械室側から正面視した場合、リアクタ固定板45の右側上下端部と一致するようにそれぞれ設けられている。第3切り起こし44cは、仕切板44の短手方向に沿って形成された切り起こしであり、リアクタ固定板45の左側下端部にと一致するように設けられている。また、ネジ穴44eは、図5に示すように、リアクタ固定板45の左側上端部と一致するように設けられた孔である。さらに、ダボ44dは、ネジ穴44e近傍に凸設されている。また、リアクタ固定板45には、ネジ穴44eと一致する位置に孔45aが設けられており、ダボ44dと一致する位置に凹部45bが設けられている。
このような構成によって、リアクタ50の固定作業は、取り付け作業者が、リアクタ固定板45を、仕切板44の切り起こし44a,44b,44cに図5の矢印A3方向に差し込み、リアクタ固定板45に設けられている孔45aと仕切板44に設けられているネジ穴44eとを貫通するようにネジ46によってネジ止めすることによって行われる。このため、リアクタ50は、右側上下端部および左側下端部が切り起こし44a,44b,44cによって支持され、右側上端部がネジ46によって固定される。さらに、リアクタ50の右側上下端部は、袋状の切り起こし44a,44b,44cによって支持されている。このため、例えば、袋状に設けられていない切り起こしによって支持されている場合と比較して、仕切板44により強く固定されていることになる。これによって、リアクタ50が仕切板44から落下しにくくすることができる。また、ダボ44dが設けられていることによって、切り起こし44a,44b,44cにリアクタ固定板45を差し込む作業を行う際に必要である隙間によって起こる騒音を発生しにくくすることができる。
なお、図6に示すように、第3切り起こし144cは、その先端が仕切板144の長手方向に沿って延びるような形状をしていてもよい。さらに、リアクタ固定板45を第3切り起こし144cに差し込む際に必要となる隙間を、固定作業の効率が低下しない程度に設けることで、固定作業の作業性を悪化させることなく、仕切板44へのリアクタ50の固定をより確実に行うことができる。
また、加湿ユニット4は、図3に示すように、室外機3の上部に配置されており、加湿ユニットケーシング7と、加湿ユニット本体6とを備えている。加湿ユニット4は、部屋1a,1b内から取り込まれた空気を室外へと排気したり、室外から取り込まれた空気を部屋1a,1b内へと供給したりすることができる。また、室外から取り込まれた空気を加湿して部屋1a,1b内へと供給することもできる。
以下、加湿ユニット4の構成について説明する。
<加湿ユニットの構成>
(1)加湿ユニットケーシング
加湿ユニットケーシング7は、図1に示すように、加湿ロータ51、加熱装置52、加湿ファン54、吸排気切り換えダンパ53、吸着用送風装置55および空気流路切り換え部30等を収納している。
加湿ユニットケーシング7の前面には、図1および図3に示すように、複数のスリット状の開口からなる吸着用空気吹き出し口7aが設けられている。また、加湿ユニットケーシング7の背面には、吸着用空気取込口7bおよび吸排気口7cが設けられている。吸着用空気取込口7bは、加湿ロータ51に水分を吸着させるために室外から取り込まれる空気が通る開口である。吸排気口7cは、吸気運転および加湿運転時に、室外から加湿ユニット4内に取り込まれ室内機2a,2bに送られる空気が通る開口である。また、吸排気口7cは、排気運転時に、室内機2a,2bから取り込まれ加湿ユニット4内から室外へと排気される空気が通る開口である。
(2)加湿ユニット本体
加湿ユニット本体6は、図1および図3に示すように、加湿ロータ51、加熱装置52、吸排気切り換えダンパ53、加湿ファン54、吸着用送風装置55等を備えている。
加湿ロータ51は、ハニカム構造のセラミックロータであり、概ね円盤形状の外形を有している。また、加湿ロータ51は、回転可能に設けられており、ロータ駆動用モータによって回転駆動される。さらに、加湿ロータ51の主たる部分は、ゼオライト等の吸着剤から焼成されている。ゼオライト等の吸着剤は、接触する空気中の水分を吸着するとともに、吸着した水分を加熱されることによって脱着するという性質を有している。なお、本実施形態では、吸着剤としてゼオライトを用いているが、シリカゲルやアルミナ等を吸着剤として用いることも可能である。
加熱装置52は、加湿ロータ51の上方に位置しており、加湿ロータ51に対向して配置されている。また、加熱装置52は、加湿ロータ51へ送られる空気を加熱することにより、加湿ロータ51を加熱することができる。
加湿ファン54は、加湿ロータ51の側方に配置されており、室外から取り込まれ室内機2a,2bへと送られる空気の流れを生成するラジカルファン組立体である。加湿ファン54は、吸排気口7cから加湿ロータ51および吸排気切り換えダンパ53を経て部屋1a,1b内へと到る空気の流れを生成して、室外から取り入れた空気を室内機2a,2bへと送る。また、加湿ファン54は、室内機2a,2bから取り入れた部屋1a,1b内の空気を室外へと排出することもできる。なお、加湿ファン54は、吸排気切り換えダンパ53が切り換わることによって、これらの動作を切り換える。加湿ファン54は、図1に示すように、室外から取り入れた空気を室内機2a,2bへと送る場合には、加湿ロータ51のうちの加熱装置52と対向する部分を通過した空気を、吸排気切り換えダンパ53を経て吸排気ダクト58へと送り出す。
吸排気ダクト58は、図1および図2に示すように、後述する空気流路切り換え部30を介して吸排気ホース6a,6bに接続されており、加湿ファン54は、吸排気ダクト58、空気流路切り換え部30および吸排気ホース6a,6bを介して室外の空気を室内機2a,2bへと供給する。なお、吸排気ホース6a,6bを通って室内機2a,2bへ送られる空気は、上述のように室内機2a,2b内部において室内熱交換器11a,11bの表面に吹き出される。
また、加湿ファン54は、室内機2a,2bから取り入れた部屋1a,1b内の空気を室外へと排出する場合には、吸排気ホース6a,6bおよび吸排気ダクト58を通ってきた部屋1a,1b内の空気を吸排気口7cから室外へと排出する。
吸着用送風装置55は、吸着用ファンモータ59と、吸着用ファンモータ59によって回転駆動される吸着ファン61とを有し、加湿ロータ51のうちの加熱装置52と対向しない部分を通過する空気の流れを生成する。すなわち、吸着用送風装置55は、吸着用空気取込口7bから吸い込まれ、加湿ロータ51のうちの加熱装置52と対向しない部分を通過し、ベルマウス62の開口を通り、吸着用空気吹き出し口7aから室外へ排出される空気の流れを生成する。
吸排気切り換えダンパ53は、吸排気ダンパと、吸排気ダンパを回転させるための吸排気ダンパ駆動用モータ53a(図10参照)とを含む、回転式の空気流路切換機構である。また、吸排気切り換えダンパ53は、加湿ファン54の下方に配置される。さらに、吸排気切り換えダンパ53では、吸排気ダンパ駆動用モータ53aが吸排気ダンパを回転させることで、給気状態と排気状態とが切り換えられる。
給気状態では、加湿ファン54によって、加湿ユニット4側から室内機2a,2b側に向かう空気流が生成される。例えば、吸排気切り換えダンパ53が給気状態であり後述する空気流路切り換え部30が第1状態である場合、加湿ファン54から吹き出された空気は、吸排気ダクト58および空気流路切り換え部30を経て吸排気ホース6a,6bを通って室内機2a,2bへと供給されるようになる。これにより、給気状態では、図1に示すA1方向に空気が流れ、室外空気が加湿され、または、加湿されずに吸排気ホース6a,6bを通って室内機2a,2bへと供給される。
排気状態では、加湿ファン54によって、室内機2a,2b側から加湿ユニット4側に向かう空気流が生成される。例えば、吸排気切り換えダンパ53が排気状態であり後述する空気流路切り換え部30が第1状態である場合、室内機2a,2bから取り込まれた部屋1a,1b内の空気は、吸排気ホース6a,6bを経て空気流路切り換え部30および吸排気ダクト58を通って室外へと排気されるようになる。これにより、排気状態では、図1に示すA2方向に空気が流れ、室内機2a,2bから吸排気ホース6a,6b、空気流路切り換え部30および吸排気ダクト58を通ってきた空気が、吸排気口7cを経て室外へと排気される。
また、加湿ユニット4は、空気流路切り換え部30を備えている。空気流路切り換え部30は、図1、図2および図7に示すように、吸排気ダクト58および吸排気ホース6a,6bに接続されるスライド式の空気流路切り換え手段である。また、空気流路切り換え部30は、加湿ユニットケーシング7内に収容されている。空気流路切り換え部30は、図7(a)、図8(a)および図9(a)に示すように、切り換え部ケーシング31と、仕切部32とを有している。切り換え部ケーシング31は、図7、図8および図9に示すように、第1切り換え部ケーシング33と第2切り換え部ケーシング34とから構成されている。第1切り換え部ケーシング33は、図7、図8および図9における上側を意味する第1上部33aと、第1上部33aの縁から立設される第1側部33bと、第1上部33aと略同一形状の第1下部33cとから形成される略直方体形状の部材である。また、第1切り換え部ケーシング33内には、仕切部32が収容されている。さらに、第1切り換え部ケーシング33の第1上部33aには、略中央部に第1開口35aが設けられており、一端部に第2開口35bが設けられている。また、第1切り換え部ケーシング33の第1下部33cには、略中央部に第3開口35cと第4開口35dとが隣接して設けられている。なお、第3開口35cには第1吸排気ホース6aが接続されており、第4開口35dには第2吸排気ホース6bが接続されている。また、第1側部33bには接続口35eが設けられており、第1切り換え部ケーシング33は、接続口35eを介して吸排気ダクト58と接続されている。
第2切り換え部ケーシング34は、楕円形の第2上部34aと、第2上部34aの縁から立設される第2側部34bとから構成される略楕円柱形状であり、下側が開口した箱状の形態を有している。また、図7、図8および図9に示すように、第2上部34aは、第1上部33aの面積よりも小さい面積を有する。また、第2切り換え部ケーシング34は、第1切り換え部ケーシング33の第1開口35aおよび第2開口35bを覆うように、第1上部33aの上側に配置される。このような構成によって、切り換え部ケーシング31では、第1切り換え部ケーシング33内部と第2切り換え部ケーシング34内部とが、第1開口35aおよび第2開口35bを介して連通している。
仕切部32は、第3上部32aと、第3側部32bと、第3下部32cと、内壁部36とから構成されており、略直方体形状を有している。第3上部32aは、長方形状の板状部材であり、略中央部に第5開口36aが設けられている。なお、第5開口36aの面積は、後述する第6開口36bの面積および切り換え部ケーシング31に設けられている第1開口35aの面積よりも大きい。また、第3側部32bは、第3下部32cの縁から第3上部32aの縁まで上方に延びている。さらに、第3下部32cは、第3上部32aの面積よりも大きな面積を有する長方形状の板状部材であり、略中央部に第6開口36bが設けられている。また、第6開口36bの面積は、第1切り換え部ケーシング33に設けられている第3開口35cの面積と第4開口35dの面積とを合わせた面積と同等程度の大きさである。内壁部36は、第3下部32cの第6開口36bの周辺部から第3上部32aの第5開口36aの周辺部まで上方に延びる略楕円柱状の部材である。なお、仕切部32は、第5開口36aが第1開口35aと対向し、第6開口36bが少なくとも第3開口35cまたは第4開口35dのいずれか一方の開口と対向するように、第1切り換え部ケーシング33内に収容される。また、本実施形態では、第5開口36aは、第1開口35aと常に対向するように形成されている。
また、空気流路切り換え部30は、仕切部32が第1切り換え部ケーシング33内をスライド移動することによって、3つの状態(第1状態、第2状態および第3状態)に切り換わることが可能である。なお、仕切部32のスライド移動は、仕切部駆動モータ42(図10参照)が駆動することによって行われる。以下、第1状態、第2状態および第3状態について図7、図8および図9を用いて説明する。
第1状態とは、図7に示すように、第1切り換え部ケーシング33に設けられている第3開口35cおよび第4開口35dと対向する位置に、仕切部32の第6開口36bが配置されている状態である。このため、内壁部36が、上側で第1開口35aと連通し、下側で第3開口35cおよび第4開口35dと連通することとで、第2切り換え部ケーシング34と第1吸排気ホース6aおよび第2吸排気ホース6bとを結ぶ。したがって、吸排気ダクト58と、第1吸排気ホース6aおよび第2吸排気ホース6bとが連通している状態になる。これによって、給気状態の場合には、図7(b)に示すように、吸排気ダクト58を通ってきた空気が、第1切り換え部ケーシング33内部および第2切り換え部ケーシング34内部を介して、第3開口35cから第1吸排気ホース6aに、第4開口35dから第2吸排気ホース6bに流れる。また、排気状態の場合には、図7(c)に示すように、第1吸排気ホース6aを通ってきた空気は第3開口35cを介して、第2吸排気ホース6bを通ってきた空気は第4開口35dを介して、第2切り換え部ケーシング34内部および第1切り換え部ケーシング33内部を介して、吸排気ダクト58へと流れる。
第2状態とは、図8に示すように、第1切り換え部ケーシング33に設けられている第3開口35cと対向する位置に、仕切部32の第6開口36bが配置されている状態となる。また、第4開口35dは、仕切部32の第3下部32cによって遮蔽された状態となる。このため、内壁部36が、上側で第1開口35aと連通し、下側で第3開口35cと連通することで、第2切り換え部ケーシング34内部と第1吸排気ホース6aとを結ぶ。したがって、吸排気ダクト58と、第1吸排気ホース6aとが連通している状態となる。これによって、給気状態の場合には、図8(b)に示すように、吸排気ダクト58を通ってきた空気が、第1切り換え部ケーシング33内部および第2切り換え部ケーシング34内部を介して、第3開口35cから第1吸排気ホース6aに供給される。また、排気状態の場合には、図8(c)に示すように、第1吸排気ホース6aを通ってきた空気は、第3開口35cを介して第2切り換え部ケーシング34内部および第1切り換え部ケーシング33内部を通って、吸排気ダクト58へと流れる。
第3状態とは、図9に示すように、第1切り換え部ケーシング33に設けられている第4開口35dと対向する位置に、仕切部32の第6開口36bが配置されている状態である。また、第3開口35cは、仕切部32の第3下部32cによって遮蔽された状態となる。このため、内壁部36が、上側で第1開口35aと連通し、下側で第4開口35dと連通することで、第2切り換え部ケーシング34内部と第2吸排気ホース6bとを結ぶ。したがって、吸排気ダクト58と、第2吸排気ホース6bとが連通している状態になる。これによって、給気状態の場合には、図9(b)に示すように、吸排気ダクト58からの空気が、第1切り換え部ケーシング33内部および第2切り換え部ケーシング34内部を介して、第4開口35dから第2吸排気ホース6bに空気が供給される。また、排気状態の場合には、図9(c)に示すように、第2吸排気ホース6bを通ってきた空気は、第4開口35dを介して、第2切り換え部ケーシング34内部および第1切り換え部ケーシング33内部を通って、吸排気ダクト58へと流れる。
また、仕切部駆動モータ42(図10参照)が仕切部32の駆動を調整することによって、開口の開放状態を調節することができる。このため、例えば、給気状態の場合には、吸排気ホース6a,6bを流れる空気量を調整することができる。
<制御部>
この制御部60は、図10に示すように、室内機2a,2b、室外空調ユニット5および加湿ユニット4の各種機器と接続されており、リモコン80等を介した空調対象者からの運転指令に基づいて通常運転、加湿運転、給気運転および排気運転等の各運転モードに応じて各種機器の運転制御を行うことができる。
以下、各空調運転時の空気調和機1の運転動作について説明する。
<空気調和機の運転動作>
(1)通常運転
制御部60は、リモートコントローラ(以下、リモコンという)80から通常運転の指示を受けた場合、通常運転が行われるように、空気調和機1の運転制御を行う。
通常運転時には、圧縮機21が駆動されるとともに、室外膨張弁25a,25bが所定の開度に絞られることによって、冷媒が冷媒回路を循環して室内熱交換器11a,11bが蒸発器または凝縮器として機能する。また、室内ファン12a,12bが駆動されることによって、空気取込口から室内機2a,2b内に吸い込まれ、室内熱交換器11a,11bを通って、空気吹き出し口から部屋内に吹き出される空気の流れが生成される。これによって、部屋1a,1b内の冷房または暖房を行うことができる。
(2)加湿運転
制御部60は、リモコン80からの加湿指令を受けた場合に、加湿運転が行われるように空気調和機1の運転制御を行う。なお、この加湿運転は、暖房運転とともに行われることも多い。また、第1室内機2aおよび第2室内機2bの両方で加湿運転が行われる場合、制御部60は、空気流路切り換え部30が第1状態となるように、仕切部駆動モータ42を駆動させる。また、第1室内機2aのみで加湿運転が行われる場合、制御部60は、空気流路切り換え部30が第2状態となるように、仕切部駆動モータ42を駆動させる。さらに、第2室内機2bのみで加湿運転が行われる場合、制御部60は、空気流路切り換え部30が第3状態となるように、仕切部駆動モータ42を駆動させる。
以下、第1室内機2aおよび第2室内機2bの両方で加湿運転が行われる場合を例として説明する。
制御部60は、吸排気切り換えダンパ53が給気状態に、空気流路切り換え部30が第1状態に切り換わるように制御し、加湿ファン54を回転させるモータおよび吸着用ファンモータ59を駆動させる。また、制御部60は、加熱装置52が通電されるように制御する。
吸着用ファンモータ59が駆動されると、室外の空気が加湿ユニット4内に取り入れられ、室外へ排出される。すなわち、室外からの空気は、吸着用空気取込口7bから加湿ユニットケーシング7内に取り入れられる。加湿ユニットケーシング7内に入ってきた空気は、加湿ロータ51のうちの加熱装置52に対向しない部分を通過する。このとき、加湿ロータ51は、加湿ロータ51の吸着位置を通る空気から水分を吸着する。加湿ロータ51を通過した空気は、下方に折り返され、吸着用空気吹き出し口7aから室外機の外側へと排出される。
一方、加湿ファン54が駆動されると、室外の空気が加湿ユニット4内に取り込まれ、吸排気ホース6a,6b、室内機2a,2bを通って、部屋1a,1b内へ供給される。すなわち、室外の空気は、吸排気口7cから加湿ユニットケーシング7内に取り込まれ、加湿ロータ51を下方から上方に向けて通過し、加熱装置52において加熱された後に、加湿ロータ51を上方から下方に通過する。このとき、加湿ロータ51に吸着されていた水分が励起され、加湿ロータ51から空気中に離脱していく。加湿ロータ51を通過した空気は、加湿ファン54、吸排気切り換えダンパ53および空気流路切り換え部30を通り、吸排気ホース6a,6bに送られる。吸排気ホース6a,6bに送られた空気は、室内熱交換器11a,11bを通過して、空気吹き出し口から部屋1a,1b内へと吹き出される。この室内機2a,2bへと送られた空気は、加湿ロータ51に吸着されていた水分を含むようになっており、これにより、無給水での部屋内の加湿が可能になっている。
この加湿運転では、吸着ファン61の回転によって外部から加湿ユニット4内に導入された空気中に含まれる水分を加湿ロータ51に吸着させるとともに、加熱装置52により加熱された空気を加湿ファン54の回転によって加湿ロータ51に通すことで、加湿ロータ51から離脱した水分を含む空気を、吸排気ダクト58、空気流路切り換え部30および吸排気ホース6a,6bを介して室内機2a,2bへと供給している。
(3)給気運転
制御部60は、リモコン80から給気運転の指示を受けた場合、給気運転が行われるように空気調和機1の運転制御を行う。
給気運転が行われる場合には、吸着用ファンモータ59が作動されず、また、加熱装置52が通電されずに、上述の加湿運転と同様の動作が行われる。これにより、室外から取り入れられた空気が、加湿されずに上述と同様の経路を通って室内機2a,2bへと送られる。
(4)排気運転
制御部60は、リモコン80からの排気運転の指示を受けた場合に、排気運転が行われるように空気調和機1の運転制御を行う。なお、第1室内機2aよび第2室内機2bの両方で排気運転が行われる場合、制御部60は、空気流路切り換え部30が第1状態となるように、仕切部駆動モータ42を駆動させる。また、第1室内機2aのみで排気運転が行われる場合、制御部60は、空気流路切り換え部30が第2状態となるように、仕切部駆動モータ42を駆動させる。さらに、第2室内機2bのみで排気運転が行われる場合、制御部60は、空気流路切り換え部30が第3状態となるように、仕切部駆動モータ42を駆動させる。
以下、第1室内機2aおよび第2室内機2bの両方で排気運転が行われる場合を例として説明する。
制御部60は、吸排気切り換えダンパ53が排気状態に、空気流路切り換え部30が第1状態に切り換わるように制御し、加湿ファン54を回転させるモータを駆動させる。なお、排気運転時には、吸着用ファンモータ59は駆動されず、加熱装置52は通電されない。
加湿ファン54が駆動されると、室内機2a,2bから取り込まれた部屋1a,1b内の空気は、吸排気ホース6a,6bを経て加湿ユニット4の内部に取り込まれ、上述の加湿運転時とは逆方向に流れることにより室外へ排出される。すなわち、吸排気ダクト58から加湿ユニット本体6の内部に取り込まれた空気は、空気流路切り換え部30、吸排気切り換えダンパ53、加湿ファン54を通り、加湿ロータ51を下方から上方に通過し、吸排気口7cから室外へと排出される。
なお、本実施形態では、2つの部屋に対して、給気運転または排気運転が行われているが、2つ以上の複数の部屋に給気運転および排気運転が行われるように、空気流路切り換え部を構成してもよい。
<特徴>
(1)
従来より、室外の空気を部屋内に供給する給気ユニットを備える空気調和機がある。例えば、特開2006−10307号公報に開示されている空気調和機では、加湿機能を有する給気ユニットを備えている。この空気調和機の備える給気ユニットは、室外の空気を加湿し、加湿した室外の空気を部屋内に供給することができる。これによって、この空気調和機では、部屋内を加湿することができる。
しかしながら、この空気調和機は、1つの部屋に対して1台の給気ユニットが配備されるように構成されている。このため、複数の部屋内へ室外の空気を供給する場合、複数台の給気ユニットを配備しなければならないことになる。
そこで、上記実施形態では、加湿ユニット4を有する1台の室外機3を備えている。加湿ユニット4は、吸排気ホース6a,6bを介して、室外から取り込まれた空気を室内機2a,2bに供給することができる。
これによって、部屋1a,1b内への給気を1台の室外機3によって実現することができている。
また、室内機に対応する個数の加湿ユニットが不要であるため、製造コストや設置スペースを抑えることができている。
(2)
上記実施形態では、空気流路切り換え部30を備えている。空気流路切り換え部30は、仕切部32が第1切り換え部ケーシング33内をスライド移動することによって、第1状態、第2状態および第3状態になることが可能である。第1状態では、第3開口35cおよび第4開口35dと対向する位置に第6開口36bが配置されている。また、第2状態では、第3開口35cと対向する位置に第6開口36bが配置され、第4開口35dが仕切部32の第3下部32cによって遮蔽されている。さらに、第3状態では、第4開口35dと対向する位置に第6開口36bが配置され、第3開口35cは、仕切部32の第3下部32cによって遮蔽されている。このため、第1状態では、吸排気ダクト58と、第1吸排気ホース6aおよび第2吸排気ホース6bとが連通している状態になる。また、第2状態では、吸排気ダクト58と、第1吸排気ホース6aとが連通している状態となる。さらに、第3状態では、吸排気ダクト58と、第2吸排気ホース6bとが連通している状態になる。
これによって、吸排気ダクト58と、第1吸排気ホース6aまたは第2吸排気ホース6bの少なくともいずれか一方との連通状態を切り換えることができている。
また、第1状態では、吸排気ダクト58と、第1吸排気ホース6aおよび第2吸排気ホース6bとが連通している状態になるため、部屋1a,1b内へ同時に給気することができている。
さらに、第1室内機2a内には第1室内熱交換器11aが収容されており、第2室内機2b内には第2室内熱交換器11bが収容されている。このため、第1吸排気ホース6aまたは第2吸排気ホース6bを介してきた室外の空気が、それぞれの熱交換器11a,11bによって熱交換され、それぞれの部屋1a,1b内へ給気される。したがって、例えば、第1室内機2aの設定温度と第2室内機2bの設定温度とが異なっている場合でも、それぞれの室内機2a,2bにおいて設定されている設定温度に基づいて、それぞれの部屋内1a,1bから取り込まれた空気と室外の空気とから調和空気を生成し、それぞれの部屋1a,1b内へ供給することができる。
これによって、室外の空気を給気しつつ、それぞれの室内機2a,2bの設定条件に基づいた空気調和を行うことができる。
(3)
上記実施形態では、加湿ユニット4は、吸排気ホース6a,6bを介して、室内機2a,2bから取り込まれた空気を室外へと排気することができる。このため、部屋1a,1b内の空気を室外へと排気することができる。
(4)
上記実施形態では、仕切部駆動モータ42が仕切部32の駆動を調整することによって、開口の開放状態を調節することができる。このため、例えば、給気状態の場合には、吸排気ホース6a,6bを流れる空気量を調整することができる。
これによって、部屋1a,1b内に供給される空気量を調整することができる。
(5)
上記実施形態では、空気流路切り換え部30は、加湿ユニットケーシング7内に収容されている。これによって、空気流路切り換え部30を加湿ユニット4とは別に設置する作業をなくすことができている。
(6)
上記実施形態では、加湿ユニット4は、吸排気ホース6a,6bを介して、室外から取り込まれた空気を加湿して室内機2a,2bへと供給することができる。
これによって、部屋1a,1b内に加湿空気を供給することができている。
<変形例>
上記実施形態では、室外空調ユニット5および加湿ユニット4の電源を一元化している。そこで、上記実施形態に係る空気調和機において、室外空調ユニットおよび加湿ユニットに供給される電流量を監視できるように、制御部に電流検出回路を備えさせる。そして、室外空調ユニットおよび加湿ユニットに供給される最大電流量を、例えば、家庭用のブレーカー容量未満となるように設定することによって、室外空調ユニットおよび加湿ユニットに供給される電流量を調整することができる。
これによって、家庭用のブレーカー容量以下に電流量を抑えることができる。
−第2実施形態−
<空気調和機の構成>
本発明の第2実施形態に係る空気調和機100について説明する。なお、この空気調和機100において、室内機の構成、室外空調ユニットの構成、加湿ユニット本体の構成は、第1実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
この空気調和機100は、図11に示すように、1台の室外機103と、2台の室内機102a,102bとが冷媒配管によって並列に接続されているマルチタイプの空気調和機である。また、加湿ユニット104と室内機102a,102bとの間には、加湿ユニット104の内部空間と室内機102a,102bの内部空間と連通させることが可能な吸排気ホース106a,106bが設けられている。なお、吸排気ホース106a,106bは、室外に配置される室外ダクト108a,108bと、屋内に配置される室内ダクト109a,109bとから構成されている。
<加湿ユニットケーシング>
加湿ユニットケーシング107は、図11に示すように、加湿ロータ151、加熱装置152、加湿ファン154、吸排気切り換えダンパ153および吸着用送風装置155等を収納している。
加湿ユニットケーシング107の前面には、複数のスリット状の開口からなる吸着用空気吹き出し口107aが設けられている。また、加湿ユニットケーシング107の背面には、吸着用空気取込口107bおよび吸排気口107cが設けられている。吸着用空気取込口107bは、加湿ロータ151に水分を吸着させるために室外から取り込まれる空気が通る開口である。吸排気口107cは、吸気運転および加湿運転時に、室外から加湿ユニット104内に取り込まれ室内機102a,102bに送られる空気が通る開口である。また、吸排気口107cは、排気運転時に、室内機102a,102bから取り込まれ加湿ユニット104内から室外へと排気される空気が通る開口である。また、加湿ユニットケーシング107には、ダクト接続口が設けられており、吸排気ダクト158は、ダクト接続口を介して加湿ユニットケーシング107の内側から加湿ユニットケーシング107の外側に延びる。なお、吸排気ダクト158に適用されている配管の管径は、吸排気ホース106a,106bに適用されている配管の管径よりも大きい。
<空気流路切り換え部の構成>
空気流路切り換え部130は、図11、図12および図13に示すように、吸排気ダクト158および吸排気ホース106a,106bに接続される回転式の空気流路切り換え手段である。また、空気流路切り換え部130は、図11および図12に示すように、加湿ユニットケーシング107の外側に配置されている。
空気流路切り換え部130は、図13、図14および図15に示すように、切り換え部ケーシング131と、ダンパ132と、ダンパ駆動モータ142(図16参照)とを有している。切り換え部ケーシング131は、第1切り換え部ケーシング133と第2切り換え部ケーシング134とから構成されている。第1切り換え部ケーシング133は、図13(b),(c)、図14(b),(c)および図15(b),(c)に示すように、略円筒形状を有しており、上側および下側が開口している。なお、本実施形態における「上下」は、図13(b),(c)、図14(b),(c)および図15(b),(c)における上下を意味している。また、第2切り換え部ケーシング134は、略円形状の部材であり、その面積は第1切り換え部ケーシング133の下側の開口の面積と略同一である。また、第2切り換え部ケーシング134には、第1開口135aと第2開口135bとが設けられている。なお、第1開口135aの面積と第2開口135bの面積とは同一である。また、第1開口135aおよび第2開口135bの面積は、第1切り換え部ケーシング133の上側の開口の面積よりも小さい。さらに、第1開口135aの周辺部から下方に第1接続部が延びており、第2開口135bの周辺部から下方に第2接続部が延びている。また、切り換え部ケーシング131は、上側の開口を介して吸排気ダクト158と接続されており、下側の第1開口135aを介して第1吸排気ホース106aと接続されており、第2開口135bを介して第2吸排気ホース106bと接続されている。
ダンパ132は、略半円形状の板状部材であり、第2切り換え部ケーシング134に回転可能に取り付けられている。なお、ダンパ132の回転は、ダンパ駆動モータ142(図16参照)が駆動することによって行われる。
また、空気流路切り換え部130は、ダンパ132が回転することによって、3つの状態(第1状態、第2状態および第3状態)に切り換わることが可能である。以下、第1状態、第2状態および第3状態について図13、図14および図15を用いて説明する。
第1状態とは、図13(a)に示すように、第2切り換え部ケーシング134に設けられている第1開口135aおよび第2開口135bを開放するように、ダンパ132が配置されている状態である。このため、切り換え部ケーシング131は、上側で吸排気ダクト158と結ばれており、下側で第1開口135aおよび第2開口135bと連通することで第2切り換え部ケーシング134と第1吸排気ホース106aおよび第2吸排気ホース106bとが結ばれている。したがって、吸排気ダクト158と、第1吸排気ホース106aおよび第2吸排気ホース106bとが連通している状態になる。これによって、給気状態の場合には、図13(b)に示すように、吸排気ダクト158を通ってきた空気が、切り換え部ケーシング131内部を介して、第1開口135aから第1吸排気ホース106aに、第2開口135bから第2吸排気ホース106bに流れる。また、排気状態の場合には、図13(c)に示すように、第1吸排気ホース106aを通ってきた空気は第1開口135aを介して、第2吸排気ホース106bを通ってきた空気は第2開口135bを介して、切り換え部ケーシング131内部を通って、吸排気ダクト158へと流れる。
第2状態とは、図14(a)に示すように、第2切り換え部ケーシング134に設けられている第2開口135bを覆うように、ダンパ132が配置されている状態である。また、第1開口135aは、開放された状態となる。このため、切り換え部ケーシング131は、上側で吸排気ダクト158と結ばれており、下側で第1開口135aと連通することで第2切り換え部ケーシング134と第1吸排気ホース106aとが結ばれている。したがって、吸排気ダクト158と、第1吸排気ホース106aとが連通している状態になる。これによって、給気状態の場合には、図14(b)に示すように、吸排気ダクト158を通ってきた空気が、切り換え部ケーシング131内部を介して、第1開口135aから第1吸排気ホース106aに流れる。また、排気状態の場合には、図14(c)に示すように、第1吸排気ホース106aを通ってきた空気は第1開口135aを介して、切り換え部ケーシング131内部を通って、吸排気ダクト158へと流れる。
第3状態とは、図15(a)に示すように、第2切り換え部ケーシング134に設けられている第1開口135aを覆うように、ダンパ132が配置されている状態である。また、第2開口135bは、開放された状態となる。このため、切り換え部ケーシング131は、上側で吸排気ダクト158と結ばれており、下側で第2開口135bと連通することで第2切り換え部ケーシング134と第2吸排気ホース106bとが結ばれている。したがって、吸排気ダクト158と、第2吸排気ホース106bとが連通している状態になる。これによって、給気状態の場合には、図15(b)に示すように、吸排気ダクト158を通ってきた空気が、切り換え部ケーシング131内部を介して、第2開口135bから第2吸排気ホース106bに流れる。また、排気状態の場合には、図15(c)に示すように、第2吸排気ホース106bを通ってきた空気は第2開口135bを介して、切り換え部ケーシング131内部を通って、吸排気ダクト158へと流れる。
また、ダンパ駆動モータ142(図16参照)がダンパ132の駆動を調整することによって、開口135a,135bの開放状態を調節することができる。このため、例えば、給気状態の場合には、吸排気ホース106a,106bを流れる空気量を調整することができる。
<制御部>
この制御部160は、図16に示すように、室内機102a,102b、室外空調ユニット105および加湿ユニット104の各種機器と接続されており、リモコン180等を介した空調対象者からの運転指令に基づいて通常運転、加湿運転、給気運転および排気運転等の各運転モードに応じて各種機器の運転制御を行うことができる。
以下、各空調運転時の空気調和機100の運転動作について説明する。
<空気調和機の運転動作>
(1)通常運転
制御部160は、リモコン180から通常運転の指示を受けた場合、通常運転が行われるように、空気調和機100の運転制御を行う。
通常運転時には、圧縮機121が駆動されるとともに、室外膨張弁125a,125bが所定の開度に絞られることによって、冷媒が冷媒回路を循環して室内熱交換器111a,111bが蒸発器または凝縮器として機能する。また、室内ファン112a,112bが駆動されることによって、空気取込口から室内機102a,102b内に吸い込まれ、室内熱交換器111a,111bを通って、空気吹き出し口から部屋内に吹き出される空気の流れが生成される。これによって、部屋101a,101b内の冷房または暖房を行うことができる。
(2)加湿運転
制御部160は、リモコン180からの加湿指令を受けた場合に、加湿運転が行われるように空気調和機100の運転制御を行う。なお、この加湿運転は、暖房運転とともに行われることも多い。また、第1室内機102aおよび第2室内機102bの両方で加湿運転が行われる場合、制御部160は、空気流路切り換え部130が第1状態となるように、ダンパ駆動モータ142を駆動させる。また、第1室内機102aのみで加湿運転が行われる場合、制御部160は、空気流路切り換え部130が第2状態となるように、ダンパ駆動モータ142を駆動させる。さらに、第2室内機102bのみで加湿運転が行われる場合、制御部160は、空気流路切り換え部130が第3状態となるように、ダンパ駆動モータ142を駆動させる。
以下、第1室内機102aおよび第2室内機102bの両方で加湿運転が行われる場合を例として説明する。
制御部160は、吸排気切り換えダンパ153が給気状態に、空気流路切り換え部130が第1状態に切り換わるように制御し、加湿ファン154を回転させるモータおよび吸着用ファンモータ159を駆動させる。また、制御部160は、加熱装置152が通電されるように制御する。
吸着用ファンモータ159が駆動されると、室外の空気が加湿ユニット104内に取り入れられ、室外へ排出される。すなわち、室外からの空気は、吸着用空気取込口107bから加湿ユニットケーシング107内に取り入れられる。加湿ユニットケーシング107内に入ってきた空気は、加湿ロータ151のうちの加熱装置152に対向しない部分を通過する。このとき、加湿ロータ151は、加湿ロータ151の吸着位置を通る空気から水分を吸着する。加湿ロータ151を通過した空気は、下方に折り返され、吸着用空気吹き出し口107aから室外機の外側へと排出される。
一方、加湿ファン154が駆動されると、室外の空気が加湿ユニット104内に取り込まれ、吸排気ホース106a,106b、室内機102a,102bを通って、部屋101a,101b内へ供給される。すなわち、室外の空気は、吸排気口107cから加湿ユニットケーシング107内に取り込まれ、加湿ロータ151を下方から上方に向けて通過し、加熱装置152において加熱された後に、加湿ロータ151を上方から下方に通過する。このとき、加湿ロータ151に吸着されていた水分が励起され、加湿ロータ151から空気中に離脱していく。加湿ロータ151を通過した空気は、加湿ファン154、吸排気切り換えダンパ153および空気流路切り換え部130を通り、吸排気ホース106a,106bに送られる。吸排気ホース106a,106bに送られた空気は、室内熱交換器111a,111bを通過して、空気吹き出し口から部屋101a,101b内へと吹き出される。この室内機102a,102bへと送られた空気は、加湿ロータ151に吸着されていた水分を含むようになっており、これにより、無給水での部屋内の加湿が可能になっている。
この加湿運転では、吸着ファン161の回転によって外部から加湿ユニット104内に導入された空気中に含まれる水分を加湿ロータ151に吸着させるとともに、加熱装置152により加熱された空気を加湿ファン154の回転によって加湿ロータ151に通すことで、加湿ロータ151から離脱した水分を含む空気を、吸排気ダクト158、空気流路切り換え部130および吸排気ホース106a,106bを介して室内機102a,102bへと供給している。
(3)給気運転
制御部160は、リモコン180から給気運転の指示を受けた場合、給気運転が行われるように空気調和機100の運転制御を行う。
給気運転が行われる場合には、吸着用ファンモータ159が作動されず、また、加熱装置152が通電されずに、上述の加湿運転と同様の動作が行われる。これにより、室外から取り入れられた空気が、加湿されずに上述と同様の経路を通って室内機102a,102bへと送られる。
(4)排気運転
制御部160は、リモコン180からの排気運転の指示を受けた場合に、排気運転が行われるように空気調和機100の運転制御を行う。なお、第1室内機102aよび第2室内機102bの両方で排気運転が行われる場合、制御部160は、空気流路切り換え部130が第1状態となるように、ダンパ駆動モータ142を駆動させる。また、第1室内機102aのみで排気運転が行われる場合、制御部160は、空気流路切り換え部130が第2状態となるように、ダンパ駆動モータ142を駆動させる。さらに、第2室内機102bのみで排気運転が行われる場合、制御部160は、空気流路切り換え部130が第3状態となるように、ダンパ駆動モータ142を駆動させる。
以下、第1室内機102aおよび第2室内機2bの両方で排気運転が行われる場合を例として説明する。
制御部160は、吸排気切り換えダンパ153が排気状態に、空気流路切り換え部130が第1状態に切り換わるように制御し、加湿ファン154を回転させるモータを駆動させる。なお、排気運転時には、吸着用ファンモータ159は駆動されず、加熱装置152は通電されない。
加湿ファン154が駆動されると、室内機102a,102bから取り込まれた部屋101a,101b内の空気は、吸排気ホース106a,106bを経て加湿ユニット104の内部に取り込まれ、上述の加湿運転時とは逆方向に流れることにより室外へ排出される。すなわち、吸排気ダクト158から加湿ユニット本体106の内部に取り込まれた空気は、空気流路切り換え部130、吸排気切り換えダンパ153、加湿ファン154を通り、加湿ロータ151を下方から上方に通過し、吸排気口107cから室外へと排出される。
なお、本実施形態では、2つの部屋101a,101bに対して、給気運転または排気運転が行われているが、2つ以上の複数の部屋に給気運転および排気運転が行われるように、空気流路切り換え部を構成してもよい。
<特徴>
(1)
上記実施形態では、空気流路切り換え部130は、加湿ユニットケーシング107の外側に配置されている。このため、空気流路切り換え部130が加湿ユニットケーシング107内に配置される場合と比較して、加湿ユニット104のサイズを小さくすることができる。
これによって、室外機103のサイズを小さくすることができている。
(2)
上記実施形態では、吸排気ダクト158には、吸排気ホース106a,106bに適用されている配管の管径よりも大きい管径の配管が適用されている。このため、吸排気ダクト158における圧力損失を抑えることができる。
また、加湿運転時には、吸排気ダクト158内を加湿空気が通ることになる。この空気調和機100では、吸排気ダクト158における圧力損失が低減されているため、加湿空気が吸排気ダクト158内で結露し難くすることができている。
−第3実施形態−
<空気調和機の構成>
本発明の第3実施形態に係る空気調和機201について説明する。なお、この空気調和機201において、室内機の構成、および、室外空調ユニットの構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
この空気調和機201は、図17に示すように、1台の室外機203と、2台の室内機202a,202bとが冷媒配管によって並列に接続されているマルチタイプの空気調和機である。この空気調和機201は、冷房運転、暖房運転、除湿運転、加湿運転、給気運転および排気運転等の運転を行うことができる。室外機203は、室外熱交換器224や室外ファン229などを内部に収容する室外空調ユニット204と、加湿ユニット205とを備えている。室内機202a,202bの内部には室内熱交換器211a,211bおよび室内ファン212a,212b等が収容されている。また、加湿ユニット205と室内機202a,202bとの間には、加湿ユニット205の内部空間と室内機202a,202bの内部空間と連通させることが可能な吸排気ダクト206が設けられている。吸排気ダクト206は、主に、屋内に配置される室内ダクト209a,209bと、加湿ユニット205内に配置される加湿ダクト258と、室内ダクト209a,209bと加湿ダクト258とを接続している室外ダクト208a,208bとから構成されている。
以下、空気調和機201の備える加湿ユニット205について説明する。
加湿ユニット205は、図17および図18に示すように、室外空調ユニット204の上側、すなわち、室外機203の上部に配置されている。また、加湿ユニット205は、部屋201a,201b内から取り込まれた空気を室外へと排気したり、室外から取り込まれた空気を部屋201a,201b内へと供給したりすることができる。また、室外から取り込まれた空気を加湿して部屋201a,201b内へと供給することもできる。
また、加湿ユニット205は、図17および図19に示すように、加湿ユニットケーシング207と、加湿ユニット本体205aとを備えている。また、加湿ユニット本体205aは、加湿ロータ251、加熱装置252、吸排気切り換えダンパ253、吸排気ファン254、吸着用送風装置255および空気流路切り換え部230等を備えている。
加湿ユニットケーシング207は、図19に示すように、加湿ロータ251、加熱装置252、吸排気ファン254、吸排気切り換えダンパ253、吸着用送風装置255および空気流路切り換え部230等を収納している。
加湿ユニットケーシング207の前面には、図17および図19に示すように、複数のスリット状の開口からなる吸着用空気吹き出し口207aが設けられている。また、加湿ユニットケーシング207の背面には、吸着用空気取込口207bおよび吸排気口207cが設けられている。吸着用空気取込口207bは、加湿ロータ251に水分を吸着させるために室外から取り込まれる空気が通る開口である。吸排気口207cは、給気運転および加湿運転時に、室外から加湿ユニット205内に取り込まれ室内機202a,202bに送られる空気が通る開口である。また、吸排気口207cは、排気運転時に、室内機202a,202bから取り込まれ加湿ユニット205内から室外へと排気される空気が通る開口である。
加湿ロータ251は、ハニカム構造のセラミックロータであり、概ね円盤形状の外形を有している。また、加湿ロータ251は、回転可能に設けられており、ロータ駆動用モータによって回転駆動される。さらに、加湿ロータ251の主たる部分は、ゼオライト等の吸着剤から焼成されている。
加熱装置252は、加湿ロータ251の上方に位置しており、加湿ロータ251に対向して配置されている。また、加熱装置252は、加湿ロータ251へ送られる空気を加熱することにより、加湿ロータ251を加熱することができる。
吸排気ファン254は、加湿ロータ251の側方に配置されており、室外から取り込まれ室内機202a,202bへと送られる空気の流れを生成するラジカルファン組立体である。吸排気ファン254は、吸排気口207cから加湿ロータ251および吸排気切り換えダンパ253を経て部屋201a,201b内へと到る空気の流れを生成して、室外から取り入れた空気を室内機202a,202bへと送ることができる。また、吸排気ファン254は、室内機202a,202bから取り入れた部屋201a,201b内の空気を室外へと排出することもできる。このように、吸排気ファン254は、吸排気口207cを介して室外から取り入れた空気を室内機202a,202bへと搬送したり、室内機202a,202bから取り入れた部屋201a,201b内の空気を室外へと搬送したりすることができる。なお、吸排気ファン254は、吸排気切り換えダンパ253が切り換わることによって、これらの動作を切り換える。
例えば、吸排気ファン254は、室外から取り入れた空気を第1室内機202aまたは第2室内機202bへと送る場合、図17に示すように、加湿ロータ251のうちの加熱装置252と対向する部分を通過した空気を、吸排気切り換えダンパ253、および、空気流路切り換え部230を経て第1室外ダクト208aまたは第2室外ダクト208bへと送り出す。
加湿ダクト258は、図17に示すように、その内部空間が吸排気口207cを介して加湿ユニットケーシング207の外部空間と連通している。また、加湿ダクト258は、上述のように、室外ダクト208a,208bに接続されている。このため、吸排気ファン254が回転することで、加湿ダクト258の内部空間を流れる室外空気を、室外ダクト208a,208bを介して室内機202a,202bへと供給ことができる。また、室外ダクト208a,208bを通って室内機202a,202bへ送られる空気は、室内機202a,202b内部において室内熱交換器211a,211bの表面に吹き出される。
また、吸排気ファン254は、室内機202a,202bから取り入れた部屋201a,201b内の空気を室外へと排出する場合には、室外ダクト208a,208bおよび加湿ダクト258を通ってきた部屋201a,201b内の空気を吸排気口207cから室外へと排出する。
吸着用送風装置255は、吸着用ファンモータ259bと、吸着用ファンモータ259bによって回転駆動される吸着ファン259aとを有し、加湿ロータ251のうちの加熱装置252と対向しない部分を通過する空気の流れを生成する。すなわち、吸着用送風装置255は、吸着用空気取込口207bから吸い込まれ、加湿ロータ251のうちの加熱装置252と対向しない部分を通過し、ベルマウス259cの開口を通り、吸着用空気吹き出し口207aから室外へ排出される空気の流れを生成する。
吸排気切り換えダンパ253は、吸排気ダンパと、吸排気ダンパを回転させるためのダンパ駆動用モータ253a(図37参照)とを含む、回転式の空気流路切り換え手段である。また、吸排気切り換えダンパ253は、吸排気ファン254の下方に配置される。さらに、吸排気切り換えダンパ253では、吸排気ダンパ駆動用モータ253aが吸排気ダンパを回転させることで、給気状態と排気状態とが切り換えられる。
給気状態では、吸排気ファン254によって、加湿ユニット205側から室内機202a,202b側に向かう空気流が生成される。例えば、吸排気切り換えダンパ253が給気状態であり空気流路切り換え部230が第1状態である場合、吸排気ファン254から吹き出された空気は、加湿ダクト258を経て第1室外ダクト208aを通って第1室内機202aへと供給されるようになる。このため、吸排気切り換えダンパ253が給気状態であり、かつ、空気流路切り換え部230が第1状態である場合、図17に示すA3方向に空気が流れ、室外空気が加湿され、または、加湿されずに第1室外ダクト208aを通って第1室内機202aへと供給される。
また、例えば、吸排気切り換えダンパ253が給気状態であり空気流路切り換え部230が第2状態である場合、吸排気ファン254から吹き出された空気は、加湿ダクト258を経て第2室外ダクト208bを通って第2室内機202bへと供給されるようになる。このため、吸排気切り換えダンパ253が給気状態であり、かつ、空気流路切り換え部230が第2状態である場合、図17に示すA4方向に空気が流れ、室外空気が加湿され、または、加湿されずに第2室外ダクト208bを通って第2室内機202bへと供給される。
排気状態では、吸排気ファン254によって、室内機202a,202b側から加湿ユニット205側に向かう空気流が生成される。例えば、吸排気切り換えダンパ253が排気状態であり空気流路切り換え部230が第1状態である場合、吸排気ファン254が回転することによって、第1室内機202aから取り込まれた第1部屋201a内の空気は、第1室外ダクト208aを経て加湿ダクト258を通って室外へと排気されるようになる。このため、吸排気切り換えダンパ253が排気状態であり、かつ、空気流路切り換え部230が第1状態である場合、図17に示すA5方向に空気が流れ、第1室内機202aから第1室外ダクト208aおよび加湿ダクト258を通ってきた空気が、吸排気口207cを介して室外へと排気される。
また、例えば、吸排気切り換えダンパ253が排気状態であり空気流路切り換え部230が第2状態である場合、第2室内機202bから取り込まれた第2部屋201b内の空気は、第2室外ダクト208bを経て加湿ダクト258を通って室外へと排気されるようになる。このため、吸排気切り換えダンパ253が排気状態であり、かつ、空気流路切り換え部230が第2状態である場合、図17に示すA6方向に空気が流れ、第2室内機202bから第2室外ダクト208bおよび加湿ダクト258を通ってきた空気が、吸排気口207cを介して室外へと排気される。
空気流路切り換え部230は、図17、図18および図19に示すように、加湿ユニット205内に収納されている空気流路切り換え手段である。以下、空気流路切り換え部230の構成について説明する。
<空気流路切り換え部の構成>
空気流路切り換え部230は、後述する下部ケーシング232に形成されている開口236,237を開閉することで、加湿ユニット205と第1室内機202aとの間に形成される空気流路、すなわち、加湿ダクト258、第1室外ダクト208aおよび第1室内ダクト209aを流れる空気の流通、および、加湿ユニット205と第2室内機202bとの間に形成される空気流路、すなわち、加湿ダクト258、第2室外ダクト208bおよび第2室内ダクト209bを流れる空気の流通を遮蔽したり開放したりする。また、空気流路切り換え部230は、加湿ダクト258の一部である切換部ケーシング233と、遮蔽部240を備えている。
切換部ケーシング233は、吸排気ファン254を内部に収納している。また、切換部ケーシング233は、図19および図20に示すように、主に、上部ケーシング231と下部ケーシング232とから構成されている。
上部ケーシング231には、後述する遮蔽部240のシャフト247,297が挿通可能な開口231a,231bが形成されている。また、切換部ケーシング233と遮蔽部240とが組み合わされた場合、上部ケーシング231の上側には、開口231a,231bを覆うように取付板282が取り付けられる。
下部ケーシング232には、吸排気ファン254が空気を吸い込むための開口234と、室外ダクト208a,208bに接続される2つの開口236,237とが形成されている。なお、下部ケーシング232の開口236,237は、下部ケーシング232と上部ケーシング231とが組み合わせられたときに、上部ケーシング231の開口231a,231bと対向する位置に設けられている。
このような構成によって、図20に示すように、切換部ケーシング233の内部空間と第1室外ダクト208aの内部空間とは開口236を介して連通しており、切換部ケーシング233内部空間と第2室外ダクト208bの内部空間とは開口237を介して連通している。このため、上部ケーシング231と下部ケーシング232とが組み合わされて接合されることで、吸排気ファン254から流れてきた空気が、切換部ケーシング233の内部から開口236,237を介してそれぞれの室外ダクト208a,208bに流れる。なお、切換部ケーシング233は、室外から部屋201a,201b内または部屋201a,201b内から室外に流れる空気が通る加湿ダクト258の一部である。したがって、切換部ケーシング233内部を流れる空気は、吸排気ファン254によって、室外から部屋201a,201b内に、または、部屋201a,201b内から室外に搬送される。
遮蔽部240は、図21に示すように、主に、1つのモータ271aを有する駆動部271と、駆動部271によって回転駆動される2つの円筒状カム242,292と、2つの弁体243,293とを備えている。駆動部271は、モータ271aと、モータ271aの回転力を円筒状カム242,292の有する被駆動歯車246a,296aに伝達するためのギア群270とを有している。円筒状カム242,292は、円筒カム部241,291と、ガイド板245,295とを有している。弁体243,293は、シャフト247,297と、押え板248,298と、パッキン249,299とを有している。以下、遮蔽部240の備える各構成部品について説明する。
(1)円筒状カム
遮蔽部240は、上述のように、2つの円筒状カム242,292を備えており、円筒状カム242,292は、モータ271aから伝わる回転力を直線移動力に変換して弁体243,293に伝達することで、弁体243,293を直線的に移動させることができる。また、円筒状カム242,292は、円筒カム部241,291と、ガイド板245,295とを有している。なお、本実施形態では、2つの円筒状カム242,292の構成は同様であるため、ここでは、円筒状カム242の構成についてのみ説明を行い、円筒状カム292については、円筒状カム242の構成部品に付される240番台の符号を290番台に読み替えることによって、説明を省略する。
ガイド板245は、図21に示すように、その中心に孔245aが形成されている略円筒形状の部材である。また、孔245aには後述するシャフト247の一端部が挿通されており、ガイド板245は、Eリング241b,241iによってシャフト247に取り付けられている。このため、ガイド板245は、シャフト247の軸方向への移動、すなわち、上下方向への移動が規制されている。また、ガイド板245には、その外周面から外側方向に向かって突出する突出部245bが設けられている。さらに、ガイド板245は、突出部245bが後述するギア側カム面246dと駆動カム側カム面244dとの間に挟まれるように、円筒カム部241の内側に配置される。
円筒カム部241は、両端に開口を有する略円筒形状の駆動カム244と、駆動カム244の内側に嵌め込まれるギア246とが組み合わされて構成されている。
ギア246は、図21および図22に示すように、円盤形状の板状部材である円板部246bと、円板部246bの縁部から立設されるギア側カム部246cとを含む。ギア側カム部246cは、その上端部にギア側カム面246dを有している。ギア側カム面246dは、ギア側カム部246cを平面上に展開した状態で示す平面展開図である図23(b)に示すように、水平に延びる底面部246eと、水平に延びる上面部246hと、底面部246eと上面部246hとを連結するために所定の角度で傾斜している斜面部246f,246gとを含む。また、斜面部246f,246gは、上面部246hから連続して形成されている第1斜面部246gと、底面部246eから連続して形成されている第2斜面部246fとから構成されている。また、図23(b)に示すように、第2斜面部246fは、第1斜面部246gの傾きよりも緩やかな傾きを有している。
また、ギア側カム部246cは、被係合部246iを有している。さらに、円板部246bの下側には、モータ271aからの回転力が伝達されることで回転する被駆動歯車246aが形成されている。また、円板部246bおよび被駆動歯車246aには、その中心にシャフト247が挿通可能な孔246jが形成されている。
駆動カム244は、図21および図24に示すように、その両端に開口を有する略円筒形状の部材であって、第1部分244aと、第1部分244aの縁部から外側方向、すなわち、外周方向に向かってに延びるように形成されている第2部分244bと、第2部分244bの縁部から第1部分244aの延びている方向とは反対側の方向に延びるように形成されている第3部分244cとを含む。また、第2部分244bは、ギア246と駆動カム244とが組み合わされた状態で、ギア側カム面246dと所定の間隔を空けて対向するように配置される駆動カム側カム面244dを含む。なお、ここでいう所定の間隔、すなわち、ギア側カム面246dと駆動カム側カム面244dとの距離は、ガイド板245の突出部245bの端面の直径の長さよりも長い。
駆動カム側カム面244dは、図23(a)に示すように、ギア側カム面246dの上面部246hに対向する上面部244hと、ギア側カム面246dの底面部246eに対向する底面部244eと、ギア側カム面246dの斜面部246f,246gと対向する斜面部244f,244gとを有する。また、駆動カム側カム面244dの斜面部244f,244gは、ギア側カム面246dの斜面部246f,246gと同様に、上面部244hから連続して形成されている第1斜面部244gと、底面部244eから連続して形成されている第2斜面部244fとから構成されている。また、図23(a)に示すように、第2斜面部244fは、第1斜面部244gの傾きよりも緩やかな傾きを有している。
また、第2部分244bは、ギア側カム部246cの被係合部246iと係合可能な係合部244iを有している。係合部244iが被係合部246iと係合することで、ギア側カム面246dと駆動カム側カム面244dとが所定の間隔を空けて互いに対向するように配置される。
このような構成によって、駆動カム244とギア246とが組み合わされて、駆動カム側カム面244dとギア側カム面246dとが所定の間隔を空けて互いに対向するように配置されることで、円筒カム部241の内側には、ガイド板245の突出部245bを案内するためのカム溝241aが形成される。以下、円筒カム部241の内側に形成されているカム溝241aについて説明する。
図25は、円筒カム部241,291を平面上に展開した状態で示す平面展開図である。また、図26は、円筒カム部241,291とカム溝241a,291aとの関係を概略的に示す図である。カム溝241aは、図25に示すように、壁面に上面部244h,246hを含む上溝部241hと、壁面に底面部244e,246eを含む下溝部241eと、壁面に斜面部244f,244g,246f,246gを含む中溝部241f,241gと有する。また、中溝部241f,241gは、壁面に第1斜面部244g,246gを含む第1中溝部241gと、壁面に第2斜面部244f,246fを含む第2中溝部241fとから構成されている。このため、第2中溝部241fは、第1中溝部241gの傾きよりも緩やかな傾きを有している。
また、円筒カム部241は、駆動部271が駆動することによって、正方向または逆方向に所定角度(本実施形態では、342.6°)だけ回転可能である(図26参照)。このため、ガイド板245の突出部245bは、円筒カム部241の回転角度に応じて変化するカム溝241aを案内される。したがって、円筒カム部241の回転角度に応じて、カム溝241aにおける突出部245bの位置が変化する。なお、図26では、円筒カム部241において、上溝部241hが形成されている範囲(角度範囲)をW1で示し、第1中溝部241gが形成されている範囲をW2で示し、第2中溝部241fが形成されている範囲をW3で示し、下溝部241eが形成されている範囲をW4およびW5で示している。また、範囲W4とは、ガイド板245,295の突出部245b,295bが共に下溝部241e,291eに位置する範囲のことである。
さらに、駆動カム244の第3部分244cの下部には、図24に示すように、その外周面の一部から外側方向に突出する凸部244caが設けられている。
(2)弁体
遮蔽部240は、上述のように、2つの弁体243,293を備えている。また、本実施形態では、弁体243,293は同様の構成であるため、ここでは、弁体243の構成についてのみ説明を行い、弁体293については、弁体243の構成部品に付される240番台の符号を290番台に読み替えることによって、説明を省略する。
弁体243は、図21に示すように、シャフト247と、押え板248と、パッキン249とを有している。
押え板248は、その中心にシャフト247が挿通する孔248aが形成されている略円錐台形状の部材である。また、押え板248の側面上部には、図27(a)に示すように、パッキン249の端部が嵌合可能な溝部248bが形成されている。さらに、押え板248の側面下部には、凹部248cが形成されている。
シャフト247は、上述のように、ガイド板245の孔245aに挿通しており、その一端部にガイド板245が取り付けられている。具体的には、ガイド板245は、シャフト247の軸方向に所定距離だけ移動可能なように、Eリング241b,241iによってシャフト247に取り付けられている(図36参照)。また、シャフト247の他端部(開口近傍側端部に相当)は、押え板248に形成されている孔248aを挿通している。さらに、押え板248は、Eリング241c,241dによってシャフト247に固定されている。
パッキン249は、ゴム製または樹脂製の弾性変形可能な材料からなる有底円筒状の部材であって、押え板248の下側から押え板248に嵌装される。また、パッキン249の側面部は、押え板248の側面部とは合致しないように形成されている。このため、図27に示すように、パッキン249が押え板248に装着された状態では、押え板248の凹部248c内部には、凹部248cの開口部をパッキン249に覆われた空間S1が形成される。
(3)駆動部
駆動部271は、上述のように、駆動源としての1つのモータ271aと、モータ271aの回転力を円筒状カム242,292の有する被駆動歯車246a,296aに伝達するためのギア群270とを有している。
モータ271aは、後述する制御部260からの駆動指示、すなわち、制御部260から供給されるパルス数によって制御される正逆回転可能なステッピングモータである。また、モータ271aの駆動軸には、駆動歯車271bが固定されている。この駆動歯車271bは、図28に示すように、ギア群270に含まれる第1ギア270aと噛み合うように配置されている。また、第1ギア270aは、円筒状カム242の有する被駆動歯車246aと噛み合うように配置されている。このため、駆動歯車271bが回転することで、第1ギア270aを介して被駆動歯車246aが回転する。したがって、駆動歯車271bが回転すると、その駆動力を受けて円筒カム部241が回転する。なお、図28は、遮蔽部240の平面図であって、取付板282に円筒状カム242,292が取り付けられる時の位置、すなわち、遮蔽部240の組み立て位置におけるカム溝241a,291aの位置を示す概略図である。
また、ギア群270は、上述の第1ギア270aの他に、図28において右側に配置される円筒カム部241(以下、第1円筒カム部241という)の被駆動歯車246aと噛み合うように配置されている第2ギア270b、および、2つの円筒カムのうち第1円筒カム部241とは別の円筒カム部291(図28において左側に配置されている円筒カム部、以下、第2円筒カム部291という)の被駆動歯車296aおよび第2ギア270bと噛み合うように配置されている第3ギア270cを含む。
このため、モータ271aが駆動することによって駆動歯車271bが回転し、第1ギア270aを介して第1円筒カム部241の被駆動歯車246aが回転する。また、被駆動歯車246aが回転することで第2ギア270bおよび第3ギア270cを介して第2円筒カム部291の被駆動歯車296aが回転する。このような構成によって、1つのモータ271aによって、2つの円筒カム部241,291を同期して駆動させることができる。
また、遮蔽部240は、カバー272を備えている。カバー272は、図21および図29に示すように、2つの円筒カム部241,291の外周を覆うことができるように2つの円が重なったような形状の板状の上面部273と、上面部273端部から立設される側面部274とを有する。また、カバー272は、内面部275を有している。内面部275は、その一部が側面部274と対向するように、カバー272の内側に配置されている。
内面部275は、両端に開口を有する円筒形状を呈しており、その一端の開口が上面部273によって覆われている。また、内面部275は、その内側にガイド板245,295の円板形状部分が収納可能なように、内面部275の開口の直径がガイド板245,295の円板形状部分の直径よりも大きくなるように形成されている。さらに、内面部275には、図29および図30に示すように、上下方向に延びるスリット状の切り欠き部275aが形成されている。このスリット状の切り欠き部275aには、円筒状カム242,292とカバー272とが組み合わされた状態で、ガイド板245,295の突出部245b,295bが収納される。このように、スリット状の切り欠き部275aに突出部245b,295bが収納されるため、ガイド板245,295と駆動カム244,294およびギア246,296との共回りを防止することができる。すなわち、ガイド板245,295の回転を規制することができる。これによって、円筒カム部241,291を回転させても、ガイド板245,295およびガイド板245,295が取り付けられているシャフト247,297を有する弁体243,293は、回転することなく上下方向に移動する。また、図29に示すように、内面部275の切り欠き部275aは、2つのガイド板245,295の突出部245b,295bの端面が対向して配置されるような位置に形成されている。
また、カバー272の側面部274の下部には、図21に示すように、スイッチ軸276が挿通可能な開口274aが形成されている。スイッチ軸276は、駆動カム294の第3部分294cに設けられている凸部294caに接触することによってリミットスイッチ280の有するレバー281を押す。言い換えると、駆動カム294の凸部294caは、カバー272の有するスイッチ軸276を介してレバー281を押すことができる。
さらに、2つの円筒状カム242,292、2つの弁体243,293、および、駆動部271は、図21および図28に示すように、取付板282に取り付けられている。なお、円筒状カム242,292の有する円筒カム部241,291は、図28に示す点Oに対して点対称となる位置に配置されている。また、図28中の点Oは、2つの円筒カム部241,291の中心からの距離が等しく、かつ、2つの円筒状カム242,292の中心を結んだ線上の点、すなわち、対称の中心となる点である。このため、円筒カム部241を、図28に示す点Oを中心に180度回転させた位置に、円筒カム部291が配置されている。
また、遮蔽部240は、リミットスイッチ280を備えている。
リミットスイッチ280は、図21および図28に示すように、レバー281を有するマイクロスイッチであり、レバー281が押されることによってON信号を出力する。レバー281は、常にカバー272の有するスイッチ軸276と接触しており、スイッチ軸276が駆動カム294の凸部294caと対峙することで押される。
リミットスイッチ280は、スイッチ軸276が凸部294caと対峙したときには、レバー281がスイッチ軸276を介して凸部294caに押されることでON信号を発する(図33(a)および図35(a)参照)。また、リミットスイッチ280は、スイッチ軸276が凸部294caと対峙していないときには、レバー281が凸部294caに押されないため、OFF信号を発する(図28および図34(a)参照)。なお、リミットスイッチ280から出力されたON信号またはOFF信号は、後述する制御部260に取り込まれる。
このような構成によって、遮蔽部240では、モータ271aが駆動することで駆動歯車271bが回転し、駆動歯車271bが回転することで第1ギア270aを介して第1円筒カム部241の被駆動歯車246aが回転する。第1円筒カム部241の被駆動歯車246aが回転することで、第1円筒カム部241が回転する。また、第1円筒カム部241の被駆動歯車246aが回転することで、第2ギア270bおよび第3ギア270cを介して第2円筒カム部291の被駆動歯車296aが回転する。第2円筒カム部291の被駆動歯車296aが回転することで、第2円筒カム部291が回転する。また、円筒カム部241,291の内側には、ガイド板245,295の突出部245b,295bを案内するためのカム溝241a,291aが形成されているため、円筒カム部241,291が回転することによって、ガイド板245,295を、シャフト247,297の軸方向、すなわち、上下方向に所定位置(図20および図25に示す第1位置P1および第2位置P2)まで移動させることができる。
また、ガイド板245,295が上下方向に移動することによって、ガイド板245,295が取り付けられているシャフト247,297は、上下方向、すなわち、下部ケーシング232の表面に対して交差する方向に直線的に移動する。このため、ガイド板245,295の突出部245b,295bが上溝部241h,291hから下溝部241e,291eに向かって案内されることで、ガイド板245,295が下方向に移動される(図25参照)。また、ガイド板245,295が下方向に移動されることで、弁体243,293の押え板248,298およびパッキン249,299が図20に示す第3位置P3b(所定の第2位置に相当)から下方向に移動される。そして、ガイド板245,295の突出部245b,295bが下溝部241e,291eまで案内されることで、押え板248,298およびパッキン249,299が、図20に示す第4位置P4(遮蔽位置に相当)まで移動される。押え板248,298およびパッキン249,299が図20に示す第4位置P4まで移動されることで、開口236,237が塞がれる。また、このとき、図27に示すように、パッキン249,299が開口236,237の端部に接触した後に、さらに、弁体243,293の押え板248,298およびパッキン249,299が下方向に移動されることで、パッキン249,299が内側に折れ曲がる。このため、押え板248,298とパッキン249,299との間に形成されている空間S1が小さくなる(図27(c)参照)。
このようにして、加湿ダクト258の内部空間と室外ダクト208a,208bの内部空間との連通が遮蔽される。すなわち、加湿ユニット205から室内機202a,202bに向かう空気の流通が遮蔽されることになる。なお、円筒カム部241,291は、弁体243,293の移動中心軸を回転中心として回転する。言い換えると、円筒カム部241,291の回転中心軸(中心線に相当)は、弁体243,293の移動中心軸と同一線上にある。
また、ガイド板245,295の突出部245b,295bが下溝部241e,291eから上溝部241h,291hに向かって案内されることで、ガイド板245,295が上方向に移動される(図25参照)。また、ガイド板245,295が上方向に移動されることで、弁体243,293の押え板248,298およびパッキン249,299も上方向に移動される。これによって、押え板248,298およびパッキン249,299によって塞がれていた開口236,237が、開放される。
さらに、空気流路切り換え部230は、モータ271aを駆動させ円筒カム部241,291を回転させて弁体243,293を上下方向に移動させることで、開口236(以下、第1開口という)が開放されており開口237(以下、第2開口という)が閉じられている第1状態(図31参照)、第1開口236が閉じられており第2開口237が開放されている第2状態(図20参照)、および、第1開口236および第2開口237が閉じられている第3状態(図32参照)に切り換わることが可能である。以下に、第1状態、第2状態、および、第3状態について、図20、図25、図31および図32を用いて説明する。
第1状態とは、第1円筒カム部241によって案内されるガイド板245の突出部である第1突出部245bが第1円筒カム部241の内側に形成されている上溝部241hに位置しており、かつ、第2円筒カム部291によって案内されるガイド板295の突出部である第2突出部295bが第2円筒カム部291の内側に形成されている下溝部291eに位置している状態である。このため、図31に示すように、第1弁体243の押え板248およびパッキン249が第1開口236を開放する位置である第3位置P3bに配置され、第2弁体293の押え板298およびパッキン299が第2開口237を塞ぐ位置である第4位置P4に配置される。したがって、加湿ダクト258の内部空間と第1室外ダクト208aの内部空間とが第1開口236を介して連通することになる。これによって、給気状態の場合には、加湿ダクト258を通ってきた空気が、第1室内機202aへと供給されるようになる。
第2状態とは、第1突出部245bが下溝部241eに位置しており、かつ、第2突出部295bが上溝部291hに位置している状態である。このため、図20に示すように、第1弁体243の押え板248およびパッキン249が第1開口236を塞ぐ位置である第4位置P4に配置され、第2弁体293の押え板298およびパッキン299が第2開口237を開放する位置である第3位置P3bに配置される。したがって、加湿ダクト258の内部空間と第2室外ダクト208bの内部空間とが第2開口237を介して連通することになる。これによって、給気状態の場合には、加湿ダクト258を通ってきた空気が、第2室内機202bへと供給されるようになる。
第3状態とは、第1突出部245bが下溝部241eに位置しており、かつ、第2突出部295bが下溝部291eに位置している状態である。このため、図32に示すように、第1弁体243の押え板248およびパッキン249が第1開口236を塞ぐ位置である第4位置P4に配置され、第2弁体293の押え板298およびパッキン299が第2開口237を塞ぐ位置である第4位置P4に配置される。したがって、加湿ダクト258の内部空間と室外ダクト208a,208bの内部空間とは連通していないため、室外から室内に向かう空気の流通が遮蔽された状態となる。これによって、加湿ユニット205から室内機202a,202bには、空気が供給されないことになる。
次に、空気流路切り換え部230における状態の切り換えとモータ271aの駆動との関係について図33、図34および図35を用いて説明する。
なお、図33(a)、図34(a)および図35(a)は、遮蔽部240の平面視において、円筒カム部241,291におけるカム溝241a,291aの位置および凸部244ca,294caの位置を示す概略図である。なお、図33(a)および図35(a)では、凸部294caがレバー281と対峙した時点、すなわち、リミットスイッチ280から出力される信号がOFF信号からON信号に切り換わる時点における円筒カム部241,291の回転位置(状態)を概略的に示している。また、図33(b)は、円筒カム部241,291の回転位置、すなわち、回転基準位置に位置する突出部245b,295bと円筒カム部241,291におけるカム溝241a,291aとが図33(a)に示す位置にある場合の弁体243,293の開口236,237からの距離、すなわち、弁体243,293の位置を示す概略図である。図34(b)は、円筒カム部241,291の回転位置が図34(a)に示す位置にある場合の弁体243,293の位置を示す概略図である。図35(b)は、円筒カム部241,291の回転位置が図35(a)に示す位置にある場合の弁体243,293の位置を示す概略図である。なお、図33(b)に示す符号P3aはリミットスイッチ280から出力される信号がOFF信号からON信号に切り換わる時点の弁体243,293の位置である検知位置(所定の第1位置に相当)を示し、符号P3bは開口236,237が完全に開放された状態(全開状態に相当)の弁体243,293の位置、すなわち、突出部245b,295bが上溝部241h,291hに位置しているときの弁体243,293の位置である第3位置を示し、符号P4は開口236,237が閉じられている状態の弁体243,293の位置である第4位置を示している。
モータ271aは、正逆回転可能なモータであるため、モータ271aが正方向(図33の矢印Y1方向)に回転した場合には、第1円筒カム部241の被駆動歯車246aは正方向に回転し、第2円筒カム部291の被駆動歯車296aは正方向とは逆の方向である逆方向に回転する。また、モータ271aが逆方向(図35の矢印Y2方向)に回転した場合には、第1円筒カム部241の被駆動歯車246aは逆方向に回転し、第2円筒カム部291の被駆動歯車296aは逆方向とは逆の方向である正方向に回転する。
このため、空気流路切り換え部230が第3状態である場合、すなわち、第1突出部245bが第1円筒カム部241の内側に形成されている下溝部241eにおいて図25および図26に示す範囲W4に位置しており、かつ、第2突出部295bが第2円筒カム部291の内側に形成されている下溝部291eにおいて図25および図26に示す範囲W4に位置している状態で、モータ271aが正方向に回転した場合には、第1突出部245bは、第1円筒カム部241の内側に形成されている下溝部241eから中溝部241f,241gを通って上溝部241hに案内される(図25、図26、図33および図34参照)。言い換えると、第1突出部245bは、下溝部241eにおいて図25および図26に示す範囲W4の位置から、図25および図26に示す範囲W3および図25および図26に示す範囲W2を経て、図25および図26に示す範囲W1の位置まで移動する。このとき、第1突出部245bを有するガイド板245である第1ガイド板245が上方向に移動されるため、第1ガイド板245に固定されている弁体243である第1弁体243も上方向に移動される。したがって、第1弁体243の押え板248およびパッキン249によって塞がれていた第1開口236が開放される(図33(b)参照)。また、第1円筒カム部241と第2円筒カム部291とは、図28中の点Oに対して点対称となる位置に配置されて取付板282に取り付けられているため、第2突出部295bは第2円筒カム部291の内側に形成されている下溝部291eにおいて図25および図26に示す範囲W5の範囲を案内されることになる。このとき、第2突出部295bを有するガイド板295である第2ガイド板295は上下方向に移動されないため、第2ガイド板295に固定されている弁体293である第2弁体293も移動せず、第2開口237が塞がれた状態が維持される(図33(b)参照)。
このようにして、空気流路切り換え部230の状態が、第3状態から第1状態に切り換わる。
また、空気流路切り換え部230が第1状態である場合、すなわち、第1突出部245bが第1円筒カム部241の内側に形成されている上溝部241hにおいて図25および図26に示す範囲W1に位置しており、かつ、第2突出部295bが第2円筒カム部291の内側に形成されている下溝部291eにおいて図25および図26に示す範囲W5に位置している状態で、モータ271aが逆方向に回転した場合には、第1突出部245bは、第1円筒カム部241の内側に形成されている上溝部241hから中溝部241f,241gを通って下溝部241eに案内される(図25、図26、図33および図34参照)。言い換えると、第1突出部245bは、上溝部241hにおいて図25および図26に示す範囲W1の位置から、図25および図26に示す範囲W2および図25および図26に示す範囲W3を経て、図25および図26に示す範囲W4の位置まで移動する。このとき、第1ガイド板245が下方向に移動されるため、第1弁体243も下方向に移動される。したがって、開放されていた第1開口236が、第1弁体243の押え板248およびパッキン249によって塞がれる(図34(b)参照)。また、第2突出部295bは、第2円筒カム部291の内側に形成されている下溝部291eにおいて図25および図26に示す範囲W4の範囲に案内されることになる。このとき、第2ガイド板295は上下方向に移動されないため第2弁体293も移動せず、第2弁体293の押え板298およびパッキン299によって第2開口237が塞がれた状態が維持される(図34(b)参照)。
このようにして、空気流路切り換え部230の状態が、第1状態から第3状態に切り換わる。
また、空気流路切り換え部230が第3状態である場合、すなわち、第1突出部245bが第1円筒カム部241の内側に形成されている下溝部241eにおいて図25および図26に示す範囲W4に位置しており、かつ、第2突出部295bが第2円筒カム部291の内側に形成されている下溝部291eにおいて図25および図26に示す範囲W4に位置している状態で、モータ271aが逆方向に回転されると、第1突出部245bは第1円筒カム部241の内側に形成されている下溝部241eにおいて図25および図26に示す範囲W5の範囲を案内されることになる(図25、図26、図34および図35参照)。このとき、第1ガイド板245は上下方向に移動されないため第1弁体243も移動せず、第1弁体243の押え板248およびパッキン249によって第1開口236が塞がれた状態が維持される(図35(b)参照)。また、第2突出部295bは、第2円筒カム部291の内側に形成されている下溝部291eから中溝部291f,291gを介して上溝部291hに案内される(図25、図26、図34および図35参照)。言い換えると。第2突出部295bは、下溝部291eにおいて図25および図26に示す範囲W4の位置から、図25および図26に示す範囲W3および図25および図26に示す範囲W2を経て、図25および図26に示す範囲W1の位置まで移動する。このとき、第2ガイド板295が上方向に移動されるため、第2弁体293も上方向に移動される。したがって、第2弁体293の押え板298およびパッキン299によって塞がれていた第2開口237が開放される(図35(b)参照)。
このようにして、空気流路切り換え部230の状態が、第3状態から第2状態に切り換わる。
また、空気流路切り換え部230が第2状態である場合、すなわち、第1突出部245bが第1円筒カム部241において下溝部241eが形成されている範囲W5に位置しており、かつ、第2突出部295bが第2円筒カム部291において上溝部291hが形成されている範囲W1に位置している状態で、モータ271aが正方向に回転した場合には、第1突出部245bは、第1円筒カム部241の内側に形成されている下溝部241eにおいて図25および図26に示す範囲W4の範囲に案内されることになる。このとき、第1ガイド板245は上下方向に移動されないため第1弁体243も移動せず、第1開口236は第1弁体243の押え板248およびパッキン249によって塞がれた状態が維持される。また、第2突出部295bは、第2円筒カム部291の内側に形成されている上溝部291hから中溝部291f,291gを通って下溝部291eに案内される(図25、図26、図34および図35参照)。言い換えると、第2突出部295bは、上溝部291hにおいて図25および図26に示す範囲W1の位置から、図25および図26に示す範囲W2および図25および図26に示す範囲W3を経て、図25および図26に示す範囲W4の位置まで移動する。このとき、第2ガイド板295が下方向に移動されるため、第2弁体293も下方向に移動される。したがって、開放されていた第2開口237が第2弁体293の押え板298およびパッキン299によって塞がれる。
このようにして、空気流路切り換え部230の状態が、第2状態から第3状態に切り換わる。
なお、空気流路切り換え部230の状態が、第1状態から第3状態に切り換わった状態で、更にモータ271aが逆方向に回転されると、第1突出部245bが第1円筒カム部241の内側に形成されている下溝部241eにおいて図25および図26に示す範囲W5の範囲に案内されることになる。このとき、第1ガイド板245は上下方向に移動されないため第1弁体243も移動せず、第1弁体243の押え板248およびパッキン249によって第1開口236が塞がれた状態が維持される。また、第2突出部295bは、第2円筒カム部291の内側に形成されている下溝部291eから中溝部291f,291gを介して上溝部291hに案内される(図25、図26、図33、図34および図35参照)。このとき、第2ガイド板295が上方向に移動されるため、第2弁体293も上方向に移動される。したがって、第2弁体293の押え板298およびパッキン299によって塞がれていた第2開口237が開放される。
このようにして、空気流路切り換え部230の状態が、第1状態から第2状態に切り換わる。
また、空気流路切り換え部230の状態が、第2状態から第3状態に切り換わった状態で、更に、モータ271aが正方向に回転されると、第1突出部245bは、第1円筒カム部241の内側に形成されている下溝部241eから中溝部241f,241gを介して上溝部241hに案内される(図25、図26、図33、図34および図35参照)。このとき、第1ガイド板245が上方向に移動されるため、第1弁体243も上方向に移動される。したがって、第1弁体243の押え板248およびパッキン249によって塞がれていた第1開口236が開放される。また、第2突出部295bは、第2円筒カム部291の内側に形成されている下溝部291eにおいて図25および図26に示す範囲W5の範囲に案内されることになる。このため、第2開口237は第2弁体293の押え板298およびパッキン299によって塞がれている状態が維持される。
このようにして、空気流路切り換え部230の状態が、第2状態から第1状態に切り換わる。
また、シャフト247,297はガイド板245,295を貫通しており、ガイド板245,295の上下方向への移動は、図36に示すように、シャフト247,297の第5位置P5および第6位置P6に配置されるEリング241b,241i,291b,291iによって規制されている。このため、ガイド板245,295は、図36に示す範囲W6を上下方向に移動可能である。また、遮蔽部240は、弾性変機可能なバネ部材247a,297aと、バネ受け247b,297bと、を有している。また、バネ部材247a,297aおよびバネ受け247b,297bは、ガイド板245,295とEリング241b,291bとの間に配置されている。バネ受け247b,297bは、Eリング241b,291bによって固定されており、バネ部材247a,297aの上下方向の移動は、ガイド板245,295とバネ受け247b,297bとによって規制されている。このため、ガイド板245,295の突出部245b,295bが上溝部241h,291hから下溝部241e,291eに案内されることでガイド板245,295が下方向に移動される場合には、第2中溝部241f,291fにおいてバネ部材247a,297aが圧縮される。そして、ガイド板245,295の突出部245b,295bが下溝部241e,291eに案内されたときに、バネ部材247a,297aは最も圧縮された状態となる。また、バネ部材247a,297aは、ガイド板245,295とバネ受け247b,297bとによって圧縮されることで、バネ受け247b,297bを下方向に押圧する。このため、バネ部材247a,297aは、弁体243,293が開口236,237を塞ぐように付勢することができる。
また、ガイド板245,295の突出部245b,295bが下溝部241e,291eから上溝部241h,291hに案内されることでガイド板245,295が上方向に移動される場合には、第2中溝部241f,291fにおいてバネ部材247a,297aの反力によってガイド板245,295を上方向に押圧する。このため、バネ部材247a,297aは、弁体243,293が開口236,237を開放するように付勢することができる。
また、第2中溝部241f,291fを第1中溝部241g,291gよりも緩やかな傾斜にすることで、第2中溝部241f,291fが第1中溝部241g,291gと同様の傾斜を有する場合と比較して、バネ部材247a,297aを圧縮するためのモータ271aの駆動トルクを小さくすることができる。
次に、駆動部271を駆動させるための制御部260について説明する。
<制御部>
制御部260は、図37に示すように、室内機202a,202b、室外空調ユニット204および加湿ユニット205の各種機器と接続されており、リモコン290を介したユーザからの指令に基づいて、冷房運転、暖房運転、除湿運転、加湿運転、給気運転、および、排気運転等の各運転モードに応じて各種機器の動作制御を行う。
また、制御部260は、遮蔽機構制御部261を備えている。遮蔽機構制御部261は、制御部260からの制御指示に基づいて、空気流路切り換え部230の状態を切り換える。
遮蔽機構制御部261は、記憶部262と、モータ駆動制御部264と、決定部265と、検知部263とを有している。
記憶部262は、空気流路切り換え部230の状態が切り換えられた場合、切り換えられた空気流路切り換え部230の状態を、現在の空気流路切り換え部230の状態として記憶する。また、記憶部262は、現在の空気流路切り換え部230の状態を記憶した場合、以前記憶された空気流路切り換え部230の状態についての情報を消去する。なお、空気流路切り換え部230の状態が切り換えられた場合とは、遮蔽機構制御部261によって、空気流路切り換え部230の状態が切り換わったことが判断された場合のことである。このため、記憶部262に記憶される現在の空気流路切り換え部230の状態は、遮蔽機構制御部261によって判断された空気流路切り換え部230の状態と同一の状態となる。
モータ駆動制御部264は、モータ271aの回転量および回転方向を制御する。具体的には、モータ駆動制御部264は、モータ271aが所定量回転するように、モータ271aに対して所定のパルス数を供給する。また、モータ駆動制御部264は、モータ271aが正方向または逆方向に回転するように、モータ271aの回転方向を制御する回転方向制御信号をモータ271aに対して供給する。このため、モータ271aは、モータ駆動制御部264から供給される回転方向制御信号およびパルス数に応じて、正方向または逆方向に所定量回転する。したがって、モータ271aの回転方向および回転量を制御することによって、円筒カム部241,291の有する被駆動歯車246a,296aを所定方向に所定量だけ回転させることができるため、弁体243,293を上下方向に移動させることができる。
また、モータ駆動制御部264によってモータ271aに対して供給されるパルス数および回転方向制御信号は、決定部265または検知部263から出力される信号に基づいて決定される。なお、モータ駆動制御部264は、決定部265からの信号よりも検知部263からの信号を優先する。
決定部265は、記憶部262に記憶されている現在の空気流路切り換え部230の状態に基づいて、モータ駆動制御部264によってモータ271aに対して供給されるモータ271aの回転方向およびパルス数を決定し、決定した回転方向およびパルス数に関する信号をモータ駆動制御部264に出力する。
具体的には、決定部265は、空気流路切り換え部230の状態を第3状態にする場合であって記憶部262に現在の空気流路切り換え部230の状態が第1状態であると記憶されている場合、モータ駆動制御部264に対して、回転方向制御信号が「逆方向」であって供給されるパルス数が所定の第1パルス数(例えば、3000pl)となるように、回転方向およびパルス数に関する信号を出力する。また、決定部265は、空気流路切り換え部230の状態を第3状態にする場合であって記憶部262に現在の空気流路切り換え部230の状態が第2状態であると記憶されている場合、モータ駆動制御部264に対して、回転方向制御信号が「正方向」であって供給されるパルス数が所定の第1パルス数となるように、回転方向およびパルス数に関する信号を出力する。さらに、決定部265は、空気流路切り換え部230の状態を第3状態にする場合であって記憶部262に現在の空気流路切り換え部230の状態が第3状態であると記憶されている場合、モータ駆動制御部264に対して、信号を出力しない。
なお、モータ271aは、モータ駆動制御部264から供給されるパルス数が所定の第1パルス数である場合には、円筒カム部241,291を約155度回転させる。このため、空気流路切り換え部230の状態が第1状態である場合に、モータ271aが逆方向に所定の第1パルス数分回転した場合、第1円筒カム部241が逆方向に回転することで、1突出部245bが第1円筒カム部241の内側に形成されている上溝部241hから下溝部241eの範囲W4内に案内される。また、第1円筒カム部241が逆方向に回転することで、第2円筒カム部291が正方向に回転して、第2突出部295bが第2円筒カム部291の内側に形成されている下溝部291eの範囲W5内から範囲W4内に案内される。したがって、第1弁体243は第3位置P3bから第4位置P4に移動し、第2弁体293は移動せず第4位置P4に位置し続ける。これによって、空気流路切り換え部230の状態が第3状態となる。すなわち、空気流路切り換え部230の状態が第1状態から第3状態に切り換わる。
また、空気流路切り換え部230の状態が第2状態である場合に、モータ271aが正方向に所定の第1パルス数分回転した場合、第1円筒カム部241が正方向に回転することで、1突出部245bが第1円筒カム部241の内側に形成されている下溝部241eの範囲W5内から範囲W4内に案内される。また、第1円筒カム部241が正方向に回転することで、第2円筒カム部291が逆方向に回転して、第2突出部295bが第2円筒カム部291の内側に形成されている上溝部291hから下溝部291eの範囲W4内に案内される。したがって、第1弁体243は移動せず第4位置P4に位置し続け、第2弁体293は第3位置P3bから第4位置P4に移動する。これによって、空気流路切り換え部230の状態が第3状態となる。すなわち、空気流路切り換え部230の状態が第2状態から第3状態に切り換わる。
また、決定部265は、空気流路切り換え部230の状態を第1状態にする場合であって記憶部262に現在の空気流路切り換え部230の状態が第2状態であると記憶されている場合、モータ駆動制御部264に対して、回転方向制御信号が「正方向」であって供給されるパルス数が所定の第2パルス数(例えば、6000pl)となるように、回転方向およびパルス数に関する信号を出力する。また、決定部265は、空気流路切り換え部230の状態を第1状態にする場合であって記憶部262に現在の空気流路切り換え部230の状態が第3状態であると記憶されている場合、モータ駆動制御部264に対して、回転方向制御信号が「正方向」であって供給されるパルス数が所定の第1パルス数となるように、回転方向およびパルス数に関する信号を出力する。さらに、決定部265は、空気流路切り換え部230の状態を第1状態にする場合であって記憶部262に現在の空気流路切り換え部230の状態が第1状態であると記憶されている場合、モータ駆動制御部264に対して、信号を出力しない。
なお、モータ271aは、モータ駆動制御部264から供給されるパルス数が所定の第2パルス数である場合には、円筒カム部241,291を約310度回転させる。このため、空気流路切り換え部230の状態が第2状態である場合にモータ271aが正方向に所定の第2パルス数分回転することで、第2円筒カム部291を逆方向に回転させてリミットスイッチ280からON信号を出力させることができる。
また、上述のように、モータ271aは、モータ駆動制御部264から供給されるパルス数が所定の第1パルス数である場合には、円筒カム部241,291を約155度回転させる。このため、空気流路切り換え部230の状態が第3状態である場合にモータ271aが正方向に所定の第1パルス数分回転することで、第2円筒カム部291を逆方向に回転させてリミットスイッチ280からON信号を出力させることができる。
さらに、決定部265は、空気流路切り換え部230の状態を第2状態にする場合であって記憶部262に現在の空気流路切り換え部230の状態が第1状態であると記憶されている場合、モータ駆動制御部264に対して、回転方向制御信号が「逆方向」であって供給されるパルス数が所定の第2パルス数となるように、回転方向およびパルス数に関する信号を出力する。また、決定部265は、空気流路切り換え部230の状態を第2状態にする場合であって記憶部262に現在の空気流路切り換え部230の状態が第3状態であると記憶されている場合、モータ駆動制御部264に対して、回転方向制御信号が「逆方向」であって供給されるパルス数が所定の第1パルス数となるように、回転方向およびパルス数に関する信号を出力する。さらに、決定部265は、空気流路切り換え部230の状態を第2状態にする場合であって記憶部262に現在の空気流路切り換え部230の状態が第2状態であると記憶されている場合、モータ駆動制御部264に対して、信号を出力しない。
なお、モータ271aは、上述のように、モータ駆動制御部264から供給されるパルス数が所定の第2パルス数である場合には、円筒カム部241,291を約310度回転させる。このため、空気流路切り換え部230の状態が第1状態である場合にモータ271aが逆方向に所定の第2パルス数分回転することで、第2円筒カム部291を正方向に回転させてリミットスイッチ280からON信号を出力させることができる。
また、上述のように、モータ271aは、モータ駆動制御部264から供給されるパルス数が所定の第1パルス数である場合には、円筒カム部241,291を約155度回転させる。このため、空気流路切り換え部230の状態が第3状態である場合にモータ271aが逆方向に所定の第1パルス数分回転することで、第2円筒カム部291を正方向に回転させてリミットスイッチ280からON信号を出力させることができる。
検知部263は、リミットスイッチ280から出力される信号に基づいて、第1弁体243または第2弁体293が検知位置P3aにあることを検知する。すなわち、検知部263は、開口236,237が開放されたか否かを検知することができる。具体的には、検知部263は、リミットスイッチ280から出力される信号がOFF信号からON信号に切り換わったときに、第1弁体243または第2弁体293が検知位置P3aにあること、すなわち、開口236,237が開放されたことを検知する。また、検知部263は、第1弁体243または第2弁体293が検知位置P3aにあること、すなわち、開口236,237が開放されたことを検知した場合、モータ駆動制御部264に対して、回転方向制御信号が現在の回転方向であって供給されるパルス数が所定の第3パルス数(例えば、500pl)となるように、回転方向およびパルス数に関する信号を出力する(図38参照)。
なお、検知位置P3aとは、図38に示すように、突出部245b,295bが円筒カム部241,291の内側に形成されている第1中溝部241g,291gに位置している場合、すなわち、突出部245b,295bが範囲W2内に位置している場合の弁体243,293の位置のことである。
なお、上述のように、モータ駆動制御部264は、決定部265から出力される信号よりも検知部263から出力される信号を優先する。このため、モータ駆動制御部264は、モータ271aが決定部265によって決定されたパルス数分回転していなくても検知部263からパスル数に関する信号が出力された場合には、モータ271aが所定の第3パルス数分だけ回転するように、モータ271aに対してパスル数を供給する。このため、モータ271aは、リミットスイッチ280から出力される信号がOFF信号からON信号に切り換わった場合、信号が切り換わった時点から供給された所定の第3パルス数分だけ回転して停止する。したがって、円筒カム部241,291は、リミットスイッチ280から出力される信号がOFF信号からON信号に切り換わった時点の回転位置から、更に、モータ271aによって所定の第3パルス数分だけ回転されて停止する。
なお、モータ271aは、モータ駆動制御部264から供給されるパルス数が所定の第3パルス数である場合には、円筒カム部241,291を約20度回転させる。
このため、モータ271aが正方向に回転しているときに検知部263によって第1弁体243または第2弁体293が検知位置P3aにあることが検知された場合、すなわち、第1開口236または第2開口237が開放されたことが検知された場合、モータ271aが更に正方向に所定の第3パルス数分回転することで、第1円筒カム部241が正方向に更に回転して、1突出部245bが第1円筒カム部241の内側に形成されている上溝部241hに案内される。また、第1円筒カム部241が正方向に更に回転することで、第2円筒カム部291が逆方向に更に回転して、第2突出部295bが第2円筒カム部291の内側に形成されている下溝部291eを移動する。したがって、第1弁体243が第3位置P3bに移動する。これによって、空気流路切り換え部230の状態が第1状態となる。なお、このとき、第2弁体293は、第4位置P4に位置している。
また、モータ271aが逆方向に回転しているときに検知部263によって第1弁体243または第2弁体293が検知位置P3aにあることが検知された場合、すなわち、第1開口236または第2開口237が開放されたことが検知された場合、モータ271aが更に逆方向に所定の第3パルス数分回転することで、第1円筒カム部241が逆方向に更に回転して、第1突出部245bが第1円筒カム部241の内側に形成されている下溝部241eを移動する。また、第1円筒カム部241が逆方向に更に回転することで、第2円筒カム部291が正方向に更に回転して、第2突出部295bが第2円筒カム部291の内側に形成されている上溝部291hに案内される。したがって、第2弁体293が第3位置P3bに移動する。これによって、空気流路切り換え部230の状態が第2状態となる。なお、このとき、第1弁体243は、第4位置P4に位置している。
また、遮蔽機構制御部261は、モータ271aの回転方向および検知部263の検知結果に基づいて、空気流路切り換え部230の状態が第1状態であるか否か、または、第2状態であるか否かを判断する。具体的には、遮蔽機構制御部261は、検知部263から出力される回転方向に関する信号が「正方向」、すなわち、決定部265から出力される回転方向に関する信号が「正方向」であって、かつ、検知部263によって開口236,237が開放されたことが検知された場合、第1開口236が開放されたことを推定する。そして、遮蔽機構制御部261は、第1開口236が開放されたことを推定した場合、空気流路切り換え部230の状態が第1状態に切り換わったと判断する。そして、遮蔽機構制御部261は、空気流路切り換え部230の状態が第1状態であると判断する。
また、遮蔽機構制御部261は、検知部263から出力される回転方向に関する信号が「逆方向」、すなわち、決定部265から出力される回転方向に関する信号が「逆方向」であって、かつ、検知部263によって開口236,237が開放されたことが検知された場合、第2開口237が開放されたことを推定する。そして、遮蔽機構制御部261は、第2開口237が開放されたことを推定した場合、空気流路切り換え部230の状態が第2状態に切り換わったと判断する。そして、遮蔽機構制御部261は、空気流路切り換え部230の状態が第2状態であると判断する。
さらに、遮蔽機構制御部261は、決定部265から出力される回転方向に関する信号が「正方向」であって、決定部265から出力されるパルス数に関する信号が所定の第1パルス数であり、かつ、リミットスイッチ280から出力される信号がON信号からOFF信号に切り換わった場合、第1開口236および第2開口237が閉じられたことを推定する。また、遮蔽機構制御部261は、上述の条件で第1開口236および第2開口237が閉じられたと推定した場合、空気流路切り換え部230の状態が、第2状態から第3状態に切り換わったと判断する。そして、遮蔽機構制御部261は、空気流路切り換え部230の状態が第3状態であると判断する。
また、遮蔽機構制御部261は、決定部265から出力される回転方向に関する信号が「逆方向」であって、決定部265から出力されるパルス数に関する信号が所定の第1パルス数であり、かつ、リミットスイッチ280から出力される信号がON信号からOFF信号に切り換わった場合、第1開口236および第2開口237が閉じられたことを推定する。また、遮蔽機構制御部261は、上述の条件で第1開口236および第2開口237が閉じられたと推定した場合、空気流路切り換え部230の状態が第1状態から第3状態に切り換わったと判断する。そして、遮蔽機構制御部261は、空気流路切り換え部230の状態が第3状態であると判断する。
また、モータ駆動制御部264は、決定部265から信号が出力されない場合には、モータ271aに対して回転方向およびパルス数の供給を行わない。また、遮蔽機構制御部261は、決定部265から信号が出力されない場合には、空気流路切り換え部230の状態を切り換える必要がないと判断する。なお、記憶部262は、遮蔽機構制御部261によって空気流路切り換え部230の状態を切り換える必要がないと判断された場合、現在記憶されている空気流路切り換え部230の状態を、現在の空気流路切り換え部230の状態として記憶する。
<制御部による制御動作>
次に、制御部260による空気流路切り換え部230の状態の切り換え動作について説明する。なお、以下には、ユーザから第2部屋201b内への加湿空気の供給指示が為された場合を例として説明する。
リモコン290を介してユーザから第2部屋201b内への加湿空気の供給開始指示、すなわち、第2室内機202bに対する加湿運転の開始指示が為された場合、制御部260は、第1室内機202aから第1部屋201a内への加湿空気の供給が為されているか否かを判断する。そして、制御部260は、第1室内機202aから第1部屋201a内への加湿空気の供給が為されていないと判断した場合、室外空気から加湿空気が生成されるように加湿ユニット205の有する各種機器を制御する。また、制御部260は、空気流路切り換え部230の状態が第2状態となるように、遮蔽機構制御部261に対して制御指示を出力する。遮蔽機構制御部261は、制御部260からの制御指示に基づいて、空気流路切り換え部230の状態を第2状態に切り換える制御を開始する。具体的には、遮蔽機構制御部261は、記憶部262に記憶されている現在の空気流路切り換え部230の状態に基づいてパルス数および回転方向を決定し、決定した回転方向およびパルス数をモータ271aに対して供給する。そして、モータ271aがモータ駆動制御部264から供給された回転方向に供給されたパルス数分回転することで、空気流路切り換え部230の状態が第2状態に切り換わる。また、制御部260は、空気流路切り換え部230の状態が第2状態に切り換わった後に、吸排気切り換えダンパ253を給気状態に切り換え、かつ、吸排気ファン254を回転駆動させる。これによって、加湿ユニット205から第2部屋201b内に加湿空気が供給される。
また、制御部260は、第1室内機202aから第1部屋201a内への加湿空気の供給が為されていると判断した場合、制御部260は、空気流路切り換え部230の状態が第2状態となるように、遮蔽機構制御部261に対して制御指示を出力しない。このため、加湿ユニット205から第2部屋201b内に対して加湿空気は供給されない。なお、このとき、第2室内機202bの有する報知部から第1室内機202aにおいて加湿運転が実行されている旨が報知されてもよい。
<特徴>
(1)
上記実施形態では、バネ部材247a,297aが、ガイド板245,295とバネ受け247b,297bとによって圧縮されることで、バネ受け247b,297bを下方向に押圧する。このため、バネ部材247a,297aは、開口236,237が塞がれるように弁体243,293を付勢することができる。
これによって、空気流路切り換え部230において、弁体243,293と開口236,237との隙間から空気が漏れるおそれを減らすことができている。また、加湿ダクト258内の空気が室外ダクト208a,208b内に漏れるおそれを減らすことができるため、空気調和機201において加湿運転が停止された後に、室外ダクト208a,208bに結露が生じるおそれを減らすことができる。このため、加湿運転の停止後再び加湿運転を開始する際に、室外ダクト208a,208bの結露水によって異音が発生するおそれを減らすことができる。さらに、バネ部材247a,297aが弁体243,293を付勢することで、上下方向の部品間の取り付け寸法にバラツキがあった場合でも、開口236,237が塞がれないおそれを減らすことができる。
(2)
上記実施形態では、切換部ケーシング233内部を流れる空気には、加湿空気が含まれる。このため、この空気調和機201では、空気流路切り換え部230において、加湿空気の流通を遮蔽することができる。
(3)
上記実施形態では、切換部ケーシング233は、室外から部屋201a,201b内または部屋201a,201b内から室外に流れる空気が通る加湿ダクト258の一部である。このため、吸排気ファン54によって、切換部ケーシング233内部を流れる空気を、室外から部屋201a,201b内に、または、部屋201a,201b内から室外に搬送することができる。したがって、この空気調和機201では、空気流路切り換え部230において、室外から部屋201a,201b内に搬送される空気の流通を遮蔽することができる。
(4)
上記実施形態では、パッキン249,299は、ゴム製または樹脂製の弾性変形可能な材料であって、押え板248,298の下側から押え板248,298に嵌装される。また、押え板248,298にパッキン249,299が装着された状態で、押え板248,298の凹部248c,298c内部には、凹部248c,298cの開口部をパッキン249,299に覆われた空間S1が形成される。このため、パッキン249,299が開口236,237の端部に接触した後に、さらに、弁体243,293の押え板248,298およびパッキン249,299が下方向に移動されることで、パッキン249,299が内側に折れ曲がる。このため、押え板248,298とパッキン249,299との間に形成されている空間S1の体積が小さくなる。したがって、パッキン249,299は、自重およびバネ部材247a,297aによるバネ圧によって、開口236,237が塞がれるように弁体243,293を付勢することができる。したがって、弁体243,293と開口236,237との間に隙間が生じるおそれを減らすことができる。
これによって、弁体243,293と開口236,237との隙間から空気が漏れるおそれを減らすことができている。
(5)
上記実施形態では、円筒状カム242,292によって、弁体243,293が上下方向に直線的に移動される。また、円筒状カム242,292によって、バネ部材247a,297aおよびパッキン249,299が弾性変形される。このため、この空気調和機201では、円筒状カム242,292によって、開口236,237が遮蔽または開放されるように弁体243,293を移動することができている。
(6)
上記実施形態では、ガイド板245,295の突出部245b,295bが下溝部241e,291eに案内されたときには、バネ部材247a,297aは最も圧縮された状態となる。また、バネ部材247a,297aは、ガイド板245,295とバネ受け247b,297bとによって圧縮されることで、バネ受け247b,297bを下方向に押圧する。このため、バネ部材247a,297aは、ガイド板245,295の突出部245b,295bが下溝部241e,291eに案内されたときに、開口236,237が塞がれるように弁体243,293を付勢することができる。
(7)
上記実施形態では、第1開口236が開放されている場合には第2開口237が閉じられており、第2開口237が開放されている場合には第1開口236が閉じられている。例えば、一方の開口が閉じられており他方の開口が開放されている状態で、閉じられている側の開口の遮蔽が不完全な場合には、開放されている側の開口に空気が通過するだけでなく、閉じられている側の開口にも空気が漏れるおそれがある。また、閉じられている側の開口を通過した空気の流速は、開放されている側の開口を通過する空気の流速よりも遅くなることが考えられる。このため、閉じられている側の開口を介して加湿ダクトと接続されている室外ダクト内には結露が発生するおそれがある。そこで、上記実施形態では、バネ部材247a,297aおよびパッキン249,299によって、開口236,237が付勢されている。このため、バネ部材またはパッキン等の付勢部材によって弁体が付勢されない場合と比較して、弁体243,293と開口236,237との間に隙間が生じるおそれを減らすことができる。したがって、閉じられている側の開口から室外ダクトに空気が漏れるおそれを減らすことができるため、室外ダクト内に結露が発生するおそれを減らすことができる。
(8)
上記実施形態では、シャフト247,297が、上下方向、すなわち、下部ケーシング232の表面に対して交差する方向に直線的に移動する。また、シャフト247,297の移動に伴って押え板248,298およびパッキン249,299が、下部ケーシング232の表面に対して交差する方向に直線的に移動する。すなわち、弁体243,293が、下部ケーシング232の表面に対して交差する方向に直線的に移動することで、開口236,237が塞がれる。このため、例えば、弁体がスライド移動することによって開口を閉じるような空気流路切り換え部と比較して、弁体243,293によって開口236,237が閉じられたときに下部ケーシング232と弁体243,293との間に隙間が生じるおそれを減らすことができる。したがって、下部ケーシング232と弁体243,293との隙間から空気が漏れるおそれを減らすことができる。
これによって、加湿ダクト258内の空気が室外ダクト208a,208b内に漏れるおそれを減らすことができている。
(9)
上記実施形態では、円筒状カム242,292は、モータ271aから伝わる回転力を直線移動力に変換して弁体243,293に伝達することで、弁体243,293を直線的に移動させる。このため、円筒状カム242,292によって、弁体243,293を直線的に移動させることができている。
(10)
上記実施形態では、円筒カム部241,291の内側には、ガイド板245,295の突出部245b,295bを案内するためのカム溝241a,291aが形成されている。また、カム溝241a,291aは、所定の傾きを有するように形成されている中溝部241f,241g,291f,291gを含む。このため、ガイド板245,295の突出部245b,295bを、上溝部241h,291hから下溝部241e,291eに、または、下溝部241e,291eから上溝部241h,291hに案内する場合に、円滑に移動させることができる。
これによって、弁体243,293を上下方向に円滑に移動させることができている。
また、上記実施形態では、第2中溝部241f,291fが第1中溝部241g,291gよりも緩やかな傾きを有している。このため、例えば、第2中溝部が第1中溝部と同様の傾きを有する場合と比較して、バネ部材247a,297aを圧縮するためのモータ271aの駆動トルクを小さくすることができる。
(11)
上記実施形態では、遮蔽部240は、1つのモータ271aを有する駆動部271と、駆動部271によって回転駆動される2つの円筒状カム242,292と、2つの弁体243,293とを備えている。また、弁体243,293は、上下方向に移動されることによって、開口236,237を開閉することができる。このため、空気流路切り換え部230は、2つの開口236,237を塞ぐことができる。
これによって、加湿ユニット205と第1室内機202aとの間に形成される空気流路(加湿ダクト258、第1室外ダクト208aおよび第1室内ダクト209a)を流れる空気の流通、および、加湿ユニット205と第2室内機202bとの間に形成される空気流路(加湿ダクト258、第2室外ダクト208bおよび第2室内ダクト209b)を流れる空気の流通を遮蔽することができる。
(12)
上記実施形態では、1つのモータ271aによって、2つの円筒カム部241,291が同期して駆動されている。また、円筒カム部241,291が回転駆動することによって、ガイド板245,295を移動させることができる。また、ガイド板245,295が移動されることで、弁体243,293の押え板248,298およびパッキン249,299が移動される。そして、押え板248,298およびパッキン249,299が移動されることで、開口236,237が塞がれる。このため、1つのモータ271aによって、開口236,237を閉じることができる。したがって、1つのモータ271aによって、加湿ユニット205と第1室内機202aとの間に形成される空気流路、すなわち、加湿ダクト258、第1室外ダクト208aおよび第1室内ダクト209aを流れる空気の流通、および、加湿ユニット205と第2室内機202bとの間に形成される空気流路、すなわち、加湿ダクト258、第2室外ダクト208bおよび第2室内ダクト209bを流れる空気の流通を遮蔽することができる。
これによって、1つの弁体を1つのモータが駆動させる場合と比較して、部品点数を増加させることなく、加湿ユニット205と第1室内機202aとの間に形成される空気流路、および、加湿ユニット205と第2室内機202bとの間に形成される空気流路を流れる空気の流通を遮蔽することができている。
(13)
上記実施形態では、モータ271aは、正逆回転可能なステッピングモータである。また、モータ271aが正方向、または、逆方向に回転することによって、円筒カム部241,291を正方向または逆方向に回転させることができる。また、円筒カム部241,291が正方向または逆方向に回転することで、弁体243,293を移動させることができる。このため、モータ271aが正方向、または、逆方向に回転することによって、弁体243,293を移動させることができている。
(14)
上記実施形態では、モータ駆動制御部264がモータ271aの回転量および回転方向を制御することで、空気流路切り換え部230の状態が切り換えられる。また、空気流路切り換え部230の状態には、加湿ダクト258の内部空間と第1室外ダクト208aの内部空間とが第1開口236を介して連通している第1状態と、加湿ダクト258の内部空間と第2室外ダクト208bの内部空間とが第2開口237を介して連通している第2状態と、加湿ダクト258の内部空間と室外ダクト208a,208bの内部空間との連通が遮蔽されている第3状態とが含まれる。このため、加湿ダクト258と第1室内機202aとの間を流れる空気の流通のみを遮蔽したり、加湿ダクト258と第2内機202bとの間を流れる空気の流通のみを遮蔽したり、加湿ユニット205と室内機202a,202bとの間を流れる空気の流通を遮蔽したりすることができる。
(15)
上記実施形態では、遮蔽部240は、スイッチ軸276が凸部294caと対峙したときにON信号を発し、スイッチ軸276が凸部294caと対峙していないときにOFF信号を発するリミットスイッチ280を備えている。また、検知部263は、リミットスイッチ280から出力される信号に基づいて、開口236,237が開放されたか否かを検知する。このため、第1開口236、または、第2開口237が開放されたか否かを検知することができる。
(16)
上記実施形態では、遮蔽機構制御部261は、モータ271aの回転方向および検知部263の検知結果に基づいて、空気流路切り換え部230の状態が第1状態であるか、または、第2状態であるかを判断する。このため、加湿ダクト258と第1室内機202aとの間の空気の流通、または、加湿ダクト258と第2内機202bとの間の空気の流通が行われないおそれを減らすことができる。
(17)
上記実施形態では、円筒カム部241,291の回転位置が図34(a)に示す位置、すなわち、第1突出部245bが第1円筒カム部241の内側に形成されている下溝部241eにおいて図25および図26に示す範囲W4に位置しており、かつ、第2突出部295bが第2円筒カム部291の内側に形成されている下溝部291eにおいて図25および図26に示す範囲W4に位置している場合には、弁体243,293によって第1開口236および第2開口237が閉じられる。このため、供給されるパスル数に応じて回転するモータ271aによって円筒カム部241,291が回転されても、突出部245b,295bが下溝部241e,291eにおける範囲W4に位置している場合には、第1開口236および第2開口237を閉じることができる。
これによって、加湿ダクト258内の空気が室外ダクト208a,208b内に漏れるおそれを減らすことができている。
また、上記実施形態では、モータ271aが逆方向に所定量だけ回転することで第1弁体243によって第1開口236が閉じられた状態となり、モータ271aが正方向に所定量だけ回転することで第1開口236が開放された状態となる。また、モータ271aが逆方向に所定量だけ回転することで第2開口237が開放された状態となり、モータ271aが正方向に所定量だけ回転することで第2弁体293によって第2開口237が閉じられた状態となる。すなわち、モータ271aが所定方向に所定量だけ回転することで、開口236,237が閉じられたり開放されたりする。言い換えると、第1弁体243によって第1開口236が閉じているときにモータ271aを第1方向(正方向)に所定量回転させることで第1開口236は開放され、第1開口236が開放されているときにモータ271aを第2方向(逆方向)に所定量回転させることで第1弁体243によって第1開口236が閉じられる。また、第2弁体293によって第2開口237が閉じられているときモータ271aを第2方向(逆方向)に所定量回転させることで第2開口237は開放され、第2開口237が開放されているときにモータ271aを第1方向(正方向)に所定量回転させることで第2弁体293によって第2開口237が閉じられる。このため、モータ271aの回転方向および回転量を制御することによって、空気流路切り換え部230の状態を切り換えることができる。
(18)
上記実施形態では、モータ271aが所定の第1パルス数分回転することで、円筒カム部241,291を約155度回転させる。このため、空気流路切り換え部230の状態が第1状態である場合に、モータ271aが逆方向に所定の第1パルス数分回転した場合、第1円筒カム部241が逆方向に回転し第2円筒カム部291が正方向に回転して、各ガイド板245,295の突出部245b,295bがカム溝241a,291aに沿って上下方向に移動することで、第1弁体243の位置が第3位置P3bから第4位置P4に移動し、第2弁体293の位置は移動せず第4位置P4に位置し続ける。これによって、第1開口236および第2開口237が塞がれた状態、すなわち、空気流路切り換え部230の状態が第3状態となる。また、空気流路切り換え部230の状態が第2状態である場合に、モータ271aが正方向に所定の第1パルス数分回転した場合、第1円筒カム部241が正方向に回転し、第2円筒カム部291が逆方向に回転して、各ガイド板245,295の突出部245b,295bがカム溝241a,291aに沿って上下方向に移動することで、第1弁体243の位置は移動せず第4位置P4に位置し続け、第2弁体293の位置は第3位置P3bから第4位置P4に移動する。これによって、第1開口236および第2開口237が塞がれた状態、すなわち、空気流路切り換え部230の状態が第3状態となる。このため、突出部245b,295bが下溝部241e,291eの範囲W4に位置している場合には、第1弁体243および第2弁体293を第4位置P4に配置することができる。したがって、第1開口236および第2開口237が塞がれた状態とならないおそれを減らすことができている。
これによって、室外から部屋201a,201b内に搬送される空気の流通が遮蔽されないおそれを減らすことができている。
<変形例>
(A)
上記実施形態では、加湿ユニット205を稼働することによって、室外から2つの部屋201a,201b内に室外空気を供給可能である。
これに代えて、3つ以上の部屋、すなわち、複数の部屋内に室外空気が供給されてもよい。
例えば、1台の室外機と3台の室内機とが接続されている空気調和機では、1台の室内機を1つの部屋内に設置することで、室外から3つの部屋内に室外空気を供給可能となる。なお、各室内機には、各室内機に対してそれぞれ室内ダクトおよび室外ダクトが接続される。また、空気流路切り換え部の下部ケーシングには、各室外ダクトと加湿ダクトとを接続するための開口が3つ形成されており、各室外ダクトは各開口を介して加湿ダクトに接続される。さらに、空気流路切り換え部の遮蔽部は、駆動部の他に、各開口を開閉するための、3つの円筒状カムと、3つの弁体とを備えている。
このように、複数の弁体によって複数の開口を遮蔽することが可能な空気流路切り換え機構を備える空気流路切り換え部を設けることで、1台の室外機から複数の室内機に加湿空気を供給することができる。
これによって、1台の室外機によって複数の部屋内を加湿することができる。
(B)
上記実施形態では、モータ駆動制御部264は、弁体が第3位置P3bから第4位置P4に移動するようにモータ271aに対して所定の第1パルス数を供給しているが、これに限定されず、弁体が検知位置P3aから第4位置P4に移動するようにモータに対して所定のパルス数を供給してもよい。
(C)
上記実施形態では、開口236,237が弁体243,293によって開閉されているが、これに限定されず、例えば、開口近傍に取り付けられた蓋部材がリンク棒によって開閉されてもよい。また、1つの開口がボールバルブ式三方弁(例えば、水用三方弁等)の構造を有する遮蔽部によって開閉されてもよい。
(D)
上記実施形態では、空気流路切り換え部230が加湿ユニット205内に配置されているが、これに限定されず、空気流路切り換え部が加湿ユニット外に配置されていてもよい。