JP4433054B2 - プロジェクタ - Google Patents

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Description

本発明は、プロジェクタに関する。
従来、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、投射光学装置によりスクリーンに拡大投射するプロジェクタが知られている。
このようなプロジェクタでは、プロジェクタを低い位置に固定して上方にあおり投射する場合、高い位置に固定して下方にあおり投射する場合、さらには、これら垂直方向のあおり投射の他、水平方向にあおり投射する場合がある。このため、光変調装置等の光学系に対して、光束が射出される方向(投射方向)と直交する方向に投射光学装置を移動させる投射位置調整装置が設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の投射位置調整装置では、固定板と、投射方向と直交する面内で垂直方向および水平方向に移動する第1の移動板と、第1の移動板に係合して第1の移動板とともに水平方向に移動する第2の移動板と、第1の移動板および第2の移動板を移動させる調整駆動部と、固定板と接続し固定板との間で第1の移動板および第2の移動板を挟装する補助板とを備える。そして、固定板、第1の移動板、第2の移動板、および補助板は、この順で投射方向に積層配置される。また、第1の移動板および第2の移動板の間には複数の付勢部材が配設され、各付勢部材により第1の移動板を固定板に対して付勢し、第1の移動板を固定板に当接させている。
このような構成により、第1の移動板のガタつき(第1の移動板に支持される投射光学装置のガタつき)を防止している。すなわち、投射位置調整装置により投射光学装置を移動させた場合であっても、投射光学装置のバックフォーカス位置のずれを回避し、プロジェクタから投射される投影画像のフォーカス精度を維持している。
特開2006−133419号公報
しかしながら、特許文献1に記載の投射位置調整装置では、第1の移動板と第2の移動板とを固定板の他、補助板を用いて支持するとともに、付勢部材を用いて第1の移動板を固定板に当接させる構成を採用しているので、部材点数が多く、投射位置調整装置の小型・軽量化が図り難いものとなっている。
本発明の目的は、投射位置を調整した場合であっても投影画像のフォーカス精度を安定に維持できるとともに、小型・軽量化が図れるプロジェクタを提供することにある。
本発明のプロジェクタは、画像光を拡大投射する投射光学装置と、前記投射光学装置を投射方向に直交する面内で移動させ前記投射光学装置の投射位置を調整する投射位置調整装置とを備えたプロジェクタであって、前記投射位置調整装置は、当該プロジェクタ内部に固定される固定部材と、前記投射光学装置を支持し前記投射方向に直交する面内で互いに直交する第1の軸方向および第2の軸方向に移動する第1の移動板と、前記固定部材および前記第1の移動板間に介装され前記第1の移動板に係合して前記第1の移動板とともに前記第2の軸方向に移動する第2の移動板と、前記第1の移動板および前記第2の移動板を移動させる調整駆動部と、前記固定部材に対して前記第1の移動板を移動可能に連結する複数の連結部材とを備え、前記固定部材には、前記第1の移動板と離間する側よりも前記第1の移動板に近接する側の径寸法が小さく段部を有する段付き状の連結用挿通孔が形成され、前記連結部材は、一端側に対して他端側の断面積が小さく段部を有する段付き状に形成され、前記連結用挿通孔に挿通した状態で前記他端が前記第1の移動板に接続する接続部材と、前記接続部材の段部および前記連結用挿通孔の段部間に配置され、前記接続部材の段部および前記連結用挿通孔の段部を離間する方向に付勢し、前記第1の移動板を前記固定部材に当接させる介装部材とを備えることを特徴とする。
本発明では、投射位置調整装置は、固定部材における第1の移動板に対向する端面とは反対の端面側から固定部材に対して第1の移動板を移動可能に連結する複数の連結部材を備える。このことにより、従来のような第1の移動板および第2の移動板を固定部材とで挟装する補助板を必要とせずに、複数の連結部材により、第1の移動板および第2の移動板を固定部材に取り付けることができる。
また、連結部材は、固定部材に形成された段付き状の連結用挿通孔に挿通し端部が第1の移動板に接続する段付き状の接続部材と、接続部材の段部および連結用挿通孔の段部間に配置され各段部を離間する方向に付勢して第1の移動板を固定部材に当接させる介装部材とを備える。このことにより、従来のような第1の移動板および第2の移動板間に配設される複数の付勢部材を必要とせずに、連結部材により固定部材に対して第1の移動板を付勢して当接させることができる。
以上のように、本発明によれば、従来のような補助板や複数の付勢部材を省略して部材点数を削減でき、投射位置調整装置の小型・軽量化が図れる。
さらに、第1の移動板を複数の連結部材により固定部材に当接させているので、第1の移動板のガタつき(第1の移動板に支持される投射光学装置のガタつき)を防止できる。すなわち、投射位置調整装置により投射光学装置を移動させた場合であっても、投射光学装置のバックフォーカス位置のずれを回避し、プロジェクタから投射される投影画像のフォーカス精度を安定に維持できる。
本発明のプロジェクタでは、前記介装部材は、前記接続部材が挿通され前記各軸方向のうちいずれか一方の軸方向に前記接続部材が移動可能とする第1挿通孔を有し、前記連結用挿通孔の段部に当接しつつ前記第1の移動板とともに他方の軸方向に移動する第1押え部材と、前記接続部材が挿通される第2挿通孔を有し、前記第1押え部材とともに前記他方の軸方向に移動するとともに、前記第1押え部材に当接しつつ前記第1押え部材に対して前記第1の移動板とともに前記一方の軸方向に移動する第2押え部材と、前記第2押え部材および前記接続部材の段部間に配置され、前記第2押え部材および前記接続部材の段部を離間する方向に付勢する付勢部材とを備えることが好ましい。
ところで、介装部材として、第1押え部材および第2押え部材を一部材(以下、押え部材と記載)で構成した場合には、以下に示すように、投射位置調整装置の小型化が図り難い。
すなわち、介装部材としては、第1の移動板を固定部材に対して取り付けるために、接続部材の段部および連結用挿通孔の段部を離間する方向に付勢する必要がある。このため、押え部材は、第1の移動板の移動時に連結用挿通孔の段部を踏み外さないように段部に常に当接している必要がある。すなわち、押え部材としては、第1の移動板における第1の軸方向および第2の軸方向の移動範囲に応じて、連結用挿通孔の段部を踏み外さないだけの大きさが必要となる。また、固定部材の連結用挿通孔も同様に、第1の移動板とともに押え部材が移動する際に、押え部材が連結用挿通孔内周面に機械的に干渉しないような大きさに形成する必要がある。したがって、押え部材および連結用挿通孔を比較的に大きく形成する必要があり、投射位置調整装置の小型化が図り難い。特に、第1の移動板の各軸方向の移動範囲を大きく構成した場合には、押え部材および連結用挿通孔のサイズが顕著に大きくなってしまう。
なお、「一方の軸方向」は第1の軸方向および第2の軸方向のうちいずれの方向でもよい(「他方の軸方向」も同様)が、以下では、説明を簡略化するために、「一方の軸方向」を水平軸の方向(左右方向)とし、「他方の軸方向」を垂直軸の方向(上下方向)とする。
本発明では、介装部材は、左右方向に延びる第1挿通孔を有する第1押え部材と、第2挿通孔を有する第2押え部材と、第2押え部材および接続部材の段部間に配置される付勢部材とを備える。そして、第1の移動板の上下方向の移動時には、第1押え部材、第2押え部材、および付勢部材が第1の移動板とともに上下方向に移動する。一方、第1の移動板の左右方向の移動時には、第1挿通孔内を接続部材が移動するため、第1押え部材が移動することなく、第2押え部材および付勢部材が第1押え部材に摺接しつつ、第1の移動板とともに左右方向に移動する。
以上のように、第1押え部材を上下方向にのみ移動させる構成としているので、連結用挿通孔の段部における左右方向の大きさとしては、第1の移動板の左右方向の移動範囲を考慮する必要がなく、小さく設定できる。また、第1押え部材の左右方向の大きさも連結用挿通孔の段部における左右方向の大きさと略同一に設定できる。さらに、第2押え部材としては、第1押え部材に対して移動する際に、第1挿通孔を踏み外さないだけの寸法を有していればよい。
したがって、押え部材を第1押え部材および第2押え部材の2つで構成することで、押え部材を1つで構成する場合と比較して、各押え部材および連結用挿通孔を比較的に小さく形成でき、投射位置調整装置の小型化が図れる。
本発明のプロジェクタでは、前記第1挿通孔は、長辺方向が前記一方の軸方向に沿う略矩形形状を有し、前記接続部材の外面には、互いに対向し前記他方の軸方向に直交する一対の平坦面が形成され、前記接続部材は、前記一対の平坦面が前記第1挿通孔に摺接することが好ましい。
本発明では、接続部材は、その外面に上下方向に直交する一対の平坦面を有し、一対の平坦面が第1挿通孔に摺接する。このことにより、第1の移動板の上下方向の移動時において、一対の平坦面により第1押え部材が投射方向に直交する面内で回転することなく、第1の移動板とともに第1押え部材を上下方向に移動させることができる。したがって、第1の移動板の上下方向の移動時において、第1押え部材が回転して段部を踏み外すことがなく、固定部材に対する第1の移動板の取付状態を良好に維持できる。
本発明のプロジェクタでは、前記第1の移動板は、前記固定部材に対して投射方向側に配設されていることが好ましい。
本発明では、投射位置調整装置は、固定部材に対して投射方向側に第1の移動板が配設され、第1の移動板の投射方向側に第2の移動板や固定部材等の他の部材が存在しない構成とされている。このことにより、投射方向側から投射光学装置を第1の移動板に対して着脱自在とする構成を採用できる。このような構成を採用した場合には、投射光学装置の交換を容易に実施でき、利便性の向上が図れる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
〔外観構成〕
図1は、本実施形態におけるプロジェクタ1の外観を示す斜視図である。具体的に、図1は、プロジェクタ1が机上等に設置された状態を前方上側から見た斜視図である。
なお、以下で記載する「上」、「下」、「左」、「右」は、図1における図面視において、上下左右に相当するものである。また、以下で記載する「前面」、「背面」も、図1における図面視における前面、背面に相当するものである。
プロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、形成した画像光をスクリーン(図示略)上に拡大投射する。このプロジェクタ1は、図1に示すように、外装を構成する外装筐体2を備える。
外装筐体2は、プロジェクタ1の装置本体を収納する。この外装筐体2は、図1に示すように、プロジェクタ1の天面、前面、背面、および側面をそれぞれ構成するアッパーケース21と、プロジェクタ1の底面、前面、背面、および側面をそれぞれ構成するロアーケース22とを備える。
アッパーケース21において、天面には、図1に示すように、投射位置調整装置5を構成する第1のダイアル111および第2のダイアル121が露出している。
そして、利用者により各ダイアル111,121が回転操作されることで、投射レンズ3が上下方向および左右方向に動き、スクリーン上の投影画像の位置(投射位置)が調整されることとなる。
なお、投射位置調整装置5の詳細な構造については、後述する。
〔内部構成〕
図2は、外装筐体2の内部に収容される装置本体を模式的に示す図である。
外装筐体2の内部には、図2に示す装置本体が収納されている。そして、この装置本体は、投射光学装置としての投射レンズ3と、光学ユニット4と、投射位置調整装置5等を備える。
なお、具体的な図示は省略したが、外装筐体2内において、各部材3〜5以外の空間には、プロジェクタ1内部を冷却する冷却ファン等を備えた冷却ユニット、プロジェクタ1の各構成部材に電力を供給する電源ユニット、プロジェクタ1の各構成部材の動作を制御する制御装置等が配置されるものとする。
〔投射レンズの構成〕
投射レンズ3は、図1に示すように、外装筐体2の前面略中央部分から先端が露出し、光学ユニット4にて形成された画像光をスクリーン上に拡大投射する。
この投射レンズ3は、具体的な図示は省略したが、鏡筒31(図5参照)内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成されている。
また、この投射レンズ3は、鏡筒31の基端側に形成された3つの取付用突起部311(図5参照)にて投射位置調整装置5と接続し、投射位置調整装置5に支持される。
〔光学ユニットの構成〕
光学ユニット4は、前記制御装置による制御の下、光源から射出された光束を光学的に処理して画像情報に対応した画像光を形成する。この光学ユニット4は、図2に示すように、光源装置41と、照明光学装置42と、色分離光学装置43と、リレー光学装置44と、光学装置45と、これら各光学部品41〜45を収納する光学部品用筐体46とを備える。
光源装置41は、図2に示すように、光源411およびリフレクタ412等を備える。そして、光源装置41は、光源411から射出された光束がリフレクタ412によって射出方向が揃えられ、照明光学装置42に向けて光束を射出する。
照明光学装置42は、図2に示すように、第1レンズアレイ421、第2レンズアレイ422、偏光変換素子423、および重畳レンズ424を備える。そして、光源装置41から射出された光束は、第1レンズアレイ421によって複数の部分光束に分割され、第2レンズアレイ422の近傍で結像する。第2レンズアレイ422から射出された各部分光束は、その中心軸(主光線)が偏光変換素子423の入射面に垂直となるように入射し、偏光変換素子423にて略1種類の直線偏光光として射出される。偏光変換素子423から直線偏光光として射出され、重畳レンズ424を介した複数の部分光束は、光学装置45の後述する3枚の液晶パネル451上で重畳する。
色分離光学装置43は、図2に示すように、2枚のダイクロイックミラー431,432、および反射ミラー433を備え、これらのダイクロイックミラー431,432、反射ミラー433により照明光学装置42から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有する。
リレー光学装置44は、図2に示すように、入射側レンズ441、リレーレンズ443、および反射ミラー442,444を備え、色分離光学装置43で分離された色光、例えば、赤色光を光学装置45の後述する赤色光側の液晶パネル451Rまで導く機能を有する。
光学装置45は、入射した光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成する。この光学装置45は、図2に示すように、3つの光変調装置としての液晶パネル451(赤色光側の液晶パネルを451R、緑色光側の液晶パネルを451G、青色光側の液晶パネルを451Bとする)と、各液晶パネル451の光路前段側に配置される入射側偏光板452と、各液晶パネル451の光路後段側に配置される射出側偏光板453と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム454とを備える。
3つの入射側偏光板452は、色分離光学装置43で分離された各光束のうち、偏光変換素子423で揃えられた偏光方向と略同一の偏光方向を有する偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、透光性基板上に偏光膜が貼付されて構成されている。
3つの液晶パネル451は、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有し、前記制御装置からの駆動信号に応じて、前記液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板452から射出された偏光光の偏光方向を変調する。
3つの射出側偏光板453は、入射側偏光板452と略同様の機能を有し、液晶パネル451を介して射出された光束のうち、一定方向の偏光光を透過し、その他の光束を吸収する。
クロスダイクロイックプリズム454は、射出側偏光板453から射出された色光毎に変調された各色光を合成してカラー画像を形成する。このクロスダイクロイックプリズム454は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、液晶パネル451Gから射出され射出側偏光板453を介した色光を透過し、液晶パネル451R,451Bから射出され各射出側偏光板453を介した各色光を反射する。このようにして、各色光が合成されて画像光が形成される。そして、クロスダイクロイックプリズム454で形成された画像光は、投射レンズ3に射出される。
〔投射位置調整装置の構成〕
図3および図4は、投射位置調整装置5の構造を示す斜視図である。具体的に、図3は、投射位置調整装置5を前面側から見た斜視図であり、図4は、投射位置調整装置5を背面側から見た斜視図である。
投射位置調整装置5は、投射レンズ3を支持し、投射レンズ3を上下方向および左右方向に移動させることで、投射レンズ3の投射位置を調整する。この投射位置調整装置5は、図3または図4に示すように、レンズ接続部6と、第1の移動板7と、第2の移動板8(図3)と、固定部材9と、第1の調整駆動部11と、第2の調整駆動部12(図3)と、4つの連結部材13(図4)とを備える。
〔レンズ接続部の構成〕
図5は、レンズ接続部6および第1の移動板7を前面側から見た分解斜視図である。
レンズ接続部6は、投射レンズ3が接続される部材である。このレンズ接続部6は、図5に示すように、略中央部分にレンズ挿通孔611を有する板状部61と、レンズ挿通孔611の周縁部分から板状部61の背面側に延出する円形枠状の張出部62とを備える。
レンズ挿通孔611は、前面側に位置し鏡筒31の外径寸法よりも大きい寸法を有する第1レンズ挿通孔6111と、背面側に位置し鏡筒31の外径寸法と略同一の寸法を有する第2レンズ挿通孔6112とで構成され、前面側から背面側にかけて段付き状に形成されている。
ここで、第2レンズ挿通孔6112の内周には、3つの取付用突起部311に対応して、3つの取付用凹部6112Aが形成されている。
3つの取付用凹部6112Aは、第1レンズ挿通孔6111の内周と略面一となるように前面側から背面側にかけて切り欠かれ、さらに、レンズ挿通孔611の中心軸を中心として前面側から見て時計回りに切り欠かれた略L字形状を有している。
以上の構成により、3つの取付用凹部6112Aに3つの取付用突起部311を合わせた状態で投射レンズ3をレンズ挿通孔611に挿通し、投射レンズ3を前面側から見て時計回りに回転させることで、レンズ接続部6に対して投射レンズ3が接続される。すなわち、投射レンズ3およびレンズ接続部6は、いわゆるバヨネット式の構造で接続される。
そして、レンズ接続部6は、レンズ挿通孔611を囲む4つの位置で固定ねじ6Aにより第1の移動板7の前面側に固定される。
〔第1の移動板の構成〕
第1の移動板7は、図5に示すように、平面視略矩形状の板体で構成され、背面側の端面が固定部材9に当接しつつ、上下方向(第1の軸方向)および左右方向(第2の軸方向)に移動可能に構成されている。そして、第1の移動板7は、レンズ接続部6を介して投射レンズ3を支持し、移動することで、投射レンズ3を上下方向および左右方向に移動させる。
この第1の移動板7において、略中央部分には、鏡筒31の外径寸法と略同一の寸法を有し、鏡筒31の基端部分を挿通可能とする開口部71が形成されている。
また、第1の移動板7において、右側面の上下方向略中央部分には、2つの突起部72Aが形成されている。そして、各突起部72A間は、第1の調整駆動部11を構成する後述する第1のスライダ113と係合するための係合用凹部72として機能する。
さらに、第1の移動板7において、背面側の端面には、係合用凹部72に近接する右側に位置し、上下方向に沿って延び、第2の移動板8と係合する2つの第1の案内係合孔73(図10、図12参照)が形成されている。
また、第1の移動板7において、背面側の端面の四隅位置には、筒状の連結用突起部74がそれぞれ形成されている。なお、具体的な図示は省略したが、各連結用突起部74の内周面には、連結部材13の後述する固定ねじ135と螺合するためのねじ溝が形成されている。また、各連結用突起部74の上下両側には、水平面(上下方向に直交する面)に沿う平坦面741(図5,図11,図13参照)が形成されている。
〔第2の移動板の構成〕
図6は、第2の移動板8、固定部材9、第1の調整駆動部11、および第2の調整駆動部12を前面側から見た分解斜視図である。
第2の移動板8は、図6に示すように、平面視略十字形状の板体で構成され、第1の移動板7および固定部材9の間で第1の移動板7および固定部材9に当接しつつ、左右方向に移動可能に構成されている。そして、第2の移動板8は、第1の移動板7と係合し、移動することで第1の移動板7を左右方向に移動させる。
この第2の移動板8において、略中央部分には、左右方向の寸法が第1の移動板7の開口部71の内径寸法と略同一で上下方向に延びる略楕円形状を有し、鏡筒31の基端部分を挿通可能とする開口部81が形成されている。
また、第2の移動板8において、上下の各張出部分における前面側の端面には、2つの第1の案内係合孔73に対応して、各第1の案内係合孔73に挿通する円柱状の2つの第1の案内突起部82が形成されている。
さらに、第2の移動板8において、左側の張出部分における前面側の端面には、第2の調整駆動部12を構成する後述する第2のスライダ123と係合するための円柱状の係合突起部83が形成されている。
また、第2の移動板8において、左右の張出部分における背面側の端面には、係合突起部83の中心軸に略直交し左右方向に沿う直線L(図14、図16参照)上に位置し、左右方向に沿って延び、固定部材9と係合する第2の案内突起部84(図14、図16参照)がそれぞれ形成されている。
〔固定部材の構成〕
固定部材9は、プロジェクタ1内部に固定され、投射位置調整装置5全体を支持する部材である。この固定部材9は、図6に示すように、固定部材本体9Aと、2つの挟装部材9Bとを備える。
固定部材本体9Aは、図6に示すように、平面視略矩形状の板体で構成されている。
この固定部材本体9Aにおいて、略中央部分には、第2の移動板8の開口部81と略同一の形状を有し、鏡筒31の基端部分を挿通可能とする開口部91が形成されている。
また、固定部材本体9Aにおいて、前面側の端面の四隅位置には、平面視矩形形状を有し、前面側に膨出する膨出部92がそれぞれ形成されている。
ここで、固定部材本体9Aにおいて、背面側の端面には、図4に示すように、各膨出部92の形成位置に対応して、前面側に窪む平面視矩形状の凹部921が形成されている。すなわち、各膨出部92は、背面側が開口した容器状に形成され、内部に連結部材13を収納可能に構成されている。
また、膨出部92の先端部分には、図6に示すように、内部の開口寸法よりも小さい寸法を有する開口部922が形成されている。
すなわち、膨出部92には、凹部921および開口部922により、背面側よりも前面側の径寸法が小さく段部923Aを有する段付き状の連結用挿通孔923が形成されている(図11,図13,図15,図17参照)。この連結用挿通孔923は、第1の移動板7の連結用突起部74が挿通される孔である。
さらに、膨出部92の先端部分は、投射方向に略直交する平面で形成されている。
以上の構成により、第1の移動板7は、各連結用突起部74が各連結用挿通孔923に挿通された状態で、背面側の端面が膨出部92の先端部分の端面に当接することとなる。
さらに、固定部材本体9Aにおいて、前面側の端面には、上方側の各膨出部92間を架設する上方側架設部93、および下方側の各膨出部92間を架設する下方側架設部94が形成されている。
また、固定部材本体9Aにおいて、前面側の端面における開口部91を挟んで左右両側には、2つの第2の案内突起部84に対応して、各第2の案内突起部84が挿通される2つの第2の案内係合孔95(図14、図16参照)が形成されている。なお、第2の案内係合孔95は、図14または図16に示すように、左右方向の長さ寸法が第2の案内突起部84よりも大きく形成されている。
以上の構成により、第2の移動板8は、各膨出部92、上方側架設部93、および下方側架設部94にて囲まれる空間に遊嵌状態で配置され、各案内係合孔95に各案内突起部84が挿通された状態で、背面側の端面が固定部材本体9Aの前面側の端面に当接することとなる。
さらに、固定部材本体9Aにおいて、左右両側面には、外側に張り出した固定部96がそれぞれ形成されている。各固定部96は、第1の調整駆動部11および第2の調整駆動部12がそれぞれ固定される部分である。
なお、各固定部96は同一の形状を有しているため、以下では、右側の固定部96のみを説明する。
固定部96における前面側の端面には、略中央部分に、略矩形枠形状を有し、第1の調整駆動部11の後述する第1のレール部材115が嵌合する嵌合部961が形成されている。
この嵌合部961の内側には、固定部96の前面側および背面側の各端面を貫通し、上下に沿って並設された3つの円孔962(図7参照)が形成されている。
また、各円孔962周縁には、径寸法が円孔962の径寸法よりも大きい円形枠形状を有し、第1の調整駆動部11の後述する第1のコイルばね116を収納する収納突出部963(図6、図7参照)が形成されている。
また、固定部96において、嵌合部961の上下両側には、前面側に向けて嵌合部961よりも大きく突出し、挟装部材9Bを固定するための一対の挟装部材固定部964がそれぞれ形成されている。なお、図6では、下方側に形成された一対の挟装部材固定部964のみが図示されている。
また、固定部材本体9Aにおいて、上方側端面の左右両側には、水平面に沿って延出する平面視略矩形状のダイアル支持部97がそれぞれ形成されている。これらダイアル支持部97は、各ダイアル111,121が載置される部分である。そして、ダイアル支持部97の上方側からフック971にダイアル取付部材98を係合させることで、各ダイアル111,121がダイアル支持部97に取り付けられる。
これらダイアル支持部97において、略中央部分には、上下に貫通し、各調整駆動部11,12を構成する第1のウォーム112および第2のウォーム122の各一端側が挿通される挿通孔972がそれぞれ形成されている。
2つの挟装部材9Bは、図6に示すように、同一の形状を有する略板状に形成されている。そして、各挟装部材9Bは、固定部材本体9Aの前面側に配設され、各4つの固定ねじ9B1を各挟装部材固定部964に螺合することで、各固定部96とで各調整駆動部11,12の構成部材をそれぞれ挟装する。
〔第1の調整駆動部の構成〕
図7は、第1の調整駆動部11の構造を示す縦断面図である。
第1の調整駆動部11は、利用者の操作により第1の移動板7を上下方向に移動させ、投射レンズ3の投射位置を上下方向に変更させる部分である。この第1の調整駆動部11は、図6または図7に示すように、第1のダイアル111と、第1のウォーム112と、第1のスライダ113と、第1の板ばね部114と、第1のレール部材115と、2つの第1のコイルばね116とを備える。
第1のダイアル111は、その一部がアッパーケース21の天面から露出し、利用者により操作される操作部である。この第1のダイアル111は、図6または図7に示すように、略円柱形状を有し、柱状軸が上下方向に向くようにダイアル支持部97に載置される。
この第1のダイアル111において、上方側端面は、略球面状に窪む凹状に形成されている。そして、上方側端面には、該球面から上方側に突出し、利用者により操作される板状の摘まみ部1111が形成されている。
また、第1のダイアル111において、下方側端面の略中央部分には、図7に示すように、ダイアル支持部97の挿通孔972に挿通し、第1のウォーム112の一端と接続するウォーム接続部1112が形成されている。
第1のウォーム112は、図6または図7に示すように、略円柱形状を有し、外周の一部にねじ山1121が形成されている。この第1のウォーム112は、挟装部材9Bおよび固定部96の間において、挟装部材9B側に位置し、柱状軸が上下方向に向くように配設される。そして、第1のウォーム112は、上方側の一端がウォーム接続部1112に接続し、下方側の他端が下方側の一対の挟装部材固定部964間に接続し、利用者による操作により第1のダイアル111とともに柱状軸を中心として回転する。
第1のスライダ113は、図6または図7に示すように、略直方体状に形成され、第1のウォーム112の背面側に配設されている。そして、第1のスライダ113は、第1のダイアル111および第1のウォーム112の回転力を直線移動力に変換し、第1の移動板7を上下方向に移動させる。
この第1のスライダ113において、第1のウォーム112に対向する前面側の平坦面には、第1のウォーム112に螺合するねじ溝1131が形成されている。すなわち、第1のスライダ113は、ねじ山1121およびねじ溝1131の螺合により、第1のウォーム112の回転に応じて第1のウォーム112の延出方向に沿って上下に移動することとなる。
また、第1のスライダ113において、背面側の端面には、図6に示すように、上下方向に沿って延び、第1のレール部材115と係合する凹条部1132が形成されている。
なお、凹条部1132の詳細な形状については、第2の調整駆動部12の後述する第2のスライダ123と同様の形状であるため、第2の調整駆動部12を説明する際に同時に説明する。
さらに、凹条部1132の底部分には、図7に示すように、第1の板ばね部114を収納するための収納凹部1133が形成されている。
また、第1のスライダ113には、図7に示すように、上下方向略中央部分に、収納凹部1133の底部分と前面側の端面(ねじ溝1131の底部分)とを貫通する貫通孔1134が形成されている。
さらに、第1のスライダ113において、左側面には、第1の移動板7の係合用凹部72に挿通し、係合用凹部72と係合する略直方体状の第1の係合用凸部1135(図6)が形成されている。
第1の板ばね部114は、図6または図7に示すように、平面視矩形形状を有し、収納凹部1133に収納された状態で上下両側が第1のレール部材115に当接し、上下両側を支点として上下方向略中央部分が投射方向に沿って進退する板ばね状に形成されている。
この第1の板ばね部114において、前面側の端面における上下方向略中央部分には、貫通孔1134に挿通する突部1141が形成されている。
そして、第1の板ばね部114は、具体的な図示は省略したが、収納凹部1133に収納され第1のスライダ113とともに上下方向に移動している際に、第1のスライダ113が基準位置近傍に位置すると、第1のウォーム112のねじ山1121における他の部位よりも高さ寸法が大きい当接部にて突部1141が投射方向と反対側に押圧される。また、第1のスライダ113が基準位置に到達すると、前記当接部に形成された凹部に突部1141が係合し、前記当接部による第1の板ばね部114の押圧状態が解除される。この際、突部1141が前記凹部に係合することで、第1のウォーム112に軽い振動が生じる。そして、利用者は、第1のダイアル111を介して第1のウォーム112に生じた振動を感知し、第1のダイアル111の回転操作により、第1のスライダ113が基準位置に到達、すなわち、投射レンズ3が上下方向における基準位置に到達したことを認識する。
なお、前記基準位置は、投射レンズ3の上下方向移動範囲の中心に設定されている。
第1のレール部材115は、図6または図7に示すように、嵌合部961の形状に対応して平面視矩形状の板体で構成され、嵌合部961に嵌合する。そして、第1のレール部材115は、前面側の端面にて第1のスライダ113に係合し、第1のスライダ113の上下方向の移動を案内する。
この第1のレール部材115において、前面側の端面には、図6に示すように、凹条部1132に対応して上下方向に沿って伸び、凹条部1132と係合する凸条部1151が形成されている。
なお、凸条部1151の詳細な形状については、第2の調整駆動部12の後述する第2のレール部材125と同様の形状であるため、第2の調整駆動部12を説明する際に同時に説明する。
また、第1のレール部材115において、背面側の端面には、図7に示すように、3つの円孔962の内径寸法と略同一の外径寸法を有し、3つの円孔962にそれぞれ挿通する円筒状の3つの挿通部1152が形成されている。
なお、具体的な図示は省略したが、各挿通部1152の内周面には、固定ねじ1153と螺合するためのねじ溝が形成されている。そして、第1のレール部材115は、図7に示すように、各円孔962に各挿通部1152を挿通させ、嵌合部961に嵌合させた状態で、2つの固定ねじ1153を上下両側の2つの挿通部1152の先端から螺合することで、固定部96に取り付けられる。
ここで、各挿通部1152は、図7に示すように、収納突出部963の先端部分から円孔962の背面側の縁部までの長さ寸法よりも大きい突出寸法を有するように形成されている。このため、第1のレール部材115は、固定ねじ1153のねじ頭が円孔962の周縁部分に当接した状態では、背面側の端面と収納突出部963の先端部分との間に隙間が生じる。すなわち、第1のレール部材115は、固定部96に取り付けられた状態で、投射方向に沿って前記隙間分だけ移動可能に構成されている。
2つの第1のコイルばね116、図7に示すように、上下両側の2つの挿通部1152が挿通された状態で、上下両側の2つの収納突出部963に収納される。そして、各第1のコイルばね116は、一端が各円孔962の周縁部分に当接し、他端が第1のレール部材115の背面側の端面に当接して、第1のレール部材115を投射方向に付勢する。
〔第2の調整駆動部の構成〕
図8は、第2の調整駆動部12の構造を示す横断面図である。
第2の調整駆動部12は、利用者の操作により第2の移動板8を左右方向に移動させ、該第2の移動板8の移動に第1の移動板7が連動することで、投射レンズ3の投射位置を左右方向に変更させる部分である。この第2の調整駆動部12は、図6または図8に示すように、第2のダイアル121(図6)と、第2のウォーム122と、第2のスライダ123と、第2の板ばね部124(図6)と、第2のレール部材125と、2つの第2のコイルばね126とを備える。
なお、他の部材121,122,124〜126と第1の調整駆動部11の各部材111,112,114〜116とは同一の形状を有しているため、以下では、第2のスライダ123を主に説明し、他の部材121,122,124〜126については説明を省略する。
また、第2のスライダ123を説明した後に、上述したように、第2のレール部材125の凸条部1151の詳細な形状を説明する。
第2のスライダ123は、第2のダイアル121および第2のウォーム122の回転力を直線移動力に変換し、第2の移動板8を左右方向に移動させる。
この第2のスライダ123は、図6または図8に示すように、第1のスライダ113と同様に、ねじ溝1131、凹条部1132、収納凹部1133(図示略)、貫通孔1134(図示略)が形成されている。
ここで、凹条部1132は、図8に示すように、左右方向の幅寸法が背面側に向うにしたがって拡大するように左右方向の両側角部分が面取りされ、斜面1132Aを有している。
また、第2のスライダ123において、右側面には、第2の移動板8の係合突起部83が挿通され、係合突起部83と係合する略直方体状の第2の係合用凸部1235が形成されている。
第2の係合用凸部1235には、前面側および背面側の各端面を貫通し、係合突起部83が挿通される傾斜係合孔1236が形成されている。
この傾斜係合孔1236は、投射方向に直交する面内において、左右方向および上下方向に交差し、左下から右上に向けて延出するように形成されている(図6、図14、図16参照)。
凸条部1151は、図8に示すように、凹条部1132に対応し、左右方向の幅寸法が背面側に向うにしたがって拡大するように左右方向の両側角部分が面取りされ、斜面1151Aを有している。
〔連結部材の構成〕
図9は、第1の移動板7が4つの連結部材13により固定部材9に取り付けられる状態を前面側から見た分解斜視図である。
4つの連結部材13は、図9に示すように、固定部材本体9Aの背面側から各膨出部92内に配設され、各連結用挿通孔923にそれぞれ挿通された各連結用突起部74と、各連結用挿通孔923の段部923Aとに接続し、第1の移動板7を固定部材9に取り付ける。これら連結部材13は、それぞれ同一の構成を有し、第1押え部材131と、第2押え部材132と、付勢部材133と、ワッシャー134と、固定ねじ135とを備える。
第1押え部材131は、連結用挿通孔923の段部923Aに当接する部材であり、略矩形板状に形成されている。なお、第1押え部材131は、左右方向(長辺方向)の長さ寸法が凹部921の左右方向の開口寸法(段部923Aの左右方向の寸法)と略同一に設定され、上下方向(短辺方向)の長さ寸法が凹部921の上下方向の開口寸法(段部923Aの上下方向の寸法)よりも小さく設定されている(図11,図13,図15,図17参照)。
この第1押え部材131において、略中央部分には、左右方向に延びる略矩形形状を有し、連結用突起部74が挿通される第1挿通孔1311が形成されている。この第1挿通孔1311は、上下方向の内径寸法が連結用突起部74の上下方向の外径寸法(各平坦面741間の寸法)と略同一に設定され、左右方向の内径寸法が連結用突起部74の左右方向の外径寸法よりも大きく設定されている(図11,図13,図15,図17参照)。
第2押え部材132は、第1押え部材131における背面側の端面に当接する部材であり、背面側が開口した有底円筒状に形成されている。
この第2押え部材132において、底部分には、連結用突起部74の外径寸法と略同一の内径寸法を有し、連結用突起部74が挿通される第2挿通孔1321が形成されている。
付勢部材133は、コイルばねで構成され、連結用突起部74が挿通された状態で第2押え部材132内部に配設され、一端が第2押え部材132の底部分に当接し、他端がワッシャー134に当接する。そして、付勢部材133は、第2押え部材132に対してワッシャー134を離間する方向に付勢する。
そして、連結用突起部74が連結用挿通孔923、第1押え部材131、第2押え部材132、付勢部材133に挿通された状態で、ワッシャー134を介して固定ねじ135を連結用突起部74の先端から螺合することで、付勢部材133の付勢力により、各押え部材131,132が連結用挿通孔923の段部923Aに押圧されるとともに、ワッシャー134、固定ねじ135、および連結用突起部74が背面側に押圧される。すなわち、第1の移動板7が背面側に引き込まれ、固定部材9に対して取り付けられる。
なお、連結用突起部74、ワッシャー134、および固定ねじ135は、一体化することで、一端側(背面側)に対して他端側(前面側)の断面積が小さく段部(ワッシャー134)を有する段付き状に形成され、連結用挿通孔923に挿通した状態で前面側が第1の移動板7に接続する本発明に係る接続部材136(図11,図13,図15,図17参照)に相当するものである。
また、第1押え部材131、第2押え部材132、および付勢部材133は、ワッシャー134および連結用挿通孔923の段部923A間に配置され、ワッシャー134および段部923Aを離間する方向に付勢し、第1の移動板7を膨出部92に当接させる本発明に係る介装部材137(図11,図13,図15,図17参照)に相当するものである。
〔投射位置調整装置の動作〕
次に、上述した投射位置調整装置5の動作を説明する。
なお、以下では、第1の調整駆動部11による第1の移動板7の上下動作、および第2の調整駆動部12による各移動板7,8の左右動作を順に説明する。
〔上下動作〕
図10ないし図13は、上下動作を説明するための図である。具体的に、図10および図11は第1の移動板7が上方側に移動した状態を示す図であり、図12および図13は第1の移動板7が下方側に移動した状態を示す図である。また、図10(A),図12(A)は前面側から見た図であり、図10(B),図12(B)はそれぞれ図10(A)のX-X線、図12(A)のXII-XII線の断面図である。さらに、図11および図13は、4つの連結部材13のうち左上方側の連結部材13の状態を示す縦断面図である。
なお、図10および図12では、説明の便宜上、投射レンズ3およびレンズ接続部6を省略している。
図10および図12に示すように、投射位置調整装置5が組み立てられた状態では、第1の係合用凸部1135と係合用凹部72とが係合しているため、利用者により第1のダイアル111が回転操作されると、第1のスライダ113に連動して、第1の移動板7が上下方向に移動する。この際、第1の移動板7は、各第1の案内係合孔73の内周が第2の移動板8に形成された各第1の案内突起部82の外周に摺接し、上下方向の移動が案内される。
そして、第1の移動板7が上下方向に移動することで、レンズ接続部6を介して第1の移動板7に接続した投射レンズ3の投射位置が上下方向に変更される。
ここで、連結部材13において、第1押え部材131および第2押え部材132は、図11または図13に示すように、各挿通孔1311,1321の上下両側が連結用突起部74の外面(平坦面741)に当接しているため、連結用挿通孔923の段部923Aに摺接しながら、第1の移動板7の上下方向の移動に連動する。
また、第1押え部材131は、第1挿通孔1311の内面に連結用突起部74における各平坦面741が当接しているため、投射方向に直交する平面内で回転することなく、段部923Aに摺接しながら、第1の移動板7の上下方向の移動に連動する。
〔左右動作〕
図14ないし図17は、左右動作を説明するための図である。具体的に、図14および図15は第2の移動板8が左側に移動した状態を示す図であり、図16および図17は第2の移動板8が右側に移動した状態を示す図である。また、図14(A),図16(A)は前面側から見た図であり、図14(B),図16(B)はそれぞれ図14(A)のXIV-XIV線(直線L)、図16(A)のXVI-XVI線(直線L)の断面図である。さらに、図15および図17は、4つの連結部材13のうち左上方側の連結部材13の状態を示す横断面図である。
なお、図14および図16では、説明の便宜上、投射レンズ3およびレンズ接続部6の他、第1の移動板7および第1のスライダ113を省略している。
図14に示すように、投射位置調整装置5が組み立てられた状態では、傾斜係合孔1236と係合突起部83とが係合しているため、利用者により第2のダイアル121が所定方向に回転操作されて第2のスライダ123が上方側に移動すると、傾斜係合孔1236にて係合突起部83が案内され、第2の移動板8が左側に移動する。この際、第2の移動板8は、各第2の案内突起部84の外周が固定部材9に形成された各第2の案内係合孔95の内周に摺接するとともに、上下両端面が固定部材9に形成された各架設部93,94に摺接し、左側の移動が案内される。
また、図16に示すように、利用者により第2のダイアル121が前記所定方向とは反対方向に回転操作されて第2のスライダ123が下方側に移動すると、傾斜係合孔1236にて係合突起部83が案内され、上記とは逆に、第2の移動板8が右側に移動する。
そして、各第1の案内突起部82と各第1の案内係合孔73とが係合しているため、第2の移動板8が左右方向に移動することで、第1の移動板7が第2の移動板8に連動する。この際、第1の移動板7は、係合用凹部72内を第1の係合用凸部1135が進退するように左右方向に移動するため、第1のスライダ113との係合が外れることがない。そして、第1の移動板7の左右方向への移動により、投射レンズ3の投射位置が左右方向に変更される。
ここで、連結部材13において、第1押え部材131は、図15または図17に示すように、第1挿通孔1311が左右方向に延び連結用突起部74の外面よりも大きいトラック孔として構成されているので、第1の移動板7の左右方向の移動に連動することなく、連結用挿通孔923の段部923Aに当接した状態を維持する。一方、第2押え部材131は、第2挿通孔1311の左右両側が連結用突起部74の外面に当接しているため、第1押え部材131の背面側の端面に摺接しながら、第1の移動板7の上下方向の移動に連動する。
上述した実施形態によれば、以下の効果がある。
本実施形態では、投射位置調整装置5は、固定部材9の背面側から固定部材9に対して第1の移動板7を移動可能に連結する4つの連結部材13を備える。このことにより、従来のような第1の移動板および第2の移動板を固定部材とで挟装する補助板を必要とせずに、4つの連結部材13により、第1の移動板7および第2の移動板8を固定部材9に取り付けることができる。
また、連結部材13は、固定部材9に形成された段付き状の連結用挿通孔923に挿通し端部が第1の移動板7に接続する段付き状の接続部材136と、接続部材136のワッシャー134および連結用挿通孔923の段部923A間に配置されワッシャー134および段部923Aを離間する方向に付勢して第1の移動板7を膨出部92に当接させる介装部材137とを備える。このことにより、従来のような第1の移動板および第2の移動板間に配設される複数の付勢部材を必要とせずに、連結部材13により固定部材9(4つの膨出部92)に対して第1の移動板7を付勢して当接させることができる。
以上のように、本実施形態では、従来のような補助板や複数の付勢部材を省略して部材点数を削減でき、投射位置調整装置5の小型・軽量化が図れる。
さらに、第1の移動板7を複数の連結部材13により固定部材9(4つの膨出部92)に当接させているので、第1の移動板7のガタつき(第1の移動板7に支持される投射レンズ3のガタつき)を防止できる。すなわち、投射位置調整装置5により投射レンズ3を移動させた場合であっても、投射レンズ3のバックフォーカス位置のずれを回避し、プロジェクタ1から投射される投影画像のフォーカス精度を安定に維持できる。
また、介装部材137は、2つの各押え部材131,132と、付勢部材133とを備える。そして、第1押え部材131を上下方向にのみ移動させる構成としている。このことにより、連結用挿通孔923の段部923Aにおける左右方向の大きさとしては、第1の移動板7の左右方向の移動範囲を考慮する必要がなく、小さく設定できる。また、第1押え部材131の左右方向の大きさも段部923Aにおける左右方向の大きさと略同一に設定できる。さらに、第2押え部材132としては、第1押え部材131に対して移動する際に、第1挿通孔1311を踏み外さないだけの寸法を有していればよい。
したがって、押え部材を各押え部材131,132の2つで構成することで、押え部材を1つで構成する場合と比較して、各押え部材131,132および連結用挿通孔923を比較的に小さく形成でき、投射位置調整装置5の小型化が図れる。
また、接続部材136は、その外面に上下方向に直交する一対の平坦面741を有し、一対の平坦面741が第1挿通孔1311に摺接する。このことにより、第1の移動板7の上下方向の移動時において、一対の平坦面741により第1押え部材131が投射方向に直交する面内で回転することなく、第1の移動板7とともに第1押え部材131を上下方向に移動させることができる。したがって、第1の移動板7の上下方向の移動時において、第1押え部材131が回転して段部923Aを踏み外すことがなく、固定部材9に対する第1の移動板7の取付状態を良好に維持できる。
さらに、投射位置調整装置5は、固定部材9に対して前面側(投射方向側)に第1の移動板7が配設され、第1の移動板7の前面側に第2の移動板8や固定部材9が存在しない構成とされている。このことにより、投射方向側から投射レンズ3を第1の移動板7およびレンズ接続部6に対して着脱自在とする構成を採用できる。したがって、投射レンズ3の交換を容易に実施でき、利便性の向上が図れる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態において、各調整駆動部11,12の構成は、前記実施形態で説明した構成に限らない。例えば、各調整駆動部として、ウォーム112,122等を用いずに、従来のような複数のギアやリンク等で構成してもよい。
また、前記実施形態では、各調整駆動部11,12を用いて、第1の移動板7を上下方向に移動させ、第2の移動板8を左右方向に移動させる構成としたが、これに限らない。例えば、第1の調整駆動部を駆動することで第1の移動板を左右方向に移動させ、第2の調整駆動部を駆動することで第2の移動板を上下方向に移動させる構造を採用してもよい。
前記実施形態では、第1押え部材131は、第1の移動板7とともに上下方向にのみ移動する構成としていたが、これに限らない。例えば、第1押え部材は、第1の移動板7とともに左右方向にのみ移動する構成としてもよい。この際、第1押え部材としては、上下方向の長さ寸法を連結用挿通孔923の上下方向の開口寸法と略同一に設定し、左右方向の長さ寸法を連結用挿通孔923の左右方向の開口寸法よりも小さく設定すればよい。
また、付勢部材133により段部923Aに向けて付勢される押え部材を、第1押え部材131および第2押え部材132の2つで構成していたが、一部材で構成してもよい。
前記実施形態では、連結部材13は、4つで構成されていたが、これに限らず、2つ、3つ、あるいは、5つ以上で構成してもよい。
前記実施形態では、接続部材136は、連結用突起部74、ワッシャー134、および固定ねじ135で構成していたが、これに限らず、第1の移動板7に接続する他端側に対して一端側の断面積が大きい形状を有していればよい。例えば、連結用突起部74およびワッシャー134を省略し、固定ねじ135のみで接続部材136を構成してもよい。
前記実施形態では、介装部材137は、第1押え部材131、第2押え部材132、および付勢部材133の3つで構成していたが、これに限らず、弾性を有する円筒状のゴム等で構成された一部材で構成してもよい。
前記実施形態では、連結用挿通孔923は、矩形状の開口として構成されていたが、これに限らず、膨出部92の側面を切り欠いた前面側または背面側から見てコ字状の切り欠きとして構成してもよい。
前記実施形態では、第1の移動板7は、固定部材9に対して前面側に配設されていたが、これに限らず、固定部材9に対して背面側に配設してもよい。
前記実施形態では、光変調装置として、透過型の液晶パネルを採用していたが、これに限らず、反射型の液晶パネル、あるいは、DMD(Digital Micromirror Device)(米国テキサスインスツルメント社の商標)等を採用してもよい。
前記各実施形態では、フロント投射型のプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを備え、該スクリーンの裏面側から投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
本発明は、投射位置を調整した場合であっても投影画像のフォーカス精度を安定に維持できるとともに、小型・軽量化が図れるため、プレゼンテーションやホームシアタに用いられるプロジェクタに利用できる。
本実施形態におけるプロジェクタの外観を示す斜視図。 前記実施形態における外装筐体の内部に収容される装置本体を模式的に示す図。 前記実施形態における投射位置調整装置の構造を示す斜視図。 前記実施形態における投射位置調整装置の構造を示す斜視図。 前記実施形態におけるレンズ接続部および第1の移動板を前面側から見た分解斜視図。 前記実施形態における第2の移動板、固定部材、第1の調整駆動部、および第2の調整駆動部を前面側から見た分解斜視図。 前記実施形態における第1の調整駆動部の構造を示す縦断面図。 前記実施形態における第2の調整駆動部の構造を示す横断面図。 前記実施形態における第1の移動板が4つの連結部材により固定部材に取り付けられる状態を前面側から見た分解斜視図。 前記実施形態における上下動作を説明するための図。 前記実施形態における上下動作を説明するための図。 前記実施形態における上下動作を説明するための図。 前記実施形態における上下動作を説明するための図。 前記実施形態における左右動作を説明するための図。 前記実施形態における左右動作を説明するための図。 前記実施形態における左右動作を説明するための図。 前記実施形態における左右動作を説明するための図。
符号の説明
1・・・プロジェクタ、3・・・投射レンズ(投射光学装置)、5・・・投射位置調整装置、7・・・第1の移動板、8・・・第2の移動板、9・・・固定部材、11,12・・・調整駆動部、13・・・連結部材、131・・・第1押え部材、132・・・第2押え部材、133・・・付勢部材、134・・・ワッシャー(段部)、136・・・接続部材、137・・・介装部材、741・・・平坦面、923・・・連結用挿通孔、923A・・・段部、1311・・・第1挿通孔、1321・・・第2挿通孔。

Claims (4)

  1. 画像光を拡大投射する投射光学装置と、前記投射光学装置を投射方向に直交する面内で移動させ前記投射光学装置の投射位置を調整する投射位置調整装置とを備えたプロジェクタであって、
    前記投射位置調整装置は、
    当該プロジェクタ内部に固定される固定部材と、前記投射光学装置を支持し前記投射方向に直交する面内で互いに直交する第1の軸方向および第2の軸方向に移動する第1の移動板と、前記固定部材および前記第1の移動板間に介装され前記第1の移動板に係合して前記第1の移動板とともに前記第2の軸方向に移動する第2の移動板と、前記第1の移動板および前記第2の移動板を移動させる調整駆動部と、前記固定部材に対して前記第1の移動板を移動可能に連結する複数の連結部材とを備え、
    前記固定部材には、前記第1の移動板と離間する側よりも前記第1の移動板に近接する側の径寸法が小さく段部を有する段付き状の連結用挿通孔が形成され、
    前記連結部材は、
    一端側に対して他端側の断面積が小さく段部を有する段付き状に形成され、前記連結用挿通孔に挿通した状態で前記他端が前記第1の移動板に接続する接続部材と、
    前記接続部材の段部および前記連結用挿通孔の段部間に配置され、前記接続部材の段部および前記連結用挿通孔の段部を離間する方向に付勢し、前記第1の移動板を前記固定部材に当接させる介装部材とを備える
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記介装部材は、
    前記接続部材が挿通され前記各軸方向のうちいずれか一方の軸方向に前記接続部材が移動可能とする第1挿通孔を有し、前記連結用挿通孔の段部に当接しつつ前記第1の移動板とともに他方の軸方向に移動する第1押え部材と、
    前記接続部材が挿通される第2挿通孔を有し、前記第1押え部材とともに前記他方の軸方向に移動するとともに、前記第1押え部材に当接しつつ前記第1押え部材に対して前記第1の移動板とともに前記一方の軸方向に移動する第2押え部材と、
    前記第2押え部材および前記接続部材の段部間に配置され、前記第2押え部材および前記接続部材の段部を離間する方向に付勢する付勢部材とを備える
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記第1挿通孔は、長辺方向が前記一方の軸方向に沿う略矩形形状を有し、
    前記接続部材の外面には、互いに対向し前記他方の軸方向に直交する一対の平坦面が形成され、
    前記接続部材は、前記一対の平坦面が前記第1挿通孔に摺接する
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記第1の移動板は、前記固定部材に対して投射方向側に配設されている
    ことを特徴とするプロジェクタ。
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