JP3913685B2 - レンズシフト機構及び投写型映像表示装置 - Google Patents

レンズシフト機構及び投写型映像表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、レンズシフト機構及び投写型映像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は3板式カラー液晶プロジェクタの光学系を例示した図である。光源101の発光部は、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等から成り、その照射光はパラボラリフレクタによって平行光となって出射され、インテグレータレンズ102へと導かれる。
【0003】
インテグレータレンズ102は一対のレンズ群にて構成されており、個々のレンズ対が光源101から出射された光を液晶ライトバルブ111,112,113の全面へ導くようになっている。インテグレータレンズ102を経た光は、第1ダイクロイックミラー103へと導かれる。
【0004】
第1ダイクロイックミラー103は、赤色波長帯域の光を透過し、シアン(緑+青)の波長帯域の光を反射する。第1ダイクロイックミラー103を透過した赤色波長帯域の光は、全反射ミラー104にて反射されて光路を変更される。全反射ミラー104にて反射された赤色光はコンデンサレンズ108を経て赤色光用の透過型の液晶ライトバルブ111を透過することによって光変調される。一方、第1ダイクロイックミラー103にて反射したシアンの波長帯域の光は、第2ダイクロイックミラー105に導かれる。
【0005】
第2ダイクロイックミラー105は、青色波長帯域の光を透過し、緑色波長帯域の光を反射する。第2ダイクロイックミラー105にて反射した緑色波長帯域の光はコンデンサレンズ109を経て緑色光用の透過型の液晶ライトバルブ112に導かれ、これを透過することによって光変調される。また、第2ダイクロイックミラー105を透過した青色波長帯域の光は、全反射ミラー106,107、及びコンデンサレンズ110を経て青色光用の透過型の液晶ライトバルブ113に導かれ、これを透過することによって光変調される。
【0006】
各液晶ライトバルブ111,112,113は、入射側偏光板と、一対のガラス基板(画素電極や配向膜を形成してある)間に液晶を封入して成るパネル部と、出射側偏光板とを備えて成る。液晶ライトバルブ111,112,113を経ることで変調された変調光(各色映像光)は、ダイクロイックプリズム114によって合成されてカラー映像光となる。このカラー映像光は、投写レンズユニット115によって拡大投写され、スクリーン上に投影表示される。
【0007】
このような液晶プロジェクタにおいて、本体をそのままに投写映像を上下に移動させたり、投写映像が台形状になるのを軽減するレンズシフト機構を設けたものが知られている(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−138377号公報
【0009】
図6は投写レンズユニット115を上下方向に移動させるためのレンズシフト機構を例示した斜視図である。
【0010】
投写レンズユニット115が固定される移動ベース121の四隅には滑り軸受け121aが設けられており、これら滑り軸受け121aにガイドシャフト122が挿通され、移動ベース121はガイドシャフト122に沿って上下方向に案内される。移動ベース121の側部には板部材121bが固着されている。この板部材121bにはねじ穴が形成されており、このねじ穴に昇降シャフト123の雄ねじ部123aが螺合されている。ねじシャフト123はその回転のみが許され、上下移動等が生じないように軸受け124によって上部及び下部が支持されている。前記軸受け124や前記ガイドシャフト122は固定ベース129に固定されている。ねじシャフト123の下端部にはウオームギア125が固着されており、このウオームギア125にモータ127の回転軸に固着されたウオームねじ126が螺合している。前記モータ127の回転軸が回転することでねじシャフト123が回転して板部材121bが昇降し、この板部材121bに連結されている移動ベース121が昇降する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記レンズシフト機構においては、移動ベース121の昇降を円滑に行なうために、ガイドシャフト122はステンレス鋼などの金属製で滑らかに研削されたものが用いられ、また、軸受け121aはポリアセタール(POM)などの樹脂やオイルレスベアリングを用いている。しかしながら、移動ベース121の昇降時の軸振れを低減するためには、ガイドシャフト122と軸受け121aの隙間を少なくする必要があり、更に、移動ベース121の基準面から4個の軸受け121aまでの寸法と平行度、及び固定ベース129の基準面からガイドシャフト122までの寸法と平行度に高い精度が求められることになり、これらの公差を小さくしていくと、部品のばらつき、及び累積誤差によって移動ベース121の昇降が円滑に行なわれないことが生じる。
【0012】
そして、上記従来構成のレンズシフト機構によって投写レンズユニット115の上下左右の移動を実現しようとすれば、移動ベース121、ガイドシャフト122、滑り軸受け121a、ねじシャフト123等の構成要素が昇降用と左右シフト用の2組必要になり、これら2組の機構は2層的に設けられる構造となるため、レンズシフト機構が大型化する。
【0013】
この発明は、上記の事情に鑑み、大型化を招来することなく投写レンズユニットを上下左右にシフトさせることができ、また、シフト操作も容易にし得るレンズシフト機構及びこのレンズシフト機構を備えた投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明のレンズシフト機構は、上記課題を解決するために、映像投写を行う投写レンズユニットをその光軸に対して直交する方向にシフトさせるレンズシフト機構において、前記投写レンズユニットが固定されるレンズ取付部材と、シャーシに固定されると共に、レンズ取付部材を第1のシフト方向あるいは第2のシフト方向に移動自在に収納挟持する固定側板材と、前記レンズ取付部材に係合する第1係合部材と、固定側板材に設けられ、第1係合部材に係合すると共に、第1回転軸の回転力を直線移動力に変換して第1係合部材を介してレンズ取付部材を第1のシフト方向に移動させる第1の駆動機構と、前記レンズ取付部材に係合する第2係合部材と、固定側板材に設けられ、第2係合部材に係合すると共に、第2回転軸の回転力を直線移動力に変換して第2係合部材を介してレンズ取付部材を第2のシフト方向に移動させる第2の駆動機構とを備え、一方の駆動機構によるレンズ取付部材の移動に対して他方の駆動機構における前記係合部材と前記レンズ取付部材との係合が維持されるように構成されていると共に、第1係合部材及び第2係合部材は、前記光軸方向から見て、レンズ取付部材内を移動するように構成されていることを特徴とする(以下、この項において第1の構成という)。
【0015】
上記の構成であれば、第1の駆動機構と第2の駆動機構とを備えたことで投写レンズユニットを上下左右方向に移動させることが可能となる。そして、一方の駆動機構によるレンズ取付部材の移動に対して他方の駆動機構における前記係合部と前記レンズ取付部材との係合が維持されるため、第1駆動機構及び第2駆動機構を前記光軸に対して直交する一つの面上に存在させることができ、レンズシフト機構の小型化(薄型化)を図ることができる。
【0016】
上記第1の構成において、前記第1及び第2係合部材は、夫々シフトする方向と直交する方向に長い平板形状に形成されると共に、前記第1及び第2係合部材に係合するレンズ取付部材には、シフトする方向と直交する方向に、前記第1及び第2係合部材の長さよりも長い長穴が形成され、前記第1及び第2係合部材には、夫々その長手方向の一方の側にねじ穴が形成されると共に、長手方向の他方の側にガイド穴が形成され、前記ねじ穴には夫々前記第1及び第2回転軸を有する移動力付与ねじが螺合し、前記夫々のガイド穴にはガイドシャフトが挿入され、前記夫々の移動力付与ねじの回転にて第1及び第2係合部材が直線移動して前記レンズ取付部材が移動するように構成されていいてもよい。かかる構成においては、前記第1及び第2係合部材は前記長穴内で長手方向移動が許容されることになるため、一方の駆動機構によるレンズ取付部材の移動に対して他方の駆動機構における前記係合部材と前記レンズ取付部材との係合が維持される。前記移動力付与ねじの軸受けは、前記レンズ取付部材と接触する摺動面を有する部材に設けられていてもよい。
【0017】
上記第1の構成において、前記係合部材はシフト方向と直交する方向に配置された回転軸に設けられた一対のピニオンから成り、前記レンズ取付部には前記ピニオンに歯合し且つシフト方向と直交する方向にピニオンの幅より広幅のラック部が形成され、前記第1及び第2回転軸の回転にて前記ピニオンが回転して前記レンズ取付部材が移動するように構成されていてもよい(以下、この項において第2の構成という)。かかる構成においては、
前記ピニオンと前記ラック部との歯合(係合)は歯幅方向の相対位置変化を許容するため、
一方の駆動機構によるレンズ取付部材の移動に対して他方の駆動機構における前記係合部材と前記レンズ取付部材との係合が維持されると共に、前記レンズ取付部材の移動のガイド機能も得られる。
【0018】
上記第2の構成において、前記第1及び第2回転軸に摘まみ部が設けられていてもよい(以下、この項において第3の構成という)。また、上記第2の構成において、前記一対のピニオン間で前記回転軸にウオームホイールが設けられ、前記第1及び第2回転軸を前記ウオームホイールに歯合するウオームギアで構成すると共に、ウォームギアの回転によって前記レンズ取付部材が移動するように構成されていてもよい(以下、この項において第4の構成という)。そして、上記第4の構成において、前記ウオームギアの軸受けは、前記レンズ取付部材と接触する摺動面を有する部材に設けられていてもよい。また、上記第4の構成において、前記ウォームギヤの一端側に摘まみ部が設けられていてもよい(以下、この項において第5の構成という)。ここで、上記第3の構成であれば、シフト方向と前記摘まみ部の操作方向とを合致させて違和感のない操作性を確保することができるが、投写レンズユニットの自重で調節位置が確保できないおそれがある。これに対し、第5の構成であれば、ウォームギヤ及びウォームホイールが介在する構成となるため、投写レンズユニットの自重で調節位置が確保できないといった不具合は生じない。
【0019】
上記第4の構成において、前記ウォームギヤに第1の斜歯歯車が設けられ、前記第1の斜歯歯車に歯合する第2の斜歯歯車の軸に摘まみ部が設けられていてもよい。かかる構成であれば、投写レンズユニットの自重で調節位置が保持できないといった不具合を防止しつつ、シフト方向と前記摘まみ部の操作方向とを合致させて違和感のない操作性を確保することができる。
【0020】
摘まみ部を設けることに替えて、前記第1及び第2回転軸は、モータの回転力が付与さ
れるように構成されていてもよい。
【0021】
また、この発明の投写型映像表示装置は、光源から出射された光をライトバルブにて光変調し投写レンズユニットにて映像投写する投写型映像表示装置において、上述したいずれかのレンズシフト機構を備えたことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、この発明の第1の実施形態のレンズシフト機構及び投写型映像表示装置を図1に基づいて説明する。なお、以下に示す実施形態のレンズシフト機構を備える投写型映像表示装置は、透過型の液晶表示パネルを3枚用いた液晶プロジェクタとしており、その映像光生成光学系については従来例の説明で用いた図5の液晶プロジェクタと同じにしているので、当該光学系の説明については省略し、レンズシフト機構について主に説明していく。
【0023】
図1(a)は図1(b)のA−A矢視断面図であり、図1(b)はレンズシフト機構の正面図であり、図1(c)は図1(b)のB−B矢視断面図である。レンズシフト機構は、第1固定側板材1と、第2固定側板材2と、レンズホルダー3と、駆動機構部4A・4Bとを備えて成る。第2固定側板材2は、基準面となる外面を液晶プロジェクタにおけるシャーシに当接させて固定される。投写レンズユニット5はレンズホルダー3に固定されている。レンズホルダー3は第1固定側板材1と第2固定側板材2とに挟まれており、これらにガイドされて上下左右方向に移動できる。レンズホルダー3の両面及びこれら面に対面する第1固定側板材1及び第2固定側板材2の各内面は摺動面を成している。そして、第1固定側板材1及び第2固定側板材2には投写レンズユニット5の移動許容範囲に対応した大きさの円形貫通穴が形成されている。更に、第2固定側板材2には駆動機構部4A・4Bにおける動作爪41・41の移動を許容する開口が形成されており、レンズホルダー3には前記動作爪41・41が係合される長穴3a・3aが形成されている。
【0024】
第2固定側板材2の縁部には支持部2aが形成されている。支持部2aには第2固定側板材2の面と平行に支持穴2bが形成されており、この支持穴2bに駆動機構部4A・4Bの調整ダイヤル42が挿入されている。調整ダイヤル42は螺子部42aとこの螺子部42aの頭部に設けられた摘まみ部42bとから成る。螺子部42aの胴部にはEリング43が係合されており、調整ダイヤル42の抜け落ちが生じないようにしている。そして、螺子部42aの螺子領域に前記動作爪41が螺合されている。
【0025】
動作爪41はその移動方向と直交する方向に長い平板形状を成しており、その長手方向の一方の側に形成された螺子穴41aには前記螺子部42aが螺合され、長手方向の他方の側に形成されたガイド穴41bには支持部2aから突出するガイドシャフト2cが挿入されている。これにより、駆動機構部4Aにおいては、その調整ダイヤル42を回すことでその動作爪41はC−D方向に移動し、この動作爪41の移動によってレンズホルダー3がC−D方向に移動することになる。動作爪41はその長さよりも長い長穴3aに係合されているため、駆動機構部4B側の動作爪41が前記レンズホルダー3のC−D方向移動の妨げになることはない。同様に、駆動機構部4Bにおいては、その調整ダイヤル42を回すことでその動作爪41はE−F方向に移動し、この動作爪41の移動によってレンズホルダー3がE−F方向に移動することになる。また、同様に、動作爪41はその長さよりも長い長穴3aに係合されているため、駆動機構部4A側の動作爪41が前記レンズホルダー3のE−F方向移動の妨げになることはない。
【0026】
なお、レンズホルダー3を第1固定側板材1側或いは第2固定側板材2側に押しつけるコイルばねや板ばね等を設けることによってレンズホルダー3のガタつきを抑えるようにしてもよい。以下の実施例においても同様である。
【0027】
(実施形態2)
以下、この発明の第2の実施形態のレンズシフト機構及び投写型映像表示装置を図2及び図3に基づいて説明する。図2(a)は側面図(一部断面)であり、図2(b)は正面図(一部破断)である。図3は図2(a)のG矢示部の拡大図である。
【0028】
レンズシフト機構は、第1固定側板材11と、第2固定側板材12と、レンズホルダー13と、駆動機構部14A・14Bとを備えて成る。第2固定側板材12は、基準面となる外面を液晶プロジェクタにおけるシャーシに当接させて固定される。投写レンズユニット15はレンズホルダー13に固定されている。レンズホルダー13は第1固定側板材11と第2固定側板材12とに挟まれており、これらにガイドされて上下左右方向に移動できる。レンズホルダー13の両面及びこれら面に対面する第1固定側板材11及び第2固定側板材12の各内面は摺動面を成している。そして、第1固定側板材11及び第2固定側板材12には投写レンズユニット15の移動許容範囲に対応した大きさの円形貫通穴が形成されている。更に、第2固定側板材2には駆動機構部14A・14Bにおける一対のピニオン141・141に対応した開口が形成されており、レンズホルダー13には前記ピニオン141・141が係合される一対のラック13a・13aが形成されている。ラック13a・13aの幅は投写レンズユニット15の移動許容範囲及びピニオン141の歯幅を考慮して(この実施例ではラック13aの幅はピニオン141の歯幅の2倍以上とする)設定されている。また、前記一対のピニオン141・141及び一対のラック13a・13aを離して設ける(この実施例では20mm以上を確保している)ことで移動力伝達の安定性を向上させている。上記ピニオン141・141は回転軸145に固着されている。回転軸145は第2固定側板材12の表面に設けられた軸受け12cによって回転自在に支持されている。
【0029】
図3にも示しているように、第2固定側板材12の縁部には支持部12aが形成されている。支持部12aには第2固定側板材12の面と平行に支持穴12bが形成されており、この支持穴12bに駆動機構部14A・14Bの調整ダイヤル142が挿入されている。調整ダイヤル142はウォームギヤ部142aとこのウォームギヤ部142aの頭部側に設けられた摘まみ部142bとから成る。ウォームギヤ部142aの胴部にはEリング143が係合されており、調整ダイヤル142の抜け落ちが生じないようにしている。そして、ウォームギヤ部142aのウォームギヤ領域にウォームホイール144が螺合されている。ウォームホイール144は前記回転軸の中央側に固着されている。
【0030】
駆動機構部14Aの調整ダイヤル142を回すことでウォームギヤ部142aが回転してウォームホイール144が回転する。このウォームホイール144が回転することによって回転軸145が回転し、ピニオン141・141が回転する。そして、ピニオン141・141の回転力がラック13a・13aに伝達され、レンズホルダー13がC−D方向に移動することになる。駆動機構部14B側のラック13a・13aの凹凸はC−D方向に存在するため、レンズホルダー13のC−D方向移動を許容すると共にガイド機能を発揮することになる。同様に、駆動機構部14Bの調整ダイヤル142を回すことでウォームギヤ部142aが回転してウォームホイール144が回転する。このウォームホイール144が回転することによって回転軸145が回転し、ピニオン141・141が回転する。そして、ピニオン141・141の回転力がラック13a・13aに伝達され、レンズホルダー13がE−F方向に移動することになる。駆動機構部14A側のラック13a・13aの凹凸はE−F方向に存在するため、レンズホルダー13のE−F方向移動を許容すると共にガイド機能を発揮することになる。
【0031】
なお、以上説明した実施例において、電動モータの回転力が螺子部42aやウォームギヤ部142aに付与される構造を採用することで、電動レンズシフト機構とすることができる。
【0032】
(実施形態3)
以下、この発明の第3の実施形態のレンズシフト機構及び投写型映像表示装置を図4に基づいて説明する。説明の重複による冗長を避けるため、実施形態2と同一の構成要素には同一の符号を付記して説明を省略する。
【0033】
図4に示すレンズシフト機構では、調整ダイヤル142′はウォームギヤ部142aと、このウォームギヤ部142aの頭部側に設けられた第1斜歯歯車142cと、この第1斜歯歯車142cに歯合する第2斜歯歯車142dと、この第2斜歯歯車142dに固着された伝達軸142eと、この伝達軸142eの端部に固着された摘まみ部142bとから成る。前記伝達軸142eは軸受け12d・12dによって支持されている。軸受け12d・12dは第2固定側板材12に設けられている。
【0034】
ここで、ウォームギヤ部142a及びウォームホイール144を用いずに、回転軸145に直接に摘まみ部142bを設ける構造とすることで、摘まみ部142bの操作方向とレンズホルダー13の移動方向とを対応させることができる。しかしながら、かかる構成では、投写レンズユニット15の自重で調節位置が保持できないおそれがある。なお、回転軸145に電動モータの回転力を付与する構造を採用する場合にも同様の不具合が生じるおそれがある。
【0035】
図4に示したレンズシフト機構であれば、ウォームギヤ部142a及びウォームホイール144が介在する構造であるから、重い投写レンズユニットに対してもその調節位置を保持することができる。そして、このようにウォームギヤ部142a及びウォームホイール144を用いつつ、摘まみ部142bの操作方向とレンズホルダー13の移動方向とを合致させることが可能となる。すなわち、投写レンズユニット15を右方向にシフトさせたければ摘まみ部142bに対して右方向の操作力を加えればよく、また、投写レンズユニット15を上方向にシフトさせたければ摘まみ部142bに対して上方向の操作力を加えればよいことになり、利用者は違和感なくレンズシフト操作を行うことができることになる。
【0036】
なお、投写型映像表示装置の構成としては、透過型の液晶表示パネルを3枚用いた映像生成光学系を有するものに限らず、他の映像生成光学系を備える構成としてもよいものである。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、大型化を招来することなく投写レンズユニットを上下左右にシフトさせることができ、また、シフト操作も容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態のレンズシフト機構を示した図であって、同図(a)は同図(b)のA−A矢視断面図であり、同(b)はレンズシフト機構の正面図であり、同図(c)は同図(b)のB−B矢視断面図である。
【図2】この発明の第2の実施形態のレンズシフト機構を示した図であって、同図(a)は側面図(一部断面)であり、同図(b)は正面図(一部破断)である。
【図3】図2(a)のG矢示部の拡大図である。
【図4】この発明の第3の実施形態のレンズシフト機構を示した正面図(一部破断)である。
【図5】一般的な液晶プロジェクタの光学系を示した説明図である。
【図6】従来のレンズシフト機構を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 第1固定側板材
2 第2固定側板材
3 レンズホルダー
4A 駆動機構部
4B 駆動機構部
5 投写レンズユニット
11 第1固定側板材
12 第2固定側板材
13 レンズホルダー
14A駆動機構部
14B駆動機構部
15投写レンズユニット

Claims (11)

  1. 映像投写を行う投写レンズユニットをその光軸に対して直交する方向にシフトさせるレンズシフト機構において、前記投写レンズユニットが固定されるレンズ取付部材と、シャーシに固定されると共に、レンズ取付部材を第1のシフト方向あるいは第2のシフト方向に移動自在に収納挟持する固定側板材と、前記レンズ取付部材に係合する第1係合部材と、固定側板材に設けられ、第1係合部材に係合すると共に、第1回転軸の回転力を直線移動力に変換して第1係合部材を介してレンズ取付部材を第1のシフト方向に移動させる第1の駆動機構と、前記レンズ取付部材に係合する第2係合部材と、固定側板材に設けられ、第2係合部材に係合すると共に、第2回転軸の回転力を直線移動力に変換して第2係合部材を介してレンズ取付部材を第2のシフト方向に移動させる第2の駆動機構とを備え、一方の駆動機構によるレンズ取付部材の移動に対して他方の駆動機構における前記係合部材と前記レンズ取付部材との係合が維持されるように構成されていると共に、第1係合部材及び第2係合部材は、前記光軸方向から見て、レンズ取付部材内を移動するように構成されていることを特徴とするレンズシフト機構。
  2. 請求項1に記載のレンズシフト機構において、前記第1及び第2係合部材は、夫々シフトする方向と直交する方向に長い平板形状に形成されると共に、前記第1及び第2係合部材に係合するレンズ取付部材には、シフトする方向と直交する方向に、前記第1及び第2係合部材の長さよりも長い長穴が形成され、前記第1及び第2係合部材には、夫々その長手方向の一方の側にねじ穴が形成されると共に、長手方向の他方の側にガイド穴が形成され、前記ねじ穴には夫々前記第1及び第2回転軸を有する移動力付与ねじが螺合し、前記夫々のガイド穴にはガイドシャフトが挿入され、前記夫々の移動力付与ねじの回転にて第1及び第2係合部材が直線移動して前記レンズ取付部材が移動するように構成されていることを特徴とするレンズシフト機構。
  3. 請求項2に記載のレンズシフト機構において、前記移動力付与ねじの軸受けは、前記レンズ取付部材と接触する摺動面を有する部材に設けられていることを特徴とするレンズシフト機構。
  4. 請求項1に記載のレンズシフト機構において、前記係合部材はシフト方向と直交する方向に配置された回転軸に設けられた一対のピニオンから成り、前記レンズ取付部には前記ピニオンに歯合し且つシフト方向と直交する方向にピニオンの幅より広幅のラック部が形成され、前記第1及び第2回転軸の回転にて前記ピニオンが回転して前記レンズ取付部材が移動するように構成されていることを特徴とするレンズシフト機構。
  5. 請求項4に記載のレンズシフト機構において、前記第1及び第2回転軸に摘まみ部が設けられていることを特徴とするレンズシフト機構。
  6. 請求項4に記載のレンズシフト機構において、前記一対のピニオン間で前記回転軸にウオームホイールが設けられ、前記第1及び第2回転軸を前記ウオームホイールに歯合するウオームギアで構成すると共に、ウォームギアの回転によって前記レンズ取付部材が移動するように構成されていることを特徴とするレンズシフト機構。
  7. 請求項6に記載のレンズシフト機構において、前記ウオームギアの軸受けは、前記レンズ取付部材と接触する摺動面を有する部材に設けられていることを特徴とするレンズシフト機構。
  8. 請求項6又は請求項7に記載のレンズシフト機構において、前記ウォームギヤの一端側に摘まみ部が設けられていることを特徴とするレンズシフト機構。
  9. 請求項6又は請求項7に記載のレンズシフト機構において、前記ウォームギヤの一端側に第1の斜歯歯車が設けられ、前記第1の斜歯歯車に歯合する第2の斜歯歯車の駆動力伝達軸に摘まみ部が設けられていることを特徴とするレンズシフト機構。
  10. 請求項1乃至請求項4のいずれか又は請求項6に記載のレンズシフト機構において、前記第1及び第2回転軸は、モータの回転力が付与されるように構成されていることを特徴とするレンズシフト機構。
  11. 光源から出射された光をライトバルブにて光変調し投写レンズユニットにて映像投写する投写型映像表示装置において、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のレンズシフト機構を備えていることを特徴とする投写型映像表示装置。
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