JP4432684B2 - 光ディスク記録再生装置、光ピックアップ装置、記録媒体再生装置、記録媒体記録再生装置および光ディスク再生装置 - Google Patents

光ディスク記録再生装置、光ピックアップ装置、記録媒体再生装置、記録媒体記録再生装置および光ディスク再生装置 Download PDF

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Description

本発明は、光ディスク記録再生装置、光ピックアップ装置、記録媒体再生装置、記録媒体記録再生装置および光ディスク再生装置に関し、特に、対物レンズが記録媒体に接触するのを回避するのに適した光ディスク記録再生装置、光ピックアップ装置、記録媒体再生装置、記録媒体記録再生装置および光ディスク再生装置に関する。
従来、光ディスクを再生するための光ピックアップ装置において、CD(Compact Disk)およびDVD(Digital Versatile Disc)の両方の再生が可能となるように、CD用対物レンズとDVD用対物レンズとを切替えて使用するものがあった(たとえば、特許文献1〜特許文献6)。
また、レンズホルダを中心軸周りに回転させて、CD用とDVD用の対物レンズを切替えるものがあった(たとえば、特許文献1〜特許文献4)。
特許文献1から特許文献4までに開示された軸摺動タイプの光ピックアップ装置においては、2つのレンズを搭載した円筒形状のレンズホルダは、中心軸に沿った上下方向への摺動と軸周りの回転が可能である。
そして、摺動によって、レーザダイオードからの光線の焦点をディスク上へ合わせるフォーカシングを行ない、回転によって、ディスクのトラックに光線を追従させるトラッキングを行なう。また、回転によって、2つの対物レンズのうちのいずれかをレーザダイオードからディスクまでの光路上に配置する。
また、近年、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc、以下、「BD」という)が開発された。このBDは、記録再生時におけるディスク表面と対物レンズ底面との距離である作動距離を極端に小さくする必要がある。
特開平8−212574号公報 特開平9−161289号公報 特開2003−263759号公報 特許第3283204号公報 特開平10−302304号公報 特開2004−134056号公報
しかし、2つのレンズを搭載した軸摺動タイプのレンズホルダを備えた光ピックアップ装置において、CD/DVD用の対物レンズとBD用の対物レンズとを切替えてそれぞれのディスクを再生できるようにする場合、BD用の対物レンズの作動距離が極端に小さく、CD/DVDの規格における面ぶれの許容値が0.3mm程度であるため、BDからCD/DVDに切替えるときやCD/DVD使用中に、BD用の対物レンズがディスクと接触する恐れがある。
また、CD/DVDの判別のために、対物レンズを上下方向に摺動させる場合には、BD用の対物レンズがディスクと接触する危険がさらに増加する。
さらに、軸摺動タイプの光ピックアップ装置において、対物レンズの上下方向の位置をそれぞれの対物レンズの作動距離に合わせてコイルに電流を流して保持する場合は、その対物レンズを使用する間、常に電流を流しておく必要があるため、電力を必要以上に消費するといった問題があった。
この発明は上述の問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、記録媒体と対物レンズとの接触の可能性を減少させることが可能な光ディスク記録再生装置、光ピックアップ装置、記録媒体再生装置、記録媒体記録再生装置および光ディスク再生装置を提供することにある。
この発明の他の目的は、作動距離に合わせて対物レンズを保持するのに必要以上に電力を消費しない光ディスク記録再生装置、光ピックアップ装置、記録媒体再生装置、記録媒体記録再生装置および光ディスク再生装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、この発明のある局面に従えば、光ディスク記録再生装置などの記録媒体再生記録装置や光ディスク再生装置などの記録媒体再生装置に備えられた光ピックアップ装置は、コンパクトディスクおよびデジタルバーサタイルディスクなどの第1の記録媒体用の第1の対物レンズとブルーレイディスクなどの第2の記録媒体用の第2の対物レンズとを備えたレンズホルダを有する。
そして、レンズホルダを回転軸周りに回転させることによって、第1の対物レンズおよび第2の対物レンズそれぞれを、使用状態または待機状態に切替える。使用状態は、対物レンズがレーザダイオードなどの光源からディスクまでの光路上に配置された状態である。待機状態は、対物レンズが光路上に配置されていない状態である。
また、第1の対物レンズおよび第2の対物レンズの待機状態におけるディスクとの距離が、それぞれ、第1の作動距離および第2の作動距離よりも長くなるように、回転軸がディスクの記録面の垂直方向からディスクの円周の接線方向に所定角度傾けられる。
第1の作動距離は、第1の対物レンズの使用状態における第1の対物レンズとディスクとの距離である。第2の作動距離は、第2の対物レンズの使用状態における第2の対物レンズとディスクとの距離である。
さらに、第1の作動距離は、第2の作動距離よりも長い。また、コンパクトディスクおよびデジタルバーサタイルディスクの判別のために第1の対物レンズを動かす範囲のうちディスクから最も近い位置に第1の対物レンズがあるときに、レンズホルダとディスクとに所定長さの間隙があることにより、コンパクトディスクおよびデジタルバーサタイルディスクの判別のために第1の対物レンズを動かすときに、レンズホルダがディスクと接触しない。
この発明に従えば、光ピックアップ装置によって、第1の対物レンズの待機状態におけるディスクとの距離が、使用状態における第1の対物レンズとディスクとの距離よりも長い構造であり、第2の対物レンズの待機状態におけるディスクとの距離が、使用状態における第2の対物レンズとディスクとの距離よりも長い構造である。
このため、待機状態において第1の対物レンズおよび第2の対物レンズとディスクとの接触の可能性が減少される。その結果、記録媒体と対物レンズとの接触の可能性を減少させることができる。
また、第1の対物レンズの使用状態におけるディスクとの距離が、第1の作動距離と構造的に同じ距離であり、第2の対物レンズの使用状態におけるディスクとの距離が、第2の作動距離と構造的に同じ距離である。
このため、作動距離に合わせて対物レンズを保持するのに外力を加える必要がない。その結果、作動距離に合わせて対物レンズを保持するのに必要以上に電力を消費しないようにすることができる。
また、第1の対物レンズと第2の対物レンズとの切替えが、ディスクの記録面の垂直方向から傾けられた回転軸周りにレンズホルダを回転することにより行なわれる。
このため、ディスクの記録面の垂直方向で設計された回転軸を傾けるという比較的簡単な設計変更によって、第1の対物レンズおよび第2の対物レンズの待機状態におけるディスクとの距離を、それぞれ、第1の対物レンズおよび第2の対物レンズの作動距離よりも長い構造とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図中同一符号は同一または相当する部材を示し、重複する説明は繰返さない。本発明の実施の形態においては、光ピックアップ装置のレンズホルダに備えられる2つの対物レンズのうち、一方がCD/DVD用であり、他方がBD用である場合について説明する。
しかし、2つの対物レンズは、それぞれ、CD/DVD用およびBD用に限定されず、他の組合せであってもよいし、光ピックアップ装置によって記録再生される他の種類の記録媒体用であってもよい。たとえば、2つの対物レンズが、それぞれ、DVD用およびBD用であってもよいし、DVD用および次世代記録媒体用であってもよいし、BD用および次世代記録媒体用であってもよい。
また、本発明の実施の形態においては、光ピックアップ装置を備えた光ディスク記録再生装置について説明する。しかし、これに限定されず、光ピックアップ装置を備えた光ディスク再生装置に本発明を適用してもよいし、光ピックアップ装置に本発明を適用してもよい。
また、本実施の形態においては、光ディスク用の光ピックアップ装置について説明するが、これに限定されず、光磁気ディスク用の光ピックアップ装置に本発明を適用してもよい。
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける光ディスク記録再生装置1の概略を示すブロック図である。図1を参照して、光ディスク記録再生装置1は、CPU(Central Processing Unit)10と、ROM(Read Only Memory)11と、RAM(Random Access Memory)12と、操作入力部13と、表示部14と、CODEC(COder DECoder)21と、信号入出力部22と、ピックアップ制御回路32と、レーザ制御回路33と、スピンドル制御回路34と、スピンドルモータ35と、光ピックアップ装置60とを含む。
ROM11は、光ディスク記録再生装置1を制御するための制御プログラムや光ディスク記録再生装置1の制御に用いられるデータを記憶する。RAM12は、制御プログラムが実行されるときの作業領域としてデータを記憶する。CPU10は、RAM12を作業領域として、ROM11に記憶された制御プログラムを実行することによって、光ディスク記録再生装置1の全体を制御する。
操作入力部13は、操作スイッチや操作リモコンやそれらの制御回路などで構成され、光ディスク記録再生装置1に対するユーザからの操作の入力を受付け、入力に応じた信号をCPU10に与える。操作入力部13は、たとえば、再生、早送り、巻戻し、録画、イジェクト、予約情報などの操作の入力を受付ける。CPU10は、操作入力部13からの信号に応じた制御プログラムを実行する。
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置や表示装置の制御回路などで構成され、CPU10による制御プログラムの実行に応じた情報を表示する。表示部14は、たとえば、再生中、早送り中、巻戻し中、録画中であることを示す情報や、予約情報などを表示する。表示装置は、LCDに限定されず、LED(Light Emitting Diode)など他の表示装置であってもよい。
信号入出力部22は、入出力端子や入出力回路などで構成され、映像信号や音声信号を出力する装置からの映像信号や音声信号のアナログ信号の入力を受付けたり、光ディスク記録再生装置1から映像信号や映像信号を出力したりする。
CODEC21は、A/D(Analog to Digital)変換回路やD/A(Digital to Analog)変換回路やその他の周辺回路で構成され、CPU10によって制御されて、信号入出力部22に入力された映像信号や音声信号のアナログ信号を映像や音声のデジタルデータに変換したり、信号入出力部22から出力する映像や音声などのデジタルデータを映像信号や音声信号のアナログ信号に変換したりする。
なお、CODEC21は、アナログ信号を量子化してデジタルデータに変換したり、量子化されたデジタルデータをアナログ信号に変換したりするだけでなく、DV(Digital Video)形式やMPEG−2(Moving Picture Experts Group phase 2)形式などの所定の形式のデジタルデータに変換したり、所定の形式のデジタルデータをアナログ信号に変換したりする機能を備えてもよい。
また、信号入出力部22で入出力される映像や音声がデジタルデータである場合は、CODEC21は備えなくてもよいし、CODEC21に替えて信号入出力部22で入出力されるデジタルデータと所定の形式のデジタルデータとを変換する機能を有する変換回路を備えるようにしてもよい。
スピンドルモータ35は、CD、DVD、または、BDなどの記録媒体50を回転させる。スピンドル制御回路34は、CPU10から指示された回転数でスピンドルモータ35が回転するようにスピンドルモータ35を制御する。
レーザ制御回路33は、CPU10からの制御信号に応じて、光ピックアップ装置60のレーザ光線の発生および検出の制御を行なう。また、レーザ制御回路33は、CPU10に、レーザ光線の検出結果に応じた信号を出力する。
ピックアップ制御回路32は、レーザ制御回路33から出力された信号に基づいて演算された制御信号やCPU10からの制御信号に応じて、光ピックアップ装置60のフォーカシング制御やトラッキング制御やレンズ切替制御や送り制御を行なう。
光ピックアップ装置60は、レーザ制御回路33により制御されて、再生用光線を記録媒体50のトラックに照射して、その反射光線を検出して、その反射光線に応じた信号をレーザ制御回路33およびRAM12のバッファを介してCODEC21に出力する。
また、光ピックアップ装置60は、CODEC21からRAM12のバッファおよびレーザ制御回路33を介して受取られた所定のデータに応じた記録用光線を記録媒体50のトラックに照射して、記録媒体50にデータを記録する。光ピックアップ装置32の構造および機能の概略は、後述する図2〜図4で説明する。
再生用光線および記録用光線は、所定波長のレーザ光線であり、レーザダイオードによって発生される。本実施の形態においては、再生用光線および記録用光線は、BDなど高い面記録密度でデータが記録された記録媒体に対応する必要があるため、所定波長のレーザ光線は、DVDの記録再生に用いられる赤色のレーザ光線の波長である650nm前後よりも短い405nm前後の青紫色のレーザ光線である。
再生用光線はレーザダイオードによって連続発振されたレーザ光線である。また、記録用光線は、レーザダイオードによってパルス発振されたレーザ光線である。記録用光線は、再生用光線よりも高出力である。この高出力の記録用光線が、記録媒体50の記録層のトラックを変質させて、反射率が変化したピットをトラックに生成する。これにより、データが記録される。
図2は、本実施の形態における光ピックアップ装置60の一部の平面図である。図2を参照して、光ピックアップ装置60は、CD/DVD用対物レンズ61と、BD用対物レンズ62と、レンズホルダ63と、フレーム64と、フォーカシング用コイル65A,65Bと、フォーカシング用磁石66A,66Bと、トラッキング用コイル67A,67Bと、トラッキング用磁石68A,68Bと、シャフト69とを含む。
CD/DVD用対物レンズ61は、記録媒体50としてのCDまたはDVDに対して用いられる対物レンズである。BD用対物レンズ62は、記録媒体50としてのBDに対して用いられる対物レンズである。CD/DVD用対物レンズ61、および、BD用対物レンズ62は、レーザダイオードからのレーザ光線の焦点を記録媒体50のトラック付近に合わせる。
レンズホルダ63は、円筒状の形状である。CD/DVD用対物レンズ61およびBD用対物レンズ62は、円筒の外周に取付けられ、円筒の上端部に取付けられることが好ましい。
フォーカシング用コイル65A、トラッキング用コイル67A、フォーカシング用コイル65B、および、トラッキング用コイル67Bは、それぞれ、順に90°の角度をなすように、レンズホルダ63の外周に取付けられる。
シャフト69は、レンズホルダ63の円筒の中心軸に位置する。また、シャフト69は、記録媒体50の記録面の垂直方向から記録媒体の円周の接線方向に傾けられて取付けられる。レンズホルダ63は、シャフト69周りに回転させることができる。また、レンズホルダ63は、シャフト69に沿って摺動させることができる。
フレーム64は、中空円筒状の形状であり、図面には記載していないが、光ピックアップ装置60の本体に固定される。レンズホルダ63は、フレーム64の中空円筒の中空部分に位置する。
フォーカシング用磁石66A、トラッキング用磁石68A、フォーカシング用磁石66B、および、トラッキング用磁石68Bは、それぞれ、順に90°の角度をなすように、フレーム64の内周に取付けられる。
また、フォーカシング用コイル65A、トラッキング用コイル67A、フォーカシング用コイル65B、および、トラッキング用コイル67Bが、それぞれ、フォーカシング用磁石66A、トラッキング用磁石68A、フォーカシング用磁石66B、および、トラッキング用磁石68Bに対面するように、レンズホルダ63がセットされる。
フォーカシング用コイル65A,65B、および、フォーカシング用磁石66A,66Bは、それぞれ、1対のフォーカシング用アクチュエータを構成する。つまり、フォーカシング用コイル65A,65Bに所定の電流が流されることにより、フォーカシング用磁石66A,66Bとの間に、電流の大きさに応じたフレーム64の中空円筒の中心軸方向の力が発生する。そして、レンズホルダ63がシャフト69に沿って微小に摺動する。
これにより、レンズホルダ63に取付けられた対物レンズが、記録媒体50の記録面に垂直な方向に動かされることによって、レーザ光線が記録媒体50の記録面に焦点を結ぶように、フォーカシング制御が行なわれる。
トラッキング用コイル67A,67B、および、トラッキング用磁石68A,68Bは、それぞれ、1対のトラッキング用アクチュエータを構成する。つまり、トラッキング用コイル67A,67Bに所定の電流が流されることにより、トラッキング用磁石68A,68Bとの間に、電流の大きさに応じたフレーム64の中空円筒の円周の接線方向の力が発生する。そして、レンズホルダ63がシャフト69周りに微小に回転する。
これにより、レンズホルダ63に取付けられた対物レンズが、記録媒体50の記録面に平行な方向かつトラックに垂直な方向に動かされることによって、レーザ光線の焦点がトラックに追従するように、トラッキング制御が行なわれる。
また、トラッキング用アクチュエータは、レンズ切替用アクチュエータとしても機能する。つまり、トラッキング用コイル67A,67Bに所定のパルスの電流が流されることにより、レンズホルダ63がシャフト69周りに180°回転する。これにより、対物レンズ切替制御が行なわれる。
図3は、本実施の形態における光ピックアップ装置60の対物レンズ、レンズホルダ63、シャフト69、光学系の一部、および、レーザダイオード71の第1の断面図である。図3は、CD/DVD用対物レンズ61が使用状態であり、BD用対物レンズ62が待機状態であるときの光ピックアップ装置60を示す。
図4は、本実施の形態における光ピックアップ装置60の対物レンズ、レンズホルダ63、シャフト69、光学系の一部、および、レーザダイオード71の第2の断面図である。図4は、BD用対物レンズ62が使用状態であり、CD/DVD用対物レンズ61が待機状態であるときの光ピックアップ装置60を示す。
使用状態とは、レーザダイオード71から記録媒体50までの光路上に対物レンズが配置された状態である。待機状態とは、レーザダイオード71から記録媒体50までの光路上に対物レンズが配置されていない状態である。
図3および図4を参照して、光ピックアップ装置60は、図2で説明した構成に加えて、レーザダイオード71、コリメートレンズ72、および、反射鏡73を含む。また、図示しないが、光ピックアップ装置60は、レーザダイオード71からのレーザ光線が記録媒体50で反射した反射光線を検出するフォトディテクタや、記録媒体50の記録再生箇所に合わせて光ピックアップ装置60を記録媒体50の半径方向に移動させる光ピックアップ装置送り機構など他の構成も含む。
レーザダイオード71は、図1で説明したように、再生用光線および記録用光線を発生する。コリメートレンズ72は、レーザダイオード71で発生したレーザ光線を平行光線にする。反射鏡73は、レーザダイオード71側からのレーザ光線を記録媒体50側に反射させる。
つまり、レーザダイオード71で発生したレーザ光線は、コリメートレンズ72、反射鏡73、および、対物レンズを介して記録媒体50に照射される。なお、光学系は、コリメートレンズ72、反射鏡73に限定されず、レーザダイオード71などの光源から対物レンズまでレーザ光線を導くものであれば、他の構成であってもよい。
シャフト69は、図2で説明したように、記録媒体の記録面の垂直方向から記録媒体50の円周の接線方向に角度θ傾けられて取付けられる。これにより、レンズホルダ63は、記録媒体50に対して角度θ傾いた状態で、シャフト69に沿って摺動したり、シャフト69周りに回転したりする。
CD/DVD用対物レンズ61は、CD/DVD用対物レンズ61が使用状態であるときに、レンズの中心軸が記録媒体50の記録面に対して垂直になるように、レンズホルダ63に取付けられる。同様に、BD用対物レンズ62は、BD用対物レンズ62が使用状態であるときに、レンズの中心軸が記録媒体50の記録面に対して垂直になるように、レンズホルダ63に取付けられる。
つまり、CD/DVD用対物レンズ61、および、BD用対物レンズ62のそれぞれの中心軸がレンズホルダ63の中心軸と角度θをなすように、CD/DVD用対物レンズ61、および、BD用対物レンズ62がそれぞれレンズホルダ63に取付けられる。
また、フォーカシング用アクチュエータおよびトラッキング用アクチュエータによる外力がレンズホルダ63にかかっていない状態でのCD/DVD用対物レンズ61およびBD用対物レンズ62の使用状態における記録媒体50との距離は、それぞれ、CD/DVD用対物レンズ61およびBD用対物レンズ62の作動距離とほぼ等しくなるように構成される。
シャフトが傾けられていない場合は、CD/DVD用対物レンズ61およびBD用対物レンズ62をそれぞれの待機状態における記録媒体50との距離が、それぞれ、CD/DVD用レンズ61およびBD用対物レンズ62の作動距離と同じとなる。
しかし、このように、シャフト69が傾けられることによって、CD/DVD用対物レンズ61およびBD用対物レンズ62それぞれの待機状態における記録媒体50との距離が、それぞれ、CD/DVD用対物レンズ61およびBD用対物レンズ62の作動距離よりも長くなる。
CD/DVD用対物レンズ61が使用状態にされた場合、まず、記録媒体50がCDであるかDVDであるかの記録媒体50の判別が行なわれる。この判別には記録媒体50で反射した反射光線のフォトディテクタでの検出信号から演算されるフォーカス誤差信号が用いられる。
CD/DVD用対物レンズ61を記録媒体50に近づけていくと、フォーカス誤差信号の電圧が、0付近から急激にプラスの極大値に達した後、急激にマイナスの極小値に達し、その後、再度0付近に収束する。
このフォーカス誤差信号を、信号の波形がアルファベットのSに似ていることから、S字信号という。この極大値から極小値までの間でフォーカス誤差信号の電圧が0になるときに、対物レンズの焦点が或る記録面に合っている状態となる。
CDは記録面が1層であり、DVDは記録面が2層である。このため、記録媒体50の判別において、CDの場合は、S字信号が1回検出され、DVDの場合は、S字信号が2回検出される。このように、S字信号の検出回数によって、記録媒体50の判別が行なわれる。
この記録媒体50の判別においては、CD/DVD用対物レンズ61が記録媒体50の記録面の垂直方向に1.6mm程度動かされる。
ここで、角度θ=7.46°とした場合、シャフト69が傾けられているので、CD/DVD用対物レンズ61を記録媒体50の記録面の垂直方向に1.6mm動かす間に、CD/DVD用対物レンズ61の中心線が、記録媒体50の円周の接線方向に、1.6×tanθ=0.21mmずれる。しかし、記録媒体50の半径方向や円周の接線方向の位置がずれても、記録媒体50の判別には特に影響はない。
なお、記録媒体50の判別のためにCD/DVD用対物レンズ61を動かす範囲のうち記録媒体50から最も近い位置にCD/DVD用対物レンズ61があるときに、作動距離が短い方のBD用対物レンズ62の待機状態におけるレンズホルダ63やシャフト69と記録媒体50との間に隙間が設けられる。これにより、記録媒体50の判別をするときに、レンズホルダ63やシャフト69が記録媒体50と接触しないようにすることができる。
また、記録媒体50が記録または再生される場合、記録媒体50の面ぶれに対するフォーカシング制御によって、対物レンズが記録媒体50の記録面の垂直方向に±0.1mm程度変動する。
ここで、角度θ=7.46°とした場合、垂直方向の変動に応じて、対物レンズの中心線が、記録媒体50の円周の接線方向に、±0.1×tanθ=±0.013mm=±13μm変動する。この変動が記録媒体50の半径10mmの円周における変動であるとすると、この変動に対応する記録媒体50の中心角の角度αは、sinα=±13/10000となる。
したがって、記録媒体50の記録面の垂直方向の変動に応じた記録媒体50の記録面の半径方向の変動は、10000(1−cosα)=0.00845μmとなる。この値は、BDのトラックピッチ0.32μmの約1/40であり、トラッキングの誤差の許容値以下となる。このため、この変動によって特に問題が生じることはない。
以上説明したように、本実施の形態における光ディスク記録再生装置の光ピックアップ装置1は、CD/DVD用対物レンズ61とBD用対物レンズ62とを備えたレンズホルダ63を有する。
そして、レンズホルダ63をシャフト69周りに回転させることによってCD/DVD用対物レンズ61とBD用対物レンズ62それぞれを、レーザダイオード71から記録媒体50までの光路上に配置された使用状態、または、光路上に配置されていない待機状態に切替える。
また、CD/DVD用対物レンズ61の待機状態における記録媒体50との距離が、CD/DVD用対物レンズ61の作動距離よりも長く、かつ、BD用対物レンズ62の待機状態における記録媒体50との距離が、BD用対物レンズ62の作動距離よりも長くなるように、シャフト69が記録媒体50の記録面の垂直方向から記録媒体50の円周の接線方向に角度θ傾けられる。
CD/DVD用対物レンズ61の作動距離は、CD/DVD用対物レンズ61の使用状態におけるCD/DVD用対物レンズ61と記録媒体50との距離である。BD用対物レンズ62の作動距離は、BD用対物レンズ62の使用状態におけるBD用対物レンズ62と記録媒体50との距離である。
さらに、CD/DVD用対物レンズ61の作動距離は、BD用対物レンズ62の作動距離よりも長い。また、CDおよびDVDの判別のためにCD/DVD用対物レンズ61を動かす範囲のうち記録媒体50から最も近い位置にCD/DVD用対物レンズ61があるときに、レンズホルダ63と記録媒体50とに隙間があることにより、CDおよびDVDの判別のためにCD/DVD用対物レンズ61を動かすときに、レンズホルダ63が記録媒体50と接触しない。
このように、CD/DVD用対物レンズ61の待機状態における記録媒体50との距離が、使用状態におけるCD/DVD用対物レンズ61と記録媒体50との距離よりも長い構造であり、BD用対物レンズ62の待機状態における記録媒体50との距離が、使用状態におけるBD用対物レンズ62と記録媒体50との距離よりも長い構造である。
このため、待機状態においてCD/DVD用対物レンズ61およびBD用対物レンズと記録媒体50との接触の可能性が減少される。その結果、記録媒体50と対物レンズとの接触の可能性を減少させることができる。
また、CD/DVD用対物レンズ61の使用状態における記録媒体50との距離が、CD/DVD用対物レンズ61の作動距離と構造的に同じであり、BD用対物レンズ62の使用状態における記録媒体50との距離が、BD用対物レンズ62の作動距離と構造的に同じである。
このため、作動距離に合わせて対物レンズを保持するのに、フォーカシング用アクチュエータなどによって外力を加える必要がない。その結果、作動距離に合わせて対物レンズを保持するのに必要以上に電力を消費しないようにできる。
なお、CD/DVD用対物レンズ61とBD用対物レンズ62との作動距離の差が1.2mmあり、記録再生時に、フォーカシング用アクチュエータによって1.2mm対物レンズをオフセットさせておく必要がある場合に、フォーカシング用アクチュエータのフォーカシング用コイルに約240mAの電流を流し続ける必要がある。本実施の形態においては、この電流を流すための電力を消費しないようにできる。
また、CD/DVD用対物レンズ61とBD用対物レンズ62との切替えが、記録媒体50の記録面の垂直方向から傾けられたシャフト69周りにレンズホルダ63を回転することにより行なわれる。
このため、記録媒体50の記録面の垂直方向で設計されたシャフトを傾けるという比較的簡単な設計変更によって、CD/DVD用対物レンズ61およびBD用対物レンズ62の待機状態における記録媒体50との距離を、それぞれ、CD/DVD用対物レンズ61およびBD用対物レンズ62の作動距離よりも長い構造とすることができる。
なお、シャフト69が傾けられていない場合、待機状態のBD用対物レンズ62と記録媒体50との距離は、BD用対物レンズ62の作動距離となる。BD用対物レンズ62の作動距離は、CDおよびDVDの面ぶれ許容値前後である。このため、面ぶれが作動距離以上となると、記録媒体50とBD用対物レンズ62が接触してしまう。
本実施の形態においては、シャフト69が傾けられているので、待機状態のBD用対物レンズ62と記録媒体50との距離およびレンズホルダ63と記録媒体50との距離が、シャフト69が傾けられていない場合よりも長くなる。このため、記録媒体50とBD用対物レンズ62およびレンズホルダ63との接触の可能性を減少させることができる。
また、CD/DVD用対物レンズ61およびBD用対物レンズ62は、レンズホルダ63の円筒の上端部の外周に180°の角度をなすように取付けられることが好ましい。これにより、レンズホルダ63の中心軸に取付けられているシャフト69が傾けられているので、待機状態の対物レンズの位置を最も低くすることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および、範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態の1つにおける光ディスク記録再生装置の概略を示すブロック図である。 本実施の形態における光ピックアップ装置の一部の平面図である。 本実施の形態における光ピックアップ装置の対物レンズ、レンズホルダ、シャフト、光学系の一部、および、レーザダイオードの第1の断面図である。 本実施の形態における光ピックアップ装置の対物レンズ、レンズホルダ、シャフト、光学系の一部、および、レーザダイオードの第2の断面図である。
符号の説明
1 光ディスク記録再生装置、10 CPU、11 ROM、12 RAM、13 操作入力部、14 表示部、21 CODEC、22 信号入出力部、32 ピックアップ制御回路、33 レーザ制御回路、34 スピンドル制御回路、35 スピンドルモータ、50 記録媒体、60 光ピックアップ装置、61 CD/DVD用対物レンズ、62 BD用対物レンズ、63 レンズホルダ、64 フレーム、65A,65B フォーカシング用コイル、66A,66B フォーカシング用磁石、67A,67B トラッキング用コイル、68A,68B トラッキング用磁石、69 シャフト、71 レーザダイオード、72 コリメートレンズ、73 反射鏡。

Claims (8)

  1. コンパクトディスクおよびデジタルバーサタイルディスク用の第1の対物レンズとブルーレイディスク用の第2の対物レンズとを備えたレンズホルダを有し、前記レンズホルダを回転軸周りに回転させることによって、前記第1の対物レンズおよび前記第2の対物レンズそれぞれを、レーザダイオードからディスクまでの光路上に配置された使用状態、または、前記光路上に配置されていない待機状態に切替える光ピックアップ装置であって、
    前記第1の対物レンズおよび前記第2の対物レンズの前記待機状態における前記ディスクとの距離が、それぞれ、前記第1の対物レンズおよび前記第2の対物レンズの前記使用状態における前記ディスクとの距離である第1の作動距離および第2の作動距離よりも長くなるように、前記回転軸が前記ディスクの記録面の垂直方向から前記ディスクの円周の接線方向に所定角度傾けられ、
    前記第1の作動距離は、前記第2の作動距離よりも長く、
    前記コンパクトディスクおよび前記デジタルバーサタイルディスクの判別のために前記第1の対物レンズを動かす範囲のうち前記ディスクから最も近い位置に前記第1の対物レンズがあるときに、前記レンズホルダと前記ディスクとに所定長さの間隙がある、光ピックアップ装置を備えた光ディスク記録再生装置。
  2. 第1の記録媒体用の第1の対物レンズと第2の記録媒体用の第2の対物レンズとを備えたレンズホルダを有し、前記レンズホルダを回転軸周りに回転させることによって、前記第1の対物レンズおよび前記第2の対物レンズそれぞれを、光源から記録媒体までの光路上に配置された使用状態、または、前記光路上に配置されていない待機状態に切替える光ピックアップ装置であって、
    前記第1の対物レンズおよび前記第2の対物レンズの前記待機状態における前記記録媒体との距離が、それぞれ、前記第1の対物レンズおよび前記第2の対物レンズの前記使用状態における前記記録媒体との距離である第1の作動距離および第2の作動距離よりも長くなるように、前記回転軸が前記記録媒体の記録面の垂直方向から前記記録媒体の円周の接線方向に所定角度傾けられる、光ピックアップ装置。
  3. 前記第1の作動距離は、前記第2の作動距離よりも長く、
    前記第1の記録媒体の判別のために前記第1の対物レンズを動かすときに、前記レンズホルダがディスクと接触しない形状である、請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記第1の作動距離は、前記第2の作動距離よりも長く、
    前記第1の記録媒体の判別のために前記第1の対物レンズを動かす範囲のうち前記記録媒体から最も近い位置に前記第1の対物レンズがあるときに、前記レンズホルダと前記記録媒体とに所定長さの間隙がある、請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記第1の記録媒体は、コンパクトディスクおよびデジタルバーサタイルディスクであり、前記第2の記録媒体は、ブルーレイディスクであり、前記光源は、レーザダイオードである、請求項2から請求項4までのいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  6. 請求項2から請求項5までのいずれかに記載の光ピックアップ装置を備えた記録媒体再生装置。
  7. 請求項2から請求項5までのいずれかに記載の光ピックアップ装置を備えた記録媒体記録再生装置。
  8. 請求項2から請求項5までのいずれかに記載の光ピックアップ装置を備えた光ディスク再生装置。
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