JP4686585B2 - 対物レンズ駆動装置および光ピックアップ - Google Patents

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Description

本発明は、光ディスクに光を照射して情報の再生および記録を行う光ピックアップに係わり、光ディスクと対物レンズの接触を防止するためのレンズプロテクタを搭載した対物レンズ駆動装置およびこれを備えた光ピックアップに関する。
近年、光ディスク装置においては高密度化によるデータ転送レートの高速化が進んでいる。光ピックアップは光ディスク装置のデータ記録および再生を行う重要部品の1つである。
光ピックアップの構成の中で光ディスク上の記録面にレーザ光を集光する対物レンズをフォーカシング方向(光ディスク面に接近/離遠する方向)とトラッキング方向(光ディスクの半径方向)とラジアルチルト方向(光ディスク半径方向に傾く)に駆動する装置が対物レンズ駆動装置である。光ディスク装置の高密度化のため、レーザ光の短波長化が進んでおり、これに伴って光ディスクと対物レンズ間の焦点距離は狭小化している。そのため、フォーカシング方向への対物レンズ駆動時に、光ディスクと対物レンズとが空隙を保てず接触するという事態に陥り、光ディスク装置の性能に影響を及ぼす場合がある。
特許文献1に記載されている従来技術によれば、対物レンズを搭載した可動部上に対物レンズのトラッキング方向側面にレンズプロテクタを搭載し、さらに可動部を保護する保護カバーにディスクプロテクタを搭載して光ディスクの傷対策、及びレンズの傷対策を行っている。
さらに特許文献2に記載されている従来技術によれば、対物レンズを搭載した可動部上に対物レンズのトラッキング方向側面に塗布によるレンズプロテクタを搭載し、さらに硬度と高さの異なる一対のレンズプロテクタを光ディスクの回転方向かつ前述のレンズプロテクタ近傍に搭載して、光ディスクの傷対策を行っている。
特開2005−251246号公報 特開2008−52812号公報
上記従来技術の通り、対物レンズ取り付け部材に設けられた接着材による凸部は、光ディスクと対物レンズの接触を防止する役割を果たしている。
Blu−Ray等の高密度光ディスク及びこれまでのCDやDVDの互換性を持った対物レンズ駆動装置の場合、高NAの対物レンズを用いる必要があるがレンズの光利用等の問題から対物レンズを2つ搭載しなければならない。さらに対物レンズ駆動装置の駆動効率を向上させるために対物レンズを軽量,小型化しなければならない課題がある。これによって、高NA化がもたらした光ディスクと対物レンズの短くなった焦点距離はさらに狭小化することとなる。
トラッキング方向に2つ以上並んだ対物レンズが対物レンズ駆動装置の可動部に存在する場合、対物レンズがラジアルチルト方向に傾いた時に可動部内では光ディスクに接近する対物レンズと離縁する対物レンズが発生する。離縁する対物レンズが動作中の場合、焦点距離あるいはレンズプロテクタの高さによっては、その対物レンズ横に設置したレンズプロテクタと光ディスクが接触しなければ、動作している対物レンズの焦点距離に設定できない場合がある。この場合レンズプロテクタの高さを対物レンズと略同一高さとすることで解決できるが、レンズプロテクタは光ディスクに接触するたびに磨耗するので、信頼性が著しく悪くなってしまう問題がある。
従来技術では対物レンズが1つの場合では対物レンズがいかなる姿勢であっても光ディスクの最近傍部材はレンズプロテクタであり、対物レンズは保護される。また、対物レンズも小型化する必要性がないため、高NA化のみによる焦点距離の狭小化である。このように小型化され2つの対物レンズが搭載された対物レンズ駆動装置では、対物レンズと焦点距離の高さ関係を考慮する必要性が生じる。
したがって、トラッキング方向に2つ以上並んだ対物レンズが対物レンズ駆動装置の可動部において光ディスクに対物レンズが接することなく、適切な空隙を保ちながらも信頼性を保つレンズプロテクタ配置と高さ制御を行うことが必要となる。
本発明の目的は、焦点距離を維持しつつ対物レンズのフォーカシング方向への稼動範囲を確保することが可能なレンズプロテクタを搭載した対物レンズ駆動装置および光ピックアップの提供することにある。
上記目的は、光ディスクに光を集光する2つの対物レンズと、前記2つの対物レンズをトラッキング方向に並べて保持する対物レンズ保持部材と、前記対物レンズ保持部材に前記光ディスクと前記2つの対物レンズの接触を防止する第一,第二,第三のレンズプロテクタを備える対物レンズ駆動装置において、前記第一と第二のレンズプロテクタは、前記2つの対物レンズ端部より前記対物レンズ保持部材のトラッキング方向両端部側にそれぞれ設けられ、前記第三のレンズプロテクタは、前記2つの対物レンズの間に設けられており、前記第三のレンズプロテクタの高さは、前記第一と第二のレンズプロテクタよりも前記光ディスクに近接していることにより達成される。
また上記目的は、光ディスクに光を集光するための2つの対物レンズと、対物レンズを有する対物レンズ保持部材と、光ディスクと前記対物レンズの接触を防止するレンズプロテクタを兼備する対物レンズ駆動装置において、前記対物レンズ間および前記対物レンズ保持部材のトラッキング方向における対物レンズ保持部材の端部に設けたレンズプロテクタにおいて、前記レンズプロテクタを4箇所に設け、前記対物レンズ保持部材のトラッキング方向両端部に第一と第二のレンズプロテクタを設け、前記2つの対物レンズの間に光ディスクの接線方向に第三と第四のレンズプロテクタを前記第一と第二のレンズプロテクタより光ディスクに近接するように設けたことにより達成される。
本発明によれば、対物レンズが傾いた場合に起こる光ディスクと対物レンズとの接触を回避するとともに、光ディスクが対物レンズに直近しても十分な間隙を確保することに有効である。ひいては光ディスクの記録および再生の精度の向上につながり、より信頼性を高めた対物レンズ駆動装置および光ピックアップを提供できる。
以下、本発明の詳細を図にしたがって説明する。
本発明における第1の実施例を図1,図2,図3,図4および図5を用いて説明する。
図1は本実施例の光ピックアップに係る対物レンズ駆動装置を示す斜視図である。
図2はそのA視図である。
図3は光ピックアップの光学部品の構成を示す概略図である。
図4は本発明における光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
図5は本発明における対物レンズを含む可動部が光ディスクに対して傾いたときを示す図である。
本実施例の特徴は、レンズプロテクタ3a,3b,3cを対物レンズ1a,1bの中間と対物レンズ保持部材のトラッキング方向両端部に設け、レンズ1a,1b間に設けたレンズプロテクタ3cは、対物レンズ保持部材2のトラッキング方向両端部に設けたレンズプロテクタ3a,3bよりも、光ディスク13に近接した高さを有した対物レンズ駆動装置100としたことである。
本実施例の構成を図1および図2を用いて説明する。可動部8は弾性支持部材6a,6b,6c,6d,6e,6fを介して弾性支持部材固定部7に固定されている。可動部は対物レンズ保持部材2,対物レンズ1a,1b,レンズプロテクタ3a,3b,3c,フォーカスコイル4,トラッキングコイル5a,5b,5c,5dにより構成されている。対物レンズ1a,1bはトラッキング方向に並べて配置されている。
対物レンズ1a,1b近辺にはレンズプロテクタ3a,3b,3cが備えられている。レンズプロテクタ3aおよび3bは、対物レンズ1a,1bの高さより若干光ディスク13に近接した高さを有し、レンズプロテクタ3cは光ディスクから離縁している。また、レンズプロテクタ3bはレンズプロテクタ3aよりも光ディスク13に近接している。すなわち各レンズプロテクタの高低差h1,h2は、h2よりh1が大きくなるように高さを設定する。また、可動部8には駆動コイルであるフォーカスコイル4およびトラッキングコイル5a,5b,5c,5dが取り付けられており、図示していない永久磁石との電磁気作用により可動部8が駆動される。
次に光ピックアップ11の構成について図3を用いて説明する。この図は対物レンズ1aを用いた光学部品の構成を示したものである。光ピックアップ11はその構成部品であり、光源22から出射される光ビームを光ディスク13に照射し、光ディスク13に記録されている情報の読み書きを行うものである。光ピックアップ11は、半導体から成る光源22,平行光に変換するコリメートレンズ23,光ディスク13の反射光を光検出器27へと導くビームスプリッタ24,光ビームを光ディスク13の記録面に向けて反射する立ち上げミラー25,光ビームを光ディスク13の記録面に集光する対物レンズ1a,光ディスク13からの反射光を電気信号に変換し信号処理部に出力する光検出器27を備えている。
次に光ディスク装置12の構成について図4を用いて説明する。光ディスク13を回転させるスピンドルモータ14,光ピックアップ11,光ピックアップ11を光ディスク13の半径方向に移動させる送り機構および、それらを制御するコントローラ15等を備えている。コントローラ15は、回転制御回路16と送り制御回路17が接続されている。
回転制御回路16はコントローラ15を介しスピンドルモータ14に接続され、光ディスク装置12の回転制御を行う。また、送り制御回路17は光ピックアップ11を光ディスク13の半径方向に移動させる。光ピックアップ11で検出された信号18は、サーボ信号検出回路19と再生信号検出回路20に送られる。サーボ信号検出回路19によりフォーカスエラー信号やトラックエラー信号が生成され、エラー信号が極小となるように対物レンズ1a、1bはフォーカシング方向とトラッキング方向の位置制御が行われる。
本実施例の対物レンズ駆動装置100を含む光ピックアップ11の動作について説明する。ユーザは光ディスク13を光ディスク装置12に装填する。この後、光ディスク13は回転が開始され、ピックアップが焦点を合わせるフォーカシング引込動作を行う。その後、光ピックアップ11は光ディスク13のトラックに追従させるべく、トラッキング引込動作を行う。
このようにして記録あるいは再生準備された光ディスク13は、PCからの光ディスク装置12を介した信号によって、記録および再生が行われる。これら一連の動作の中で、対物レンズ1a,1bは光ディスク13に常に平行になっていなければならないため、光ディスク13が変形、特に傘型に変形していた場合、対物レンズ駆動装置100内の可動部8は外周側に行くほど、光ディスク13の反りに沿って傾ける必要がある。しかしながら、対物レンズ1a,1bに作用する衝撃などの外力により、光ディスク13と対物レンズ1a,1bとの平行を保てなくなる場合がある。
例えば、ラジアル方向に対物レンズ1aが傾いた場合、図5に示すように光ディスク13側に近いレンズプロテクタ3bは、光ディスク13に接触したとしても光ディスク13と対物レンズ3bとの距離、すなわち焦点距離保持に対して悪影響を及ぼすことがない。その結果、サーボ制御の安定化が図れ、ひいては光ディスク13の安定的な記録再生ができる。
以上、本実施例によれば対物レンズにラジアル方向への傾きが生じても、光ディスクと対物レンズとの接触を回避しつつ、対物レンズの可動範囲を妨げることのない対物レンズ駆動装置を得ることができる。
第2の実施例について図6及び図7を用いて説明する。図6は本発明の可動部の平面図である。図7は本発明の可動部による実施の形態を示した平面図である。本実施例の特徴は、レンズプロテクタ3a,3b,3cを対物レンズ保持部材の3箇所に設けることである。
レンズプロテクタ3a,3bを設ける位置は、対物レンズ1a,1b端部と対物レンズ保持部材2の端部間s1,s2に設けることが望ましい。また、対物レンズ1a左端と対物レンズ1b右端に接する光ディスク周方向に水平な線に対して、その線に接するようにレンズプロテクタ3a,3bを並べても良い。これは、光ディスク内周側の対物レンズ1aまたは1bより内周側,外周側の対物レンズ1b,1aより外周側にレンズプロテクタが存在するということである。
以上の構成により、対物レンズ1a,1bが光ディスクに対してラジアル方向に傾きが生じても、レンズプロテクタ3a,3bは対物レンズ1a,1bよりも高いため、光ディスク13に接触することがない。
以上、本実施例によれば光ディスに対してラジアル方向に対物レンズが傾いた場合に、対物レンズの焦点距離を保ちつつ対物レンズの可動範囲を確保した対物レンズ駆動装置を得ることができる。
第3の実施例について図8および図9を用いて説明する。図8は本実施例の光ピックアップに係る対物レンズ駆動装置を示す斜視図であり、図9はその正面図である。本実施例の特徴は、レンズプロテクタ3a,3b,3c,3dを4箇所に設け、対物レンズ保持部材2のトラッキング方向両端部に第1と第2のレンズプロテクタ3a,3bを設け、2つの対物レンズ1a,1b間に光ディスク13の接線方向に第3と第4のレンズプロテクタ3c,3dを前記第1と第2のレンズプロテクタ3a,3bより光ディスク13に近接するように設けることである。
対物レンズ1aの中心とレンズプロテクタ3cおよびレンズプロテクタ3dからの距離l1,l2は、ともに等距離とする。対物レンズ駆動装置100の実駆動時には、可動部8に搭載されるトラッキングコイル5a,5b,5c,5dの発熱により、対物レンズ1aは不均等な加熱が行われるため熱による変形形状も不均等となる。そのため対物レンズ1a,1bの光学収差が発生し光学特性が悪化する。しかし、本実施例のようにレンズプロテクタ3cと周方向に対して対称となる位置にレンズプロテクタ3dを加えることで、レンズプロテクタ3c,3dは放熱部位として機能する。
その結果、対物レンズ1aのトラッキングコイル5a側とトラッキングコイル5c側の温度分布が等しくなり、レンズ熱変形はレンズ中心に対して点対称に近い変形をするため、光学収差発生を抑制できる。これにより、対物レンズ1a,1bの光学特性の悪化を抑制することが可能となる。
以上、本実施例によれば、対物レンズのコイルによる熱変形は収差に悪影響を与えないので高信頼性の対物レンズ駆動装置を得ることができる。
第4の実施例について図10を用いて説明する。
図10は本実施例の光ピックアップ11に係る対物レンズ駆動装置100を示す斜視図である。
本実施例の特徴は、実施例1から3に記載の対物レンズ駆動装置を有することを特徴とする光ピックアップである。
図10に示すように対物レンズ駆動装置100は、光ピックアップ11内に設置される。図示していない発光素子から出射された光は、対物レンズ1a,1bにより光ディスク13上に集光される。このように本発明の対物レンズ駆動装置を用いることで、高密度化に適した光ピックアップを構成することができる。
本発明に係る対物レンズ駆動装置における対物レンズ支持部材の第1実施例を示す斜視図である。 本発明に係る対物レンズ駆動装置における可動部の第1実施例を示すA視図である。 本発明に係る光ピックアップ装置の光学系の構成を示す概略図である。 本発明に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 本発明に係る対物レンズ駆動装置が光ディスクに対して傾いた時を示す図である。 本発明に係る対物レンズ駆動装置における可動部の第2実施例を示す平面図である。 本発明に係る対物レンズ駆動装置における可動部の第2実施例を示す平面図である。 本発明に係る対物レンズ駆動装置における対物レンズ支持部材の第3実施例を示す斜視図である。 本発明に係る対物レンズ駆動装置における可動部の第3実施例を示す平面図である。 本発明に係る対物レンズ駆動装置を用いた光ピックアップの第4実施例を示す斜視図である。
符号の説明
1a,1b 対物レンズ
2 対物レンズ保持部材
3a,3b,3c,3d レンズプロテクタ
4 フォーカスコイル
5a,5b,5c,5d トラッキングコイル
6a,6b,6c,6d,6e,6f 弾性支持部材
7 弾性支持部材固定部
8 可動部
11 光ピックアップ
12 光ディスク装置
13 光ディスク
14 スピンドルモータ
15 コントローラ
16 回転制御回路
17 送り制御回路
18 検出信号
19 サーボ信号検出回路
20 再生信号検出回路
21 アクチュエータ駆動回路
22 光源
23 コリメートレンズ
24 ビームスプリッタ
25 立ち上げミラー
26 集光レンズ
27 光検出器
100 対物レンズ駆動装置
x ディスク周方向
y トラッキング方向
z フォーカス方向
h1,h2 高さ
s1,s2 対物レンズ端部と対物レンズ保持部材端部間
l1,l2 対物レンズ中心からレンズプロテクタまでの距離

Claims (3)

  1. 光ディスクに光を集光する2つの対物レンズと、前記2つの対物レンズをトラッキング方向に並べて保持する対物レンズ保持部材と、前記対物レンズ保持部材に前記光ディスクと前記2つの対物レンズの接触を防止する第一,第二,第三のレンズプロテクタを備える対物レンズ駆動装置において、
    前記第一と第二のレンズプロテクタは、前記2つの対物レンズ端部より前記対物レンズ保持部材のトラッキング方向両端部側にそれぞれ設けられ、
    前記第三のレンズプロテクタは、前記2つの対物レンズの間に設けられており、前記第三のレンズプロテクタの高さは、前記第一と第二のレンズプロテクタよりも前記光ディスクに近接していることを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  2. 請求項1において、
    前記第三のレンズプロテクタは、前記2つの対物レンズの間に設けられた2つのレンズプロテクタを備えることを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  3. 請求項1乃至2のいずれかに記載の対物レンズ駆動装置を有することを特徴とする光ピックアップ。
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