JP4432135B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に係り、特に、遊技球を貯留する貯留部を備えてなる遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の一種として、複数種類の図柄等を、予め定められた配列で変動表示するための特別図柄表示装置(可変表示装置)を備えたパチンコ機が知られている。
【0003】
この種のパチンコ機では、可変表示装置での変動表示停止時の表示図柄(停止図柄)に応じて、リーチ状態を経た後に遊技者に有利な状態となる「特別遊技状態」、リーチ状態を経た後に特別遊技状態とはならない「外れリーチ状態」、又は、リーチ状態を経ず、かつ、特別遊技状態ともならない「外れ状態」が発生させられる。停止図柄には、特別遊技状態を発生させるための特別遊技図柄(大当たり図柄)、外れリーチを発生させるための外れリーチ図柄、及び、外れ状態を発生させるための外れ図柄がある。
【0004】
前記のようなパチンコ機では、遊技球が、可変表示装置の下方に設けられた作動口に入賞すること等によって、可変表示装置において、図柄の変動表示が開始される。また、上記特別遊技図柄、外れリーチ図柄、及び、外れ図柄の中から、遊技状況に応じた停止図柄が選択され、その選択された停止図柄で前記変動表示が停止させられる。そして、大当たり図柄で停止した場合には、特別変動入賞装置が遊技者にとって有利な状態(大当たり状態)となるように切換えられる。より詳しくは、前記作動口の下部等に設けられた大入賞口が開放される等によって、遊技者は大量の景品球を獲得することが可能となる。
【0005】
このような大入賞口をはじめとする入賞口(作動口や一般入賞口等も含む)に遊技球が入賞した場合、そのことに基づいて、パチンコ機本体の裏側に設けられた球払出装置が作動させられる。より詳しくは、図17に示すように、パチンコ機本体101の裏側には、機構盤102が装着されている。この機構盤102には、各種入賞口に入賞した遊技球(入賞球)が導かれる図示しない入賞球集合部が設けられているほか、その上部においてタンク103が設けられている。このタンク103は、パチンコ機の上方に設けられた図示しない球補充装置により適宜補充される遊技球を貯留するためのものである。そして、該タンク103に貯留された遊技球は、タンク103の下方に設けられたタンクレール104に導かれるようになっている。
【0006】
また、機構盤102には、前記タンクレール104に接続されてなる1列又は複数列よりなる供給通路108が設けられ、該供給通路108の途中に球払出装置105が設けられている。この球払出装置105は、コントローラからの制御信号に基づいて、一列(又は複数列)に整列された景品球(遊技球)を所定個数ずつ(例えば、一般入賞口及び始動入賞口に入賞した場合には6個ずつ、可変入賞装置に入賞した場合には15個ずつ)、供給通路108を経てパチンコ機本体101表側の上受皿(場合によっては下受皿)に払い出すようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、供給通路の一部を他の部位から分離可能とすることが考えられている。
【0008】
しかしながら、上記のようなパチンコ機では、位置合わせがうまくいかなくなるおそれがある。これにより、供給通路同士が適切に接合しあわないという事態が生じるおそれがある。そして、この場合には、供給通路にずれが生じ、遊技球が詰まってしまって、払出しが適切に行われないおそれがある。
【0009】
本発明は、上記例示した問題等に鑑みてなされたものであって、その目的は、遊技球を貯留する貯留部を備えてなるパチンコ機等の遊技機において、球詰まり等の不具合の抑制を図ることのできる遊技機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、
遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、遊技球が入賞可能な入賞口と、
遊技機における裏側に設けられ、遊技球を貯留する貯留部と、
前記入賞口に遊技球が入賞した場合に、前記貯留部に貯留された遊技球を払い出す払出作動部と、
前記入賞に対応する払出個数に基づいて前記払出作動部の作動を制御する払出制御手段と、
前記貯留部側と接続されて当該貯留部から導出された遊技球を通過させるコイルバネからなる通路部、及び、前記払出作動部を有する球払出手段と、
前記通路部の下方に設けられ、上流側に第1球受入口を有し、下流側が遊技者側に設けられた払出出口と連通する払出通路と、
前記通路部の下方に設けられ、上流側に第2球受入口を有し、通過する遊技球を遊技機外へ導出させる導出通路とを備える遊技機であって、
前記通路部は、前記払出通路の第1球受入口に連通する第1接続状態と、前記導出通路の第2球受入口に連通する第2接続状態と、前記払出通路の第1球受入口及び前記導出通路の第2球受入口を露出させる分離状態とに状態を変更可能であり、
前記貯留部に対し、又は貯留部の近傍に前記球払出作動部を設け、当該貯留部及び前記球払出作動部を遊技機に対し前方へ向けての取外しが可能となるよう一体化させたことを特徴とする。
【0011】
また、前記通路部を前記分離状態から前記第1接続状態へと状態を変更する場合に、当該接続動作に基づき第1位置から第2位置へと変位する変位手段を備えることとしてもよい。
また、前記変位手段の変位を検出可能とし、その検出結果を報知する報知手段を設けることとしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
手段1.遊技球を貯留するためのタンクと、前記タンクに貯留された遊技球を、所定個数ずつ遊技者側に設けられた払出出口に払い出すための球払出装置とを備えてなる遊技機であって、上流側は前記タンク側に接続され、下流側は少なくとも前記払出出口側に着脱可能に接続される連結通路を設けるとともに、該連結通路の下流側の接続状態を検出する接続状態検出手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【0013】
上記手段によれば、タンクに遊技球が貯留され、該貯留された遊技球が、球払出装置によって、所定個数ずつ遊技者側に設けられた払出出口に払い出される。
【0014】
さて、本遊技機では、連結通路が設けられる。連結通路の上流側は、前記タンク側に接続され、下流側は少なくとも前記払出出口側に着脱可能に接続される。従って、連結通路の下流側が払出出口側に接続された場合、タンクに貯留された遊技球は、球払出装置の動作に基づいて、連結通路を通って、払出出口側へと払い出されることとなる。
【0015】
かかる連結通路の下流側は、払出出口側に着脱可能となっているため、当該下流側が、払出出口側にきちんと接続されている場合もあれば、そうでない場合もある。これに対し、本遊技機では、接続状態検出手段によって、連結通路の下流側の接続状態が検出される。このため、連結通路の下流側が、払出出口側にきちんと接続されているのか、そうでないのか、また、場合によっては他の部位に接続されているのかといった検出結果を認識することが可能となる。そして、その認識に基づいた適切な処置をとることも可能となる。
【0016】
手段2.上記手段1において、前記連結通路の下流側は、前記払出出口側、又は、遊技者が視認不能若しくは操作不能な外部側に接続可能となっていることを特徴とする遊技機。
【0017】
上記手段2によれば、連結通路の下流側を外部側に接続することにより、タンクに貯留された遊技球を連結通路を通過せしめて、外部側に導出することも可能となる。そのため、連結通路の下流側を外部側に接続することで、タンク内等の遊技球を全て排出(いわゆる球抜き)することができる。また、前記接続状態検出手段によって、連結通路の下流側が、払出出口側に接続されているのか、外部側に接続されているのか等が検出されうる。
【0018】
手段3.上記手段1又は2において、前記タンクに対し、又はタンクの近傍に前記球払出装置を設けることにより、前記タンク及び前記球払出装置を一体化させてなるユニットを構成したことを特徴とする遊技機。
【0019】
上記手段3によれば、遊技球を整列させるためのタンクレールやその他の通路等がない分、全体としてコンパクト化が図られる。また、タンクユニットが遊技機の裏側に配設された場合には、裏側のスペースの有効活用が図られる。
【0020】
手段4.上記手段3において、前記ユニットに対し、回路基板を設けたことを特徴とする遊技機。
【0021】
手段5.上記手段4において、前記回路基板は、各種装置を駆動制御するための制御基板、並びに、制御基板及び検出手段との間で信号を中継的に送信又は受信するための中継基板の少なくとも1つによって構成されていることを特徴とする遊技機。
【0022】
手段6.上記手段1〜5において、前記連結通路はほぼ直線状であることを特徴とする遊技機。
【0023】
手段7.上記手段1〜6において、前記球通路は、可撓性及び伸縮性の少なくとも一方を有していることを特徴とする遊技機。
【0024】
手段8.上記手段1〜7において、前記球払出装置は、円滑に遊技球を払出すための球崩し機構を備えていることを特徴とする遊技機。
【0025】
手段9.上記手段8において、前記球崩し機構は、遊技球を移動させるための羽根を有する回転体と、該回転体を回転させるための駆動手段(ステップモータ等)によって構成されていることを特徴とする遊技機。
【0026】
手段10.上記手段9において、前記回転体は正逆転可能であることを特徴とする遊技機。
【0027】
手段11.上記手段1〜10において、前記接続状態検出手段による検出結果の少なくとも一部を、報知するための報知手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【0028】
以下に、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を具体化した一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0029】
図1に示すように、パチンコ機1は、外枠2及び前面枠3を備えており、その前面枠3の前面内周には、透明なガラス板が取着されてなるガラス扉枠4が開閉自在に設けられている。
【0030】
前記前面枠3の後側(ガラス扉枠4の奥、外枠2の内側)には、樹脂製のミドルプレートM(図2参照)が設けられている。該ミドルプレートMは、前面枠3に着脱自在に設けられていてもよいし、前面枠3と一体形成されていてもよい。そして、該ミドルプレートMに対し、遊技盤5が着脱可能に装着されている。
【0031】
この遊技盤5の前面には、普通入賞口6、可変入賞装置7、作動口8、可変表示装置9、内レール10A、外レール10B等が配設されている。ここで、内レール10A及び外レール10Bは、遊技球発射装置Uにより発射された遊技球Bを遊技盤5の上部に案内するためのガイド部材である。また、前面枠3等には、上受皿12及び下受皿13(これらは払出皿を構成する)が設けられている。
【0032】
可変表示装置9は、液晶ディスプレイ(LCD)よりなる表示画面を備えている。表示画面には左図柄列、中図柄列及び右図柄列の3つの表示列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が各図柄列毎にスクロールされて表示画面に表示されるようになっている。
【0033】
可変入賞装置7は、通常、遊技球Bが入賞できない状態又は入賞し難い状態になっている。より詳しくは、作動口8に対し遊技球Bが入賞することに基づいて、遊技盤5の中央部に配設された可変表示装置9の図柄がランダムに変動する。そして、停止した図柄が特定の組み合わせ(例えば「7」「7」「7」のゾロ目)であることを必要条件に、可変入賞装置7の大入賞口が所定時間、所定回数だけ開いて、遊技球Bが入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。
【0034】
なお、遊技球発射装置Uにより発射された遊技球Bは、遊技盤5の上部に案内された後、遊技盤5面に沿って落下する。このとき、前記一般入賞口6、可変入賞装置7、作動口8に遊技球Bが入賞することに基づいて、上受皿12(場合によっては下受皿13)に対し所定数の景品球が払い出されるようになっている。本実施の形態では一般入賞口6及び作動口8への入賞による景品球の払出し個数は6個/入賞球であり、可変入賞装置7への入賞による景品球の払出し個数は15個/入賞球である。ただし、これらはあくまでも例示であって、上記数値に何ら限定されるものではない。
【0035】
併せて、パチンコ機1の裏側には、遊技球B(景品球又は貸球)を遊技者に対し払出すための機構が設けられている。本実施の形態においては、この払出し機構に主たる特徴があるため、次には当該機構について詳述することとする。
【0036】
図2,3,4に示すように、パチンコ機1の裏側上部には、正面側(遊技者側)から向かって左側において、遊技球Bを貯留するためのタンク21が設けられている。より詳しくは、外枠2の上部裏面には、タンクホルダ16が固定されている。タンクホルダ16の左右両側には、支持レール17が奥行方向に延びるように設けられているとともに、その背面には開口部18が形成されている。また、外枠2の上部下面には、板バネ状のストッパ19が取着されている。一方、タンク21の両側には、前記支持レール17に対応したフランジ22が一体形成されている。
【0037】
そして、外枠2の前方から後方(奥行方向)に向けて、フランジ22が支持レール17に沿って押し込まれることにより、タンク21は、タンクホルダ16に取着される。このとき、押込時には撓んで平面状になっていたストッパ19が元の状態に復元することにより、取着後のタンク21の前方側への移動が規制されるようになっている。逆に、ストッパ19を押し上げて(平面状にして)、タンク21を引き出すことにより、タンク21は、容易に取り外し可能となっている。
【0038】
なお、前記押込に際し、外枠2(島に設置された状態)の上方に設けられた球補充装置HSのレバーHLが前記開口部18から突出するまで回動されることにより、球補充装置HSによる遊技球Bの補充が可能な状態となる。さらに、タンク21が取着された状態にあっては、タンク21の後壁は、遊技盤5の裏面側から後側に突出するようにして設けられた役物(例えば可変表示装置9)よりもさらに後側に位置している。
【0039】
前記タンク21の底部は、傾斜面となっており、遊技球Bは側部(図2の左側部、図5の右側部:一般的なパチンコ機とは逆)に向かって案内されるようになっている。また、底部の裏面側には、当該タンク21に遊技球Bが貯留されているか否かを検出するためのタンク内球検出スイッチ(図示略)が設けられている。このタンク内球検出スイッチは、フラットスイッチ(近接スイッチ)によって構成されており、当該スイッチの上部に遊技球Bが存在する場合にオン信号を、遊技球Bが存在しない場合にオフ信号を払出制御基板に出力するようになっている。そして、オフ信号が出力された場合には、後述するステップモータ33の駆動が停止され、遊技球Bの払出しが行われないようになっている。また、場合によっては、タンク21内に遊技球Bを補充する必要が生じたとして、球補充装置HSに対し、遊技球Bの補充信号が出力されるようになっている。
【0040】
また、タンク21の側壁に隣接するようにして、該タンク21に貯留された遊技球Bを所定個数ずつ払い出すための球払出装置23が設けられている。本実施の形態では、これらタンク21及び球払出装置23が一体となっており、タンクユニットTUを構成している。
【0041】
さて、図5,7に示すように、球払出装置23は、景品球払出部24と貸球払出部25とを備えうる。景品球払出部24は、上述したように各種入賞口6,7,8に遊技球Bが入賞した場合に作動する。一方、貸球払出部25は、プリペイドカード等が用いられた場合において、所定数の貸球を遊技者に対し払出す場合に作動する(例えば100円の投資につき25個ずつの貸球の払出しが行われる)。上記のような構成は、主としてプリペイドカードを用いる、いわゆるCR機において主として採用される。一方、プリペイドカードを用いない、いわゆる現金機の場合は、主として図10〜図12に示すように、景品球払出部24のみが備えられる。
【0042】
両払出部24,25はそれぞれほぼ同等の構造をなしており、図5,6,7,8,9に示すように、両払出部24,25は、取付部材26、案内部材27、カバー部材28、中継基板29、カラー30、スクリュ31、シャフト32及びステッピングモータ(以下、ステップモータと称する)33等をそれぞれ備えている。タンク21の側壁には、ネジ穴を有する複数のボス21aが突出形成されており、該ボス21aに対し取付部材26の孔26aが位置合わせされた状態で、取付部材26はタンク21にねじ止め固定されている。取付部材26は、スクリュ31によって案内されてくる遊技球Bを下方へ導くための通路26cを有している。また、取付部材26には、スイッチホルダ26bが形成され、該スイッチホルダ26bに払出検出スイッチSW(図8参照)が設けられる。該スイッチSWにより、遊技球Bの通過が検出されるようになっており、遊技球Bが通路26cを通過するたびに、該スイッチSWはオン信号を払出制御基板に出力するようになっている。
【0043】
また、案内部材27の両側には、テーパ面27aが形成され、これにより、遊技球Bが中央部(スクリュ31)の方へ寄せられるようになっている。かかる案内部材27をはじめとして、カバー部材28、中継基板29等は、前記取付部材26に取付けられている。なお、案内部材27の下部には切り欠き溝(図示略)が設けられており、これにより、ゴミ等の異物が排出されるようになっている。
【0044】
スクリュ31は、それぞれ図に示すように配列され、通常は内側に向かって(相対向するように)それぞれ回転するようになっている。ステップモータ33は、払出制御基板のCPUから出力されるパルスに基づいて、複数段の速度でスクリュ31を正逆回転させることができるようになっている。また、スクリュ31(回転体)は、シャフト32によって、ステップモータ33と反対側の案内部材27において軸支されている。これにより、遊技球Bの重みによって、ステップモータ33のうちのスクリュ31を支持する部位に負荷がかかりすぎてしまうのが抑制されるようになっている。
【0045】
スクリュ31の外周には螺旋状の凸部が一体形成されており、該凸部間に遊技球Bが案内されるようになっている。また、スクリュ31が回転することにより、凸部に接しうる遊技球B及びその上方や上流側にある多くの遊技球Bが動かされ(崩され)、これにより、球噛み、球詰まり等の不具合が防止されるようになっている。すなわち、スクリュ31、ステップモータ33等により、遊技球Bを円滑に払出すための球崩し機構が構成されている。
【0046】
さらに、中継基板29は、メイン基板、発射制御基板、払出制御基板、及び電源基板等(これらのうちの少なくとも1つ)及び各種検出スイッチ等に対し、電気的に接続されており、各基板及び各種検出スイッチとの間で信号を中継的に送信又は受信するためのものである。中継基板29の少なくとも1つの端子は、カバー部材28に形成された開口部から露出した状態となっており、該露出した端子に対し、他の基板等の端子を容易に接続させることができるようになっている。
【0047】
さて、このように構成された払出部24,25は、主としてCR機の場合には図5に示すように、それぞれが並列状態でタンク21側壁のボス21aに取着される。一方、主として現金機等の場合には、図10に示すように、1つの払出部24のみがタンク21側壁中央のボス21aに取着される。そして、その両側には一対のスペーサ34が取着される。図10〜12に示すように、これらスペーサ34には、タンク21内の遊技球Bを中央に寄せ集めるためのテーパ面34aが形成されている。なお、上述のとおり、本実施の形態のパチンコ機1は、CR機にも現金機にも対応可能となっており、各払出部24,25もスクリュ33の向きを変えるだけで適宜共用することができるようになっている。
【0048】
さて、本実施の形態では、図2,3に示すように、前面枠3の裏面側下部には、機構盤35が回動可能(開閉可能)に取着されている。図13に示すように、この機構盤35には、払出通路36と、導出通路37とが設けられている。払出通路36は、前記上受皿12の開口部及び上部の第1開口部36a間を連通するものであり、導出通路37は、パチンコ機1の外部(但し、遊技者による視認及び操作不能な位置)へと導出するための下端の開口部及び上部の第2開口部37a間を連通するものである。
【0049】
そして、常には、図2,3に示すように、球払出装置23の各払出部24,25の出口(タンク側)と、第1開口部36a(払出出口側)とを接続するようにして、連結通路を構成するコイルバネ38が設けられている。当該コイルバネ38は、前記各払出部24,25に対応して設けられており、ほぼ直線状をなしている。また、該コイルバネ38は、上端側(各払出部24,25側)ほど大径となっており、下端側ほど小径となっている。このため、遊技球Bが各払出部24,25から落下してきた場合には、コイルバネ38の途中において、周囲の一部に当たり、そこから回転しながら螺旋状に落下し、結果的に落下速度が弱められる(落下速度の増大が抑制される)ようになっている。さらに、コイルバネ38の下端部は、払出通路36の第1開口部36aのみならず、第1開口部36aへの接続を解除した上で、導出通路37の第2開口部37aにも接続可能となっている(これについては後述する)。
【0050】
図13,14,15に示すように、払出通路36の第1開口部36a近傍及び導出通路37の第2開口部37a近傍には、それぞれ前記コイルバネ38下端部の接続状態を検出するための接続検出手段41,42が設けられている。接続検出手段41,42は、基端部が回転可能に軸支されたアーム43,44、板バネ45,46及び図示しない接点を備えたスイッチ部材47,48等によって構成されている。そして、常には、板バネ45,46の付勢力によって、アーム43,44が払出通路36、導出通路37内にそれぞれ突出した状態となっており、スイッチ部材47,48の接点は、電気的に非導通状態となっている。これに対し、コイルバネ38の下端部が払出通路36の第1開口部36a又は導出通路37の第2開口部37aに差し込まれた場合には、アーム43又は44が板バネ45又は46の付勢力に抗してコイルバネ38によって押され、接点が電気的に導通状態となる。
【0051】
また、遊技盤5の上部のコーナー飾りには第1のランプL1及び第2のランプL2といった報知手段が設けられている(図1参照)。そして、接続検出手段41により、コイルバネ38の第1開口部36aへの接続が検出された場合には、第1のランプL1が点灯し、また、接続検出手段42により、コイルバネ38の第2開口部37aへの接続が検出された場合には、第2のランプL2が点灯する。これにより、コイルバネ38の接続状況が外部から視認できるようになっている。
【0052】
なお、図2に示すように、コイルバネ38が第1開口部36a(払出通路36)に接続された状態にあって、上受皿12上の遊技球Bが満杯で上受皿12の開口部が塞がれているような場合には、コイルバネ38を通過した遊技球Bは、払出通路36の分岐路(図示せず)を通って、下受皿13の開口部の方へ案内されるようになっている。
【0053】
また、遊技球Bを清掃したり、内部点検等を行ったりする場合には、タンク21等内の全ての遊技球Bを抜き出す必要が生じる(これを「球抜き」と称する)。この球抜き時においては、図15に示すように、コイルバネ38の下端部が導出通路37の第2開口部37aに接続される。そして、この状態で、前記ステップモータ33を駆動させることにより、タンク21等の内部の遊技球Bは全て導出通路37を通ってパチンコ機1の外部へと導出されるようになっている。
【0054】
次に、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0055】
本実施の形態では、払出通路36及び導出通路37に接続検出手段41,42を設け、コイルバネ38の第1開口部36a又は第2開口部37aへの接続状況を検出できるようにした。このため、通常時及び球抜き時等において、コイルバネ38の下端側の接続状況を把握でき、その状況に確実に対処することができる。その結果、遊技球Bの払出に際しての球詰まり等の不具合の抑制を図ることができる
特に、本実施の形態では、遊技盤5に接続状況を報知するためのランプL1,L2を設けた。そのため、通常の遊技中においても、前面枠3等を開放させなくともランプL1,L2の点灯状況を見るだけで外部から接続状況を確認することができる。その結果、仮にコイルバネ38が第1開口部36aや第2開口部37aから抜けてしまったり、抜けそうになったりした場合には、速やかに対処することができる。また、コイルバネ38が第2開口部37aに接続されたまま遊技が行われてしまうことによって払出が行われないといった事態を回避することができる。
【0056】
さらに、本実施の形態では、コイルバネ38の下端部を第2開口部37a(導出通路37)に接続するだけで、容易に球抜きを行うことができる。
【0057】
さらにまた、本実施の形態では、球払出装置23が、タンク21に対し一体的に設けられており、全体としてタンクユニットTUとなっている。このため、遊技球Bを整列させるためのタンクレールやその他の通路等がない分、全体としてコンパクト化が図られる。
【0058】
また、タンクユニットTUは外枠2の上部に位置しており、従って、球払出装置23も上部に位置することとなる。また、球払出装置23の各払出部24,25の払出出口と、払出通路36等とを接続する遊技球通路(コイルバネ38)をパチンコ機1裏側の側部においてほぼ直線状に配設せしめることとした。そのため、遊技球を整列させるための機構を備えた球払出装置を側部に設けていた従来技術に比べて、パチンコ機1裏側のスペースが非常に広いものとなる。その結果、パチンコ機1裏側において、例えば、可変表示装置9の大型化を図る等、今までにはないスペースの有効活用を図ることができる。
【0059】
さらに、本実施の形態では、前記タンクユニットTU(タンク21)の側面に対し、中継基板29が設けられる。従って、当該中継基板29については、遊技盤5等に直接設けられることがないため、その分、パチンコ機1の裏側が整然としたものとなり、さらにスペースの有効活用が図られる。
【0060】
また、中継基板29の端子も外部に露出しているため、端子の着脱作業が比較的容易に行われる。その結果、作業性の飛躍的な向上を図ることができる。
【0061】
加えて、本実施の形態では、球払出装置23の各払出部24,25の払出出口と、払出通路36等とを接続する連結通路を主としてコイルバネ38によって構成することとした。このため、遊技球Bの最終的な落下速度を弱めることができ、部品の損傷を抑制することができる。特に、コイルバネ38は下端側ほど小径となっているため、上記作用効果がより確実に奏される。また、コイルバネ38は可撓性及び伸縮性を有することから、球払出装置23の各払出部24,25の払出出口と、第1、第2開口部36a,37aとの間に若干の位置ずれが生じたとしても、その位置ずれを吸収することができる。
【0062】
加えて、本実施の形態によれば、タンク21(タンクユニットTU)が外枠2の上部に取付けられている。このため、タンク21の取付状態の著しい安定化を図ることができる。また、タンク21が遊技球Bで満杯状態となったとしても、タンク21は強固な外枠2に取付けられているため、外枠2がタンク21からの応力によって撓んだりすることがない。
【0063】
また、外枠2は、前面枠3やミドルプレートMや機構盤35等とは異なり、開閉(回動)されない。そのため、タンク21に多くの遊技球Bが貯留されている場合であっても、遊技球Bがポロポロこぼれてしまうという事態が生じにくい。併せて、タンク21が取着された状態にあっては、タンク21の後壁は、遊技盤5の裏面側から後側に突出するようにして設けられた役物(例えば可変表示装置9)よりもさらに後側に位置している。そのため、仮に、タンク21に貯留されていた遊技球Bがこぼれて落下したとしても、こぼれた遊技球Bが役物に当たってしまうことがない。従って、役物を落下する遊技球Bから保護する必要がなくなり、場合によっては、役物カバーを省略することができる。
【0064】
さらには、遊技盤の裏面側の機構盤にタンクが設けられていた従来技術と比較して、遊技盤5の裏面側の上部に機構盤35を設ける必要がない。従って、その分だけ遊技盤5の裏面側のスペースを有効に活用することができる。例えば、従来タンクが設けられていた部位にコーナー飾り用のランプ基板等を配備することも可能となる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、外枠2にはタンク21を保持するためのタンクホルダ16が設けられており、該タンクホルダ16に対し、タンク21が着脱可能に設けられる。従って、点検時や修理時、場合によっては、球抜き時等において、タンク21を容易に取り外すことができる。その結果、作業性の著しい向上を図ることができる。
【0066】
併せて、本実施の形態における球払出装置23には、球崩し機構が設けられているため、従来の如く遊技球を一列に整列させる必要がなく、タンクレール等の部材を設けなくともほぼ確実に球噛み、球詰まり等の不具合を防止することができる。特に、本実施の形態では、球崩しに何らかの支障が生じたような場合にはスクリュ31を逆回転させることにより、球崩しを促進することができる。このため、上記作用効果がより確実なものとなる。
【0067】
また、本実施の形態では、両払出部24,25を、それぞれほぼ同等の構造とすること、ボス21aに取着される構成とすること、及び、一方24又は25のみを設ける場合にはスペーサ34を設けること等により、CR機にも現金機にも対応できる。また、両払出部24,25を、それぞれほぼ同等の構造とすること(スクリュ33の向きが異なるだけ)で、適宜共用することができる。従って、生産性に優れ、コストの著しい低下を図ることができる。
【0068】
尚、本発明は上述した実施の形態の記載内容に限定されるものではなく、従って、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば次のように実施してもよい。
【0069】
(a)上記実施の形態では、スクリュ31は、それぞれ図7に示すように配列され、通常は内側に向かってそれぞれ回転するようになっていたが、配列及び回転方向については、何ら限定されるものではない。例えばスクリュ31を共にパチンコ機1の表側に向けて回転させてもよいし、スクリュ31は共に外側に向かって回転させてもよい。
【0070】
(b)上記実施の形態では、タンク21及び球払出装置23を一体化してタンクユニットTUとしたが、タンクの近傍に球払出装置を設け、これらをタンクユニットとしてもよい。
【0071】
(c)タンク21及び球払出装置23を離間させて配設することとしてもよい。
【0072】
(d)上記実施の形態では、球払出装置23を構成する要素として取付部材26、案内部材27、カバー部材28、中継基板29、カラー30、スクリュ31、シャフト32及びステップモータ33を採用したが、これらのうち一部を省略してもよい。また、スクリュとシャフトとが一体となったものを採用してもよい。また、他の回転体を用いてもよい。さらには、ステップモータに代えて、他の駆動手段を用いてもよい。
【0073】
(e)上記実施の形態では、タンクユニットTUを外枠2のタンクホルダ16に設けることとしたが、直接外枠2に設けてもよい。また、タンク21を着脱可能としたが、着脱不能に固定してもよい。さらに、タンク21をミドルプレートMや前面枠3に設けることとしてもよい。
【0074】
(f)上記実施の形態では、球払出装置23の各払出部24,25の払出出口と、払出通路36等とを接続する連結通路をコイルバネ38で構成することとしたが、他の手段(単なる筒や、内部に突起のある筒、蛇腹状のホース等)にて構成することとしてもよい。
【0075】
(g)本発明は、上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機にも適用できる。従って、可変表示装置9等のないパチンコ機や、他の役物を備えたパチンコ機にも応用できる。また、本発明は、パチンコ機以外にも雀球、アレンジボール、遊技球を遊技媒体としたスロットマシン等の遊技機にも応用可能である。
【0076】
(h)タンクユニットTUに対し、中継基板29以外の他の回路基板(メイン基板、発射制御基板、払出制御基板、電源基板等)を設けることとしてもよい。また、かかる中継基板29を設けない構成としてもよい。
【0077】
(i)コイルバネ38に隙間を設けるようにしてもよい。かかる構成とすることにより、コイルバネ38間の隙間から、釘やゴミ等の異物を落下させることができる。
【0078】
(j)報知手段としては、上述したランプL1,L2以外にも、音声等を発する手段を採用してもよい。また、接続状態が遊技を行うのに不適切な場合には、遊技球Bが発射されないような構成としてもよい。
【0079】
(k)接続検出手段41、42として、他の構成を備えたものを用いてもよい。例えば、払出通路36や導出通路37にフォトセンサを設けておき、コイルバネ38等が差し込まれた場合に、そのことが検知されるようにしてもよい。
【0080】
(l)払出通路36のみに接続検出手段41が設けられる構成としてもよい。
【0081】
(m)導出通路37を省略してもよい(但し、参考例)。
【0082】
(n)上記実施の形態では、CR機等の場合には、2本のコイルバネ38を用いることとしたが、1本で構成してもよいし、途中で合流させるようにしてもよい。
【0083】
(o)上記実施の形態では、コイルバネ38を第1開口部36a又は第2開口部37aに差し込むことにより接続するようにしたが(連結通路の下流側と、払出出口側の通路とを重なり合わせるようにして接続したが)、コイルバネ38の下端部と開口部36a又は37aとを当接させ、別途の連結手段(例えばクランプ等)で連結させることとしてもよい。要するに、タンク21内の遊技球Bを、コイルバネ38を通過せしめて払出通路36等へと案内できるような構成となっていればよい。
【0084】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、遊技球を貯留する貯留部を備えてなるパチンコ機等の遊技機において、球詰まり等の不具合の抑制を図ることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】パチンコ機の前面枠を開放した状態を示す斜視図である。
【図3】パチンコ機の外枠等と、タンクユニットとを示す分解斜視図である。
【図4】(a)は外枠に対しタンクユニットを取付ける際の断面図であり、(b)は取付後の状態を示す断面図である。
【図5】タンク及び球払出装置を示す分解斜視図である。
【図6】球払出装置を示す分解斜視図である。
【図7】球払出装置の部分平面図である。
【図8】図7のA−A線断面図に相当する図である。
【図9】図7のB−B線断面図に相当する図である。
【図10】1つの払出部のみを設けた状態を示すタンクユニットの分解斜視図である。
【図11】1つの払出部のみを設けた状態を示すタンクユニットの部分平面図である。
【図12】図11のC−C線断面図に相当する図である。
【図13】機構盤の一部を示す分解斜視図である。
【図14】コイルバネを第1開口部に接続した状態を示す模式図である。
【図15】コイルバネを第2開口部に接続した状態を示す模式図である。
【図16】コイルバネを第2開口部に接続した状態を示す外枠等の斜視図である。
【図17】従来技術におけるパチンコ機を示す背面斜視図である。
【符号の説明】
1…遊技機としてのパチンコ機、2…外枠、3…前面枠、5…遊技盤、9…可変表示装置、16…タンクホルダ、17…支持レール、19…ストッパ、21…タンク、22…フランジ、23…球払出装置、24…景品球払出部、25…貸球払出部、31…スクリュ、33…ステップモータ、34…スペーサ、35…機構盤、36…払出通路、36a…第1開口部、37…導出通路、37a…第2開口部、38…コイルバネ、41,42…接続検出手段、B…遊技球、HS…球補充装置、M…ミドルプレート、TU…タンクユニット。
Claims (3)
- 遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、遊技球が入賞可能な入賞口と、
遊技機における裏側に設けられ、遊技球を貯留する貯留部と、
前記入賞口に遊技球が入賞した場合に、前記貯留部に貯留された遊技球を払い出す払出作動部と、
前記入賞に対応する払出個数に基づいて前記払出作動部の作動を制御する払出制御手段と、
前記貯留部側と接続されて当該貯留部から導出された遊技球を通過させるコイルバネからなる通路部、及び、前記払出作動部を有する球払出手段と、
前記通路部の下方に設けられ、上流側に第1球受入口を有し、下流側が遊技者側に設けられた払出出口と連通する払出通路と、
前記通路部の下方に設けられ、上流側に第2球受入口を有し、通過する遊技球を遊技機外へ導出させる導出通路とを備える遊技機であって、
前記通路部は、前記払出通路の第1球受入口に連通する第1接続状態と、前記導出通路の第2球受入口に連通する第2接続状態と、前記払出通路の第1球受入口及び前記導出通路の第2球受入口を露出させる分離状態とに状態を変更可能であり、
前記貯留部に対し、又は貯留部の近傍に前記球払出作動部を設け、当該貯留部及び前記球払出作動部を遊技機に対し前方へ向けての取外しが可能となるよう一体化させたことを特徴とする遊技機。 - 請求項1に記載の遊技機において、
前記通路部を前記分離状態から前記第1接続状態へと状態を変更する場合に、当該接続動作に基づき第1位置から第2位置へと変位する変位手段を備えていることを特徴とする遊技機。 - 請求項2に記載の遊技機において、
前記変位手段の変位を検出可能とし、その検出結果を報知する報知手段を設けたことを特徴とする遊技機。
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