JP4429417B2 - 圧電発音体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子音響機器,通信機器,電子機器などに使用される圧電発音体に関するものである。
【0002】
【背景技術】
圧電発音体は、簡易な電気音響変換手段として広く利用されており、特に近年は携帯電話などの分野で多用されている。一般的には、図7(A)に断面を示すように、圧電駆動板100を金属振動板110に貼り合わせた構成となっている。圧電材としては、例えば、圧電性セラミックス{ジルコン酸チタン酸鉛(略してPZT),チタン酸バリウム,ジルコン酸鉛,チタン酸鉛などを主成分とするセラミックス}が用いられる。このような圧電材を例えば円板状に成形するとともに、焼成,分極を行って圧電駆動板100を得る。圧電駆動板100の上面(もしくは表裏両面)には、駆動用の電極102が設けられている。一方,金属振動板110を形成する金属としては、例えばFe−Ni系ステンレス材料が用いられる。前記圧電駆動板100を金属振動板110上に導電性接着剤を用いて貼り合わせることで、圧電発音体(あるいは圧電スピーカ,圧電ブザー)120を得る。
【0003】
このようにして得られた圧電発音体120には、電極102と、金属振動板110との間に、別言すれば圧電駆動板100の表裏面に駆動信号122が印加される。金属振動板110側は、通常アースされる。このようにして、圧電駆動板100に電気変位を与えると、圧電駆動板100は、図7(B)に矢印FAで示すように、円周方向に伸縮する。ところが、金属振動板110があるために全体が湾曲するようになり、結果として矢印FBで示すように上下方向に振動し、音が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、圧電発音体の音圧特性は、例えば図8にグラフGAで示すようになる。同図中、f0は共振周波数である。また、fLは音圧の低い周波数である。この音圧特性は、人間の可聴範囲,例えば300Hz〜3kHzの範囲では平坦であることが好ましい。一方、共振周波数付近では音圧が極端に大きくなるため、再生音が人間には不自然となる。共振周波数は、金属振動板の径を大きくすると低下する。しかし、この方法では、圧電発音体の形状が大きくなってしまう。また、圧電発音体の厚みを小さくすることでも、共振周波数を下げることができる。しかし、この方法は、構造強度上おのずと限界がある。
【0005】
そこで、前記不都合を回避する方法として、特開平6−78397号公報に開示された圧電発音体がある。これによれば、圧電振動板に金属やセラミックなどによる共振抑制部材が設けられる。これにより、圧電振動板の共振作用による音圧レベルの変動が抑制されるようになる。これによれば、図8にグラフGBで示すように、共振周波数が低域側にシフトするとともに音圧も抑制されるようになる。ところが、この背景技術では、音圧レベルが極端に低下する周波数fLが現れるという不都合がある。これは、圧電発音体に高次の振動が生じているためと思われる。
【0006】
本発明は、以上の点に着目したもので、音量の低下を招くことなく、良好な音質を得ることができる圧電発音体を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、筐体に支持された振動板と、外部電極が形成された圧電体からなる駆動板を張り合わせた圧電発音体において、振動に質量慣性を与える振動調整部を設け、前記駆動板を、前記圧電体内に内部電極を埋設して積層体に形成することで、単層で電極を対抗させた場合よりも高い電界が圧電体内部に引き起こされるようにするとともに、前記振動調整部を兼用する構成とし、この兼用した駆動板の質量と、前記振動板の質量とが、1<(駆動板の質量/振動板の質量)<5の関係を満たすことを特徴とする。振幅及び共振周波数を調整する振動調整部を設けることで、音量の低下を招くことなく、良好な音質を得ることが可能になる。
【0008】
主要な形態として、その振動調整部は、具体的には、下記の手段が採用できる。
)駆動板の厚さを、振動板の厚さよりも厚くする。
)駆動板に同期して駆動する圧電性の第二の駆動部材を駆動板又は振動板に設ける。
)駆動板の外形寸法を振動板の外形寸法に近似させる。
このように振動に質量慣性を与えることによって、固有振動周波数を下げるとともに、その共振周波数においても高い音圧を得ることができる。
また、電界、駆動性又は外形寸法に着目して振動性を向上させるように工夫することによって、高周波側に現れる高次の共振を低減でき、振動周波数の可聴帯域における広帯域化が可能となり、音圧も平坦なものが得ることができる。
【0009】
これらを実現するには、下記の手段を採用することが有効である。
(1)駆動板の中央領域に錘を固着すること。
(2)駆動板は、内部電極を埋設した積層体を用いること。
駆動板に錘を固着することで、簡易に振動に質量慣性を与えることができ、固有振動周波数を下げることができる。また、圧電体を積層することで、駆動電圧の増大を伴うことなく効率的に大きな変位量で駆動板を駆動することができるとともに、厚みを増大することで共振周波数がシフトする。これにより、上記(1)〜(3)の手段を容易に実現でき、音圧の低下を招くことなく音質が向上した圧電発音体を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1には、一実施形態の外観及び主要断面が示されている。同図において、圧電発音素子10は、全体が円板状に形成されており、振動板12上に駆動板14を張り合わせた構成となっている。一方、圧電発音素子10の支持枠である筐体20は、径方向断面が略L字状であって、全体が円環状に形成されている。そして、この筐体20の段差22に全周にわたって設けられた接着剤などによる支持体24を介して、前記圧電発音素子10が支持されている。
【0012】
前記振動板12の裏面(図の下側の面)中央には、金属製の錘16が固着されている。駆動板14は、圧電体(圧電シート)の積層構造で内部に内部電極18が平行に埋設されており、表面には電極32,34が形成されている。内部電極18は、スルーホール36によって交互に電極32,34に接続されている。そして、電極32は引出端子38に、電極34は引出端子40にそれぞれ接続されている。引出端子38,40としては、金属端子やリード線など公知のものが用いられる。なお、振動板12や筐体20が金属であるときは、それらから一方の端子を引き出すようにしてもよい。
【0013】
次に、各構成要素について更に説明する。圧電発音素子10の振動板12としては、公知のものを用いることができる。例えば、10μm〜100μm程度の厚みのステンレスなどの金属板を使用するとよい。
【0014】
圧電発音素子10の駆動板14は、例えば、PZT系などの公知の圧電セラミックス材料を用いた圧電セラミック積層体によって構成される。上述したように、表面の電極32,34と内部電極18をスルーホール36によって交互に接続することで、隣接する電極間で交互の極性となる。なお、スルーホール36は、スルーホールランドを設けるとともに、スルーホール内を導電ペーストで充填することで形成される。振動板12の変位量は、駆動板14における圧電材シー卜の積層枚数の増域によって調整することができ、積層枚数を増やすことで容易に変位量の増大を図ることができる。積層構造としては、図示のもの以外の各種の構造が適用可能である。
【0015】
筐体20としては、金属が望ましい。金属を用いることで、下側に開口26を設けても強度が強く精度のよい筐体20を得ることができる。具体的には、マグネシウム合金などの酸化されにくく熱膨張率の小さな金属や、アルミニウムのような軽量な金属が望ましい。開口26の形状,大きさ,数(図示の例は1つ)によって音圧を調整することができる。筐体20の形状は、環状が望ましく、平板の切削加工あるいは打ち抜き加工によって得ることができる。また、筐体20の段差22の部分の内径は、振動板12の外径よりも大きく、かつ、開口26の大きさは、振動板12の外径よりも小さく、筐体20内に圧電発音素子10が収納される形状寸法とする。
【0016】
この筐体20に圧電発音素子10を支持する方法としては、筐体20にはめ込みなどによって機械的に固定してもよいが、生産性を配慮すると、接着剤によって支持する方法が望ましい。ここで、振動板12が金属である場合には、金属との接着性が良好であって、振動を阻害しないような材質が好ましく、例えばシリコン系接着剤などの柔らかい材質のものが好適である。
【0017】
圧電発音素子10に取り付ける錘16としては、金属片が用いられる。また、錘16を固定する位置としては、図示のように振動板12の略中央のみならす、駆動板14側(電極32側,あるいは電極34側)に固定してもよい。あるいは、錘16を前記駆動板14の圧電体と同じ材質によって形成し、これを駆動板14に積層して接着するようにしてもよい。このようにすると、圧電体の積層部分が錘16として作用するのみならず、第2の駆動体としても作用するようになる。また、錘16を複数に分割して各所に設けるようにしてもよい。
【0018】
以上のように構成された圧電発音体50は、例えば、図中に点線で示す電子機器筐体52に対して、圧電発音素子10の駆動板14側が機器側となるように、取り付けられる。このように、電子機器筐体52に直接圧電発音体50を取り付けるようにすれば、電子機器の高密度化,特に低背化を実現することができる。なお、電子機器筐体52に対して直接取り付ける代わりに、開口を有する遮蔽板を駆動板側に単なるケースとしてかぶせるようにしてもよい。
【0019】
次に、外部接続用端子38,40は各種変形が可能である。まず、リード線を駆動板14の電極32,34に直接電気的に接続するようにしてよい。図2(A)に示す例は、圧電発音素子10の周囲適宜位置に、金属端子60,62をそれぞれ取り付けたものである。一方の金属端子60は、駆動板14の上面の電極32に電気的に接続しており、端子61として外部に接続している。他方の金属端子62は、導電性金属による振動板12に電気的に接続しており、端子63として外部に接続している。振動板12は、駆動板14の裏面側の電極34と導電性接着剤により電気的に接続している。金属端子60,62は、金属片をクランク状に折り曲げたもので、筐体20の外周部位に露出している。なお、筐体20が金属の場合は、上記金属端子60,62が筐体20と電気的に接触しないように、それらの間に絶縁コート64,66を設けるようにする。
【0020】
図2(B)は、駆動板14の裏面側電極34に電気的に接続している振動板12を、筐体20にリード線66で接続したものである。端子63は、筐体20の適宜部位から取り出される。一方の金属端子60側は、前記図2(A)の例と同様である。
【0021】
以上の図2に示したように、筐体から金属片による端子を使用して引き出すことで、面実装可能な圧電発音体を得ることができる。もちろん、筐体の外周側の側面まで引き出して接続するようにしてもよい。
【0022】
図3(A)に示す例は、音圧調整用の開口71,73をそれぞれ有する平板70,72を、圧電発音体50の筐体20の裏側もしくは表面に設けるようしたものである。このように、音圧調整用の平板70もしくは72を設けることで、圧電発音体50が同じ構造であっても、異なる音圧特性を得ることができ、金型コストなどの製造コストを低減できる。
【0023】
次に、図4を参照しながら、上述した圧電発音体50の主要製造工程を説明する。まず、駆動板14となる積層体から説明すると、PZT系組成を有するセラミック粉末にバインダを添加したスラリを作成し、これからドクターブレード等の方法でグリーンシートを得る。このグリーンシートの厚みは、5μmから100μmの範囲が望ましく、特に15μmから50μmの範囲が望ましい。
【0024】
このようにして得られたグリーンシートを裁断するとともに、Ag,Ag/Pdなどの導電ペーストをスクリーン印刷などの方法で印刷し、図4(A)に示す積層シート14A〜14Cを形成する。なお、該当個所には、スルーホール14D〜14Fをそれぞれ形成する。その後、同図(B)に示すように、各積層シート14A〜14Cを積層するとともに圧着する。そして、同図(C)に示すように、スルーホール内部に導電性ペーストを充填する。その後、所定形状に切断するとともに、約1100度から1300度位の温度で焼成し、例えば外径15mm,厚さ60μmの積層体を得る。
【0025】
この積層体は、両面に電極端子を接続して直流電圧を印加することで分極し、圧電駆動板となる。このような積層構造とすることで、単層構造の場合よりも高い電界を圧電材の内部に形成することができる。このような積層構造の駆動板14は、図4(C)に示すように振動板12に接着する。振動板12と駆動板14の接着は、振動板12の主面にスクリーン印刷等の方法で均一に接着剤12Aを印刷し、これに駆動板14を貼り付けることで行う。このとき、接着剤12Aとして導電性接着剤を用いることもできる。これにより、圧電発音素子10を得る。
【0026】
一方、開口26が設けられた筐体20内の段差22に環状にシリコン系接着剤24を塗布した後、上述した圧電発音素子10を図4(C)に示すように接着する。接着剤24が硬化することで振動板12が支持される構造となる。逆に、振動板12側に環状にシリコン系接着剤24を塗布した後に筐体20の段差22に接着してもよいが、作業性を考慮すると、筐体20側に接着剤24を塗布した方がよい。この場合、接着剤24の硬さによって圧電発音素子10の振動環境が変化するので、接着剤24の硬さなどの塗布条件に応じて、前記積層体の質量及び/又は厚さを調整する。例えば、接着剤24が硬い場合には、積層体を重く、厚くするという具合である。
【0027】
次に、本形態の作用を説明する。本形態では、駆動板14の質量が、振動板12と同じ厚さで外径の比(駆動板/振動板)が0.7の場合を基準としたときの質量よりも大きく、あるいは、駆動板14の厚さが、振動板12の厚さよりも厚くした構造となっている。すなわち、駆動板14及び錘16の全体の質量、厚みが、振動板12よりも大きくなるように配慮して形状などが決定される。従来、圧電発音体においては、駆動板の振動板に対する比率として0.7が望ましいと言われていた(例えば、TIC(株)エレクトロニク・セラミクス1984年秋号圧電応用特集,「圧電スピーカ」山添敏博著)。しかし、振動するときの空気抵抗や支持構造に夜振動阻害要因を考慮すると、体積・質量を従来よりも大きくしたほうが、音圧を高めることができる。このようにすることで、圧電発音体50としての共振周波数を低くしてもその音圧は高く、かつ、広い周波数帯域でフラットとなる音圧振動を得ることができる。
【0028】
良好な音圧特性を得ることができる振動板12と、駆動板14及び錘16の合計質量の比率は、機械的剛性と共振周波数低減効果のバランスを考慮すると、
1<
(振動板12と同じ厚さで外径の比(駆動板の外径/振動板の外径)が0.7の場合を基準としたときの駆動板14及び錘16の質量及び/又は厚み)/(振動板12の質量及び/又は厚み)
<5
の範囲が望ましいことが実験的に確認されている。
【0029】
振動板12と駆動板14が同じ質量及び/又は厚みであっても、同様の効果を得ることができる。駆動板14及び錘16の質量及び/又は厚みを増大すればエネルギは十分流れることができるが、その分、剛性が上がりすぎて音圧の共振周波数f0が高くなる。すなわち、前記比が1であると共振周波数の低周波数化の効果がなくなり、逆に5より大きくすると剛性が大きくなって機械的振動が抑制されてしまい、いずれも好ましくない。上述した範囲に設定すると、共振周波数の低周波数化の効果が得られることが判明している。
【0030】
なお、錘16は、圧電発音素子10の中央に設けることが好ましい。このようにすることで、発音素子10の固有振動を低周波化でき、結果として音圧の周波数特性の高帯域化が可能になるからである。また、形状は、円板状に限らず、リング状として中心軸が駆動板14と一致するようにしてもよい。
【0031】
更に、振動板12と駆動板14の外径寸法の比率が、
0.8≦(駆動板14の外径/振動板12の外径)
であることが望ましいことが実験的に確認されている。このように外径比を規定すると、高周波側に現れる高次の共振を抑えることができるため、音圧の周波数特性が平坦になり、音圧レベルが平坦化されると考えられる。更に、錘16の付加効果により、共振周波数がシフトするものと考えられる。この条件からすれば、振動板を錘とし、振動板よりも大きな外径を有する駆動板を用意して、該駆動板を支持する構造としてもよい。
【0032】
上述した形態では、錘16が振動調整部として作用したが、錘16の代わりに駆動板14が振動調整部として作用するようにしてもよい。図5(A)に示す例は、駆動板14Pの質量及び/又は厚さを、前記振動板12の質量及び/又は厚さよりも大きくした構造となっている。すなわち、振動板12に貼り付けられる駆動板14Pは、駆動板14Pの全体の質量及び/又は厚さが、振動板12よりも大きくなるように配慮して形状などが決定される。振動板12と駆動板14Pの質量及び/又は厚さの比率は、機械的剛性と共振周波数低減効果のバランスを考慮すると、上述した場合と同様に、
1<(駆動板14Pの質量又は厚み/振動板12の質量又は厚み)<5
の範囲が望ましい。
【0033】
同様の効果は、図5(B)に示すように、第2の駆動板14Qを設けることでも得ることができる。第1の駆動板14と第2の駆動板14Qは、別体として構成するとともに、第2の駆動板14Qを圧電駆動できるように電極32Qを設け、両者を接続固定して一体化する。第1の駆動板14と第2の駆動板14Qを予め積層して両者を一体化すれば、図5(A)と同様となる。この例では、第2の駆動板14Qが前記錘16と同様に作用するのみならず、駆動手段としても作用するため、共振周波数を低くしてもその音圧は高く、かつ、広い周波数帯域で良好な音圧の振動を得ることができる。図5(C)は、第2の駆動板14Qを、第1の駆動板14と振動板12の間に形成したもので、電極34Qが第2の駆動板14Qに設けられている。
【0034】
更に、図3(B)に示すように、振動板12の表裏に駆動板80,82を設けるようにしてもよい。この場合、二つの駆動板80,82の伸縮位相がぶつかり合わないように、振動モードや分極方向などを調整する。この例では、振動板12は、その周縁を筐体84の溝86に対してはめ込んだような状態で機械的に支持される。
【0035】
なお、このように、積層体の一部を振動調整部として使用する場合には、材料特性に配慮した調整を行なう他、前記グリーンシートの厚さ,電極層数,シート層数などを調節することで、振動特性の調整を行うようにする。
【0036】
以上のような第2の駆動板14P,14Qは、駆動を行う圧電材料と同一材料によることが望ましく、積層工程時に第1の駆動板14に積層形成することが望ましい。金属片による錘16は、駆動板14と振動板12の接着工程時に設けることが望ましい。もちろん、錘16を、駆動板14と同一の材料で形成するようにしてもよい。また、第2の駆動板と錘の両方を設けるようにしてもよい。
【0037】
また、駆動板14の中心軸と振動板12の中心軸は、一致させておくことが振動の効率を最大限に発揮するためにも望ましい。そうすることで、振動したときに中心部が一番質量の影響を受けるようになり、質量慣性を大きく与えることができる。このため、上述した音圧特性の効果を更に効果的に得ることができる。
【0038】
図5(D)は、電極32Rが、駆動板14の表面側電極と錘とを兼用した例であり、図5(C)は、電極34Rが、駆動板14の裏面側電極と錘とを兼用した例である。更に、駆動板14の内部電極18と錘16とを兼用するようにしてもよい。いずれにおいても、前記例と同様の効果を得ることができる。次に、前記形態にかかる実施例について説明する。
【0039】
次に、本発明の実施例について説明する。圧電体と振動板の外径の比を、0.8以上とした。圧電体は、前記形態のように積層してもよいし、積層しなくてもよいが、積層体であることが望ましい。本実施例においては、圧電体の外径を18mm,厚さを62μm,重さ130ミリグラムの3層構造の積層体とし、振動板の外径を19mm,厚さ20μm,重さ30ミリグラムのステンレス材とした。錘の重さは、200ミリグラムとした。なお、従来技術によれば、駆動板と振動板の外径比(駆動板/振動板)を0.7とし、厚さを同じにしたときの駆動板の重さは、90〜100ミリグラム程度である。
【0040】
以上のような試料について音圧特性を測定したところ、図6にグラフGCで示すようになり、従来のグラフGA(図8参照)と比較して共振周波数f0が300Hz付近側にシフトするとともに、300〜3000Hzの可聴帯域における音圧レベルも、平坦化されて良好となった。なお、圧電体の外径を14mmと小さくしたときは、グラフGDのようになり、音圧レベルが極端に低下する周波数が現れた。
【0041】
本発明には数多くの実施形態があり、以上の開示に基づいて多様に改変することが可能である。例えば、前記形態に示した材料や形状・寸法は一例であり、心要に応じて適宜変更してよい。シートの積層数,内部電極のパタ一ンなども同様である。駆動板の電極や内部電極のパターンをマトリックス状あるいは部分的に開口を設けたパターンとして非電極形成部を形成し、その単板あるいは積層体の非電極形成部を錘として機能させて振動調整部としてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次のような効果がある。
(1)振動板と駆動板を張り合わせた圧電発音素子に振動調整部を設けることとしたので、振動に適度の質量慣性が付与されて、音量の低下を招くことなく共振周波数が下がるようになり、良好な音質を得ることが可能になる。
(2)振動板と駆動板の外形寸法を規制することとしたので、高次の共振を低減でき、可聴帯域における音圧レベルの平坦化が可能となる。
(3)振動調整部を設けた圧電発音素子を予め用意して筐体に固着することとしたので、製造コストを増大させることなく、音量の低下の少ない良好な音質の圧電発音体を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の外観及び主要断面を示す図である。
【図2】前記形態の変形例の主要断面を示す図である。
【図3】前記形態の変形例の主要断面を示す図である。
【図4】前記形態の主要製造工程を示す図である。
【図5】他の形態の主要部を示す図である。
【図6】実施例の音圧特性を示す図である。
【図7】従来の圧電発音素子の基本的な構成を示す図である。
【図8】従来の圧電発音素子の基本的な音圧特性を示す図である。
【符号の説明】
10…圧電発音素子
12A…接着剤
12…振動板
14A〜14C…積層シート
14D〜14F…スルーホール
14,14P,14Q…駆動板
16…錘
18…内部電極
20…筐体
22…段差
24…シリコン系接着剤
24…支持体
26…開口
30…内部電極
32,32Q,32R,34,34Q,34R…電極
36…スルーホール
38,40…引出端子
50…圧電発音体
52…電子機器筐体
60,62…金属端子
61,63…端子
64…絶縁コート
66…リード線
70…平板
71…開口
80…駆動板
84…筐体
86…溝
f0…共振周波数

Claims (8)

  1. 筐体に支持された振動板と、外部電極が形成された圧電体からなる駆動板を張り合わせた圧電発音体において、
    振動に質量慣性を与える振動調整部を設け、
    前記駆動板を、前記圧電体内に内部電極を埋設して積層体に形成することで、単層で電極を対抗させた場合よりも高い電界が圧電体内部に引き起こされるようにするとともに、前記振動調整部を兼用する構成とし、
    この兼用した駆動板の質量と、前記振動板の質量とが、1<(駆動板の質量/振動板の質量)<5の関係を満たすことを特徴とする圧電発音体。
  2. 前記駆動板の厚さが、前記振動板の厚さよりも厚く構成されていることを特徴とする請求項1記載の圧電発音体。
  3. 前記駆動板に同期して駆動される圧電性の第二の駆動部材を、前記駆動板又は振動板に設けたことを特徴とする請求項1記載の圧電発音体。
  4. 前記駆動板の外形寸法を、前記振動板の外形寸法に近似させたことを特徴とする請求項1記載の圧電発音体。
  5. 前記駆動板の中央領域に錘を固着したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧電発音体。
  6. 前記駆動板の表面側の外部電極が、前記駆動板の表面側電極と前記錘を兼ねることを特徴とする請求項5記載の圧電発音体。
  7. 前記駆動板の裏面側の外部電極が、前記駆動板の裏面側電極と前記錘を兼ねることを特徴とする請求項5記載の圧電発音体。
  8. 前記駆動板の内部電極が、前記錘を兼ねることを特徴とする請求項5記載の圧電発音体。
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