JP2012209866A - 音響発生器 - Google Patents

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Shuichi Fukuoka
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Abstract

【課題】音圧の周波数特性における音圧のばらつきを低減できる音響発生器を提供する。
【解決手段】枠体1と、該枠体1に張られた樹脂からなる振動板3と、前記枠体1内の前記振動板上に固定された圧電素子5と、該圧電素子5を埋設するように前記枠体1内に充填された樹脂7とを備え、前記枠体1の内側の領域の形状が多角形であり、前記圧電素子5は、該圧電素子5の重心C2が前記多角形の重心C2からずれた位置に配置されていることにより、音圧のばらつきを低減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話を始めとする小型の電子機器の組み込まれている音響発生器に関する。
従来、圧電スピーカに代表される音響発生器は、圧電体を電気音響変換素子に用いた小型、低電流駆動の音響機器として知られており、モバイルコンピューティング機器等、小型の電子機器に組み込まれる音響出力機器として使用されている。
一般に、圧電体を電気音響変換素子に用いた音響発生器は、金属製の振動板に銀薄膜等による電極が形成された圧電素子を貼り付けた構造となっている。圧電体を電気音響変換素子に用いた音響発生器の発音機構は、圧電素子の両面に交流電圧を印加することで圧電素子に形状歪を発生させ、圧電素子の形状歪を金属製の振動板に伝えて振動させることにより音を発生させるというものである。
ところが、金属製の振動板に圧電素子を貼り付けた構造の音響発生器は、拡がり振動する圧電素子を面積の変化しない金属板で拘束することで面積屈曲振動を発生させるものであるため、音響変換効率が低く、しかも小型で共振周波数の低い音圧特性を持たせることは困難であった。
このような問題に対し、本出願人は、金属製の振動板の代わりに、樹脂フィルムを振動板として適用した音響発生器を提案した(例えば、特許文献1を参照)。
この音響発生器は、バイモルフ型の積層型圧電素子を、その厚み方向から一対の樹脂フィルムにより挟持し、さらに、この樹脂フィルムを、張力をかけた状態で枠部材に固定したものである。これにより音響変換効率が向上し、高い音圧の発生が可能となった。
特開2010−177867号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の音響発生器は、音圧の周波数特性において音圧のばらつきが大きいという問題を有していた。
従って、本発明は、音圧の周波数特性における音圧のばらつきを低減できる音響発生器を提供することを目的とする。
本発明の音響発生器は、枠体と、該枠体に張られた樹脂からなる振動板と、前記枠体内の前記振動板上に固定された圧電素子と、該圧電素子を埋設するように前記枠体内に充填された樹脂とを備え、前記枠体の内側の領域の形状が多角形であり、前記圧電素子は、該圧電素子の重心が前記多角形の重心からずれた位置に配置されていることを特徴とする。
上記音響発生器では、前記多角形が長方形であるとともに、前記長方形の重心を原点とするX−Y座標を仮想的に引いたときに、前記原点から前記長方形の外辺までのX軸方向
およびY軸方向のそれぞれの距離に対する前記原点から前記圧電素子の重心までの前記X軸方向および前記Y軸方向の距離の比率のうち、該比率の大きい方が10%以上であることが望ましい。
上記音響発生器では、前記長方形の面積に対する前記圧電素子の主面の面積の比率A(%)が0<A<42.2であるとともに、前記原点から前記圧電素子の重心までの前記X軸方向および前記Y軸方向の距離の比率のうち、該比率の大きい方が30.0〜58.3%であることが望ましい。
本発明の音響発生器によれば、音圧の周波数特性における音圧のばらつきを低減することができる。
本実施形態の第1形態の音響発生器を示すもので、(a)は平面図、(b)はA−A線に沿った断面図である。 本実施形態の音響発生器の音圧の周波数依存性の一例を示すグラフである。 実施例に示した試料について振動板上における圧電素子の配置を示した模式図である(配置1〜6)。 実施例に示した試料について振動板上における圧電素子の配置を示した模式図である(配置7〜12)。 実施例に示した試料について振動板上における圧電素子の配置を示した模式図である(配置13,14)。
以下、音響発生器の第1形態を図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態の第1形態の音響発生器を示すもので、(a)は平面図、(b)はA−A線に沿った断面図である。
本実施形態の音響発生器は、図1に示すように、枠体1と、この枠体1に張られた樹脂からなる振動板3と、枠体1内の振動板3に固定された圧電素子5と、さらに、枠体1内において圧電素子5を埋設するように充填されている樹脂7とを備えている。
本実施形態の音響発生器においては、枠体1は、その内側の領域の形状が多角形であり、圧電素子5は、その圧電素子5の重心が振動板3の形状である多角形の重心からずれた位置に配置されている。
本実施形態の音響発生器によれば、音響発生器を構成する振動板3が樹脂により形成されており、金属板に比べて弾性率の低い材料により形成されているために、振動板3を大きな振幅で屈曲振動させることができる。その結果、音響変換効率を高めることができ、入力電力の低い場合においても高い音圧を発生させることができる。
本実施形態の音響発生器によれば、振動板3上に圧電素子5が固定されており、その圧電素子5の重心C2が振動板3の重心C1からずれているために、振動板3と圧電素子5との間の振動モードが互いに同期しない状態を形成できるとともに、枠体1に固定された振動板3の面内において、振動板3の重心C1から離れた領域に、振動板3の重心C1の振幅よりも小さい振幅の振動を発生させることができる。これにより振動板3と圧電素子5との共振を抑制できるために、音圧の周波数特性における音圧のばらつきを低減することができる。
また、本実施形態の音響発生器の構成によれば、圧電素子5を樹脂7で埋設することで適度なダンピング効果を誘発させることができるために、共振現象の抑制とともにピークディップを小さく抑えることができる。
これに対し、圧電素子5が配置された枠体1内の振動板3上に樹脂7が充填されていない場合、従来の音響発生器のように圧電素子5が薄い樹脂フィルムだけで覆われているような場合、あるいは、振動板3の重心C1に圧電素子5の重心C2がほぼ一致するような場合には、いずれも音圧の周波数特性における音圧のばらつきが大きくなる。
ここで、振動板3の重心C1および圧電素子5の重心C2とは、いずれも平面図形に対する一般的な重心の求め方によって得られる重心の位置のことをいう。なお、本発明において、多角形とは、三角形、平行四辺形、台形、四辺形および正n角形などの平面図形を含む意である。
図2は、本実施形態の音響発生器の音圧の周波数依存性の一例を示すグラフである。
本実施形態において、音圧のばらつきとは、所定の範囲の周波数帯域における音圧の周波数特性の標準偏差で表される値であり、ここではデシベル単位(dB)で表される。また、ピークディップとは、近接する周波数の範囲において音圧が大きく変化している部分のことをいい、例えば、図2の破線で囲った枠内(PD)において、低い周波数側から高い周波数側へ下方向および上方向に向けた矢印で示した間のことである。そして、最大ピークディップとは、測定した周波数領域においてピークディップの大きさの最も大きいものをいう。
また、本実施形態の音響発生器を構成する振動板3は、薄型の振動板3を形成できるという点でフィルム状であるのがよいことはいうまでもない。
また、本実施形態の音響発生器では、枠体1内の振動板3上に圧電素子5が1個配置されているのが良い。
本実施形態の音響発生器は、枠体1の内側の領域の形状が長方形であるとともに、この長方形の重心を原点とするX−Y座標を仮想的に引いたときに、原点(0)(長方形の重心C1に対応する位置)から長方形の外辺1a(図1(a)における枠体1の内側のへり)までのX軸方向およびY軸方向のそれぞれの距離に対する原点(0)から圧電素子5の重心C2までのX軸方向およびY軸方向の距離の比率のうち、比率の大きい方が10%以上であることが望ましい。
これにより周波数100〜10000Hzにおいて音圧を測定したときの音圧のばらつきを6.0dB以下にすることができる。また、最大ピークディップについても23.2dB以下にできる。
本実施形態の音響発生器では、特に、長方形状をした振動板3の面積に対する前記圧電素子の主面の面積の比率A(%)が0<A<42.2であるとともに、原点(0)(長方形の重心C1に対応する位置)から圧電素子5の重心C2までのX軸方向およびY軸方向の距離の比率のうち、比率の大きい方が30.0〜58.3%であると、音圧の周波数特性における音圧のばらつきをさらに低減でき、4.0%以下にすることができる。また、最大ピークディップを16.3dB以下にすることができる。
なお、長方形状をした振動板3の面積に対する圧電素子5の主面の面積の比率A(%)が10%より小さい場合には、音圧のばらつきは小さくできるものの、所望の圧電素子5の振動の出力を得にくくなることから、長方形状をした振動板3の面積に対する圧電素子
5の主面の面積の比率Aは10%以上が良い。
図1では、圧電素子5として、バイモルフ型の積層型圧電素子の例を示しているが、本発明は、バイモルフ型の積層型圧電素子に限られるものではなく、他にユニモルフ型の圧電素子も適用することができる。
また、本実施形態の音響発生器においては、圧電素子5は、枠体1に接触しないように振動板3の表面上に設置されることが望ましい。例えば、圧電素子5を枠体1に接触させて設置したとすると、圧電素子5に電圧が印加されて変形しようとしても剛性の高い枠体1によって圧電素子5の変形が抑制されることになるからである。このため圧電素子5により自由かつ大きな変形を起こさせるという理由から枠体1に接触しないように振動板3の表面上に設置されるのが良い。
次に、本実施形態の音響発生器を構成する各部材について説明する。図1では、理解を容易にするために、積層型の圧電素子5の厚み方向(Y方向)を拡大して示している。
圧電素子5は、例えば、4層のセラミックスからなる圧電体層5a、5b、5c、5dと、3層の内部電極層5eとが交互に積層された積層体と、この積層体の上面および下面に形成された表面電極層5f、5gと、積層体の内部電極層5eが露出した側面に形成された外部電極5h、5jとを具備しており、また、外部電極5h、5jにリード端子6a、6bが接続された構成となっている。
圧電素子5は板状であり、上面側および下面側の主面が長方形状または正方形状といった多角形となっている。この場合、圧電体層5a、5bと圧電体層5c、5dとは、図1(b)に示した圧電素子5中の圧電体層5a、5b、5c、5dの部分に矢印で示しているように、それぞれ厚み方向に交互に分極されており、リード端子6a、6bを介して圧電素子5に電圧が印加された場合、例えば、振動板3に接着された方の圧電体層5c、5dは縮み、一方、圧電素子5の上面側にある圧電体層5a、5bは延びるように変形することによって、振動板3に一定の振動を与えることができる。
また、圧電素子5は、その主面が、振動板3を構成している樹脂フィルムの主面と、エポキシ系樹脂等の接着剤により接合されている。
ここで、圧電体層5a、5b、5cおよび5dを構成する材料としては、PZT、Bi層状化合物、タングステンブロンズ構造化合物等の非鉛系圧電体材料等、従来用いられている圧電セラミックスを用いることができる。
内部電極層5eの材料としては、銀とパラジウムとからなる金属成分と圧電体層5a、5b、5c、5dを構成する材料成分とを含有することが望ましい。内部電極層5eに圧電体層5a、5b、5c、5dを構成するセラミック成分を含有することにより、圧電体層5a、5b、5c、5dと内部電極層5eとの熱膨張差による応力を低減することができ、積層不良のない圧電素子5を得ることができる。
リード端子6a、6bとしては、圧電素子5の低背化を図れるという理由から、銅またはアルミニウムなどの金属箔を樹脂フィルムで挟んだフレキシブル配線を用いるのが良い。
枠体1は、図1に示すように矩形状を成しているが、2枚の矩形状の枠部材を貼り合わせて構成されたものが好ましい。この場合には、2枚の枠部材の間に樹脂フィルムの外周部を挟み込み、張力を印加した状態で固定して形成するため長期間使用してもたわみなど
の変形の少ない振動板3を得ることができる。本実施形態では、枠体1の厚みおよび材質は、特に限定されるものではないが、機械的強度および耐食性に優れているという理由から、厚さが100〜1000μmのステンレス製のものを用いるのが良い。
振動板3は、その厚みが、例えば、10〜200μmのフィルム状とされ、例えば、ポリエチレン、ポリイミド等の樹脂フィルムにより構成されている。
樹脂7としては、例えば、アクリル系樹脂を用いることが望ましく、ヤング率が1MPa〜1GPaの範囲を持つものが好ましい。また、樹脂7は、ピークディップを抑制するという点から、圧電素子5を完全に覆う状態で充填されていることが望ましく、さらには、図1(b)に示しているように、圧電素子5で覆われない枠体1の内側領域の全体が樹脂7で覆われていることが望ましい。
本実施形態の音響発生器を構成する圧電素子5の圧電特性は、大きな屈曲撓み振動を誘起させ音圧を高めるために、圧電d31定数は180pm/V以上の特性を有していることが望ましい。圧電d31定数が180pm/V以上の場合は、f0(共振周波数)〜10KHzにおける平均の音圧を65dB以上にできる。
本実施形態の音響発生器を製造する方法について説明する。先ず、積層型の圧電素子5を準備する。積層型の圧電素子5は、まず、圧電材料の粉末にバインダー、分散剤、可塑剤、溶剤を混練し、スラリーを作製する。圧電材料としては、鉛系、非鉛系のうちいずれでも使用することができる。
次に、得られたスラリーをシート状に成形し、グリーンシートを得ることができ、このグリーンシートに内部電極ペーストを印刷して内部電極パターンを形成し、この電極パターンが形成されたグリーンシートを3枚積層し、最上層にはグリーンシートのみ積層して、積層成形体を作製する。
次に、この積層成形体を脱脂、焼成し、所定寸法にカットすることにより積層体を得る。積層体は、必要に応じて外周部を加工し、積層体の圧電体層5a、5b、5c、5dの積層方向の主面に表面電極層のペーストを印刷し、引き続き、積層体の長手方向(X方向)の両側面に外部電極のペーストを印刷し、所定の温度で外部電極および表面電極層の焼付けを行うことにより、図1に示す積層型の圧電素子5を得ることができる。
次に、作製した圧電素子5に圧電性を付与するために表面電極層5f、5gまたは外部電極5h、5jを通じて直流電圧を印加して、圧電素子5の圧電体層5a、5b、5c、5dに図1(b)に示すような方向に分極を行う。
次に、支持体となる樹脂フィルムを準備し、この樹脂フィルムの外周部を2枚のステンレス製の枠状部材により挟み、樹脂フィルムに張力をかけた状態で固定する。
この後、樹脂フィルムの一方の表面に部分的に接着剤を塗布して圧電素子5を押し当て、この後、熱や紫外線を照射して接着剤を硬化させる。
次に、枠体1の内側領域に樹脂7を流し込み、圧電素子5を完全に埋設させ、樹脂7を硬化させることにより、本実施形態の音響発生器を得ることができる。
以上のように構成された音響発生器は、枠体1と、枠体1に張られた樹脂からなる振動板3と、枠体1内の振動板3上に固定された圧電素子5と、圧電素子5を埋設するように枠体1内に充填された樹脂7とを備え、枠体1の形状が多角形であり、圧電素子5は、そ
の圧電素子5の重心C2が多角形状をした振動板3の重心C1からずれた位置に配置されているため、音圧の周波数特性における音圧のばらつきを低減することができる。
Zrの一部をSbで置換したチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を含有する圧電粉末と、バインダーと、分散剤と、可塑剤と、溶剤とをボールミル混合により24時間混練してスラリーを作製した。次に、得られたスラリーを用いてドクターブレード法によりグリーンシートを作製した。このグリーンシートに電極材料として銀粉末、パラジウム粉末およびグリーンシートに用いた圧電粉末を含有する電極ペーストをスクリーン印刷法により所定形状に塗布し、該電極ペーストが塗布されたグリーンシートを3層積層し、最上層には電極ペーストが塗布されていないグリーンシートを1層重ね合わせて加圧し、積層成形体を作製した。そして、この積層成形体を500℃、1時間、大気中で脱脂し、その後、1100℃、3時間、大気中で焼成し、積層体を得た。
次に、得られた積層体の長手方向(X方向)の両端面部をダイシング加工によりカットし、内部電極層の先端を積層体の側面に露出させ、積層体の両主面にスクリーン印刷法により表面電極層を形成した。表面電極層の材料としては銀およびガラスを含有する電極ペーストを用いた。次に、積層体の内部電極層が露出した両側面に、外部電極材料として銀とガラスとを含有する電極ペーストをディップ法により塗布し、700℃、10分、大気中で焼き付け、表1に示すように、主面の寸法の異なる種々のサイズのバイモルフ型の圧電素子を作製した。なお、圧電素子の厚みは100μmとした。また、表1の各試料における圧電素子の配置については図3〜5に示した。
次に、圧電素子の外部電極を通して内部電極層間及び内部電極層と表面電極間に100V、2分間電圧を印加し分極を行った。
次に、厚さが25μmのポリイミド樹脂からなる樹脂フィルムを準備し、この樹脂フィルムを一対のステンレス製の枠部材で挟み、張力を印加した状態で固定した。次に、固定された樹脂フィルム上に、1個の圧電素子を接着させる位置にアクリル樹脂からなる接着剤を塗布し、大気中にて、120℃、1時間の加熱を行って接着剤を硬化させ圧電素子を樹脂フィルム上に接着させた。枠体の内側の樹脂フィルムの寸法は、横60mm、縦30mmであった。この後、圧電素子にリード端子を接合し、枠体の外側に引き出した。
この後、枠体の内側の領域に、固化後のヤング率が17MPaのアクリル系樹脂を枠体の高さよりも少し低い位置となるように流しこみ、固化させることにより音響発生器を得た。
得られた音響発生器の音圧の周波数特性を、JEITA(電子情報技術産業協会規格)EIJA RC−8124Aに準じて評価した。評価は音響発生器の圧電素子のリード端子に、1W(抵抗8Ω)の正弦波信号を入力し、音響発生器の基準軸上1mの点にマイクを設置して、周波数100〜10000Hzにおける音圧を評価した。測定結果を表1に示す。
Figure 2012209866
表1の結果から明らかなように、枠体の内側の領域に圧電素子を埋設するように樹脂が充填されており、振動板の面内において圧電素子の重心が振動板の重心からずれている試料は、音圧の周波数特性における標準偏差(σ)が小さかった。
この中で、枠体の内側の領域である振動板の形状が長方形であり、枠体内の振動板上に圧電素子が1個配置されており、長方形の重心を原点とするX−Y座標を仮想的に引いたときに、原点から長方形の外辺までのX軸方向およびY軸方向のそれぞれの距離に対する原点から圧電素子の重心までのX軸方向およびY軸方向の距離の比率のうち、比率の大きい方が10%以上である試料(試料No.4〜16)は、音圧の周波数特性における標準偏差(σ)が6.0(dB)以下であった。また、これらの試料は、最大ピークディップが23.2(dB)以下であり、安定な音圧特性を示していた。
また、枠体の内側の領域である振動板の形状が長方形であり、振動板の面積に対する圧電素子の主面の面積の比率A(%)が0<A<42.2であるとともに、原点から長方形の外辺までのX軸方向およびY軸方向のそれぞれの距離に対する原点から圧電素子の重心までのX軸方向およびY軸方向の距離の比率のうち、比率の大きい方が30.0〜58.3%である試料(試料No.6〜11および13〜16)では、音圧の周波数特性における標準偏差(σ)が4.0(dB)以下であり、最大ピークディップが16.0(dB)以下であった。
これに対して、枠体の内側の領域に樹脂を充填しなかったか、圧電素子の表面側に樹脂フィルムを貼ったか、あるいは、圧電素子の重心の位置が振動板の重心の位置になるように配置させた試料(試料No.1、2、3および17)は、音圧の周波数特性における標準偏差(σ)がいずれも6.0(dB)よりも大きかった。
1・・・枠体
3・・・振動板
5・・・圧電素子
7・・・樹脂
C1・・振動板の中心の位置
C2・・圧電素子の中心の位置

Claims (3)

  1. 枠体と、該枠体に張られた樹脂からなる振動板と、前記枠体内の前記振動板上に固定された圧電素子と、該圧電素子を埋設するように前記枠体内に充填された樹脂とを備え、前記枠体の内側の領域の形状が多角形であり、前記圧電素子は、該圧電素子の重心が前記多角形の重心からずれた位置に配置されていることを特徴とする音響発生器。
  2. 前記多角形が長方形であるとともに、前記長方形の重心を原点とするX−Y座標を仮想的に引いたときに、前記原点から前記長方形の外辺までのX軸方向およびY軸方向のそれぞれの距離に対する前記原点から前記圧電素子の重心までの前記X軸方向および前記Y軸方向の距離の比率のうち、該比率の大きい方が10%以上であることを特徴とする請求項1に記載の音響発生器。
  3. 前記長方形の面積に対する前記圧電素子の主面の面積の比率A(%)が0<A<42.2であるとともに、前記原点から前記圧電素子の重心までの前記X軸方向および前記Y軸方向の距離の比率のうち、該比率の大きい方が30.0〜58.3%であることを特徴とする請求項2に記載の音響発生器。
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