JP2014116795A - 音響発生器、音響発生装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な音圧の周波数特性を得ること。
【解決手段】実施形態に係る音響発生器は、振動体と、励振器と、ダンピング材とを備える。励振器は、振動体上に設けられる。ダンピング材は、振動体と一体化するように取り付けられる。そして、振動体を平面視した場合に、ダンピング材の励振器と対向する辺は、励振器のダンピング材と対向する辺よりも短い。
【選択図】図1A
【解決手段】実施形態に係る音響発生器は、振動体と、励振器と、ダンピング材とを備える。励振器は、振動体上に設けられる。ダンピング材は、振動体と一体化するように取り付けられる。そして、振動体を平面視した場合に、ダンピング材の励振器と対向する辺は、励振器のダンピング材と対向する辺よりも短い。
【選択図】図1A
Description
開示の実施形態は、音響発生器、音響発生装置および電子機器に関する。
従来、アクチュエータを用いた音響発生器が知られている。たとえば、特許文献1には、振動板に取り付けた圧電素子に電圧を印加して振動させることによって、振動板を振動させて音響を出力する音響発生器が記載されている。
しかしながら、上記した従来の音響発生器は、振動板の共振を積極的に利用するが故に、音圧の周波数特性においてピーク(周囲よりも音圧が高い部分)およびディップ(周囲よりも音圧が低い部分)が生じやすく、良質な音質を得にくいという問題があった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、良好な音圧の周波数特性を得ることができる音響発生器、音響発生装置および電子機器を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る音響発生器は、振動体と、励振器と、ダンピング材とを備える。励振器は、振動体上に設けられる。ダンピング材は、振動体と一体化するように取り付けられる。また、振動体を平面視した場合に、ダンピング材の励振器と対向する辺は、励振器のダンピング材と対向する辺よりも短い。
実施形態の一態様によれば、良好な音圧の周波数特性を得ることができる。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する音響発生器、音響発生装置および電子機器の実施形態について説明する。なお、以下に示す各実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る音響発生器の構成について、図1Aおよび図1Bを用いて説明する。
第1の実施形態に係る音響発生器の構成について、図1Aおよび図1Bを用いて説明する。
第1の実施形態に係る音響発生器1は、いわゆる圧電スピーカと呼ばれるものであり、振動体の共振現象を用いて音圧を発生させる構成を備える。具体的には、音響発生器1は、図1Aおよび図1Bに示すように、枠体10と、この枠体10に張設された振動体20と、この振動体20上に設けられた圧電振動素子30と、ダンピング材50a〜50dとを備える。
なお、図1Aは、第1の実施形態に係る音響発生器1を振動体20の主面に垂直な方向から見た平面視による説明図であり、図1Bは、図1AのA−A’線断面図である。図1Bにおいては、理解を容易にするために、音響発生器1を上下方向に拡張してデフォルメして示している。
振動体20は、樹脂、金属、紙などの種々の材料を用いて形成することができる。例えば、厚さ10〜200μm程度のポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレンなどの樹脂フィルムにより薄板状の振動体20を構成することができる。樹脂フィルムは金属板などに比べて弾性率および機械的なQ値の低い材料であるため、振動体20を樹脂フィルムにより構成することで、振動体20を大きな振幅で屈曲振動させ、音圧の周波数特性における共振ピークの幅を広く、高さを低くして共振ピークとディップとの差を低減することができる。なお、金属と樹脂との複合体を振動体20として用いてもよい。
枠体10は、振動体20を保持して振動の固定端を形成する役割を担っている。たとえば、図1Bに示すように、共に矩形状の上枠部材11と下枠部材12とを、上下に接合して枠体10を構成している。そして、上枠部材11と下枠部材12との間に樹脂フィルムからなる振動体20の外周部を挟み込み、所定の張力を付与した状態で固定している。したがって、長期間使用してもたわみなどの変形の少ない振動体20を備えた音響発生器1となる。
枠体10の厚みおよび材質は、特に限定されるものではないが、第1の実施形態では、機械的強度および耐食性に優れているという理由から、たとえば、厚さ100〜1000μmのステンレス製の材料を用いている。
圧電振動素子30は、積層体33と、この積層体33の上面および下面に形成された表面電極層34、35と、積層体33の内部電極層32の端面が露出する側面に形成された外部電極36、37とを備えている。そして、外部電極36、37にリード端子38、39が接続されている。
積層体33は、セラミックスからなる4層の圧電体層31a、31b、31c、31dと、3層の内部電極層32とが交互に積層されて形成される。また、圧電振動素子30は、上面側および下面側の主面を矩形状としており、圧電体層31aと31b、圧電体層31cと31dは、それぞれ厚み方向に互いに異なる向きに分極されており、圧電体層31bと31cは同じ向きに分極されている。
したがって、リード端子38、39を介して圧電振動素子30に電圧が印加された場合、例えば圧電振動素子30の下面側、換言すれば振動体20側の圧電体層31c、31dは縮む一方、上面側の圧電体層31a、31bは伸びるように変形する。このように、圧電振動素子30の上面側の圧電体層31a、31bと下面側の圧電体層31c、31dとが、相反する伸縮挙動を示し、その結果、圧電振動素子30がバイモルフ型の屈曲振動をすることにより、振動体20に一定の振動を与えて音を発生させることができる。
このように、圧電振動素子30がバイモルフ型の積層型圧電振動素子であり、圧電振動素子30自体が単独で屈曲振動することから、振動体20の材質によらず、例えば柔らかい振動体20であっても強い振動を発生させることができ、少数の圧電振動素子30により充分な音圧を得ることができる。
ここで、圧電体層31a、31b、31c、31dを構成する材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、Bi層状化合物、タングステンブロンズ構造化合物などの非鉛系圧電体材料などの、従来から用いられている圧電セラミックスを用いることができる。
また、内部電極層32の材料は、金属、例えば銀とパラジウムを主成分とする。なお、内部電極層32には圧電体層31a、31b、31c、31dを構成するセラミック成分を含有しても良く、これにより、圧電体層31a、31b、31c、31dと内部電極層32、32、32との熱膨張差による応力を低減した圧電振動素子30を得ることができる。
また、表面電極層34、35と外部電極36、37は、金属、例えば銀などを主成分とする。また、ガラス成分を含有しても良い。ガラス成分を含有させることによって、圧電体層31a、31b、31c、31dや内部電極層32と、表面電極層34、35または外部電極36、37との間に強固な密着力を得ることができる。ガラス成分の含有量は、たとえば20体積%以下とすればよい。
また、リード端子38、39に接続する配線としては、圧電振動素子30の低背化を図るために、銅またはアルミニウムなどの金属箔を樹脂フィルムで挟んだフレキシブル配線を用いるのが好ましい。
また、第1の実施形態に係る音響発生器1は、図1Bに示すように、圧電振動素子30を埋設するように、枠体10内に充填された樹脂製の被覆層40を備える。このように、圧電振動素子30を樹脂製の被覆層40で埋設することにより、適度なダンピング効果を誘発させることができ、共振現象を抑制するとともに、共振ピークとディップとの差をより小さく抑えることができる。さらに、圧電振動素子30を外部環境から保護することもできる。
なお、第1の実施形態では、振動体20の表面全てが被覆層40により被覆されているが、全てが被覆される必要はない。すなわち、音響発生器1は、圧電振動素子30と、この圧電振動素子30が配置されている側の振動体20の表面の少なくとも一部とが被覆層40により被覆されていればよい。
音圧の周波数特性における共振ピークとディップとの差は、上記の被覆層40によって小さくされるが、第1の実施形態ではさらに、ダンピング材50a〜50dを被覆層40の表面側に配置し、振動体20に対してダンピング材50a〜50dによる機械的な振動損失を与えることによって、共振ピークとディップとの差をより一層低減させるようにする。
ダンピング材50a〜50dは、例えば略直方体形状に形成される。第1の実施形態において、各ダンピング材50a〜50dは、同一の形状を有するものとし、図1Bに示すように、被覆層40の表面に接着剤60を介して取り付けられることによって、振動体20、圧電振動素子30および被覆層40と一体化される。
なお、被覆層40および接着剤60は、振動体20と各ダンピング材50a〜50dとの間に設けられる中間層の一例である。これら被覆層40および接着剤60は、振動体20よりも熱伝導率が低い部材で形成される。これにより、各ダンピング材50a〜50dから振動体20へ熱が伝わりにくくなるため、振動体20の局所的な温度変化を少なくすることができる。よって、振動体20の局所的な温度変化に起因する音質の変動を抑えることができる。
第1の実施形態において、各ダンピング材50a〜50dは、図1Aに示すように、振動体20を振動面に対して垂直な方向(つまり、図のZ軸方向)から平面視した場合に、圧電振動素子30の各辺に対向するようにそれぞれ配置されている。具体的には、振動体20を平面視した場合に、各ダンピング材50a〜50dは、それぞれ圧電振動素子30の左辺(Y軸負方向側の辺)、右辺(Y軸正方向側の辺)、上辺(X軸負方向側の辺)および下辺(X軸正方向側の辺)と対向するように配置されている。
そして、第1の実施形態に係る音響発生器1では、各ダンピング材50a〜50dの圧電振動素子30と対向する辺が、圧電振動素子30の各ダンピング材50a〜50dと対向する辺よりも短く形成されている。
たとえば、図1Aに示すように、ダンピング材50aの右辺(Y軸正方向側の辺)は、対向する圧電振動素子30の左辺(Y軸負方向側の辺)よりも短く、ダンピング材50cの下辺(X軸正方向側の辺)は、対向する圧電振動素子30の上辺(X軸負方向側の辺)よりも短い。
このように、第1の実施形態に係る音響発生器1では、ダンピング材50a〜50dの圧電振動素子30と対向する辺を、圧電振動素子30のダンピング材50a〜50dと対向する辺よりも短くしている。これにより、振動体20の振動面のうち、ダンピング材50a〜50dと圧電振動素子30とが対向する領域(たとえば、図1Aに示す領域3a)と、対向しない領域(たとえば、図1Aに示す領域3b)とで、振動体20の振動を異ならせることができる。したがって、音圧のピークをばらつかせ、音圧の周波数特性を平坦化することができ、良好な音圧の周波数特性を得ることができる。
また、各ダンピング材50a〜50dは、振動体20を平面視した場合に、振動体20と間隔をあけて配置される。これにより、平面視において振動体20と接する位置に各ダンピング材50a〜50dを配置した場合と比較して、各ダンピング材50a〜50dが圧電振動素子30自体の振動の影響を受けにくくなるため、音圧の周波数特性をより平坦化することができる。また、各ダンピング材50a〜50dの劣化を抑えることもできる。
なお、ダンピング材50a〜50dは、機械的損失を有するものであればよいが、機械的損失係数が高い、言い換えれば、機械的品質係数(いわゆる、メカニカルQ)が低い部材であることが望ましい。このようなダンピング材50は、たとえば、種々の弾性体を用いて形成することができるが、柔らかく変形しやすいことが望ましいため、ウレタンゴム等のゴム材料を用いて好適に形成することができる。特に、ウレタンフォーム等の多孔質なゴム材料を好適に用いることができる。
次に、本実施形態に係る音響発生器1を搭載した音響発生装置について図2を参照して説明する。図2は、音響発生装置のブロック図である。
図2に示すように、上述してきた構成の音響発生器1を、共鳴ボックス400に収納することにより音響発生装置4を構成することができる。共鳴ボックス400は、音響発生器1を収納する筐体であり、音響発生器1の発する音響を共鳴させて筐体面から音波として放射する。かかる音響発生装置4は、スピーカとして単独で用いることができる他、例えば、各種電子機器2へ好適に組み込むことが可能である。
上述してきたように、圧電スピーカでは不利であった音圧の周波数特性における共振ピークとディップとの差を低減させることができるため、本実施形態に係る音響発生器1は、携帯電話機や薄型テレビ、あるいはタブレット端末などの電子機器2へ好適に組み込むことが可能である。
なお、音響発生器1が組み込まれる対象となりうる電子機器2としては、前述の携帯電話機や薄型テレビ、あるいはタブレット端末などに限らず、たとえば、冷蔵庫、電子レンジ、掃除機、洗濯機などのように、従来、音質については重視されなかった家電製品も含まれる。
ここで、上述した音響発生器1を備える電子機器について、図3を参照しながら簡単に説明する。図3は、電子機器2のブロック図である。電子機器2は、上述してきた音響発生器1と、音響発生器1に接続された電子回路と、音響発生器1および電子回路を収納する筐体200とを備えている。
具体的には、図3に示すように、電子機器2は、音響発生器1と、制御回路21、信号処理回路22および入力装置としての無線回路23を含む電子回路と、アンテナ24と、これらを収納する筐体200とを備えている。なお、無線による入力装置を図3に図示しているが、通常の電気配線による信号入力としても当然設けることができる。
なお、ここでは、電子機器2が備える他の電子部材(たとえば、ディスプレイ、マイク、スピーカなどのデバイスや回路)については記載を省略した。また、図3では、1つの音響発生器1を例示したが、2つ以上の音響発生器1やその他の発振器を設けることもできる。
制御回路21は、信号処理回路22を介して無線回路23を含む電子機器2全体を制御する。音響発生器1への出力信号は、信号処理回路22から入力される。そして、制御回路21は、無線回路23へ入力された信号を、信号処理回路22を制御することによって音声信号Sを生成し、音響発生器1に対して出力する。
このようにして、図3に示す電子機器2は、小型かつ薄型である音響発生器1を組み込みながらも、共振ピークとディップとの差を低減して周波数変動を可及的に抑制し、周波数の低い低音領域をはじめ、高音領域においても全体的に音質の向上を図ることができる。
なお、図3においては、音響出力デバイスとして音響発生器1を直接搭載した電子機器2を例示したが、音響出力デバイスとしては、たとえば音響発生器1を筐体に収納した音響発生装置4を搭載した構成であってもよい。
ところで、ダンピング材50a〜50dの配置は、図1Aに示した例に限定されない。そこで、以下では、ダンピング材50a〜50dの他の配置例について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態における変形例に係る音響発生器1−1の平面視による説明図である。
図1Aでは、各ダンピング材50a〜50dが圧電振動素子30から等しい間隔で離して配置される場合の例を示しているが、各ダンピング材50a〜50dと圧電振動素子30との間隔は、各ダンピング材50a〜50dで異なっていてもよい。
たとえば、図4に示すように、音響発生器1−1では、ダンピング材50aが圧電振動素子30から距離L1だけ離して配置され、ダンピング材50bが圧電振動素子30から距離L1よりも短い距離L2だけ離して配置される。
これにより、振動体20の振動面のうち、圧電振動素子30の左側(Y軸負方向側)の領域と、圧電振動素子30の右側(Y軸正方向側)の領域とで、振動体20の振動を異ならせることができる。よって、音圧の周波数特性をより平坦化することができ、音質のさらなる向上を図ることができる。
また、圧電振動素子30を挟んで対向する2つのダンピング材を相対的にずらして配置してもよい。たとえば、音響発生器1−1では、ダンピング材50dが、ダンピング材50cに対してずれた位置に配置される。これにより、圧電振動素子30の上側(X軸負方向側)の領域と、圧電振動素子30の下側(X軸正方向側)の領域とで、振動体20の振動を異ならせることができる。よって、音圧の周波数特性をより平坦化することができ、音質のさらなる向上を図ることができる。
なお、第1の実施形態では、音響発生器1、1−1が4個のダンピング材50a〜50dを備える場合を例示したが、ダンピング材の個数は、4個に限定されるものではなく、1〜3個もしくは5個以上であってもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る音響発生器の構成について、図5を用いて説明する。図5は、第2の実施形態に係る音響発生器の平面視による説明図である。
次に、第2の実施形態に係る音響発生器の構成について、図5を用いて説明する。図5は、第2の実施形態に係る音響発生器の平面視による説明図である。
図5に示すように、第2の実施形態に係る音響発生器1Aは、第1の実施形態に係る音響発生器1が備えるダンピング材50aに代えて、ダンピング材50eを備える。このダンピング材50eは、他のダンピング材50b〜50dと比べて、振動体20を平面視した場合の面積が大きい。
これにより、振動体20の振動面のうち、圧電振動素子30の左側(Y軸負方向側)の領域と、圧電振動素子30の右側(Y軸正方向側)の領域とで、ダンピング材50b、50eによる振動の減衰度合を異ならせることができる。すなわち、両領域における振動体20の振動を異ならせることができるため、音圧の周波数特性をより平坦化することができる。
このように、第2の実施形態に係る音響発生器1Aは、他のダンピング材50b〜50dと異なる面積を有するダンピング材50eを備えることにより、振動体20、圧電振動素子30、被覆層40およびダンピング材(ここでは、ダンピング材50b〜50e)によって構成される複合振動体の対称性を低くすることができる。したがって、音圧の周波数特性をさらに平坦化することができ、音質のさらなる向上を図ることができる。
また、第2の実施形態に係る音響発生器1Aでは、面積が互いに異なるダンピング材50eおよびダンピング材50bが、圧電振動素子30を挟んで対向する位置に配置される。このように、圧電振動素子30を挟んで向かい合うダンピング材(ここでは、ダンピング材50eおよびダンピング材50b)の面積を異ならせることにより、隣り合うダンピング材の面積を異ならせる場合と比較して複合振動体の対称性をさらに低くすることができる。
さらに、図5に示すように、面積が互いに異なるダンピング材50b、50eを振動体20の長手方向に配置することで、短手方向に配置した場合と比較して複合振動体の対称性をより効果的に低くすることができる。
なお、ここでは、音響発生器1Aにおいて、ダンピング材50eを他のダンピング材50b〜50dよりも面積の大きいダンピング材としたが、ダンピング材50eを他のダンピング材50b〜50dよりも面積の小さいダンピング材としてもよい。
次に、第2の実施形態に係る音響発生器1Aの変形例について、図6A〜図6Cを参照して説明する。図6A〜図6Cは、それぞれ第2の実施形態における第1〜第3の変形例に係る音響発生器の平面視による説明図である。
図6Aに示すように、第1の変形例に係る音響発生器1A−1では、振動体20を平面視した場合に、圧電振動素子30の上辺側(X軸負方向側)および下辺側(X軸正方向側)にダンピング材がそれぞれ2個ずつ並べて配置される。具体的には、圧電振動素子30の上辺側には、ダンピング材50fおよびダンピング材50gが並べて配置され、圧電振動素子30の下辺側には、ダンピング材50hおよびダンピング材50iが並べて配置される。
そして、図6Aに示すように、ダンピング材50f、50gは、振動体20を平面視した場合の面積がそれぞれ異なり、ダンピング材50h、50iも、振動体20を平面視した場合の面積がそれぞれ異なる。
このように、面積が互いに異なるダンピング材50f〜50iを、圧電振動素子30の一方側に並べて配置することにより、面積の等しいダンピング材を圧電振動素子30の一方側に並べて配置した場合と比較して、複合振動体の対称性を低くすることができる。
また、図6Bに示すように、第2の変形例に係る音響発生器1A−2は、ダンピング材50j〜50mを備える。これらダンピング材50j〜50mは、平面視における面積が全て異なっており、ダンピング材50j、ダンピング材50k、ダンピング材50l、ダンピング材50mの順で大きい。このように、全てのダンピング材50j〜50mの面積を異ならせることにより、複合振動体の対称性をさらに低くすることができる。
また、図6Cに示すように、第3の変形例に係る音響発生器1A−3は、ダンピング材50n〜50qを備える。これらダンピング材50n〜50qは、平面視における形状がすべて異なっている。このように、ダンピング材50n〜50qの形状を異ならせることにより、複合振動体の対称性をさらに低くすることができる。
なお、ここでは、ダンピング材50n〜50qの形状が全て異なる場合の例を示したが、複数のダンピング材の少なくとも一つの形状が、他の形状と異なっていればよい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る音響発生器について図7Aおよび図7Bを参照して説明する。図7Aは、第3の実施形態に係る音響発生器の断面視による説明図である。また、図7Bは、図7Aに示すH部の拡大図である。
次に、第3の実施形態に係る音響発生器について図7Aおよび図7Bを参照して説明する。図7Aは、第3の実施形態に係る音響発生器の断面視による説明図である。また、図7Bは、図7Aに示すH部の拡大図である。
図7Aに示すように、第3の実施形態に係る音響発生器1Bは、第1の実施形態に係る音響発生器1が備える被覆層40に代えて、被覆層40’を備える。かかる被覆層40’は、内部に気孔41、いわゆるボイドを含んでいる。気孔41は、被覆層40’内のあらゆる方向からの応力や共振のエネルギーを吸収しやすくするために球状であることが好ましい。
このように、被覆層40’に気孔41を設けることで、被覆層40’内にヤング率の異なる領域が点在するようになることから共振周波数が部分的に揃わなくなり、共振周波数における音圧のピーク形状がなだらかになる。この結果、音圧の周波数特性における共振ピークとディップとの差が抑制され周波数特性を平坦化することができる。
また、第3の実施形態に係る音響発生器1Bは、第1の実施形態に係る音響発生器1が備える接着剤60に代えて、接着剤60’を備える。図7Bに示すように、かかる接着剤60’も被覆層40’と同様に、内部に気孔61を含んでいる。かかる気孔61も、球状であることが好ましい。
このように、接着剤60’に気孔61を設けることによっても、上記と同様、接着剤60’内にヤング率の異なる領域が点在するようになることから共振周波数が部分的に揃わなくなり、共振周波数における音圧のピーク形状がなだらかになる。この結果、音圧の周波数特性における共振ピークとディップとの差が抑制され周波数特性を平坦化することができる。なお、ここでは、被覆層40’および接着剤60’の両方に気孔を設けることとしたが、気孔は被覆層40’または接着剤60’の一方にのみ設けられてもよい。このような場合でも、共振周波数における音圧のピーク形状をなだらかにすることができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る音響発生器について図8を参照して説明する。図8は、第4の実施形態に係る音響発生器の断面視による説明図である。
次に、第4の実施形態に係る音響発生器について図8を参照して説明する。図8は、第4の実施形態に係る音響発生器の断面視による説明図である。
上述してきた各実施形態では、ダンピング材が被覆層40、40’の表面に取り付けられる場合の例について説明したが、ダンピング材の取り付け位置はこれに限定されない。たとえば、図8に示すように、第4の実施形態に係る音響発生器1Cは、被覆層40の内部にダンピング材50rを備える。また、音響発生器1Cは、振動体20の圧電振動素子30が取り付けられた面とは反対側の面にダンピング材50sを備える。ダンピング材50r、50sは、振動体20の表面に接着剤60を介して取り付けられる。
このように、ダンピング材は、被覆層40の表面に限らず、被覆層40の内部や振動体20の圧電振動素子30が取り付けられた面とは反対側の面に設けられてもよい。
なお、上述してきた音響発生器では、圧電振動素子30を、振動体20上に1個配設したものを例示したが、2個以上の圧電振動素子30を振動体20上に配置しても構わない。また、圧電振動素子30を平面視で矩形状としたが、正方形であってもよい。
また、上述してきた各実施形態では、振動体20を平面視した場合にダンピング材と圧電振動素子30とを間隔を開けて配置する例を示したが、ダンピング材は、圧電振動素子30と接した状態で配置されてもよい。
また、圧電振動素子30として、いわゆるバイモルフ型の積層型を例示したが、ユニモルフ型の圧電振動素子を用いることもできる。
また、上述した各実施形態では、励振器の一例として圧電振動素子を用いる場合を例に挙げて説明したが、励振器は、圧電振動素子に限定されるものではなく、電気信号が入力されて振動する機能を有しているものであれば良い。例えば、スピーカを振動させる励振器としてよく知られた、動電型の励振器や、静電型の励振器や、電磁型の励振器であっても構わない。なお、動電型の励振器は、永久磁石の磁極の間に配置されたコイルに電流を流してコイルを振動させるようなものであり、静電型の励振器は、向き合わせた2つの金属板にバイアスと電気信号とを流して金属板を振動させるようなものであり、電磁型の励振器は、電気信号をコイルに流して薄い鉄板を振動させるようなものである。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 音響発生器
2 電子機器
4 音響発生装置
10 枠体
20 振動体
30 圧電振動素子
40 被覆層
50a〜50s ダンピング材
60 接着剤
2 電子機器
4 音響発生装置
10 枠体
20 振動体
30 圧電振動素子
40 被覆層
50a〜50s ダンピング材
60 接着剤
Claims (12)
- 振動体と、
該振動体上に設けられた励振器と、
前記振動体と一体化するように取り付けられたダンピング材と
を備え、
前記振動体を平面視した場合に、前記ダンピング材の前記励振器と対向する辺が、前記励振器の前記ダンピング材と対向する辺よりも短いこと
を特徴とする音響発生器。 - 前記ダンピング材は、
前記励振器と間隔をあけて配置されること
を特徴とする請求項1に記載の音響発生器。 - 前記ダンピング材は、前記振動体よりも熱伝導率が低い中間層を介して前記振動体に取り付けられること
を特徴とする請求項1または2に記載の音響発生器。 - 前記中間層は、気孔を有すること
を特徴とする請求項3に記載の音響発生器。 - 複数の前記ダンピング材を備え、
複数の前記ダンピング材の少なくとも一つは、前記振動体を平面視した場合の面積が他の前記ダンピング材と異なること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の音響発生器。 - 前記面積が互いに異なる前記ダンピング材が、前記励振器を挟んで対向する位置に配置されること
を特徴とする請求項5に記載の音響発生器。 - 前記面積が互いに異なる前記ダンピング材が、前記励振器の一方側に並べて配置されること
を特徴とする請求項5または6に記載の音響発生器。 - 複数の前記ダンピング材の少なくとも一つは、前記振動体を平面視した場合の形状が他の前記ダンピング材と異なること
を特徴とする請求項5、6または7に記載の音響発生器。 - 全ての前記ダンピング材の前記面積が異なること
を特徴とする請求項5〜8のいずれか一つに記載の音響発生器。 - 前記励振器は、バイモルフ型の積層型圧電振動素子であること
を特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の音響発生器。 - 請求項1〜10のいずれか一つに記載の音響発生器と、
該音響発生器を収容する筐体と
を備えることを特徴とする音響発生装置。 - 請求項1〜10のいずれか一つに記載の音響発生器と、
該音響発生器に接続された電子回路と、
該電子回路および前記音響発生器を収容する筐体と
を備え、
前記音響発生器から音響を発生させる機能を有すること
を特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012269651A JP2014116795A (ja) | 2012-12-10 | 2012-12-10 | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012269651A JP2014116795A (ja) | 2012-12-10 | 2012-12-10 | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014116795A true JP2014116795A (ja) | 2014-06-26 |
Family
ID=51172377
Family Applications (1)
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JP2012269651A Pending JP2014116795A (ja) | 2012-12-10 | 2012-12-10 | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014116795A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5674287A (en) * | 1979-11-22 | 1981-06-19 | Hitachi Ltd | Display unit |
JPH01113496U (ja) * | 1988-01-26 | 1989-07-31 | ||
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JP2012209866A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-10-25 | Kyocera Corp | 音響発生器 |
-
2012
- 2012-12-10 JP JP2012269651A patent/JP2014116795A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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