JP6092618B2 - 音響発生器、音響発生装置および電子機器 - Google Patents

音響発生器、音響発生装置および電子機器 Download PDF

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本発明は、音響発生器、音響発生装置および電子機器に関する。
従来、圧電スピーカに代表される音響発生器は、圧電体を電気音響変換素子に用いた小型、低電流駆動の音響機器として知られており、例えば、モバイルコンピューティング機器等、小型の電子機器に組み込まれる音響発生装置として使用されている。
一般に、圧電体を電気音響変換素子に用いた音響発生器は、金属製の振動板に銀薄膜等による電極が形成された励振器としての圧電振動素子を貼り付けた構造となっている。圧電体を電気音響変換素子に用いた音響発生器の発音機構は、圧電振動素子の両面に交流電圧を印加することで圧電振動素子に形状歪を発生させ、圧電振動素子の形状歪を金属製の振動板に伝えて振動させることにより音を発生させるというものである(例えば、特許文献1を参照)。
また、金属製の振動板の代わりに、樹脂フィルムを振動板として適用した音響発生器が知られている。この音響発生器は、バイモルフ型の積層型圧電振動素子を、その厚み方向から一対の樹脂フィルムによって挟持し、さらに、この樹脂フィルムを、張力をかけた状態で枠部材に固定したものである。これにより、音響変換効率を向上させ、高い音圧の発生を可能とする(例えば、特許文献2を参照)。
特開2001−285994号公報 特開2004−023436号公報
しかしながら、上記した従来の音響発生器は、振動板の共振を積極的に利用して高い音圧を発生させるため、音圧の周波数特性においてピーク(周囲よりも音圧が高い部分)およびディップ(周囲よりも音圧が低い部分)が生じやすいとともに、振動体に張力をかけた状態で固定する枠部材への負荷が大きく、枠部材の変形や劣化により音質が変動するという問題があった。このため、枠部材の耐久性の向上が求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐久性が高く、音質の変動が少ない音響発生器、音響発生装置及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明の音響発生器は、上枠部材と下枠部材とからなる第1の枠体と、該第1の枠体の前記上枠部材と前記下枠部材との間に外周部を挟まれるようにして張設された振動体と、該振動体上に設けられた励振器とを備え、前記第1の枠体の外周部に、さらに第2の枠体を有し、互いに対向する前記第1の枠体の外周面と前記第2の枠体の内周面との間に介在層を有しているとともに間隙を有していることを特徴とする。
本発明の音響発生装置は、上述の音響発生器と、該音響発生器を収容する筐体とを備えることを特徴とする。
本発明の電子機器は、上述の音響発生器と、該音響発生器に接続された電子回路と、該電子回路および前記音響発生器を収容する筐体とを備え、前記音響発生器から音響を発生
させる機能を有することを特徴とする。
本発明によれば、耐久性が高く、音質の変動が少ない音響発生器、音響発生装置及び電子機器を提供することができる。
第1の実施形態に係る音響発生器の(a)平面視による説明図、および(b)(a)のA−A’線断面図である。 第1の実施形態の別の例を示す断面図である。 (a)音響発生装置のブロック図、および(b)電子機器のブロック図である。 第2の実施形態に係る音響発生器の(a)平面視による説明図、および(b)(a)のB−B’線断面図である。 枠体の各部位を説明するための(a)模式的な斜視図、および(b)(a)のC−C’線断面図である。 第3の実施形態に係る音響発生器の断面図である。 第3の実施形態の別の例を示す断面図である。 第4の実施形態に係る音響発生器の(a)平面視による説明図、および(b)(a)のD−D’線断面図である。 第5の実施形態に係る音響発生器の断面図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する音響発生器、音響発生装置および電子機器の実施形態について説明する。なお、以下に示す各実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る音響発生器の構成について、図1(a)および図1(b)を用いて説明する。
なお、図1(a)は、第1の実施形態に係る音響発生器1を振動体20の主面に垂直な方向から見た平面視による説明図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A’線断面図である。説明を分かりやすくするために、図1(a)および図1(b)には、振動体20の主面に垂直なZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。また、図1(b)においては、理解を容易にするために、音響発生器1をZ軸方向に大きく誇張して示している。
図1(a)に示すように、音響発生器1は、第1の枠体10と、振動体20と、圧電振動素子30と、第2の枠体50と、リード線(図示せず)とを備える。
振動体20は、樹脂、金属、紙などの種々の材料を用いて形成することができる。例えば、厚さ10〜200μm程度のポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレンなどの樹脂フィルムにより薄板状の振動体20を構成することができる。樹脂フィルムは金属板などに比べて弾性率および機械的なQ値の低い材料であるため、振動体20を樹脂フィルムにより構成することで、振動体20を大きな振幅で屈曲振動させ、音圧の周波数特性における共振ピークの幅を広く、高さを低くして共振ピークとディップとの差を低減することができる。また、振動体20を第1の枠体10に固定する際に付与する張力の調整がしやすいという利点もある。なお、金属と樹脂との複合体を振動体20として用いてもよい。
圧電振動素子30は、積層体33と、この積層体33の上面および下面に形成された表面電極層34、35と、積層体33の内部電極層32の端面が露出する側面に形成された外部電極36、37とを備えている。そして、外部電極36、37にリード線(図示せず)が接続されている。また、圧電振動素子30は、その主面が、振動体20の主面と、エポキシ系樹脂等の接着剤により接合されている。
積層体33は、セラミックスからなる4層の圧電体層31a、31b、31c、31dと、3層の内部電極層32とが交互に積層されて形成される。また、圧電振動素子30は、上面側および下面側の主面を矩形状としており、圧電体層31aと31b、圧電体層31cと31dは、それぞれ厚み方向に互いに異なる向きに分極されており、圧電体層31bと31cは同じ向きに分極されている。
したがって、リード線を介して圧電振動素子30に電圧が印加された場合、例えば圧電振動素子30の下面側、換言すれば振動体20側の圧電体層31c、31dは縮む一方、上面側の圧電体層31a、31bは伸びるように変形する。よって、圧電振動素子30に交流信号を与えることにより、圧電振動素子30が屈曲振動し、振動体20に屈曲振動を与えることができる。このように、圧電振動素子30の上面側の圧電体層31a、31bと下面側の圧電体層31c、31dとが、相反する伸縮挙動を示し、その結果、圧電振動素子30がバイモルフ型の屈曲振動をすることにより、振動体20に一定の振動を与えて音を発生させることができる。
このように、圧電振動素子30がバイモルフ型の積層型圧電振動素子であり、圧電振動素子30自体が単独で屈曲振動することから、振動体20の材質によらず、例えば柔らかい振動体20であっても強い振動を発生させることができ、少数の圧電振動素子30により充分な音圧を得ることができる。
ここで、圧電体層31a、31b、31c、31dを構成する材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、Bi層状化合物、タングステンブロンズ構造化合物などの非鉛系圧電体材料などの、従来から用いられている圧電セラミックスを用いることができる。
また、内部電極層32の材料は、金属、例えば銀とパラジウムを主成分とする。なお、内部電極層32には圧電体層31a、31b、31c、31dを構成するセラミック成分を含有しても良く、これにより、圧電体層31a、31b、31c、31dと内部電極層32、32、32との熱膨張差による応力を低減した圧電振動素子30を得ることができる。
また、表面電極層34、35と外部電極36、37は、金属、例えば銀などを主成分とする。また、ガラス成分を含有しても良い。ガラス成分を含有させることによって、圧電体層31a、31b、31c、31dや内部電極層32と、表面電極層34、35または外部電極36、37との間に強固な密着力を得ることができる。ガラス成分の含有量は、たとえば20体積%以下とすればよい。
リード線は、配線部材の一例であり、一端部が圧電振動素子30に接続され、圧電振動素子30へ電気信号を入力する。かかるリード線は、種々の金属材料を用いて形成することができる。たとえば、銅またはアルミニウムなどの金属箔を樹脂フィルムで挟んだフレキシブル配線を用いてリード線を構成すると、音響発生器1の低背化を図ることができる。
第1の枠体10は、振動体20を保持して振動の固定端を形成する役割を担っている。たとえば、図1(b)に示すように、共に矩形状の上枠部材11と下枠部材12とを、上
下に接合して第1の枠体10を構成している。そして、上枠部材11と下枠部材12との間に樹脂フィルムからなる振動体20の外周部を挟み込み、所定の張力を付与した状態で固定している。したがって、振動体20が大きく振動して高い音圧を発生すると、それを固定する第1の枠体10には大きな応力がかかり、第1の枠体10が変形したり、振動体20との接合部が劣化して振動体20に付与される張力が変化して、音質が変動する懸念がある。
第2の枠体50は、上枠部材11と下枠部材12からなる第1の枠体10の外周部に設けられ、第1の枠体10を支持するものである。第2の枠体50により第1の枠体10を支持することにより、振動体20の振動により大きな応力を受ける第1の枠体10の変形を抑え、圧電振動素子30、振動体20および第1の枠体10からなる複合振動体全体の変形や劣化を低減することができる。したがって、長期間使用してもたわみなどの変形の少ない振動体20を備えた音響発生器1となる。
第1の枠体10および第2の枠体50の厚みおよび材質は、特に限定されるものではないが、第1の実施形態では、機械的強度および耐食性に優れているという理由から、たとえば、厚さ100〜1000μmのステンレス製の材料を用いている。
なお、図1(a)には、その内側の領域の形状が略矩形状である第1の枠体10および第2の枠体50を示しているが、平行四辺形、台形および正n角形といった多角形であってもよい。本実施形態では、図1(a)に示すように、略矩形状であるものとする。
また、上述の説明では、第1の枠体10を2枚の枠部材によって構成し、かかる2枚の枠部材で振動板20の周縁部を挟み込んで支持する場合を例に挙げたが、これに限られるものではない。たとえば、図2に示すように、第1の枠体10を1枚の枠部材で構成し、かかる第1の枠体10へ振動板20の周縁部を接着固定して支持することとしてもよい。なお、図2においては、圧電振動素子30の積層構造等の詳細は省略し、単なる矩形状に簡略化して示している。以降、断面図における圧電振動素子30の記載は、同様に簡略化して示すものとする。
また、第1の実施形態に係る音響発生器1は、図1(b)に示すように、圧電振動素子30を埋設するように、第1の枠体10内に充填された樹脂製の被覆層40を備える。このように、圧電振動素子30を樹脂製の被覆層40で埋設することにより、適度なダンピング効果を誘発させることができ、共振現象を抑制するとともに、共振ピークとディップとの差をより小さく抑えることができる。さらに、圧電振動素子30を外部環境から保護することもできる。
なお、第1の実施形態では、振動体20の表面全てが被覆層40により被覆されているが、全てが被覆される必要はない。すなわち、音響発生器1は、圧電振動素子30と、この圧電振動素子30が配置されている側の振動体20の表面の少なくとも一部とが被覆層40により被覆されていればよい。
また、図1(b)には、樹脂層40と、第1の枠体10および第2の枠体50とがZ軸方向に同じ高さとなるように形成された状態を示しているが、樹脂層40はその内部に圧電振動素子30が埋設されていればよく、たとえば、樹脂層40が第1の枠体10の高さよりも高くなるように形成されてもよい。
なお、図1(b)では、圧電振動素子30として、バイモルフ型の積層型圧電振動素子を例に挙げたが、これに限られるものではなく、たとえば、伸縮する圧電振動素子30を振動体20に貼り付けたユニモルフ型であっても構わない。
次に、第1の実施形態に係る音響発生器1を搭載した音響発生装置について図3(a)を参照して説明する。図3(a)は、音響発生装置のブロック図である。
図3(a)に示すように、上述してきた構成の音響発生器1を、共鳴ボックス400に収納することにより音響発生装置4を構成することができる。共鳴ボックス400は、音響発生器1を収納する筐体であり、音響発生器1の発する音響を共鳴させて筐体面から音波として放射する。かかる音響発生装置4は、スピーカとして単独で用いることができる他、例えば、各種電子機器2へ好適に組み込むことが可能である。
上述してきたように、圧電スピーカでは不利であった音圧の周波数特性における共振ピークとディップとの差を低減させることができるとともに、耐久性が高く、音質の変動が少ないため、第1の実施形態に係る音響発生器1は、携帯電話機や薄型テレビ、あるいはタブレット端末などの電子機器2へ好適に組み込むことが可能である。
なお、音響発生器1が組み込まれる対象となりうる電子機器2としては、前述の携帯電話機や薄型テレビ、あるいはタブレット端末などに限らず、たとえば、冷蔵庫、電子レンジ、掃除機、洗濯機などのように、従来、音質については重視されなかった家電製品も含まれる。
ここで、上述した音響発生器1を備える電子機器2について、図3(b)を参照しながら簡単に説明する。図3(b)は、電子機器2のブロック図である。電子機器2は、上述してきた音響発生器1と、音響発生器1に接続された電子回路と、音響発生器1および電子回路を収納する筐体200とを備えている。
具体的には、図3(b)に示すように、電子機器2は、音響発生器1と、制御回路21、信号処理回路22および入力装置としての無線回路23を含む電子回路と、アンテナ24と、これらを収納する筐体200とを備えている。なお、無線による入力装置を図3(b)に図示しているが、通常の電気配線による信号入力としても当然設けることができる。
なお、ここでは、電子機器2が備える他の電子部材(たとえば、ディスプレイ、マイク、スピーカなどのデバイスや回路)については記載を省略した。また、図3(b)では、1つの音響発生器1を例示したが、2つ以上の音響発生器1やその他の発振器を設けることもできる。
制御回路21は、信号処理回路22を介して無線回路23を含む電子機器2全体を制御する。音響発生器1への出力信号は、信号処理回路22から入力される。そして、制御回路21は、無線回路23へ入力された信号を、信号処理回路22を制御することによって音声信号Sを生成し、音響発生器1に対して出力する。
このようにして、図3(b)に示す電子機器2は、小型かつ薄型である音響発生器1を組み込みながらも、共振ピークとディップとの差を低減して周波数変動を可及的に抑制し、周波数の低い低音領域をはじめ、高音領域においても全体的に音質の向上を図ることができるとともに、音質の変動を低減することができる。
なお、図3(b)においては、音響出力デバイスとして音響発生器1を直接搭載した電子機器2を例示したが、音響出力デバイスとしては、たとえば音響発生器1を筐体に収納した音響発生装置4を搭載した構成であってもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る音響発生器の構成について、図4(a)および図4(b)を用いて説明する。
ここで、以下の説明を分かりやすくする観点から、本実施形態における第1の枠体10および第2の枠体50の各部位の名称について、図5(a)および図5(b)を用いて述べておく。図5(a)は、第1の枠体10の各部位を説明するための模式的な斜視図であり、図5(b)は、図5(a)のC−C’線断面図である。なお、図5(a)では、枠体10を構成する2枚の枠部材のうち、1枚分のみを示している。
図5(a)に示すように、本実施形態では、第1の枠体10が有する端面のうち、XY平面に沿う端面を「縁面」と表現する。また、同じく第1の枠体10が有する端面のうち、Z軸に沿う端面を「側面」とし、第1の枠体の内側に位置する「側面」を総じて「内周面」、第1の枠体10の外側に位置する「側面」を総じて「外周面」と表現する。そして、図5(b)に示すように、XY平面に平行な断面における内周面と外周面との距離を「縁面の幅」w、Z軸方向における第1の枠体10の厚さをtと表現する。なお、本発明における「縁面」および「側面」は、それぞれXY平面およびZ軸に平行であってもよいし、45°よりも小さい角度をなしていてもよい。また、「縁面」および「側面」は、平面でもよいし、曲面であってもよい。
また、図5(b)に示すように、本実施形態では、「側面」における「縁面」に近接する部分を、Z軸方向における第1の枠体の「端部」と表現する。
また、図5(a)に示すように、本実施形態では、第1の枠体10の内側の領域を第1の枠体の「枠内」と、また外側の領域を「枠外」と、それぞれ表現する。なお、これらの名称は、第2の枠体50における場合も同様な表現を用いる。
第2の実施形態においては、振動体20の主面に平行な方向、すなわちXY方向において、第2の枠体50の縁面の幅w2は、それに隣接する第1の枠体10の縁面の幅w1よりも大きいものとする。w2をw1よりも大きくすることにより、第1の枠体10の変形をよりいっそう抑制し、圧電振動素子30、振動体20および第1の枠体10からなる複合振動体全体の変形や劣化をさらに低減することができる。
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態に係る音響発生器の構成をYZ断面で示した断面図である。第3の実施形態においては、第1の枠体10の縁面が第2の枠体50の縁面よりも、振動体20に対して圧電振動素子30が設けられる側、すなわちZ軸の正の向きに突出しているものとする。
第1の枠体10は、上述のように、振動体20へ均一に張力をかけつつ支持する支持体であるが、これ自体も複合振動体の構成要素とみなすことができ、振動体20が振動する際には、その振動体20の共振に誘導されて第1の枠体10自体も振動するとともに、振動体20に対して反射波を返している。
第1の枠体10の縁面が第2の枠体50の縁面よりも突出することにより、第1の枠体10は、振動体20を保持して振動の固定端を形成するとともに第2の枠体50によって支持される領域と、振動体20を保持する役割を持たず第2の枠体50による支持を受けない領域とを有することになる。すなわち、第1の枠体10のZ軸方向における対称性が低下するため、第1の枠体10の共振周波数が分散するとともに、第1の枠体10から振動体20に返る反射波が乱される。結果として圧電振動素子30、振動体20および第1
の枠体10からなる複合振動体全体の音圧の周波数特性における共振ピークとディップとの差が低減され、音圧の周波数変動が可及的に抑制されることで音質の向上を図ることができる。
なお、図6では、第1の枠体10の縁面が第2の枠体50の縁面よりもZ軸の正の向きに突出し、Z軸の負の向きには第2の枠体50の縁面が第1の枠体10の縁面よりも突出している例を示したが、第2の枠体50の厚さt2を第1の枠体10の厚さt1よりも小さくして、Z軸の負の向きにおいて第2の枠体50の縁面と第1の枠体10の縁面とが同じ高さになるように配置してもよいし、図7に示すように、第1の枠体10の縁面を第2の枠体50の縁面よりもZ軸の正負両方の向きに突出するように配置してもよい。
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係る音響発生器の構成について、図8(a)および図8(b)を用いて説明する。第4の実施形態では、互いに対向する第1の枠体10の外周面と第2の枠体50の内周面との間に介在層60が設けられている。介在層60は、たとえば接着剤であり、第1の枠体10および第2の枠体50よりもヤング率が低い部材である。このように、第4の実施形態では、第1の枠体10と第2の枠体50とが、第1の枠体10および第2の枠体50よりもヤング率が低い介在層60を介して固定される。
第1の枠体10は、複合振動体の構成要素のひとつとして第1の枠体10自体も振動するとともに振動体20に対して反射波を返しているが、第1の枠体10の外周部に設けられ第1の枠体10を支持している第2の枠体50もまた、第1の枠体10の振動に誘導されて第2の枠体50自体も振動するとともに第1の枠体10に対して反射波を返しており、複合振動体の構成要素のひとつとみなすことができる。
ヤング率が低い材料は通常、機械的Q値が小さい、すなわち機械的損失が大きいため、このような介在層60を設けることにより、第1の枠体10の振動が介在層60によって吸収され、第2の枠体50に伝わる振動を減衰することができる。また、第2の枠体50が第1の枠体10に対して返す反射波も同様に減衰することができ、複合振動体の音質に対する第2の枠体50の影響を最小限に抑えることができる。
したがって、第4の実施形態においては、第1の枠体10、さらには複合振動体全体の変形や劣化を低減して耐久性の高い音響発生器1とすることができるとともに、音響発生器1の音質に対する第2の枠体50の影響を最小限に抑えることが可能となる。
なお、介在層60はボイドを有していてもよい。ボイドを有する場合、ボイドによりさらに振動のエネルギーが吸収され、第1の枠体10と第2の枠体50との間において互いの振動が伝達されにくくなるため、音響発生器1の音質に対する第2の枠体50の影響をよりいっそう低減することができる。
(第5の実施形態)
図9は、第5の実施形態に係る音響発生器の構成をYZ断面で示した断面図である。第5の実施形態では、互いに対向する第1の枠体10の外周面と第2の枠体50の内周面との間に介在層60が設けられているとともに、第1の枠体10の外周面のZ軸方向における端部と第2の枠体50の内周面のZ軸方向における端部との間には介在層60が存在しない間隙70を有している。このように、第1の枠体10の外周面と第2の枠体50の内周面との間の少なくとも一部に間隙70を有することにより、第1の枠体10および第2の枠体50による振動のエネルギーが間隙70により吸収、減衰され、第1の枠体10と第2の枠体50との間において互いの振動が伝達されにくくなる。
なお、第5の実施形態では、第1の枠体10の外周面と第2の枠体50の内周面との間に介在層60を有する場合について例示したが、介在層60を有さない場合についても同様に、第1の枠体10の外周面と第2の枠体50の内周面との間に間隙70を設けることによる第1の枠体10と第2の枠体50との間における振動の減衰効果が得られる。この場合、介在層60による振動の減衰効果が存在しないことから、間隙70による振動の減衰効果がより顕著になる。
また、第5の実施形態では、間隙70を設ける部位を、第1の枠体10の外周面のZ軸方向における端部と第2の枠体50の内周面のZ軸方向における端部との間としたが、これに限定するものではなく、Z軸方向における端部のうち正側または負側のいずれか一方側に間隙70を有している場合、さらには間隙70を第1の枠体10の外周面と第2の枠体50の内周面との間の少なくとも一部に有している場合でも、上述の効果は得られる。
なお、第1の枠体10の外周面と第2の枠体50の内周面との間において、Z軸方向における端部のうち正側または負側のいずれか一方側に間隙70を有する場合には、第1の枠体10のZ軸方向における対称性が低下して第1の枠体10の共振周波数が分散するとともに、第1の枠体10から振動体20に返る反射波が乱され、複合振動体全体の音圧の周波数特性における共振ピークとディップとの差が低減されるという効果も得られる。
なお、上述した実施形態では、樹脂フィルムなどの薄膜で振動体を構成する場合を例に挙げたが、これに限られるものではなく、たとえば、板状の部材で構成することとしてもよい。
また、上述してきた音響発生器では、振動体上に1個の圧電振動素子を配設したものを例示したが、2個以上の圧電振動素子を振動体上に配置しても構わない。
さらに、上述した各実施形態では、励振器の一例として圧電振動素子を用いる場合を例に挙げて説明したが、励振器は、圧電振動素子に限定されるものではなく、電気信号が入力されて振動する機能を有しているものであれば良い。例えば、スピーカを振動させる励振器としてよく知られた、動電型の励振器や、静電型の励振器や、電磁型の励振器であっても構わない。なお、動電型の励振器は、永久磁石の磁極の間に配置されたコイルに電流を流してコイルを振動させるようなものであり、静電型の励振器は、向き合わせた2つの金属板にバイアスと電気信号とを流して金属板を振動させるようなものであり、電磁型の励振器は、電気信号をコイルに流して薄い鉄板を振動させるようなものである。
このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 音響発生器
2 電子機器
4 音響発生装置
10 第1の枠体
20 振動体
30 圧電振動素子
40 被覆層
50 第2の枠体
60 介在層
70 間隙

Claims (8)

  1. 上枠部材と下枠部材とからなる第1の枠体と、該第1の枠体の前記上枠部材と前記下枠部材との間に外周部を挟まれるようにして張設された振動体と、該振動体上に設けられた励振器とを備え、
    前記第1の枠体の外周部に、さらに第2の枠体を有し、
    互いに対向する前記第1の枠体の外周面と前記第2の枠体の内周面との間に介在層を有しているとともに間隙を有していることを特徴とする音響発生器。
  2. 前記間隙が、前記振動体の主面に垂直な方向における上側の端部および下側の端部の少なくともいずれか一方側に設けられていることを特徴とする請求項に記載の音響発生器。
  3. 前記介在層は、前記第1の枠体および前記第2の枠体よりもヤング率が低いことを特徴とする請求項1または2に記載の音響発生器。
  4. 前記介在層は、ボイドを有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の音響発生器。
  5. 前記振動体の主面に平行な方向において、
    前記第2の枠体の縁面の幅は、前記第1の枠体の縁面の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の音響発生器。
  6. 前記励振器は、バイモルフ型の積層型圧電振動素子であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の音響発生器。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載の音響発生器と、該音響発生器を収容する筐体とを備えることを特徴とする音響発生装置。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載の音響発生器と、該音響発生器に接続された電子回路と、該電子回路および前記音響発生器を収容する筐体とを備え、前記音響発生器から音響を発生させる機能を有することを特徴とする電子機器。
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