JP4426696B2 - 窯業系化粧板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に建築材料として用いられる耐熱性、耐火性、不燃性に優れた窯業系化粧板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、窯業系化粧材料としては、表面に溶剤系アクリルウレタン塗料や水系アクリルエマルジョン塗料、UV硬化塗料等の有機系塗料を塗布したものが使用されている。しかし、これらの有機系塗料は耐熱性や、耐損傷性、塗膜と基材の密着性、表面の平滑性等が経時と共に劣化し易いという問題がある。特に屋内向け化粧板ではコンロ周辺部分や、窓から日光直射を受ける部分及びトイレブース等において、経時に伴う変色や剥離、キズやクラックが多く発生していた。
【0003】
また、ステンレス等の金属箔を珪酸カルシウム板や木質系材料に接着した化粧板も利用されているが、鏡面性のステンレスを用いた場合、キズが非常に目立ちやすいため、故意に表面を研磨処理するなどして光沢を減退させ、キズ等を目立ちにくくさせていた。しかしこのような処理を施すことにより、鏡面性は当然の如く低下し、また油汚れ等が付着し易くなる。
このような問題から、高い塗膜硬度で耐摩耗性に優れ、また平滑で優れた外観性を有する化粧板が求められている。
【0004】
一方、特開平7−149672号公報には、研磨等により塗膜表面を数μm研磨除去することにより、塗膜内部の耐汚れ付着性に優れた層を形成する技術が開示されている。これは塗膜の表面のみを研磨するものであり、非塗装物の表面に凹凸や毛羽立ちの隠蔽を図る場合には、研磨後の塗膜厚さをその凹凸あるいは毛羽立ちよりも厚く形成しなければならないという問題がある。
また、特開平9−85107号公報には、半硬化した熱硬化性樹脂を下塗に使用した後に研磨を行い、アルカリシリケート系塗料を上塗りに用いて同時に加熱硬化させる技術が開示されているが、下塗加熱後に冷却工程を持たないため、研磨に好適な塗膜状態となるまで、待機する必要がある。また下塗と上塗りの硬化を同時に行うため、各工程で好適な焼き付け条件とすることができないという問題がある。
【0005】
さらに、特開平9−132484号公報には、高温焼付型塗料を無機質建材に溶射処理により塗布した後、160℃〜300℃で焼付する技術が開示されている。しかし、ここで必要となるプラズマ溶射、高エネルギーガス溶射等の溶射処理はロールコーターやフローコーターなどの通常の塗装装置に比べ、設備が大規模となり、また研磨工程を持たないために、下地の隠蔽には多量の溶射塗料が必要となる。
また、特開平11−79870号公報には、シーラー剤を塗布した珪酸カルシウム板を用いて下塗に水ガラス、上塗りに珪酸アルカリとアルカリ水溶性シリコーンを配合したものを塗布して焼成する技術が開示されているが、下塗後の研磨工程を含まないため、塗装前の素地の基材表面を十分に平滑にしなければならないという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、窯業系化粧板において、上記従来技術の問題点を解決するとともに、塗膜硬度の高い窯業系化粧板及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を進めた結果、無機系基材上に、ベースコート層、化粧層が積層された化粧板の製造工程において、ベースコート層を硬化させた後にその塗膜を研磨することにより、平滑なベースコート層とし、次いで化粧層を設けて、その塗膜を焼付処理することにより、表面が硬質で平滑な窯業系化粧板が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、繊維補強セメント板又は繊維補強珪酸カルシウム板から選択された無機系基材の表面に樹脂含有ベースコート層、樹脂含有化粧層が順次積層された窯業系化粧板であって、該ベースコート層及び化粧層の樹脂がアクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びアクリルシリコーン樹脂から選ばれるものであり、これらから選ばれる樹脂含有塗料の600℃強熱残分が95〜30質量%で、表面塗膜硬度がJIS K 5400に規定される鉛筆硬度試験法で4H〜6Hである窯業系化粧板を製造する方法であって、無機系基材を40〜80℃に予熱し、その表面に樹脂含有ベースコート層を形成する第1工程、加熱により100〜140℃の雰囲気中でベースコート層を乾燥硬化させる第2工程、表面温度を0〜50℃に冷却してベースコート層を硬化させる第3工程、該ベースコート層を研磨する第4工程、予備加熱する第5工程、樹脂含有化粧層を形成する第6工程、化粧層を乾燥硬化する第7工程、及び140〜250℃で焼付処理する第8工程を含むことを特徴とする窯業系化粧板の製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1及び図2に本発明の窯業系化粧板の断面説明図を示す。無機系基材(3)の表面にベースコート層(5)、化粧層(6)が順次積層された窯業系化粧板であり、図2における下地処理層(4)は基材表面の補強を目的とした樹脂層である。
【0011】
本発明の窯業系化粧板は、樹脂含有ベースコート層及び化粧層、または化粧層のみの600℃強熱残分が95〜30質量%、好ましくは60〜40質量%である。この600℃強熱残分は、基材上に塗布した樹脂含有塗料中に含まれる無機成分の量を示すものであり、無機成分としては、例えばシリカ、チタン酸化物、アルミナ等のアルミ酸化物、珪藻土、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、カルシウム、酸化銅、コランダム、石英、酸化マグネシウム等が挙げられる。この強熱残分が30質量%未満では、焼付後の塗膜硬度が3H以下となり、高硬度の塗膜が得られず、95質量%を超えると、無機成分の分散状態が不均一となり、塗装時に塗りムラや外観不良となり易い。
なお、600℃強熱残分は、熱天秤(TG)により600℃での残存質量から以下の式により求めることができる。
【0012】
【数1】
【0013】
また、本発明の窯業系化粧板は、表面塗膜硬度が、JIS K 5400に規定される鉛筆硬度試験法で4H〜6Hのものである。
【0014】
このような窯業系化粧板は、樹脂含有ベースコート層を硬化させた後に研磨する工程、及び化粧層を硬化させた後に焼付処理する工程を含むことにより、製造することができる。
より具体的には、例えば無機系基材の表面に樹脂含有ベースコート層を形成する第1工程、加熱によりベースコート層を乾燥硬化させる第2工程、冷却してベースコート層を硬化させる第3工程、該ベースコート層を研磨する第4工程、予備加熱する第5工程、樹脂含有化粧層を形成する第6工程、化粧層を乾燥硬化する第7工程、及び焼付処理する第8工程を含む工程等により製造することができる。
【0015】
本発明で用いる無機系基材としては、略板状のもので、耐熱性及び不燃性、また容易に入手できる等の観点から、繊維補強珪酸カルシウム成形体、繊維補強セメント成形体、繊維補強セラミックス成形体、軽量気泡コンクリート(ALC)、ガラス、タイル、石材又はこれらの複合材等が挙げられる。これらのうち、特に繊維補強セメント板、繊維補強珪酸カルシウム板が好ましい。
【0016】
これら無機系基材の表面にはその種類により、製造方法に起因する凹凸や補強繊維片の露出による毛羽立ち、基材中の欠陥等による穴、カルシウム等の析出による脆弱層などが存在する。これらが存在する場合には、下地処理として、塗装前に基材の表面研磨及び/又はこれら基材の少なくとも一方の面に補強樹脂塗料を含浸させて補強樹脂層を形成させるのが好ましい。基材表面が十分に平滑で強固であれば、表面研磨のみ或いは表面を清浄にするのみで、基材表面に直接ベースコート層を形成させても良い。
表面研磨をする場合には、バフ研磨機、ベルトサンダー、ワイヤーブラシ、スクレーパー、研磨ペーパー、ドラムサンダー、ワイドベルトサンダー、不織布ホイールサンダー、ブラッシサンダー等により行なうのが好ましい。
【0017】
また、補強樹脂層を形成させる場合に用いる補強樹脂塗料としては、基板への含浸性が良好で、十分な基材強度を発揮でき、しかも多くの無機系基材が含有するアルカリ成分によっても侵されないものであれば、特に制限されず、溶剤系又は水系のいずれでも良い。これら塗料に含有される樹脂としては、例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂等が挙げられる。
補強樹脂塗料の塗布量は、使用する基材、樹脂、粘度等により異なるが、5〜100g/m2、特に10〜40g/m2であるのが好ましい。この範囲内であれば、十分な基材補強ができ、しかもベースコート塗料及び化粧層塗料が一部基材に浸透して接着強度を増大させるアンカー効果が得られ、密着強度が高くなり好ましい。
【0018】
無機系基材に補強樹脂塗料を塗布する方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えばロールコーター、フローコーター、リバースコーター、エアースプレー、エアレススプレー、ナイフコーター、ドクターナイフコーター等の塗工機を用いることができ、特にフローコーター、ロールコーターを用いるのが、塗料を均一に塗布することができ好ましい。また、塗布後における硬化時間を短縮するために、予め加熱することもできる。
【0019】
必要に応じて下地処理を行なった無機系基材は、まず、その表面にベースコート層を形成させる。ベースコート層は、基材の隠蔽及び保護、基材中に含まれる研磨による除去が困難で表面毛羽立ちの原因となるパルプや有機系繊維成分等の固定硬化、化粧層とベースコート層及び基材との密着性向上のために形成される。ベースコート層は、樹脂含有塗料を塗布することにより形成され、塗料としては、下地処理と同様に溶剤系、水系のいずれでも良く、同様のものを用いることができる。塗料の塗布量は、30〜250g/m2、特に80〜120g/m2であるのが好ましい。塗布量が30g/m2未満の場合は、塗膜が薄くなり、研磨工程で基材が露出する過研磨状態となり易く、また下地の隠蔽性も不十分となり製品の不良となり易い。塗布量が250g/m2を超えると、乾燥時の発泡や製造工程での塗料の垂れ落ち等が生じ易く、また乾燥時の基材の反り量も多くなる。
【0020】
塗料の塗布方法は、補強樹脂塗料の塗布方法と同様に各種の塗工機を使用することができ、基材表面の凹凸や繊維による塗布不良を改善するため、異なる複数の塗工機を用いて複数回塗布するのが好ましい。この場合には、塗布量の合計が前記範囲内であるのが好ましい。
また、塗布前には、塗料の流動性の向上及び塗膜乾燥を補助するため、基材を40〜80℃、特に50〜70℃に予熱するのが好ましい。
【0021】
塗布したベースコート層の乾燥硬化は、100〜140℃の雰囲気中で5分程度行うのが好ましく、塗布量や使用する塗料の種類により加熱時間や温度を調整することができる。研磨前のベースコート塗膜が鉛筆硬度でHB〜3H程度となるような乾燥硬化条件にするのが、研磨が容易であり好ましい。
乾燥硬化は、通常の方法により、乾燥装置等を用いて行なうことができるが、乾燥装置内において複数の乾燥ゾーンを設けて温度及び時間を調整することもできる。
【0022】
乾燥装置から出た直後の塗膜は高温で硬度も低く靭性が高く、また基材の反り量も大きいため、そのままでは均一な表面研磨は困難である。そこで乾燥装置から出たベースコート塗装板を冷却して、表面温度を研磨が容易となる0〜50℃、特に10〜40℃とするのが好ましい。冷却することにより、ベースコート層を更に硬化させることができる。冷却方法としては、放冷や、冷風、水冷及びそれらの組み合わせ等が挙げられるが、基材及び塗膜を劣化させず、速やかに冷却できるものが好ましい。
このようにして形成されたベースコート層は、厚さが10〜90μm、特に30〜50μmであるのが好ましい。
【0023】
次に、硬化したベースコート層を研磨する。すなわち、乾燥、硬化したベースコート層の表面には、基材中の繊維や製造中の異物付着、基材の微細な凹凸や発泡痕跡があるため、研磨装置を用いて、塗膜厚さの範囲内で表面を均一に研磨する。研磨装置としては、バフ研磨装置やベルトサンダー等が好適であり、これらを複数台組み合わせて徐々に細かく研磨するのが好ましい。ベルトサンダーを用いて研磨する場合には、研磨番手#240〜#400が好適である。240番よりも荒い場合は、過研磨が発生し易く、表面に研磨によるスジが多く発生し、逆に400番よりも細かい場合は、表面の凹凸が十分にとれず、早期に目詰まりを発生する。
【0024】
また、研磨前にベースコート塗膜表面に発生した凸部を、鉄/ゴムロールなどのロール装置や、塗布した基材を積み重ねて加圧する、塗膜面を基材又は塗膜面同士と擦り合わせる等の方法により、凸部を折り取る又は凸部を低くして凸部を減少させれば、研磨工程で容易に均一な研磨を行なうことができる。
研磨後の塗膜面は、除塵ブラシや集塵装置で清掃して化粧層の塗布に適する塗膜面とする。
【0025】
次に、化粧層を形成させる。化粧層は、意匠性の向上、基材保護、耐薬品性の向上、塗膜硬度向上を目的とした塗膜厚さの確保のために形成される。化粧層は樹脂含有塗料を塗布することにより形成され、塗料としては、補強樹脂塗料及びベースコート層と同様のものを使用できる。化粧層に用いる塗料は、ベースコート層の塗料と同一でも異なっていても良い。
塗料の塗布量は、50〜300g/m2、特に130〜170g/m2であるのが好ましい。塗布量が50g/m2未満の場合は、塗布装置の塗布ムラが生じ易く、また化粧層の塗布ムラやベースコート層研磨後の塗膜厚さのバラツキにより下地隠蔽性の不足が発生し、塗膜硬度が低下する。300g/m2を超えると、塗膜の乾燥不十分や発泡、塗膜の垂れやライン移動の振動による基材表面端部への塗膜の偏りが顕著に発生して表面不良の原因となる。
【0026】
また、塗布方法は、補強樹脂塗料及びベースコート層と同様に各種塗工機を使用することができ、複数の塗工機を組み合わせて複数回塗布するのが好ましい。複数回塗布する場合には、塗布量の合計が前記範囲内であるのが好ましい。
なお、塗料の塗布前には、ベースコート層塗布時と同様に、基材を40〜80℃、特に50〜70℃に予め加温するのが好ましい。
【0027】
塗布した化粧層の乾燥硬化は、70〜220℃、特に100〜140℃雰囲気中で5分程度行うのが好ましく、塗布量や使用する塗料の種類により加熱時間や温度を調整しても良い。乾燥は、ベースコート層と同様に、乾燥装置等を用いて行なうことができ、乾燥装置内において複数の乾燥ゾーンを設けて各ゾーンで温度及び時間を調整しても良い。このとき、塗布直後の基材が搬入されるゾーンは低温でその後高温とするのが好ましく、さらには搬出されるゾーンにおいて再度低温とするのが好ましい。例えば、搬入ゾーンでは雰囲気温度を70〜120℃とし、以降のゾーンでは前工程ゾーンに対して雰囲気温度を5〜50℃の温度範囲で上昇させて任意の時間保持した後、搬出ゾーン出口において塗膜表面温度が70〜140℃とするのが好ましい。
このようにして形成された化粧層は、厚さ15〜110μm、特に45〜60μmであるのが好ましい。
【0028】
乾燥硬化後、化粧層を焼付処理する。この焼付処理において、焼付条件は基材の種類や厚さ、耐熱性、使用する塗料及び塗布量等により異なり、適宜焼付温度及び時間を調整することができるが、140〜250℃、特に160〜200℃の雰囲気下で20〜30分程度処理するのが好ましい。
焼付処理は、乾燥装置、焼成装置等を用いて行なうことができ、化粧層の乾燥工程と同様に複数の焼付ゾーンを設けることもできる。化粧層の乾燥と同様にまず低温でその後高温とするのが好ましく、さらには搬出されるゾーンにおいて再度低温とするのが好ましい。例えば、搬入ゾーンでは雰囲気温度を140〜180℃とし、以降のゾーンでは前ゾーンに対して雰囲気温度を5〜50℃の温度範囲で上昇させることにより、加温中に塗膜の表面温度が120℃以上となるのが好ましい。また、化粧層塗布後の乾燥工程と焼付工程は、ゾーンの温度設定により連続して行うのが好ましいが、個別に行うことも可能である。
【0029】
以上のような製造工程は、例えば図3に示すようにして行なうことができる。
【0030】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に説明する。
【0031】
実施例1
珪酸カルシウム板(アスク社製、セルフレックスA、厚さ6mm)基材を予め研磨紙番手120で研磨した後、補強用ウレタン樹脂(日立化成工材社製、ハイスターAHシーラー)を20g/m2塗布し、160℃雰囲気で1分間予熱乾燥して、表面温度を70℃とする。次に、ゴムロールコーターにより2液型アクリルウレタン塗料(日立化成工材社製、ハイスター370MK)を20g/m2塗布した後、さらに同一の塗料をフローコーターにより100g/m2塗布する。この塗布した基材を140℃で5分間乾燥硬化させた後、30℃まで冷却して塗膜硬度2H〜3Hのベースコート塗膜を得た。
次に、この塗膜表面を研磨紙番手320で研磨を行い、表面の凹凸、毛羽、微細な発泡痕跡等を除去し、平滑なベースコート層を形成させた。
次に、160℃雰囲気中で1分間予熱して、基材表面温度を70℃とした後、ゴムロールコーターにより2液型アクリルウレタン塗料(日立化成工材社製、ハイスター370MK)を20g/m2塗布した後、さらに同じ塗料をフローコーターにより130g/m2塗布した。これを140℃で5分間乾燥して、塗膜硬度2〜3Hの表面が平滑な化粧層を得た。
この塗装済み基材を170℃の雰囲気中に20分間静置して、基材表面温度を130〜150℃として、焼付処理を行い、平滑な化粧面を有する化粧板を得た。
得られた化粧板は、ベースコート層及び化粧層の600℃強熱残分が50質量%であり、表面塗膜硬度は4Hであった。
【0032】
実施例2〜18及び比較例1〜4
実施例1と同様にして、表1〜表3に示す条件で、窯業系化粧板を製造した。
なお、各例で用いた塗料は、以下のとおりである。また、表中、研磨後の外観は、JIS K 5400の塗膜の視覚特性に関する試験方法に準じて、視覚により明らかな外観不良の無いものを良好、わずかに痕跡が認められるものを良、板内に部分的な基材の透けや、塗装の厚さムラが生じているものを一部過研磨、表面に明らかな凹凸等の不具合が認められるものを不良として示した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
試験例1
実施例1〜18及び比較例1〜4で得られた窯業系化粧板について、沸騰水浸漬8時間、60℃温水浸漬10日、50℃100%湿度暴露10日、5%硫酸滴下24時間、5%塩酸滴下24時間、5%硝酸滴下24時間処理したときの塗膜の外観を目視により評価した。結果を表1〜表3に併せて示す。表中、外観が処理前と変わらないものについては、「○」で示した。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、表面が平滑で塗膜硬度が高く、耐熱性、耐火性、不燃性に優れた窯業系化粧板を得ることができ、建築材料等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窯業系化粧板の断面説明図である。
【図2】本発明の窯業系化粧板の断面説明図である。
【図3】本発明による製造方法の工程説明図である。
【符号の説明】
1、2 窯業系化粧板
3 無機系基材
4 下地処理層
5 ベースコート層
6 化粧層
10 下地処理塗料塗布用ロールコーター
11a、11b 乾燥装置
12a ベース層塗布用ロールコーター
12b 化粧層塗布用ロールコーター
13a ベース層塗布用フローコーター
13b 化粧層塗布用フローコーター
14 乾燥装置
15a、15b 冷却装置
16 表面研磨装置
17 除塵装置
18 乾燥装置(又は焼成装置)
19 搬送コンベア
Claims (1)
- 繊維補強セメント板又は繊維補強珪酸カルシウム板から選択された無機系基材の表面に樹脂含有ベースコート層、樹脂含有化粧層が順次積層された窯業系化粧板であって、該ベースコート層及び化粧層の樹脂がアクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びアクリルシリコーン樹脂から選ばれるものであり、これらから選ばれる樹脂含有塗料の600℃強熱残分が95〜30質量%で、表面塗膜硬度がJIS K 5400に規定される鉛筆硬度試験法で4H〜6Hである窯業系化粧板を製造する方法であって、無機系基材を40〜80℃に予熱し、その表面に樹脂含有ベースコート層を形成する第1工程、加熱により100〜140℃の雰囲気中でベースコート層を乾燥硬化させる第2工程、表面温度を0〜50℃に冷却してベースコート層を硬化させる第3工程、該ベースコート層を研磨する第4工程、予備加熱する第5工程、樹脂含有化粧層を形成する第6工程、化粧層を乾燥硬化する第7工程、及び140〜250℃で焼付処理する第8工程を含むことを特徴とする窯業系化粧板の製造方法。
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