JP2004249585A - 繊維強化プラスチック成形体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】繊維強化プラスチック成形体表面の塗装のための表面研磨処理の作業性を大幅に向上することのできる繊維強化プラスチック成形体6およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも次の(1)〜(5)の工程よりなる繊維強化プラスチック成形体の製造方法である。
(1)成形体表面に対応する成形型7の表面に、表面研磨層8となる第1ゲルコートと、研磨後の表面層10となる第2ゲルコートとをこの順に塗布する工程
(2)前記第2ゲルコート10の上に、強化繊維からなる基材11を積層し、成形型を閉じた後、型内に熱硬化性樹脂5を注入し、強化繊維内に樹脂を含浸させる工程
(3)前記第1および第2ゲルコートと、熱硬化性樹脂とを熱硬化させる工程
(4)成形型を脱型し、繊維強化プラスチック成形体6を取り出す工程
(5)得られた繊維強化プラチック成形体の前記表面研磨層8を研磨して取り除く工程
【選択図】図2
【解決手段】少なくとも次の(1)〜(5)の工程よりなる繊維強化プラスチック成形体の製造方法である。
(1)成形体表面に対応する成形型7の表面に、表面研磨層8となる第1ゲルコートと、研磨後の表面層10となる第2ゲルコートとをこの順に塗布する工程
(2)前記第2ゲルコート10の上に、強化繊維からなる基材11を積層し、成形型を閉じた後、型内に熱硬化性樹脂5を注入し、強化繊維内に樹脂を含浸させる工程
(3)前記第1および第2ゲルコートと、熱硬化性樹脂とを熱硬化させる工程
(4)成形型を脱型し、繊維強化プラスチック成形体6を取り出す工程
(5)得られた繊維強化プラチック成形体の前記表面研磨層8を研磨して取り除く工程
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車部材、建材、航空機部材、スポーツ用具部材等に好適に用いられる繊維強化プラスチック成形体およびその製造方法の改良に関し、詳しくは簡便に表面平滑性と下地処理を行うことができ、大幅に生産性が向上できる繊維強化プラスチック成形体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、強化繊維とマトリックス樹脂とからなる繊維強化プラスチック成形体は、軽量且つ高強度、高弾性率、耐衝撃特性に優れるなどの機械物性に優れるばかりか、耐候性、耐薬品性、導電特性などについても優れた機能特性を有するために、自動車部材、建材、航空機部材、スポーツ用具部材等の分野に応用されてきた。
【0003】
ところで、かかる繊維強化プラスチック成形体の外表面には、表面層となる成形型面を転写した表面平滑性に優れるゲルコート層が形成されている。このゲルコート層は、表面平滑性に優れるだけでなく、艶付けや着色などの美観付与と共に、水や熱水、薬品、紫外線などの耐環境性などに対する保護層として成形されるものである。ここで外表面とは特に限定するものではないが、たとえば自動車のボディーやフード等に使用される繊維強化プラスチック成形体のうち、外部から目視できる製品の表面を意味する。それが板状の物である場合、その片面、両面いずれともに該当する場合もあるが、通常片面が該当する。
【0004】
従来、このような繊維強化プラスチック成形体は、例えば次に例示するような製造工程により製造されており、これを図4の工程図を参照しながら説明する。なお、図4は下型1と上型4とからなる両面型により、下型1に接する面2aが製品にした場合の外表面になるような皿形状の繊維強化プラスチック成形体6を製造するために模式的に示した縦断面図である。
【0005】
(A)図において、まず断面が凹状の下型1の表面に、離型剤(図示省略)を塗布し、その上にゲルコート2をその厚さが300〜600μmとなるように塗布し、次いで該ゲルコート2を室温または適当な温度に加熱して硬化する。
【0006】
(B)硬化したゲルコート2の上に強化繊維基材3を必要数積層する。
【0007】
(C)次に、上型4を下型1の上に被せて閉じる。。そして、上型4の吸引口4bから型内を減圧吸引し、樹脂注入口4aからマトリックス樹脂5を注入する。
【0008】
(D)両面型全体を加熱して注入したマトリックス樹脂5を硬化させる。
【0009】
(E)型を開いて脱型し、ゲルコート付き繊維強化プラスチック成形体6を取り出す。
【0010】
上記(A)〜(E)の従来の製造工程によって得られた繊維強化プラスチック成形体6の外表面には、通常、耐環境性、美観向上などのために、その表面を有色もしくはクリアまたはその両方の塗装が施される。
【0011】
しかし、成形した繊維強化プラスチック成形体の外表面には、型表面に脱型のために塗布した離型剤が転写して残っているため、塗装時に塗料のはじきや塗膜の剥離など、接着性に悪影響を及ぼす。そのため繊維強化プラスチック成形体表面の離型剤は完全に取り除く必要があり、通常、サンドペーパーなどにより繊維強化プラスチック成形体の表面を研磨する。この研磨により、繊維強化プラスチック成形体の表面の離型剤を取り除くことができるだけでなく、表面に適切な凹凸を付与することにより、塗料のアンカー効果による接着性の向上も期待できる。
【0012】
しかし、この研磨工程は通常、手にサンドペーパーを持って行うか、もしくは電動のサンディングマシンにサンドペーパーを取り付けた工具を用いて行う。ここでいう電動サンディングマシンとは通常オービタルサンダー、ストレートサンダーと呼ばれているサンディングマシンであり、該サンディングマシンの振動面に所定のサンディングペーパーを取り付け、手でサンディングマシンを研磨面に押し当てて移動させることにより、研磨する機器のことである。このように手動もしくはサンディングマシンのいずれを用いても、人手によるものであるため、研磨ムラや研磨厚みにばらつきなどが生じ、研磨処理に時間を要するなどの問題がある。一方、短時間で研磨処理ができるように目の粗いサンドペーパで研磨すると、離型剤の取り除きは効率が良いが、表面の研磨傷が深くなり、塗装後にも研磨傷の痕が残るため、表面外観が求められる部材に関しては、更に目の細かいサンドパーパーで幾重にも研磨する必要があり、最終的に求められる品質の研磨表面をだすために要する時間は長くなってしまう。さらに、目の粗いサンドペーパーは研磨しすぎるとマトリックス樹脂や強化繊維基材が露出して、表面品位が損なわれるおそれがあるため、常に研磨厚みを確認しながら作業を進める必要がある。また、表面に研磨ムラがあったり、研磨厚みが薄く、研磨が不十分であると、表面から離型剤を完全に取り除くことができず、その表面に塗装を施した場合、塗料のはじきなどを生じ問題となる。塗料のはじきが確認された場合、再度研磨処理と塗装を施す必要があり、きわめて労力を要することとなる。このように、従来の繊維強化プラスチック成形体の製造方法は、人手が掛かるだけでなく、品質にばらつきが生じやすいなどの問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、繊維強化プラスチック成形体表面の塗装のための表面研磨処理の作業性を大幅に向上することのできる繊維強化プラスチック成形体およびその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の繊維強化プラスチック成形体は、強化繊維にマトリクス樹脂が含浸され、その表面にゲルコートからなる表面層を有する繊維強化プラスチック成形体において、前記表面層の外表面に、成形体製造後に研磨により取り除かれるための厚さが100〜500μmの範囲内のゲルコートからなる表面研磨層が予め設けられていることを特徴とする。
【0015】
また、上記課題を解決するため、本発明の繊維強化プラスチック成形体の製造方法は、少なくとも次の(1)〜(5)の工程よりなることを特徴とする。
【0016】
(1)成形体表面に対応する成形型の表面に、表面研磨層となる第1ゲルコートと、研磨後の表面層となる第2ゲルコートとをこの順に塗布する工程
(2)前記第2ゲルコートの上に、強化繊維からなる基材を積層し、成形型を閉じた後、型内に熱硬化性樹脂を注入し、強化繊維内に樹脂を含浸させる工程
(3)前記第1および第2ゲルコートと、熱硬化性樹脂とを熱硬化させる工程
(4)成形型を脱型し、繊維強化プラスチック成形体を取り出す工程
(5)得られた繊維強化プラチック成形体の前記表面研磨層を研磨して取り除く工程
【0017】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の繊維強化プラスチック成形体の好ましい実施の形態をその一実施例の図面を参照しながら説明する。図1は、皿形状をした本発明の繊維強化プラスチック成形体の縦断面図である。
【0018】
図において、11は、例えば炭素繊維、ガラス繊維繊維等の強化繊維からなる強化繊維基材であり、その内部にはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などのマトリクス樹脂が含浸されている。この強化繊維基材により繊維強化プラスチック成形体としての軽量且つ高強度、高弾性率、耐衝撃特性が発揮される。また、10は、例えばアクリル系、不飽和ポリエステル系、ビニルエステル系等からなる第2ゲルコートで構成される表面層であり、これにより成形体表面は表面平滑性に優れるだけでなく、艶付けや着色などの美観付与と共に、水や熱水、薬品、紫外線などの耐環境性などに対する保護層としての役目を有する。8は、本発明の特徴である表面研磨層であり、例えばアクリル系、不飽和ポリエステル系、ビニルエステル系等からなる第1ゲルコートで構成されている。この表面研磨層は、前述したように、最終的には研磨により除去されて、上記第2ゲルコートを外表面とする最終製品である繊維強化プラスチック成形体が得られる。すなわち、本発明の成形体は、予め所定の研磨しろを成形体表面に設けたもので、成形性を考慮すると、その厚さは100〜500μmの範囲が好ましく、100〜400μmの範囲がより好ましい。その理由は、100μm未満であると薄すぎるために機械加工により研磨を施した場合に、研磨が表面層にまでおよび表面層の膜厚不足、基材の露出などが問題となる。一方、500μmを越えると研磨量が多くなりコスト増につながるか、もしくは研磨しない場合は重量増加となる傾向がある。これら第1、第2ゲルコートとしては、アクリル系、不飽和ポリエステル系、エポキシ系などの汎用のゲルコートを用いることができる。特に第2ゲルコート10は、その外表面が最終製品の表面層を構成することになるため、最終製品の表面に求められる諸々の性質を満足させる様に選定する必要があるが、アクリル系ゲルコートが好ましい。
【0019】
次に、本発明の成形体の製造方法の好ましい実施の形態を図2を参照しながら工程順に説明する。図2は、本発明の製造方法を説明するための工程図で、下型7と上型12とからなる両面型を用いた場合の縦断面図を示している。
【0020】
(1)まず、第一工程として前述した従来の繊維強化プラスチック成形体と同様に、断面が凹状をした下型7の表面7aに、予め離型剤を塗布した後、その上からさらに表面研磨層用の第1ゲルコート8を所定膜厚だけ塗布する。この場合の膜厚さ(tk)としては、後に採用する研磨方法によって適宜決定するのが好ましい。例えば比較的単純な形状で手動もしくは電動サンディングマシンを用いて手作業により研磨する場合は、膜圧tkは、50〜200μmの範囲が好ましく、より好ましくは100〜150μmの範囲である。膜圧tkが200μm以下であることにより、手作業による研磨法としては余り労力が掛かからないからである。
【0021】
一方、機械加工により研磨する場合は、膜圧tkは手動研磨よりも研磨され易いため、上記手作業による研磨の場合よりも膜厚を厚くした200μm〜500μmの範囲内が好ましい。ここで言う機械加工とはフライス盤の主軸回転ヘッドに研磨材が取り付けられている様な機械による加工である。この加工法によるとヘッドに各番手の研磨用砥石である研磨用フェルトディスクなどを取り付けることにより、粗い研磨から細かい研磨まで対応することができる。また、ヘッドの多軸機構化、NC制御化により、3次元などの複雑形状を有する成型品の研磨も可能となる。
【0022】
また、該表面研磨層を構成する第1ゲルコート8は、表面層を構成するゲルコートと区別しやすいように着色しておくと、研磨時に目視により表面研磨層を確認する事ができるので好ましい。特に手作業により研磨する場合は、通常、研磨厚みを測定しながら研磨するため、目視により表面研磨層が随時識別できるので研磨作業が非常に容易となる。すなわち、ゲルコート8は成形品全体にわたり、均一に着色塗布されているため、着色層のゲルコートが無くなるまで研磨することにより、成形品全体を均一に研磨することが可能となる。
【0023】
また、該表面研磨層に研磨厚み分に相当する深さの凹部9を予め形成しておけば、着色と同様に目視による研磨層の厚みを随時識別できるため好ましい。具体的には、図2(1)に示すように、下型7上に表面研磨層8の厚み分に相当する深さの凸部9を設けておき、そのまま成形する。脱型したときに得られる成形体は、この凸部9のために逆に凹部が形成されていることになる。つまり、手作業により研磨作業をする場合などには、この凹部がなくなるまで目視により確認しながら作業できるため研磨作業が非常に楽になる。また、成形型上に塗布している離型剤のゲルコート内部に含浸している厚み(tr)が分かっている場合には、該表面研磨層用の第1ゲルコート8の厚みをtr以上に設けておき、脱型後に研磨することにより、表面から完全に離型剤を取り除くことが可能となる。離型剤の第1ゲルコート内部への含浸している厚みを、直接測定することは困難であるが、離型剤を塗布した金型で精度良く管理されたゲルコート膜厚を有する平板を作製し、設定した研磨厚みを研磨後に塗装試験を行い、離型剤によるはじき有無を確認することにより、必要な研磨厚みを設定することも可能である。
【0024】
次に、塗布した第1ゲルコート8層の上に、成形後の繊維強化プラスチック成形体の表面層を形成するため、表面層としての第2ゲルコート層10を必要な膜厚ts分だけ塗布する。この表面層の膜圧tsは通常150〜500μmの範囲内にするのが好ましい。なお、表面研磨層用の第1ゲルコート層8と、繊維強化プラスチック成形体の表面層を形成するための第2ゲルコート層10とが同一材質のゲルコートである場合は、ゲルコートの塗布を分けることなく、一度にt=tk+tsに相当する膜圧のゲルコートを塗布すればよい。
【0025】
表面研磨層用のゲルコート層8に着色を施したゲルコートを使用する場合には、表面研磨層用のゲルコートを硬化させた後、表面層用のゲルコート層10を塗布する。これにより表面研磨層用ゲルコートと表面層用ゲルコート間の馴染みを抑えることができる。表面研磨用ゲルコート層8の硬化が不十分であると、その上に塗布する表面層用の第2ゲルコート層10に含まれる溶媒成分(例えばスチレンなど)が表面研磨層用のゲルコートを溶解し、着色が移ったり、白濁、硬化阻害などを引き起こす可能性があるため好ましくない。
【0026】
上記のように該表面研磨層用、および表面層用ゲルコート8、10を塗布した後、高温槽による加熱等の手段によりこれらを硬化させる。
【0027】
(2)第二工程として、表面層用の第2ゲルコート層10の上に、強化繊維からなる基材11の積層を行う。図のような両面型を使用している場合は、上型12を閉じ、片面型の場合はフィルムによりバギングをして閉じる。
【0028】
(3)次に第三工程として、必要に応じて上型12の吸引口12bから型内を吸引・減圧処理するなどして、樹脂注入口12aからマトリックス樹脂を注入し、敷き詰めた強化繊維基材11内部に樹脂を十分含浸させる。
【0029】
(4)第四工程では、両面型全体を高温槽による加熱、型内に配置した電熱線もしくは温水流路等の熱源により加熱することにより、第1、第2ゲルコート層および熱硬化性樹脂を硬化させ、硬化したら上型12を開いて脱型する。
【0030】
(5)最後に第五工程では、このようにして得られた繊維強化プラスチック成形体を手動または電動のサンディングマシン、または機械加工により表面研磨層8を研磨して取り除くことにより、成型品表面に付着している離型剤および離型剤の含浸している層を取り除くとともに、適度な凹凸を付与することにより、塗装に最適な表面層の第2ゲルコート層10を形成する。成型品形状が複雑又は比較的小さい場合は手動もしくは電動サンディングマシンを用いて研磨するのが好ましい。この場合は、サンディングペーパーの目が粗い番手のものから目が細かい番手に順次に研磨していく。このようにしないと、目が粗い番手で加工した場合、表面に研磨傷が深く残っているため、表面の塗装後にも研磨傷による表面平滑性、表面外観が損なわれる。たとえば、研磨後の表面粗さを#1000レベルにする場合には、#320、#600、#800,#1000と、サンディングペーパー の番手を上げていき、最終的に#1000の研磨を行って仕上げ面を得る。
【0031】
このように最終的に求められる研磨表面のレベルに応じて、サンディングペーパーの番手を適宜選定して、サンディングを行う。このサンディング方法は、従来のサンディング技術と同様であるが、従来の成形品には予め表面研磨層が設けられていないために、目の粗いサンドペーパーを用いた研磨を多用する事ができないため、最終仕上げまでのサンディングに時間が掛かる。一方、本発明による繊維強化プラスチック成形体は予め表面研磨層8を有しているため、目の粗いサンディングペーパーを用いて十分に研磨する事が可能であり、これにより表面に付着している離型剤を迅速かつ完全に取り除くことができる。
【0032】
【実施例】
以下に本発明の実施例と比較例を説明する。
(実施例1)
まず、繊維強化プラスチック成形体のサンプルの製作は次のようにして得た。図3は、このときに用いた下型13と上型17とからなる両面型の縦断面図である。
(ゲルコートの調整)
アクリル系ゲルコート(日本フェロー(株)製、NR−AC0001P)100重量部にメチルエチルパーオキサイド系の硬化剤(日本化薬(株)製、カヤメックM)1重量部を添加し、25℃で充分に攪拌・混合したものをゲルコートAとした。一方、ゲルコートA100重量部に青色着色ゲルコート(日本フェロー(株)製、1209NK1)を1重量部を添加して、25℃で充分に攪拌・混合したものをゲルコートBとした。
(繊維強化プラスチック成形体サンプルの成形)
縦300×横400×厚さ5mmの板状のキャビティーを有し、離型処理を施した下型13の表面に、上記ゲルコートAを硬化後の厚みが100μmとなるようにウェットゲージにより厚みを確認しながらスプレー塗布し、50℃で30分間硬化して、下型底部にゲルコートAからなる表面研磨層用の第1ゲルコート14を形成した。
【0033】
次に、おなじゲルコートAからなる表面層用の第2ゲルコート層15を硬化後の厚みが150μmとなるように第1ゲルコート層14の上にスプレー塗布し、25℃×60分間の温度条件で硬化させた。表面層用ゲルコートAを硬化した後、強化繊維基材16として、キャビティー内に縦295×横395mmに切り出した炭素繊維織物CK6250E(炭素繊維:T700S−12K、組織;平織、目付:190g/m2、東レ(株)製)を4枚積層し、上型17を閉じた後、型締めを行った。続いて真空ポンプにより吸引口17bから型内を吸引・減圧した後、エピコート807(油化シェルエポキシ(株)製、エポキシ樹脂)30重量部、アンカミン2049(パシフィックアンカーケミカル(株)製、アミン硬化剤)43重量部を混合して得た液状エポキシ樹脂19を樹脂注入口17aから型内に注入し、100℃に昇温して2時間硬化し、脱型し、繊維強化プラスチック成形体のサンプルを得た。
【0034】
そして、このサンプルの縦断面を光学顕微鏡により観察して、表面研磨層用ゲルコート層14の厚みが100μm、表面層用ゲルコート層15の厚みが150μmであることを確認した。
【0035】
一方、オービタルサンダーに日本研紙(株)製の粒度#320の耐水研磨紙を取り付け、繊維強化プラスチック成形体サンプルの表面研磨層用ゲルコート14の表面全体を軽く研磨した。全体を研磨できているかどうかは、目視により研磨傷が表面全体についていることにより確認した。次に粒度#600の耐水研磨紙に付け替え、同様に研磨を行い、#320によってできた研磨傷が目視により確認できなくなるまで研磨を行った。更に粒度#800の耐水研磨紙に取り替え、同様に研磨を行い、#600によってできた研磨傷が目視により確認できなくなるまで研磨を行うと共に、#320、#600,#800による研磨厚みの合計が100μmになるよう、各段階で研磨厚みを測定しながら研磨を行った。
【0036】
#800で研磨後、表面をアセトンにより脱脂、洗浄し、研磨表面を目視により観察した結果、わずかな研磨ムラがあるものの、強化繊維基材の露出などもなく、良好な研磨表面であることを確認した。さらにその研磨表面上に、汎用のクリア色のアクリルウレタン塗料用プライマーを30μm塗布したのち、クリアのアクリルウレタン塗料を50μm塗布し、90℃、1時間で塗料を硬化させた後、塗装表面を携帯用鮮明光沢度計(東京光電(株)社製、PGD−IV)で測定した結果、鮮明光沢度は0.7であり、良好であることを確認した。
(実施例2)
図3の離型処理を施した下型13の表面に、今度は青色着色した上記ゲルコートBを硬化後の厚みが100μmとなるようにウェットゲージにより厚みを確認しながらスプレー塗布し、50℃で30分間硬化して、表面研磨層となる第1ゲルコート14を形成したのち、硬化後の表面層厚みが300μmとなるように表面層用ゲルコート15を塗布した後、実施例1と同様に繊維強化プラスチック成形体サンプルを作製した。そして、実施例1と同様に成形体表面に研磨を施した結果、表面研磨厚みが100μmに達したところで、着色した第1ゲルコートBからなる表面研磨層がなくなり、その下からゲルコートAからなる表面層の第2ゲルコート15の露出が確認されたため、その部分についてはこの時点で研磨を止め、全体の一様な研磨に大変有効であった。
【0037】
実施例1と同様に研磨表面を観察した結果良好であった。また研磨表面にクリア塗装を施し、塗装表面を携帯用鮮明光沢度計で観察した結果、鮮明光沢度は0.7であり、良好であることを確認した。
(実施例3)
今度は幅1.0mm、長さ10.0mm、高さ300μmの凸部18を下型7の四隅の表面に設けた金型を用いて、実施例1と同様に繊維強化プラスチック成形体サンプルを成形した。ただし、凸部18には予めマスキングテープを貼っておき、表面研磨層用の第1ゲルコート14の硬化後の厚みが300μmとなるように表面研磨層用ゲルコートを塗布した後、マスキングテープを剥がして、凸部18上から表面研磨用ゲルコートを取り除き、実施例1と同様に成形を行った。脱型後のサンプルの表面は、下型7の四隅に設けた凸部を転写して、深さ300μmの凹部が形成されていた。
【0038】
次に自動研磨装置の研磨用ディスクヘッドに、粒度が#320の円型研磨紙(日本研紙(株)社製)を取り付け200μm研磨した後、#600の円型研磨紙に取り替えて、さらに100μmの研磨を行った。表面研磨層用ゲルコート14の研磨厚みが300μmに達した段階で、繊維強化プラスチック成形体サンプル表面の四隅に形成された凹部がなくなり、この時点で表面研磨層用の第1ゲルコート14の研磨が完了した目安になり、非常に研磨作業が容易であった。実施例1と同様に研磨表面を観察した結果、研磨表面は良好であり、塗装表面も鮮明光沢度0.7と良好であった。
(比較例1)
今度は表面研磨層用の第1ゲルコート14を設けずに、実施例1と同様にサンプルを成形した。この場合、表面層の第2ゲルコート層15の膜厚さは300μmとした。そして、サンプル表面の研磨を行わず、クリア塗装を施した結果、プライマー、クリア塗料共にはじきがひどく、塗装表面は劣悪であった。
(比較例2)
比較例1と同様に表面研磨層のないサンプルで、かつ表面層の第2ゲルコート層15の膜厚さが300μmのサンプルを成形し、オービタルサンダーに日本研紙(株)製の粒度#600の耐水研磨紙を取り付け、表面全体を研磨したのち、実施例1と同様にクリア塗装を施した。その結果、一部にクリア塗料のはじきが確認された。
【0039】
該サンプルは表面研磨層14を有していないため、十分な研磨はできず、表面に研磨むらが発生した。また、表面層用ゲルコート15の表面から内部に含浸している離型剤が十分に取り除かれていないため、クリア塗装のはじきの原因になっていた。
(比較例3)
比較例1と同様に表面研磨層14のないサンプルで、表面層15の膜厚さが300μmのサンプルを成形し、実施例3と同様の自動研磨装置により研磨を施した。その結果、一部の表面層用ゲルコートを研磨しすぎることにより、サンプル表面の多くの箇所に繊維強化基材の一部が露出している箇所が確認され、研磨表面は劣悪であった。
【0040】
該サンプルは表面研磨層用ゲルコート14を設けておらず、且つ自動研磨装置などの機械加工による研磨は、前述したように研磨厚みが300μm以上必要であるため、該サンプルで一部300μm以上研磨が施された箇所、もしくは成形時に表面層用ゲルコートが300μm以下である箇所などは、強化繊維基材が露出してしまっていた。
【0041】
以上の結果を纏めたのが表1である。
【0042】
【表1】
【0043】
表1から分かるように、実施例1〜3は良好な研磨表面、塗装表面を有しており、比較例1〜3は研磨表面、塗装表面共に不良であり、以上の結果より研磨層14の膜厚さは100〜500μm程度が必要であることが分かった。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、成形体表面に予め表面研磨層を設けた繊維強化プラスチック成形体およびその製造方法としたので、たとえ成形体表面に離型剤があっても上記研磨層を取り除くことにより、塗装のための表面研磨処理の作業性を大幅に向上することのできる繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維強化プラスチック成形体の一実施例の縦断面図である。
【図2】本発明の製造方法の製造工程の一例を示す縦断面図である。
【図3】本発明の実施例と比較例で用いたサンプル製造用金型の縦断面図である。
【図4】従来の製造方法を説明するための縦断面図である。
【符号の説明】
1、 7、13……金型の下型
2、10、15……表面層用の第2ゲルコート
3、11、16……強化繊維基材
4、12、17……金型の上型
5、19 ……マトリックス樹脂
6 ……繊維強化プラスチック成形体(FRP製品)
8、14 ……表面研磨層用の第1ゲルコート
9、18 ……凸部
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車部材、建材、航空機部材、スポーツ用具部材等に好適に用いられる繊維強化プラスチック成形体およびその製造方法の改良に関し、詳しくは簡便に表面平滑性と下地処理を行うことができ、大幅に生産性が向上できる繊維強化プラスチック成形体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、強化繊維とマトリックス樹脂とからなる繊維強化プラスチック成形体は、軽量且つ高強度、高弾性率、耐衝撃特性に優れるなどの機械物性に優れるばかりか、耐候性、耐薬品性、導電特性などについても優れた機能特性を有するために、自動車部材、建材、航空機部材、スポーツ用具部材等の分野に応用されてきた。
【0003】
ところで、かかる繊維強化プラスチック成形体の外表面には、表面層となる成形型面を転写した表面平滑性に優れるゲルコート層が形成されている。このゲルコート層は、表面平滑性に優れるだけでなく、艶付けや着色などの美観付与と共に、水や熱水、薬品、紫外線などの耐環境性などに対する保護層として成形されるものである。ここで外表面とは特に限定するものではないが、たとえば自動車のボディーやフード等に使用される繊維強化プラスチック成形体のうち、外部から目視できる製品の表面を意味する。それが板状の物である場合、その片面、両面いずれともに該当する場合もあるが、通常片面が該当する。
【0004】
従来、このような繊維強化プラスチック成形体は、例えば次に例示するような製造工程により製造されており、これを図4の工程図を参照しながら説明する。なお、図4は下型1と上型4とからなる両面型により、下型1に接する面2aが製品にした場合の外表面になるような皿形状の繊維強化プラスチック成形体6を製造するために模式的に示した縦断面図である。
【0005】
(A)図において、まず断面が凹状の下型1の表面に、離型剤(図示省略)を塗布し、その上にゲルコート2をその厚さが300〜600μmとなるように塗布し、次いで該ゲルコート2を室温または適当な温度に加熱して硬化する。
【0006】
(B)硬化したゲルコート2の上に強化繊維基材3を必要数積層する。
【0007】
(C)次に、上型4を下型1の上に被せて閉じる。。そして、上型4の吸引口4bから型内を減圧吸引し、樹脂注入口4aからマトリックス樹脂5を注入する。
【0008】
(D)両面型全体を加熱して注入したマトリックス樹脂5を硬化させる。
【0009】
(E)型を開いて脱型し、ゲルコート付き繊維強化プラスチック成形体6を取り出す。
【0010】
上記(A)〜(E)の従来の製造工程によって得られた繊維強化プラスチック成形体6の外表面には、通常、耐環境性、美観向上などのために、その表面を有色もしくはクリアまたはその両方の塗装が施される。
【0011】
しかし、成形した繊維強化プラスチック成形体の外表面には、型表面に脱型のために塗布した離型剤が転写して残っているため、塗装時に塗料のはじきや塗膜の剥離など、接着性に悪影響を及ぼす。そのため繊維強化プラスチック成形体表面の離型剤は完全に取り除く必要があり、通常、サンドペーパーなどにより繊維強化プラスチック成形体の表面を研磨する。この研磨により、繊維強化プラスチック成形体の表面の離型剤を取り除くことができるだけでなく、表面に適切な凹凸を付与することにより、塗料のアンカー効果による接着性の向上も期待できる。
【0012】
しかし、この研磨工程は通常、手にサンドペーパーを持って行うか、もしくは電動のサンディングマシンにサンドペーパーを取り付けた工具を用いて行う。ここでいう電動サンディングマシンとは通常オービタルサンダー、ストレートサンダーと呼ばれているサンディングマシンであり、該サンディングマシンの振動面に所定のサンディングペーパーを取り付け、手でサンディングマシンを研磨面に押し当てて移動させることにより、研磨する機器のことである。このように手動もしくはサンディングマシンのいずれを用いても、人手によるものであるため、研磨ムラや研磨厚みにばらつきなどが生じ、研磨処理に時間を要するなどの問題がある。一方、短時間で研磨処理ができるように目の粗いサンドペーパで研磨すると、離型剤の取り除きは効率が良いが、表面の研磨傷が深くなり、塗装後にも研磨傷の痕が残るため、表面外観が求められる部材に関しては、更に目の細かいサンドパーパーで幾重にも研磨する必要があり、最終的に求められる品質の研磨表面をだすために要する時間は長くなってしまう。さらに、目の粗いサンドペーパーは研磨しすぎるとマトリックス樹脂や強化繊維基材が露出して、表面品位が損なわれるおそれがあるため、常に研磨厚みを確認しながら作業を進める必要がある。また、表面に研磨ムラがあったり、研磨厚みが薄く、研磨が不十分であると、表面から離型剤を完全に取り除くことができず、その表面に塗装を施した場合、塗料のはじきなどを生じ問題となる。塗料のはじきが確認された場合、再度研磨処理と塗装を施す必要があり、きわめて労力を要することとなる。このように、従来の繊維強化プラスチック成形体の製造方法は、人手が掛かるだけでなく、品質にばらつきが生じやすいなどの問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、繊維強化プラスチック成形体表面の塗装のための表面研磨処理の作業性を大幅に向上することのできる繊維強化プラスチック成形体およびその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の繊維強化プラスチック成形体は、強化繊維にマトリクス樹脂が含浸され、その表面にゲルコートからなる表面層を有する繊維強化プラスチック成形体において、前記表面層の外表面に、成形体製造後に研磨により取り除かれるための厚さが100〜500μmの範囲内のゲルコートからなる表面研磨層が予め設けられていることを特徴とする。
【0015】
また、上記課題を解決するため、本発明の繊維強化プラスチック成形体の製造方法は、少なくとも次の(1)〜(5)の工程よりなることを特徴とする。
【0016】
(1)成形体表面に対応する成形型の表面に、表面研磨層となる第1ゲルコートと、研磨後の表面層となる第2ゲルコートとをこの順に塗布する工程
(2)前記第2ゲルコートの上に、強化繊維からなる基材を積層し、成形型を閉じた後、型内に熱硬化性樹脂を注入し、強化繊維内に樹脂を含浸させる工程
(3)前記第1および第2ゲルコートと、熱硬化性樹脂とを熱硬化させる工程
(4)成形型を脱型し、繊維強化プラスチック成形体を取り出す工程
(5)得られた繊維強化プラチック成形体の前記表面研磨層を研磨して取り除く工程
【0017】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の繊維強化プラスチック成形体の好ましい実施の形態をその一実施例の図面を参照しながら説明する。図1は、皿形状をした本発明の繊維強化プラスチック成形体の縦断面図である。
【0018】
図において、11は、例えば炭素繊維、ガラス繊維繊維等の強化繊維からなる強化繊維基材であり、その内部にはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などのマトリクス樹脂が含浸されている。この強化繊維基材により繊維強化プラスチック成形体としての軽量且つ高強度、高弾性率、耐衝撃特性が発揮される。また、10は、例えばアクリル系、不飽和ポリエステル系、ビニルエステル系等からなる第2ゲルコートで構成される表面層であり、これにより成形体表面は表面平滑性に優れるだけでなく、艶付けや着色などの美観付与と共に、水や熱水、薬品、紫外線などの耐環境性などに対する保護層としての役目を有する。8は、本発明の特徴である表面研磨層であり、例えばアクリル系、不飽和ポリエステル系、ビニルエステル系等からなる第1ゲルコートで構成されている。この表面研磨層は、前述したように、最終的には研磨により除去されて、上記第2ゲルコートを外表面とする最終製品である繊維強化プラスチック成形体が得られる。すなわち、本発明の成形体は、予め所定の研磨しろを成形体表面に設けたもので、成形性を考慮すると、その厚さは100〜500μmの範囲が好ましく、100〜400μmの範囲がより好ましい。その理由は、100μm未満であると薄すぎるために機械加工により研磨を施した場合に、研磨が表面層にまでおよび表面層の膜厚不足、基材の露出などが問題となる。一方、500μmを越えると研磨量が多くなりコスト増につながるか、もしくは研磨しない場合は重量増加となる傾向がある。これら第1、第2ゲルコートとしては、アクリル系、不飽和ポリエステル系、エポキシ系などの汎用のゲルコートを用いることができる。特に第2ゲルコート10は、その外表面が最終製品の表面層を構成することになるため、最終製品の表面に求められる諸々の性質を満足させる様に選定する必要があるが、アクリル系ゲルコートが好ましい。
【0019】
次に、本発明の成形体の製造方法の好ましい実施の形態を図2を参照しながら工程順に説明する。図2は、本発明の製造方法を説明するための工程図で、下型7と上型12とからなる両面型を用いた場合の縦断面図を示している。
【0020】
(1)まず、第一工程として前述した従来の繊維強化プラスチック成形体と同様に、断面が凹状をした下型7の表面7aに、予め離型剤を塗布した後、その上からさらに表面研磨層用の第1ゲルコート8を所定膜厚だけ塗布する。この場合の膜厚さ(tk)としては、後に採用する研磨方法によって適宜決定するのが好ましい。例えば比較的単純な形状で手動もしくは電動サンディングマシンを用いて手作業により研磨する場合は、膜圧tkは、50〜200μmの範囲が好ましく、より好ましくは100〜150μmの範囲である。膜圧tkが200μm以下であることにより、手作業による研磨法としては余り労力が掛かからないからである。
【0021】
一方、機械加工により研磨する場合は、膜圧tkは手動研磨よりも研磨され易いため、上記手作業による研磨の場合よりも膜厚を厚くした200μm〜500μmの範囲内が好ましい。ここで言う機械加工とはフライス盤の主軸回転ヘッドに研磨材が取り付けられている様な機械による加工である。この加工法によるとヘッドに各番手の研磨用砥石である研磨用フェルトディスクなどを取り付けることにより、粗い研磨から細かい研磨まで対応することができる。また、ヘッドの多軸機構化、NC制御化により、3次元などの複雑形状を有する成型品の研磨も可能となる。
【0022】
また、該表面研磨層を構成する第1ゲルコート8は、表面層を構成するゲルコートと区別しやすいように着色しておくと、研磨時に目視により表面研磨層を確認する事ができるので好ましい。特に手作業により研磨する場合は、通常、研磨厚みを測定しながら研磨するため、目視により表面研磨層が随時識別できるので研磨作業が非常に容易となる。すなわち、ゲルコート8は成形品全体にわたり、均一に着色塗布されているため、着色層のゲルコートが無くなるまで研磨することにより、成形品全体を均一に研磨することが可能となる。
【0023】
また、該表面研磨層に研磨厚み分に相当する深さの凹部9を予め形成しておけば、着色と同様に目視による研磨層の厚みを随時識別できるため好ましい。具体的には、図2(1)に示すように、下型7上に表面研磨層8の厚み分に相当する深さの凸部9を設けておき、そのまま成形する。脱型したときに得られる成形体は、この凸部9のために逆に凹部が形成されていることになる。つまり、手作業により研磨作業をする場合などには、この凹部がなくなるまで目視により確認しながら作業できるため研磨作業が非常に楽になる。また、成形型上に塗布している離型剤のゲルコート内部に含浸している厚み(tr)が分かっている場合には、該表面研磨層用の第1ゲルコート8の厚みをtr以上に設けておき、脱型後に研磨することにより、表面から完全に離型剤を取り除くことが可能となる。離型剤の第1ゲルコート内部への含浸している厚みを、直接測定することは困難であるが、離型剤を塗布した金型で精度良く管理されたゲルコート膜厚を有する平板を作製し、設定した研磨厚みを研磨後に塗装試験を行い、離型剤によるはじき有無を確認することにより、必要な研磨厚みを設定することも可能である。
【0024】
次に、塗布した第1ゲルコート8層の上に、成形後の繊維強化プラスチック成形体の表面層を形成するため、表面層としての第2ゲルコート層10を必要な膜厚ts分だけ塗布する。この表面層の膜圧tsは通常150〜500μmの範囲内にするのが好ましい。なお、表面研磨層用の第1ゲルコート層8と、繊維強化プラスチック成形体の表面層を形成するための第2ゲルコート層10とが同一材質のゲルコートである場合は、ゲルコートの塗布を分けることなく、一度にt=tk+tsに相当する膜圧のゲルコートを塗布すればよい。
【0025】
表面研磨層用のゲルコート層8に着色を施したゲルコートを使用する場合には、表面研磨層用のゲルコートを硬化させた後、表面層用のゲルコート層10を塗布する。これにより表面研磨層用ゲルコートと表面層用ゲルコート間の馴染みを抑えることができる。表面研磨用ゲルコート層8の硬化が不十分であると、その上に塗布する表面層用の第2ゲルコート層10に含まれる溶媒成分(例えばスチレンなど)が表面研磨層用のゲルコートを溶解し、着色が移ったり、白濁、硬化阻害などを引き起こす可能性があるため好ましくない。
【0026】
上記のように該表面研磨層用、および表面層用ゲルコート8、10を塗布した後、高温槽による加熱等の手段によりこれらを硬化させる。
【0027】
(2)第二工程として、表面層用の第2ゲルコート層10の上に、強化繊維からなる基材11の積層を行う。図のような両面型を使用している場合は、上型12を閉じ、片面型の場合はフィルムによりバギングをして閉じる。
【0028】
(3)次に第三工程として、必要に応じて上型12の吸引口12bから型内を吸引・減圧処理するなどして、樹脂注入口12aからマトリックス樹脂を注入し、敷き詰めた強化繊維基材11内部に樹脂を十分含浸させる。
【0029】
(4)第四工程では、両面型全体を高温槽による加熱、型内に配置した電熱線もしくは温水流路等の熱源により加熱することにより、第1、第2ゲルコート層および熱硬化性樹脂を硬化させ、硬化したら上型12を開いて脱型する。
【0030】
(5)最後に第五工程では、このようにして得られた繊維強化プラスチック成形体を手動または電動のサンディングマシン、または機械加工により表面研磨層8を研磨して取り除くことにより、成型品表面に付着している離型剤および離型剤の含浸している層を取り除くとともに、適度な凹凸を付与することにより、塗装に最適な表面層の第2ゲルコート層10を形成する。成型品形状が複雑又は比較的小さい場合は手動もしくは電動サンディングマシンを用いて研磨するのが好ましい。この場合は、サンディングペーパーの目が粗い番手のものから目が細かい番手に順次に研磨していく。このようにしないと、目が粗い番手で加工した場合、表面に研磨傷が深く残っているため、表面の塗装後にも研磨傷による表面平滑性、表面外観が損なわれる。たとえば、研磨後の表面粗さを#1000レベルにする場合には、#320、#600、#800,#1000と、サンディングペーパー の番手を上げていき、最終的に#1000の研磨を行って仕上げ面を得る。
【0031】
このように最終的に求められる研磨表面のレベルに応じて、サンディングペーパーの番手を適宜選定して、サンディングを行う。このサンディング方法は、従来のサンディング技術と同様であるが、従来の成形品には予め表面研磨層が設けられていないために、目の粗いサンドペーパーを用いた研磨を多用する事ができないため、最終仕上げまでのサンディングに時間が掛かる。一方、本発明による繊維強化プラスチック成形体は予め表面研磨層8を有しているため、目の粗いサンディングペーパーを用いて十分に研磨する事が可能であり、これにより表面に付着している離型剤を迅速かつ完全に取り除くことができる。
【0032】
【実施例】
以下に本発明の実施例と比較例を説明する。
(実施例1)
まず、繊維強化プラスチック成形体のサンプルの製作は次のようにして得た。図3は、このときに用いた下型13と上型17とからなる両面型の縦断面図である。
(ゲルコートの調整)
アクリル系ゲルコート(日本フェロー(株)製、NR−AC0001P)100重量部にメチルエチルパーオキサイド系の硬化剤(日本化薬(株)製、カヤメックM)1重量部を添加し、25℃で充分に攪拌・混合したものをゲルコートAとした。一方、ゲルコートA100重量部に青色着色ゲルコート(日本フェロー(株)製、1209NK1)を1重量部を添加して、25℃で充分に攪拌・混合したものをゲルコートBとした。
(繊維強化プラスチック成形体サンプルの成形)
縦300×横400×厚さ5mmの板状のキャビティーを有し、離型処理を施した下型13の表面に、上記ゲルコートAを硬化後の厚みが100μmとなるようにウェットゲージにより厚みを確認しながらスプレー塗布し、50℃で30分間硬化して、下型底部にゲルコートAからなる表面研磨層用の第1ゲルコート14を形成した。
【0033】
次に、おなじゲルコートAからなる表面層用の第2ゲルコート層15を硬化後の厚みが150μmとなるように第1ゲルコート層14の上にスプレー塗布し、25℃×60分間の温度条件で硬化させた。表面層用ゲルコートAを硬化した後、強化繊維基材16として、キャビティー内に縦295×横395mmに切り出した炭素繊維織物CK6250E(炭素繊維:T700S−12K、組織;平織、目付:190g/m2、東レ(株)製)を4枚積層し、上型17を閉じた後、型締めを行った。続いて真空ポンプにより吸引口17bから型内を吸引・減圧した後、エピコート807(油化シェルエポキシ(株)製、エポキシ樹脂)30重量部、アンカミン2049(パシフィックアンカーケミカル(株)製、アミン硬化剤)43重量部を混合して得た液状エポキシ樹脂19を樹脂注入口17aから型内に注入し、100℃に昇温して2時間硬化し、脱型し、繊維強化プラスチック成形体のサンプルを得た。
【0034】
そして、このサンプルの縦断面を光学顕微鏡により観察して、表面研磨層用ゲルコート層14の厚みが100μm、表面層用ゲルコート層15の厚みが150μmであることを確認した。
【0035】
一方、オービタルサンダーに日本研紙(株)製の粒度#320の耐水研磨紙を取り付け、繊維強化プラスチック成形体サンプルの表面研磨層用ゲルコート14の表面全体を軽く研磨した。全体を研磨できているかどうかは、目視により研磨傷が表面全体についていることにより確認した。次に粒度#600の耐水研磨紙に付け替え、同様に研磨を行い、#320によってできた研磨傷が目視により確認できなくなるまで研磨を行った。更に粒度#800の耐水研磨紙に取り替え、同様に研磨を行い、#600によってできた研磨傷が目視により確認できなくなるまで研磨を行うと共に、#320、#600,#800による研磨厚みの合計が100μmになるよう、各段階で研磨厚みを測定しながら研磨を行った。
【0036】
#800で研磨後、表面をアセトンにより脱脂、洗浄し、研磨表面を目視により観察した結果、わずかな研磨ムラがあるものの、強化繊維基材の露出などもなく、良好な研磨表面であることを確認した。さらにその研磨表面上に、汎用のクリア色のアクリルウレタン塗料用プライマーを30μm塗布したのち、クリアのアクリルウレタン塗料を50μm塗布し、90℃、1時間で塗料を硬化させた後、塗装表面を携帯用鮮明光沢度計(東京光電(株)社製、PGD−IV)で測定した結果、鮮明光沢度は0.7であり、良好であることを確認した。
(実施例2)
図3の離型処理を施した下型13の表面に、今度は青色着色した上記ゲルコートBを硬化後の厚みが100μmとなるようにウェットゲージにより厚みを確認しながらスプレー塗布し、50℃で30分間硬化して、表面研磨層となる第1ゲルコート14を形成したのち、硬化後の表面層厚みが300μmとなるように表面層用ゲルコート15を塗布した後、実施例1と同様に繊維強化プラスチック成形体サンプルを作製した。そして、実施例1と同様に成形体表面に研磨を施した結果、表面研磨厚みが100μmに達したところで、着色した第1ゲルコートBからなる表面研磨層がなくなり、その下からゲルコートAからなる表面層の第2ゲルコート15の露出が確認されたため、その部分についてはこの時点で研磨を止め、全体の一様な研磨に大変有効であった。
【0037】
実施例1と同様に研磨表面を観察した結果良好であった。また研磨表面にクリア塗装を施し、塗装表面を携帯用鮮明光沢度計で観察した結果、鮮明光沢度は0.7であり、良好であることを確認した。
(実施例3)
今度は幅1.0mm、長さ10.0mm、高さ300μmの凸部18を下型7の四隅の表面に設けた金型を用いて、実施例1と同様に繊維強化プラスチック成形体サンプルを成形した。ただし、凸部18には予めマスキングテープを貼っておき、表面研磨層用の第1ゲルコート14の硬化後の厚みが300μmとなるように表面研磨層用ゲルコートを塗布した後、マスキングテープを剥がして、凸部18上から表面研磨用ゲルコートを取り除き、実施例1と同様に成形を行った。脱型後のサンプルの表面は、下型7の四隅に設けた凸部を転写して、深さ300μmの凹部が形成されていた。
【0038】
次に自動研磨装置の研磨用ディスクヘッドに、粒度が#320の円型研磨紙(日本研紙(株)社製)を取り付け200μm研磨した後、#600の円型研磨紙に取り替えて、さらに100μmの研磨を行った。表面研磨層用ゲルコート14の研磨厚みが300μmに達した段階で、繊維強化プラスチック成形体サンプル表面の四隅に形成された凹部がなくなり、この時点で表面研磨層用の第1ゲルコート14の研磨が完了した目安になり、非常に研磨作業が容易であった。実施例1と同様に研磨表面を観察した結果、研磨表面は良好であり、塗装表面も鮮明光沢度0.7と良好であった。
(比較例1)
今度は表面研磨層用の第1ゲルコート14を設けずに、実施例1と同様にサンプルを成形した。この場合、表面層の第2ゲルコート層15の膜厚さは300μmとした。そして、サンプル表面の研磨を行わず、クリア塗装を施した結果、プライマー、クリア塗料共にはじきがひどく、塗装表面は劣悪であった。
(比較例2)
比較例1と同様に表面研磨層のないサンプルで、かつ表面層の第2ゲルコート層15の膜厚さが300μmのサンプルを成形し、オービタルサンダーに日本研紙(株)製の粒度#600の耐水研磨紙を取り付け、表面全体を研磨したのち、実施例1と同様にクリア塗装を施した。その結果、一部にクリア塗料のはじきが確認された。
【0039】
該サンプルは表面研磨層14を有していないため、十分な研磨はできず、表面に研磨むらが発生した。また、表面層用ゲルコート15の表面から内部に含浸している離型剤が十分に取り除かれていないため、クリア塗装のはじきの原因になっていた。
(比較例3)
比較例1と同様に表面研磨層14のないサンプルで、表面層15の膜厚さが300μmのサンプルを成形し、実施例3と同様の自動研磨装置により研磨を施した。その結果、一部の表面層用ゲルコートを研磨しすぎることにより、サンプル表面の多くの箇所に繊維強化基材の一部が露出している箇所が確認され、研磨表面は劣悪であった。
【0040】
該サンプルは表面研磨層用ゲルコート14を設けておらず、且つ自動研磨装置などの機械加工による研磨は、前述したように研磨厚みが300μm以上必要であるため、該サンプルで一部300μm以上研磨が施された箇所、もしくは成形時に表面層用ゲルコートが300μm以下である箇所などは、強化繊維基材が露出してしまっていた。
【0041】
以上の結果を纏めたのが表1である。
【0042】
【表1】
【0043】
表1から分かるように、実施例1〜3は良好な研磨表面、塗装表面を有しており、比較例1〜3は研磨表面、塗装表面共に不良であり、以上の結果より研磨層14の膜厚さは100〜500μm程度が必要であることが分かった。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、成形体表面に予め表面研磨層を設けた繊維強化プラスチック成形体およびその製造方法としたので、たとえ成形体表面に離型剤があっても上記研磨層を取り除くことにより、塗装のための表面研磨処理の作業性を大幅に向上することのできる繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維強化プラスチック成形体の一実施例の縦断面図である。
【図2】本発明の製造方法の製造工程の一例を示す縦断面図である。
【図3】本発明の実施例と比較例で用いたサンプル製造用金型の縦断面図である。
【図4】従来の製造方法を説明するための縦断面図である。
【符号の説明】
1、 7、13……金型の下型
2、10、15……表面層用の第2ゲルコート
3、11、16……強化繊維基材
4、12、17……金型の上型
5、19 ……マトリックス樹脂
6 ……繊維強化プラスチック成形体(FRP製品)
8、14 ……表面研磨層用の第1ゲルコート
9、18 ……凸部
Claims (5)
- 強化繊維にマトリクス樹脂が含浸され、その表面にゲルコートからなる表面層を有する繊維強化プラスチック成形体において、前記表面層の外表面に、成形体製造後に研磨により取り除かれるための厚さが100〜500μmの範囲内のゲルコートからなる表面研磨層が予め設けられていることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体。
- 前記ゲルコートは、アクリル系、不飽和ポリエステル系およびエポキシ系の中から選ばれた1種であることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化プラスチック成形体。
- 前記表面研磨層が、前記表面層とは異なる色で着色されていることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維強化複合プラスチック成形体。
- 少なくとも次の(1)〜(5)の工程よりなる繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
(1)成形体表面に対応する成形型の表面に、表面研磨層となる第1ゲルコートと、研磨後の表面層となる第2ゲルコートとをこの順に塗布する工程
(2)前記第2ゲルコートの上に、強化繊維からなる基材を積層し、成形型を閉じた後、型内に熱硬化性樹脂を注入し、強化繊維内に樹脂を含浸させる工程
(3)前記第1および第2ゲルコートと、熱硬化性樹脂とを熱硬化させる工程
(4)成形型を脱型し、繊維強化プラスチック成形体を取り出す工程
(5)得られた繊維強化プラチック成形体の前記表面研磨層を研磨して取り除く工程 - 前記表面研磨層となる第1ゲルコートの厚さは、100〜500μmの範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
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