JP4426672B2 - 全自動貸金庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、金融機関等のカスタマサービスコーナー(以下、「CSコーナー」という)や無人店舗等のスペースに限界のある場所に設置される全自動貸金庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は、従来の全自動貸金庫の一例を示す概略の構成図である。
この全自動貸金庫は、例えば金融機関等に設置され、該金融機関等の営業室A内に設けられた貸金庫室10を有している。貸金庫室10には、図示しない複数の保護箱及び該各保護箱を収納するためのラックが収容されている。各保護箱は、複数の顧客に対応してそれぞれ設けられ、該各顧客が所有する被格納物を格納するものである。各保護箱は、鍵によって施錠/解錠される構造になっている。又、貸金庫室10には、図示しない保護箱搬送手段が設けられている。
【0003】
全自動貸金庫は、通常、営業室ロビーBの奥で且つ営業室Aと隣接した位置に設置される。全自動貸金庫の内部には顧客が利用するためのクーポンブース11,12,13が設けられ、これらのクーポンブース11,12,13の手前には前室14が設けられている。クーポンブース11には、ブースゲート11a、ブース扉11b 、操作盤11c 及びスライド蓋11dが設けられている。同様に、クーポンブース12,13には、ブースゲート12a,13a、ブース扉12b,13b、操作盤12c,13c及びスライド蓋12d,13dがそれぞれ設けられている。更に、営業室A内で貸金庫室10の外部には、顧客情報を管理する統括コンピュータ17が設けられている。又、貸金庫室10には、この全自動貸金庫全体を制御するための図示しない制御コンピュータが設けられている。この全自動貸金庫では、顧客がIDカードを前室ゲート15に挿入し、且つ該前室ゲート15で暗証番号を入力すると、統括コンピュータ17で顧客情報の確認が行われる。確認の結果、IDカードの識別情報が予め登録されている顧客情報と一致すれば、扉16が解錠される。すると、顧客は前室14に入室して再度IDカードを例えばブースゲート11aに挿入し、IDカードの識別情報が再度統括コンピュータ17で予め登録されている顧客情報と照合され、一致していれば、統括コンピュータ17から図示しない制御コンピュータに作動指示信号が送出される。制御コンピュータは、作動指示信号に基づいてブース扉11b を開くと共に、クーポンブース11に対応する保護箱を搬送し、該保護箱の使用を可能にする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の図2の全自動貸金庫では、次のような課題があった。
図2の全自動貸金庫を営業時間以外にも所定の時間開放されるCSコーナーに設置した場合、営業室A内に起動状態の統括コンピュータ17が設けられているので、営業時間外に無人状態でCSコーナーが開放されている場合には安全性を確保することが困難である。又、この全自動貸金庫は、例えば無人店舗等に設置する場合、該全自動貸金庫のスペース以外にも統括コンピュータ17を設置し、操作できるスペースを別途設ける必要があり、スペースに限界のある場所に設置することが困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、全自動貸金庫において、複数の顧客に対応してそれぞれ設けられ、該各顧客が所有する被格納物を格納するための複数の保護箱と、前記各保護箱を収納するための収納部と、前記収納部から取り出された前記各保護箱を一時的に格納するための仮置き部と、前記各保護箱を前記収納部と前記仮置き部との間で搬送する第1の搬送手段と、取出し指示信号に基づいて開口し、返却指示信号に基づいて閉口する保護箱利用口と、前記各保護箱を前記仮置き部と前記保護箱利用口との間で搬送する第2の搬送手段と、前記各顧客又は保守担当者が第1の顧客確認情報又は保守担当者確認情報を入力したときに第1の顧客情報又は保守担当者情報を出力する入室ゲートと、解錠/施錠信号に基づいて解錠/施錠される入室扉と、前記各顧客が、前記第1の顧客確認情報に他の顧客確認情報を加えた構成からなる第2の顧客確認情報を入力したときに第2の顧客情報を出力し、且つ前記保守担当者が該第2の顧客情報の新規登録、変更及び削除を行うための操作部と、入室ゲートから出力された前記第1の顧客情報については、予め登録された顧客を示すか否かを判定して、前記第1の顧客情報が予め登録された顧客を示すとき、解錠信号を出力して前記入室扉を解錠し、前記第1の搬送手段に対してその顧客の保護箱を搬送させるための第1の制御信号を出力し、操作部から出力された前記第2の顧客情報については、予め登録された顧客情報と一致するか否かを判定して、この判定結果に基づいて前記第2の搬送手段に対して保護箱を仮置き部から保護箱利用口に搬送させるための第2の制御信号を出力する制御部と、前記各保護箱、収納部、仮置き部、第1の搬送手段を収容する貸金庫室と、前記貸金庫室の外部で且つ前記各顧客が利用するCSコーナーに設置され、前記保護箱利用口、第2の搬送手段、入室ゲート、入室扉及び操作部を収容するクーポンブースとを、備え、前記貸金庫室は耐攻撃材料の壁材と扉とで構成され、前記制御部が当該貸金庫室に収容される構成とした。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態を示す全自動貸金庫の制御系の構成図である。
この全自動貸金庫は、例えば、金融機関等の営業室内に設置された貸金庫室20を有している。貸金庫室20には、複数の顧客に対応してそれぞれ設けられた保護箱21-1,…,21-nが収容されている。保護箱21-1,…,21-nは、各顧客が所有する被格納物を格納するものである。貸金庫室20には、保護箱21-1,…,21-nを収納するための収納部(例えば、ラック)22が収容されている。貸金庫室20には、保護箱21-1,…,21-nを一時的に格納するための仮置き部23が設けられている。更に、貸金庫室20には、第1の搬送手段(例えば、スタッカクレーン)24が設けられている。スタッカクレーン24は、第1の制御信号S25bに基づき、保護箱21-1,…,21-nをラック22と仮置き部23との間で搬送する機能を有している。又、貸金庫室20には、顧客情報を管理すると共に、この全自動貸金庫全体を制御するための制御部25が収容されている。
【0007】
更に、この全自動貸金庫は、貸金庫室20の外部で且つ各顧客が利用するCSコーナーに設置されたクーポンブース30を有している。クーポンブース30の内部には、保護箱利用口31が設けられている。保護箱利用口31は、操作部35に入力される取出し指示信号Tに基づいて開口し、且つ該操作部35に入力される返却指示信号Rに基づいて閉口する機能を有している。クーポンブース30には、第2の搬送手段(例えば、移載機)32が設けられている。移載機32は、第2の制御信号S25dに基づき、保護箱21-1,…,21-nを仮置き部23と保護箱利用口31との間で搬送する機能を有している。クーポンブース30の入口には、各顧客又は保守担当者が第1の顧客確認情報又は保守担当者確認情報CID1を入力(例えば、IDカードを挿入)したときに第1の顧客情報又は保守担当者情報S33を出力する入室ゲート33が設けられている。又、クーポンブース30の入口には、解錠/施錠信号S25e1/S25e2に基づいて解錠/施錠される入室扉34が設けられている。
【0008】
クーポンブース30の内部には、前記操作部35が設けられている。操作部35は、各顧客が第2の顧客確認情報(例えば、IDカード及び暗証番号)CID2を入力したときに第2の顧客情報S35aを出力し、且つ該各顧客が退室指示信号ENを入力したときに退室動作信号S35bを出力する機能を有している。又、操作部35は、前記取出し指示信号Tを入力して取出し指示信号S35cを出力し、且つ前記返却指示信号Rを入力して返却指示信号S35dを出力する機能を有している。更に、操作部35は、保守担当者の操作によって顧客情報S35aの新規登録、変更及び削除の操作を行う機能も有している。操作部35は、情報入力手段及び表示手段で構成されている。情報入力手段は、例えば、テンキー、カードリーダ、キーボード、タッチパネル等であり、これらのうちのいくつかが組み合わされて構成されている。又、表示手段は、タッチパネルと一体の表示器や専用の表示器で構成されている。クーポンブース30の外部には、表示部40が設けられている。表示部40は、利用中表示指示信号S25f1を入力して各顧客がクーポンブース30を利用中であることを表示し、利用可表示指示信号S25f2を入力して該クーポンブース30が利用可であることを表示するものである。
【0009】
図3は、図1の全自動貸金庫の外部及び内部構成の一例を示す概略の一部破断斜視図である。
この図に示す全自動貸金庫は、保護箱21-1,…,21-n(但し、図3では保護箱21-1のみが表示されている)、マトリクス状のラック22、スタッカクレーン24及び制御部25を収容する貸金庫室20と、保護箱利用口31、入室ゲート33、入室扉34、操作部35、及び表示部40を収容するクーポンブース30とからなっている。貸金庫室20は、全面が耐攻撃材料の壁材と扉とで構成され、破壊等によって入れない構造になっている。
【0010】
前記仮置き部23、スタッカクレーン24、保護箱利用口31、移載機32、入室ゲート33、入室扉34、操作部35及び表示部40には、制御部25が接続されている。制御部25は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7及び第8の制御モードと、保守モードの動作とを行う構成になっている。
次に、図1の全自動貸金庫の各制御モードに伴う動作(1)〜(9)を説明する。
(1) 第1の制御モードの動作
顧客が入室ゲート33に顧客確認情報CID1を入力すると、該入室ゲート33から顧客情報S33が出力される。顧客情報S33は、制御部25に入力されて予め登録された顧客を示すか否かが判定され、この判定結果に基づいて解錠/施錠信号S25e1/S25e2が出力される。顧客情報S33が予め登録された顧客を示すとき、解錠信号S25e1が出力され、入室扉が解錠される。
(2) 第2の制御モードの動作
制御部25から、保護箱21-1,…,21-nのうちの顧客情報S33に対応した保護箱をラック22と仮置き部23との間で搬送するための制御信号S25bが出力される。
(3) 第3の制御モードの動作
制御部25の動作が前記第2の制御モードに遷移したとき、該制御部25から利用中表示指示信号S25f1及び施錠信号S25e2が出力される。利用中表示指示信号S25f1は表示部40に入力され、該表示部40で顧客がクーポンブース30を利用中であることが表示される。
(4) 第4の制御モードの動作
顧客が操作部35に顧客確認情報CID2を入力すると、該操作部35から顧客情報S35aが出力される。顧客情報S35aは制御部25に入力され、前に入力された顧客確認情報CID1と顧客確認情報CID2の一方とが同じであるか否かが判定され、且つ該顧客確認情報CID2の一方と他方とが予め登録された顧客情報と一致するか否かが判定され、この判定結果に基づいて制御信号S25dが出力される。そして、仮置き部23に搬送されている保護箱21-1,…,21-nが、保護箱利用口31へ搬送される。
(5) 第5の制御モードの動作
顧客が操作部35に取出し指示信号Tを入力したとき、制御部25から開口信号S25c1が出力され、保護箱利用口31が開口すると、該保護箱利用口31から取出し動作信号S31aが出力される。
(6) 第6の制御モードの動作
顧客が操作部35に返却指示信号Rを入力したとき、制御部25から閉口信号S25c2が出力され、保護箱利用口31が閉口すると、該保護箱利用口31から返却動作信号S31bが出力される。
(7) 第7の制御モードの動作
顧客が操作部35に退室指示信号ENを入力したとき、該操作部35から退室動作信号S35bが出力される。退室動作信号S35bは制御部25に入力され、該制御部25から解錠信号S25e1が出力される。すると、入室扉34が解錠される。
(8) 第8の制御モードの動作
前記第7の制御モードの動作を終了した後、入室扉34が閉扉されたときに制御部25から利用可表示指示信号S25f2が出力され、且つ利用中表示指示信号S25f1が停止される。利用可表示指示信号S25f2は表示部40に入力され、該表示部40でクーポンブース30が利用可であることが表示される。
(9) 保守モードの動作
第1の制御モード(1)と同様に、保守担当者が入室ゲート33に保守担当者確認情報CID1を入力すると、該入室ゲート33から保守担当者情報S33が出力される。保守担当者情報S33は、制御部25に入力されて予め登録された保守担当者を示すか否かが判定され、この判定結果に基づいて解錠/施錠信号S25e1/S25e2が出力される。保守担当者情報S33が予め登録された保守担当者を示すとき、解錠信号S25e1が出力され、入室扉が解錠される。保守担当者は、操作部35を操作することにより、必要に応じて顧客情報S33及び顧客情報S35aの新規登録、変更及び削除等の保守作業を行う。第7の制御モード(7)と同様に、保守担当者が操作部35に退室指示信号ENを入力したとき、該操作部35から退室動作信号S35bが出力される。退室動作信号S35bは制御部25に入力され、該制御部25から解錠信号S25e1が出力される。すると、入室扉34が解錠される。
【0011】
尚、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。その変形例としては、例えば次のようなものがある。
(a) 図3の全自動貸金庫の構造は、制御部25が貸金庫室20内に収容される構造になっていれば、任意の構造でよい。
(b) 顧客確認情報CID2は、IDカード及び暗証番号の認識に限らず、例えば、各顧客のアイリス(虹彩)を予め登録しておき、操作部35でこのアイリスを認識するようにしてもよい。
【0012】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1に係る発明によれば、制御部を耐攻撃材料で構築した貸金庫室内に設けたので、営業時間外にCSコーナーが開放されている場合でも、安全性を確保でき、更に、例えば無人店舗等のスペースに限界のある場所に容易に設置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の全自動貸金庫の構成図である。
【図2】従来の全自動貸金庫の構成図である。
【図3】図1の一部破断斜視図である。
【符号の説明】
20 貸金庫室
21-1,…,21-n 保護箱
22 ラック(収納部)
23 仮置き部
24 スタッカクレーン(搬送手段)
25 制御部
30 クーポンブース
31 保護箱利用口
32 移載機(搬送手段)
33 入室ゲート
34 入室扉
35 操作部
40 表示部
Claims (1)
- 複数の顧客に対応してそれぞれ設けられ、該各顧客が所有する被格納物を格納するための複数の保護箱と、
前記各保護箱を収納するための収納部と、
前記収納部から取り出された前記各保護箱を一時的に格納するための仮置き部と、
前記各保護箱を前記収納部と前記仮置き部との間で搬送する第1の搬送手段と、
取出し指示信号に基づいて開口し、返却指示信号に基づいて閉口する保護箱利用口と、
前記各保護箱を前記仮置き部と前記保護箱利用口との間で搬送する第2の搬送手段と、
前記各顧客又は保守担当者が第1の顧客確認情報又は保守担当者確認情報を入力したときに第1の顧客情報又は保守担当者情報を出力する入室ゲートと、
解錠/施錠信号に基づいて解錠/施錠される入室扉と、
前記各顧客が、前記第1の顧客確認情報に他の顧客確認情報を加えた構成からなる第2の顧客確認情報を入力したときに第2の顧客情報を出力し、且つ前記保守担当者が該第2の顧客情報の新規登録、変更及び削除を行うための操作部と、
入室ゲートから出力された前記第1の顧客情報については、予め登録された顧客を示すか否かを判定して、前記第1の顧客情報が予め登録された顧客を示すとき、解錠信号を出力して前記入室扉を解錠し、前記第1の搬送手段に対してその顧客の保護箱を搬送させるための第1の制御信号を出力し、操作部から出力された前記第2の顧客情報については、予め登録された顧客情報と一致するか否かを判定して、この判定結果に基づいて前記第2の搬送手段に対して保護箱を仮置き部から保護箱利用口に搬送させるための第2の制御信号を出力する制御部と、
前記各保護箱、収納部、仮置き部、第1の搬送手段を収容する貸金庫室と、
前記貸金庫室の外部で且つ前記各顧客が利用するカスタマサービスコーナーに設置され、前記保護箱利用口、第2の搬送手段、入室ゲート、入室扉及び操作部を収容するクーポンブースとを、備え、
前記貸金庫室は耐攻撃材料の壁材と扉とで構成され、前記制御部を当該貸金庫室に収容したことを特徴とする全自動貸金庫。
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