JP6799925B2 - 収納装置及び収納システム - Google Patents
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Description
また、近年は、ECコマースの隆盛に伴って、購入商品等の物品が各家庭に配送されることが多くなっている一方で、上記のとおり、夫婦の共働き等の割合の増加により家を留守にするケースが増えてきており、上記物品をスムーズに受け取ることのできる環境や設備が望まれている。
この収納装置は、宅配便等により集合住宅の居住者宛に配送された物品を、一時的に預かり、施錠可能に収納することにより、当該居住者が不在の場合であっても、再配達を依頼することなく、当該収納装置から自身宛の配送物を取り出すことにより、スムーズに当該配送物を受け取ることができるというものである。
この特許文献1に開示されるロッカー装置は、集合住宅の共同エントランス等に設置されており、複数の収納ボックスを備え、これら各収納ボックスは、正面側と背面側の両面において開閉自在な扉が設けられている。
当該ロッカー装置においては、正面側からは、共同エントランスのオートロックドアーを通過しなくても、配送物の入庫又は取出しが可能である。一方、背面側からは、共同エントランスのオートロックドアーを通過しないと、配送物を取り出すことができないようになっている。
これは、例えば、配送業者等が正面側から収納ボックスを開扉して配送物を入庫している最中に、その入庫作業中の収納ボックスを居住者等が反対側(背面側)から開扉してしまうことを懸念してのものではあるが、その入庫作業中の収納ボックス以外の使用まで禁止され、その利便性を著しく損なうものであった。
特に、近年、配送物の配送量の増加や集合住宅の大型化等により、物品の入庫作業に長時間を要することが珍しくなくなってきており、一方の側で長時間にわたって入庫作業をしている間、居住者は反対側での自身宛の配送物の取出しを待っていなければならない。
(第1の実施の形態の概要)
収納装置10は、ユーザ宛の物品をユーザの手元に届くまでに一時預け入れる収納装置であって、複数の施錠可能な収納ボックスを備える。
各収納ボックスには、複数の入庫取出し口がそれぞれ設けられており、各入庫取出し口から物品の入庫又は取出しが可能となっている。
収納装置10は、マンション等の集合住宅の他、オフィス、コンビニエンスストア・スーパーマーケット等の店舗や商業施設、又は駅や病院等の公共施設・機関等に設置されるものとしてもよく、設置場所はこれらに限定されるものではない。
例えば、ユーザは、クリーニングサービス利用のために、収納装置10を使用する。
このとき、ユーザは自身の着用した衣服を収納装置10に預け入れ、クリーニング業者がその預け入れられた衣服を回収してクリーニングをし、クリーニング済みの衣服をまた収納装置10に収納し、その後、ユーザがそのクリーニング済みの衣服を収納装置10から取り出す。
このとき、業者はユーザから注文を受けた食料品を配送して収納装置10に預け入れ、その後、ユーザがその食料品を収納装置10から取り出す。
例えば、収納装置10が集合住宅に設置される場合には、収納装置10は、その集合住宅で使用される備品(会議室の鍵、空気入れ、カート又はレンタサイクルの鍵等)を収納している。
ユーザは、その収納されている備品を収納装置10から取り出して使用し、使用が完了すると、収納装置10に戻して再度保管する。
この場合、ユーザがレンタカー会社に対して車両のレンタルの希望を伝えると、レンタカー会社の従業員等は、車両を所定の駐車場まで届けるとともに、その鍵を収納装置10に預け入れて収納する。
ユーザは、収納装置10からその車両の鍵を取り出し、用いて車両を利用し、利用後、その鍵を収納装置10に再度預け入れ収納する。
その後、レンタカー会社の従業員等は、その収納装置10に収納されている鍵を取り出して回収し、利用後の車両とともに、自社の営業所等まで搬送する。
(1)収納装置10の設置場所
図1は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の設置場所の一例を示す平面図である。
図に示す例では、本実施の形態では、収納装置10は、集合住宅の共用部である集合玄関のエントランスに設置されているものとし、各収納ボックスには、正面側と背面側の両側にそれぞれ入庫取出し口が設けられているものとする。
また、上記集合玄関には、オートロック式のドアが設けられており、ユーザは、収納装置10の正面前を通り、ドアを解錠して、収納装置10の背面側にまわることができる。
なお、本例では、原則として、配送業者は、オートロック式のドアを解錠せずに、正面側から収納装置10に配送物を入庫又は取り出すものとする。一方、集合住宅の居住者であるユーザは、収納装置10の正面側から配送物を入庫又は取り出すこともできるし、オートロック式のドアを解錠して通過し、背面側から入庫又は取り出すこともできる。
図2は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の外観を示す正面側から見た斜視図である。
また、図3は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の外観を示す背面側から見た斜視図である。
また、図4は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の構成を示す図である。
以下、これら図を用いて、収納装置10の構成について説明する。
制御部11は、施解錠及び開閉扉といった収納ボックスの動作制御、収納装置10の使用の際の認証処理、ユーザの個人情報及び各収納ボックスの使用状況の管理等を行う。
図5は、本発明の第1の実施の形態における情報格納部12が格納する各データベース121,122を示す図である。
図に示すように、情報格納部12は、ユーザが収納部13を解錠する際に必要なパスワード等の認証情報を管理するユーザDB121と、収納部13を構成する複数の収納ボックスの使用状況を管理する使用状況DB122とを格納する。
図に示す例では、ユーザDB121は、ユーザ名と、ユーザの専有部を特定する専有部情報(本実施の形態ではユーザの居住する住戸の部屋番号)と、認証用のパスワードと、メールアドレスとをそれぞれユーザを特定する個別のID(ユーザID)に対応付けて格納している。
また、図の例において、ユーザDB121は、ユーザの連絡先(ユーザ端末10等)の情報としてメールアドレスを管理しているが、連絡先の情報であればこれに限定されない。
図に示す例では、使用状況DB122は、配送物が入庫された各収納ボックスを識別するボックス識別情報に対応付けて、各収納ボックスの使用状況を管理するデータベースである。
本例では、収納部13は、7つの収納ボックスから構成されており、各収納ボックスには、ボックス識別情報a〜gが付されている。
これらボックス識別情報a〜gは、図2,3に示す収納ボックス13a〜13gにそれぞれ対応している。
収納ボックスに物品が収納され、閉扉及び施錠されている場合には、当該収納ボックスの使用状況は「収納中」と書き込まれる。この場合は、当該物品の宛先のユーザの専有部情報も該当する収納ボックスのボックス識別情報に対応付けて書き込まれている。
一方、収納ボックスに物品が収納されておらず、閉扉されている場合には、当該収納ボックスの使用状況は「未使用」と書き込まれる。
また、物品が収納ボックスに収納されているか否かによらず、物品を入庫又は取り出すために収納ボックスが開扉されている場合には、当該収納ボックスの使用状況には「作業中」と書き込まれる。物品の入庫作業が終了し、再度収納ボックスが閉扉及び施錠されると、ステータスは「収納中」に書き替えられる。一方、物品の取出し作業が終了し、再度収納ボックスが閉扉されると、ステータスは「未使用」に書き替えられる。
なお、本実施の形態においては、「作業」とは、物品の入庫作業及び取出し作業を含むものをいうこととする。
収納部13は、複数の収納ボックスから構成され、各収納ボックスは施錠・閉扉可能に構成される。各収納ボックスは原則、配送物が収納及又は未収納のいずれの場合においても施錠されている。
一旦、配送物が入庫されると、施錠及び閉扉し、その配送宛の利用者が取り出すまで安全に保管する。配送物が収納されている場合は、当該配送物の宛先のユーザの認証を行い、認証成功であれば解錠する。
一方、未収納の場合は、情報入力部15を操作することにより解錠可能であり、認証は不要であってもよい。
次に、その収納ボックスの構成について詳細に説明する。
図8は、本発明の第1の実施の形態における収納ボックスの外観を示す図である。
図に示すように、収納ボックスは、ユーザ宛の配送物等の収納空間である収納室131と、正面側、背面側にそれぞれ開口しており、配送物等の入庫口又は取出し口である入庫取出し口132a,132bと、正面側、背面側にそれぞれ設けられ、施錠時には上記入庫取出し口132a,132bを閉止する開閉部材である扉133a,133bと、電気錠等から構成され、上記扉133a,133bを入庫取出し口132a,132bを閉止したままの状態で施錠するとともに、制御部131から解錠信号が入力されると当該施錠を解錠する施解錠部134と、収納室131内に物品が収納されていることを検知する物品検知部135とを有する。
施解錠部134は施錠すると、その施錠状態を検知し、施錠検知信号を制御部11へ送信する。また、施解錠部134は、扉133a,133bの開扉又は閉扉の状態を検知し、これら検知した開閉扉の状態を示す開扉検知信号又は閉扉検知信号を制御部11へ送信する。
制御部11は、上記物品検知信号及び施錠検知信号、さらには開扉又は閉扉検知信号を受信すると、これら各検知信号に基づいて、使用状況DB122に当該収納ボックスの使用状況のステータスを書き込む。
図2,3に示す例では、表示部14a及び情報入力部15aは、収納装置10の正面側に設けられており、表示部14b及び情報入力部15bは、反対側の背面側に設けられている。
以下、表示部及び情報入力部をまとめて操作ユニットという。
正面側に設けられる表示部14a及び情報入力部15aをまとめて操作ユニット21aとし、背面側に設けられる表示部14b及び情報入力部15bをまとめて操作ユニット21bとする。
各収納ボックスについては、解錠されているどちらの側の入庫取出し口133a,133bからも物品の入庫又は取出しが可能であるが、1つの収納ボックスについては同時に両入庫取出し口133a,133bが解錠されることはなく、1度に物品の入庫又は取出し作業が可能なのは1つの入庫取出し口のみである。
すなわち、ある収納ボックスにおいて、入庫取出し口の1つで物品の入庫又は取出し作業が行われているときには、同収納ボックスにおける他の入庫取出し口は全て施錠されており、物品の入庫又は取出し作業を行うことはできない。
ただし、本実施の形態において、収納ボックスが異なる場合には、正面側の入庫取出し口133aと背面側の入庫取出し口133bのそれぞれにおいて、物品の入庫又は取出し作業を同時に行うことはできる。
また、背面側においても、操作ユニット21bを用いた収納ボックスへの物品の入庫又は取出し作業は、1度に1人のみが可能であり、同時に複数人が行うことはできない。
一方で、正面側又は背面側で物品の入庫又は取出し作業をしているとき、その反対側で入庫又は取出し作業を行うことはできる。
また、情報入力部15a,15bは、テンキー等とともに、ユーザが所持する情報記録媒体内の情報を近距離無線通信により読み取る情報読取手段としての機能を備えている。
上記情報記録媒体は、例えば、ユーザを識別する認証情報が書き込まれた非接触型のICカードや同様の機能を備えた携帯端末である。
(1)物品を入庫するときの動作
図9は、本発明の第1の実施の形態において、物品を収納装置10に入庫するときの収納装置10による動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って、物品入庫時の動作について、配送業者がユーザ宛の物品(配送物)を収納装置10に入庫するときの例を用いて説明する。
配送業者は、情報入力部15aを操作して、物品入庫を要求する旨の情報とともに、その物品の宛先のユーザの専有部情報(部屋番号)を入力する(ステップS101)。
すると、制御部11は、使用状況DB122を参照し、使用状況のステータスが「未使用」となっている収納ボックスを抽出し、表示部14aにその入庫可能な未使用の収納ボックスを表示させる(ステップS102)。
ここで、配送業者が正面側において入庫作業している間に、ユーザ等が反対側(背面側)で入庫作業を開始したために上記収納ボックスが解錠されて、当該収納ボックスの使用状況のステータスが「未使用」ではない、すなわち「作業中」又は「収納中」であると判断された場合には(ステップS104/No)、制御部11は、当該選択された収納ボックスの正面側の解錠は行わず、ステップS102へ戻り、表示部14aにその入庫可能な未使用の収納ボックスを表示させる。
一方、当該収納ボックスの使用状況のステータスが「未使用」であると判断された場合には(ステップS104/Yes)、制御部11は、使用状況DB122において、その選択された収納ボックスの使用状況のステータスを「未使用」から「作業中」に書き替える(ステップS105)。
このように、正面側から入庫のため「作業中」となった収納ボックスは、背面側からの入庫作業が禁止されるので、配送業者が入庫作業を行う収納ボックスが、反対側から開扉されることを防ぐことができる。
ここで、制御部11は、上記閉扉したときに、物品検知部135が、当該収納ボックスに物品が収納されたことを検知したか否かを判断する(ステップS107)。
制御部11は、物品検知部135により物品収納が検知されなかったと判断すると(ステップS107/No)、制御部11は、使用状況DB122の当該収納ボックスの使用状況のステータスを「作業中」から「未使用」に戻して再度施錠し(ステップS108)、動作を終了する。
このように使用状況のステータスが「未使用」に書き替えられた収納ボックスは使用が可能となる。
また、上記の例では、収納装置10の正面側において物品を入庫する場合について説明したが、背面側において物品を入庫する場合についても収納装置10は同様に動作する。
図10は、本発明の第1の実施の形態において、物品を収納装置10から取り出すときの収納装置10による動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って、物品取出し時の動作について、ユーザが自身宛の物品(配送物)を収納装置10から取り出すときの例を用いて説明する。
ユーザは、情報入力部15bを操作して、物品取出しを要求する旨の情報とともに、自身の認証情報を入力する(ステップS201)。
当該認証情報の入力方法としては、情報入力部15bに備えられているテンキー等を用いてパスワード等の認証情報を入力したり、ICカード等の情報記録媒体に書き込まれている認証情報を赤外線等の近距離無線通信機能やコードリーダ機能を用いて情報入力部15bに読み取らせたりする。
すなわち、制御部11は、使用状況DB122においてユーザの専有部情報(部屋番号)が対応付けられた「収納中」の収納ボックスがあるか否かを判断する。
制御部11は、当該ユーザ宛の物品が収納されている収納ボックスがないと判断した場合(ステップS202/No)、動作を終了する。
そのため、制御部11は、そのように収納ボックスの両面が同時に開扉することを防ぐために、ユーザが情報入力部15bを用いて上記表示した収納ボックスの解錠・開扉指示を入力すると(ステップS204)、使用状況DB122を参照し、その表示した収納ボックスの使用状況のステータスが「収納中」のままか否かを判断する(ステップS205)。
このとき、ユーザが背面側において配送物の取出しをしようとしている間に、他のユーザ等が反対側(正面側)で取出し作業を開始したために上記収納ボックスが正面側で解錠されて、当該収納ボックスの使用状況のステータスが「収納中」ではない、すなわち「作業中」又は「未使用」であると判断された場合には(ステップS205/No)、制御部11は、表示部14bにその収納ボックスから配送物を取り出されたことを表示させる等して動作を終了する。
一方、当該収納ボックスの使用状況のステータスが「収納中」であると判断された場合には(ステップS205/Yes)、制御部11は、使用状況DB122において、その解錠・開扉指示が入力された収納ボックスの使用状況のステータスを「収納中」から「作業中」に書き替える(ステップS206)。
制御部11は、物品検知部135により物品収納が検知されなかったと判断すると(ステップS208/No)、制御部11は、当該収納ボックスから物品が取り出されたと判断し、使用状況DB122の当該収納ボックスの使用状況のステータスを「作業中」から「未使用」に書き替えて(ステップS209)、動作を終了する。
このように使用状況のステータスが「未使用」に書き替えられた収納ボックスは使用(入庫)が可能となる。
また、上記の例では、収納装置10の背面側において物品を取り出す場合について説明したが、正面側において物品を取り出す場合についても収納装置10は同様に動作する。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、収納装置10の一方の側で物品の入庫又は取出しが行われているか否かにかかわらず、他方の側では物品の取出しができるとともに、収納中又は作業中を除く収納ボックスでは物品の入庫が可能であるので、ユーザ及び配送業者は、収納装置10の他方の側での作業状況によらず、自身の作業をスムーズに行うことができ、作業効率の向上及び作業時間の短縮を実現することが可能となる。
(第2の実施の形態の概要)
本発明の第1の実施の形態では、制御部11が情報格納部12、表示部14a,14b及び情報入力部15a,15bの動作制御に加え、収納部13全体(全収納ボックス13a〜13g)の動作制御を総合的に行っていた。
これに対し、本発明の第2の実施の形態では、収納装置10が有する複数の収納ボックス13a〜13gを複数のグループ(以下の例では2つ)にそれぞれ分けて割り当て、各グループに属する収納ボックスの動作をそれぞれ異なる複数の収納制御部が制御する。
そして、本実施の形態では、制御部11は、情報格納部12、表示部14a,14b及び情報入力部15a,15bとともに、これら複数の収納制御部の制御を行う。
以下、特記しない限り、本発明の第2の実施の形態における構成及び動作は、本発明の第1の実施の形態と同様であるものとして説明を進める。
図11は、本発明の第2の実施の形態における収納装置10の構成を示す図である。
図に示すように、本実施の形態における収納装置10は、第1の実施の形態と同様に、CPU等から構成され収納装置10全体を制御する制御部11と、各種情報を格納する情報格納部12と、ユーザ宛の配送物を収納する収納部13と、各種情報を表示する表示部14(表示部14a,14bを含む)と、各種キーを備え情報入力が可能であるとともに、ユーザの所持する情報記録媒体に書き込まれた認証用の情報の読取り等をする情報入力部15(情報入力部15a,15bを含む)とを有して構成される。
これら構成要素に加えて、本実施の形態における収納装置10は、収納部13を構成する各収納ボックス13a〜13gの動作制御を行い、CPU等から構成される収納制御部111,112を有する。収納制御部111,112は、制御部11により動作制御される。
図11,12に示す例では、収納ボックス13a〜13gのうち、各収納ボックス13a〜13cをグループG1、収納ボックス13d〜13gをグループG2に分けている。
収納制御部111は、上記グループG1(収納ボックス13a〜13c)の動作制御を行い、収納制御部112は、上記グループG2(収納ボックス13d〜13g)の動作制御を行う。
なお、上記収納ボックスのグループ分けは、あくまでも一例であり、グループ数やグループを構成する収納ボックス等は本例に限定されない。
また、本実施の形態において、「収納ボックスの動作制御」とは、収納ボックスの施解錠及び開閉扉の動作制御等をいうものとする。
図に示すように、本実施の形態における使用状況DB122は、第1の実施の形態における使用状況DB122で管理するデータに加えて、各収納ボックス13a〜13gが属しているグループの情報をそれぞれ管理している。
本図の例では、収納ボックス13a〜13cがグループG1に属し、収納ボックス13d〜13gがグループG2に属している。
収納制御部111は、グループG1に属する複数の収納ボックスのうち一時に1つだけ動作制御を行う。すなわち、収納制御部111は、グループG1に属する収納ボックスのうちの1つの動作制御を行っているとき、同グループG1に属する他の収納ボックスの動作制御は行わない。
また、収納制御部112は、グループG2に属する複数の収納ボックスのうち一時に1つだけ動作制御を行う。すなわち、収納制御部112は、グループG2に属する収納ボックスのうちの1つの動作制御を行っているとき、同グループG2に属する他の収納ボックスの動作制御は行わない。
また、一方(1つ)の収納制御部が収納ボックスの動作制御を行っている間であっても、他方(その他)の収納制御部は、これとは独立して、収納ボックスの動作制御を行うことができるようになっている。
(1)物品を入庫するときの動作
図14は、本発明の第2の実施の形態において、物品を収納装置10に入庫するときの収納装置10による動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って、物品入庫時の動作について、配送業者がユーザ宛の物品(配送物)を収納装置10に入庫するときの例を用いて説明する。
配送業者は、情報入力部15aを操作して、物品入庫を要求する旨の情報とともに、その物品の宛先のユーザの専有部情報(部屋番号)を入力する(ステップS501)。
ここで、制御部11は、現在「作業中」の収納ボックスを含まないグループがないと判断した場合には(ステップS502/No)、収納制御部111,112が全て動作制御中であって、新たに収納ボックスの動作制御を行うことができないことを意味するので、そのまま動作を終了する。
次に、制御部11は、使用状況DB122を参照し、上記現在「作業中」の収納ボックスを含まないグループにおいて、使用状況のステータスが「未使用」となっている収納ボックスがあるか否かを判断する(ステップS503)。
ここで、制御部11は、「未使用」の収納ボックスがないと判断した場合には(ステップS503/No)、入庫可能な収納ボックスがないことを意味するので、そのまま動作を終了する。
以下、一例として、制御部11が収納制御部111に対し、収納ボックスの動作制御を指示するとして説明を進める。
ここで、配送業者が収納ボックスの正面側において入庫作業している間に、ユーザ等が反対側(背面側)で入庫作業を開始したために、グループG1のいずれかの収納ボックス(配送業者が作業中の収納ボックスを含む)の使用状況のステータスが「作業中」となっていると判断された場合には(ステップS507/No)、制御部11は、当該選択された収納ボックスの正面側の解錠は行わず、ステップS502に戻り、現在ステータスが「作業中」の収納ボックスを含まないグループがあるか否かを判断する。
一方、グループG1の全ての収納ボックス(配送業者が作業中の収納ボックスを含む)の使用状況のステータスが「作業中」ではない状態を維持していると判断された場合には(ステップS507/Yes)、制御部11は、使用状況DB122を参照し、上記ステップS506において選択された収納ボックスの使用状況のステータスが「未使用」のままか否かを判断する(ステップS508)。
ここで、配送業者が正面側において入庫作業している間に、ユーザ等が反対側(背面側)で入庫作業をしたために当該収納ボックスの使用状況のステータスが「未使用」ではない、すなわち「収納中」であると判断された場合には(ステップS508/No)、制御部11は、当該選択された収納ボックスの正面側の解錠は行わず、ステップS505へ戻り、表示部14aにその入庫可能な未使用の収納ボックスを表示させる。
一方、当該選択した収納ボックスの使用状況のステータスが「未使用」のままであると判断された場合には(ステップS508/Yes)、収納制御部111は、使用状況DB122において、その選択された収納ボックスの使用状況のステータスを「未使用」から「作業中」に書き替える(ステップS509)。
このように、正面側から入庫のため「作業中」となった収納ボックスは、背面側からの入庫作業が禁止されるので、配送業者が入庫作業を行う収納ボックスが、反対側から開扉されることを防ぐことができる。
ここで、収納制御部111は、上記閉扉したときに、物品検知部135が、当該収納ボックスに物品が収納されたことを検知したか否かを判断する(ステップS511)。
収納制御部111は、物品検知部135により物品収納が検知されなかったと判断すると(ステップS511/No)、収納制御部111は、使用状況DB122の当該収納ボックスの使用状況のステータスを「作業中」から「未使用」に戻して再度施錠し(ステップS512)、動作を終了する。
このように使用状況のステータスが「未使用」に書き替えられた収納ボックスは使用が可能となる。
また、上記の例では、収納装置10の正面側において物品を入庫する場合について説明したが、背面側において物品を入庫する場合についても収納装置10は同様に動作する。
また、収納装置10の反対側(正面側又は背面側の他方の側)で物品の入庫又は取出しの作業中である場合であっても、当該作業中の収納ボックスのグループ以外の収納ボックスであれば、物品の入庫ができるので、物品の入庫の作業効率を大幅に向上させることが可能となる。
図15,16は、本発明の第2の実施の形態において、物品を収納装置10から取り出すときの収納装置10による動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って、物品取出し時の動作について、ユーザが自身宛の物品(配送物)を収納装置10から取り出すときの例を用いて説明する。
ユーザは、情報入力部15bを操作して、物品取出しを要求する旨の情報とともに、自身の認証情報を入力する(ステップS601)。
当該認証情報の入力方法としては、情報入力部15bに備えられているテンキー等を用いてパスワード等の認証情報を入力したり、ICカード等の情報記録媒体に書き込まれている認証情報を赤外線等の近距離無線通信機能やコードリーダ機能を用いて情報入力部15bに読み取らせたりする。
すなわち、制御部11は、使用状況DB122においてユーザの専有部情報(部屋番号)が対応付けられた「収納中」の収納ボックスがあるか否かを判断する。
制御部11は、当該ユーザ宛の物品が収納されている収納ボックスがないと判断した場合(ステップS602/No)、動作を終了する。
次に、制御部11は、使用状況DB122を参照し、当該抽出した収納ボックスが属しているグループにおいて、他の収納ボックスが「作業中」であるか否かを判断する(ステップS604)。
ここで、制御部11は、上記抽出した収納ボックスが属しているグループにおいて、他の収納ボックスが「作業中」であると判断した場合には(ステップS604/Yes)、上記ユーザの物品が収納中の収納ボックスを動作制御する収納制御部が現在他の収納ボックスの動作制御を行っているため、当該ユーザの物品が収納中の収納ボックスの動作制御を実行することができないことを意味する。
この場合、制御部11は、物品の取出しが不可能である旨を表示部14bに表示させて(ステップS605)、そのまま動作を終了する
以下、一例として、制御部11が収納制御部111に対し、収納ボックスの動作制御を指示するとして説明を進める。
ここで、ユーザが収納ボックスの背面側において取出し作業している間に、配送業者等が反対側(正面側)で入庫作業等を開始したために、グループG1のいずれかの収納ボックスの使用状況のステータスが「作業中」となっていると判断された場合には(ステップS609/No)、制御11は、例えば、ユーザに対し配送物の取出し作業を少しの間待って再度試みるように表示部14bに表示させ、動作を終了する。
該収納ボックスの使用状況のステータスが「収納中」ではない、すなわち配送物が反対側(正面側)から既に取り出された状態である場合には(ステップS610/No)、制御部11は、表示部14bにその収納ボックスから配送物を取り出されたことを表示させる等して動作を終了する。
一方、当該収納ボックスの使用状況のステータスが「収納中」であると判断された場合には(ステップS610/Yes)、収納制御部111は、使用状況DB122において、その解錠・開扉指示が入力された収納ボックスの使用状況のステータスを「収納中」から「作業中」に書き替える(ステップS611)。
収納制御部111は、物品検知部135により物品収納が検知されなかったと判断すると(ステップS613/No)、収納制御部111は、当該収納ボックスから物品が取り出されたと判断し、使用状況DB122の当該収納ボックスの使用状況のステータスを「作業中」から「未使用」に書き替えて(ステップS614)、動作を終了する。
このように使用状況のステータスが「未使用」に書き替えられた収納ボックスは使用(入庫)が可能となる。
また、上記の例では、収納装置10の背面側において物品を取り出す場合について説明したが、正面側において物品を取り出す場合についても収納装置10は同様に動作する。
また、収納装置10の反対側(正面側又は背面側の他方の側)で物品の入庫又は取出しの作業中である場合であっても、当該作業中の収納ボックスのグループ以外の収納ボックスであれば、物品の取出しができるので、物品の取出しの作業効率を大幅に向上させることが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、収納装置10は、複数の収納ボックスをグループに分けてそれぞれ管理する収納制御部を複数有しているので、収納ボックスの動作制御の処理負担を効果的に分散することができ、収納ボックスの動作制御をより円滑に実行することが可能となる。
また、収納装置10の反対側(正面側又は背面側の他方の側)で物品の入庫又は取出しの作業中である場合であっても、当該作業中の収納ボックスのグループ以外の収納ボックスであれば、物品の入庫又は取出しができるので、その際の作業効率を大幅に向上させることが可能となる。
(第3の実施の形態の概要)
以上説明した第1、第2の実施の形態では、収納装置10は、スタンドアローンで構成されていた。
これに対し、本発明の第3の実施の形態における収納装置10は、ネットワークを介して、情報処理装置である管理装置と接続されている。
本実施の形態では、管理装置が、収納装置10に代わって、収納ボックスの動作制御を行う。
以下、特記しない限り、本発明の第3の実施の形態における構成及び動作は、本発明の第1,第2の実施の形態と同様であるものとして説明を進める。
(1)収納システムの全体構成
図17は、本発明の第3の実施の形態における収納システムの構成を示す図である。
図に示すように、収納システムは、物品を収納する収納装置10と、当該収納装置10の動作制御を行う管理装置20とがネットワーク100を介して互いに接続されて構成される。
図18は、本発明の第3の実施の形態における収納装置10の構成を示す図である。
図に示すように、本実施の形態における収納装置10は、第1,第2の実施の形態における収納装置10と比べて、ネットワーク100を介して管理装置20と通信を行う通信部16が追加されて構成される。
また、本実施の形態では、情報格納部12は、ユーザDB121及び使用状況DB122を格納していない。
図19は、本発明の第3の実施の形態における管理装置20の構成を示す図である。
図に示すように、管理装置20は、収納装置10及び管理装置20の動作制御を行う制御部21と、各種情報を格納する情報格納部22と、ネットワーク100を介して収納装置10と通信を行う通信部23とを有して構成される。
情報格納部22は、収納装置10の情報格納部12に代わって、ユーザDB121及び使用状況DB122を格納している。
本実施の形態では、管理装置20は、収納装置10に代わって、データベース121,122における情報の管理及び収納ボックスの実質的な動作制御を行う。
本実施の形態では、収納装置10の情報入力部15a,15bにより入力された情報は、通信部16によりネットワーク100を介して管理装置20へ送信される。
管理装置20は、その収納装置10から受信した情報に基づいて、データベース111,112を参照し、第1,第2の実施の形態では収納装置10の制御部11が行っていた情報の抽出処理や認証処理等を実行し、その処理結果の情報を収納装置10へ送信する。
収納装置10は、その管理装置20から受信した処理結果の情報に基づいて収納ボックスの動作制御や表示部14a,14bによる表示処理を実行する。
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、管理装置20が、収納装置10に代わって、ユーザの個人情報や収納ボックスの使用状況等の管理を行うので、収納装置10の処理負担を軽減させることができるとともに、収納装置10にデータベースを備えない構成であっても、第1,第2の実施の形態と同様に、物品の入庫や取出しの作業の効率化を図ることが可能となる。
この場合、各収納制御部による処理結果の情報は、管理装置20から収納装置10へ送信され、収納装置10は、その管理装置20から受信した処理結果の情報に基づいて、収納ボックスの動作制御や表示処理等を実行する。
以上説明したように、本発明の第1〜第3の実施の形態によれば、正面側・背面側の両側から物品の入庫及び取出しが可能な収納装置10において、一方の側で作業中であっても、他方の側で作業を行うことができ、物品の作業の効率化を図ることが可能となる。
また、上記の収納装置10又は管理装置20をソフトウェアモジュール群として構成する場合、このプログラムは、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または半導体等の記録媒体に記録され、上記の記録媒体からロードされるようにしてもよいし、所定のネットワークを介して接続されている外部機器からロードされるようにしてもよい。
例えば、以上説明した実施の形態では、収納装置10の収納ボックスは、正面側とこれに対向する背面側とに入庫取出し口を備えていたが、複数の入庫取出し口を備えているのであれば、その設置される位置はこれに限定されない。
例えば、操作ユニット21aが、正面側及びこれと連続又は不連続の他の面側(側面等)に開口した入庫取出し口における種々の作業を行う際に用いられるようにしてもよい。
このように、1つの操作ユニットが種々の作業の際に共通に用いられる入庫取出し口の面を、上述の各実施の形態では同じ面とみなし、これら同じ面とみなされる全ての面を合わせて「略同じ面」と表記する。
従って、例えば第1の実施の形態においては、1つの操作ユニットが作業の際に動作している間には、実際に作業を行っている収納ボックスを除いて、当該操作ユニットが用いられる入庫取出し口と略同じ面以外の他の面の入庫取出し口において作業を行うことができる。
11,21 制御部
12,22 情報格納部
13 収納部
14,14a,14b 表示部
15,15a,15b 情報入力部
16,23 通信部
20 管理装置
21a,21b 操作ユニット
100 ネットワーク
111,112 収納制御部
121 ユーザDB
122 使用状況DB
131 収納室
132a,132b 入庫取出し口
133a,133b 扉
134 施解錠部
135 物品検知部
Claims (4)
- 入庫取出し口を複数備えた収納ボックスを複数個有する収納装置であって、
前記収納ボックスの使用状況を管理するデータベースを有し、
収納ボックスの入庫取出し口の1つにおいて物品の入庫又は取出し作業中であることを認識すると、前記データベースに基づいて、該収納ボックスの他の入庫取出し口について物品の入庫又は取出しを規制し、他の収納ボックスについては物品の入庫又は取出しを許可することを特徴とする収納装置。 - 前記収納ボックスの入庫取出し口の1つにおいて物品の入庫又は取出し作業中であることを認識すると、前記他の収納ボックスについては、前記作業中の入庫取出し口において作業する際に使用する操作ユニットと異なる操作ユニットを使用して作業を行う入庫取出し口において物品の入庫又は取出しを許可することを特徴とする請求項1記載の収納装置。
- 前記収納ボックスの入庫取出し口の1つにおいて物品の入庫又は取出し作業中であることを認識すると、前記他の収納ボックスについては、前記作業中の入庫取出し口と略同じ面に設けられていない入庫取出し口において物品の入庫又は取出しを許可することを特徴とする請求項1又は2記載の収納装置。
- 入庫取出し口を複数備えた収納ボックスを複数個有する収納装置と、前記収納装置とネットワークを介して接続される管理装置とを有して構成される収納システムであって、
前記管理装置は、前記収納ボックスの使用状況を管理するデータベースを有し、
収納ボックスの入庫取出し口の1つにおいて物品の入庫又は取出し作業中であることを認識すると、前記データベースに基づいて、該収納ボックスの他の入庫取出し口について物品の入庫又は取出しを規制し、他の収納ボックスについては物品の入庫又は取出しを許可する旨の制御情報を前記収納装置に送信して実行させることを特徴とする収納システム。
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