JP4426564B2 - 水消去性書画用墨汁組成物 - Google Patents

水消去性書画用墨汁組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4426564B2
JP4426564B2 JP2006353111A JP2006353111A JP4426564B2 JP 4426564 B2 JP4426564 B2 JP 4426564B2 JP 2006353111 A JP2006353111 A JP 2006353111A JP 2006353111 A JP2006353111 A JP 2006353111A JP 4426564 B2 JP4426564 B2 JP 4426564B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
ink
water
food
yellow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006353111A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008163147A (ja
Inventor
勝正 吉川
勝浩 佐々木
盛弘 野田
城司 三浦
良一 酒井
緑 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hodogaya Chemical Co Ltd
Kuretake Co Ltd
Original Assignee
Hodogaya Chemical Co Ltd
Kuretake Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=39693055&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP4426564(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Hodogaya Chemical Co Ltd, Kuretake Co Ltd filed Critical Hodogaya Chemical Co Ltd
Priority to JP2006353111A priority Critical patent/JP4426564B2/ja
Publication of JP2008163147A publication Critical patent/JP2008163147A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4426564B2 publication Critical patent/JP4426564B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、水消去性書画用墨汁組成物に関し、詳しくは書画用の墨汁として用いることができ、誤って服などの繊維集合体に付着した場合にも水洗または洗濯により容易に消去することが可能な水消去性書画用墨汁組成物に係わる。
従来の墨汁はカーボンブラックを主体とした膠および/または合成樹脂からなる組成物であるため、一旦布や不織布などの繊維集合体に付着した場合、水洗または洗剤を用いた洗濯では簡単に消去することができない問題があった。
また市販品の消去性書道液でも、最も多用されている繊維である木綿に対しては容易に消去することは困難であった。
特許文献1には、樹脂と染料や顔料を混練し微粉末に加工したり、水不溶性の無機物の微粒子の表面に水不溶性の染料や顔料を混合し、機械的な衝撃力で付着させたもの、染料等と反応させ微粉末にし、染料等の粒子の大きさを大きくすることにより、繊維集合体の繊維間に入り込むことを防止したり、染料が有する繊維との反応基を封鎖し、洗濯などで色材を洗い落とす方法が提案されている。
しかしながら、前記方法は樹脂と染料等を混練し、微粉末に加工する工程、樹脂表面に機械的衝撃力で染料などを付着させる工程、染料と樹脂とを反応させる工程等が必要となり、樹脂及び加工する設備、工程が必要であった。
また、洗濯により容易に消去できる墨汁として、水溶性の化合物、すなわちヨウ素でんぷんを用いた墨汁が既に提案されている。しかしながら、この墨汁は半紙に書いた後の色が黒色から褐色に変化し、黒色を維持させることが必要な墨汁として満足するものではなかった。
特開平7−3197号公報
本発明は、従来のような煩雑な工程を必要とすることなく、誤って衣服に付着しても、洗濯により容易に消去でき、さらに半紙に書いた後の色が黒色を維持させることが可能な水消去性書画用墨汁組成物を提供する。
また、本発明は従来のような煩雑な工程を必要とすることなく、誤って衣服に付着しても、洗濯により容易に消去でき、かつ市販の墨汁と遜色のない黒色性、耐光性、滲み防止性、筆記性等の性能を有し、さらに誤って口に入れても安全な水消去性書画用墨汁組成物を提供する。
本発明の第1態様によると、酸性染料および水媒体を含み、
前記酸性染料は、構造中にスルホン酸塩基を2個以上有し、アゾ系(ただし、芳香族環がアルキル基、ニトロ基、アミノ基、アルコキシル基で置換されているものを除く)またはトリフェニルメタン系の赤色系染料、黄色系染料および青色系染料を含む3種以上からなり、かつこれらの染料が赤色系染料28〜65質量%、黄色系染料13〜46質量%および青色系染料15〜38質量%の割合で配合されることを特徴とする水消去性書画用墨汁組成物が提供される。
本発明の第2態様によると、アゾ系の食用赤色2号(アマランス、C.I.16185)、食用赤色102号(ニューコクシン、C.I.16255)から選ばれる構造中にスルホン酸塩基を2個以上有する赤色染料29〜60質量%と、アゾ系の食用黄色4号(タートラジン、C.I.19140)、食用黄色5号(サンセットイエローFCF、C.I.15985)から選ばれる構造中にスルホン酸塩基を2個以上有する黄色系染料13〜45質量%と、トリフェニルメタン系の食用青色1号(ブリリアントブルーFCF、C.I.42090)である構造中にスルホン酸塩基を2個以上有する青色系染料17〜38質量%との割合で配合される酸性染料1〜40質量%;
デンプン糖類または砂糖5〜40質量%;
天然ガム類0.01〜1質量%;および
残部が実質的に水媒体;
の組成を有し、粘度が1〜100mPa・s/20℃の範囲であることを特徴とする水消去性書画用墨汁組成物が提供される。
本発明によれば、従来のような煩雑な工程を必要とすることなく、誤って衣服に付着しても、洗濯により容易に消去でき、さらに半紙に書いた後の色が黒色を維持させることが可能な水消去性書画用墨汁組成物を提供できる。
本発明によれば、従来のような煩雑な工程を必要とすることなく、誤って衣服に付着しても、洗濯により容易に消去でき、かつ通常のカーボンブラックおよび膠または合成樹脂を主体とした組成物である墨汁と遜色のない黒色性、耐光性、滲み防止性、筆記性等の性能を有し、さらに誤って口に入れても安全な水消去性書画用墨汁組成物を提供できる。
以下、本発明の実施形態に係る水消去性書画用墨汁組成物を詳細に説明する。
実施形態に係る水消去性書画用墨汁組成物は、酸性染料および水媒体を含有する。この酸性染料は、構造中にスルホン酸塩基を2個以上有し、アゾ系(ただし、芳香族環がアルキル基、ニトロ基、アミノ基、アルコキシル基で置換されているものを除く)またはトリフェニルメタン系の赤色系染料、黄色系染料および青色系染料、すなわち黒色化のための三原色、を含む3種以上からなり、かつこれらの染料が赤色系染料28〜65質量%、黄色系染料13〜46質量%および青色系染料15〜38質量%の割合で配合される。
前記構造中のスルホン酸塩基はアルカリ金属塩、アンモニウム塩およびアルキルアンモニウム塩の群から選ぶことが好ましい。特に、ナトリウム塩はその高い水消去性効果を示す。
前記黄色系染料は、アゾ系の食用黄色4号(下記化1の構造式(A)を持つタートラジン、C.I.19140)、食用黄色5号(下記化2の構造式(B)を持つサンセットイエローFCF、C.I.15985)から選択することが好ましい。前記赤色系染料は、アゾ系の食用赤色2号(下記化3の構造式(C)を持つアマランス、C.I.16185)、食用赤色102号(下記化4の構造式(D)を持つニューコクシン、C.I.16255)から選択することが好ましい。前記青色系染料はトリフェニルメタン系の食用青色1号(下記化5の構造式(E)を持つブリリアントブルーFCF、C.I.42090)が好ましい。これらの酸性染料は、下記の構造式から明らかなように全て構造中に2つ以上のスルホン酸ナトリウム塩を有する。
Figure 0004426564
Figure 0004426564
Figure 0004426564
Figure 0004426564
Figure 0004426564
前記各食用の染料を組み合わせにおいて、アゾ系の食用赤色2号(アマランス、C.I.16185)、食用赤色102号(ニューコクシン、C.I.16255)から選ばれる構造中にスルホン酸塩基を2個以上有する赤色染料を29〜60質量%、アゾ系の食用黄色4号(タートラジン、C.I.19140)、食用黄色5号(サンセットイエローFCF、C.I.15985)から選ばれる構造中にスルホン酸塩基を2個以上有する黄色系染料を13〜45質量%、およびトリフェニルメタン系の食用青色1号(ブリリアントブルーFCF、C.I.42090)である構造中にスルホン酸塩基を2個以上有する青色系染料を17〜38質量%の割合で配合することが好ましい。このように特定の赤色系染料、黄色系染料および青色系染料を特定の割合で配合することによって、誤って衣服に付着したときに優れた水消去性を示すと共に、耐光性、水溶液状態で安定性に優れ、墨汁に近似した黒色性を示し、さらに仮に誤って口に入れても高い安全性を有する水消去性書画用墨汁組成物を実現することができる。
また、各食用の染料を用いて好ましい黒色の墨汁組成物にするには、
(1)タートラジン(アゾ系の食用黄色4号)、アマランス(アゾ系の食用赤色2号)およびブリリアントブルーFCF(トリフェニルメタン系の食用青色1号)の組合せ、
(2)サンセットイエローFCF(アゾ系の食用黄色5号)、アマランス(アゾ系の食用赤色2号)およびブリリアントブルーFCF(トリフェニルメタン系の食用青色1号)の組合せ、
(3)サンセットイエローFCF(アゾ系の食用黄色5号)、ニューコクシン(アゾ系の食用赤色102号)およびブリリアントブルーFCF(トリフェニルメタン系の食用青色1号)の組合せ、
(4)タートラジン(アゾ系の食用黄色4号)、ニューコクシン(アゾ系の食用赤色102号)およびブリリアントブルーFCF(トリフェニルメタン系の食用青色1号)の組合せ、
を挙げることができる。
前記(1)〜(4)の墨汁組成物において、各染料は以下の割合で配合することが好ましい。
墨汁組成物(1)の配合組成
タートラジン(アゾ系の食用黄色4号);19〜32質量%、アマランス(アゾ系の食用赤色2号);46〜60質量%およびブリリアントブルーFCF(トリフェニルメタン系の食用青色1号);17〜26質量%。
墨汁組成物(2)の配合組成
サンセットイエローFCF(アゾ系の食用黄色5号);26〜45質量%、アマランス(アゾ系の食用赤色2号);29〜43質量%およびブリリアントブルーFCF(トリフェニルメタン系の食用青色1号);22〜33質量%。
墨汁組成物(3)の配合組成
サンセットイエローFCF(アゾ系の食用黄色5号);22〜40質量%、ニューコクシン(アゾ系の食用赤色102号);30〜44質量%およびブリリアントブルーFCF(トリフェニルメタン系の食用青色1号);26〜38質量%。
墨汁組成物(4)の配合組成
タートラジン(アゾ系の食用黄色4号);13〜26質量%、ニューコクシン(アゾ系の食用赤色102号);43〜57質量%およびブリリアントブルーFCF(トリフェニルメタン系の食用青色1号);24〜35質量%。
前記(1)〜(4)の特定の食用の染料の組み合わせにおいて、(3)の三原色の組合せが水消去性および耐光性をバランス良く発現できるために、墨汁組成物の酸性染料成分として好ましい。特に、前記(3)の組合せで、配合組成を規定することによって、水消去性および耐光性をより一層バランス良く発現できる。
前記三原色の酸性染料は、墨汁組成物中に1〜40質量%含有することが好ましい。より好ましい三原色の酸性染料の含有量は、3〜5質量%である。
実施形態に係る水消去性書画用墨汁組成物において、デンプン糖類、砂糖およびエチレングリコール等から選ばれる少なくとも1つの保湿剤および/または天然ガム類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等から選ばれる少なくとも1つの滲み改善剤をさらに含有することが好ましい。これらの保湿剤、滲み改善剤は運筆性、滲み防止、墨色化に寄与し、書道液としての適正化を維持することが可能になる。特に、保湿剤であるデンプン糖類、砂糖は保湿性に加えて水消去性の向上に寄与する。
保湿剤の中でデンプン糖類が有効であり、例えばマルチトール、ソルビトール、水飴、マルトース、ブドウ糖、デキストリンを挙げられる。特に、マルチトール、ソルビトール、水飴は保湿剤無添加の墨汁組成物と比較して布または不織布などの繊維集合体に対する水消去性の効果は大きい。
滲み改善剤の中で天然ガム類が有効であり、具体的にはキサンタンガム、アラビアガム、ローカストビーンガム、グアーガム、トラガントガムなどが挙げられる。特に、キサンタンガム、アラビアガム、ローカストビーンガムは滲み改善効果が高く、少量添加で墨汁組成物の粘性を筆記性に適した範囲内に調整することが可能になる。
保湿剤は、墨汁組成物中に5〜40質量%含まれることが好ましい。保湿剤の配合量を5質量%未満にすると、その配合効果を十分に発揮することが困難になる虞がある。一方、保湿剤の配合量が40質量%を超えると、墨汁組成物の粘度が高くなり過ぎて、筆記性を低下させる虞がある。
滲み改善剤は、墨汁組成物中に0.01〜1質量%含まれることが好ましい。滲み改善剤の配合量を0.01質量%未満にすると、その配合効果を十分に発揮することが困難になる虞がある。一方、滲み改善剤の配合量が1質量%を超えると、筆運びが重くなって墨汁、例えば学童用書道液としての適切性が損なわれる虞がある。
実施形態に係る水消去性書画用墨汁組成物において、防腐剤、消泡剤等をさらに含有することを許容する。
本発明者らは、酸性染料の中で、構造中にスルホン酸塩基を2個以上有し、かつアゾ系(ただし、芳香族環がアルキル基、ニトロ基、アミノ基、アルコキシル基で置換されているものを除く)またはトリフェニルメタン系の赤色系染料、黄色系染料および青色系染料を含む3種以上からなる特定の酸性染料を選択し、さらに各色系染料を特定の配合割合で水媒体に含有させることによって、従来のような煩雑な工程を必要とすることなく、誤って衣服に付着しても、洗濯により容易に消去でき、さらに半紙に書いた後の色が黒色を維持することが可能な水消去性書画用墨汁組成物を見出した。
実施形態に係る水消去性書画用墨汁組成物において、以下の成分組成を有することが最も好適である。
アゾ系の食用赤色2号(アマランス、C.I.16185)、食用赤色102号(ニューコクシン、C.I.16255)から選ばれる構造中にスルホン酸塩基を2個以上有する赤色染料29〜60質量%と、アゾ系の食用黄色4号(タートラジン、C.I.19140)、食用黄色5号(サンセットイエローFCF、C.I.15985)から選ばれる構造中にスルホン酸塩基を2個以上有する黄色系染料13〜45質量%と、トリフェニルメタン系の食用青色1号(ブリリアントブルーFCF、C.I.42090)である構造中にスルホン酸塩基を2個以上有する青色系染料17〜38質量%との割合で配合される酸性染料1〜40質量%;
デンプン糖類または砂糖5〜40質量%;
天然ガム類0.01〜1質量%;および
残部が実質的に水媒体;
の組成を有し、粘度が1〜100mPa・s/20℃の範囲である水消去性書画用墨汁組成物。
前記三原色の酸性染料は、前述した(1)〜(4)の組合せで、かつ前述した前記配合組成にすることが好ましい。特に(3)のサンセットイエローFCF(アゾ系の食用黄色5号)、ニューコクシン(アゾ系の食用赤色102号)およびブリリアントブルーFCF(トリフェニルメタン系の食用青色1号)の組合せは、墨汁組成物の水消去性および耐光性がバランス良く発現できるために最も好ましい。
前記三原色の酸性染料の配合割合を特定することによって、誤って衣服に付着したときに優れた水消去性を示すと共に、耐光性、水溶液状態で安定性に優れ、墨汁に近似した黒色性を発現できる。特に、前記(3)の酸性染料の組合せで、それらの配合割合をサンセットイエローFCF(アゾ系の食用黄色5号);22〜40質量%、ニューコクシン(アゾ系の食用赤色102号);30〜44質量%およびブリリアントブルーFCF(トリフェニルメタン系の食用青色1号);26〜38質量%に規定することによって、水消去性および耐光性がバランス良く発現できると共に、墨汁により近似した黒色性を発現できる。
前記三原色の酸性染料が墨汁組成物中に含有される量を1質量%未満にすると、所期の黒色性を発現することが困難になる虞がある。一方、三原色の酸性染料が墨汁組成物中に含有される量が40質量%を超えると、染料が析出する虞がある。より好ましい三原色の酸性染料の含有量は、3〜5質量%である。
前記デンプン糖類としては、例えばマルチトール、ソルビトール、水飴、マルトース、ブドウ糖、デキストリンを挙げられ、特にマルチトール、ソルビトール、水飴は保湿剤が無添加の墨汁組成物と比較して布または不織布などの繊維集合体に対する水消去性の効果は大きい。デンプン糖類または砂糖の配合量を5質量%未満にすると、その配合効果(保湿効果および水消去効果)を十分に発揮することが困難になる虞がある。一方、デンプン糖類または砂糖の配合量が40質量%を超えると、墨汁組成物の粘度が高くなり過ぎて、筆記性を低下させる虞がある。より好ましいデンプン糖類または砂糖の配合量は、5〜40質量%である。
前記天然ガム類としては、例えばキサンタンガム、アラビアガム、ローカストビーンガム、グアーガム、トラガントガムなどが挙げられ、特にキサンタンガム、アラビアガム、ローカストビーンガムは滲み改善効果が高く、少量添加で墨汁組成物の粘性を筆記性に適した範囲内に調整することが可能になる。天然ガムの配合量を0.01質量%未満にすると、その配合効果(滲み改善効果)を十分に発揮することが困難になる虞がある。一方、天然ガムの配合量が1質量%を超えると、滲み改善効果の向上化が望めないばかりか、水消去性(特に洗濯消去性)が低くなる虞がある。より好ましい天然ガムの配合量は、0.01〜0.8質量%である。
前記墨汁組成物において、粘度が100mPa・s/20℃を超えると、筆運びが重くなって墨汁、例えば学童用書道液としての適切性が損なわれる虞がある。より好ましい粘度は、4〜10mPa・s/20℃である。
最も好適な水消去性書画用墨汁組成物において、防腐剤、消泡剤等をさらに含有することを許容する。
本発明者らは、酸性染料の中で、アゾ系の特定の食用赤色から選ばれる構造中にスルホン酸塩基を2個以上有する赤色染料、アゾ系の特定の食用黄色から選ばれる構造中にスルホン酸塩基を2個以上有する黄色系染料およびトリフェニルメタン系の特定の食用青色から選ばれる構造中にスルホン酸塩基を2個以上有する青色系染料を特定の割合で配合した酸性染料と、主に保湿剤であるデンプン糖類または砂糖と、滲み改善剤である天然ガム類と、水媒体とを有し、さらに各成分を特定の割合で配合し、粘度を特定化することによって、従来のような煩雑な工程を必要とすることなく、誤って衣服に付着しても、洗濯により容易に消去でき、かつ市販の墨汁と遜色のない黒色性、耐光性、滲み防止性、筆記性等の性能を有し、さらに誤って口に入れても安全な水消去性書画用墨汁組成物を見出した。
すなわち、前記特定の三原色の酸性染料の組合せの特定化により誤って衣服に付着しても水洗または洗剤を用いた洗濯で容易に消去することが可能で、特に木綿製やポリエステル製の衣服に対して優れた水消去性を示す。その結果、子供などが普段着用している綿ポリのシャツ等には高い消去性効果が発揮できる。
また、三原色の酸性染料の組合せの特定化により水消去性に加えて、墨汁として要求される筆記後の耐光性、貯蔵時の溶液安定性が一層優れた水消去性書画用墨汁組成物を得ることができる。
さらに、保湿剤および滲み改善剤の組合せの特定化と粘度の適正化より通常のカーボンブラックおよび膠または合成樹脂などを主体とした組成物である墨汁と比べても遜色のない文字の黒さ、優れた滲み防止性、筆記性を有する水消去性書画用墨汁組成物を得ることができる。
その上、墨汁成分が食用の酸性染料、デンプン糖類または砂糖および天然ガム類のように全て食用に供されるものであるため、仮に誤って口に入れても安全である。
したがって、誤って衣服に付着しても、洗濯により容易に消去でき、かつ通常のカーボンブラックを主体とした膠組成物である市販の墨汁と遜色のない黒色性、耐光性、滲み防止性、筆記性等の性能を有し、さらに誤って口に入れても安全な商品性、実用性の極めて高い水消去性書画用墨汁組成物を提供できる。
以下、実施例および比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の「部」はいずれも質量部を示す。
(実施例1)
三原色の酸性染料を以下に示す配合割合で水にそれぞれ溶解して黒色の染料水溶液(墨汁組成物)を調製した。
・タートラジン(黄色染料) 0.80部
・アマランス(赤色染料) 2.08部
・ブリリアントブルーFCF(青色染料) 1.12部
・水 96.00部
(実施例2〜3)
下記表1に示す三原色の酸性染料を同表1示す配合割合で水にそれぞれ溶解して黒色の染料水溶液(墨汁組成物)を調製した。
(比較例1〜4)
下記表1に示す酸性染料を同表1示す配合割合で水にそれぞれ溶解して黒色の染料水溶液(黒色配合液)を調製した。
なお、比較例1〜4で使用したキサンテン系染料の赤色染料であるアシッドレッドは下記化6に示す構造式(F)、キサンテン系染料の赤色染料であるエリスロシンは下記化7に示す構造式(G)、キサンテン系染料の赤色染料であるローズベンガルは下記化8に示す構造式(H)、およびインジゴ系の青色染料であるインジゴカルミンは下記化9に示す構造式(I)、をそれぞれ有する。
Figure 0004426564
Figure 0004426564
Figure 0004426564
Figure 0004426564
得られた実施例1〜3および比較例1〜4の黒色の染料水溶液について、以下の方法により洗濯消去性(ΔE)、耐光性(ΔC)、色調目視判定および経日安定性を調べた。
[洗濯消去性の評価方法]
黒色に調整した染料水溶液を幅5cm、長さ6cmの寸法を有する木綿(サテン)白布にスポイトで3滴滴下し、一夜風乾して水道水に30分漬け置き後、水洗した。つづいて、洗たく石鹸(ライオン製固形石鹸)で、20秒もみ洗いし水洗した。これを2回繰り返した。この洗濯した試験片と染料水溶液を滴下しないブランクである木綿(サテン)白布の色差(ΔE)を測定した。色差測定は、日本電色工業(株)製分光式色差計SE−2000を使用した。
なお、色差ΔEが小さいほど色落ち性が良好であることを示す。
[耐光性の評価方法]
黒色に調製した染料水溶液を書道半紙に塗布し風乾して2枚の試験半紙を用意した。一方の試験半紙に紫外線ロングライフフェードメーター(スガ試験機社製商品名;FAL−5H)により紫外線を40時間照射した。つづいて、紫外線を照射した試験半紙および紫外線未照射の試験半紙を日本電色工業(株)製分光式色差計SE−2000を用いてLab表色系のa値およびb値をそれぞれ測定し、下記式(1)に従って彩度を算出し、それらの差の絶対値を彩度差(ΔC)として算出した。なお、ΔCの絶対値が小さいほど、黒色としての色調ぶれがなく、墨汁として良好であることを示す。
彩度(C)=(a2+b2)の1/2乗 …(1)
ここでaは、赤色と緑色の度合、bは黄色と青色の度合を示す。
[色調目視判定]
前記耐光性試験で40時間紫外線を照射した試験半紙を目視により色調の変化を確認した。
[安定性試験]
染料水溶液を50℃、1ヶ月間保存し、沈澱の有無を目視判定した。目視の結果、沈澱が認められなかったものは“○”(合格)、沈澱が確認できたものは“×”(不合格)とした。
[総合判定]
総合判定は、洗濯消去性試験、耐光性試験、色調目視判定および安定性試験の結果から全ての試験項目が良好である場合を“○”(合格)、全ての試験項目の中で1つでも不良である場合を“×”(不合格)とした。
これらの結果を下記表1に示す。表1には、各酸性染料の構造式(A)〜(I)を併記する。
Figure 0004426564
前記表1から明らかなように実施例1〜3の黒色の染料水溶液(墨汁組成物)は、洗濯消去性(ΔE)、耐光性(ΔC)、色調および貯蔵時の経日安定性が良好であり、総合評価結果は○(合格)であることがわかる。
特に、サンセットイエローFCF、ニューコクシンおよびブリリアントブルーFCFの三原色からなる酸性染料を水に溶解した実施例2の黒色の染料水溶液(墨汁組成物)は、洗濯消去性(ΔE)および耐光性(ΔC)をバランス良く発現でき、墨汁として一層優れた特性を有することがわかる。
これに対し、同じ酸性染料に属し、2つのスルホン酸塩基を持つキサンテン系の食用赤色染料であるアシッドレッドを用いた比較例1の黒色の染料水溶液では、水消去性が良好であるものの、黒調色した場合の経日による色調退色が見られ、すなわち耐光性(彩度)の低下が生じ、総合評価が×(不合格)になった。
また、同じ酸性染料に属し、キサンテン系の食用赤色染料であるエリスロシンを用いた比較例2およびキサンテン系の食用赤色染料であるローズベンガルを用いた比較例3の黒色の染料水溶液では、それらの赤色染料がいずれもスルホン酸塩基を持たないために水消去性が劣り、総合評価が×(不合格)になった。
さらに、同じ酸性染料に属し、インジゴ系の青色染料であるインジゴカルミンは、水に対する溶解性が低く、析出し易いために墨汁の染料成分としては不適切で、総合評価が“×” (不合格)になった。
(実施例4)
酸性染料等を以下に示す配合割合で水にそれぞれ溶解して墨汁組成物を調製した。
・サンセットイエローFCF 1.28部
・ニューコクシン 1.52部
・ブリリアントブルーFCF 1.20部
防腐剤(日本エンバイロケミカル(株)製;スラウト33) 0.10部
消泡剤(サンノブコ社製;8034L) 0.02部
水 95.88部
(実施例5〜7)
下記表2に示すように実施例4の成分組成に加えて保湿剤であるマルチトール単独またはマルチトールと滲み改善剤であるキサンタンガムを同表2に示す配合割合で水にそれぞれ溶解して墨汁組成物を調製した。
(実施例8〜11)
下記表2に示すように実施例4の成分組成に加えて一定量の保湿剤であるマルチトールと種々の滲み改善剤であるアラビアガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製商品名;PVA−210)およびポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製商品名;PVP K−90)を同表2に示す配合割合で水にそれぞれ溶解して墨汁組成物を調製した。
(実施例12〜14)
下記表3に示すように実施例4の成分組成に加えて異なる量の保湿剤であるマルチトールと一定量の滲み改善剤であるキサンタンガムを同表3に示す配合割合で水にそれぞれ溶解して墨汁組成物を調製した。
(実施例15,16)
下記表3に示すように実施例4の成分組成に加えて異なる量の保湿剤であるソルビトールと一定量の滲み改善剤であるキサンタンガムを同表3に示す配合割合で水にそれぞれ溶解して墨汁組成物を調製した。
(実施例17,18)
下記表3に示すように実施例4の成分組成に加えて異なる量の保湿剤である水飴と一定量の滲み改善剤であるキサンタンガムを同表3に示す配合割合で水にそれぞれ溶解して墨汁組成物を調製した。
(実施例19)
下記表3に示すように実施例4の成分組成に加えて保湿剤であるエチレングリコール(丸善ケミカル株式会社製商品名;エチレングリコール)と滲み改善剤であるキサンタンガムを同表3に示す配合割合で水に溶解して墨汁組成物を調製した。
得られた実施例4〜19の墨汁組成物および学童用書道液(株式会社呉竹;墨滴)[比較例5]について、以下の方法により洗濯消去性(ΔE1)、漂白消去性(ΔE2)、粘度および書道液の適正を調べた。なお、以下の試験では墨汁組成物および学童用書道液を黒色染料水溶液と称する。
[洗濯消去性の評価方法]
黒色染料水溶液を幅5cm、長さ6cmの寸法を有する木綿(サテン)白布に幅1cmになるようにスポイトで適量滴下し、一夜風乾し、水道水に5分間漬け置きした後、軽く水洗した。つづいて、水洗後の白布を洗濯石鹸水溶液(ライオン製固形石鹸0.03質量%水溶液)が収容され、底にスターラーが配置されたビーカ内に入れ、スターラーを1秒当たり5回転させる条件で60秒間回転、撹拌した後、水洗したものを試験片とした。この試験片と黒色染料水溶液を滴下しないブランクである木綿(サテン)白布の色差(ΔE1)を測定した。色差測定は、色差計(Minolta製商品名;CM−2600d)を使用した。
なお、色差(ΔE1)が小さいほど色落ち性が良好であることを示す。
[漂白消去性の評価方法]
洗濯消去性評価に用いた試験片を、花王株式会社製商品名;ハイター(衣料用漂白剤)0.24%溶液に5分間浸漬した後、水洗いしたものを第2試験片とした。この第2試験片と黒色染料水溶液を滴下しないブランクである木綿(サテン)白布の色差(ΔE2)を測定した。色差測定は、色差計(Minolta製商品名;CM−2600d)を使用した。
なお、色差(ΔE2)が小さいほど色落ち性が良好であることを示す。
[消去性の総合評価]
洗濯消去性評価のΔE1値および漂白消去性のΔE2値の合計が、
・19を超えるものを“×”、
・10〜19のものを“○”、
・10未満のものを“◎”
と判断して評価した。
[粘度測定方法]
黒色試験染料水溶液を20℃±0.5℃の恒温槽に10時間以上静置した後、粘度計(TOKIMEC社製商品名;ViscometerTV−20型)を用いて、M1ローター6回転/60秒で粘度を測定した。
[書道液適正 目視判定]
5名のパネラーにより黒色試験染料水溶液を筆を用いてパルプ半紙に筆記し、運筆を調べると共に、筆記後の滲み、墨色、乾燥性を目視により調べた。
運筆、筆記後の滲み、墨色、乾燥性の判断基準は、以下のとおりである。
・運筆:市販学童用書道液と比較し、運筆が重いか否か
・滲み:市販学童用書道液と比べ、大きく滲んで文字が判読困難ではないか、
・墨色:市販学童用書道液と比べ、乾燥後の筆記線を観察して筆の跡が残らないか
・乾燥性:市販学童用書道液と比べ、液の乾燥時間が極端に悪くないか、
このような運筆、筆記後の滲み、墨色、乾燥性を書道液適正とし、5名のパネラー中、4名以上のパネラーが書道液として適正であると判断した場合を“◎”、3名のパネラーが書道液として適正であると判断した場合を“○”、と評価した。
[総合判定]
総合判定は、洗濯消去性試験、漂白消去性試験および書道液適正の結果から全ての試験項目が十分に良好である場合を“◎”(合格)、3つの項目が良好であるものの、消去性の総合評価が“○”である場合を“○” (合格)、全ての試験項目の中で1つでも不良である場合を×(不合格)とした。
これらの結果を下記表2、表3に示す。
Figure 0004426564
Figure 0004426564
前記表2、表3から明らかなように実施例4〜19の墨汁組成物は、市販の学童用書道液(比較例5)に比べて洗濯消去性、漂白消去性が格段に優れていることがわかる。中でも、保湿剤を配合した実施例5〜19の墨汁組成物は保湿剤無配合の実施例4の墨汁組成物に比べて洗濯消去性がより優れていることがわかる。
また、表2に示すように保湿剤である一定量のマルチトールに加えて滲み改善剤を配合した実施例6〜11の墨汁組成物の中で、滲み改善剤として天然ガム(キサンタンガム、アラビアガム、ローカストビーンガム)を選んだ実施例6,8,9の墨汁組成物は滲み改善剤として水溶性合成樹脂(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン)を選んだ実施例10,11の墨汁組成物に比べたより一層優れた洗濯消去性および漂白消去性を有することがわかる。すなわち、滲み改善剤の中で天然ガムの配合は同じ滲み改善剤である水溶性合成樹脂(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン)に比べて洗濯消去性および漂白消去性の改善にも寄与することがわかる。
なお、2表に示す保湿剤としてマルチトール、滲み改善剤としてキサンタンガムを選び、かつキサンタンガムの量を変えて配合した実施例6,7の墨汁組成物を比較すると、両者は漂白消去性に関して優れた性質を有するものの、キサンタンガムの配合量が1質量%を超える(1.1質量%)実施例7の墨汁組成物はキサンタンガムの配合量が1質量%以下(0.05質量%)の実施例6の墨汁組成物に比べて洗濯消去の改善効果が低くなる。
前記表3に示すように保湿剤としてマルチトール、滲み改善剤としてキサンタンガムを選び、かつマルチトールの量を変えて配合した実施例12〜14の墨汁組成物を比較すると、マルチトールの配合量に比例して洗濯消去および漂白消去の改善効果が高くなることがわかる。特に、マルチトールの配合量が5質量%以上の実施例13,14の墨汁組成物においてその洗濯消去および漂白消去の改善効果が顕著であることがわかる。
また、前記表3に示すように保湿剤としてソルビトール、滲み改善剤としてキサンタンガムを選び、かつソルビトールの量を変えて配合した実施例15,16の墨汁組成物を比較すると、ソルビトールの配合量が多い実施例16の墨汁組成物はその配合量が少ない実施例15の墨汁組成物に比べて漂白消去の改善効果が高くなるものの、洗濯消去の改善効果はソルビトールの配合量が少ない実施例15の墨汁組成物の方が高くなることがわかる。
さらに、前記表3に示すように保湿剤として水飴、滲み改善剤としてキサンタンガムを選び、かつ水飴の量を変えて配合した実施例17,18の墨汁組成物を比較すると、漂白消去の改善効果は水飴の配合量を多くしても目に見えて高くならず、一方、洗濯消去の改善効果は水飴の配合量が少ない実施例17の墨汁組成物の方が高くなることがわかる。
なお、前記表3に示すように保湿剤としてエチレングリコール、滲み改善剤としてキサンタンガムを選んで配合した実施例19の墨汁組成物は保湿剤としてマルチトール、ソルビトールのようなデンプン糖類、水飴を選んだ実施例12〜18に比べて洗濯消去および漂白消去の改善効果が劣ることがわかる。すなわち、保湿剤の中でデンプン糖類または砂糖の配合は同じ保湿剤であるエチレングリコールに比べて洗濯消去性および漂白消去性の改善にも寄与していることがわかる。
以上の表2、表3から保湿剤としてデンプン糖類または砂糖を選び、滲み改善剤として天然ガム類を選ぶことが特定の三原色の酸性染料との組合せで水消去性、墨汁(書道液)の最適化の点で有効であることがわかる。
特に、保湿剤としてマルチトールまたはソルビトールを選び、滲み改善剤としてキサンタンガムを選ぶと共に、それらを特定の量で配合することによって、特定の三原色の酸性染料との組合せで顕著に優れた水消去性、墨汁(書道液)の最適化を発揮できることがわかる。
なお、実施例4〜19では酸性染料の組合せを表1の実施例2を選び、これに防腐剤、消泡剤、保湿剤、滲み改善剤を配合して墨汁組成物を調製したが、酸性染料の組合せを表1の実施例1,3を選び、これに防腐剤、消泡剤、保湿剤、滲み改善剤を配合して墨汁組成物を調製しても、実施例4〜19と同様な水消去性、書道液の適正化を図ることが可能であった。

Claims (8)

  1. 酸性染料および水媒体を含み、
    前記酸性染料は、構造中にスルホン酸塩基を2個以上有し、アゾ系(ただし、芳香族環がアルキル基、ニトロ基、アミノ基、アルコキシル基で置換されているものを除く)またはトリフェニルメタン系の赤色系染料、黄色系染料および青色系染料を含む3種以上からなり、かつこれらの染料が赤色系染料28〜65質量%、黄色系染料13〜46質量%および青色系染料15〜38質量%の割合で配合されることを特徴とする水消去性書画用墨汁組成物。
  2. 前記酸性染料のスルホン酸塩基がナトリウム塩、アンモニウム塩およびアルキルアンモニウム塩の群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載の水消去性書画用墨汁組成物。
  3. 前記黄色系染料はアゾ系の食用黄色4号(タートラジン、C.I.19140)、食用黄色5号(サンセットイエローFCF、C.I.15985)から選ばれ、前記赤色系染料はアゾ系の食用赤色2号(アマランス、C.I.16185)、食用赤色102号(ニューコクシン、C.I.16255)から選ばれ、前記青色系染料はトリフェニルメタン系の食用青色1号(ブリリアントブルーFCF、C.I.42090)であることを特徴とする請求項1または2記載の水消去性書画用墨汁組成物。
  4. デンプン糖類および砂糖から選ばれる少なくとも1つの保湿剤および/または天然ガム類からなる滲み改善剤がさらに含有されることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の水消去性書画用墨汁組成物。
  5. 前記デンプン糖類がマルチトール、ソルビトールおよび水飴の群から選択される1種または2種以上である請求項4記載の水消去性書画用墨汁組成物。
  6. 前記天然ガム類がキサンタンガム、アラビアガムおよびローカストビーンガムの群から選択される1種または2種以上である請求項4記載の水消去性書画用墨汁組成物。
  7. アゾ系の食用赤色2号(アマランス、C.I.16185)、食用赤色102号(ニューコクシン、C.I.16255)から選ばれる構造中にスルホン酸塩基を2個以上有する赤色染料29〜60質量%と、アゾ系の食用黄色4号(タートラジン、C.I.19140)、食用黄色5号(サンセットイエローFCF、C.I.15985)から選ばれる構造中にスルホン酸塩基を2個以上有する黄色系染料13〜45質量%と、トリフェニルメタン系の食用青色1号(ブリリアントブルーFCF、C.I.42090)である構造中にスルホン酸塩基を2個以上有する青色系染料17〜38質量%との割合で配合される酸性染料1〜40質量%;
    デンプン糖類または砂糖5〜40質量%;
    天然ガム類0.01〜1質量%;および
    残部が実質的に水媒体;
    の組成を有し、粘度が1〜100mPa・s/20℃の範囲であることを特徴とする水消去性書画用墨汁組成物。
  8. 添加剤として防腐剤および泡消剤をさらに含有することを特徴とする請求項7記載の水消去性書画用墨汁組成物。
JP2006353111A 2006-12-27 2006-12-27 水消去性書画用墨汁組成物 Active JP4426564B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006353111A JP4426564B2 (ja) 2006-12-27 2006-12-27 水消去性書画用墨汁組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006353111A JP4426564B2 (ja) 2006-12-27 2006-12-27 水消去性書画用墨汁組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008163147A JP2008163147A (ja) 2008-07-17
JP4426564B2 true JP4426564B2 (ja) 2010-03-03

Family

ID=39693055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006353111A Active JP4426564B2 (ja) 2006-12-27 2006-12-27 水消去性書画用墨汁組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4426564B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008163147A (ja) 2006-12-27 2008-07-17 Hodogaya Chem Co Ltd 水消去性書画用墨汁組成物

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6297949B2 (ja) * 2014-09-03 2018-03-20 株式会社サクラクレパス 墨汁様組成物

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5460531U (ja) 1977-10-04 1979-04-26
JPS55155071A (en) 1979-05-23 1980-12-03 Dainichi Seika Kogyo Kk Marking agent
JPH0720733B2 (ja) * 1986-10-24 1995-03-08 パイロツトインキ株式会社 熱変色性印刷物
JPH04298577A (ja) 1991-03-28 1992-10-22 Tombow Pencil Co Ltd 水溶性インキ組成物
JPH07100469A (ja) 1993-10-06 1995-04-18 Noritake Yokozuka 染色廃水の浄化処理方法
JPH07299473A (ja) 1994-05-10 1995-11-14 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 着色廃水の脱色処理装置
JP3824180B2 (ja) * 1996-05-31 2006-09-20 株式会社サクラクレパス 消去性着色剤組成物
JP3824184B2 (ja) * 1996-11-28 2006-09-20 株式会社サクラクレパス 墨汁組成物
JPH1149991A (ja) * 1997-07-31 1999-02-23 Pentel Kk 液状組成物
JPH11130906A (ja) * 1997-10-30 1999-05-18 Pentel Kk 液状組成物
JP2002129085A (ja) 2000-10-30 2002-05-09 Pilot Ink Co Ltd 玩具用水消去性マーカー及びそれを用いた形象玩具セット
JP4931326B2 (ja) 2003-07-11 2012-05-16 株式会社サクラクレパス 水性筆記具用インキ組成物
EP1752498A4 (en) 2004-05-07 2008-09-24 San Ei Gen Ffi Inc PROCESS FOR PROTECTING THE PROTECTION OF TEA COLOR AND TARPAINING COMPOSITION WITH PROTECTIVE PROTECTION
JP4426564B2 (ja) 2006-12-27 2010-03-03 保土谷化学工業株式会社 水消去性書画用墨汁組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008163147A (ja) 2006-12-27 2008-07-17 Hodogaya Chem Co Ltd 水消去性書画用墨汁組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008163147A (ja) 2008-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2004259404B2 (en) Eradicable gel ink, methods of eradication of the same, eradicable ink kit, and eradicated ink complex
EP3053970B1 (en) Aqueous ink composition for writing instruments
EP3199601B1 (en) Aqueous ink composition for writing instruments
WO2000001778A1 (fr) Encre a deux couleurs et instrument d'ecriture renfermant cette encre
JP4426564B2 (ja) 水消去性書画用墨汁組成物
JPH07118592A (ja) ボールペン用水性金属光沢色インキ
JP2019014769A (ja) 筆記具用の水性顔料インキ組成物及び該インキ組成物を搭載した中綿式サインペン
JPH03188174A (ja) 耐水性を有するインキ組成物
JP2006225534A (ja) 水性蛍光絵具組成物
JPH09279080A (ja) 水性ボールペン用蛍光インキ組成物
JP5132948B2 (ja) 水消去性黒色インク組成物および水消去性書画用墨汁組成物
JP7057257B2 (ja) 筆記具用洗浄液
JP7161742B2 (ja) 水性インク組成物
JP3865873B2 (ja) 消去性着色剤組成物
JP2009263562A (ja) 墨汁様組成物
JP6915852B2 (ja) 消去性着色材組成物
JPS63117078A (ja) 水性インク
JP2004256706A (ja) 水性インキ及びそれを使用した筆記具セット
JPH05148440A (ja) 顔料インキ組成物
JP2000079784A (ja) 二重発色水性ボ―ルペン用チップ
JP4971183B2 (ja) 筆記具用水性消色性インキ組成物
JP2021178924A (ja) 水性インキ組成物
JP2010083936A (ja) 墨汁様組成物
JP2004083767A (ja) 筆記具用水性インキ組成物及び筆記具セット
JP2003113339A (ja) 油性インキ組成物及びその用途

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090624

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090709

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090820

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20090820

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090824

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20091006

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091201

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4426564

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131218

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250