JP2010083936A - 墨汁様組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】
綿繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維への染着を抑制すると共に、ウール繊維への染着をも抑制することができ、綿繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維、ウール繊維において、洗濯しても落ちる墨汁様組成物を提供する
【解決手段】
酸性染料、芒硝、水を含有し、
墨汁組成物全量に対して芒硝を1〜20重量%含有する。
【選択図】 なし
綿繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維への染着を抑制すると共に、ウール繊維への染着をも抑制することができ、綿繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維、ウール繊維において、洗濯しても落ちる墨汁様組成物を提供する
【解決手段】
酸性染料、芒硝、水を含有し、
墨汁組成物全量に対して芒硝を1〜20重量%含有する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、洗濯により落ちる墨汁様組成物に関する。
墨汁は、毛筆で書画を書くのに用いる文房具として、広く使用されている。墨汁は、狭義には墨をすった汁であり、黒色の顔料(例えばカーボンブラック)および膠を含む。しかし、最近、黒の色を、顔料でなく、染料で発色させている液体が、墨汁の代わりに使用されつつある。そのような液体は狭義には墨汁ではないという見解もあり、例えば「書道液」、「墨液」等と称されることもある。そのため、本明細書では、顔料および膠を含まないが、書道または水墨画作成のために用いられる、着色された液体を「墨汁様組成物」と称する。
従来、水溶性樹脂を使用したタイプでは、消去性向上のために水溶性樹脂を使用しているが、そのため、この組成物を使用して半紙に書いた作品を高湿度の環境下においておくと滲みが生じることがある。顔料を使用したタイプでは、顔料を使用しているため、高湿度下での滲みはおきにくいが、顔料は染料と異なり、溶解ではなく液中に分散した状態で存在するので、分散安定性を考慮する必要がある場合がある。
一方、酸性染料は衣料によく使用される綿・ポリエステルには染着しにくいという性質があるが、本来ポリアミド繊維の染色に用いられる染料のため、ナイロン・ウールには染着しやすい。
特開2006−057084号公報
特開2007−023212号公報
特開2006−219680号公報
特開2006−257439号公報
特開平09−316379号公報
特許第3824180号公報
特許第3824181号公報
特許第3824184号公報
特許第3865873号公報
特許第3876047号公報
一方、酸性染料は衣料によく使用される綿・ポリエステルには染着しにくいという性質があるが、本来ポリアミド繊維の染色に用いられる染料のため、ナイロン・ウールには染着しやすい。
しかし、本来、酸性染料は、ポリアミド繊維の染色に用いられる染料の為、カルボキシル基とアミノ基の両方を有するウールなどのタンパク繊維に対しては、親和性が高く、ウール繊維へは染着し、洗濯しても落ちにくい。
本来、インキでは、水性インキは収納管に含まれ、飛び散る危険性が少ないが、墨汁様組成物では筆を剥き出しの墨汁様組成物中へ浸すため、飛散、衣類付着という墨汁様組成物固有の大きな問題がある。
本発明の課題は、綿繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維への染着を抑制すると共に、ウール繊維への染着をも抑制することができ、綿繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維、ウール繊維において、洗濯しても落ちる墨汁様組成物を提供するものである。
上記課題を解決するため鋭意検討した結果、
本発明は、酸性染料、芒硝、水を含有し、
墨汁様組成物全量に対して芒硝を1〜20重量%含有する墨汁様組成物である。
本発明は、酸性染料、芒硝、水を含有し、
墨汁様組成物全量に対して芒硝を1〜20重量%含有する墨汁様組成物である。
またさらに墨汁様組成物全量に対して酸性染料0.1〜20.0重量%を含有するものである。
芒硝は染料の増量剤としてポピュラーであるが、洗濯性を出す為に墨液に添加した例は無い。これにより、本発明は酸性染料を使用して作製した墨液に、芒硝(無水硫酸ナトリウム)を添加することで、墨液が布(衣類)に付着した時の洗濯落ちをよくし、洗濯性を向上できる。
<酸性染料>
本発明で用いられる酸性染料としては、綿・ポリエステルに対する直染性がないまたは弱い酸性染料が用いられる。
例えば、C.I.Acid Red 18、C.I.Acid Blue 9、C.I.Acid Blue 90、C.I.Acid Yellow 17、C.I.Acid Yellow 23が用いられ、中でも、C.I.Acid Red 18、C.I.Acid Blue 9、C.I.Acid Blue 90、C.I.Acid Yellow 17、C.I.Acid Yellow 23が好適である。
本発明で用いられる酸性染料としては、綿・ポリエステルに対する直染性がないまたは弱い酸性染料が用いられる。
例えば、C.I.Acid Red 18、C.I.Acid Blue 9、C.I.Acid Blue 90、C.I.Acid Yellow 17、C.I.Acid Yellow 23が用いられ、中でも、C.I.Acid Red 18、C.I.Acid Blue 9、C.I.Acid Blue 90、C.I.Acid Yellow 17、C.I.Acid Yellow 23が好適である。
本発明において、酸性染料の実施可能な範囲は、墨汁様組成物全量に対して0.1〜20.0重量%、好適な範囲は墨汁様組成物全量に対して0.5〜10.0重量%である。より好適な範囲は墨汁様組成物全量に対して2.0〜7.0重量%である。酸性染料が過剰な場合は、綿・レーヨン・ポリエステルへの染着を抑制できるが、ナイロン・ウール・絹への染着については洗濯で落ち難くなる。酸性染料が過小の場合は、発色が弱くなる。
ジスアゾ系の染料は、ウールに染まりやすい性質を有しているので、本発明が奏する効果が目に見えて大きい。ニグロシン系染料はあまり落ちない。
<芒硝>
本発明は主にウール繊維への染着を阻止するために芒硝(無水硫酸ナトリウム)を用いることができる。適当な量の芒硝を加えると、沈降しないぎりぎりの範囲で酸性染料が会合して分子が大きくなるので、染料が繊維間に取り込まれにくくなる。また染料の末端基であるCOO3 −、NO3 −、SO3 −は、芒硝のSO4 2−よりも繊維組織と結びつくのが遅い。芒硝の硝酸イオンなどが、ウール繊維の染着座席を占有するものである。
本発明において、芒硝は、実施可能な範囲は墨汁様組成物全量に対して1〜20重量%、好適な範囲は墨汁様組成物全量に対して2〜15重量%、より好ましくは墨汁様組成物全量に対して3〜10重量%である。芒硝が過剰な場合は染料の析出が起こる。芒硝が過小の場合は、洗濯性向上効果が薄れる。
本発明は主にウール繊維への染着を阻止するために芒硝(無水硫酸ナトリウム)を用いることができる。適当な量の芒硝を加えると、沈降しないぎりぎりの範囲で酸性染料が会合して分子が大きくなるので、染料が繊維間に取り込まれにくくなる。また染料の末端基であるCOO3 −、NO3 −、SO3 −は、芒硝のSO4 2−よりも繊維組織と結びつくのが遅い。芒硝の硝酸イオンなどが、ウール繊維の染着座席を占有するものである。
本発明において、芒硝は、実施可能な範囲は墨汁様組成物全量に対して1〜20重量%、好適な範囲は墨汁様組成物全量に対して2〜15重量%、より好ましくは墨汁様組成物全量に対して3〜10重量%である。芒硝が過剰な場合は染料の析出が起こる。芒硝が過小の場合は、洗濯性向上効果が薄れる。
<水溶性樹脂>
本発明では粘度調整のため水溶性樹脂を用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリエチレンオキサイト(PEO)、ポリアクリル酸、キサンタンガム、ラムザンガムなどである。好ましくは、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、キサンタンガムである。
また特に、芒硝が過剰な場合は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)が入っていると塩析凝集がおこる。キサンタンガム、サクシノグルカン、ラムザン、CMCなど上記0.04〜8.0重量%の範囲内であると塩析凝集しない。
本発明では粘度調整のため水溶性樹脂を用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリエチレンオキサイト(PEO)、ポリアクリル酸、キサンタンガム、ラムザンガムなどである。好ましくは、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、キサンタンガムである。
また特に、芒硝が過剰な場合は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)が入っていると塩析凝集がおこる。キサンタンガム、サクシノグルカン、ラムザン、CMCなど上記0.04〜8.0重量%の範囲内であると塩析凝集しない。
本発明において水溶性樹脂を用いる場合、実施可能な範囲は墨汁様組成物全量に対して0.01〜10.0重量%、好適な範囲は墨汁様組成物全量に対して0.04〜8.0重量%、より好ましくは墨汁様組成物全量に対して0.05〜5重量%である。例えばより好ましくはキサンタンガムの場合0.05〜0.30重量%、CMCの場合は0.3〜3.0重量%、PVAでも2.0〜7.0重量%である。水溶性樹脂が過剰な場合、粘度が上がりすぎ、墨汁様組成物として使用し難くなる。水溶性樹脂が過小の場合は粘度が低すぎ、墨汁様組成物として使用し難くなる。
<その他>
その他必要に応じて添加する成分として、容器の口部での乾燥防止のため水溶性有機溶剤のほか、トリエタノールアミン、防腐剤・防黴剤があげられる。水は溶媒として残部用いることができ、特に量は限定されないが、実施可能な範囲は墨汁様組成物全量に対して例えば1〜90重量%、好ましくは20〜80重量%である。
その他必要に応じて添加する成分として、容器の口部での乾燥防止のため水溶性有機溶剤のほか、トリエタノールアミン、防腐剤・防黴剤があげられる。水は溶媒として残部用いることができ、特に量は限定されないが、実施可能な範囲は墨汁様組成物全量に対して例えば1〜90重量%、好ましくは20〜80重量%である。
<製造方法>
水に水溶性樹脂及び水溶性有機溶剤を必要に応じて投入し加熱攪拌して水溶性樹脂の完溶を確認後、芒硝(無水硫酸ナトリウム)を投入し攪拌する。その後、酸性染料を加えて攪拌し、必要に応じて防腐・防黴剤を投入して攪拌する。
水に水溶性樹脂及び水溶性有機溶剤を必要に応じて投入し加熱攪拌して水溶性樹脂の完溶を確認後、芒硝(無水硫酸ナトリウム)を投入し攪拌する。その後、酸性染料を加えて攪拌し、必要に応じて防腐・防黴剤を投入して攪拌する。
表1に示す組成にて、上記の方法にて各実施例及び比較例の試験サンプル(墨汁様組成物)を作製した。
[表注]
成分:
食用青色1号 Acid Blue 9
食用赤色102号 Acid Red 18
食用黄色5号 Food Yellow 3
Water Blue 116 Acid Blue 90
Water Blue 9 Acid Blue 9
Water Yellow 1 Acid Yellow 23
Water Black R-455 Acid Black 2
PVA-203 PVA
サンアイバックSA 防腐・防カビ剤
コートサイドH 防腐・防カビ剤
成分:
食用青色1号 Acid Blue 9
食用赤色102号 Acid Red 18
食用黄色5号 Food Yellow 3
Water Blue 116 Acid Blue 90
Water Blue 9 Acid Blue 9
Water Yellow 1 Acid Yellow 23
Water Black R-455 Acid Black 2
PVA-203 PVA
サンアイバックSA 防腐・防カビ剤
コートサイドH 防腐・防カビ剤
次に、各実施例及び比較例の墨汁様組成物を染色堅牢度試験用白布(交織1号)(JIS L0803−2005)に筆で塗布し、3時間乾燥した。続いて、洗剤、漂白剤を溶かした液に2時間浸漬した。のちに、洗剤で15分洗濯し、15分すすぎ、乾燥した。
<評価>
墨汁様組成物塗布などしていない交換布8種の繊維(綿、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、ウール、アクリル、アセテート、絹)それぞれを顕微式色差計にて測色し、ブランクとする。
次に、各実施例及び比較例の墨汁様組成物を塗布し洗濯し乾燥したJIS交換布8種を顕微式色差計にて測色する。
続いて、ブランクと試験片のΔE(デルタE)を各繊維毎に算出する。綿、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、ウール、アクリル、アセテート、絹の8種の繊維のΔE(デルタE)値の値を算出する。
墨汁様組成物塗布などしていない交換布8種の繊維(綿、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、ウール、アクリル、アセテート、絹)それぞれを顕微式色差計にて測色し、ブランクとする。
次に、各実施例及び比較例の墨汁様組成物を塗布し洗濯し乾燥したJIS交換布8種を顕微式色差計にて測色する。
続いて、ブランクと試験片のΔE(デルタE)を各繊維毎に算出する。綿、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、ウール、アクリル、アセテート、絹の8種の繊維のΔE(デルタE)値の値を算出する。
表1より、実施例はいずれも、綿、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、ウール、アクリル、アセテートいずれにおいても洗濯性(墨汁様組成物の色が洗濯により落ちる)が良好であることが分かる。特に、実施例は、綿繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維への染着を抑制すると共に、ウール繊維への染着をも抑制することができることが認められる。
Claims (2)
- 酸性染料、芒硝、水を含有し、
墨汁組成物全量に対して芒硝を1〜20重量%含有する墨汁様組成物。 - 墨汁組成物全量に対して酸性染料0.1〜20.0重量%含有する請求項1記載の墨汁様組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008252398A JP2010083936A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 墨汁様組成物 |
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JP2008252398A JP2010083936A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 墨汁様組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2010083936A true JP2010083936A (ja) | 2010-04-15 |
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JP2008252398A Pending JP2010083936A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 墨汁様組成物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010083937A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Sakura Color Prod Corp | 墨汁様組成物 |
-
2008
- 2008-09-30 JP JP2008252398A patent/JP2010083936A/ja active Pending
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