JP4426059B2 - 光学的立体造形方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光硬化性樹脂組成物を用いる光学的立体造形方法および光学的立体造形装置に関する。より詳細には、本発明は光硬化性樹脂組成物を用いて、平坦な表面を有し、寸法精度に優れる商品価値の高い立体造形物を、高い光造形速度で円滑に製造するための光学的立体造形方法および光学的立体造形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、三次元CADに入力されたデータに基づいて光硬化性樹脂を硬化させて立体造形物を製造する光学造形方法および装置が実用化されている。この光造形技術は、設計の途中で外観デザインを検証するためのモデル、部品の機能性をチェックするためのモデル、鋳型を製作するための樹脂型、金型を製作するためのベースモデルなどのような複雑な三次元物体を容易に造形できることから注目を集めている。
【0003】
光学造形方法によって造形物を製造するに当たっては、従来、造形浴を用いる方法が汎用されており、その手順としては、造形浴に液状の光硬化性樹脂を入れ、液面に所望のパターンが得られるようにコンピューターで制御された紫外線レーザーなどの光を選択的に照射して所定の厚みに光硬化させて硬化樹脂層を形成し、その硬化樹脂層を造形浴内で下方に移動させて造形浴内の光硬化性樹脂液を該硬化樹脂層上に流動させて光硬化性樹脂液の層を形成させ、その光硬化性樹脂液層に光を照射して硬化樹脂層を形成し、前記の工程を所定の形状および寸法の立体造形物が得られるまで繰り返して行う方法が広く採用されている。
【0004】
しかしながら、上記した従来法による場合は、光硬化性樹脂液の表面張力によって、造形浴内に貯溜された光硬化性樹脂液の液面が盛り上がったり、また前段階で形成された硬化樹脂層上に流動させて積層した光硬化性樹脂液の層の表面が盛り上がって、光硬化させる光硬化性樹脂液の液面が平坦になっていないことが多い。その結果、得られる立体造形物の上部が、例えば、図1の(a)および(b)に示すように丸くなっていて、平坦状になっておらず、寸法精度に劣ったものになり易い。この表面張力による寸法精度の低下の問題を回避するためには、表面張力の低い光硬化性樹脂を選択することも考えられるが、使用する光硬化性樹脂の種類が限られることになり、各々の用途や使用目的に合致した特性(力学的特性、物理的特性、化学的特性など)を有する光学的立体造形物が得られないという欠点がある。
【0005】
しかも、造形浴内の光硬化性樹脂液の液面位は樹脂温度によって変化するため、液面位を一定に保ちにくく、液面位の変化は得られる立体造形物の寸法精度の低下をもたらす。造形浴内の光硬化性樹脂液の液面位を一定に保つ方法としては、センサーによって液面を常に検知し、その検知結果に応じて、造形浴内に配置したカウンターボリュームを上下させる方法などが知られているが、装置的に高価であり、コスト面で不利である。
【0006】
また、光硬化性樹脂液の表面張力による上記した高さ方向の盛り上がりの他に、光硬化性樹脂組成物や光硬化物の昇温、冷却による膨張・収縮によっても造形物の高さ変動を生じて、目的通りの光造形物を寸法精度良く得られないことがある。そして、造形途中の光造形物の表面に高さ変動があると、場合によっては、その部分に光硬化性樹脂組成物の塗布装置などが突き当たって塗布操作が停止し、光造形工程が途中で中断されてしまうというトラブルを発生することがあり、その場合は光造形速度の低下や、製品歩留りの低下などを生ずる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記したような欠点がなく、平坦な表面を有し、所定の形状および寸法を有する立体造形物を、造形途中での装置の停止などのトラブルを生ずることなく、高い寸法精度で且つ速い造形速度で、簡単に且つ円滑に製造することのできる光学的立体造形方法および装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく本発明者は鋭意検討を重ねてきた。その結果、層状にした液状の光硬化性樹脂組成物の液表面に制御下に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化した樹脂層を形成し、該光硬化した樹脂層上に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物を施して制御下に当該液状の光硬化性樹脂組成物に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化した樹脂層を一体に積層形成する工程を繰り返す光学的立体造形技術において、その全工程または一部の工程において、光硬化した樹脂層の表面部分を切削処理して平坦化し、該平坦化した光硬化した樹脂層の表面に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物を施して制御下に当該液状の光硬化性樹脂組成物に光を照射して光硬化した樹脂層を積層形成させると、液状の光硬化性樹脂組成物の表面張力に伴う光硬化した樹脂層における上記した盛り上がりや、光硬化性樹脂組成物やその硬化物の加熱・冷却に伴う膨張や収縮による盛り上がり、凹凸などが切削処理によって除去されて光硬化した樹脂層の表面が平坦化され、その平坦化された光硬化した樹脂層上に液状の光硬化性樹脂組成物が更に施されて順次光造形が行われることにより、最終的に得られる立体造形物は平坦な表面を有し、寸法精度、特に高さ方向の寸法精度に優れることを見出した。
【0009】
さらに、本発明者は、光硬化した樹脂層の上記した切削処理に当たって、切削手段の切削刃の前進方向と切削刃の幅方向とを所定の角度にし、切削刃を光硬化した樹脂層面上で切削刃の幅方向に振動させながら光硬化した樹脂層に対して相対的に前進させて切削処理を行うと、光硬化した樹脂層表面の平坦化が一層円滑に行い得ること、また光硬化した樹脂層表面の切削により生じた切削屑を吸引によって除去しながら切削処理を行うと寸法精度に優れる光学的立体造形をより円滑に製造し得ることを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、
(1)(i)層状にした液状の光硬化性樹脂組成物の液表面に制御下に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化した樹脂層を形成する工程;
(ii)前記(i)で形成した光硬化した樹脂層の上に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物を施して制御下に当該液状の光硬化性樹脂組成物に光を照射して、該(i)で形成した光硬化した樹脂層上に所定のパターンおよび厚みを有する光硬化した樹脂層を一体に積層形成する工程;および、
(iii)前記(ii)で形成した光硬化した樹脂層の上に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物を施して制御下に当該液状の光硬化性樹脂組成物に光を照射して、該(ii)で形成した光硬化した樹脂層上に所定のパターンおよび厚みを有する光硬化した樹脂層を一体に積層形成する工程を有し;
(iv)目的とする立体造形物が形成されるまで前記(iii)の光硬化した樹脂層の積層形成工程を繰り返すことによって立体造形物を製造する方法であって;
前記(i)〜(iv)の全工程または一部の工程において、光硬化した樹脂層の形成後に、該光硬化した樹脂層面上で光硬化した樹脂層に対して相対的に前進する切削屑除去用の吸引フードで覆った切削手段によって、切削屑を吸引除去しながら光硬化した樹脂層の表面を切削処理して平坦化し、該平坦化した光硬化した樹脂層の表面に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物を施して制御下に当該液状の光硬化性樹脂組成物に光を照射して、光硬化した樹脂層上に所定のパターンおよび厚みを有する光硬化した樹脂層を一体に積層形成する;
ことを特徴とする光学的立体造形物の製造方法である。
【0011】
そして、本発明は、
(2) 切削手段の切削刃の前進方向と切削刃の幅方向とがなす角度θ1を20°〜160°とし、切削刃を光硬化した樹脂層面上で切削刃の幅方向に振動させながら光硬化した樹脂層に対して相対的に前進させて光硬化した樹脂層の表面を切削処理して平坦化する前記(1)の光学的立体造形物の製造方法;
(3) 切削刃の振動数が20kHz以下および振幅が50mm以下である前記した(2)の光学的立体造形物の製造方法;および、
(4) 刃先先端角度θ2が40°以下の切削刃を用い、光硬化した樹脂層表面を切削する際の光硬化した樹脂層面と切削刃下面のなす角度θ3を0°を超え30°以下とし、且つ光硬化した樹脂層面に対する切削刃のすくい角度θ4を20°〜80°にして光硬化した樹脂層の表面を切削処理して平坦化する前記(1)〜(3)のいずれかの光学的立体造形物の製造方法;
を好ましい態様として包含する。
【0012】
さらに、本発明は、
(5) 載置台上または液状の光硬化性樹脂組成物の硬化により形成した光硬化した樹脂層上に、1層分の液状の光硬化性樹脂組成物を順次供給するための液状の光硬化性樹脂組成物の供給手段;
光硬化性樹脂組成物を液状に保ちながら、最終的な立体造形物が形成されるまで、制御下に所定のパターンおよび厚みを有する光硬化した樹脂層の形成・積層を繰り返して行うための光照射装置を備える光造形手段;
光造形の全工程または一部の工程において、切削屑を吸引除去しながら光硬化した樹脂層の表面を切削して平坦化するための切削屑除去用の吸引フードで覆った切削手段;および、
切削手段の切削刃を光硬化した樹脂層面で光硬化した樹脂層に対して相対的に前進させる手段;
を有することを特徴とする光学的立体造形装置である。
【0013】
そして、本発明は、
(6) 切削刃の前進方向と切削刃の幅方向とがなす角度θ1が20°〜160°であり且つ切削刃の前進時に切削刃をその幅方向に振動させる手段を有する前記(5)の光学的立体造形装置;および、
(7) 切削刃の刃先先端角度θ2が40°以下である前記(5)または(6)の光学的立体造形装置;
を好ましい態様として包含する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明では、上記した(i)〜(iv)の一連の工程に従って光学的立体造形物(以下「光造形物」ということがある)を製造する際の改良技術に係るものである。本発明では、上記した(i)〜(iv)の一連の工程に従って光造形物を製造する限りは、工程(i)〜(iv)の内容や方式、それに用いる装置の種類などは特に制限されない。
【0015】
例えば、上記した(i)〜(iv)の一連の工程は、液状の光硬化性樹脂組成物を充填した造形浴中に造形テーブルを配置し、造形テーブルを下降させることによって造形テーブル面に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物層を形成させ、それに制御下に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化した樹脂層(以下「光硬化層」ということがある)を形成した後、造形テーブルを更に下降させて該光硬化層面に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物層を形成させて制御下に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化層を一体に積層形成する工程を繰り返して行う、従来から広く行われている造形浴法を採用して行うことができる。
【0016】
また、上記した(i)〜(iv)の一連の工程は、例えば、気体雰囲気中に造形テーブルを配置し、その造形テーブル面に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物を施して制御下に当該液状の光硬化性樹脂組成物に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化層を形成した後、該光硬化層面に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物を施して制御下に当該液状の光硬化性樹脂組成物に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化層を一体に積層形成する工程を繰り返して行う方法を採用して行うこともできる。この方法による場合は、造形テーブルまたは光硬化層を上向きにしておき、その上面に液状の光硬化性樹脂組成物を施し光照射して光硬化層を順次積層形成してゆく方式を採用してもよいし、或いは造形テーブルまたは光硬化層を下向きに配置しておいて造形テーブル面または光硬化層面に液状の光硬化性樹脂層組成物を施し光照射して順次下方に光硬化層を積層形成してゆく方式を採用してもよい。造形テーブル面または光硬化層面に液状の光硬化性樹脂組成物を施すに当たっては、例えば、ブレード塗装、流延塗装、ローラー塗装、転写塗装、ハケ塗り、スプレー塗装などの適当な方法を採用することができる。
【0017】
上記した工程(i)〜(iv)において、光硬化性樹脂組成物層の光硬化に当たっては、光硬化性樹脂組成物層への光照射のしかたは特に制限されず、例えばスポット状の光線を光硬化性樹脂組成物面に照射して描画方式で光硬化層を形成してもよいし、線状になした光線を照射して光硬化層を形成してもよいし、またはマスクなどを使用して光線を面状で照射して光硬化層を形成してもよい。
また、照射する光の種類も特に制限されず、光学的立体造形で使用されている光のいずれも使用でき、例えば、Arレーザー、He−Cdレーザー、LDレーザー(半導体励起固体レーザー)、キセノンランプ、メタルハライドランプ、水銀灯、蛍光灯などから発生される活性エネルギー光線のいずれも使用でき、そのうちでもレーザー光線が造形速度、高集光性による高造形精度などの点から好ましく採用される。
照射する光の強さ、光硬化性樹脂組成物層面と光源の距離なども、各々の状況に応じて適宜設定することができる。
【0018】
本発明では、上記した(i)〜(iv)の一連の工程を行うに当たって、工程(i)〜(iv)の全部の工程または一部の工程において、光硬化層の形成後に、該光硬化層の表面を、切削屑除去用の吸引フードで覆った切削手段によって、切削屑を吸引除去しながら切削処理して光硬化層の表面を平坦化する。
この場合に、工程(i)〜(iv)の全工程で光硬化層の切削・平坦化を行う場合は、1層の光硬化層を形成するごとに、その光硬化層の表面を切削処理して平坦化した後、該平坦化した光硬化層の表面に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物を施して制御下に当該液状の光硬化性樹脂組成物に光を照射して、光硬化層上に所定のパターンおよび厚みを有する光硬化層を一体に積層形成し、次いでその積層形成した1層分の光硬化層の表面を切削処理して平坦化するという工程を、目的とする形状およびサイズの光造形物が得られるまで繰り返して行う。
また、工程(i)〜(iv)のうちの一部の工程において光硬化層の切削処理を行う場合は、順次積層形成される多数の光硬化層のうちの一部の光硬化層についてのみ切削処理を行う。例えば、1層の光硬化層を形成し、その光硬化層の表面を切削処理して平坦化した後、該平坦化した光硬化層の表面に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物を施して制御下に当該液状の光硬化性樹脂組成物に光を照射して、光硬化層上に所定のパターンおよび厚みを有する光硬化層を一体に積層形成し、次いでその積層形成した光硬化層には切削処理を施さずにそのまま1層分の液状の光硬化性樹脂組成物を施して制御下に当該液状の光硬化性樹脂組成物に光を照射して、光硬化層上に所定のパターンおよび厚みを有する光硬化層を一体に積層形成し、その光硬化層の表面を切削処理するというようにして行う。また、切削処理を複数の光硬化層に対して続けて行った後に、それに続く複数の光硬化層に対しては切削処理を行わずに光造形のみを行う方法なども採用できる。
【0019】
工程(i)〜(iv)の全工程において該工程で光硬化層が形成されるたびごとに全光硬化層に対して切削処理を行って各光硬化層の表面を平坦化するか、或いは工程(i)〜(iv)のうちの一部の工程のみにおいて光硬化層の切削処理を行って一部の光硬化層の表面を平坦化するかは、製造する光造形物の形状や構造、寸法、光造形物の製造に用いる光硬化性樹脂組成物の種類やその物性(特に表面張力、膨張や収縮特性)などに応じて適当な方式を選択するのがよい。
【0020】
光硬化層の表面を切削処理して平坦化するに当たっては、光硬化層面上で光硬化層に対して相対的に前進する切削手段を用いて行う。
ここで、本発明における「光硬化層面上で光硬化層に対して相対的に前進する切削手段」とは、光硬化層および切削手段のいずれか一方または両方を移動させることによって、切削手段が光硬化層面上を前進して光硬化層の表面を切削することを意味する。具体的には、光硬化層を固定した状態にしておいて切削手段を前進させて切削する方式、切削手段を固定した状態にしておいて光硬化層を後退させて切削する方式、光硬化層を後退させると共に切削手段を前進させて切削する方式などのいずれの方式も採用できる。
【0021】
切削手段としては、光硬化層面上を光硬化層に対して相対的に前進させたときに、光硬化層の表面部分を平坦に切削し得る所定幅の切削刃を有する切削手段を用いることができる。何ら限定されるものではないが、本発明で有効に用いる切削手段の例としては、図2の(a)および(b)に示すような切削刃1を有する切削手段を挙げることができる。図2の(a)は、所定の幅Wを有し、全体的に略偏平状をなし、上面と下面が刃先2aに向かって共にテーパー状をなしている切削刃1の一例を示したものである。図2の(b)は、所定の幅Wを有し、全体的に略偏平状をなし、上面が刃先2aに向かってテーパー状をなし、下面が平坦状をなす切削刃1の一例を示したものである。
【0022】
本発明で用いる切削手段における切削刃の刃先の幅Wは特に制限されず、切削処理を施される光硬化層の面積、光硬化層の形状などに応じて調節し得るが、一般的には切削刃の幅Wは造形可能幅以上であることが均一な切削処理を行うことができる点から好ましい。特に、切削刃を幅方向に振動させながら切削処理を行う場合は切削刃の幅Wは、造形可能幅+振幅以上であることが好ましい。
切削刃の材質などは特に制限されず、光硬化層の表面を切削して平坦化し得る材質からなるものであればいずれでもよく、例えば、切削刃は金属製(工具鋼など)、セラミックス製などであることが好ましい。
【0023】
光硬化層の切削処理に当たっては、切削手段の切削刃1の前進方向と切削刃の幅方向とがなす角度θ1を20°〜160°として、切削手段を光硬化層面に対して相対的に前進させて切削処理を行うことが、光硬化層の表面の切削・平坦化を効率良く円滑に行える点から好ましい。この点について、図3を用いて説明する。図3は、切削手段の切削刃1を光硬化層面3上を相対的に前進させて切削処理している状態を上から見た図である。切削刃1の前進方向Aと、幅方向Bとがなす角度θ1が20°〜160°の範囲になるように切削刃1を配置して切削刃1を光硬化層3に対して相対的に前進させて切削処理することが好ましく、θ1を60°〜120°とすることが好ましく、θ1を90°とする[図3の(b)]ことがより好ましい。
【0024】
切削刃を光硬化層面上を相対的に前進させるに当たっては、切削刃1を振動させることなく、そのままスライドさせながら前進させてもよいが、図4に示すように、切削刃1をその幅方向Bに振動させながら、光硬化層表面の切削処理を行うと、光硬化層表面の平坦化をより円滑に行うことができる。
その場合の切削刃の振動数は、20kHz以下であることが好ましく、1Hz〜1kHzであることがより好ましい。振動数が大きすぎると、滑りによる発熱が発生して、光硬化層の表面部分の平坦化が困難になる。また、振動時の振幅(振動ストローク)は50mm以下であることが好ましく、0.1〜10mmであることがより好ましい。振動時の振幅が大きすぎると、滑りによる発熱が発生して、光硬化層の表面部分の平坦化が困難になる。
【0025】
光硬化層表面の切削状態を更に図5を用いて説明する。光硬化層3の表面の切削に用いる切削刃1の刃先先端角度θ2は40°以下であることが好ましく、35°以下であることがより好ましい。切削刃1の刃先先端角度θ2が40°を超えると、刃先の先鋭性が失われて光硬化層の表面を切削処理する際に切削される表面部分に無理がかかり、表面の平坦化が行われにくくなる。
そして、切削刃1をその幅W方向に振動させながら光硬化層表面の切削を行う場合は、切削刃1の刃先先端2aだけでなく、幅W方向の両側2b,2cを先鋭化しておくことが好ましい。
【0026】
そして、光硬化層表面を切削する際の光硬化層面と切削刃1の下面のなす角度θ3(図5を参照)は、0°を超え30°以下とすることが好ましく、0°を超え20°以下とすることがより好ましい。光硬化層面と切削刃1の下面のなす角度θ3が0°であると、切削刃1の下面が光硬化層3の表面に接触しながら切削処理が行われることとなるため、切削刃1と光硬化層面との間に摩擦を生じ、光硬化層表面の切削処理が円滑に行われにくくなる。一方、光硬化層面と切削刃1の下面のなす角度θ3が30°を超えると、切削刃1の先端が光硬化層面に突き刺さった状態で切削処理が行われことになり、光硬化層表面を平坦に切削処理することが困難になり易い。
【0027】
さらに、光硬化層表面の切削処理に当たっては、光硬化層面に対する切削刃1のすくい角度θ4(図5を参照)を20°〜80°にすることが好ましく、30°〜60°にすることがより好ましい。切削刃1のすくい角度θ4が20°未満であると切削刃1の先端が光硬化層面に突き刺さった状態で切削処理が行われことになり、光硬化層表面を平坦に切削処理することが困難になり易く、80°を超えると光硬化層表面の切削処理が円滑に進行しにくくなる。
【0028】
光硬化層の表面を切削処理する際の切削刃1の光硬化層面に対する相対的な前進速度(図3におけるA方向の進行速度)は、光硬化層を形成している光硬化樹脂の種類、硬度、切削刃の種類などに応じて調節し得るが、一般には、1〜300mm/secであることが好ましく、5〜100mm/secであることがより好ましい。切削刃の前進速度が1mm/sec未満であると切削処理に時間がかかり、ひいては光造形全体に長い時間を要するようになり易い。一方、切削刃の前進速度が300mm/secを超えると、光硬化層表面の平坦化が円滑に行われにくくなる。
【0029】
そして、光硬化層表面の切削処理に当たっては、光硬化層の最表面から、切削処理を施す光硬化層の厚さの10分の1〜5分の4までの部分を切削処理して除去することが、光硬化層表面を過度に切削し過ぎずに平坦化を行う点から好ましい。通常の光学的立体造形では、1回の光照射によって形成される1層の光硬化層の厚さは、一般に50μm〜500μm程度であるので、1層の光硬化層の厚さを勘案しながら、光硬化層の最表面から5μm〜400μmの深さまで切削処理することが好ましい。切削処理して除去する表面部分の厚さが厚すぎると、目的の光造形物を得るのに長い時間を要するようになり、望ましくない。
【0030】
本発明では、光硬化層表面の切削処理により生じた切削屑が、切削処理の途中や切削処理に続く後の工程(例えば切削処理した光硬化層の表面に液状の光硬化性樹脂組成物を施す工程)の邪魔になったり、その後に用いる液状の光硬化性樹脂組成物中に混入したりして汚さないようにして、寸法精度に優れる光造形物を円滑に製造するために、切削処理により生じた切削屑を吸引除去しながら切削処理を行う。吸引によって切削屑を除去することによって、切削屑による光造形装置の汚染、液状の光硬化性樹脂組成物やそれを充填した造形浴の汚染、光硬化層の汚染などがより円滑に防止できる。
【0031】
本発明では、吸引による切削屑の除去方式として、切削屑の吸引除去手段が切削手段と一緒に移動する、切削手段を切削屑除去用の吸引フードで覆う方式を採用する。当該方式の例としては、図6に示すような方式を挙げることができる。図6のものにおいては、切削手段の少なくとも切削刃1とその近傍を吸引フード4で覆っておき、切削刃1の相対的な前進移動に伴って吸引フード4も一緒に前進移動する。切削手段の切削刃1をその幅方向に振動させながら光硬化層の表面を切削処理するものにあっては、吸引フード4は振動させずに切削手段(切削刃)のみを吸引フード4内で振動させるようにしても、または吸引フード4と切削手段を固着しておき両方を一緒に振動させるようにしてもよいが、吸引フード4を切削刃1の振動領域全体をカバーできる大きさにしておき、吸引フード4を振動させずに切削屑の吸引除去をするようにしておくことが好ましく、それによって装置の構造を簡単なものにでき、しかも切削刃1の振動数や振幅を独自で調節することができる。
【0032】
本発明では、光硬化性樹脂組成物として、光造形に用い得る液状の光硬化性樹脂組成物のいずれもが使用できる。
本発明では、光硬化性樹脂組成物として、光造形において従来から用いられている、例えば、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、エステルアクリレートオリゴマー、多官能エポキシ樹脂などの各種オリゴマー;イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルメタクリレート、ジシクロペタニルアクリレート、ジシクロペタニルメタクリレート、ボルニルアクリレート、ボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、モルホリンアクリルアミド、モルホリンメタクリルアミド、アクリルアミドなどのアクリル系化合物やN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル、スチレンなどの各種の単官能性ビニル化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ポリエステルジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなど多官能性ビニル化合物;水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートなどの各種エポキシ系化合物などの1種または2種以上と、光重合開始剤および必要に応じて増感剤などを含有する液状の光硬化性樹脂組成物を用いることができる。
また、本発明で用いる光硬化性樹脂組成物は、上記した成分以外にも、必要に応じて、レベリング剤、リン酸エステル塩系界面活性剤以外の界面活性剤、有機高分子改質剤、有機可塑剤などを含有していてもよい。
【0033】
本発明で用いる光硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、固体微粒子やウィスカーなどの充填材を含有していてもよい。充填材を含有する光硬化性樹脂組成物を用いると、硬化時の体積収縮の低減による寸法精度の向上、機械的物性や耐熱性の向上などを図ることができる。
充填材として用いる固体微粒子としては、例えば、カーボンブラック微粒子などの無機微粒子、ポリスチレン微粒子、ポリエチレン微粒子、ポリプロピレン微粒子、アクリル樹脂微粒子、合成ゴム微粒子などの有機重合体微粒子などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。固体微粒子の粒径は特に制限されないが、一般的には平均粒径が200μm以下、特に100μm以下のものが好ましく用いられる。
【0034】
また、ウィスカーとしては、径が0.3〜1μm、特に0.3〜0.7μm、長さが10〜70μm、特に20〜50μmおよびアスペクト比が10〜100、特に20〜70μmのものが好ましく用いられる。なお、ここで言うウイスカーの寸法およびアスペクト比は、レーザー回析/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した寸法およびアスペクト比である。ウイスカーの種類は特に制限されず、例えば、ホウ酸アルミニウム系ウイスカー、酸化アルミニウム系ウイスカー、窒化アルミニウム系ウイスカー水、酸化硫酸マグネシウム系ウイスカー、酸化チタン系ウイスカーなどを挙げることができ、前記したウイスカーの1種または2種以上を用いることができる。
【0035】
固体微粒子および/またはウィスカーを含有する光硬化性樹脂組成物を用いる場合は、固体微粒子を光硬化性樹脂組成物の全容量に基づいて5〜70容量%の割合で含有することが好ましく、またウィスカーの含有量を5〜30容量%とすることが好ましい。固体微粒子とウィスカーの両方を含有する場合は、両者の合計含有量が光硬化層の全容量に基づいて10〜75容量%であることが好ましい。
【0036】
固体微粒子および/またはウィスカーは、シランカップリング剤で表面処理されていても表面処理されていなくてもよいが、表面処理されていることが好ましい。固体微粒子および/またはウイスカーがシランカップリング剤で表面処理されている場合には、熱変形温度、曲げ弾性率、機械的強度の一層高い光硬化物を得ることができる。その場合のシランカップリング剤としては、充填剤の表面処理などに従来から用いられているシランカップリング剤のいずれもが使用でき、好ましいシランカップリング剤としては、アミノシラン、エポキシシラン、ビニルシランおよび(メタ)アクリルシランを挙げることができる。
【0037】
上記した工程(i)〜(iv)を行って光造形物を製造するに当たって、工程(i)〜(iv)の全工程または一部の工程において、光硬化層の表面を切削処理して平坦化し、その平坦化した光硬化層の表面に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物を施した後に当該液状の光硬化性樹脂組成物に所定の形状およびパターンで光照射して光硬化層を形成することによって、平坦な表面を有し、寸法精度に優れる立体造形物を、造形途中に光硬化性樹脂組成物の塗布装置の停止などのトラブルを生ずることなく、良好なエネルギー効率および高い光造形速度で円滑に製造することができる。
本発明において、光硬化層の表面の切削処理をも含めて、上記した工程を自動制御方式によって行うようにすると、寸法精度に優れる光学的立体造形を、より高い光造形速度で製造することができる。
【0038】
【実施例】
以下に実施例によって本発明について具体的に説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
【0039】
《実施例1》
(1) 切削手段として、図2の(a)に示す切削刃を持ち、且つ吸引フード で覆われた図6の切削手段を使用した。なお、該切削手段において、切削刃と吸引フードは一体になって前進移動および幅方向への振動を行う。また、切削刃は金属製(工具鋼;SUS420,SK2)であり、その幅方向Wの寸法は220mm、刃先先端角度θ2は30°である。
(2)(a) 液状の光硬化性樹脂組成物(帝人製機株式会社製「TSR1920」)を充填した造形浴を用いて、超高速光造形システム(帝人製機株式会社製「SOLIFORM500」)を使用して、水冷Arレーザー光(出力500mW;波長333,351,364nm)を表面に対して垂直に照射して、照射エネルギー20〜30mJ/cm2の条件下にスライスピッチ(積層厚み)150μm、1層当たりの平均造形時間3分(光硬化層表面の切削処理時間を含まず)で、上記した一連の工程(i)〜(iv)を行った。
(b) 上記(a)における工程(i)〜(iv)の全工程で、1層分の光硬化層が形成されるたびごとに、上記(1)で準備した切削手段を用いて、切削手段の切削刃の前進方向と切削刃の幅方向とがなす角度θ1を90°とし、切削刃を光硬化した樹脂層面上で切削刃の幅方向に振動数120Hzおよび振幅0.8mmで幅方向に振動させながら、光硬化層面と切削刃の下面のなす角度θ3を1°、光硬化層面に対する切削刃のすくい角度θ4を59°にし、切削刃の前進速度を10mm/secとして、光硬化層の最表面から平均で50μmの深さまで切削処理を行って、最終的に、縦×横×高さが100mm×100mm×50mmである直方体状の光造形物を作製した。
(3) 上記(2)で得られた光造形物において、最も高い部分(最も厚い部分)の高さ寸法(厚み寸法)は50.005mmであり、一方最も低い部分(薄い部分)の高さ寸法は(厚み寸法)49.995mmであって、両寸法間の差が10μmと極めて小さく、平坦な表面を有し、且つ高さ(厚み)が立体造形物全体で均一であり、寸法精度に優れるものであった。
【0040】
《比較例1》
(1) 実施例1において、光硬化層の表面の切削処理[上記(2)の(b)の切削処理工程]を行わなかった以外は、実施例1と同様にして光造形を行って、縦×横×高さが100mm×100mm×50mmである直方体状の光造形物を作製した。
(2) 上記(1)で得られた光造形物において、最も高い部分の高さ寸法は50.100mmであり、一方最も低い部分の高さ寸法は50.000mmであって、両寸法間の差が100μmであって、実施例1で得られた立体造形物に比べて、高さ(厚さ)方向の寸法精度が劣っていた。
【0041】
【発明の効果】
本発明の光学的立体造形方法および装置による場合は、平坦な表面を有し、寸法精度、特に高さ方向の寸法精度に優れる光造形物を、光硬化性樹脂組成物の塗布手段の造形途中での停止などのトラブルを生ずることなく、高い光造形速度で円滑に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の自由液面法により得られる光学的立体造形物の表面形状の概略を示す図である。
【図2】本発明で用いる切削手段における切削刃の例を示す図である。
【図3】切削手段の切削刃を光硬化層面上を相対的に前進させて切削処理する状態を上から見た図である。
【図4】切削手段を光硬化層面上を相対的に前進させ且つ切削刃の幅方向に振動させながら光硬化層の表面を切削処理する状態を上から見た図である。
【図5】光硬化層の表面の切削状態を、側面から見た図である。
【図6】切削屑の吸引フードを有する切削手段の例を示す図である。
【符号の説明】
1 切削刃
2a 切削刃の刃先
3 光硬化層
4 吸引フード
Claims (7)
- (i)層状にした液状の光硬化性樹脂組成物の液表面に制御下に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化した樹脂層を形成する工程;
(ii)前記(i)で形成した光硬化した樹脂層の上に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物を施して制御下に当該液状の光硬化性樹脂組成物に光を照射して、該(i)で形成した光硬化した樹脂層上に所定のパターンおよび厚みを有する光硬化した樹脂層を一体に積層形成する工程;および、
(iii)前記(ii)で形成した光硬化した樹脂層の上に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物を施して制御下に当該液状の光硬化性樹脂組成物に光を照射して、該(ii)で形成した光硬化した樹脂層上に所定のパターンおよび厚みを有する光硬化した樹脂層を一体に積層形成する工程を有し;
(iv)目的とする立体造形物が形成されるまで前記(iii)の光硬化した樹脂層の積層形成工程を繰り返すことによって立体造形物を製造する方法であって;
前記(i)〜(iv)の全工程または一部の工程において、光硬化した樹脂層の形成後に、該光硬化した樹脂層面上で光硬化した樹脂層に対して相対的に前進する切削屑除去用の吸引フードで覆った切削手段によって、切削屑を吸引除去しながら光硬化した樹脂層の表面を切削処理して平坦化し、該平坦化した光硬化した樹脂層の表面に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物を施して制御下に当該液状の光硬化性樹脂組成物に光を照射して、光硬化した樹脂層上に所定のパターンおよび厚みを有する光硬化した樹脂層を一体に積層形成する;
ことを特徴とする光学的立体造形物の製造方法。 - 切削手段の切削刃の前進方向と切削刃の幅方向とがなす角度θ1を20°〜160°とし、切削刃を光硬化した樹脂層面上で切削刃の幅方向に振動させながら光硬化した樹脂層に対して相対的に前進させて光硬化した樹脂層の表面を切削処理して平坦化する請求項1に記載の光学的立体造形物の製造方法。
- 切削刃の振動数が20kHz以下および振幅が50mm以下である請求項2に記載の光学的立体造形物の製造方法。
- 刃先先端角度θ2が40°以下の切削刃を用い、光硬化した樹脂層表面を切削する際の光硬化した樹脂層面と切削刃下面のなす角度θ3を0°を超え30°以下とし、且つ光硬化した樹脂層面に対する切削刃のすくい角度θ4を20°〜80°にして光硬化した樹脂層の表面を切削処理して平坦化する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学的立体造形物の製造方法。
- 載置台上または液状の光硬化性樹脂組成物の硬化により形成した光硬化した樹脂層上に、1層分の液状の光硬化性樹脂組成物を順次供給するための液状の光硬化性樹脂組成物の供給手段;
光硬化性樹脂組成物を液状に保ちながら、最終的な立体造形物が形成されるまで、制御下に所定のパターンおよび厚みを有する光硬化した樹脂層の形成・積層を繰り返して行うための光照射装置を備える光造形手段;
光造形の全工程または一部の工程において、切削屑を吸引除去しながら光硬化した樹脂層の表面を切削して平坦化するための切削屑除去用の吸引フードで覆った切削手段;および、
切削手段の切削刃を光硬化した樹脂層面で光硬化した樹脂層に対して相対的に前進させる手段;
を有することを特徴とする光学的立体造形装置。 - 切削刃の前進方向と切削刃の幅方向とがなす角度θ1が20°〜160°であり且つ切削刃の前進時に切削刃をその幅方向に振動させる手段を有する請求項5に記載の光学的立体造形装置。
- 切削刃の刃先先端角度θ2が40°以下である請求項5または6に記載の光学的立体造形装置。
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