JPH0649241B2 - 重畳振動切削方法 - Google Patents
重畳振動切削方法Info
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- JPH0649241B2 JPH0649241B2 JP60280896A JP28089685A JPH0649241B2 JP H0649241 B2 JPH0649241 B2 JP H0649241B2 JP 60280896 A JP60280896 A JP 60280896A JP 28089685 A JP28089685 A JP 28089685A JP H0649241 B2 JPH0649241 B2 JP H0649241B2
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- Japan
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- cutting
- vibration
- force
- frequency
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、切り屑を微細化して切削する重畳振動切削方
法に関する。
法に関する。
(従来の技術) 切削工具を切削方向に振動数f,振動aで振動させ、v
<2πafの切削速度vで切削し、流れ型の連続した切
り屑を生成するパルス切削力波形によって精密切削する
振動切削方法は本出願人が発生し公知である。
<2πafの切削速度vで切削し、流れ型の連続した切
り屑を生成するパルス切削力波形によって精密切削する
振動切削方法は本出願人が発生し公知である。
その後本出願人はさらに切削力を軽減して、超精密切削
を可能とする方法として、上記の連続パルス切削力波形
を規則的に間引きした、断続パルス切削力波形による重
畳振動切削方法を発明した。これは、工具切刃を切削方
向と同方向に可聴波域の低い振動数Fと振幅Aおよび超
音波域の高い振動数fと振幅aで振動させ、V<2πa
fの比較的低い切削速度Vで切削し、断続パルス切削力
波形を作用させて超精密切削するシステムである。
を可能とする方法として、上記の連続パルス切削力波形
を規則的に間引きした、断続パルス切削力波形による重
畳振動切削方法を発明した。これは、工具切刃を切削方
向と同方向に可聴波域の低い振動数Fと振幅Aおよび超
音波域の高い振動数fと振幅aで振動させ、V<2πa
fの比較的低い切削速度Vで切削し、断続パルス切削力
波形を作用させて超精密切削するシステムである。
(発明が解決しようとする問題点) しかし乍ら上記従来技術に於ては、切削抵抗を充分小さ
くすることができず、従って高速切削ができず切削時間
も長くなり、切削能率を向上できないという問題点があ
った。
くすることができず、従って高速切削ができず切削時間
も長くなり、切削能率を向上できないという問題点があ
った。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、前記切削工具を振動させたときの振動速度と
切削速度との関係に着眼してなされたもので、2つの発
明でパルス切削力波形による精密切削方法のすべては究
明・考案され尽されたように考えていたが、その後の研
究によって、切削工具切刃の振動運動軌跡の選定によっ
て切り屑を寸断してパルス切削力波形を発生させて精密
切削する切削システムがあることが究明された。
切削速度との関係に着眼してなされたもので、2つの発
明でパルス切削力波形による精密切削方法のすべては究
明・考案され尽されたように考えていたが、その後の研
究によって、切削工具切刃の振動運動軌跡の選定によっ
て切り屑を寸断してパルス切削力波形を発生させて精密
切削する切削システムがあることが究明された。
すなわち、背分力方向に切削工具刃を超音波域の高い振
動数fと振幅aで振動させ切削工具逃げ面が工作物に接
触しないように、例えば200〜300m/minの速い切
削速度で切削することによって切り屑が細かく寸断さ
れ、パルス切削力波形が作用して精密切削が実現するこ
とが発明された。
動数fと振幅aで振動させ切削工具逃げ面が工作物に接
触しないように、例えば200〜300m/minの速い切
削速度で切削することによって切り屑が細かく寸断さ
れ、パルス切削力波形が作用して精密切削が実現するこ
とが発明された。
さて、超精密切削するためには工作物に作用する切削力
を極力軽減するのが必要条件である。切り屑を微細粉砕
してこの条件を満足させて工夫・考案したのが本発明で
ある。すなわち、切削工具を背分力方向に超音波域の高
い振動数fと振幅aで振幅させ、さらに背分力方向にF
<fの振動数Fと振幅Aの振動姿態を重畳して切削速度
を例えば200〜300m/minで高速切削し、その断続
パルス切削力波形によって精密切削する切り屑を粉砕し
て重畳振動切削する方法と装置を発明した。
を極力軽減するのが必要条件である。切り屑を微細粉砕
してこの条件を満足させて工夫・考案したのが本発明で
ある。すなわち、切削工具を背分力方向に超音波域の高
い振動数fと振幅aで振幅させ、さらに背分力方向にF
<fの振動数Fと振幅Aの振動姿態を重畳して切削速度
を例えば200〜300m/minで高速切削し、その断続
パルス切削力波形によって精密切削する切り屑を粉砕し
て重畳振動切削する方法と装置を発明した。
前述の重畳振動切削における20m/min以下の低い切削
速度と切れ型の連続した切り屑に対して、200〜30
0m/min〜500m/minという速い切削速度を粉状あるい
は針状のバラバラの切り屑を生成して切削する点を特徴
とする切削方法である。
速度と切れ型の連続した切り屑に対して、200〜30
0m/min〜500m/minという速い切削速度を粉状あるい
は針状のバラバラの切り屑を生成して切削する点を特徴
とする切削方法である。
(実施例) 本発明の原理を第1図によって説明する。
第1図は旋削加工における工具−工作物振動系を示す。
この第1図によって背分力によって動きまわる工作物の
挙動がわかり、その解析を進めることによって精密加工
技術を創案することができる。第1図において、ばねk
およびダッシュポットcを考慮する必要のない状態とす
れば表面粗さ0,真円度0,円筒度0という超精
密円筒加工が実現する。実際の工作機械はこのkおよび
cを無視できない状態で組立てられている。その旋盤を
用いて旋削加工するとき第2図(a)のようにP+psinω0
tの切削力波形が作用すると、工作物の背分力方向の変
位xは、ω0≫ωnのとき となり、工作物の時間的変動がなくなり静荷重pのみが
作用したときの静的変位となって精密加工を可能とす
る。この考え方によるのが慣用高速切削である。この第
2図(a)の波形に対して第2図(c)のように、作用時間
tC、周期 のパルス切削力Pが工作物に作用すると、工作物の背分
力方向の変位xは、ω≫ωnのとき となり、工作物の時間的変動がなくなり、静的変位とな
り、しかも第2図(a)のtC/Tにその変位量が激減し、
精密加工を実現させる。これが振動切削である。
この第1図によって背分力によって動きまわる工作物の
挙動がわかり、その解析を進めることによって精密加工
技術を創案することができる。第1図において、ばねk
およびダッシュポットcを考慮する必要のない状態とす
れば表面粗さ0,真円度0,円筒度0という超精
密円筒加工が実現する。実際の工作機械はこのkおよび
cを無視できない状態で組立てられている。その旋盤を
用いて旋削加工するとき第2図(a)のようにP+psinω0
tの切削力波形が作用すると、工作物の背分力方向の変
位xは、ω0≫ωnのとき となり、工作物の時間的変動がなくなり静荷重pのみが
作用したときの静的変位となって精密加工を可能とす
る。この考え方によるのが慣用高速切削である。この第
2図(a)の波形に対して第2図(c)のように、作用時間
tC、周期 のパルス切削力Pが工作物に作用すると、工作物の背分
力方向の変位xは、ω≫ωnのとき となり、工作物の時間的変動がなくなり、静的変位とな
り、しかも第2図(a)のtC/Tにその変位量が激減し、
精密加工を実現させる。これが振動切削である。
この第2図(b)の波形による切削方法に続いて第2図(c)
のように、超音波振動と低周波振動を重畳させ背分力方
向に結果として連続パルス切削力波形を間引きした断続
パルス切削力波形を与えて切削する切削方法を発明し
た。
のように、超音波振動と低周波振動を重畳させ背分力方
向に結果として連続パルス切削力波形を間引きした断続
パルス切削力波形を与えて切削する切削方法を発明し
た。
第2図(c)はω″<ωnの場合に多く生ずる。工作物の挙
動は第3図のようになる。工作物は図示のように揺れ動
くが、工具刃先は工作物が零点付近においてのみ接触
し、あたかも工作物が静止しているときとほぼ同じ状態
のときに切り屑を生成する切削機構となる。このときの
切削力 であるため、F・Aのみとして振動切削してpを直接作
用させたときのtC/Tにその変位量が減少し超精密加工
を可能とする。
動は第3図のようになる。工作物は図示のように揺れ動
くが、工具刃先は工作物が零点付近においてのみ接触
し、あたかも工作物が静止しているときとほぼ同じ状態
のときに切り屑を生成する切削機構となる。このときの
切削力 であるため、F・Aのみとして振動切削してpを直接作
用させたときのtC/Tにその変位量が減少し超精密加工
を可能とする。
以下、図示した実施例に基づいて具体的に説明する。第
4図、第5図に於てバイトシャンク1は振動子4および
ホーン5による励振振動数20KHzで縦振動し、締付金
具11,12でそのノードを利用して固定し、締付ボル
ト13でバイトホルダ10に固定する。その先端に取付
けられたバイトチップ2は矢印3の方向即ち背分力方向
に振動数f,振幅aで超音波振動する。そして、ホーン
5のノード端面にバイトホルダ10への取付板6を固定
し、この縦振動系バイトをバイトホルダに固定する。バ
イトホルダ10は、球あるいはころ9で摩擦少く旋盤往
復台7上に取りつけた案内面8上を摺動することができ
る。旋盤往復台上には、制御装置18によって駆動され
るサーボ弁17および油圧装置19によって駆動される
アクチュエータ16よりなる電気−油圧装置を取付け
る。バイトホルダ10と電気−油圧装置とを連結し、電
気−油圧装置を駆動することによって、バイト刃先先端
を正弦波形で振動数Fを例えば100Hz、振幅Aを例え
ば片振幅0.1mmで矢印20の方向即ち背分力方向に振動
させることができる。
4図、第5図に於てバイトシャンク1は振動子4および
ホーン5による励振振動数20KHzで縦振動し、締付金
具11,12でそのノードを利用して固定し、締付ボル
ト13でバイトホルダ10に固定する。その先端に取付
けられたバイトチップ2は矢印3の方向即ち背分力方向
に振動数f,振幅aで超音波振動する。そして、ホーン
5のノード端面にバイトホルダ10への取付板6を固定
し、この縦振動系バイトをバイトホルダに固定する。バ
イトホルダ10は、球あるいはころ9で摩擦少く旋盤往
復台7上に取りつけた案内面8上を摺動することができ
る。旋盤往復台上には、制御装置18によって駆動され
るサーボ弁17および油圧装置19によって駆動される
アクチュエータ16よりなる電気−油圧装置を取付け
る。バイトホルダ10と電気−油圧装置とを連結し、電
気−油圧装置を駆動することによって、バイト刃先先端
を正弦波形で振動数Fを例えば100Hz、振幅Aを例え
ば片振幅0.1mmで矢印20の方向即ち背分力方向に振動
させることができる。
一方、振動数f=20KHzの振幅aに対しては超音波発
振機15を操作して最高片振幅30μmが得られる。こ
のようにしてバイトシャンクをその軸方向にバイト刃先
の振動姿態が振動数f,振幅aおよび振動数F,振幅A
となるように重畳振動させ、送りS22を与えて、旋盤
主軸チャックに取り付けられて高速回転する切削速度v
の工作物21を振動切削する。
振機15を操作して最高片振幅30μmが得られる。こ
のようにしてバイトシャンクをその軸方向にバイト刃先
の振動姿態が振動数f,振幅aおよび振動数F,振幅A
となるように重畳振動させ、送りS22を与えて、旋盤
主軸チャックに取り付けられて高速回転する切削速度v
の工作物21を振動切削する。
第6図はそのときの切削部における回転中心軸に対する
軸直角断面を示す図である。図示のように微細凸凹面の
切削面となる。これを平面展開した図が第7図である。
図においてA=0,a=0の慣用切削のときの切刃の運
動軌跡は▲▼′の直線を示す。F・Aのみの場合に
は曲線ABCDを示し、工作物が一回転すると、切刃は
Sだけ進み、曲線A′B′C′D′に移動し、斜線で示
した面積AA′BB′に相当する部分をバイトの振動1
サイクルの周期1/Fの1/2の時間で切り屑として生
成する。これにf,aを重畳して切削するときは、面積
AA′BB′を微少面積abcd群で細分割してこれを
切り屑として生成する切削機構となる。
軸直角断面を示す図である。図示のように微細凸凹面の
切削面となる。これを平面展開した図が第7図である。
図においてA=0,a=0の慣用切削のときの切刃の運
動軌跡は▲▼′の直線を示す。F・Aのみの場合に
は曲線ABCDを示し、工作物が一回転すると、切刃は
Sだけ進み、曲線A′B′C′D′に移動し、斜線で示
した面積AA′BB′に相当する部分をバイトの振動1
サイクルの周期1/Fの1/2の時間で切り屑として生
成する。これにf,aを重畳して切削するときは、面積
AA′BB′を微少面積abcd群で細分割してこれを
切り屑として生成する切削機構となる。
すなわち、慣用切削では▲▼′と距離Sの平行な直
線 との間の面積00′0101′に相当する部分を連続して
一様に切削することに対して、F・Aの振動切削では断
続する面積AA′BB′に分割し、(F・A)+(f・
a)の振動切削ではこの面積AA′BB′を微少面積a
bcdに小刻みに細分割して切削することを特徴とす
る。このとき微少面積abcdの切削時間tCはT=1/
fの1/2の時間となる。パルス切削力をPとして本発
明における断続パルス切削力波形23を図示すると、第
8図のようになる。
線 との間の面積00′0101′に相当する部分を連続して
一様に切削することに対して、F・Aの振動切削では断
続する面積AA′BB′に分割し、(F・A)+(f・
a)の振動切削ではこの面積AA′BB′を微少面積a
bcdに小刻みに細分割して切削することを特徴とす
る。このとき微少面積abcdの切削時間tCはT=1/
fの1/2の時間となる。パルス切削力をPとして本発
明における断続パルス切削力波形23を図示すると、第
8図のようになる。
すなわち、それぞれの切削時間と周期は となる。前述した切削力P″は となってF・Aのみの振動切削のときの1/2にその変
位量が減少することなる。このとき、 という極めて短い切削時間で小刻みに切削すると、パル
ス切削力Pそのものの値が振動系の特性と等価的に摩擦
抵抗が激減することなどの理由によって激減するため、
実際にはF・Aのみのときに比べて1/2〜1/5程度
に工作物の変位量が激減し、超精密加工を可能とする。
位量が減少することなる。このとき、 という極めて短い切削時間で小刻みに切削すると、パル
ス切削力Pそのものの値が振動系の特性と等価的に摩擦
抵抗が激減することなどの理由によって激減するため、
実際にはF・Aのみのときに比べて1/2〜1/5程度
に工作物の変位量が激減し、超精密加工を可能とする。
本発明の他の実施例を上述の縦振動系バイトによるシス
テムに代って曲げ振動系バイトによる切削システムを第
9図に示して説明する。
テムに代って曲げ振動系バイトによる切削システムを第
9図に示して説明する。
バイトシャンク25は超音波発振機33によって励振さ
れる、縦振動子29およびホーン28によって励振振動
数20KHzで超音波振動する。高次の曲げ振動姿態を示
すシャンクの先端端面に取りつけた切刃チップ26は矢
印38の方向に超音波振動する。この曲げ振動バイトシ
ャンクを該シャンクに生ずるノード群のなかの2個所を
利用してコ型金具27によってバイトホルダ32に締付
ボルト31を用いて固定する。このバイトホルダに制御
装置37によって駆動されるサーボ弁35および油圧装
置36によって駆動されるアクチュエータ34よりなり
電気−油圧装置を連結する。この装置を旋盤往復台上に
取り付けることによって、矢印30の方向即ち背分力方
向にバイト刃先を振動数f,振幅a38の振動数Fおよ
び振幅A39を重畳させて振動させることができる。工
作物40を旋盤主軸にチャックして切削速度v41で回
転させて、これを上述の装置で切削する切削システムに
よって本発明を実施することができる。
れる、縦振動子29およびホーン28によって励振振動
数20KHzで超音波振動する。高次の曲げ振動姿態を示
すシャンクの先端端面に取りつけた切刃チップ26は矢
印38の方向に超音波振動する。この曲げ振動バイトシ
ャンクを該シャンクに生ずるノード群のなかの2個所を
利用してコ型金具27によってバイトホルダ32に締付
ボルト31を用いて固定する。このバイトホルダに制御
装置37によって駆動されるサーボ弁35および油圧装
置36によって駆動されるアクチュエータ34よりなり
電気−油圧装置を連結する。この装置を旋盤往復台上に
取り付けることによって、矢印30の方向即ち背分力方
向にバイト刃先を振動数f,振幅a38の振動数Fおよ
び振幅A39を重畳させて振動させることができる。工
作物40を旋盤主軸にチャックして切削速度v41で回
転させて、これを上述の装置で切削する切削システムに
よって本発明を実施することができる。
第10図は切刃直角断面図を示すもので、本発明に使用
するバイトは第6図と同様に逃げ角βを大きくとり、そ
れにともなう刃先機械的強度の低下を防ぐために負のす
くい角αを特に設けて図示のような刃先形状のバイトを
使用することも本発明の実施上の特徴である。
するバイトは第6図と同様に逃げ角βを大きくとり、そ
れにともなう刃先機械的強度の低下を防ぐために負のす
くい角αを特に設けて図示のような刃先形状のバイトを
使用することも本発明の実施上の特徴である。
以上は第2図(c)のときのω>ω″,ω″<ωnの場合の
実施例について説明した。
実施例について説明した。
(効 果) 第4図の場合、α=30゜,β=45゜の超硬チップを
先端に設けたバイトシャンクをバイトシャンクの軸方向
即ち背分力方向に振動数f=21.7KHz,振幅a=16μ
mで超音波縦振動させ、ステンレス鋼SUS304、直
径40mm、長さ100mmの工作物を旋盤主軸回転数15
00r.p.mで回転させ、その背分力方向の超音波振動と
なるようにその刃先とセンタバイトとを一致させて第5
図のように取付け、これを電気−油圧装置を利用して背
分力方向に振動数F=50Hz,振幅A=0.2mmで低周波
振動させて、切削速度200m/minで回転するステンレ
ス鋼工作物を送り0.05mm/rev,切込み0.5mm,水溶性切
削油剤を使用する切削条件で切削することによって、そ
の切削抵抗は普通切削の約1/5〜1/10に激減し、
普通切削では連続する切り屑が針状のばらばらな切り屑
にその形状が変化して、さらに高温に加熱されないため
に酸化変色がなく、ばりも少いので切り屑の処理が用意
となり、一方、工具寿命も2倍以上延び、また、設定ど
おりの切込みとなり、真円度、円筒度も向上し、加工時
間を著しく短縮して超精密円筒加工を可能ならしめると
いう画期的効果をうることに成功した。
先端に設けたバイトシャンクをバイトシャンクの軸方向
即ち背分力方向に振動数f=21.7KHz,振幅a=16μ
mで超音波縦振動させ、ステンレス鋼SUS304、直
径40mm、長さ100mmの工作物を旋盤主軸回転数15
00r.p.mで回転させ、その背分力方向の超音波振動と
なるようにその刃先とセンタバイトとを一致させて第5
図のように取付け、これを電気−油圧装置を利用して背
分力方向に振動数F=50Hz,振幅A=0.2mmで低周波
振動させて、切削速度200m/minで回転するステンレ
ス鋼工作物を送り0.05mm/rev,切込み0.5mm,水溶性切
削油剤を使用する切削条件で切削することによって、そ
の切削抵抗は普通切削の約1/5〜1/10に激減し、
普通切削では連続する切り屑が針状のばらばらな切り屑
にその形状が変化して、さらに高温に加熱されないため
に酸化変色がなく、ばりも少いので切り屑の処理が用意
となり、一方、工具寿命も2倍以上延び、また、設定ど
おりの切込みとなり、真円度、円筒度も向上し、加工時
間を著しく短縮して超精密円筒加工を可能ならしめると
いう画期的効果をうることに成功した。
また、一方、最近の新しい素材で難削材の強化プラスチ
ック材やセラミックスの精密円筒加工をも可能とする画
期的効果も得られる。
ック材やセラミックスの精密円筒加工をも可能とする画
期的効果も得られる。
以上説明したように、切削速度v/2πafとして制限
があって高速切削ができなかった従来の振動切削に比べ
て本発明は200m/min〜300m/min〜500m/minと
いう高速切削を可能にし、パルス切削力波形を作用させ
て精密切削を可能ならしめ、切削時間を短縮して切削能
率を向上させることができるという効果を有するもので
ある。
があって高速切削ができなかった従来の振動切削に比べ
て本発明は200m/min〜300m/min〜500m/minと
いう高速切削を可能にし、パルス切削力波形を作用させ
て精密切削を可能ならしめ、切削時間を短縮して切削能
率を向上させることができるという効果を有するもので
ある。
第1図は旋削加工におけるバイト−工作物振動系のモデ
ル図、第2図は普通切削の切削力波形と従来の振動切削
のときの連続パルス切削力波形と本発明の実施によって
発生する断続パルス切削力波形を示す図、第3図は断続
パルス切削力波形が作用したときの工作物の変位を示す
図、第4図は本発明を旋削に実施するときの装置の上面
図、第5図は該装置のバイトシャンク方向の断面側面
図、第6図は本発明を実施して切削中の切刃を含む工作
物軸直角方向断面図、第7図は本発明の実施による切刃
の運動軌跡を示し、振動1サイクルで工作物を小刻みに
切削して切り屑を寸断微粉化して切削し第2図(c)に
示した断続パルス切削力波形を作用させて高速切削する
状態を説明する図、第8図はそのときの断続パルス切削
力波形を示す図、第9図は曲げ振動系バイトで本発明を
実施するときの装置の平面図、第10図はそのときの切
削面の状態を説明するために示す切刃に直角方向の断面
図である。 1……縦超音波振動系バイト 3……背分力方向超音波振動f,a 15……20kHz超音波発振機 20……背分力方向低周波振動F,A 23……断続パルス切削力波形 25……曲げ振動系バイト 33……60KHz超音波発振機 41……高速切削速度
ル図、第2図は普通切削の切削力波形と従来の振動切削
のときの連続パルス切削力波形と本発明の実施によって
発生する断続パルス切削力波形を示す図、第3図は断続
パルス切削力波形が作用したときの工作物の変位を示す
図、第4図は本発明を旋削に実施するときの装置の上面
図、第5図は該装置のバイトシャンク方向の断面側面
図、第6図は本発明を実施して切削中の切刃を含む工作
物軸直角方向断面図、第7図は本発明の実施による切刃
の運動軌跡を示し、振動1サイクルで工作物を小刻みに
切削して切り屑を寸断微粉化して切削し第2図(c)に
示した断続パルス切削力波形を作用させて高速切削する
状態を説明する図、第8図はそのときの断続パルス切削
力波形を示す図、第9図は曲げ振動系バイトで本発明を
実施するときの装置の平面図、第10図はそのときの切
削面の状態を説明するために示す切刃に直角方向の断面
図である。 1……縦超音波振動系バイト 3……背分力方向超音波振動f,a 15……20kHz超音波発振機 20……背分力方向低周波振動F,A 23……断続パルス切削力波形 25……曲げ振動系バイト 33……60KHz超音波発振機 41……高速切削速度
Claims (1)
- 【請求項1】切削工具を背分力方向に超音波域の高い振
動数で振動させ、更に超音波振動と低周波振動を重畳さ
せ、背分力方向に結果として連続パルス切削力波形を間
引きした断続パルス切削力波形を与えて切削し、切り屑
を寸断微細化する如くなした重畳振動切削方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60280896A JPH0649241B2 (ja) | 1985-12-16 | 1985-12-16 | 重畳振動切削方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60280896A JPH0649241B2 (ja) | 1985-12-16 | 1985-12-16 | 重畳振動切削方法 |
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JPS62140701A JPS62140701A (ja) | 1987-06-24 |
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Family
ID=17631450
Family Applications (1)
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JP60280896A Expired - Lifetime JPH0649241B2 (ja) | 1985-12-16 | 1985-12-16 | 重畳振動切削方法 |
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-
1985
- 1985-12-16 JP JP60280896A patent/JPH0649241B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
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隈部淳一郎「精密加工振動切削」昭和54年2月20日実教出版株式会社発行16〜49頁 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62140701A (ja) | 1987-06-24 |
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