JP3599054B2 - 三次元形状造形物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は粉末材料を光ビームで焼結硬化させることで三次元形状造形物を製造する三次元形状造形物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光造形法として知られている三次元形状造形物の製造方法がある。特許第2620353号(特許文献1)などに示された該製造方法は、無機質あるいは有機質の粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結することで焼結層を形成し、この焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して該粉末層の所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結することで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成するということを繰り返すことで、複数の焼結層が積層一体化された粉末焼結部品(三次元形状造形物)を作製するものであり、三次元形状造形物の設計データ(CADデータ)であるモデルを所望の層厚みにスライスして生成する各層の断面形状データをもとに光ビームを照射することから、マシニングセンターのような装置が無くとも任意形状の三次元形状造形物を製造することができるほか、切削加工などによる製造方法に比して、迅速に所望の形状の造形物を得ることができる。
【0003】
ところで、光ビームを照射して焼結硬化させた部分の周囲には伝達された熱が原因となって不要な粉末が付着するものであり、該付着粉末は密度の低い表面層を造形物に形成してしまう。この密度の低い表面層を除去して滑らかな表面の三次元形状造形物を得るために、本出願人は特願2000−306546において、焼結層の形成後にそれまでに作製した造形物の表面部及びまたは不要部分の除去を行う工程を複数回の焼結層の作製工程中に挿入することを提案した。この場合、焼結層の作製と造形物の表面部及びまたは不要部分の除去を繰り返し行うことで、ドリル長などの制約を受けることなく表面を仕上げることができる。
【0004】
【特許文献1】
特許第2620353号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記除去工程を挿入した場合、次の新たな問題が生じる。すなわち、除去に際して生じた屑(切削屑)が焼結層や粉末層の最上層の表面上に飛散してしまうために、無機質または有機質の粉末材料を供給してブレードでならすことで次の粉末層を形成する時、屑がブレードに引っかかり、ブレードをスムーズに動かせないことが生じるだけでなく、次の粉末層の中に粉末層の厚みよりも大きな屑が残ってしまって、次の焼結層が望んでいるものと異なったものとなってしまうことがある。
【0006】
また、焼結及び切削除去を行うためのステージへの粉末材料の供給は、ステージ近傍に配された粉末供給タンクの上面開口部から溢れさせた粉末材料を上記ブレードでステージ側に送り込むことでなされている場合、飛散した屑が粉末供給タンク側に入って、次にステージ側へ供給する粉末材料が屑入りのものとなってしまうことがある。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは挿入した除去工程で生じた屑の影響を受けることなく求める三次元形状造形物を確実に得ることができる三次元形状造形物の製造方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明は、無機質あるいは有機質の粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結させて焼結層を形成し、この焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結させることで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成することを繰り返すとともに、焼結層の形成後にそれまでに作製した造形物の表面部及びまたは不要部分の切削除去を行う工程を複数回の焼結層の作製工程中に挿入して所要の三次元形状造形物の造形を行うにあたり、切削除去工程直前に切削屑除去のための粉末層を一層形成し、切削除去工程直後に粉末層最上部を所要の厚みで除去することで切削屑の除去を行うことに特徴を有している。
【0010】
切削除去工程で生じた切削屑を除去してから次の粉末層の形成及び焼結を行うものであり、しかも切削屑の除去は、切削除去工程直前に切削屑除去のための粉末層を一層形成し、切削除去工程直後に粉末層最上部を所要の厚みで除去することで行うために、切削除去工程に際して生じた切削屑は、この切削屑除去のために直前に設けた粉末層の上に載り、この粉末層ごと切削屑の除去がなされることから、切削屑が粉末層内に一部が入り込んでいる場合も確実に切削屑の除去を行うことができる。
【0011】
また、上記の切削除去工程直後の粉末層最上部を所要の厚みで除去するにあたっては、粉末材料の供給のための粉末供給タンクの最上部の粉末を同時に除去するようにしてもよい。粉末供給タンクまで切削屑が飛散していても、これを同時に除去することができる。
【0012】
粉末材料の供給のための粉末供給タンクと、焼結及び切削除去を行うためのステージとの間にエアカーテンを配置したり、粉末材料の供給のための粉末供給タンクと、焼結及び切削除去を行うためのステージとの間に開閉自在な遮蔽板を配置したりすることも好ましい。粉末供給タンク側に切削屑が飛散することを防ぐことができる。この遮蔽板としては、アコーデオンカーテンやロールカーテンを好適に用いることができるが、粉末供給タンクの開口部を開閉する蓋を設けて、この蓋を遮蔽板としてもよい。また、粉末供給タンクから焼結及び切削除去を行うためのステージに粉末材料を移行させるブレードを遮蔽板として用いると、別途遮蔽板を用意しなくても済むものとなる。
【0013】
切削除去工程の間、粉末材料の供給のための粉末供給タンクを、焼結及び切削除去を行うためのステージから遠ざける駆動機構を備えたものとして、屑が飛散しても粉末供給タンクにまで届くことがないようにしたり、切削除去工程の間、粉末供給タンクをその上面開口部が焼結及び切削除去を行うためのステージより上方に位置するところまで移動させる駆動機構を備えたものとして、飛散した屑が粉末供給タンクの開口内に入ることがないようにしてもよい。
【0014】
そして、切削屑を含んだ粉末材料と、切削屑を含んでいない過剰粉末材料とを別個の容器に保管することで、粉末材料の再利用にあたって切削屑を取り除く手間が不要となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明を実施の形態の一例に基づいて詳述すると、図17は光造形による三次元形状造形物の製造装置を示しており、造形用のステージ上、つまり造形タンク25で外周が囲まれた空間内を上下に昇降する昇降テーブル20上に供給した無機質あるいは有機質の粉末材料をスキージング用ブレード21でならすことで所定厚みΔt1の粉末層10を形成する粉末層形成手段2と、レーザー発振器30から出力されたレーザーをガルバノミラー31等のスキャン光学系を介して上記粉末層10に照射することで粉末を焼結して焼結層11を形成する焼結層形成手段3とを備えるとともに、上記粉末層形成手段2のベース部にXY駆動機構(高速化の点で直動リニアモータ駆動のものが好ましい)40を介してミーリングヘッド41を設けた切削除去手段4を備えている。
【0016】
このものにおける三次元形状造形物の製造は、図18を参照して説明すると、昇降テーブル20上面の造形用ベース22表面に粉末材料を供給してブレード21でならすことで第1層目の粉末層10を形成し、この粉末層10の硬化させたい箇所に光ビーム(レーザー)Lを照射して粉末を焼結させてベース22と一体化した焼結層11を形成する。
【0017】
この後、昇降テーブル20を少し下げて再度粉末材料を供給してブレード21でならすことで第2層目の粉末層10を形成し、この粉末層10の硬化させたい箇所に光ビーム(レーザー)Lを照射して粉末を焼結させて下層の焼結層11と一体化した焼結層11を形成するものであり、昇降テーブル20を下降させて新たな粉末層10を形成し、光ビームを照射して所要箇所を焼結層11とする工程を繰り返すことで、目的とする三次元形状造形物を製造する。
【0018】
光ビームの照射経路は、予め三次元CADデータから作成しておく。すなわち、従来のものと同様に、三次元CADモデルから生成したSTLデータを等ピッチ(たとえば0.05mm)でスライスした各断面の輪郭形状データを用いる。この時、三次元形状造形物の少なくとも最表面が高密度(気孔率5%以下)となるように焼結させることができるように光ビームの照射を行うのが好ましい。
【0019】
そして、上記粉末層10を形成しては光ビームを照射して焼結層11を形成するということを繰り返していくのであるが、焼結層11の全厚みがたとえば切削除去手段4におけるミーリングヘッド41の工具長さなどから求めた所要の値になれば、いったん切削除去手段4を作動させてそれまでに造形した造形物の表面部を切削する。たとえば、ミーリングヘッド41(ボールエンドミル)が直径1mm、有効刃長3mmで深さ3mmの切削加工が可能であり、粉末層10の厚みΔt1が0.05mmであるならば、60層の焼結層11を形成した時点で、切削除去手段4を作動させる。
【0020】
切削除去手段4による切削加工により、造形物の表面に付着した粉末による低密度表面層を除去するものであり、この時、高密度部まで削り込むことによって造形物表面に高密度部を全面的に露出させるようにしてもよく、この場合は所望の形状よりも焼結層11が少し大きくなるようにしておく。切削除去手段4による切削加工経路は、光ビームの照射経路と同様に予め三次元CADデータから作成する。
【0021】
そして上記切削除去手段4による切削除去を行った後は、再度粉末層10の形成並びに焼結層11の形成を繰り返すのであるが、ここでは切削除去工程の直後に切削屑除去手段による切削屑除去工程を挿入している。図1は切削屑除去手段の一例を示すもので、ブレード21と同様に粉末材料を収めた粉末供給タンク23の直上から造形タンク25の上方を経て粉末回収部7に至る経路を往復動自在とした吸引装置75を設けている。
【0022】
また、ここでは粉末回収部7に過剰供給された粉末材料の回収用の回収部71と切削屑を含む粉末材料の回収用の回収部72とを設けており、両回収部71,72の回収口はスライド駆動される蓋73で選択的に開閉自在とされている。尚、両回収部71,72の位置は逆でも良い。
【0023】
そして、切削除去手段4による切削加工で切削除去がなされたならば、次の粉末層10の形成の前に上記吸引装置75が吸引動作を行いながら粉末供給タンク23の直上から造形タンク25の上方を経て粉末回収部7まで移動することで、切削除去に際して生じるとともに造形タンク25の表面に飛散している切削屑9の吸引除去を行うものであり、そして粉末回収部7における回収部72の直上で吸引した切削屑9(と粉末)を回収部72に送る。この時、蓋73は回収部71を閉じている。
【0024】
このようにして切削屑の除去がなされたならば、粉末供給タンク23の底部が一段上昇し、ブレード21が粉末供給タンク23内の粉末材料の最上層部を造形タンク25側に送り込むとともにならすことで、造形タンク25上に新たな粉末層10を形成し、更には余剰の粉末材料を回収部71に送る。この時、回収部72の回収口が蓋73で閉じられている。
【0025】
造形タンク25の粉末層10及び焼結層11の最上層にある切削屑の除去は、図2に示すように、柔らかい刷毛76による掃き掃除で行ってもよく、また切削屑が磁性を持つものである場合、図3に示すように、マグネットローラ77で行ってもよい。図3中の78はマグネットローラ77の表面に付着した切削屑や粉末を掻き落とすためのスクレーパで、常時はマグネットローラ77から離れているが、回収部72にマグネットローラ77が至った時、マグネットローラ77表面に接触してマグネットローラ77の表面に付着している屑や粉末を掻き落とす。なお、マグネットローラ77は必要な時だけ磁力を発揮させることができる電磁石で構成されたものが好適である。
【0026】
ところで、切削除去手段4による切削加工で生じた切削屑が粉末供給タンク23にまで飛散すると、粉末層10の形成のために造形タンク25上にブレード21によって送り込まれる粉末の中に切削屑が混入することになる虞があり、これを防ぐために上記の各例では粉末供給タンク23上に飛散した切削屑も除去できるように、切削屑除去手段の可動範囲を設定しているのであるが、図4に示すように、粉末供給タンク23と造形タンク25との間にエアーカーテン80を設けたり、図5に示すように、粉末供給タンク23と造形タンク25との間を仕切る遮蔽板81を設けている場合は、切削屑が粉末供給タンク23側にまで飛散することがないために、切削屑除去手段の可動範囲を小さくすることができる。尚、エアーカーテン80は切削除去工程の間だけ作動し、遮蔽板81も切削除去工程の間だけ上記の場所に位置するものとしておく。
【0027】
この遮蔽板81として、図6に示すように上下もしくは左右に屈曲伸展する電動型のアコーデオンカーテンや、図7に示すように、上下もしくは左右に開閉される電動型のロールスクリーンを用いた場合、ブレード21を通過させるために開いた時の遮蔽板81の退去スペースをさほど必要とせず、装置全体が大型化してしまうことを防ぐことができる。なお、図中のCは屑の飛散範囲、Dは遮蔽板81で飛散が防止されているエリアを示している。
【0028】
また、図8に示すように、粉末供給タンク2の上面開口をスライド開閉する蓋で遮蔽板81を構成するようにしてもよい。
【0029】
ところで、ブレード21は通常時、粉末供給タンク23における造形タンク25と反対側のところに位置しているが、切削除去工程の間だけ、図9に示すように、粉末供給タンク23と造形タンク25との間のところに位置するようにしてもよい。この場合、ブレード21を上記の遮蔽板81として用いることになるものであり、別途遮蔽板81を用意しなくても済むことになる。
【0030】
図10に示すように、粉末供給工程の間は粉末供給タンク23を造形タンク25の近傍に配置してブレード21による粉末供給を容易に行うことができるようにしておき、切削除去工程の際には粉末供給タンク23を切削屑9の飛散範囲よりも遠くに移動させておくようにしたり、図11に示すように、粉末供給タンク23全体を上下動させる駆動機構を用意し、粉末供給工程の間は粉末供給タンク23上面を造形タンク25上面と同じ高さに配置してブレード21による粉末供給を容易に行うことができるようにしておき、切削除去工程の際には粉末供給タンク23を切削屑9の飛散高さHaよりも高い高さH2まで粉末供給タンク23全体を上方へ移動させるようにしてもよい。
【0031】
図12に別の例を示す。これは粉末層10の形成のためのブレード21を切削屑の除去にも用いることで、別途除去手段を設けなくても切削屑の除去を行うことができるようにしたものであり、この場合、切削除去手段4による切削除去工程の直前に、図12(a)に示すように、切削屑除去のための粉末層10’を一層形成する。この粉末層10’の厚みは通常の粉末層10の厚みよりも厚いことが好ましいが、粉末層10の厚みと同じであっても、薄くなっていてもよい。
【0032】
このように粉末層10’で既に形成した造形物を被覆した状態で切削除去手段4による切削除去を行った場合、図12(b)に示すように、切削屑9は粉末層10’上に飛散することになる。
【0033】
そして切削除去が終了すれば、昇降テーブル20を少し上昇させた状態でブレード21を動かすことで、造形タンク25における粉末層10’(と粉末層10)の最上層を所定の厚みで掻き取って切削屑9を回収部72に回収するのである。この時、図12(c)に粉末供給タンク23における粉末材料も一段上昇させておけば、切削屑9が粉末供給タンク23側まで飛散していても、この切削屑9を同時に除去することができる。
【0034】
なお、切削屑9が粉末供給タンク23側にまで飛散してしまうことを防ぐ前記エアーカーテン80や遮蔽板81を設けることは本実施形態においても有効である。
【0035】
ところで、上記の各例では、切削屑9が含まれない粉末の回収用である回収部71と、切削屑9を含んだ粉末の回収用である回収部72とで粉末回収部7を構成し、回収部71に回収された粉末はただちに再利用ができるようにしたものを示したが、粉末回収部7は図13に示すように一つの回収部70を備えただけのものとしてもよい。ただし、その回収口には粉末材料と切削屑9との分離用のメッシュ状フィルター74を配しておくことが好ましく、特に図14に示すようにメッシュ状フィルター74に微小振動を与えることができるようにしておくと、上記分離を高速に行うことができる。
【0036】
また上記フィルター74は、図15に示すように、その両端を回転ローラ85に巻き付けておくとともに、複数のガイドローラ86で回収部70と切削屑専用の回収部79の両者に跨るように配置しておき、回転ローラ85の回転によるフィルター74の移動でフィルター74上に溜まった切削屑9を切削屑専用の回収部79に送り込むとともにフィルター74の自動クリーニングを行うことができるようにしておくのも好ましい。この時、上記ガイドローラ86を振動させるようにしておくと、粉末と切削屑9との分離を高速に行うことができる。
【0037】
図16に他例を示す。これは粉末供給タンク23と造形タンク25との間に回収部74を設けたもので、該回収部74はその粉末供給タンク23側に傾斜面87を備えるとともに、傾斜面87との間にフィルター74が配設されている。
【0038】
粉末供給タンク23の粉末上に切削屑9が飛散しても、切削除去工程の直後に行われる切削屑除去工程において、ブレード21が粉末供給タンク23の粉末上の切削屑9を粉末とともに傾斜面87に送り込むものであり、そしてフィルター74を通って回収部73に入った粉末は、回収部74の底部に配した昇降テーブルの上昇とブレード21の駆動で造形ステージに粉末層10を形成するのに、あるいは粉末層10’を形成するのに利用される。図中89は切削除去工程の際に回収部74の上面開口を閉じている蓋である。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、無機質あるいは有機質の粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結させて焼結層を形成し、この焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結させることで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成することを繰り返すとともに、焼結層の形成後にそれまでに作製した造形物の表面部及びまたは不要部分の切削除去を行う工程を複数回の焼結層の作製工程中に挿入して所要の三次元形状造形物の造形を行うにあたり、切削除去工程直前に切削屑除去のための粉末層を一層形成し、切削除去工程直後に粉末層最上部を所要の厚みで除去することで切削屑の除去を行うために、切削除去工程の次の粉末層の形成時には、切削屑が除去されているものであり、従って切削屑が造形に影響を及ぼすことがないものである。
【0040】
しかも切削除去工程直前に切削屑除去のための粉末層を一層形成し、切削除去工程直後に粉末層最上部を所要の厚みで除去することで上記切削屑の除去を行っていることから、切削除去工程に際して生じた切削屑は、この切削屑除去のために直前に設けた粉末層の上に載て、この粉末層ごと除去されるものであり、従って切削屑の一部が粉末層内に入り込んでいる場合も確実に切削屑の除去を行うことができる。
【0041】
また、上記の切削除去工程直後の粉末層最上部を所要の厚みで除去するにあたり、粉末材料の供給のための粉末供給タンクの最上部の粉末を同時に除去すると、粉末供給タンクまで切削屑が飛散していても、これを同時に除去することができる。
【0042】
粉末材料の供給のための粉末供給タンクと、焼結及び切削除去を行うためのステージとの間にエアカーテンを配置したり、粉末材料の供給のための粉末供給タンクと、焼結及び切削除去を行うためのステージとの間に開閉自在な遮蔽板を配置したりした場合には、粉末供給タンク側に切削屑が飛散することを防ぐことができるために、切削屑の除去を粉末供給タンクに対しても行う必要がなくなる。
【0043】
上記遮蔽板としては、アコーデオンカーテンやロールカーテンを用いと、遮蔽板の退去スペースが不要となるために装置全体の大型化を招くことなく遮蔽板の設置を行うことができる。
【0044】
また、粉末供給タンクの開口部を開閉する蓋を設けて、この蓋を遮蔽板としてもよく、この時には粉末供給タンクへの切削屑の混入を確実に防ぐことができる。
【0045】
また、上記遮蔽板として、粉末材料の供給のための粉末供給タンクから焼結及び切削除去を行うためのステージに粉末材料を移行させるブレードを用いると、別途遮蔽板を用意しなくても切削屑が粉末供給タンク側に飛散することを防ぐことができる。
【0046】
切削除去工程の間、粉末材料の供給のための粉末供給タンクを、焼結及び切削除去を行うためのステージから遠ざける駆動機構を設けたり、切削除去工程の間、粉末供給タンクをその上面開口部が焼結及び切削除去を行うためのステージより上方に位置するところまで移動させる駆動機構を設けたりすることで、飛散した屑が粉末供給タンクにまで届くことがないようにしても、飛散した屑が粉末供給タンクに入ってしまうことを確実に防ぐことができる。
【0047】
そして、切削屑を含んだ粉末材料と、切削屑を含んでいない過剰粉末材料とを別個の容器に保管することで、粉末材料の再利用にあたって切削屑を取り除く手間が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は切削屑除去の行う一例の概略断面図である。
【図2】(a)(b)は同上の他例の概略断面図である。
【図3】(a)(b)は同上の更に他例の概略断面図である。
【図4】(a)(b)は別の例の概略断面図と概略平面図である。
【図5】更に別の例の概略断面図である。
【図6】(a)は他の例の概略断面図、(b)は更に他例の概略平面図である。
【図7】(a)は別の例の概略断面図、(b)は更に別の例の概略平面図である。
【図8】(a)は他の例の概略断面図、(b)は更に他例の概略平面図である。
【図9】同上の他例の概略断面図である。
【図10】(a)(b)は別の例の概略断面図と概略平面図である。
【図11】(a)(b)は他の例の概略断面図と概略平面図である。
【図12】(a)(b)(c)は本発明に係る実施の形態の一例を示す概略断面図である。
【図13】(a)は他の例の概略断面図、(b)は一部を示す斜視図である。
【図14】更に他の例の概略断面図である。
【図15】別の例の概略断面図である。
【図16】(a)(b)は更に別の例の概略断面図である。
【図17】全体構成を示す分解斜視図である。
【図18】同上の動作を示す概略説明図である。
【符号の説明】
9 切削屑
10 粉末層
11 焼結層
Claims (11)
- 無機質あるいは有機質の粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結させて焼結層を形成し、この焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結させることで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成することを繰り返すとともに、焼結層の形成後にそれまでに作製した造形物の表面部及びまたは不要部分の切削除去を行う工程を複数回の焼結層の作製工程中に挿入して所要の三次元形状造形物の造形を行うにあたり、切削除去工程直前に切削屑除去のための粉末層を一層形成し、切削除去工程直後に粉末層最上部を所要の厚みで除去することで切削屑の除去を行うことを特徴とする三次元形状造形物の製造方法。
- 切削除去工程直後の粉末層最上部を所要の厚みで除去するにあたり、粉末材料の供給のための粉末供給タンクの最上部の粉末を同時に除去することを特徴とする請求項1記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 粉末材料の供給のための粉末供給タンクと、焼結及び切削除去を行うためのステージとの間にエアカーテンを配置しておくことを特徴とする請求項1または2記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 粉末材料の供給のための粉末供給タンクと、焼結及び切削除去を行うためのステージとの間に開閉自在な遮蔽板を配置しておくことを特徴とする請求項1または2記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 遮蔽板としてアコーデオンカーテンを用いていることを特徴とする請求項4記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 遮蔽板としてロールスクリーンを用いていることを特徴とする請求項4記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 遮蔽板として粉末供給タンクの開口部を開閉する蓋を用いていることを特徴とする請求項4記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 粉末材料の供給のための粉末供給タンクから焼結及び切削除去を行うためのステージに粉末材料を移行させるブレードを遮蔽板として用いることを特徴とする請求項4記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 切削除去工程の間、粉末材料の供給のための粉末供給タンクを、焼結及び切削除去を行うためのステージから遠ざける駆動機構を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 切削除去工程の間、粉末材料の供給のための粉末供給タンクをその上面開口部が焼結及び切削除去を行うためのステージより上方に位置するところまで移動させる駆動機構を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 切削屑を含んだ粉末材料と、切削屑を含んでいない過剰粉末材料とを別個の容器に保管することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の三次元形状造形物の製造方法。
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