JP2920008B2 - 三次元形状の形成方法 - Google Patents

三次元形状の形成方法

Info

Publication number
JP2920008B2
JP2920008B2 JP3246304A JP24630491A JP2920008B2 JP 2920008 B2 JP2920008 B2 JP 2920008B2 JP 3246304 A JP3246304 A JP 3246304A JP 24630491 A JP24630491 A JP 24630491A JP 2920008 B2 JP2920008 B2 JP 2920008B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support
layer
photocurable
supporting
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3246304A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0584834A (ja
Inventor
良幸 内野々
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP3246304A priority Critical patent/JP2920008B2/ja
Publication of JPH0584834A publication Critical patent/JPH0584834A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2920008B2 publication Critical patent/JP2920008B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、三次元形状の形成方
法に関し、詳しくは、光の照射によって硬化する光硬化
性樹脂を用いて、立体的な三次元形状を有する物品を成
形製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光硬化性樹脂を用いて三次元形状を形成
する方法は、複雑な三次元形状を、成形型や特別な加工
工具等を用いることなく、簡単かつ正確に形成すること
ができる方法として、各種の製品モデルや立体模型の製
造等に利用することが考えられており、具体的には、例
えば、特開昭62-35966号公報等に開示された方法が知ら
れている。
【0003】図6は、三次元形状の形成装置の一例を示
しており、貯液槽1に貯えられた光硬化性樹脂液2に対
して、液面から少し下に成形台3を沈め、成形台3の上
面と液面との間に形成される樹脂液2の薄層に液面上か
らレーザ光等を照射すれば、光の照射パターンに対応す
る光硬化層が形成される。成形台3を段階的に深く沈め
ていくとともに、前記のような光の照射を交互に繰り返
せば、所定の平面パターンを有する光硬化層が順次積み
重ねられて形成されていき、多数の光硬化層からなる三
次元形状を有する成形品が得られることになる。
【0004】上記の方法では、光硬化層は順番に下の光
硬化層に支持された状態で積み重ねられていく。ピラミ
ッド構造のように、上に積み重ねる光硬化層の外形が、
常に、下の光硬化層と同じ大きさであるか小さければ、
光硬化層を安定して積み重ねることができるが、上に積
み重ねる光硬化層の外形が下の光硬化層よりも大きくな
る場合には、光硬化層の積み重ねが不安定になり、上方
の光硬化層が変形したり三次元形状が崩れてしまうとい
う問題が生じる。特に、光硬化性樹脂が光硬化する際に
は収縮や反りを起こす可能性があり、三次元形状の外形
から大きく張り出した部分の光硬化層は、前記のような
反りや収縮が起こし易くなる。さらに、光硬化層を積み
重ねて形成する際に、積み重ねた光硬化層もしくは成形
品を、光硬化性樹脂液の液中で上下動させる場合がある
が、このような場合、樹脂液の流動抵抗によって光硬化
層が変形させられる可能性が高い。
【0005】そこで、下方の光硬化層よりも大きな光硬
化層を上方に積み重ねる必要がある、複雑な形状部分や
不安定な形状部分を備えた三次元形状の成形品を製造す
る場合には、光硬化層を積み重ねる基台に支柱を設けて
おき、この支柱で上方の光硬化層を支持させる方法(特
開平2-52725 号公報)や、下層の広い光硬化層の上で、
三次元形状を構成する光硬化層とは別の位置に、三次元
形状を構成する光硬化層の形成と同時に支持用の光硬化
層を形成し、この支持用の光硬化層を順次積み重ねて垂
直柱状の補強用形状保持部を設け、この保持部で上方の
光硬化層の張り出し部分を支持する方法(特開平2-2203
5 号公報)等が提案されている。
【0006】図7および図8は、支持用光硬化層を用い
る三次元形状の形成方法を示している。図7(a) に示す
ように、2段重ねの直方体からなる本体bと、この本体
bの上部に左右への張出部a、aを備えた三次元形状の
成形品Mを、前記した工程により、光硬化層を積み重ね
て形成する。このとき、図7(b) に示すように、張出部
a、aを支持する垂直な柱状支持部S1 を、三次元形状
を構成する光硬化層と同様の工程で形成しておく。ま
た、成形品Mの本体bについても、光硬化層からなる格
子台状の支持部S2 の上に形成する。すなわち、図8に
示すように、成形台3の上面に、格子台状支持部S2
介して、成形品Mの本体bが形成されるとともに、本体
bから張り出した張出部a、aの先端が、柱状支持部S
1 で成形台3に支持されることになる。
【0007】その結果、張出部a、aの先端が垂れ下が
ったり、上方に反ったりすることが無くなる。なお、本
体bを支持する格子台状支持部S2 は、本体bを成形台
3の表面から分離し易くする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来技術では、成形品Mが成形された後で、成形台3の上
から成形品Mを取り出すのが難しいという問題があっ
た。成形台3から成形品Mを取り出すには、図8に示す
ように、各支持部S1 、S 2 の下端を、ハケまたはヘラ
状の分離具Hで押し動かしたり、成形台3の上面との間
に上記分離具Hを差し込んだりして、成形台3から成形
品Mおよび各支持部S1 、S2 を剥がすようにして取り
外す。このとき、成形品Mが格子台状支持部S2 を介し
て成形台3の上に形成されていると、分離具Hが成形品
Mに直接は触れないので、成形品Mが傷つくことが少な
い。また、成形品Mが全面で成形台3と密着しているの
に比べて、格子台状支持部S2 は成形台3との接触面積
が少ないので、成形台3から分離するのに必要な力が少
なくて済む。
【0009】しかし、硬化直後の光硬化層およびこの光
硬化層が積み重ねられた成形品Mは、完全には硬化して
おらず、比較的柔軟で変形し易い状態である。そのた
め、成形台3から成形品Mを取り出す際に、強い力や偏
った力が加わると、成形品Mが変形してしまうのであ
る。光の照射によって正確な三次元形状が形成できて
も、成形品Mを成形台3から取り出す際に変形してしま
っては、最終的な製品の形状精度は大きく低下してしま
う。特に、前記した張出部a、a等は極めて変形し易い
ため、成形品Mを変形させないように取り出すのは極め
て困難であった。
【0010】なお、成形品Mを成形台3の上に載せたま
まで、加熱炉や紫外線照射装置等に送り込み、光硬化層
の最終的な硬化、いわゆるアフターキュアを行った後、
成形台3から成形品Mを分離すれば、成形品Mが変形す
るのを防止できる。ところが、この方法では、成形品M
および各支持部S1 、S2が完全に硬化するのと同時
に、成形台3との接触面で強力に固着してしまい、前記
した分離具Hによる操作程度では、成形台3から分離で
きなくなってしまう。また、上記分離作業の際に、成形
品Mに衝撃が加わったりすると、成形品Mが欠けたり割
れたりする問題も生じる。さらに、成形台3を、アフタ
ーキュア等の後工程にも使用するので、その間は、光硬
化層の形成作業に成形台3が使用できず、作業能率が悪
くなるという問題もあった。
【0011】このような問題を解決するため、特開平2-
128829号に開示された方法では、成形台と成形品の間に
柔軟なシート状部材を設けておき、このシート状部材お
よひ成形品を成形台から取り外した後、成形品の下面か
らシート状部材を引き剥がすようにしている。この方法
では、シート状部材と成形台との分離は容易である。し
かし、成形品からシート状部材を引き剥がす作業や、成
形作業毎に成形台の上にシート状部材を張り付ける作業
に手間がかかる欠点がある。特に、前記したような柱状
支持部S1 で張出部aを支持させている場合、柱状支持
部S1 は柔軟なシート状部材に載っているだけで、成形
台3に固定されていないことになるので、張出部aの先
端が上方に反ったりした場合には、柱状支持部S1 およ
びシート状部材も上方に反ったりしてしまい、張出部a
の変形を阻止する作用が全く無くなってしまう。
【0012】そこで、この発明の課題は、前記した三次
元形状の形成方法において、形成された成形品の取り出
し作業が容易かつ能率的に行えるとともに、この取り出
し作業の際に、成形品が変形したり破損したりすること
を良好に防ぐことのできる三次元形状の形成方法を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するこの
発明にかかる三次元形状の形成方法は、光硬化性樹脂に
光を照射して光硬化層を形成し、この光硬化層を複数層
積み重ねて三次元形状を形成する方法において、成形台
の上方に突出させて支持凸部を配置しておき、前記支持
凸部の上端に、支持凸部に対して上方への移動が阻止さ
れた状態で支持されるとともに、自らを破壊することな
く支持凸部から取り外すことが可能な支持用光硬化層を
形成し、三次元形状を構成する光硬化層を、前記支持用
光硬化層の上に形成する。
【0014】この発明の方法では、基本的には、通常の
光硬化性樹脂を用いた三次元形状の形成方法と同様の作
業工程、使用材料および装置が適用できる。具体的に
は、例えば、光硬化性樹脂液の薄層に、所定のパターン
にしたがってレーザ光等の光を照射し、光が照射された
部分に一定厚みの光硬化層を形成する。光硬化層の上に
新たな光硬化性樹脂液を供給して光硬化性樹脂液の薄層
を形成したり、光硬化層を樹脂液に沈めて光硬化層の上
を樹脂液の薄層で覆ったりした後、前記同様に光を照射
して、光硬化層の上に新たな光硬化層を形成する。この
ような工程を繰り返すことにより、複数層の光硬化層を
順次積み重ねて所望の三次元形状を有する成形品を製造
する。
【0015】この発明では、三次元形状を構成する光硬
化層を、昇降自在もしくは固定された成形台の上に形成
する。成形台の基本的な構造は、通常の三次元形状の形
成方法および装置の場合と同様である。また、三次元形
状を構成する光硬化層の下部には、支持用光硬化層を形
成しておく。すなわち、成形台の上で、まず、所定の形
状パターンおよび層数の支持用光硬化層を形成した後、
その上に三次元形状を構成する光硬化層を形成すること
になる。支持用光硬化層の形状パターンおよび層数は、
その上に形成する三次元形状の成形品の形状に合わせて
任意に設定される。支持用光硬化層は、成形品の底面部
分を一定の厚みで支持できるように形成しておくだけで
もよいが、成形品の一部に支持を必要とする張出部が存
在する場合には、この張出部を支持可能な位置まで支持
用光硬化層を形成しておく。支持用光硬化層の積み重ね
厚みもしくは層数は、成形品の支持を確実に行えるとと
もに、後述する支持凸部による支持が可能な厚みを有す
るように設定される。
【0016】支持用光硬化層は、成形台の上面に突出す
る複数個所の支持凸部の上端で部分的に支持される。し
たがって、支持用光硬化層すなわち成形品は、複数の支
持凸部の個所のみを介して成形台に支持されることにな
る。支持凸部は、成形品および支持用光硬化層の配置形
状に合わせて、成形台の複数個所に配置される。支持凸
部は、成形台に対して着脱可能に取り付けておいたり、
取り付け位置を変更可能に設けておけば、成形品および
支持用光硬化層の配置形状に合わせて、支持凸部の取り
付け位置を変えることができる。
【0017】支持用光硬化層は、支持凸部の上端近くに
形成される。すなわち、支持凸部の上端近くの位置で、
光硬化性樹脂液に光を照射して支持用光硬化層を形成す
ることにより、支持用光硬化層の内部に支持凸部の上端
が埋め込まれた形で、支持用光硬化層が形成される。支
持用光硬化層に支持凸部を埋め込む深さは、支持凸部と
支持用光硬化層との一体接合性が充分になる程度に設定
しておけばよく、1層分の支持用光硬化層あるいは複数
層分の支持用光硬化層に支持凸部を埋め込むようにすれ
ばよい。
【0018】支持凸部は、支持用光硬化層に対して、支
持用光硬化層が上方に移動するのを阻止できるとともに
支持用光硬化層を破壊することなく取り外せるようにし
ておく。すなわち、前記したように、支持凸部の上端近
くが支持用光硬化層に埋め込まれた状態で、支持用光硬
化層が上方に移動しようとしても、支持凸部により移動
を阻止されるとともに、必要なときには、支持用光硬化
層を壊すことなく、支持凸部を支持用光硬化層から取り
外すことができるようにしておく。
【0019】そのための支持手段としては、例えば、支
持凸部の上端を、円柱や多角柱等の棒状に形成しておく
だけでも、ある程度の支持用光硬化層の上方への移動阻
止は可能であり、支持凸部を支持用光硬化層の下方に引
き抜けば、支持凸部を取り出すことも可能である。しか
し、支持用光硬化層の上方への移動を確実強固に阻止す
るとともに、支持凸部の取り出しをスムーズに行えるよ
うにするには、以下に挙げる構造が好ましい。
【0020】すなわち、支持凸部の上端に雄ねじを切っ
ておく。この雄ねじ部の周囲で光硬化性樹脂液を光硬化
させて支持用光硬化層を形成すれば、支持用光硬化層の
雄ねじ部との接触面に雌ねじが切られた状態になる。こ
の状態では、支持用光硬化層は支持凸部に対して、ねじ
の噛み合わせにより、上下あるいは水平方向への移動を
確実に阻止した状態で良好に支持される。そして、支持
用光硬化層に対して、支持凸部の雄ねじ部を回転させれ
ば、雄ねじ部が支持用光硬化層の雌ねじ部からスムーズ
に抜け出し、支持用光硬化層を壊したり、強い力を加え
ることなく、支持凸部を取り外すことができる。
【0021】なお、支持凸部の雄ねじ部の周囲に密着し
て支持用光硬化層を形成するには、雄ねじ部の谷部分に
も光を照射して樹脂液を光硬化させる必要がある。その
ためには、照射光が、樹脂液の液面下で斜め方向に広が
って、雄ねじ部の谷部分にも光が届くように、レーザビ
ームの焦点位置を調整しておいたり、樹脂液中で光があ
る程度拡散するようにしておいたりすることが有効であ
る。
【0022】別の好ましい支持手段として、支持凸部の
上端を、ロウ等の熱可溶性材料で形成しておくととも
に、この熱可溶部を備えた支持凸部を、成形台の上にボ
ルト等で着脱自在に装着される補助支持板の上面に突出
するように取り付けておく方法が採用できる。この熱可
溶部の周囲で樹脂液を光硬化させて支持用光硬化層を形
成すれば、前記同様に、支持凸部による支持用光硬化層
の支持作用が果たせる。そして、成形品が形成された
後、成形台から補助支持板を取り外して、この保持支持
板のままで成形品をアフタキュアすれば、アフタキュア
時の加熱ランプ等による加熱で、支持用光硬化層に埋め
込まれた熱可溶部が溶け出してしまい、支持凸部が支持
用光硬化層から外れることになる。したがって、熱可溶
部の材料としては、アフタキュアにおける加熱で溶け出
す程度の溶融温度を有するものが好ましい。熱可溶部の
形状は、円柱その他の単純な棒状のものよりも、抜け止
め用の拡大部や逆テーパ部、蟻継ぎ構造等を備えたもの
が、支持用光硬化層の上方への移動を確実に阻止できる
ので好ましい。
【0023】支持凸部による支持用光硬化層の支持手段
は、上記した具体例以外にも、前記のような作用を果た
すことができれば、通常の樹脂成形や機械装置における
支持手段を適用することができる。
【0024】
【作用】三次元形状の成形品を構成する光硬化層が、支
持用光硬化層および支持凸部を介して成形台に支持され
ており、支持凸部が支持用光硬化層の上方への移動を阻
止できるようになっていれば、成形作業中に、光硬化層
の一部が垂れ下がったり反ったりすることなく、光照射
によって形成された正確な形状の光硬化層からなる三次
元形状を作製することができる。特に、支持用光硬化層
を設けておくことにより、成形品の一部に張出部等があ
っても、これを確実に支持して変形しないようにするこ
とができる。
【0025】支持用光硬化層が、直接、成形台の表面に
形成されていると、前記したように、支持用光硬化層を
成形台の表面から剥がす際に、成形品に無理な力を加え
て変形させたり、成形品の一部を破損したりする問題が
生じる。しかし、支持用光硬化層が、支持凸部を介して
成形台に支持されており、この支持台が、支持用光硬化
層を破壊することなく取り外せるようになっていれば、
成形品に無理な力を加えずに、支持用光硬化層およびそ
の上の成形品を、成形台から簡単に取り外すことができ
る。
【0026】
【実施例】ついで、この発明の実施例を、図面を参照し
ながら以下に詳しく説明する。図1は、この発明の方法
の実施状態を示しており、貯液槽1に溜められた光硬化
性樹脂液10に、液中を上下動する水平板状の成形台2
0が沈められている。成形台20からは作動腕22が液
面上方まで延びており、作動腕22を各種の作動機構で
上下動させて、成形台20を光硬化性樹脂液10中で任
意の深さに沈めたり、成形台20を液面上まで持ち上げ
たりできるようになっている。
【0027】図2にも示すように、成形台20には、支
持凸部となる多数の支持ボルト30が、成形台20の下
面側からねじ込み取り付けされており、支持ボルト30
の雄ねじ部32の先端が、成形台20の上面に突出して
いる。上記のような成形装置を用いて、三次元形状の形
成を行う。成形台20を光硬化性樹脂液10の液面近く
に沈めた状態で、液面にレーザ光60を所定のパターン
で照射すれば、液面と成形台20の間で光硬化性樹脂液
10の薄層が光硬化して、三次元形状を構成するための
光硬化層40が形成される。このとき、三次元形状を構
成するための光硬化層40とは別の位置に、光硬化層4
0を支持するための支持用光硬化層42も形成してお
く。成形台20を段階的に液中に沈めるとともに、各段
階毎にレーザ光60のパターン照射を行えば、成形台2
0の上に複数層の光硬化層40および支持用光硬化層4
2が積み重ねられて形成され、前記第7図や第8図に示
すような、所望の三次元形状を有する成形品Mおよび格
子台状支持部S1 、柱状支持部S2 が得られることにな
る。
【0028】但し、この実施例では、図1に示すよう
に、最下層の支持用光硬化層42を形成する位置を、成
形台20の表面ではなく、支持ボルト30の雄ねじ部3
2の上端近くに設定しておく。具体的には、図4に示す
ように、雄ねじ部32の上端を液面近くに配置してレー
ザ光60を照射すれば、雄ねじ部32の周囲で樹脂液1
0が光硬化して一定厚みの支持用光硬化層42が形成さ
れる。レーザ光60は、その焦点位置や光強度を適当に
設定することにより、樹脂液10を一定の深さだけ光硬
化させることができる。
【0029】支持用光硬化層42を、雄ねじ部32の谷
部分にも確実に形成するために、レーザ光60の焦点位
置を、液面よりも少し高く設定しておく。このようにし
ておけば、レーザ光60は、液面下で広がるので、雄ね
じ部32の谷部分にまで到達して、その部分の樹脂液1
0を光硬化させることができる。なお、樹脂液10は、
レーザ光60のビームよりも少し外側まで光硬化するの
で、レーザ光60が雄ねじ部32の谷部分に完全に照射
されなくても、雄ねじ部32の周囲全体に密着する支持
用光硬化層42を形成することは可能である。
【0030】図3および図2に示すように、雄ねじ部3
2が、何層かの支持用光硬化層42で完全に埋められた
後、三次元形状を構成する光硬化層40を形成すれば、
成形品Mに雄ねじ部32の先端が食い込むことはない。
雄ねじ部32が支持用光硬化層42からなる支持部S2
に埋め込まれた状態では、支持用光硬化層42に雄ねじ
部32の外形に対応する雌ねじが切られていることにな
って、互いに噛み合っているので、支持部S2 に樹脂液
10の流動抵抗や光硬化時の収縮応力等が加わっても、
支持部S2 は上下方向および水平方向の何れの方向にも
移動することはない。
【0031】三次元形状を構成する光硬化層40が最上
層まで形成され、所定形状の成形品Mが成形されれば、
成形台20から成形品Mおよび各支持部S1、S2 を取
り外す。例えば、図2または図3において、支持ボルト
30を回転させると、雄ねじ32は、支持部S2 の雌ね
じに対して相対的にねじ回転して、支持部S2 から抜け
出すことになる。雄ねじ部32が抜け出した後の支持部
2 、S1 およびその上の成形品Mは、成形台20から
分離されるので、次ぎのアフタキュア工程等へと送られ
る。以後の工程は、通常の三次元形状の形成方法と同様
に行えばよいので、説明を省略する。なお、各支持部S
1 、S2 は、製造工程の適当な時期に、成形品Mから切
除したり削り取ったりすればよい。
【0032】つぎに、図5に示す実施例は、上記実施例
とは、支持凸部の構造が異なる場合である。この実施例
では、成形台20の上に、取付ボルト52で補助支持板
50が取り付けられている。補助支持板50の上面には
複数本のねじ軸34が植え込んである。ねじ軸34の上
端には、ロウ等の熱可溶性部材36が取り付けられてい
る。熱可溶性部材36は、上端が広く下端が狭くなった
逆テーパ状もしくは逆載頭円錐形をなしている。
【0033】このような成形装置を用いて、前記実施例
と同様に、成形台20の段階的な下降とレーザ光60の
照射を行って、光硬化層40および支持用光硬化層42
の形成を行い、各支持部S1 、S2 および成形品Mを作
製する。支持部S2 の支持用光硬化層42は、熱可溶性
部材36を埋め込んだ状態で形成される。熱可溶性部材
36が逆テーパ構造になっているので、支持用光硬化層
42は上下方向および水平方向の何れにも移動を阻止さ
れた状態で、熱可溶性部材36からねじ軸34、補助支
持板50を介して成形台20に支持固定される。
【0034】成形品Mが成形された後、取付ボルト52
を外して、成形品Mおよび各支持部S1 、S2 を支持し
た補助支持板50を成形台20から分離する。補助支持
板50のままで、アフタキュア工程に送る。アフタキュ
ア工程における加熱で、前記熱可溶性部材36が溶け出
す。そうすると、支持部S1 、S2 の支持用光硬化層4
2に対する固定は解除され、成形品Mおよび各支持部S
1 、S2 は、補助支持板50から分離される。その後の
作業工程は、通常の三次元形状の形成方法と同様に行わ
れる。
【0035】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる三次元
形状の形成方法によれば、三次元形状を構成する光硬化
層を支持用光硬化層および支持凸部を介して成形台に支
持しておくことにより、成形作業中における光硬化層す
なわち成形品の変形を確実に阻止して、形状精度に優れ
た三次元形状の成形品を得ることができる。
【0036】特に、支持凸部による支持用光硬化層の支
持手段が、支持用光硬化層の上方への移動を阻止できる
ことにより、光硬化層の反り等に伴う上方への変形を良
好に防止できるとともに、支持用光硬化層を破壊するこ
となく取り外せるようになっているので、成形品に無理
な力を加えて変形させたり破損したりすることなく、簡
単に成形品の取り出しを行うことができる。
【0037】その結果、高精度な三次元形状を備えた成
形品を、極めて能率的に製造することが可能になり、こ
の種の三次元形状の形成方法における加工精度および作
業能率の向上に大きく貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を示す断面図
【図2】 同上の要部拡大断面図
【図3】 図2のA部拡大断面図
【図4】 光硬化工程を説明する模式的断面図
【図5】 別の実施例を示す一部断面正面図
【図6】 三次元形状の形成装置の具体例を示す斜視図
【図7】 成形品および支持部の具体例を示す斜視図
【図8】 従来例における成形品の取り出し方法を示す
正面図
【符号の説明】
10 光硬化性樹脂液 20 成形台 30 支持ボルト 32 雄ねじ部(支持凸部) 40 三次元形状を構成する光硬化層 42 支持用光硬化層 60 レーザ光 M 成形品 S1 、S2 支持部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光硬化性樹脂に光を照射して光硬化層を形
    成し、この光硬化層を複数層積み重ねて三次元形状を形
    成する方法において、成形台の上方に突出させて支持凸部を配置しておき、 前記支持凸部の上端に、支持凸部に対して上方への移動
    が阻止された状態で支持されるとともに、自らを破壊す
    ることなく支持凸部から取り外すことが可能な支持用光
    硬化層を形成し、 三次元形状を構成する光硬化層を、前記支持用光硬化層
    の上に形成する 三次元形状の形成方法。
JP3246304A 1991-09-25 1991-09-25 三次元形状の形成方法 Expired - Fee Related JP2920008B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3246304A JP2920008B2 (ja) 1991-09-25 1991-09-25 三次元形状の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3246304A JP2920008B2 (ja) 1991-09-25 1991-09-25 三次元形状の形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0584834A JPH0584834A (ja) 1993-04-06
JP2920008B2 true JP2920008B2 (ja) 1999-07-19

Family

ID=17146569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3246304A Expired - Fee Related JP2920008B2 (ja) 1991-09-25 1991-09-25 三次元形状の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2920008B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016161276A1 (en) * 2015-04-03 2016-10-06 Materialise N.V. Support structures in additive manufacturing

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080170112A1 (en) * 2007-01-17 2008-07-17 Hull Charles W Build pad, solid image build, and method for building build supports
CN107471651B (zh) * 2017-03-03 2019-12-13 珠海赛纳打印科技股份有限公司 支撑结构、支撑结构的打印方法以及打印系统
CN108246862A (zh) * 2017-12-30 2018-07-06 梅木精密工业(珠海)有限公司 一种接骨板快速成型方法
JP2020059237A (ja) * 2018-10-11 2020-04-16 キヤノン株式会社 三次元造形装置および三次元造形物の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016161276A1 (en) * 2015-04-03 2016-10-06 Materialise N.V. Support structures in additive manufacturing
US10843412B2 (en) 2015-04-03 2020-11-24 Materialise N.V. Support structures in additive manufacturing

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0584834A (ja) 1993-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW421833B (en) Method of manufacturing semiconductor devices and resin molding machine
JPS62275734A (ja) 立体形成方法
JP2008137392A (ja) 材料層を分離するための装置および方法
JP2920008B2 (ja) 三次元形状の形成方法
JP2009023353A (ja) 造形方法、造形物の製造方法及び造形装置
US20070216047A1 (en) Manufacturing an optical element
JP3856654B2 (ja) 三次元形状造形物の製造方法
JP5678887B2 (ja) ウエハレンズ製造装置、ウエハレンズの製造方法及びウエハレンズ製造用樹脂型の製造方法
US7037458B2 (en) Progressive stamping apparatus and method
JP2617532B2 (ja) 三次元形状の形成方法および装置
JP4426059B2 (ja) 光学的立体造形方法および装置
JP6221795B2 (ja) インプリントモールドとこれを用いたインプリント方法およびインプリントモールドを製造するためのマスターモールド
JP6651716B2 (ja) モールド成形品の製造方法及びモールド成形品の製造装置
JP2957763B2 (ja) 三次元形状の形成方法
JPH071594A (ja) 光造形装置
JPH06143360A (ja) 成形用金型と成形方法及び樹脂成形品
JPH04255327A (ja) ソリッドクリェーション用台座とそれを用いたシステム
JPH11348135A (ja) 光造形装置
JPH06297586A (ja) 三次元造形方法
JP2000301619A (ja) 積層造形方法
JPH071595A (ja) 光造形法
JP4419665B2 (ja) 光学素子の製造方法
JPH01286808A (ja) プラスチックレンズ成形方法および装置
JP3293105B2 (ja) 半導体中間構体及びその樹脂モールド装置
JP3314608B2 (ja) 光造型方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080423

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090423

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090423

Year of fee payment: 10

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090423

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100423

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees